2022年12月31日 (土)

INDEX

当ブログにて公開中のレビュー、および1998年12月1日からスタートした『とみぃの宮殿』に掲載された記事を当ブログにて再公開したレビューのインデックスページになります。(2020年7月4日更新)


【0〜9】 【A】 【B】 【C】 【D】 【E】 【F】 【G】 【H】 【I】 【J】 【K】 【L】 【M】 【N】 【O】 【P】 【Q】 【R】 【S】 【T】 【U】 【V】 【W】 【X】 【Y】 【Z】 【あ】 【か】 【さ】 【た】 【な】 【は】 【ま】 【や】 【ら】 【わ】 【コンピレーション】 【フェスティバル/イベント】 【企画記事】 【年間ベスト】 【100番勝負】 【映画レビュー】

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2020年8月 1日 (土)

2020年6月のアクセスランキング

ここでは2020年6月1日から6月30日までの各エントリーへのアクセスから、TOP30エントリーを紹介します。内訳は、トップページやアーティスト別カテゴリーへのアクセスなどを省いた上位30記事。まだ読んでいない記事などありましたら、この機会に読んでいただけたらと。

ちなみに記事タイトルの後ろにある「(※XXXX年XX月XX日更新/↓●位)」の表記は、「更新日/2020年5月のアクセスランキング順位」を表しています。

 

1位:追悼:足立“YOU”祐二 〜DEAD ENDディスコグラフィー①〜(※2020年6月21日更新/NEW!)

2位:BRING ME THE HORIZON『Music to listen (中略) to-GO TO』(2019)(※2019年12月31日更新/↑7位)

3位:THUNDERPUSSY『THUNDERPUSSY』(2018)(※2018年6月28日更新/↓2位)

4位:WHITESNAKE『THE ROCK ALBUM』(2020)(※2020年6月25日更新/NEW!)

5位:ANTHRAX『FISTFUL OF METAL』(1984)(※2020年6月2日更新/NEW!)

6位:VANDENBERG『2020』(2020)(※2020年6月9日更新/NEW!)

7位:NAILBOMB『POINT BLANK』(1994)(※2018年5月12日更新更新/↓6位)

8位:DEAD END『METAMORPHOSIS』(2009)(※2020年6月22日更新/NEW!)

9位:WHITESNAKE『SLIDE IT IN: THE ULTIMATE SPECIAL EDITION』(2019)(※2019年3月27日更新/Re)

10位:DEAD END『GHOST OF ROMANCE』(1987)(※2020年6月21日更新/NEW!)

 

11位:DEAD END『DEAD LINE』(1986)(※2020年6月21日更新/NEW!)

12位:JAMES DEAN BRADFIELD『THERE'LL COME A WAR / SEEKING THE ROOM WITH THE THREE WINDOWS』(2020)(※2020年6月28日更新/NEW!)

13位:AVENGED SEVENFOLD『DIAMONDS IN THE ROUGH』(2020)(※2020年2月8日更新/Re)

14位:LED ZEPPELIN『CODA』(1982)(※2020年6月5日更新/NEW!)

15位:RIVERDOGS『RIVERDOGS』(1990)(※2020年6月6日更新/NEW!)

16位:BRING ME THE HORIZON『PRASITE EVE』(2020)(※2020年6月27日更新/NEW!)

17位:CINDERELLA『LONG COLD WINTER』(1988)(※2015年4月29日更新/↓11位)

18位:SLY『SLY』(1994)(※2020年6月11日更新/NEW!)

19位:THE BLACK CROWES『BY YOUR SIDE』(1999)(※2020年6月18日更新/NEW!)

20位:THE CULT『ELECTRIC』(1987)(※2017年9月22日更新/↑27位)

 

21位:GREAT WHITE『HOOKED』(1991)(※2020年6月26日更新/NEW!)

22位:DEAD END『Dream Demon Analyzer』(2012)(※2020年6月23日更新/NEW!)

23位:DEAD END『shambara』(1988)(※2003年8月11日更新/Re)

24位:DEF LEPPARD『HYSTERIA AT THE O2』(2020)(※2020年6月7日更新/NEW!)

25位:ANDY McCOY『21ST CENTURY ROCKS』(2019)(※2019年9月30日更新/↓16位)

26位:追悼:足立“YOU”祐二 〜DEAD ENDディスコグラフィー②〜(※2020年6月24日更新/NEW!)

27位:DEAD END『ZERO』(1989)(※2000年7月22日更新/Re)

28位:IN FLAMES『CLAYMAN』(2000)(※2020年6月12日更新/NEW!)

29位:TOMMY LEE『KNOCK ME DOWN』『TOPS』(2020)(※2020年6月15日更新/NEW!)

29位:SLAYER『REIGN IN BLOOD』(1986)(※2018年3月8日更新/↓18位)

29位:RED HOT CHILI PEPPERS『ONE HOT MINUTE』(1995)(※2017年7月21日更新/Re)

29位:WHITESNAKE『SLIP OF THE TONGUE: 30TH ANNIVERSARY EDITION』(2019)(※2019年10月9日更新/Re)

 

6月は29位が4本あったので、計32エントリーとなりました。

6月はなんといっても、足立“YOU”祐二(DEAD END)急逝を受けて執筆したいくつかのエントリーと、過去(2000〜2003年頃)に執筆したエントリーが上位にランクインしました。特に過去エントリー2本はこの急逝を受けてリライトしたものだったので、それも大きかったのかもしれません。これらおエントリーを経て、多くの人がDEAD ENDおよびYOUさんの音楽にたどり着いてくれることを願ってやみません。

また、今月は新規エントリーに多数アクセスが集まったのも、ここ最近では珍しい傾向でした(32タイトル中19本)。これまでは過去の名盤エントリーが上位を占めることが多かったのですが、2018年以前に執筆したエントリーは6作品のみ(DEAD END除く)。中でも、THUNDERPUSSYのアルバムが定期的に上位ランクインするのは非常に興味深い傾向だなと思いました。だって、決してメジャーな存在ではないですものね(だからこそ、情報が少なくてアクセスが集まるのかもしれませんが)。

2020年7月31日 (金)

2020年7月のお仕事

2020年7月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます。(※7月1日更新)

 

[WEB] 7月1日、「Red Bull Japan」にてコラム【今こそコレを家で聴くんだ!】とにかく元気をくれるロック曲5選が公開されました。

[WEB] 7月1日、「リアルサウンド」にてライブ評ばってん少女隊、グループの新たな一歩を刻んだオンラインライブ 「九州から全国へ元気と笑顔を届けていけるように」が公開されました。

=====

また、6月に当サイトで紹介したアルバムから各1〜2曲程度ピックアップして、30曲程度のプレイリストをSpotify、AppleMusicにて制作・公開しました。題して『TMQ-WEB Radio 2005号』。レビューを読む際のBGMにするもよし、何も考えずにダダ流しするもよし。おヒマなときに聴いていただけると嬉しいです。

2020年7月 4日 (土)

BPMD『AMERICAN MADE』(2020)

2020年6月中旬にリリースされたBPMDの1stアルバム。

BPMDはボビー・“ブリッツ”・エルズワース(Vo / OVERKILL)、マイク・ポートノイ(Dr / SONS OF APOLLO、ex. DREAM THEATERなど)、マーク・メンギー(B / METAL ALLEGIANCE)、フィル・デンメル(G / VIO-LENCE、ex. MACHINE HEAD)というメタル/スラッシュ界のスタープレイヤーたちによるスーパーバンド。70年代のアメリカン・ハードロックをカバーするプロジェクトとして立ち上げられ、このデビュー作でもおなじみのUSハードロックの名曲(や日本人には馴染みの薄い、現地では人気の楽曲)をたっぷりカバーしています。

カバーの内訳は以下のとおり(曲名後のカッコは原曲アーティスト名)。

01. Wang Dang Sweet Poontang [テッド・ニュージェント]
02. Toys In The Attic [AEROSMITH]
03. Evil [CACTUS]
04. Beer Drinkers & Hell Raisers [ZZ TOP]
05. Saturday Night Special [LYNYRD SKYNYRD]
06. Tattoo Vampire [BLUE ÖYSTER CULT]
07. D.O.A. [VAN HALEN]
08. Walk Away [THE JAMES GANG]
09. Never In My Life [MOUNTAIN]
10. We're An American Band [GRAND FUNK RAILROAD]

日本人リスナーにも馴染みがあるのはM-2とM-7、M-10ぐらいでしょうか。M-5もロックファンなら一度は耳にしたことがあるでしょうし、M-3やM-5あたりもかな。そういった意味では、当時を知らないリスナーには「70年代の大陸的なUSハードロックの名曲」を「モダンでタイトなメタルサウンド」で楽しめる、良質なコンピレーションアルバムとして機能することでしょう。

ブリッツのあの金切り声で歌われたら、そのどれもがOVERKILLのようにも聴こえてくるんだけど(もともとOVERKILLもカバー曲が多いバンドですしね)、演奏がOVERKILLとは違うぶんの新鮮さもあり、かつ楽曲からは思ったほど古臭さが感じられない。エヴァーグリーンってこういうことを言うんでしょうね。個人的には「Saturday Night Special」が驚きの1曲で、原曲にあったサザンロック臭が払拭され、完全にグルーヴィーなメタルチューンに再生されている。「Tattoo Vampire」もスピードメタルそのものだし、「D.O.A.」なんてギターのフレーズこそVAN HALENのコピーだけど、曲全体の雰囲気はパワーメタル的な要素が強まっている(デヴィッド・リー・ロスが歌わないとこうなるのか)。

一方で、「Toys In The Attic」や「We're An American Band」のような手垢の付いた王道ナンバーは原曲を超えられないのも、まあなんとなく納得といいますか。特に後者なんてアレンジ変えない限りは難しいんでしょうね。このアルバムを聴くと、カバーの楽しさと難しさの両方を改めて実感させられます。

年間ベストに選ぶような気合いの入った傑作とは言えませんが、普段気を抜いて楽しむぶんには持ってこいの1枚。カバーする側とされる側のギャップ含めて、良質な作品だと思います。

 


▼BPMD『AMERICAN MADE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

 

2020年7月 3日 (金)

2020年上半期総括(ベストアルバム10)

恒例となった上半期ベスト。例年7月1日に公開してきたのですが、今年はコロナのあれこれや急に動き出した日常に追いつくのに必死で、すっかり忘れていました……あはは(苦笑)。なので、今回は2020年7月3日現在の10枚を紹介したいと思います。また、これまでは洋楽5枚、邦楽5枚というバランスでセレクトしていましたが、今回からその枠すら取っ払い、デジタルフォーマットならではのミニアルバムやEPを含む国内外の10作品をピックアップしています。

 

BOSTON MANOR『GLUE』(amazon)(レビュー

 

CODE ORANGE『UNDERNEATH』(amazon)(レビュー

 

Crossfaith『SPECIES EP』(amazon

 

DANCE GAVIN DANCE『AFTERBURNER』(amazon)(レビュー

 

LAMB OF GOD『LAMB OF GOD』(amazon)(レビュー

 

LITURGY『H.A.Q.Q.』(amazon)(レビュー

 

LOVEBITES『ELECTRIC PENTAGRAM』(amazon)(レビュー

 

ORANSSI PAZUZU『Mestarin kynsi』(amazon)(レビュー

 

OZZY OSBOURNE『ORDINARY MAN』(amazon)(レビュー

 

VADER『SOLITUDE IN MADNESS』(amazon)(レビュー

 

……もうね、アルバム単位だとメタルやエクストリーム系しか聴いてないんです(苦笑)。それ以外はストリーミングサービスで曲単位でプレイリスト再生する程度。このコロナでのおうち時間で、音楽との向き合い方自体が随分変わった気がします。メタル系のみアルバム単位で聴くのは、間違いなくこのブログを続けているから。それがなかったら、そっち系も曲単位でプレイリストで済ませているはず。

こうなると、年末の年間ベストもアルバムではなくトラック単位でやったほうがいいのかな、と思ったり思わなかったり。少なくとも、国内/国外という枠はもうなくなると思います。

ORANSSI PAZUZU『Mestarin kynsi』(2020)

2020年4月中旬にリリースされたORANSSI PAZUZUの5thアルバム。日本盤は海外から2ヶ月遅れの、同年6月中旬に発売されました。

ORANSSI PAZUZUはフィンランド出身の5人組サイケデリック・ブラックメタル・バンド。2007年の結成以降ヨーロッパをベースに活動しており、Nuclear Blast Records移籍第1弾となる今作が日本デビュー作となります。彼らがその名を知らしめたのが、前作『Värähteliiä』(2016年)でのこと。同作が「Pitchfork」を筆頭に欧米主要音楽メディアで絶賛されただけでなく、METALLICAのジェイムズ・ヘットフィールド(Vo, G)がSpotifyお気に入りリストにピックアップしたことで、世界的に注目を集めることとなったのです。

全6曲で50分というトータルランニングからもわかるように、彼らの楽曲は7〜10分と非常に長尺なものばかりで、北欧ブラックメタルをベースにしながらもプログレやエレクトロ、ポストロック、ジャーマンロックなど多種多様のアバンギャルドな音楽から影響を受けたサウンドを展開しています。例えば、オープニングを飾る「Ilmestys」なんてイントロを聴いた段階では、NINE INCH NAILSあたりにも通ずるテイストを感じるのではないでしょうか。ところが、いざボーカルが乗ったところで邪術的ブラックメタルの香りがプンプン。ユン-ヒス(Vo, G)の声色はどこかDIR EN GREYの京(Vo)と重なる部分もあり、そのサウンドスケープ含めてDIR EN GREYのファンにも受け入れられる要素満載かと思います。

その後もKING CRIMSONを思わせるプログレ的展開が用意されていたり、RADIOHEADMOGWAIあたりのポストロック/エクスペリメンタルロックにも通ずるカラーがにじみ出ていたりと、一筋縄ではいかないアレンジが待ち構えており、長尺の楽曲にも関わらずスルスルと聴き進められてしまう。むしろ、次の展開がどうなっていくのかが楽しみでならず、気づけばラストまでたどり着いているという、濃厚で面白み満載の内容に仕上がっています。

全体を覆うスペーシーでサイケデリックな世界観は、ブラックメタルというよりはアートロック、あるいは上記のようなポストロック勢と比較すべきものかもしれません。それだけに、メタルだとかエクストリーム・ミュージックというジャンルの枠は取っ払って感じてほしい。そんな「リスナーの壁を取っ払う」強烈な作品だと確信しております。

『鉤爪(かぎづめ)の主』や「啓示」「空っぽの秘跡」「新しいテクノクラシー」「高潔の広間」「地下からの呼び声」「天国の門」という70年代洋楽的な邦題がぴったりなサウンド/世界観含め、ぜひ2020年というこの混沌とした時代にこそ聴いておくべき傑作。“アフター・コロナ”のBGMに最適な、時代を反映した1枚です。

 


▼ORANSSI PAZUZU『Mestarin kynsi』
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2020年7月 2日 (木)

IRON MAIDEN『NO PRAYER FO THE DYING』(1990)

1990年10月にリリースされたIRON MAIDENの8thアルバム。

前作『SEVENTH SON OF A SEVENTH SON』(1988年)を携えたツアーを終えたあと、バンドとして長めの休暇期間へと突入。その間にエイドリアン・スミス(G)が自身もボーカルを務めるソロプロジェクトA.S.A.P(ADRIAN SMITH AND PROJECT)でアルバム『SILVER AND GOLD』(1989年)を発表。続いてブルース・ディッキンソン(Vo)も映画『エルム街の悪夢5 ザ・ドリームチャイルド』サウンドトラックにソロ曲「Bring Your Daughter To The Slaughter」を提供し、続いてソロアルバム『TATTOOED MILLIONAIRE』(1990年)を発表します。

各メンバーが順調にソロ活動を続けていましたが、ブルースのアルバムリリース前後にバンド再集結の召集がかかります。ここで、音楽性の違いから独自の活動を続けたかったエイドリアンがバンドを脱退。代わりに、ブルースのアルバム『TATTOOED MILLIONAIRE』や同作を帯同したショートツアーでギターをプレイしたヤニック・ガーズ(G)がメイデンに加入することになりました。

こうして完成したメイデン8作目のオリジナルアルバムは、前作で見せたスティーヴ・ハリス(B)らしいプログレッシヴな要素が後退した、コンパクトでロックンロール色の強い異色の1枚に仕上がりました。

メンバーチェンジも大きな影響を与えたのでしょうが、メジャーデビュー10周年というタイミングに迎えた久しぶりの大きな変化を前に、バンドは原点回帰的なラフさ/アグレッシヴさでレコーディングに臨みます。どの曲も3〜4分台で非常にコンパクト、かつ複雑なアレンジは比較的避けられており、そのノリの良さからスルスルと聴き進められる内容なのです。

とはいえ、このバンドらしいプログレ感をにじませたタイトルトラック「No Prayer For The Dying」や、本作唯一の5分超えナンバー「Motehr Russia」からは従来の複雑さも見え隠れしますが、それも必要最低限に留められており、メイデンにしては淡白であっさりめ。そこに物足りなさを感じるリスナーも少なくないでしょう。

なんとなく、スタジオセッションでの成果をそのまま形にしたかのような内容ですし、制作もかなり短期間で進行したんだろうなというのが伺えます。事実、埋め合わせなのかどうかわかりませんが、ブルースのソロ曲「Bring Your Daughter... To The Slaughter」がバンドで再録音されているくらいですから(しかも、この曲がバンド唯一の全英No.1シングルになるというのも皮肉な話です)。

名曲「Aces High」の続編ナンバー「Tailgunner」もどこか軽いですし、リード曲「Holy Smoke」や「Hooks In You」のようなロックンロールテイストの強い楽曲も含まれていることから、メイデンファンの間ではそこまで評価が高くないような印象を受けます。が、聴き込むとクセになるのも本作。「Public Enema Number On」や「Fates Warning」「The Assassin」などは侮れませんし、なによりも「Motehr Russia」という名曲の存在が本作を駄作で終わらせずに済んでいるわけですから。真っ先に聴くべき作品とは言いませんが、最近の大作主義に疲れてきたらぜひ試してみてください。意外とイケるので!

 


▼IRON MAIDEN『NO PRAYER FO THE DYING』
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2020年7月 1日 (水)

2020年5月のアクセスランキング

ここでは2020年5月1日から5月31日までの各エントリーへのアクセスから、TOP30エントリーを紹介します。内訳は、トップページやアーティスト別カテゴリーへのアクセスなどを省いた上位30記事。まだ読んでいない記事などありましたら、この機会に読んでいただけたらと。

ちなみに記事タイトルの後ろにある「(※XXXX年XX月XX日更新/↓●位)」の表記は、「更新日/2020年4月のアクセスランキング順位」を表しています。

 

1位:BOSTON MANOR『GLUE』(2020)(※2020年5月9日更新/NEW!)

2位:THUNDERPUSSY『THUNDERPUSSY』(2018)(※2018年6月28日更新/↑4位)

3位:LITURGY『H.A.Q.Q.』(2019)(※2020年5月10日更新/NEW!)

4位:THE ELEPHANT KASHIMASHI PRESENTS VERSUS EVENT LIVE "BATTLE ON FRIDAY" エレファントカシマシ vs BRAHMAN@赤坂BLITZ(2003年4月25日)(※2003年4月27日更新/Re)

5位:CODE ORANGE『UNDERNEATH』(2020)(※2020年3月15日更新/Re)

6位:NAILBOMB『POINT BLANK』(1994)(※2018年5月12日更新更新/↑8位)

7位:BRING ME THE HORIZON『Music to listen (中略) to-GO TO』(2019)(※2019年12月31日更新/↓5位)

8位:涙がこぼれそう(追悼、アベフトシ)(※2009年7月23日更新/↑27位)

9位:CRY OF LOVE『BROTHER』(1993)(※2019年6月19日更新/Re)

10位:SLAYER『UNDISPUTED ATTITUDE』(1996)(※2019年1月1日更新/Re)

 

11位:CINDERELLA『LONG COLD WINTER』(1988)(※2015年4月29日更新/↑18位)

12位:NIRVANA『NEVERMIND』(1991)(※2017年8月14日更新/↓3位)

13位:BON JOVI『GREATEST HITS』(2010)(※2020年5月5日更新/NEW!)

14位:モーニング娘。CONCERT TOUR 2004春 ~The BEST of Japan~@さいたまスーパーアリーナ(2004年5月4日 夜公演)(※2004年5月6日更新/Re)

15位:UFO『WALK ON WATER』(1995)(※2017年8月10日更新/↑24位)

16位:ANDY McCOY『21ST CENTURY ROCKS』(2019)(※2019年9月30日更新/↓1位)

17位:SUEDE『DOG MAN STAR』(1994)(※2019年6月7日更新/Re)

18位:SLAYER『REIGN IN BLOOD』(1986)(※2018年3月8日更新/Re)

19位:GREEN DAY『WARNING』(2000)(※2020年5月16日更新/NEW!)

20位:DEFTONES『COVERS』(2011)(※2018年8月29日更新/Re)

 

21位:BON JOVI『100,000,000 BON JOVI FANS CAN'T BE WRONG』(2004)(※2020年5月5日更新/NEW!)

22位:JERUSALEM SLIM『JERUSALEM SLIM』(1992)(※2017年4月10日更新/Re)

23位:BON JOVI『WHAT ABOUT NOW』(2013)(※2020年5月4日更新/NEW!)

24位:PARADISE LOST『OBSIDIAN』(2020)(※2020年5月19日更新/NEW!)

25位:VINCE NEIL『EXPOSED』(1993)(※2017年3月24日更新/↓19位)

26位:NINE INCH NAILS『THE FRAGILE』(1999)(※2019年1月25日更新/Re)

27位:THE CULT『ELECTRIC』(1987)(※2017年9月22日更新/Re)

28位:KILLSWITCH ENGAGE『ATONEMENT II: B-SIDES FOR CHARITY』(2020)(※2020年5月11日更新/NEW!)

29位:PANTERA『THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL』20TH ANNIVERSARY EDITION(1996 / 2016)(※2016年12月24日更新/Re)

30位:MR.CHILDREN TOUR '99 "DISCOVERY" @国立代々木競技場第一体育館(1999年5月5日)(※1999年5月9日更新/↓16位)

30位:WHITESNAKE『WHITESNAKE (1987)』(1987)(※2017年2月3日更新/Re)

30位:WHITESNAKE『SLIP OF THE TONGUE』(1989)(※2018年5月16日更新/Re)

30位:AVENGED SEVENFOLD『NIGHTMARE』(2010)(※2020年5月7日更新/NEW!)

30位:CHEAP TRICK『BUSTED』(1990)(※2020年5月13日更新/NEW!)

 

今月は珍しく30位が5本あったので、計34エントリーとなりました。

2019年10月から半年にわたりアクセス1位を続けてきたアンディ・マッコイ、ついに落ちました。3月末の日本盤発売、4月上旬に予定されていた来日公演の延期などもあり、まあ話題性が弱まったのが大きな原因かと思いますが、このサイトでは珍しくアクセスが常に3ケタ/月あったので、いろんな方面に広がってくれたのかなと思うと非常にうれしい限り。5月も16位をキープしていますので、しばらくは上位30位内に君臨し続けそうです。

BOSTON MANORやLITURGY、3月更新のCODE ORANGEなど新世代バンド新作へのアクセスが集まったのも、今月の興味深い傾向。こういった新作に注目してもらえるのも、このサイトを更新する身としてはうれしいものですね。

エレカシや4月に上位入りしたミスチルなど、過去のライブレポート(旧・とみ宮時代のもの)にもTwitter経由でアクセスが集中しています。こうしてアーカイブとして残しておくと、最近ファンになった人や過去の情報を集めているファンに参考にしてもらえるのは、20年以上にわたり運営を続けてきた甲斐があるというものです。ますます辞められなくなりますね(苦笑)。

IRON MAIDEN『THE FINAL FRONTIER』(2010)

2010年8月発売の、IRON MAIDEN通算15作目のスタジオアルバム。

1980年にメジャーデビューを果たしたメイデンにとって、本作はデビュー30周年を祝す記念すべき1枚であり、10作目『THE X FACTOR』(1995年)から始まったプログレッシヴロック/大作路線のひとつの完成形と言える内容でもあります。なにぜ全10曲で約77分という、CDの収録容量ギリギリまで詰め込んだ1枚ですからね(結局、次の『THE BOOK OF SOULS』(2015年)では1枚で収まり切らず、初のCD2枚組作品を生み出すことになるわけですが)。

『BRAVE NEW WORLD』(2000年)からの付き合いとなるケヴィン・シャーリー(AEROSMITHDREAM THEATERJOURNEYなど)と、スティーヴ・ハリス(B)との共同プロデュース作品となる本作は、質感的には同作以降の流れを組みつつ、よりタイトで若干丸みを帯びた音色で非常に聴きやすいものになっています。これだけ長尺のアルバムだと、やはり聴きやすい音色じゃないと長続きしないですものね。

アルバム冒頭を飾る「Satellite 15... The Final Frontier」からして9分近くにおよぶ大作ですが、これは4分以上におよぶインダストリアル・チックなインスト(「Satellite 15」)に続いて、いかにもメイデンらしいハードロック(「The Final Frontier」)へと続く、組曲というよりは2部構成の楽曲と呼んだほうがいいのかしら。そこから、“いかにも”なキャッチーさと楽器陣のプログレッシヴ感がキラリと光るリードシングル「El Dorado」へと続くのですが、前作『A MATTER OF LIFE AND DEATH』(2006年)でのシリアス路線を若干引きずっているような印象も受けます。けど、キャッチーさでは前作以上なんですけどね。

ただ、歌メロに関しては前作あたりから若干不安視されてきた「ネタ切れ感」と「マンネリさ」がより強まった印象も。これはブルース・ディッキンソン(Vo)が悪いというよりは、メインソングライター(ここではスティーヴ・ハリスかな)の責任が強いような気がします。楽器陣(特に、ニコ・マクブレインのドラミング)が30周年というタイミングに新たな領域に片足突っ込み始めているだけに、そこだけはちょっと残念かな。

だけど、決して退屈な作品ではありません。「Mother of Mercy」や「Coming Home」のようにアレンジで新たな魅力を見せる楽曲や、メイデンらしいツインリードソロを用いた王道メタル「The Alchemist」、ドラマチックさは随一な「Starblind」などフックとなる楽曲は多数用意されています。『THE X FACTOR』以降のスティーヴ・ハリスの方向性を「あり」と認めるリスナーなら、本作も満足の1枚ではないでしょうか。少なくとも、前作で少々がっかりしたというリスナーも納得できる内容だと思います。

と同時に、本作での経験が続く傑作『THE BOOK OF SOULS』で確実に活かされていることもまた事実。そういった意味では次作へ至るまでの習作的1枚とも言えるでしょう。

 


▼IRON MAIDEN『THE FINAL FRONTIER』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2020年6月30日 (火)

2020年6月のお仕事

2020年6月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます。(※6月27日更新)

 

[WEB] 6月27日、Maison book girlオフィシャルサイトにてベストアルバム「Fiction」インタビューが公開されました。

[紙] 6月23日発売「BRODY」2020年8月号にて、乃木坂46梅澤美波インタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[WEB] 6月20日、「リアルサウンド」にてばってんん少女隊インタビューばってん少女隊が語る、<BATTEN Records>設立と新たな音楽活動 「私たちの言葉をしっかり聞いてほしい」が公開されました。

[WEB] 6月13日、「リアルサウンド」にて神宿 羽島みきインタビュー神宿 羽島みきが語る、アイドルとしての転機と妹・羽島めいへの本心 「悩みがひとつなくなると人って本当に変われる」が公開されました。

[紙] 6月4日発売「日経エンタテインメント!」2020年7月号にて、欅坂46菅井友香の連載「菅井友香のお嬢様はいつも真剣勝負」、日向坂46渡邉美穂の連載「今日も笑顔で全力疾走」の各構成を担当しました。(Amazon

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また、5月に当サイトで紹介したアルバムから各1〜2曲程度ピックアップして、30曲程度のプレイリストをSpotify、AppleMusicにて制作・公開しました。題して『TMQ-WEB Radio 2005号』。レビューを読む際のBGMにするもよし、何も考えずにダダ流しするもよし。おヒマなときに聴いていただけると嬉しいです。

LAMB OF GOD『LAMB OF GOD』(2020)

2020年6月中旬にリリースされた、LAMB OF GODの8thアルバム。

全米3位を記録した前作『VII: STURM UND DRANG』(2015年)から5年ぶりと、過去最長のスパンとなりましたが、その間には亡くなったファンへ向けたEP『THE DUKE』(2016年)やBURN THE PRIEST名義でのカバーアルバム『LEGION: XX』(2018年)マーク・モートン(G)のソロアルバム『ANESTHETIC』(2019年)およびアコースティックEP『ETHER』(2020年)と、関連作品が目白押しでした。なので、いざ5年と言われると「そんなに経ったの?」と驚く自分もいるわけです。

しかし、この5年は順風満帆というわけではありませんでした。バンドを牽引してきた名ドラマー、クリス・アドラー(Dr)が本作制作を前にバンドを脱退。代わりにアート・クルーズ(Dr / ex. PRONG)が加入し、おなじみのジョシュ・ウィルバーをプロデューサーに迎えて完成させたのが、バンド名を銘打った原点回帰の本作となります。

冒頭2曲は、既発のリードトラック「Memento Mori」「Checkmate」からスタート。耳馴染みの強い王道ナンバー2曲で弾みをつけると、そのまま「Gears」「Reality Bath」とアグレッシヴかつグルーヴィーな楽曲が続くのですが、気のせいかどの曲からもいつも以上のキャッチーさが感じられます。これまでの作品では良くも悪くも、聴き手を突き放すような唯我独尊の強いアグレッシヴさが全体を覆っていたのですが、とにかく本作は聴きやすいのです。その印象はラストナンバー「On The Hook」(ボーナストラック除く)まで薄れることはありませんでした。

全10曲で約45分という構成もさることながら、焦点がブレることなく1曲1曲をコンパクトな形でまとめ上げた作風も影響しているのでしょうか。特に大きな変化があるわけではないのですが、不思議とスルスル聴き進められるんですよ。いわゆるポップさは皆無なアルバムなのに、不思議とキャッチーという。そういうフックが随所に用意されたアルバムということでもあるんでしょうね。

また、本作にはゲスト・ボーカリストも複数参加。「Poison Dream」にはHATEBREEDのジェイミー・ジャスタ(Vo)が、「Routes」ではTESTAMENTのチャック・ビリー(Vo)がそれぞれ“いかにも”なスクリームを響かせています。前作ではチノ・モレノ(DEFTONES)やグレッグ・プシアート(当時THE DELLINGER ESCAPE PLAN)がゲスト参加していたので、今作も相変わらずな人選で我々を楽しませてくれます。

ドラムに関しては、確かにクリスの派手なプレイはここにはありません。むしろ、曲の良さを引き出すことに徹した職人技的かつ冷徹なプレイを堪能できるのではないでしょうか。多少好みは分かれるかもしれませんが、らしさはまったく失われていませんし、そもそも楽曲の完成度が高いのでそこまで大きなマイナスにはなっていないような気も。そもそもこのバンド、ドラムだけを聴いてきたわけではないし、ランディ・ブライ(Vo)のボーカルとマークの書く曲、マーク&ウィリー・アドラー(G)のツインギターの妙も含めてLAMB OF GODだったわけですから、クリスの不在だけを理由に否定するのはナンセンスかと。

もしかしたら本作は、METALLICAでいうところのブラックアルバム(1991年)的な1枚になり得る可能性が高い気がします。偶然にも、セルフタイトルを冠したアルバムという共通点もありますしね。なんにせよ、LAMB OF GODにとって集大成的な内容であり、初心者の入門にふさわしい決定的な1枚です。

 


▼LAMB OF GOD『LAMB OF GOD』
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2020年6月29日 (月)

GREY DAZE『AMENDS』(2020)

チェスター・ベニントン(Vo)がこの世を去って3年が経とうとする2020年6月下旬、彼がLINKIN PARK加入前に在籍したバンドGREY DAZEのニューアルバムがリリースされたました。

GREY DAZEはチェスターと、晩年まで彼のビジネス・パートナーでもあったシーン・ダウデル(Dr)を中心に結成された4人組ポスト・グランジ・バンド。1993年にデモ音源を発表したのち、『WAKE ME』(1994年)、『...NO SUN TODAY』(1997年)と2枚のオリジナルアルバムを発表しています。しかし、チェスターが1998年にバンドを脱退。マイク・シノダ(Vo, G, Key)らが在籍したXEROに加わり、HYBRID THEORYへと改名したのちに現在のLINKIN PARKへとバンド名が落ち着くことになります。以降の歴史については皆さんご存知のとおり。

チェスターは亡くなる直前まで、このGREY DAZEの再結成を夢見ていたそうで、以前はリソースが不足していた部分などをメンバーとともに再構築、再録音する形で新作を発表しようと計画していました。が、その夢は叶わぬまま彼はこの世を去ってしまいます。しかしGREY DAZEのメンバーはチェスターの家族、友人たち、そしてLINKIN PARKのメンバーからのサポートを受けて、チェスター最後の夢を実現させるわけです。

カウント的には3rdアルバムとなる本作は、過去2作のオリジナルアルバムに収録された楽曲を再録音したもの。2作のオリジナル・マスターテープからチェスターのボーカルのみを使用し、新たにバックトラックを再録音することで、チェスターが目指した「GREY DAZEの本当の姿」を2020年によみがえらせています。レコーディングにはKORNのヘッド(G)とマンキー(G)、そして元ORANGE 9MM、元HELMET、元BUSHのクリス・トレイナー(G)もゲスト参加しているそうです。

チェスターの歌声は彼が10代後半から20歳くらいまでのものが使われていますが、パワフルなロングトーンやハイトーンなどにはすでに彼らしさが随所からにじみ出ており、そこまで別モノを聴いている感はありません。むしろ、本作からLINKIN PARKの『HYBRID THEORY』(2000年)を続けて聴けば、その流れや進化がパーフェクトな形で味わえるはずです。

サウンド的には初期LINKIN PARKにも通ずるカラーも見受けられますが、基本的にはポスト・グランジ以降のヘヴィロックといったところでしょうか。まだニューメタルなんて言葉が誕生する前の楽曲ですが、それよりはもっと90年代的な陰鬱としたテイストが強く、個人的には非常に好みの音だったりします。チェスターは生前、STONE TEMPLE PILOTSスポット参加したことがありましたが、あれもGREY DAZEでの活動を考えると自然な流れだったんでしょうね。

あ、そういえばチェスターは2000年代後半にDEAD BY SUNRISEというプロジェクトを立ち上げ、『OUT OF ASHES』(2009年)というアルバムを残していますが、あれも“この”流れにある音でしたよね。なんだかいろいろつながってきましたね。

この『AMENDS』というアルバムで聴くことができるサウンドが、果たして本当にチェスターが思い描いたものと寸分違わぬ形かどうかはさておき、大枠は間違っていないはず。彼が生きていたらもっと早くに発表されていたであろうこのアルバムを経て、もしかしたら書き下ろし新曲で構成された新作も……なんてこともあったかもしれませんよね(もちろん、その前にはLINKIN PARKの次なるアルバムも)。「たられば」話を始めたらきりがありませんが、今日くらいはそんな想像をしながらこのアルバムの音に浸りたいと思います。

 


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2020年6月28日 (日)

JAMES DEAN BRADFIELD『THERE'LL COME A WAR / SEEKING THE ROOM WITH THE THREE WINDOWS』(2020)

MANIC STREET PREACHERSのフロントマン、ジェイムズ・ディーン・ブラッドフィールドの最新デジタルシングル。

ジェイムズはこれまでソロとして、歌モノアルバム『THE GREAT WESTERN』(2006年)と2016年公開のサバイバル映画『THE CHAMBER』(原題)のサウンドトラックアルバム(2017年)を発表しており、『THE GREAT WESTERN』に続く2ndソロアルバムを今年後半にリリース予定。このデジタルシングルに収められた2曲は、その新作アルバムからのリードトラックになるそうです。

事前情報によると、今回の2ndソロアルバムはMANICSでの盟友ニッキー・ワイヤー(B)の実兄であり、有名なウェールズ出身の詩人および劇作家のパトリック・ジョーンズが作詞を担当し、その他の楽曲制作やプロデュースはジェイムズが担当。アルバムはチリのミュージシャンであり演劇家・演出家、政治活動家のビクトル・ハラの生涯に触発されたもので、今回リリースされた2曲についてジェイムズは「ひとつはビクトル・ハラの喜びを示し、もうひとつは彼の恐れを示している」と語っています。

「There'll Come A War」はピアノの印象的なフレーズを軸に進行していく非常にシリアスな作風で、楽曲の質感やサウンドのテイストを過去のMANICS作品で示すと『LIFEBLOOD』(2004年)にもっとも近いのかなと。前作『THE GREAT WESTERN』は、続くMANICSの『SEND AWAY THE TIGERS』(2007年)に与えた影響が大きかったですし、ここでのスタイルがその後のMANICSにとっての大枠になったことを考えると、その対比も興味深いものがあります。ジェイムズも声を張り上げて歌うというよりは、厳かなサウンドスケープをバックに、囁くように歌う。大人になったというか、良い意味で“老いた”、“老成した”ジェイムズを味わうことができると思います。

一方、「Seeking The Room With The Three Rooms」はバンドサウンドとシンセのメロディが印象的なインストナンバー。このへんはMANICSのアルバムにポツンと置かれていても違和感なさそうなテイストですが、ジェイムズらしい直線的なギターロックとニューウェイヴ経由のひねくれ感、彼ならではのポップでキャッチーなメロディ(をギターで奏でる)、この3つが融合することで70年代後半のデヴィッド・ボウイ的な印象も与えてくれます。

この2曲だけでも、新作がかなり意欲的な内容であることが伺えます。2ndソロアルバムの正式なリリース日程は今のところ明かされていませんが、おそらく9〜10月くらいになるのかなと。てっきりMANICSの新作に取り掛かると思い込んでいたので、このソロ新作はうれしい誤算。無駄に期待を大きくして、リリースを待ちたいと思います。

 


▼JAMES DEAN BRADFIELD『THERE'LL COME A WAR / SEEKING THE ROOM WITH THE THREE WINDOWS』
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2020年6月27日 (土)

BRING ME THE HORIZON『PRASITE EVE』(2020)

2020年6月26日、満を辞して配信リリースされたBRING ME THE HORIZONの新曲。

2019年は1月にニューアルバム『amo』をデジタル/フィジカルリリースし、11月には新曲「Ludens」をデジタルリリース、さらに同年末には全8曲/75分という大作EP『Music to listen to-dance to-blaze to-pray to-feed to-sleep to-talk to-grind to-trip to-breathe to-help to-hurt to-scroll to-roll to-love to-hate to-learn Too-plot to-play to-be to-feel to-breed to-sweat to-dream to-hide to-live to-die to-GO TO』を配信リリースするなど精力的な創作活動を続けてきたBMTH。意外にも、この「Parasite Eve」が2020年最初の新曲となります。

「Ludens」や『Music to listen (中略) to-GO TO』ではDTMベースの、ミニマムなデジタルサウンドへと移行しつつありましたが、この新曲では再びラウドなギターをフィーチャーしたラウドでメロウなロックを展開しています。最新EPでBMTHに対しての興味が薄らいでいたという旧来のリスナーにとっては、この復調ぶり(?)は喜ばしいものではないでしょうか。

といっても、ここで鳴らされているサウンド/方向性はあくまでBMTHというボーダレスな音楽活動を続けるバンドにとって“コマのひとつ”でしかないと思うんです。EPで実験的なことに注力したからといって、今後も同じスタイルで新曲を量産するかは誰にもわからないのと同じように、『THAT'S THE SPIRT』(2015年)と『amo』が異なるスタイルであるように、この次に出てくる楽曲もラウドファンを納得させるスタイルとは限らない。だからこそ面白いわけで、注目に値する存在だと思うわけです。

メロディラインやサウンド・コンテクストは確実に『amo』の延長線上にあるもので、特別新しいことをやっているわけではない。ただ、その素材の組み合わせ方の妙に「なるほど〜」と思わせる興味深さがあり、まだまだ新鮮味を感じ取ることができる。そういう意味では、このスタイルもそろそろ限界が近づいているのかな。『SEMPITERNAL』(2013年)から着実に進化を続けてきたスタイルではあるものの、ロックバンドという枠で考えたらそろそろ次の一手が必要になる時期なのかもしれません。

……なんて難しいことを長々と書きましたが、それでも純粋にカッコいいと思えているうちは素直に楽しもうと思います。配信スタートしてから、何度も何度も繰り返し聴いてますが、今のところ飽きはきてないですしね。

(にしても、「Ludens」が小島秀夫の新作ゲーム『デス・ストランディング』からインスパイアされた楽曲ですし、今回の「Parasite Eve」は映画化&ゲーム化もされた瀬名秀明の小説『パラサイト・イヴ』と同タイトルですし。後者は確実にこじつけですけど、意外とそことのつながりも大きかったりして)

(追記)
先の『パラサイト・イヴ』との関係性ですが、どうやらタイトルはゲーム版『パラサイト・イヴ』からインスパイアされたそうです。この記事、見逃していたんだけど楽曲自体はコロナ禍前に制作されたものなんですね。

 


▼BRING ME THE HORIZON『PRASITE EVE』
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2020年6月26日 (金)

GREAT WHITE『HOOKED』(1991)

1991年2月末にリリースされたGREAT WHITEの5thアルバム。日本盤は海外から1週遅れの同年3月上旬に発表されました。

アメリカでは『ONCE BITTEN...』(1987年)『...TWICE SHY』(1989年)と2作連続でプラチナム獲得、特に後者は売り上げ200万枚を突破したほか、「Once Bitten, Twice Shy」(全米5位)という大ヒット曲も生まれました。日本でも『...TWICE SHY』を携えて初来日公演が実現と、ノリにノッテいるタイミングに、この勢いを失わないようにと制作されたのがこの『HOOKED』というロックンロールアルバムです。

過去2作にあったメタリックな要素は完全に払拭され、『...TWICE SHY』で顕著だった土着的ロック路線を前面に打ち出した作風は、バンドのルーツであるFREEBAD COMPANY、HUMBLE PIEあたりも通ずるブルース・ベースのハードロック。ドラムのミックスも過去の作品と比べるとかなり軽くなり、ギターの歪みもだいぶ抑えられている。しかし、そういった要素がマイナスポイントになることは一切なく、むしろ「この曲だからこの音!」という説得力を持って強調されているのです。

軽薄でノリ一発な「Call It Rock N' Roll」(全米53位)から始まる本作は、最初こそ「軽いな……」と思うかもしれません。が、2曲目「The Original Queen Of Sheba」からが本作の真骨頂。「Cold Hearted Lovin'」や「Heartbreaker」で見せるグルーヴィーかつブルージーなロックぶり、「Can't Shake It」(THE ANGELSカバー)や「Desert Moon」でのメロウなハードロック路線、「Lovin' Kind」や「Afterglow」(SMALL FACESカバー)で聴かせるアダルトなバラードなど、地味だけどクセになるロックチューンが満載なんです。

特に、「Desert Moon」の完成度はなかなかのものがあり、『ONCE BITTEN...』以降のGREAT WHITEのひとつの完成形ではないかとも思うのです。しかし、この曲は大きなヒットにはつながらず……そうそう、アルバム自体も全米18位で売り上げ50万枚止まり。過去2作ほどの成功を収めることはできませんでした。

ちょうどHR/HMブームからグランジ・ムーブメントへと移行する間の作品ではあるものの、いかんせんこのアートワークがいけなかったよな(苦笑)。そういえば、本作を携えた二度目の来日公演を観に行き、このアートワークをあしらったTシャツを購入。学校などで着ていたわけですが(着るなよ。苦笑)、アメリカ人女性講師から非難されましたから。当時は「ふざけんなよ!」とイキがった若造だった筆者も、今なら激昂する理由よくわかります(苦笑)。

アートワークが原因だとは思いませんが、本作は日本のみならず海外でもデジタル配信やストリーミング配信が行われておりません。そういえばGREAT WHITEの作品ってサブスクにないものが多いんですよね。HR/HM路線の良作『SHOT IN THE DARK』(1986年)もないですし。このへん、ぜひデジタル化をお願いしたいところです。

というわけで、しばらくはCDを購入して聴いていただけたらと。現行の日本盤にはボーナストラックとしてDR.FEELGOODのカバーでおなじみの「Down At The Doctor」やブルースの名曲「The Hunter」など、ブルース/ルーツロックのカバー4曲が追加収録されており、こちらも必聴に値するものですので。オススメです。

 


▼GREAT WHITE『HOOKED』
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※下記のコンピレーション・アルバムでは『HOOKED』からの楽曲をいくつか聴くことができます。参考まで。

2020年6月25日 (木)

WHITESNAKE『THE ROCK ALBUM』(2020)

2020年6月中旬にリリースされた、WHITESNAKEの最新ベストアルバム。

このアルバムは<Red, White and Blues Trilogy>と名付けた、新編集によるベストアルバム三部作の第1弾。Red=ラブソング、White=ロックアンセム、Blue=ブルースをテーマに選曲された楽曲群が、リマスター&リミックスにより新たな形に生まれ変わりまとめられることになります。

とはいえこのベスト、選曲範囲に70年代から『SAINTS AND SINNERS』(1982年)までの“ブルースロック”期が省かれており(少なくとも『THE ROCK ALBUM』においては)、世界的ヒットを飛ばす先駆けとなる『SLIDE IT IN』(1984年)以降の“アリーナロック/メタル”期をベースに選曲されているのです。ああ、やっぱりそうか(苦笑)

まあ、気を取り直して。ですがこのアルバム、古くからのリスナーでも新鮮な気持ちで触れることができるのではないでしょうか。というのも、リミックス効果がかなりえげつないことになっているのです。

『SLIDE IT IN』や『WHITESNAKE』(1987年)『SLIP OF THE TONGUE』(1989年)という“Geffen三部作”はここ数年の再発でリマスター&リミックス効果を遺憾なく発揮してきましたが、このベスト盤収録に際しこれら3作からの楽曲も再びリミックスが施され、かつ近年の『GOOD TO BE BAD』(2008年)『FOREVERMORE』(2011年)からの楽曲と並んでも違和感ないようなミックスで揃えられている。つまり、よくベスト盤にありがちな「古い作品と近作の録音の差がありすぎて違和感を覚える」ことが皆無なんです。特に『WHITESNAKE』以降の作品はほぼ差がないと言ってもいいでしょう(つまりそれは、『WHITESNAKE』以降の作品は、同作の作風をなぞっているとも言えるわけですが)。

収録曲の内訳は以下のとおり。

M-4、5:『SLIDE IT IN』(1984年)
M-1、6、10:『WHITESNAKE』(1987年)
M-11:『SLIP OF THE TONGUE』(1989年)
M-8、9、13、14:『RESTLESS HEART』(1997年)
M-12:『INTO THE LIGHT』(2000年/ソロ)
M-2、7:『GOOD TO BE BAD』(2008年)
M-3、16:『FOREVERMORE』(2011年)
M-15:未発表曲。『FLESH & BLOOD』(2019年)アウトテイク

個人的収穫は、やはり『RESTLESS HEART』(1997年)からの楽曲が手軽に聴けるようになったことでしょうか。と同時に、そのリミックス効果もかなり興味深いものがあり、これくらい派手なほうが(今の)WHITESNAKEらしくて好印象を持てるんですよ。逆に、これを聴いちゃうと『GOOD TO BE BAD』以降の楽曲がちょっとキツく感じられる難点も見つかっちゃうわけですが。

デヴィッド・カヴァーデイルのソロ作『INTO THE LIGHT』(2002年)から選ばれた「She Give Me」も、この並びで聴くと悪くないですね。『RESTLESS HEART』からの流れで聴くと、これは全然アリな作品だなと再認識させられます。

あとは、『SLIP OF THE TONGUE』から唯一選ばれた「Judgement Day」の、スティーヴ・ヴァイ(G)の個性を完全に殺した(笑)シンプルなミックスも悪くない。きっとこの曲、本来はこういうアレンジにしたかったんじゃないか?と思わずにはいられません(でも、ヴァイらしい効果音がなくなったのは、ちょっとさみしくもあるんですが)。

唯一の新曲(未発表曲)となる「Always The Same」は、あの賛否両論な最新作『FLESH & BLOOD』(2019年)からのアウトテイクなのですが、この出来が非常に良くて。なぜこれを本編に入れなかった?と思わずにはいられません。あのアルバム、なんとなくですが『SLIP OF THE TONGUE』と同じ失敗をたどってしまっているような気がするんですが……。

まあとにかく。日本でのストリーミング未配信作である『RESTLESS HEART』や『INTO THE LIGHT』、『GOOD TO BE BAD』からの楽曲を聴くことができるという点において本作への評価はある程度高いものがあると思いますし、今後『RESTLESS HEART』もリマスター&リミックス・バージョンが発表されるのではないかという期待も高まります。

苦言を呈するならば、やはり70年代〜80年代初頭の楽曲を1、2曲でも入れてくれたら……と。それこそ、この時期の音源を含めたら、先に書いた“音質の違和感”問題が再燃することになるわけで、難しいところはあると思いますが、それでも「ベスト」と掲げるならば……ねえ? あとは、せっかくソロまで含めているのなら、COVERDALE・PAGEからも入れてほしかった(笑)。いやマジで。なので、『THE BLUES ALBUM』にはそのへんを期待したいと思います。

 


▼WHITESNAKE『THE ROCK ALBUM』
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