2022年12月31日 (土)

INDEX

当ブログにて公開中のレビュー、および1998年12月1日からスタートした『とみぃの宮殿』に掲載された記事を当ブログにて再公開したレビューのインデックスページになります。(2019年4月19日更新)


【0〜9】 【A】 【B】 【C】 【D】 【E】 【F】 【G】 【H】 【I】 【J】 【K】 【L】 【M】 【N】 【O】 【P】 【Q】 【R】 【S】 【T】 【U】 【V】 【W】 【X】 【Y】 【Z】 【あ】 【か】 【さ】 【た】 【な】 【は】 【ま】 【や】 【ら】 【わ】 【コンピレーション】 【フェスティバル/イベント】 【企画記事】 【年間ベスト】 【100番勝負】

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2019年7月 1日 (月)

2019年1月〜3月のアクセスランキング

ココログがリニューアルされた際に、今まで使っていなかった機能をいろいろチェックしていたのですが、その中で普段あまり触れていなかったアクセス解析内のベージビュー数ランキングを触ってみたところ、なかなか興味深い結果が見えてきました。

ということで、せっかくだからこれ、定期的に公開してみようかなと思います。まあテストケースとして今回書いてみますが、今後の更新に関してはこの記事がどの程度反響があるのか(数字上)で判断してみようと思います。

さて、それでは上位30エントリーを紹介していきます(トップページやアーティスト別カテゴリーへのアクセスなどは省いております)。

 

1位:「#平成の30枚」(※2019年3月12日更新)

2位:VOIVOD THE WAKE JAPAN TOUR 35TH ANNIVERSARY@TSUTAYA O-WEST(2019年1月18日)(※2019年1月19日更新)

3位:VOIVOD『THE WAKE』(2018)(※2018年12月9日更新)

4位:VINCE NEIL『EXPOSED』(1993)(※2017年3月24日更新)

5位:QUEEN『LIVE KILLERS』(1979)(※2018年10月24日更新)

6位:GHOST『PREQUELLE』(2018)(※2018年6月23日更新)

7位:電気グルーヴ『DRAGON』(1994)(※2004年12月15日更新)

8位:HELMET『MEANTIME』(1992)(※2017年8月16日更新)

9位:IHSAHN『ÁMR』(2018)(※2018年6月27日更新)

10位:2018年総括(1):洋楽アルバム編(※2018年12月31日更新)

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2019年4月30日 (火)

2019年4月のお仕事

2019年4月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます(4月18日更新)。

 

[WEB] 4月18日、乃木坂46公式サイトにて4月18日(木)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月17日、乃木坂46公式サイトにて4月17日(水)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月17日、「BARKS」にてBIGMAMA金井政人インタビュー「【インタビュー】BIGMAMA「僕らはずっと邪道の邪道を逆張りし続けているところがある」」が公開されました。

[WEB] 4月16日、「リアルサウンド」にて乃木坂46松村沙友理インタビュー「乃木坂46 松村沙友理が語る、8年経って気付いた仕事に対する貪欲さ「私って本当に欲深いんです」」が公開されました。

[WEB] 4月16日、乃木坂46公式サイトにて4月16日(火)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月14日、乃木坂46公式サイトにて4月14日(日)昼公演 乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月13日、乃木坂46公式サイトにて4月13日(土)昼公演 乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月12日、乃木坂46公式サイトにて4月12日(金)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月10日、乃木坂46公式サイトにて4月10日(水)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月9日、乃木坂46公式サイトにて4月9日(火)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月8日、BARKSにて大野雄大 (from Da-iCE) ライブレポート「大野雄大(from Da-iCE)、新江ノ島水族館でソロデビュー記念ライブ。川畑要のサプライズ出演も」が公開されました。

[WEB] 4月6日、M-ON! MUSICオフィシャルサイトにて大野雄大 (from Da-iCE) ライブレポート「大野雄大 (from Da-iCE) 、2万匹の魚の前でソロライブ!川畑 要(CHEMISTRY)とのコラボ曲も披露」が公開されました。

[紙] 4月4日発売「日経エンタテインメント!」2019年5月号増刊にて、日向坂46加藤史帆・齊藤京子・佐々木久美インタビュー、日向坂46 3期生・上村ひなのインタビュー、欅坂46音楽プロデューサー田中博信インタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 4月4日発売「日経エンタテインメント!」2019年5月号にて、欅坂46菅井友香&守屋茜インタビュー、小説家・誉田哲也インタビュー、欅坂46音楽プロデューサー田中博信インタビュー、および別冊付録「欅坂46 2期生インタビューBOOK」にて欅坂46 2期生の関有美子、藤吉夏鈴、山﨑天の各インタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[WEB] 4月3日、Maison book girlニューシングル『SOUP』特設サイトにてMaison book girl "SOUP" 発売メンバーインタビューが公開されました。

[紙] 4月2日発売「ANIME Bros. #4」にて、水瀬いのりインタビュー、アルバム『Catch the Rainbow!』解説を担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 4月1日発売「ぴあ Movie Special 2019 Spring」にて、コラム「山戸結希と乃木坂46・堀未央奈、映画初出演で主演抜擢の理由」を担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 4月1日発売「Audition blue」2019年5月号にて、神尾楓珠インタビュー「人生を変えた音楽」を担当・執筆しました。(Amazon

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また、3月に当サイトで紹介したアルバムから各1〜2曲程度ピックアップして、30曲程度のプレイリストをSpotify、AppleMusicにて制作・公開しました。題して『TMQ-WEB Radio 1903号』。一応曲の流れなんかも考慮しつつ曲順を考えておりますので、レビューを読む際のBGMにするもよし、何も考えずにダダ流しするもよし。おヒマなときに聴いていただけると嬉しいです。

2019年4月19日 (金)

DEATH ANGEL『ACT III』(1990)

1990年4月(日本では5月)にリリースされた、DEATH ANGELの3rdアルバム。過去2作をインディーズ(メジャー流通)のEnigma Recordsから発表してきた彼らでしたが、本作はメジャーのGeffen Recordsから発表。それもこれも、前作『FROLIC THROUGH THE PARK』(1998年)の全米143位という数字と、「Bored」がMTVでヘヴィローテーションされたことが大きかったんでしょうね。ですが、何を間違ったか今作『ACT III』はBillboard 200にランクインせず。えーっ。

プロデューサーにかのマックス・ノーマン(オジー・オズボーンMEGADETHLOUDNESSなど)を迎えて制作した本作。かなり緻密に作り込まれており、なおかつ彼らの新たな魅力が感じられる意欲作に仕上げられています。

全10曲で45分というコンパクトさ(前作は60分近い内容)といい、オープニングを飾るスラッシーな「Seemingly Endless Time」からテンポよく進む構成といい、とにかく聴きやすい。“これぞベイエリア・クランチ!”と言いたくなるようなロブ・キャヴェスタニィ(G)&ガス・ペパ(G)によるリフの刻み・組み立て方がとにかく個性的。かつ、ロブのギターソロが味わい深く、同時期に活動していた他のスラッシュバンドとは異なる色が感じられます。その色は、アコースティックベースの「Veil Of Deception」や「A Room With A View」あたりに濃厚に表れているのではないでしょうか。

かと思うと、リズム隊もまた個性的でして、スラップを取り入れたデニス・ペパ(B)のベースプレイや、当時まだ10代後半だったアンディ・ギャレオン(Dr)のパーカッシヴなプレイもできる高度なドラミングは、確実に他のスラッシュメタルバンドとは一線を画するものでした。すでにレッチリなどは存在したとはいえ、KORNが登場する4年も前に彼らは「Discontinued」のようなファンキーなメタルに挑戦していたのですから……。

もちろん、ボーカルのマーク・オセグエダ(Vo)も良い仕事をしていて、しっかり“歌おう”とする姿勢は“がなる”のが基本になりつつあったスラッシュシーンにおいて異彩を放っています。また、歌い上げるタイプのANTHRAXあたりとも違うスタイルで、実はのちのオルタナメタルやグランジとの親和性も高かったんじゃないか。そんな気すらします。

スラッシュメタルとしては飛び道具的な楽曲も含むもののトータルのバランスは過去イチで、より王道なヘヴィメタルへと近づいた本作。間違いなくこの時点での最高傑作だと思います。ですが、最初に書いたようにセールス的には惨敗しており、ここから続けていけば1991年以降のシーンの変化にも対応できたんじゃないか?と思うのですが……。

(以下、余談)本作のツアー中にアンディがツアーバスの事故に巻き込まれ、頭部損傷。バンドは活動休止に追い込まれてしまいました。そしてアンディが復帰した1993年には、今度はマークが脱退。残された4人はバンド名をTHE ORGANIZATIONと変え、ロブ&アンディがボーカルを担当することに。サウンド的にはスラッシュ色を排除してオルタナ色を強めた、ある意味では『ACT III』の“その先”のようなスタイルでした。まあ、時代的には迷走と言わざるを得ませんが……(余談、ここまで)。

なお、本作は日本でのデジタル配信およびストリーミングなし。こんな名盤がスルーされているなんて、勿体ないったらありゃしない!

 


▼DEATH ANGEL『ACT III』
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2019年4月18日 (木)

SACRED REICH『IGNORANCE』(1987)

アメリカ・アリゾナ州フェニックス出身の4人組スラッシュメタルバンド、SACRED REICHが1987年にリリースした1stアルバム。同作は今や名門メタルレーベルでおなじみ、Metal Blade Recordsから発表された1枚で、続く2ndアルバム『THE AMERICAN WAY』(1990年)とあわせて彼らの代表作として高く評価されています。

サウンド的にはテクニカルな展開を組み込みつつも、ハードコア的な色合いが強いスラッシュメタルが特徴。全9曲(うち1曲はインスト)で32分強というトータルランニングからは、この手のスラッシュメタルとしてはかなりコンパクトな印象を受けます。

また、唐突かつ複雑怪奇なアレンジと、フィル・ラインド(Vo, B)の吐き捨てるようなハードコア調ボーカルが相まって、かなり攻撃的なイメージが強いのも彼らの個性かな。この展開に展開を重ねるアレンジ、本作ではまだ荒削りで、作品を重ねるごとに洗練されていくのですが、ここで聴ける荒々しさも勢いがあって嫌いじゃない。曲によっては若干初期のデスメタル風でもあったりして、そこもまた面白い。実は知的に計算しているようでヤケクソっぽく聴こえるというあたりが初期のSLAYERっぽくもあって、個人的にポイントが高いというのもあるのですが。

また、彼らは社会派といいますか、政治的な歌詞が多いのも特徴。METALLICAANTHRAXあたりは比喩的表現でそのへんを歌った楽曲も少なくないですが、彼らの場合はかなり直接的な楽曲が多いような気がします。そういった雰囲気は、本作含めアルバムジャケットからも伝わってきますよね。ぶっちゃけ僕、最初はこのアルバムをDEAD KENNEDYSのようなバンドの作品だと勘違いしていたくらいですから。

そして、ギターリフに視点を置くと、かなり西海岸(ベイエリア・クランチ)の香りがしてきます。このザクザク感がぶっきらぼうな曲展開をより聴きやすくしている気がするし、気持ち良さの要因のひとつになっていることは間違いないと思います。

そう考えると、80年代後半に登場した彼らって(結成は1985年)、初期スラッシュメタルバンドのいいとこ取り、ハイブリッド的存在なのかなと。次作以降、彼らならではのオリジナリティが確立されていくので、そういった意味ではこのアルバムで聴けるサウンドってそのハイブリッド感含め、実はかなり奇跡的な内容なんじゃないかという気がしてきました。当時はそんなこと、微塵も思わなかったけど(苦笑)。

個人的には時流に乗ったグルーヴメタル色を取り入れた3rdアルバム『INDEPENDENT』(1993年)までの3枚は非常にお気に入り。ぜひ機会があったら他の作品も聴いてみてください。なお、本作のストリーミング版はJUDAS PRIEST「Rapid Fire」やBLACK SABBATH「Sweet Leaf」などのカバーを加えたDISC 1と、1988年のEP『SURF NICARAGUA』にボーナストラックを加えたDISC 2からなる2枚組バージョンとなっているので、彼らのルーツとともに進化の過程も追えるんじゃないかしら。必聴です。

 


▼SACRED REICH『IGNORANCE』
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2019年4月17日 (水)

FLOTSAM AND JETSAM『THE END OF CHAOS』(2019)

FLOTSAM AND JETSAMが2019年1月にリリースした通算13枚目のオリジナルアルバム。バンド名を冠した前作『FLOTSAM AND JETSAM』(2016年)から約3年ぶりの新作となりますが、これはなかなか素晴らしい1枚ではないでしょうか。

前作発表後に前任ドラマーのジェイソン・ビットナー(SHADOWS FALL)が脱退(その後OVERKILLに加入)。代わりに、アリス・クーパーIMPELLITTERI、HOUSE OF LORDSなどで知られる名手ケン・メアリーが加入するという驚きの展開となりました。過去にFIFTH ANGELなどにも参加していましたが、おそらく彼がプレイしたバンドの中ではもっともアグレッシヴなサウンドではないかという気がしますが……いやいや、予想していた以上にアグレッシヴで驚きました。

まず、オープニングの「Prisoner Of Time」を聴き始めて思ったのが、想像していたよりもメロディアスだということ。あれ、このバンドってこんなにメロウだっけ? とにかくどの曲も歌メロがしっかりしていて、エリック“AK”ナットソン(Vo)の歌声はその節回しもあってか時々ブルース・ディッキンソンIRON MAIDEN)と重なる瞬間まであって、なかなか聴き応えがあります。

そういうわけで、プログレッシヴな展開を持つスラッシュナンバーもあるのはあるのですが、全体的にはメロディアスなパワーメタル/スピードメタルというイメージが強い作品かもしれません。テンポ感も非常に良く、なおかつ歌メロが際立つ楽曲が多いので、この手の作風のわりには疲れることなく最後まで楽しめます。

実は前作は聴いていなかったのですが、どうやらその『FLOTSAM AND JETSAM』から現在の原点回帰なアグレッシヴ路線に立ち返った、それ以前の数作はミドルヘヴィ中心だったり、速めの曲もどこか落ち着いた雰囲気が漂っていたりといろいろアレだったみたいですね(この新作を聴いたあとに前々作『UGLY NOISE』を聴いたのですが、メロウだけどどこかオッサン臭くてピンと来なかった)。サウンドプロダクション的にも雲泥の差ですし、バンドがここに来て生き残りを賭けたようなその“攻め”の姿勢は評価に値するものだと思います。

ギターリフが過去の作品と比べて若干弱いなんて声も目にしましたが、そのぶんソロで頑張っている気がするし(というのは贔屓目でしょうか?)、何よりもケン・メアリーのドラミングが圧巻。そしてボーカルの表現&メロディの気持ち良さもあって、とにかく何度でも繰り返し聴ける1枚だと思います。これは意外な収穫でした。

 


▼FLOTSAM AND JETSAM『THE END OF CHAOS』
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2019年4月16日 (火)

OVERKILL『THE WINGS OF WAR』(2019)

2019年2月に発表された、OVERKILL通算19作目のオリジナルアルバム。前作『THE GRINDING WHEEL』(2017年)から2年ちょうどという現代としては短いスパンで制作された1枚。来年で1stアルバム『FEEL THE FIRE』(1985年)でまる35年、とにかく勤勉なバンドです。

前作は6〜7分の長尺曲が多く、中には王道ヘヴィメタル色の強いミドルナンバーが含まれていたりと活動歴が40周年に近づいても新たな道に挑もうとする姿勢に感服しましたが、今作ではまた前作とは異なる視点で制作が進められたようです。

前作発表後にドラマーがジェイソン・ビットナー(SHADOWS FALL)に交代。また、エンジニアも前作のアンディ・スニープからクリス・“ゼウス”・ハリスに変更したことも功を奏してか、前作の王道さとは異なる前のめりなハードコア感が強まっている印象を受けます。

楽曲にしても、全10曲(ボーナストラック除く)中6分超えは1曲のみ。3〜4分台の楽曲が5曲と、ここ最近の彼らにしては意外とコンパクトにまとまっている印象を受けます。が、そこは我らがOVERKILL。4〜5分の中で複雑な展開を重ねていくアレンジは健在で、アンディの活きのよさもあってかリズム面がより強化されているような気がします。

特に冒頭3曲(「Last Man Standing」「Believe In The Fight」「Head Of A Pin」)の圧迫感はさすがの一言で、そこからスローな展開を含む「Bat Shit Crazy」やどことなくドラマチックさもあるミドルヘヴィ「Distortion」と、前半はかなり気持ち良い構成となっています。

後半もどことなくパンキッシュな「A Mother's Prayer」を筆頭に、ハードコアと王道メタルをミックスした「Welcome To The Garden State」、不穏さが際立つミドルチューン「Where Few Dare To Walk」、やはり突っ走ることを諦めない「Out On The Road-Kill」、とにかくドラミングの激しさが目立つ「Hole In My Soul」と、常に暑苦しさ全開。ある種“金太郎飴”的なアルバムではあるんだけど、同時代に誕生したバンドたちが次々とスタイルを変えていく中、自分たちに何が求められているかをよく理解し、一貫した方向性を保ち続けているその姿勢は尊敬に値するものがあるのではないでしょうか。

スラッシュメタル、パワーメタルの範疇で語れば“正しい”以外の何ものでもない1枚。ただ、先にも書いたように(過去のアルバムと比べて、という意味で)特に今回はあまりにも“金太郎飴”すぎて、キメの1曲や強く印象に残る楽曲が少ない気がします。この時代にこういうアルバムを作ってくれるその心意気には100点を与えたいけど(これを還暦前後のジイさんが歌っているってだけで満点なんだけど)、全キャリア中で繰り返し聴く作品の部類に入るかと言われると、若干微妙な立ち位置かもしれません。まあ、とはいえそれも時間が経ってみないとね。意外と長く楽しめる可能性もゼロではないので。

完成度は高いけど、現時点では彼らにしては平均点+αな1枚かな。

 


▼OVERKILL『THE WINGS OF WAR』
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2019年4月15日 (月)

MEGADETH『WARHEADS ON FOREHEADS』(2019)

2018年に結成35周年を迎えたMEGADETHが、そのアニバーサリーイヤーの締めくくりに35曲入りベストアルバム『WARHEADS ON FOREHEADS』を2019年3月にリリースしました。

CD3枚組、アナログ4枚組という大ボリュームのこの作品。CDの収録容量的にはまだまだ入れられるはずなのですが、いかんせん「35」という数字にこだわったためにこういう結果に。しかも、選曲はデイヴ・ムステイン(Vo, G)自身が担当。デビューアルバム『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!』(1985年)から現時点での最新アルバム『DYSTOPIA』(2016年)までの15枚のオリジナルアルバムに、映画『ラスト・アクション・ヒーロー』のサントラ収録曲「Angry Again」を加えた、レーベルの垣根を超えたベストセレクションとなっています。

MEGADETHはこれまでにもベストアルバムやボックスセットを複数発表しています。CD複数枚で構成されたボックスものでいうと、2007年にCD4枚+DVDで構成されたEMI時代の集大成『WARCHEST』が発売されております。こちらはデモ音源やライブテイクなど未発表音源も多数含まれており、すでにオリジナルアルバムをすべて持っている人にもうれしい内容でした。

しかし、今回の『WARHEADS ON FOREHEADS』はすべて既発音源。しかも、ムステインの独断でセレクトされていることもあり、「あれっ、あの曲がない!」とか「なんで代表曲のあれがないの?」とか「あのアルバムからはこれだけ?」とか、とにかく疑問も少なくありません。

例えば、2ndアルバム『PEACE SELLS... BUT WHO'S BUYING?』(1986年)からは4曲選ばれているものの、誰もが認める代表曲「Peace Sells」が含まれていなかったり、3rdアルバム『SO FAR, SO GOOD... SO WHAT!』(1988年)を代表するカバー曲「Anarchy In The U.K.」(SEX PISTOLS)が選ばれていなかったり(まあカバーですしね)。かと思うと、4thアルバム『RUST IN PEACE』(1990年)からは全作品中6曲(アルバム本編が9曲なので3分の2収録されていることに)、8thアルバム『RISK』(1999年)以降は1曲ずつという残念さをにじませながらも、最後の最後に『DYSTOPIA』から4曲も選んでしまうという。バランスを考えてというよりも、今のムステインの各アルバムに対する評価が透けて見える構成ですね。

とはいえ、『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!』の楽曲は『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!: THE FINAL KILL』(2018年)からの最新リミックス&リマスター音源ですので、2ndアルバム以降の楽曲と並んでもクオリティ的に劣ることはありません。そういった意味では、特にDISC 1の楽曲群は聴いていて気持ちいいものがあるんじゃないでしょうか。なんだかんだで曲の流れも良いですし。

そしてDISC 3の後半に進むに連れてムステインの声(キー)が……残念ですけどね。

これからMEGADETHを聴こう!なんていう奇特な方が今どれだけいるのかわかりませんが、オールタイムベストという点において、なおかつトータル3時間に満たない適度なボリュームという点においても初心者に進めやすい作品かもしれません。特にDISC 1、DISC 2を聴けばMEGADETHの何たるかが理解できると思いますしね。

 


▼MEGADETH『WARHEADS ON FOREHEADS』
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2019年4月14日 (日)

LIKE A STORM『CATACOMBS』(2018)

2018年7月に発売された、ニュージーランド出身(活動ベースはカナダ)の4人組バンドLIKE A STORMの3rdアルバム。日本でも2ヶ月遅れの9月にリリースされ、本作で晴れて日本デビューを飾りました。

彼らの個性的なポイントは、ディジュリドゥを楽曲のアクセントとして用いていること。過去のMVやライブ映像でもその様子は多少伺うことはできましたが、先ごろ行われた『DOWNLOAD JAPAN 2019』での初来日公演を通して、フロントマンのクリス・ブルックス(Vo, G)がディジュリドゥをプレイする姿をたっぷり堪能できたと思います。

また、曲によってはクリス以外にもマット・ブルックス(G)もリードボーカルを担当。そのぶんクリスがディジュリドゥに専念したりギタリストに専念したりと、いろいろ役割分担があることが伺えます。

……という情報を補足的に、記憶の片隅に残しておいてもらえると幸いです。

さて、今作『CATACOMBS』ですが、基本的な路線は前作『AWAKEN THE FIRE』(2015年)から変わらず、ポスト・グランジとニューメタルのいいとこ採りといった作風。ただ、前作以上にディジュリドゥの存在感が増していて、これにより近年のEDMなどで聴けるヘヴィロックにはない低音が補われているように感じられます。正直、もっと効果的に使えばベースミュージックに匹敵できるものになるんじゃないでしょうか。

その一方で、メロディの作り込みや構成にもより磨きがかかっており、オープニングトラック「The Devil Inside」や先の日本公演でも披露されたクリス&マットのツインボーカルによる「Complicated (Stitches & Scars)」あたりは今後彼らの代表曲になるんじゃないかという気がします。

また、先の「Complicated (Stitches & Scars)」や「Solitary」などマットがリードボーカルを務める楽曲からはクリスの歌とは異なる繊細さが感じられ、こちらも好印象。このへん、マットの歌う比重を高めてクリスのスクリームと併用させるとか、もっと効果的に使い分けできるようになるとバンドとしてもより一段高いところまでいけるんじゃないかな。

そういった意味では、本作ではまだまだ潜在能力を完全には引き出せていない気がします。確実に成長しているのは感じ取れるのですが、ディジュリドゥ以外にも何かひとつ大きな飛び道具があれば……例えば、前作で挑戦したカバー曲とか。そういった対外的な武器が見当たらないという点で、表面的には前作よりも地味に映るかもしれません。悪くはないんですけど飛び抜けてはいない。そういう優等生的な1枚。平均点は確実に採れているので、次作での飛躍に期待したいところです。

 


▼LIKE A STORM『CATACOMBS』
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2019年4月13日 (土)

HALESTORM『INTO THE WILD LIFE』(2015)

2015年4月にリリースされた、HALESTORM通算3作目のスタジオアルバム。前作『THE STRANGE CASE OF...』(2012年)が全米15位という好成績を残しましたが、今作はそれを上回る全米8位を記録。ロックファンがいかにこのバンドの新作を待ち望んでいたかが伺える結果だと思います。

前作は「ヘヴィさ」「スピード感」「キャッチーさ」の3要素のバランスが絶妙で、「こりゃ売れるわ!」って1回聴けばすぐに理解できる即効性の強い内容でした。が、今作はバンドとしての地力とリジー・ヘイル(Vo, G)のボーカリストとしての個性/魅力を最大限に引き出すために、3要素のうちの「ヘヴィさ」を強調した作風へとシフトしています。

オープニングを飾る重々しい「Scream」からして、前作での軽快な序盤のノリとは異なるもの。だって、前作は「Love Bites (So Do I)」「Mz. Hyde」「I Miss The Misery」という鉄壁の3曲でしたからね。それに対して、本作では「Scream」から組曲のようにミドルヘヴィ「I Am The Fire」へと続き、その後も「Sick Individual」「Amen」とミドルナンバーが続く。ここまで変化がない一本調子な構成、ぶっちゃけ挑戦しすぎでしょ? 最初に聴いたときは正直、「これ、好きになれるかなあ。リピートする気になれるかなぁ」と不安を感じたことを今でも覚えています。

その後は「Dear Daughter」のような渋めのピアノバラード、レイドバックしたミディアムナンバー「New Modern Love」とやっぱり“アガる”ことはないのですが、後半折り返しに入ったところでヘヴィながらもアッパーさ加わった「Mayhem」で少し色が変わる。再びバラード調の「Bad Girl's World」でトーンダウンするも、11曲目「Apocalyptic」のダイナミックな演奏、ラストを飾るシンプルなロックンロール「I Like It Heavy」(ソウルフルなエンディングも最高なこと!)などで少し変化をつけてくれるので、なんとか最後まで乗り切ることができました。

こう書くと非常にネガティブな印象を与えるかもしれませんが、どの曲も非常にカッコいいし、リジーのシンガーとしての魅力が100%伝わるアレンジに仕上がっていると思います。ただ、それがミディアム〜スローテンポで13曲も続くと、さすがに厳しいかなと。もちろん、これがアメリカの“ノリ”だってことは重々承知しています。が、日本ではこれはさすがに厳しいような気がします。いくらHALESTORMが好きな自分でも、このアルバムを何度もリピートする気にはなれないほどですから……。

しかもこのアルバム、デラックス盤には「Jump The Gun」「Unapologetic」という2曲を加えた56分/15曲構成。ですが、ハネ気味のリズムが気持ち良い前者とソウルフルなメロと節回しが印象的な後者という、本編にはないタイプの楽曲がボーナストラックってどういうことよ?(苦笑) そこまでして本編のトーンを統一させたかったんでしょうかね。戦略とはいえ、これは解せないなあ。この2曲を加えて、10〜12曲程度に絞ったほうがもうちょっとまとまりがよかった気がします。あるいは、1曲くらいアップテンポの楽曲を入れるとか……まあその反省が、次作『VICIOUS』(2018年)に活かされたんでしょうね。

うん、ツウ好みの1枚だと思います。ビギナーは2ndか4thから入って、最後に聴くといいんじゃないかな。それからでも十分に魅力は伝わると思うので(むしろそのほうが伝わりやすいはず)。

 

▼HALESTORM『INTO THE WILD LIFE』
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2019年4月12日 (金)

GHOST『MELIORA』(2015)

2015年8月に海外でリリースされた、GHOSTの3rdアルバム(日本盤未発売)。本作はスウェーデン本国ではもちろん1位、さらに全米8位、全英23位という好成績を残しており、スウェーデンのバンドとしてはEUROPEの大出世作『THE FINAL COUNTDOWN』(1986年)以来、約30年ぶりの快挙を達成しています。

大ヒットを記録する次作『PREQUELLE』(2018年)の片鱗はすでにこの時点で表出しており、歌メロのポップさ、キャッチーさは次作にも匹敵するものがあります。ただ、『PREQUELLE』での(良い意味での)アメリカナイズとは異なり、本作にはヨーロッパのバンド特有の陰りや湿り気が至る所に散りばめられており、コーラスの重ね方などに70年代のサイケデリックロックやプログレッシヴロックにも通ずる緻密さが感じられます。

オープニングの「Spirit」から数珠つなぎで流れるような構成は、どこかコンセプトアルバムのようでもあるしホラー映画やサスペンス映画のサウンドトラックのようでもある。そんなドラマチックな序盤から叙情的な「He Is」で空気が冷え切ったところでヘヴィな「Mummy Dust」を急にお見舞いされると、まるで不意打ちを食らったかのようなショックを受けるはず。しかも曲中にさりげなく挿入される、不穏さを表現するピアノフレーズ。単にヘヴィなだけでは終わらせないこのダークさ、クセになるくらいたまらんです。

全体を通して聴くと1stアルバム『OPUS EPONYMOUS』(2010年)のヘヴィさ、アグレッシヴさと2ndアルバム『INFESTISSUMAM』(2013年)の叙情性の良いとこ取りといったところで、バランス感は過去3作中で随一。アングラ臭もだいぶ薄まり、キャッチーさが強まったことでかなりメジャー感が増したのではないでしょうか。

とはいえ、そのヴィジュアル含めまだまだカルト的な域は脱していないのかな。まあそこが良かったんだけど。

いわゆるヘヴィメタルというよりは、ダークなハードロックという表現がぴったりな1枚。最新作『PREQUELLE』でGHOSTにハマったというリスナーが次に手に取るにはうってつけの作品だと思います。ここから1stに進むか、それとも順を追って2ndにたどり着くかは、このアルバムを聴いて判断してもらえばいいかな。それくらい、GHOSTというバンド(アーティスト)における“真ん中”にある1枚だと思うので。個人的にはこのアルバム、『PREQUELLE』と双璧の完成度だと思っています。

なお、本作は2016年に発売されたEP『POPESTAR』と合体させた2枚組デラックス盤も出回っており、配信だとこのデラックス盤がメインになっています。ライブには欠かせない名曲「Square Hammer」が含まれているので、これから聴こうという人はこのデラックス盤がオススメです。

 


▼GHOST『MELIORA』
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2019年4月11日 (木)

A NEW REVENGE『ENEMIES & LOVERS』(2019)

ティム・リッパー・オーウェンズ(Vo / SPIRITS OF FIRE、ex. JUDAS PRIEST、ex. ICED EARTHなど)、ケリー・ケリー(G / NIGHT RANGER、ex. ALICE COOPERなど)、ルディ・サーゾ(B / THE GUESS WHO、ex. QUIET RIOT、ex. WHITESNAKEなど)、ジェイムズ・コタック(Dr / KINGDOM COME、ex. SCORPIONS)というメタル界屈指のメンツによるスーパーバンド、A NEW REVENGE。昨年から何度か延期を繰り返してきた待望のデビューアルバムが、2019年3月にリリースされました。

アマチュア時代にロブ・ハルフォード瓜二つな歌唱スタイルで注目を集め、実際にロブの後任としてJUDAS PRIESTにまで加入してしまった才能の持ち主。その後もICED EARTHやイングヴェイのバンドなど、どちらかというと正統派ヘヴィメタルスタイルを得意とするシンガーとしてそっち側のバンドから誘われることが多かったかと思います。

しかし、このニューバンドではそういったスタイルから若干外れる、80年代のアメリカンハードロック的側面が強い、シンプルでストレートなサウンド/楽曲が中心なのです。ある種80年代のSCORPIONS的でもあるこのスタイル、ジェイムズ・コタックはもちろん、ケリー・ケリーやルディ・サーゾという面々を考えれば想像に難しくありませんが、いざそういった楽曲をティムが歌うとなるとどうなるのか……。

いや、心配はご無用。もともと器用な歌い手ですし、そこはそつなくこなしています。メジャーキーのハードロックもお手のもの、カラッとした西海岸寄りのハードロックもアクの強いボーカルスタイルで見事に対応。もちろん、要所要所で彼らしいハイトーンも飛び出し、しっかり個性を発揮しております。

その強烈なボーカルを的確な演奏で支える楽器隊もさすがの一言。誰かひとりが突出した個性を見せるわけでもなく、あくまで“バンド”という形にこだわったアレンジは一聴して地味かもしれませんが、自然と馴染んでいるという意味では実はかなり熟練のプレイではないかと。さすが、これまでアホほど個性の強いフロントマンと戦ってきた百戦錬磨の面々ですね。そんな中で、ケリー・ケリーが味のあるソロを聴かせているのですが、これがまた短いながらもキャッチーなフレーズばかり。あくまで主役は楽曲と歌、ということなのでしょう。

その楽曲も先に書いたとおりで、どこか懐かしさを感じさせるものばかり。どれも平均点以上の仕上がりで、大半が2〜3分台とかなりコンパクト。80年代的と書いたものの、あの頃みたいに派手なアレンジや無駄に長いソロパートがない、非常に現代的なタッチと言えるかもしれません。全11曲で39分という短さも丁度いいですしね。ただ、ひとつくらい“これ!”と言い切れるキメ曲があるとなお良かったのですが。そこに関しては及第点といいますか、次作に期待したいところ。なので、これ1枚で終わらずに継続的な活動を希望します。もちろんライブもね!

 


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2019年4月10日 (水)

THE END MACHINE『THE END MACHINE』(2019)

DOKKEN〜現LYNCH MOBジョージ・リンチ(G)が、ジェフ・ピルソン(B)、ミック・ブラウン(Dr)という元DOKKEN組と、元LYNCHE MOB〜現WARRANTのロバート・メイソン(Vo)と新たに結成したバンドTHE END MACHINE。彼らのデビューアルバムが2019年3月に発表されました。

ジョージ、ジェフ、ミックの3人は80年代末にDOKKEN離脱後にも一緒にバンドを組むなんて話があったし、それ以降も何度かそういった噂が上がったり実際に動いたこともありました。事実、T & Nは当初この3人で進めていたプロジェクトでしたしね(2012年のアルバム『SLAVE TO THE EMPIRE』ではブライアン・ティッシーが半分くらい叩く結果に)。

そんな3人が2016年のDOKKENオリメン期間限定復活を経て、改めて結成したのがこのバンド。シンガーには先のT & Nのアルバムにも1曲のみ参加していたロバートを迎えたことで、“ちゃんと歌えるシンガーの入ったDOKKEN”を期待したファンも少なくなかったはずです(“ちゃんと歌える”云々は、今のドン・ドッケンに対する嫌味ですが。笑)。

だけど、不安要素もありました。それは、最近のジョージが完全にレイドバックしたスタイルであること。それはギタープレイ然り、作る楽曲然り。マイケル・スウィートSTRYPER)とのSWEET & LYNCHは別として、KXMULTRAPHONIXなんて完全に趣味の域ですからね。もちろんそれらの作品も決して悪くはないのですが、80年代のフラッシーなプレイときらびやかなメロディを持つ楽曲をどうしても期待してしまうオールドファンも少なからずいるわけでして。自分も毎回、上記のような作品に対して「うん、今回も良いんじゃないかな。だけど……」と複雑な気持ちで接してきただけに、今回のTHE END MACHINEにも過剰な期待はせずに接することにしました。

で、いざ触れたこのアルバム。思った以上にDOKKEN路線に近いものの、ロバートが参加したLYNCH MOBの2作目『LYNCH MOB』(1992年)をより大人にした雰囲気……つまり、今のジョージそのもの(笑)な音でした。期待しすぎていなかったぶん、スッと入っていけたし、思っていた以上に楽しめた自分がいました。オープニング「Leap Of Faith」こそミディアムヘヴィの“いつもどおり”な作風でしたが、2曲目「Hold Me Down」や5曲目「Ride It」で若干BPMを上げてくれたのはよかったかなと。それ以外はほぼブルージーなミディアムヘヴィやスローナンバーばかり。全11曲で56分とかなり長尺なのも最近のジョージの作品と同傾向で、すべてを楽しむにはちょっとした覚悟が必要かもしれません(苦笑)。

好きな人はとことん楽しめる、けど80年代の幻影を追い続ける人にはキツい。聴き手のスタンスによって評価が二分する作品かもしれません。実際、80年代というよりは90年代的ですしね。あ、そうか。90年代の再結成DOKKENが好きならちょっとは……楽しめる……かも?

僕は思っていた以上にリピートしているので、意外と気に入っているのかもしれません。若いリスナーにこれがどう響くのかは正直疑問ですし、頭の固いオッサンたちからは駄作扱いされるでしょうけど、それでも自分はこれはこれとして支持したいなと。だって、そこまで悪いアルバムじゃないですしね。

 


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2019年4月 9日 (火)

BON JOVI『THIS LEFT FEELS RIGHT』(2003)

2003年11月(日本では同年10月末)にリリースされた、BON JOVIの再録アルバム。80〜90年代に発表されたヒットシングルの数々をアコースティックベースでリアレンジした全12曲で構成されています。当初は「Last Man Standing」「Thief Of Hearts」といった新曲も収録予定とアナウンスされましたが、最終的に外されることに。これらのアイデアが元になり、2005年のオリジナルアルバム『HAVE A NICE DAY』とつながっていくことになります。

アコースティックベースとはいえ、完全なる“アンプラグド”アルバムではなく、しっかりエレクトリックギターやベースなども使用されております。だって、オープニングの「Wanted Dead Or Alive」からしてモダンなLED ZEPPELIN風アレンジですから。このダイナミズム、嫌いじゃない。個人的にはこの1曲だけで“アリ”なアルバムになる予定でした。

「予定でした」というのは、以降の楽曲を聴いてもらえばわかるように、レイドバックというか無駄に枯れてしまった感の強い、肩の力抜けすぎなリアレンジが続くからに他ありません。「Livin' On A Prayer」は元からあるアコースティックバージョンをベースに、リッチー・サンボラ(G, Vo)の代わりにオリヴィア・ダボが歌ったものに。これはこれで悪くないんだけど、続く「Bad Medicine」の“高いキーが出なくなったからメロを変えまくったらつまらない曲になりました”的アレンジや「It's My Life」の“それ、ただの演歌やんか”的アレンジ、などなど……“これじゃない”感連続の内容となっています(苦笑)。

ぶっちゃけ、リリース当時は数回聴いたっきりで放っておいたのですが、あれから15年以上経ち、久しぶりに聴いてみたら……印象まったく変わってなかった(笑)。「Wanted Dead Or Alive」は相変わらず“アリ”だけど、他の曲は……悪くはないけど良くもない。なにもBON JOVIの名前でやることではなかったな、と。山場のまったくない「I'll Be There For You」とか聴いた日にゃあ……これ、ジョン・ボン・ジョヴィがソロでやればよかったのにね。

そもそも、選曲が良くなかったんじゃないかな。無理にシングル曲にこだわったばかりに、中途半端な中身になってしまったわけで、例えば「Love For Sale」や「Someday I'll Be Saturday Night」といったもともとアコースティック調の楽曲ならアイデアひとつで別の表現ができたはずなのに(それだと、あまり変わり映えしなかったのかな)。そういった意味では、初回限定盤付属DVDに収められたAOLセッションズのほうが見応え/聴き応えがある気がします。

全米14位と大きなヒットにつながらず、ファンの間でもスルーされることの多い1枚ですが、『HAVE A NICE DAY』へとつながるという点においては大きな役割を果たした作品なのかな。そう考えると、こういう失敗も悪くないのかも。

にしても……あと10年経ったら、この良さが理解できるんだろうか。そうなりたいような、なりたくないような(苦笑)。

 


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2019年4月 8日 (月)

PEARL JAM『BINAURAL』(2000)

2000年5月発売の、PEARL JAM通算6作目のスタジオアルバム。前作『YIELD』(1998年)同様に全米2位まで上昇するものの、セールスは前作の半分となる50万枚程度止まり。シングルカットされた「Nothing As It Seems」が全米49位のヒットを記録しています。

前作で改めて“PEARL JAMであること”を引き受け、過去のスタイルも今やりたいことも絶妙なバランスで織り込むことに成功した彼らですが、その後ジャンク・アイアンズ(Dr)が健康上の理由で脱退。サポートで参加していたマット・キャメロン(当時、元SOUNDGARDEN)がそのまま正式メンバーとしてバンドに加わり、本作からレコーディングに参加することになります。

本作ではそれまでタッグを組んできたブレンダン・オブライエンから、新たにチャド・ブレイクを共同プロデューサーに起用。ブレンダンもミキシングのみ参加し、最強の布陣で制作に臨むことになりました。

実際、オープニング「Breakerfall」からヒットシングル「Nothing As It Seems」、穏やかな「Thin Air」までの6曲流れは最強の一言で、ぶっちゃけ1stアルバム『TEN』(1991年)以降ではもっともスムーズで気持ち良い構成なんじゃないかと思います。要するに、我々がイメージする“PEARL JAMらしさ”が現代的にアップデートされつつも納得できる形で体現できている、と。デビュー10周年を目前に、バンドはまだまだ成長を続けている、だけど一周回ろうとしている。そんな現実が見事に表現された流れだと思いのです。

もちろんそれ以降の流れも文句なしで、大陸的なノリを持つ「Insignificance」やどこか新しさを感じさせるモダンな「Of The Girl」、ドラムのフレーズが気持ち良い「Grievance」、なんとなくアンビエントっぽさも伝わる「Sleight Of Hand」、最後の最後に奇妙なシークレットトラック(これ、アルバムタイトルにちなんだバイノーラルサウンドが表現されているってことなんでしょうか。実際バイノーラル収録されたのは「Of The Gril」「Rival」「Sleight Of Hand」「Soon Forget」の4曲)を含む「Parting Ways」など個性的で“らしい”楽曲が満載。『YIELD』を気に入ったリスナーなら、間違いなく楽しめる1枚かと思います。

ただ、前半の完璧な流れ、楽曲の完成度の高さと比べると、後半は若干ムラがあるのは否めません。捨て曲とまでは言わないまでも、インパクトは弱いかな?と感じる楽曲もいくつかあり、そういう意味ではアルバム全体としての完成度は『YIELD』から少しだけ劣る。だからなのか、当時そんなに聴き込んだ記憶が薄いんですよね。今聴いても悪くないんだけど、だからといって傑作かと問われると正直微妙と答えてしまう。そんなどっちつかずの作品じゃないでしょうか。

迷いとまでは言わないけど、新たなドラマーを迎えデビュー10周年を目前に再び過渡期に突入した……前作でも覚悟からさらなる一歩を踏み出すための準備期間、のような1枚なのかもしれません。

 


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2019年4月 7日 (日)

SOUNDGARDEN『LOUDER THAN LOVE』(1989)

1989年9月に発売された、SOUNDGARDEN通算2作目のオリジナルアルバム。メジャーのA&M Recordsと契約後最初の作品で、これが日本デビュー作となりました(当時はポニーキャニオンからリリース)。

まだグランジなんて言葉が存在しなかった1989年という時代。シーンはまだまだHR/HMバンドで席巻されていた頃で、彼らもその延長線上で語られることが少なくなかったと記憶しています。レッチリはすでにメジャーデビューしていたし、JANE'S ADDICTIONのようなバンドもメタルとオルタナの間で健闘していたけど、SOUNDGARDENに関してはクリス・コーネル(Vo)のハイトーンボーカルとキム・セイル(G)によるヘヴィなギターリフのせいで「実は“こちら側(=HR/HM側)”のバンドなんじゃないか?」と思わせる節が多かったように思います。

当時高校生だった自分も、『BURRN!』のクロスレビューでこのアルバムの発売を知り購入したクチ。「Full On Kevin's Mon」のようなハードコア寄りアップチューンはあるものの、ミドルテンポ中心の作風はメタル小僧だった自分には若干退屈なものでした(笑)。が、ロバート・プラントを思わせるクリスのボーカルと、実は何気に速弾きっぽいフレーズも飛び出すキムのギター、そしてサイケデリックなテイストが散りばめられたサウンドにはどこか惹かれるものがあったのも事実。また、ベーシストのヒロ・ヤマモトが日本人だったというのも興味をそそられる要素のひとつだったことは、改めて記しておきたいと思います。

今でこそ「Gun」のようにオジー時代のBLACK SABBATHを彷彿とさせるヘヴィナンバーに「おおっ!」と唸ったりするものの、当時はオジーサバスに対してそこまでの感情もなかったし(笑)、むしろリアルタムで『HEADLESS CROSS』のようなエモーショナルな作品が出回っていた時期なのでそこと比較することはありませんでしたが、このアルバムの時点ではそこまでサバスをイメージさせる要素はまだ少ないんですよね。むしろ、その要素が一気に強まるのは次作『BADMOTORFINGER』(1991年)以降なのかなと。グランジとオジーサバスとの共通点が語られるようになるのも、それ以降のことですしね。

そういった意味では、本作は1stアルバム『ULTRAMEGA OK』(1988年)を進化させたスタイルと言ったほうが正しいのかもしれません。LAスタイルのHR/HMとは異なる、アンダーグラウンドのオルタナティヴロック経由のシアトルスタイルHRといいますか。ツェッペリンやサバス、あるいは初期KISSなどの70'sクラシックロックから影響を受けつつも、80年代ニューウェイヴ以降の血が混じった独自の視点で組み立てられたスタイルが、のちのグランジと呼ばれるムーブメントにつながっていった。時代の転換期にSOUNDGARDENがいち早くメジャーデビューしたというのも、そういう意味ではすごく頷けるものがある気がします。

どうしても『BADMOTORFINGER』と『SUPERUNKNOWN』(1994年)のイメージが強いバンドですが、この『LOUDER THAN LOVE』で聴くことができるスタイルも捨てがたい。むしろ、1989年という時代にこの音をメジャーで出していたという事実がものすごいことなんじゃないか?と思うのですが、いかがでしょう(なんてこと、あの時代をリアルタイムで通過した人にしか通じないと思いますが)。

 


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2019年4月 6日 (土)

ALICE IN CHAINS『MTV UNPLUGGED』(1996)

1996年7月(日本では同年8月)にリリースされた、ALICE IN CHAINS初のアコースティックライブアルバム。

同年4月10日にニューヨークで収録された『MTV UNPLUGGED』出演時のライブを収めたもので、アルバムは放送時にカットされた3曲(「 Angry Chair」「Frogs」「Killer Is Me」)を含む全13曲で構成されています。

デビュー時こそヘヴィなギターリフとレイン・ステイリー(Vo)&ジェリー・カントレル(G, Vo)による不穏なハーモニーのイメージが強かった彼らですが、『SAP』(1992年)や『JAR OF FLIES』(1994年)といったEP、3rdアルバム『ALICE IN CHAINS』(1995年)にはアコースティックサウンドを軸にした穏やかな楽曲も多く、こういったアーシーな作風も彼らの持ち味となっていきます。なので、彼らアンプラグドに出演すると知ったときは「ようやく」という気持ちが強かったことを今でもよく覚えています。

とはいえ、この頃のALICE IN CHAINSはかなり不安定な時期で、直前の『ALICE IN CHAINS』リリース時などはレインのドラッグ癖による体調不良も重なって「本当にやるの?」と疑問に思ったのもまた事実。当時ケーブルテレビで放送されたものも観ましたし、のちにビデオ作品として発売された映像版も観てますけど……そこまで病んだ雰囲気を感じさせないレインの姿に、ちょっとだけホッとしたものです。

ジェリーによる派手なギターサウンドが皆無なぶん、バンドの軸になるキャッチーなメロディがより際立つアコースティックアレンジですが、ヘヴィな楽曲をこのスタイルで表現してもしっかりヘヴィになるんだと驚かされたりもしました。「Sludge Factory」「Frogs」あたりなんてまさにその真骨頂で、音が簡素になったぶんダークさがより強調されているように思いますし(とはいえ、ベースが意外とゴリゴリしているので、それによるものも大きいのかな)。

と同時に、「Sludge Factory」の直前にMETALLICA「Enter Sandman」を演奏するお遊び感からは、意外とバンドがリラックスしてこのライブに臨んでいたことも伺えます。それもあってか、レインのボーカルからはスタジオ作品から伝わる鬼気迫る感覚や狂気的な空気感がここでは皆無。これがアンプラグド特有の雰囲気によるものなのか、それとも当時の体調によるものなのかはわかりませんが、もし彼がまだ生き延びていてバンドに在籍していたら、きっとこういう表現も普通にできていたんじゃないか……なんて想像してしまいます。

『JAR OF FLIES』や『ALICE IN CHAINS』で聴くことができるソフトサイドも愛せるという人なら絶対に気に入るはずの内容ですし、レイン在籍時の貴重な音源のひとつでもあるので、グランジ時代をリアルタイムで通過していない人にこそ触れてほしい1枚。これもグランジのひとつの側面だったんだぞ、という意味でも知っておいてもらいたいです。

 


▼ALICE IN CHAINS『MTV UNPLUGGED』
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