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当ブログにて公開中のレビュー、および1998年12月1日からスタートした『とみぃの宮殿』に掲載された記事を当ブログにて再公開したレビューのインデックスページになります。(2022年7月5日更新)


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2022年7月 5日 (火)

2022年上半期総括

恒例となった上半期ベスト。ここ1〜2ヶ月は激務に伴い連続更新をストップさせるタイミングが何度かあり、6月末からも不定期更新が続いておりますが、これだけはやっておかないとと思い、記録として残すことにしました。

今年は例年の「洋楽5枚、邦楽5枚」を崩して、このサイトで紹介した作品の中から10作品をピックアップする形を取りました。最後に、次点5作品も紹介しております。年末の年間ベストに関しては例年どおりの形で行うと思いますが、時間がない今はこういう形で進めさせてください。

 

DEF LEPPARD『DIAMOND STAR HALOS』(amazon)(レビュー

 

FONTAINES D.C.『SKINTY FIA』(amazon)(レビュー

 

THE HELLACOPTERS『EYES OF OBLIVION』(amazon)(レビュー

 

HO99O9『SKIN』(amazon)(レビュー

 

IBARAKI『RASHOMON』(amazon)(レビュー

 

NOVA TWINS『SUPERNOVA』(amazon)(レビュー

 

PAUL DRAPER『CULT LEADER TACTICS』(amazon)(レビュー

 

RECKLESS LOVE『TURBORIDER』(amazon)(レビュー

 

VENOM PRISON『EREBOS』(amazon)(レビュー

 

ZEAL & ARDOR『ZEAL & ARDOR』(amazon)(レビュー

 

そして、以下5作品が次点となります。

 

BLOODYWOOD『RAKSHAK』(レビュー
GREYHAVEN『THIS BRIGHT AND BEAUTIFUL WORLD』(レビュー
MICHAEL MONROE『I LIVE TOO FAST TO DIE YOUNG!』(レビュー
PORCUPINE TREE『CLOSURE / CONTINUATION』(レビュー
SOUL GLO『DIASPORA PROBLEMS』(レビュー

2022年7月 2日 (土)

PORCUPINE TREE『CLOSURE / CONTINUATION』(2022)

2022年6月24日にリリースされたPORCUPINE TREEの11thアルバム。

10thアルバム『THE INCIDENT』(2009年)に伴うツアーを経て、2010年以降は活動停止状態だった彼ら。以降、スティーヴン・ウィルソン(Vo, G)はソロ活動を活発化させ、2011年の2ndソロ『GRACE FOR DROWING』から昨年の6作目『THE FUTURE BITES』(2021年)まで5枚ものアルバムを発表。かつ、同作は全英4位、5作目『TO THE BONE』(2017年)は同3位とチャート的にも好成績を残しています。

そんなPORCUPITE TREEが2021年秋に突如活動再開を発表。ベーシストのコリン・エドウィンは未参加ながらも、スティーヴンとリチャード・バルビエリ(Key/ex. JAPAN)、ギャヴィン・ハリソン(Dr/KING CRIMSON、THE PINEAPPLE THIEF)の3人でこの11作目にあたるオリジナルアルバムを完成させます(レコーディングではスティーヴンがベースパートを兼務)。

バンドのセルフプロデュースで制作された本作は、7〜9分台の長尺曲が中心の全7曲/約48分といういかにも彼ららしいボリューム/バランス感。また、デラックスエディションにはさらに3曲が追加され、全10曲/約66分という2枚組アルバム級の大ボリュームに。日本盤やサブスクなどではこの10曲仕様がマストのようです。

実は、オープニング曲「Harridan」や一部の楽曲は、前作『THE INCIDENT』が完成してすぐに取り組んでいたものなんだとか。何度かバンドとしての新作に取り組もうというタイミングがあったようですが、最終的にこのタイミングになってしまったと。それもあってなのか、「Harridan」は良い意味で“あのPORCUPINE TREEが帰ってきた!”というスリリングでダーク(そしてムーディ)なサウンドを思う存分に楽しむことができる。ちょっと比較するのは違うかもしれませんが、僕の感覚的にはTOOL久々の新作『FEAR INOCULUM』(2019年)に初めて触れたときと同じ感覚に陥りました。

もちろん、ただ同じことの繰り返しをしているわけではなく、メロディや奏でられるサウンド、バンドのアンサンブルや随所に散りばめられたフレーズなどに以前との違い(というか成長)を感じ取ることもできる。ダークな「Rats Return」があるかと思えば、穏やかな雰囲気の「Of The New Day」や「Dignity」では独特の浮遊感や解放感が味わえるし、「Walk The Plank」ではエレクトロ色の強い不思議な空気を味わうこともできる。そして、アルバムラストには10分近くにもおよぶエピカルな「Chimera's Wreck」が配置されている。僕は決して熱心なこのバンドのファンとは言えませんが、ここで展開されている楽曲、サウンドにはファンが望むものすべてが詰まっていると同時に、この10数年にスティーヴンやリチャード、ギャヴィンが経験したことすべてが凝縮されているような気がしてなりません。

往年のYESGENESISとの共通点が見つけられると同時に、90年代以降のオルタナティヴな感覚も添えられており、これらが2022年版にアップデートされたのが本作『CLOSURE / CONTINUATION』と考えると、全英チャート2位という過去最高ランキングを獲得したことも頷けるものがあります(途中まで1位獲得か?と期待されていただけに、ちょっとだけ残念)。ドイツなどでは初の1位も獲得しており、アメリカ以外では大健闘といったところでしょうか。サブスクよりもフィジカルが格段に数字を稼いでいるあたりにも、どういった層が彼らの音楽のメインターゲットなのかもなんとなく想像できますしね。

「Harridan」や「Chimera's Wreck」みたいな曲を聴いてしまうと、断然ライブが観たくなるわけでして。僕が彼らを生で観たのは2006年11月の昭和女子大学人見記念講堂でのライブが最初で最後なわけですが、次にチャンスが訪れたときは必ず会場に足を運ぼう……そう強く思わせてくれた良質な1枚です。

 


▼PORCUPINE TREE『CLOSURE / CONTINUATION』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2022年6月30日 (木)

ALEXISONFIRE『OTHERNESS』(2022)

2022年6月24日にリリースされたALEXISONFIREの5thアルバム。日本盤未発売。

2015年に再結成を果たしたカナダ出身のポストハードコア/スクリーモバンドによる、前作『OLD CROWS / YOUNG CARDINALS』(2009年)以来となる13年ぶりの新作。バンドとジョウナ・ファルコ(FUCKED UP、CHUBBY & THE GANGなど)の共同プロデュース作となります。

ALEXISONFIREというと、初期の無軌道なまでにアグレッシヴなスクリーモサウンド/楽曲が印象に残っていますが、13年ぶりに届けられた今作は過去4作とは一線を画する意欲作ではないでしょうか。まず、オープニングを飾る「Committed To The Con」の穏やかでムーディな作風に「おっ?」と驚かされ、そのミディアム/スローなスタイルが「Sweet Dreams Of Otherness」「Sans Soldeil」と頭3曲続くのです。最初に聴いたとき、正直なところ「あれ、ニューウェイヴ経由のUKロックバンド新作と間違えた?」と動揺したほどです。

このテイストが過去の作品にまったくなかったかと言われれば、まったくそんなことはないのですが、それにしてもここまでムーディなスタイルに特化した方向にシフトするとは思いもしませんでした。これは問題作って言われるんだろうな……。

でも、4曲目「Conditional Love」で従来のポストハードコアスタイルへと回帰。若干落ち着き払った印象もなきにしもあらずですが、頭3曲のあとに聴いたらこれでもかなり激しめに聞こえます。この曲を軸に、アルバムはここからガンガン攻めていくのかな……一瞬、そんな淡い期待を寄せたものの、それは5曲目「Blue Spade」で早くも打ち砕かれます(笑)。

「Blue Spade」はヘヴィなイントロを擁するものの、全体的にはダーク&ダウナーなスタイルで、方向性的には頭3曲の流れにあるもの。つまり、この新作はミディアム/スローナンバーを軸にしながら、ダークでムーディな楽曲で独特の世界観を構築するという、バンドとしてネクストレベルへと到達した1枚なのです。再結成から6、7年待たされたアルバムだけに、きっと多くのファンはエネルギッシュな作品を期待したことでしょう。しかし、バンドは前と同じことをするために復活したわけではなかった。このバンドの求めるものとファンが求めるものとの乖離が、この先どんな評価が下されるのか気になるところです。

個人的な感想を述べておくと、確かに求めていた作とはまったく異なっていたんだけど、このスタイルは嫌いではないし、むしろ好み、いや、ど真ん中なんですよ。ライブどうこうではなく、1枚の作品として非常に聴き応えがあって飽きのこない内容かな。2000年代初頭に台頭したポストハードコア/スクリーモバンドが20年の歳月を経て、どう“大人”になっていくか……つまり、ここから先の人生をどう描いていくのか、そのために必要なのが本作だったんでしょうね。

異色作ではあるんだけど、ロックアルバムとしてはよく作り込まれていて、まったく隙を感じさせない仕上がり。正当な評価を下すのは確かに難しい内容ではありますが、願わくば数年後に「あれは意外な名盤だったね」と言われているような1枚になっていてほしいなと思います。

 


▼ALEXISONFIRE『OTHERNESS』
(amazon:海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2022年5月のアクセスランキング

2021年総括はこちらから

ここでは2022年5月1日から5月31日までの各エントリーへのアクセスから、TOP30エントリーを紹介します。内訳は、トップページやアーティスト別カテゴリーへのアクセスなどを省いた上位30記事。まだ読んでいない記事などありましたら、この機会に読んでいただけたらと。

ちなみに記事タイトルの後ろにある「(※XXXX年XX月XX日公開/↑●位)」の表記は、「更新日/2022年4月のアクセスランキング順位」を表しています。

 

1位:IBARAKI『RASHOMON』(2022)(※2022年5月11日公開/NEW!)

2位:WHITESNAKE『GREATEST HITS 2022 - REVISITED - REMIXED - REMASTERED -』(2022)(※2022年5月15日公開/NEW!)

3位:THUNDER『DOPAMINE』(2022)(※2022年5月2日公開/NEW!)

4位:HARDCORE SUPERSTAR『ABRAKADABRA』(2022)(※2022年5月4日公開/NEW!)

5位:REEF『SHOOT ME YOUR ACE』(2022)(※2022年5月3日公開/NEW!)

6位:CRASHDÏET『AUTOMATON』(2022)(※2022年5月21日公開/NEW!)

7位:DEF LEPPARD『DIAMOND STAR HALOS』(2022)(※2022年5月28日公開/NEW!)

8位:PAPA ROACH『EGO TRIP』(2022)(※2022年5月12日公開/NEW!)

9位:RAMMSTEIN『ZEIT』(2022)(※2022年5月1日公開/NEW!)

10位:RECKLESS LOVE『TURBORIDER』(2022)(※2022年5月22日公開/NEW!)

 

11位:BLOC PARTY『ALPHA GAMES』(2022)(※2022年5月7日公開/NEW!)

12位:NAILBOMB『POINT BLANK』(1994)(※2018年5月12日公開/↑28位)

13位:JAMES LABRIE『BEAUTIFUL SHADE OF GREY』(2022)(※2022年5月24日公開/NEW!)

14位:HALESTORM『BACK FROM THE DEAD』(2022)(※2022年5月9日公開/NEW!)

15位:HARDCORE SUPERSTAR『HARDCORE SUPERSTAR』(2005)(※2022年5月5日公開/NEW!)

16位:MR.CHILDREN TOUR '99 "DISCOVERY" @国立代々木競技場第一体育館(1999年5月5日)(※1999年5月9日公開/Re)

17位:GINGER WILDHEART『THE PESSIMIST’S COMPANION』(2018/2022)(※2022年5月6日公開/NEW!)

18位:THE ROLLING STONES『LOVE YOU LIVE』(1977)(※2022年5月14日公開/NEW!)

19位:KORN『THE SERENITY OF SUFFERING』(2016)(※2022年5月26日公開/NEW!)

20位:HARDCORE SUPERSTAR『THANK YOU (FOR LETTING US BE OURSELVES)』(2001)(※2022年5月4日公開/NEW!)

 

21位:GINGER WILDHEART『HEADZAPOPPIN』(2019)(※2022年5月6日公開/NEW!)

22位:THREE DAYS GRACE『EXPLOSIONS』(2022)(※2022年5月13日公開/NEW!)

23位:HARDCORE SUPERSTAR『IT'S ONLY ROCK 'N' ROLL』(1998)(※2022年5月5日公開/NEW!)

24位:V.A.『TOP GUN: ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK』(1986)(※2022年5月23日公開/NEW!)

25位:HARDCORE SUPERSTAR『NO REGRETS』(2003)(※2022年5月4日公開/NEW!)

26位:FRANZ FERDINAND『HITS TO THE HEAD』(2022)(※2022年5月8日公開/NEW!)

27位:SKILLS『DIFFERENT WORLDS』(2022)(※2022年5月20日公開/NEW!)

28位:モーニング娘。コンサートツアー2003春 NON STOP!@さいたまスーパーアリーナ(2003年5月5日 夜公演)(※2003年5月6日公開/Re)

29位:THE WiLDHEARTS『PHUQ (DELUXE)』(2022)(※2022年2月14日公開/↓27位)

30位:HARDCORE SUPERSTAR『DREAMIN' IN A CASKET』(2007)(※2022年5月5日公開/NEW!)

2022年6月のお仕事

2022年6月に公開されたお仕事の、ほんの一例をご紹介します。(※6月30日更新)

 

[WEB] 6月30日、「リアルサウンド」にてライブレポート日向坂46 渡邉美穂、“ハッピーオーラ”体現した5年間の集大成 メンバー22人が勢揃いした愛溢れる卒業セレモニーが公開されました。

[WEB] 6月29日、「リアルサウンド」にてインタビューINORAN、ソロデビュー25周年に残したアコースティックライブの空気 楽曲との“信頼関係”が生み出す対話のようなリアレンジが公開されました。

[WEB] 6月29日、「リアルサウンド」にてライブレポートRAISE A SUILEN×Morfonica、個性の衝突と融和が生んだ極上のステージ 感情揺さぶるツーマンライブを観てが公開されました。

[紙] 6月29日発売B-PASS ALL AREA Vol.13にて、TM NETWORK宇都宮隆 単独インタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 6月27日発売日向坂46渡邉美穂卒業記念書籍「私が私であるために」にて、構成を担当しました。(Amazon

[WEB] 6月24日、「Billboard JAPAN」にてインタビュー『Moments』で新たに浮き彫りになった“MARiA”の矜持を解き明かすが公開されました。

[WEB] 6月23日、「音楽ナタリー」にてインタビュー森七菜インタビュー|森山直太朗書き下ろしの「bye-bye myself」で見つけた新しい私が公開されました。

[WEB] 6月22日、「音楽ナタリー」にてインタビューMONGOL800×WANIMAインタビュー|両思いで影響を与えあう2組の魅力が詰まった「愛彌々」完成が公開されました。

[WEB] 6月19日、「リアルサウンド」にてインタビュー日向坂46 河田陽菜&山口陽世、東京ドーム公演を経た現在の心境 変革期迎えるグループの今後の目標とは?が公開されました。

[WEB] 6月18日23:50〜26:00配信のTHE YELLOW MONKEY デビュー30周年記念 ニコ生が燃えている! 30時間BURN!BURN!BURN!生放送「夢のニコ生ライブ・妄想セットリストを作ろう!」に出演しました。

[紙] 6月15日発売「ヘドバン Vol.34」にて、レッチリ初期作ディスクレビュー(1st、3rd、5th)、80〜90年代ミクスチャー最重要作レビュー(BEASTIE BOYS、RUN DMC×AEROSMITH、JANE'S ADDICTION、LIVING COLOUR、FAITH NO MORE、INFECTIOUS GROOVES、PRIMUS、BODY COUNT、INCUBUS、LINKIN PARK)、TURNSTILEコラム、Ho99o9インタビュー、スウェディッシュメタル名盤レビュー(ELECTRIC BOYS、CLAWFINGER、AMARANTHE、H.E.A.T)を担当しました。(Amazon

[紙] 6月15日発売「Ani-PASS #18」にて、TrySailインタビューを担当しました。(Amazon

[WEB] 6月9日、「リアルサウンド」にてライブレポートBLUE BLUE BLUE、初の東京公演レポート ダイナミックなダンスと歌声で魅了した「Colorful Days」リリースパーティが公開されました。

[WEB] 6月9日、「リアルサウンド」にてインタビューLittle Glee Monster かれん&MAYU&アサヒに聞く、両A面シングルで示すグループのカラー 活動に対する手応えもが公開されました。

[WEB] 6月3日、「OHTABOOKSTAND」にてインタビュー「曲を聴けば『ピングドラム』のさまざまなシーンを思い出せる」10年経ても愛されるトリプルHの楽曲の魅力とはが公開されました。

[紙] 6月3日発売「日経エンタテインメント!」2022年7月号にて、櫻坂46菅井友香の連載「いつも凛々しく力強く」および日向坂46上村ひなのの連載「ピュアで真っすぐな変化球」の各構成を担当しました。(Amazon

[WEB] 6月1日、「音楽ナタリー」にてインタビュー楠木ともり、4曲入りの新作「遣らずの雨」で発揮した豊かな歌唱表現と作家としての才能が公開されました。

[WEB] 6月1日、「リアルサウンドBOOK」にてインタビュー乃木坂46賀喜遥香が明かす、1stソロ写真集への思い「子供と大人の境目を見せられたら」が公開されました。

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2022年5月に当サイトで紹介したアルバムから各1〜2曲程度ピックアップしたプレイリストをApple Music、Spotifyにて制作・公開しました(Apple Music復活させました)。題して『TMQ-WEB Radio 2205号』。レビューを読む際のBGMにするもよし、何も考えずにダダ流しするもよし。おヒマなときに聴いていただけると嬉しいです。

2022年6月29日 (水)

CLASSLESS ACT『WELCOME TO THE SHOW』(2022)

2022年6月24日にリリースされたCLASSLESS ACTの1stアルバム。日本盤未発売。

CLASSLESS ACTは2018年に結成された、ロサンゼルス出身の5人組ハードロックバンド。80年代を彷彿とさせる時代錯誤なヘアメタル/グラムメタルサウンドが魅力で、2021年にASKING ALEXANDRIAFIVE FINGER DEATH PUNCHSIXX:A.M.などが所属するBetter Noise Musicと契約。今年6月からスタートしたMOTLEY CRUEDEF LEPPARDPOISONジョーン・ジェットの全米スタジアムツアーのオープニングアクトに抜擢されるなど、現在大プッシュを受けている存在です。

先にも書いたような往年のスリージーなハードロックサウンドは、かつてのものをそのままリバイバルさせただけではなく、THE DARKNESSBUCKCHERRY以降の現代的な質感も備わっており、懐かしさと同時に若干の新鮮さも伝わる仕上がり。メタルというよりはロックンロール寄りの質感で、ブルースロックをベースにしたまとまりの良いアレンジと、一緒にシンガロングしたくなるようなキャッチーなフレーズを要するスタジアムロック的側面を併せ持つ、ある意味では新人離れした完成度と言えなくもありません。

また、デビュー作ながらもバンドのテーマソングともいえるオープニング曲「Classless Act」にはMOTLEY CRUEのヴィンス・ニール(Vo)がゲスト参加し、冒頭から華を添えています。さらに、続く「This Is For You」にはイギリスのTHE DARKNESSからジャスティン・ホーキンス(Vo)をフィーチャー。80〜90年代から2000年代を見事につなぐこの人選は、さすがの一言。世が世なら、これだけで白米5杯くらいいけそうです(笑)。

派手で豪快なアップチューンに加え、ヘヴィ&ダークな「On My Phone」やグルーヴィー&サイケポップな「All That We Are」、グラムポップ調の「Made In Hell」、シャッフルビートを活用したリズミカルな「Walking Contradiction」、豪快でアーシーなギターリフが80年代のHR/HM黄金期を思い出させる「Give It To Me」、渋みもはらんだパワーバラード「Circles」、アルバムラストにふさわしいパワーバラード調のミドルナンバー「Thoughts From A Dying Man」など、どの曲も非常に練り込まれている。単に80年代回帰で終わらず、90年代や2000年代以降のヘアメタル/グラムメタルもしっかり研究しており、その成果がどの曲にもしっかり反映されているから、とにかく聴き応えがあって最後まで飽きさせない。この手の新人ハードロックバンドのデビューアルバムとしては、上出来な1枚ではないでしょうか。

ある意味ではイギリスのTHE STRUTS、イタリアのMÅNESKINに対するLAからの解答と言えなくもない彼ら。だからこそ、日本含めもっといろんな形で注目されてほしいなと思わずにいられません。もしモトリーとLEPPSのスタジアムツアーが日本にも上陸するチャンスがあったら、その際にはぜひ帯同してもらいたいところです。

 


▼CLASSLESS ACT『WELCOME TO THE SHOW』
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2022年6月28日 (火)

COHEED AND CAMBRIA『VAXIS II: A WINDOW OF THE WAKING MIND』(2022)

2022年6月24日にリリースされたCOHEED AND CAMBRIAの10thアルバム。日本盤未発売。

前作『VAXIS I: THE UNHEAVENLY CREATURES』(2018年)から約3年8ヶ月ぶりの新作。そのタイトルからもおわかりのように、バンドがデビュー時から描き続けてきた壮大な物語“The Amory Wars”の新章が描かれた5部作の第2章にあたる1枚になります。

前作は約80分にもわたる超大作で、その内容をしっかり吟味するまでにかなりの時間を要しましたが(しかも1曲1曲も比較的長かったですし)、今作は全13曲で53分と彼らにしては比較的コンパクト。かつ、どの曲も3分前後と聴きやすい長さで、キャッチーさに満ち溢れた聴きやすい内容に仕上がっています。

これ、オープニングの序章「The Embers Of Fire」から「Beautiful Losers」の流れを聴くとコンセプトアルバムっぽいなと感じるものの、その後のシングル級のポップ路線ナンバーが立て続けに配置された構成を前に、そんな事実を一瞬忘れてしまうんですよね。それくらい曲単位でもクオリティが高い内容で、まるで80年代のRUSHがラジオ・フレンドリーな路線にシフトしたときと同じ錯覚に陥ります。

もちろん「Shoulders」のような若干ヘヴィ寄りの楽曲もあるにはあるものの、エレクトロ風味の4つ打ちロック「A Disappearing Act」や、リズムに遊び心が感じられる「Love Murder One」、穏やかなポップロック「Blood」など、変化球っぽい楽曲のほうが印象に残る。とにかく、序盤から後半にかけてのコンパクトな楽曲の並びは非常に聴きやすく、プログメタルとか変に意識せずに楽しめるはず。

その一方で、終盤には「Ladders Of Supremacy」「Rise, Naianasha (Cut The Cord)」「Window Of The Waking Mind」という王道のプログメタル路線ナンバーもしっかり用意。このラスト3曲の並びでバンド本来の姿を見せるというバランス感も最適です。ぶっちゃけ、初期〜中期の彼らを期待すると若干の肩透かしを喰らうかもしれませんが、前作に魅力を感じたリスナーなら真っ直ぐ受け入れられる内容ではないでしょうか。

ヘヴィメタルとかプログメタルという狭い枠で括るには、もはやサウンド的に拡散方向にある現在の彼ら。しっかり時代に呼応しながら進化しているその姿は素晴らしいものであり、個人的には非常に好印象を受けました。正直、ここ数作で一番好きな作品かもしれません。

この5部作、残り3章がどれくらいの期間で完結するのかわかりませんが、せっかくなら対訳もしっかり付いた日本盤を用意していただき、彼らの真の魅力に浸りたいものです(ワーナーさん、今からでも本作の日本盤リリース遅くないですよ!)


▼COHEED AND CAMBRIA『VAXIS II: A WINDOW OF THE WAKING MIND』
(amazon:海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2022年6月27日 (月)

COHEED AND CAMBRIA『VAXIS I: THE UNHEAVENLY CREATURES』(2018)

20018年10月5日にリリースされたCOHEED AND CAMBRIAの9thアルバム。

バンド史上初の“ノン”コンセプトアルバムだった前作『THE COLOR BEFORE THE SUN』(2015年)から3年ぶり、Roadrunner Records移籍第1弾アルバム。バンドがデビュー時から描き続けてきた壮大な物語“The Amory Wars”の新章が描かれたコンセプトアルバムで、5部作の第1章にあたる作品とのこと。

冒頭の「Prologue」から「The Dark Sentencer」、タイトルトラック「Unheavenly Creatures」への流れはSFを題材にした物語らしく、近未来的な空気が伝わるサウンドメイクが施されており、ここから新たな物語が再び始まることを予感させます。序盤こそ若干のスリリングさが伝わるテイストですが、「Toys」というキャッチーさの強い楽曲で適度な緩急を付けつつ、物語は「Black Sunday」や「Queen Of The Dark」をはじめとするヘヴィ&ダークな楽曲で独特の世界観を作り上げていきます。

大半が5分前後の楽曲で構成され、全15曲/79分というアナログならば2枚組に匹敵するボリューミーな内容は1、2度聴いただけでは咀嚼しきれない情報量かもしれません。事実、リリースから4年近く経った今聴いても、筆者は本作の魅力をすべてを理解できたと断言することは難しく、久しぶりに聴き返すと毎回新たな発見があるといった体たらく。年齢的なこともあってか、近年こうした長尺作品にじっくり耳を傾けるだけの集中力が不足し始めているのかな……と不安になることもありますが(苦笑)、聴くたびに発見があるということはそれだけ良い作品なのだと解釈することにします。

このバンドの場合、毎作コンセプトアルバムだという事実やキャリアを通してひとつの物語を描き続けているというスタイルもあって、どこか敷居の高さを感じることもあるのですが、実は変に意識しすぎることなる触れるのが一番ではないかという気もしていて。事実、1曲1曲を取り上げると非常にカッコいいハードロック/プログメタルなわけで、クラウディオ・サンチェス(Vo, G)の声質もあってRUSHと印象が重なる瞬間もあったりして。脳で聴くことが求められているような錯覚に陥ってしまいがちですが、実は頭を使わずに接することも時には必要だなと、これまた本作を久しぶりに引っ張り出して聴いてみて実感したところです。

というのも、初聴時はヘヴィな楽曲にばかり耳が向いていたのに対し、最近は先の「Toys」をはじめ「True Ugly」や「Love Protocol」といったメジャー感の強い楽曲には妙に惹きつけられるものがあるから。このへんの楽曲、どこか80年代のRUSHっぽさがありますよね? 4年前と比べて自分の趣味趣向が少し変化したこともあるとは思いますが、聴くタイミングによって夢中になるポイントが変わるのもそれだけ多彩さに満ちた内容だからこそ。それだけいろんな要素が詰まっているんですよね……そりゃ理解するのに時間がかかるわけだ(苦笑)。

今年6月24日には本作の続編、5部作の第2章にあたる『VAXIS II: A WINDOW OF THE WAKING MIND』(2022年)も発売されたばかり。続編は全13曲で約53分と比較的コンパクトで、3分台の楽曲中心で構成されているとのこと。約4年もの歳月をかけて完成させた次作でどのような変化を遂げたのかについては、続けてレビューする予定です。

 


▼COHEED AND CAMBRIA『VAXIS I: THE UNHEAVENLY CREATURES』
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2022年6月26日 (日)

THE MARS VOLTA『AMPUTECHTURE』(2006)

2006年9月12日にリリースされたTHE MARS VOLTAの3rdアルバム。日本盤は同年8月30日先行発売。

全米4位という高記録を残した前作『FRANCES THE MUTE』(2005年)から1年半という短期間で届けられた今作は、全8曲/約76分という非常にボリューミーな内容。往年のKING CRIMSONにも通ずるプログレッシヴロック的アレンジとサイケデリックロック的な空間系の味付けが見事にフィットした、混沌としながらも実に聴きやすい1枚ではないでしょうか。

プロデュースをオマー・ロドリゲス・ロペス(G, Synth)、ミックスをリッチ・コスティ(MUSE、SIGUR ROS、BIFFY CLYROなど)、さらにゲストメンバーとしてバンドと親交の深いジョン・フルシアンテ(G/RED HOT CHILI PEPPERS)が全面参加という豪華な布陣が参加した本作は、2005年のSYSTEM OF A DOWNとのツアー中に制作を進行。7分を超える楽曲が全8曲中6曲、うち3曲は10分超えという大作揃いながらも、前作のように組曲という形をとっておらず、ある意味では前作以上にカオティックな内容と言えるかもしれません。

アルバム冒頭を飾る7分超えの「Vicarious Atonement」こそ調和が伝わるミディアム/スローナンバーですが、続く「Tetragrammaton」は約17分にもおよぶ超大作で、複雑な展開が繰り広げられるアレンジは変態そのもの。ですが、セドリック・ビクスラー・ザヴァラ(Vo)による艶やかな歌声とキャッチーなメロディの効果か、非常に聴きやすい仕上がりなんですよね。実はこのへん、先のKING CRIMSONにも通ずるものがあるなと。もちろん、オマーとセドリックのルーツでもあるラテンの要素も随所に散りばめられていることから、KING CRIMSONとも異なる独自性がかなり強まっているのですが。

3曲目「Vermicide」(4分強と本作で最短)まで聴いて気付くのですが、過去2作や前身のAT THE DRIVE-INにあったカオティックハードコアやカオティックなエモの要素が減退しており、激しさや派手さよりも“ムード”を重視しているように映ります。実験性はもちろん強いのですが、その実験色に唐突さや異端さはまったく感じられず、すべてが必要な要素・ピースで組み立てられていることにも気付かされる。これを“成熟”という表現でまとめるのは違うのかもしれませんが、バンドとしてひとつのピーク(到達点)にたどり着いたのではないか……そう感じる1枚ではないでしょうか。それがアバンギャルドさとキャッチーさの共存につながっているのではないか、と。

その結果、本作の完成とともにバンドの地盤を固めてきたジョン・セオドア(Dr)が脱退。第1期THE MARS VOLTAは否が応でも完結せざるを得ない状況に追い込まれるのでした。そういう意味も含め、個人的にはTHE MARS VOLTAというバンドにおける(現時点までの)最高傑作だと思っています。

 


▼THE MARS VOLTA『AMPUTECHTURE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2022年6月25日 (土)

WEEZER『SZNZ: SUMMER』(2022)

2022年6月21日にデジタルリリースされたWEEZERの最新EP。海外盤CDは同年7月15日、日本盤CDは同年8月3日に発売予定。

今年3月下旬に配信された『SZNZ: SPRING』(2022年)に続くWEEZERの新作は、“季節(=Seasons=SZNZ)”を題材にした4枚連作の第2弾。夏至にあわせて発表された本作は、文字通り夏にインスパイアされた7曲で構成された、非常に彼ららしい内容に仕上がっています。

前作が『OK HUMAN』(2021年)チームと再タッグを組んで制作されたこともあり、作風的にも同作を彷彿とさせるピースフルな内容でしたが、今作では新たにダニエル・オメリオ(MAROON 5、アダム・ランバート、ラナ・デル・レイなど)をプロデューサーに迎えて制作。適度にデジタルテイストやオーガニックなサウンドを取り入れつつも、全体を通して彼らならではのパワーポップ/ハードロックが展開されており、聴く人が聴けば「“あの”WEEZERが帰ってきた!」と歓喜するのではないでしょうか。

オープニングの「Lawn Chair」(ビーチでよく見かける折り畳みチェアーのこと)こそ前作『SZNZ: SPRING』の流れを汲むイントロダクション的な立ち位置ですが、続く「Records」以降は力強いドラムサウンドとギターリフ、深みと厚みが伝わるバンドサウンドにグッドメロディという王道のWEEZER節をたっぷり味わえます。アレンジ的には『PACIFIC DAYDREAM』(2017年)あたりで試みたチャレンジもしっかり活かされており、近年量産されたアルバムでの経験がすべて無駄ではなかったことに気付かされます。

かと思えば、「Cuomoville」あたりでは若干プログレッシヴな展開も用意されており、このへんには『EVERYTHING WILL BE ALRIGHT IN THE END』(2014年)での挑戦が見事に反映されている(この物悲しげなメロディ運び、本当に素晴らしい!)。さらに、「Thank You And Good Night」のヘヴィなギターリフには最新アルバム『VAN WEEZER』(2021年)での経験が反映されているようにも感じられ、ここ数作での新規軸が実はすべて地続きだったと納得させられるわけです。

『WEEZER (WHITE ALBUM)』(2016年)あたりはモロに夏やビーチをイメージさせる作品でしたが、今作はそれをさらに上回る“夏!海!WEEZER!”な1枚ではないでしょうか。全7曲で約24分という尺も非常に丁度いいし、気付けば何度もリピートしているほどお気に入りの1枚に。このテイストでもう3曲追加してフルアルバムにしてほしかったと思わなくもないですが、今後秋冬をテーマにどんな風変わりなEPを届けてくれるのか、そちらの内容も気になるところです。

 


▼WEEZER『SZNZ: SUMMER』
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2022年6月24日 (金)

BODY COUNT『BLOODLUST』(2017)

2017年3月31日にリリースされたBODY COUNTの6thアルバム。日本盤未発売。

前作『MANSLAUGHTER』(2014年)から約3年ぶり、名門メタルレーベル・Century Media Recordsに移籍して最初のアルバム。プロデュースは前作から引き続きウィル・パットニー(KNOCKED LOOSEEVERY TIME I DIEPIG DESTROYERなど)が手がけています。

前作の時点でかなり顕著に表出し始めていたストレートなヘヴィメタル色は、今作ではより濃厚なものへと進化/深化。特に、前作からバンドに加わったホアン・オブ・ザ・デッドことホアン・ガルシア(G/ex. AGENT STEELなど)の影響もあってか、ギターの音の厚みに関して初期の作品とは比べものにならないほどモダンメタルに匹敵する質感へとパワーアップしており、かつてのミクスチャーロックという“はざまの存在”から問答無用のメタルバンドへと成長したことが窺えます。

特に、本作では「Civil War」にてデイヴ・ムステイン大佐(MEGADETH)が冒頭のスポークンワーズとリードギターを、「All Love Is Lost」ではマックス・カヴァレラ(SOULFLY、ex. SEPULTURAなど)がアイス-T(Vo)とツインボーカルを、「Walk With Me...」ではランディ・ブライ(LAMB OF GOD)がゲストボーカルをそれぞれ披露しており、アルバムに華を添えています。この中では特に「Civil War」での大佐&アーニー・Cのツインリードソロが王道感満載で、これぞヘヴィメタル!と膝を叩きたくなるほどカッコよい。

さらに、本作にはメタルクラシックのカバーも収録。アイス-Tの愛あるナレーションからスタートするのは、SLAYERの「Raining In Blood」「Postmortem」のメドレー。普通は「Postmortem」から「Raining In Blood」へつなぐのがナチュラルな形ですが、この改変にBODY COUNTならではのメタル愛が伝わり、これはこれで全然アリだなと納得させられます。何より、変に手を加えることなく完全コピーなのがまた良し。ちなみに、YouTube上にはこの曲をライブで披露していると、途中で本家のデイヴ・ロンバード(Dr/現SUICIDAL TENDENCIESなど)が演奏に加わる動画も存在するので、気になる方はぜひチェックを。

セルフタイトルの1stアルバム(1992年)は淡白すぎてイマイチ入り込めなかったメタル寄りリスナーも、これならモダンメタルの一環として普通に楽しめるのではないでしょうか。そういった意味でも、ヒップホップアーティストが完全に“村民”の仲間入りを果たした記念すべき1枚です。

なお、現時点での最新作『CARNIVORE』(2020年)も本作の延長線上にある作りで、今は亡きライリー・ゲイル(Vo/POWER TRIP)やジェイミー・ジャスタ(Vo/HATEBREED)、エイミー・リー(Vo/EVANESCENCE)、ジェロ・ビアフラ(Vo/DEAD KENNEDYS)、デイヴ・ロンバードといった多彩なゲストも参加しているので、気になる方は本作と合わせてチェックを。

 


▼BODY COUNT『BLOODLUST』
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2022年6月23日 (木)

BODY COUNT『BODY COUNT』(1992)

1992年3月10日にリリースされたBODY COUNTの1stアルバム。日本盤は同年4月25日発売。

BODY COUNTは1990年、ラッパーとしてすでに高い知名度を獲得していたアイス-TがLAの高校時代の友人たちと結成したハードコアパンク/ミクスチャーロックバンド。現在までバンドに在籍するアーニー・C(G)が大半の楽曲を作曲し、アイス-Tがボーカルと作詞を担当しています。

このデビューアルバム発売時のメンバーはアイス-T、アニー・Cのほか、D-ロック・ジ・エクスキューショナー(G)、ムースマン(B)、ビートマスター・V(Dr)、ショーン・E・ショーン (Sampler)という編成。アルバムのプロデュースはアイス-T&アニー・Cが手がけています。なお、ビートマスター・Vは1996年に白血病で、ムースマンは2001年は銃撃で、D-ロック・ジ・エクスキューショナーは2004年に悪性リンパ腫でそれぞれ亡くなっています。

ラッパーの歌うメタリックなパンク……リリース当時はそんな捉え方をしていたと記憶します。いわゆる“メタル村”の人たちがヒップホップ側に歩み寄ろうとしていた90年代初頭の空気をはらみながら、本作では“村外”の人たちがメタルサイドに歩み寄ろうとする試みでもあったのかな。ハードコアパンクの人たちがスラッシュメタルを通じてメタルサイドに踏み込む“クロスオーバー・スラッシュ”にも似たテイストの作風は、メタル耳には若干シンプルすぎて味気ないように響き、人によっては退屈に聞こえるかもしれません。

しかし、タイトルトラック「Body Count」に忍ばせたジミー・ペイジ的アプローチや、「C Note」や「The Winner Loses」での叙情的なフレージング、「Body Count Anthem」でのドラマチックなアレンジなど、随所に散りばめられたメタル愛に気づくと、不思議と「なんだ、仲間か」と急に距離の近さを感じるのではないでしょうか。今でこそSICK OF IT ALLやBIOHAZARDのようなバンドも“こちら側”として受け入れるリスナーも少なくないことを考えると、リリースから30年経った今こそメタルサイドから正当な評価を下すべきなのかな。

あと、本作はリリース当時、ラストトラック「Cop Killer」の歌詞にばかりスポットが当てられてしまった結果、それこそヒップホップサイドやハードコア側からも正しく理解さえれたアルバムだったとは言い難いものがありました。その内容ゆえ、オリジナル盤リリースから数ヶ月後には「Cop Killer」を「Freedom Of Speech」に差し替えたバージョンで再発。日本でも1992年11月28日にリニューアル盤が発売されています。

この「Freedom Of Speech」はジミ・ヘンドリクス的アプローチのギターリフを用いた、ヒップホップ寄りの1曲。DEAD KENNEDYSのジェロ・ビアフラ(Vo)のスポークンワーズをフィーチャーした、本作ではもっとも異色の仕上がりで、これもレーベル側が「Cop Killer」を引き下げたこと(および、のちの契約解消)に対するアジテーションでもあったのかな。そういうストーリーがわかっていないと、この曲だけ普通に浮いちゃうんですよね、残念ながら。

もちろん、シンプルに楽曲やサウンドのストレートさだけを楽しむのもアリですが、特にこのアルバムは当時の白人社会における黒人に対する差別や黒人社会の不条理などを理解してから触れると、そのメッセージの受け取り方も大きく変わるはず。このアルバム発売後の1992年4月にはLAで人種差別が発端となった大規模な暴動も起きており、そこも踏まえて「Cop Killer」含めて触れると、さらに深く理解できるのではないでしょうか。

 


▼BODY COUNT『BODY COUNT』
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2022年6月22日 (水)

downset.『MAINTAIN』(2022)

2022年6月10日にリリースされたdownset.の6thアルバム。日本盤未発売。

downset.は主に90年代に活躍した、LA出身のミクスチャーロックバンド。メタリックなギターリフと跳ねたファンク的リズムを掛け合わせたサウンドにラップボーカルを乗せた、いわばラップメタル/ラップコアの祖先的存在で、セルフタイトルのデビューアルバム『downset.』(1994年)でメジャーデビューして以降、一部のファンの間で人気を博しました。

2013年の再結成以降2作目、前作『ONE BLOOD』(2014年)から約8年ぶりの新作。オリジナルメンバーはすでにレイ・オレペザ(Vo)とロイ・ロザーノ(G)のみで、リズム隊は2019年に一新しています。そんな中で、Nuclear Blast Recordsを通じて発表された本作は、プロデューサーに同郷のハードコアバンドTERRORのニック・ジェット(Dr)とメンバーのロイの共同プロデュースで、クリス・ポーランド(ex. MEGADETH)所有スタジオにて制作。原点回帰ともいえるストレートはハードコア/ミクスチャーロックを堪能することができます。

2020年3月から本作のデモ制作を開始したこともあり、多くの楽曲でコロナ禍に対峙した困難や鬱屈した日常に対するフラストレーションが必然的に表現されている。また、マネージャーのスコット・ケーニッヒという身近な人間がパンデミックの影響で亡くなったことも、楽曲作りに大きく作用。ここで鳴らされているオールドスクールなハードコアサウンドや前時代的なラップコアサウンドは、こうした出来事を経てバンドの根源を見つめ直した結果だったのではないかと想像します。

とはいえ、そもそもdownset.はそこまで革新的なスタイルを確立させてきたバンドではありませんし、良くも悪くも「RAGE AGAINST THE MACHINEKORNLIMP BIZKITの狭間世代」。いや、世代的にはRAGE AGAINST THE MACHINEよりも前なので、BIOHAZARDあたりと共鳴する存在と言えなくもないかな。そういった意味でも、ここで聴くことができる音は2022年のリアルとはちょっとかけ離れたものもあるかもしれません。だけど、90年代から現在まで頑固一徹に守り通したスタイルだからこそストレートに響くものもあるわけで、本作はそういった「ある世代」にとっては非常にリアルな1枚ではないでしょうか(もちろん、僕自身もそこの含まれるわけですが)。

先日発売された『ヘドバン』最新号でのミクスチャーロック特集を機に、かつて活躍したバンドの諸作品を多数耳にしたここ最近。その流れで手にしたdownset.の新作は、現在進行形の音ではないものの、決して絶やしてはいけない大切な何かを現代に伝える意欲作だと断言しておきます。聴く人は選ぶかもしれませんが、“あの頃”をリアルタイムで通過した世代には確実に刺さる1枚です。

 


▼downset.『MAINTAIN』
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2022年6月21日 (火)

DREAM THEATER『LOST NOT FORGOTTEN ARCHIVES: FALLING INTO INFINITY DEMOS, 1996-1997』(2022)

2022年5月13日にリリースされたDREAM THEATERのデモ音源集。日本盤は同年5月11日先行発売。

2021年6月からスタートした、バンドと所属レーベルInsideOutMusic Recordsとの共同企画によるオフィシャル・ブートレッグシリーズ『LOST NOT FORGOTTEN ARCHIVES』の第10弾。節目となる本作は、通算4作目のスタジオアルバム『FALLING INTO INFINITY』(1997年)制作過程で生み出された貴重なデモ音源を、2枚のCDにまとめたもの。もともとは2007年にバンドのプライベートレーベル・YtseJam Recordsから限定販売されていたものに、新たにリマスタリングが施され、アートワークも一新した形でのリリースとなります。

1996〜97年にかけて実施された『FALLING INTO INFINITY』にまつわるセッションは、複数メンバーが両親の不幸に見舞われたり、あるいは新たな生命(実子)の誕生など私生活の環境に大きな変化が訪れたタイミングでした。また、レーベル担当者の交代など、新たな関係性を築く必要なども生じ、バンドにとって公私ともにターニングポイントであったことは間違いありません。

そんな時期に、レーベルからは「もっと売れる曲、ラジオで流れる曲を作れ」という指示が下されます。正式リリースされたアルバムは前作『AWAKE』(1994年)のヘヴィ路線を引き継ぎながらも、コンパクトなバラードやメロディアスなミディアムナンバーが多数用意されるなど、バンドの方向性としては若干の迷いが感じられる内容に仕上げられていました。このデモ音源集には正規リリースされた11曲のうち「Hell's Kitchen」を除く10曲のデモ音源に加え、アルバム未収録となった6曲を加えた16曲が収められており、バンドが迷いながらも『FALLING INTO INFINITY』を完成へと近づけていく過程を感じることができます。

既存曲に関しても、歌詞が異なったりアレンジやソロパートなどがブラッシュアップされる前の状態だったりと、いろいろと新鮮味の強いものが多い。例えば、正規版では5分半程度にまとめられた「Burning My Soul」が、デモでは約9分におよぶ大作(というかまとまる前の状態)だったり、「You Not Me」が「You Or Me」というタイトルで完成版よりも1分半ほど尺が長かったりと、いろいろ違いを見つけられることでしょう。

また、未発表テイク6曲の多くはのちにさまざまな形で発表されたものも多く、「Raise The Knife」「Where Are You Now?」「The Way It Used To Be」「Cover My Eyes」「Speak To Me」の5曲は1999年にファンクラブ会員限定で販売されたデモ音源集『CLEANING OUT THE CLOSET』に収録。また、「Speak To Me」は「Take Away My Pain」のデモとともに『FALLING INTO INFINITY』日本盤の初回限定特典8cm CDにボーナストラックとして収録されたほか、「The Way It Used To Be」はシングル「Hollow Years」にも収録されています。さらに「Raise The Knife」は2006年4月1日のニューヨーク公演でも披露されており、この音源はのちにライブアルバム『SCORE - 20TH ANNIVERSARY WORLD TOUR』(2006年)にも収められています。もっと言えば、20分以上におよぶ「Metropolis Pt.2」(インスト)はその後拡大アレンジされ、続く5thアルバム『METROPOLIS PT.2: SCENES FROM A MEMORY』(1999年)として正式発売。過渡期ともいえるようなタイミングのデモが、その後のバンドの活路へとつながっていくことを考えると、ここでの苦労は決して無駄ではなかったのです。

アルバムから漏れたいくつかの楽曲を聴くと、『AWAKE』での路線を踏襲しながらもキャッチーさが強まっていることに気付かされ、制作当初から「ラジオ・フレンドリーな曲を」というテーマが存在していたことが窺えます。と同時に、アルバムの中で正式リリースされる「New Millennium」や「Peruvian Skies」「Burning My Soul」のような楽曲ではより洗練されたヘヴィメタルを追求し、「Trial Of Tears」や「Lines In The Sand」ではプログメタルバンドとしての矜持をしっかり伝えようとしていたことも理解できる。さらには、のちのコンセプトアルバムにつながる20分強の「Metropolis Pt.2」まで存在していたわけですから、レーベルからのリクエストに応えながらもバンドの軸は忘れていなかったことも理解でき、外部の声に惑わされながらもバンドは真っ直ぐ進もうとしていたのではないか……個人的にはそう捉えました。

本作はもちろん、『FALLING INTO INFINITY』という完成されたアルバムありきの内容であり、まずは『FALLING INTO INFINITY』本編をひととおり楽しんでから触れていただきたい内容。変化/進化の片鱗に触れるという点でも、同作を味わい尽くしてから手に取ってみてください。

 


▼DREAM THEATER『LOST NOT FORGOTTEN ARCHIVES: FALLING INTO INFINITY DEMOS, 1996-1997』
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2022年6月20日 (月)

GREY DAZE『THE PHOENIX』(2022)

2022年6月17日にリリースされたGREY DAZEの最新アルバム。

GREY DAZEはチェスター・ベニントン(Vo)がLINKIN PARK結成前に参加していたバンドで、1990年代に2枚のオリジナルアルバムを発表しています。チェスターは晩年、このバンドの再結成を夢見ていたそうですが、そんな彼の意志を継いで残されたバンドメンバーが、10代のチェスターのボーカルをそのままに、バックトラックを最新のアレンジに差し替えたものが前作『AMENDS』(2020年)でした。今作はそれに次ぐ第2弾アルバムで、若き日のチェスターのボーカルが再び現代によみがえることとなりました。

基本的には『AMENDS』の延長線上にある内容で、“プレLINKIN PARK”的な楽曲も少なくない。ヒップホップの要素を排除した、ポストグランジ的な方向性とでも言えばいいのでしょうか、時に豪快にシャウトし、時に繊細に歌うチェスターの若々しいボーカルを堪能することができます。前作を気に入った方なら、本作も間違いなく受け入れることは容易いはずです。

今作は2枚目ということもあり、ゲストも複数参加しています。「Holding You」にはデイヴ・ナヴァロ(G/JANE'S ADDICTION)、「Believe Me」にはリチャード・パトリック(Vo/FILTER)がそれぞれフィーチャーされており、前者ではいかにもデイヴらしいギターソロを楽しむことができます。一方、後者ではチェスターとリチャードによる夢のデュエットが実現しており、両アーティストから強い影響を受けたチェスターも向こうで喜んでいるのか、はたまた「生きてるうちにコラボしてよ!」と文句を言っているのか……。

さらに、「Hole」ではチェスターの実娘リリー&ライラが冒頭での童謡歌唱と本編でのコーラスを披露。これもこういう機会でもなければ実現しなかったコラボレーションのひとつでしょう。娘さんたちの心情を思うとなんとも言えないものがありますが……あなたたちの父上は10代の頃からすごいシンガーだったんだぞ、ってことはしっかり伝わるのではないでしょうか。

楽曲のストック的には、おそらく今作でリメイクは最後になるのかな。あとは、前作発表後に追加制作されたアコースティックEP『AMENDS... STRIPPED』(2021年)の手法も残されていますが、こうしたまとまった形は間違いなくラストでしょう。GREY DAZEという存在を世に知らしめる意味では非常に意味のあったリメイクでしたが、バンドとしての未来がないだけになかなか評価の難しい作品です。

 


▼GREY DAZE『THE PHOENIX』
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2022年6月19日 (日)

NOVA TWINS『SUPERNOVA』(2022)

2022年6月17日にリリースされたNOVA TWINSの2ndアルバム。日本盤未発売。

前作『WHO ARE THE GIRLS?』(2020年)から約2年4ヶ月ぶりの新作。『WHO ARE THE GIRLS?』がコロナ禍突入前に制作/リリースされたものなのに対し、「未知の世界に飛び込んだ私たちにとって、このアルバム制作は激動の時代を乗り切るための薬。私たちがどこにいて、どこまでたどり着いたかが反省され、自分たちのイメージするファンタジーの世界に包み込まれている」とメンバーが語るように今作はコロナど真ん中を通過して完成させた1枚。全体を通じてポジティブな空気と同時に怒りも混在する、陰陽のバランス感に優れた完全無欠の傑作ではないでしょうか。

ラップコアをベースにしつつも、随所にキャッチーさが散りばめられており、前作以上に聴きやすい内容に仕上がっていおり、全11曲/約31分があっという間に感じられる。楽曲のバラエティ豊かさも前作以上の広がりを見せ、トラップ以降のヒップホップやR&B、あるいはパンクやモダンメタルをイメージさせつつも、現代的なポップスとしても十分に通用する魅力に満ちており、コアな層からライト層まで幅広いリスナーにアピールする、充実度の高い内容にまとめ上げられてます。

本作でのNOVA TWINSハ決して目新しいことにチャレンジしているわけでもないし、かといって古臭いわけでもない。その“ジャスト”感も非常に的確なものであり、2022年というこのタイミングに鳴らされるべき音がぎっしり詰め込まれている。また、それは叫ばれるべきメッセージに関しても同様で、多様性が求められながらも差別がいまだに横行する今この瞬間にこそ強い意味を持つものばかり。すべてを完全に理解できているわけではないかもしれませんが、それでも要所要所でしっかり響くものがあるから、聴いているこちらも心動かされるわけです。

もう一方で、BRING ME THE HORIZONが築き上げたひとつの雛形を、この5年ほどでさまざまなアーティストたちが拡大、あるいは解体&再構築してきましたが、ここで鳴らされている音/楽曲/メッセージはそれに対するひとつの答えと受け取ることもできる。特にここ1、2年でさらなる解体/再構築が進んでいるジャンルではありますが、ここで示されている音は2022年現在における新たな到達点ではないでしょうか。個人的にはHo99o9の最新作『SKIN』(2022年)に匹敵する、本年度上半期におけるベストアルバムのひとつだと断言します。いやあ、痛快ったらありゃしない。

ただ、こうした優れた作品群が依然日本のレーベルからスルーされ続けている事実も悲しいやら、情けないやら。前作と合わせて、ぜひこのタイミングに歌詞・対訳を付けて流通させていただきたいものです。

 


▼NOVA TWINS『SUPERNOVA』
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