2022年12月31日 (土)

INDEX

当ブログにて公開中のレビュー、および1998年12月1日からスタートした『とみぃの宮殿』に掲載された記事を当ブログにて再公開したレビューのインデックスページになります。(2018年9月19日更新)

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投稿: 2022 12 31 12:00 午前 [「記事一覧」] | 固定リンク

2018年9月30日 (日)

2018年9月のお仕事

2018年9月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます。
(※9月6日更新)


[WEB] 9月6日、けやき坂46主演舞台「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」特設サイトにて推薦文を提供しました。

[紙] 9月4日発売「日経エンタテインメント!」2018年10月号にて、欅坂46菅井友香の連載「菅井友香のお嬢様はいつも真剣勝負」を構成・執筆しました。(Amazon

[WEB] 9月3日、「BUBKA WEB」にて乃木坂46斉藤優里×新内眞衣インタビュー「女社会を10倍楽しむ方法」の序文が公開されました。

[WEB] 9月1日、けやき坂46主演舞台「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」特設サイトにて公開中の公演ダイジェスト映像にコメントを提供しました。

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また、8月に当サイトで紹介したアルバムから各1〜2曲程度ピックアップして、30曲程度のプレイリストを制作しました。題して『TMQ-WEB Radio 1808号』。一応曲の流れなんかも考慮しつつ曲順を考えておりますので、レビューを読む際のBGMにするもよし、何も考えずにダダ流しするもよし。おヒマなときに聴いていただけると嬉しいです。

投稿: 2018 09 30 12:00 午後 [「仕事紹介」] | 固定リンク

2018年9月21日 (金)

THE ROLLING STONES『STEEL WHEELS』(1989)

1989年8月にリリースされた、THE ROLLING STONESの19thアルバム(イギリスにてアメリカでは21枚目)。前作『DIRTY WORK』(1986年)から3年ぶりの新作にあたり、全英2位、全米3位を記録(アメリカでは200万枚を超えるヒット作に)。本作からは「Mixed Emotions」(全英36位、全米5位)、「Rock And A Hard Place」(全英63位、全米23位)、「Almost Hear You Sigh」(全英31位、全米50位)というシングルヒットも生まれましたが、この結果からですと“アメリカ>イギリス”寄りなアルバムということになるのでしょうか。アルバム発売直後の8月31日からはワールドツアーもスタート。その一環で、1990年2月には東京ドーム10回公演という、今では考えられないような規模感の、待望の初来日公演も実現しました(僕もこのうちの1公演に足を運び、アリーナ最前ブロックでノックアウトされました)。

ミック・ジャガー(Vo, G)キース・リチャーズ(G, Vo)の不仲でストーンズ活動再開が絶望的となり、ミックは『PRIMITIVE COOL』(1987年)、キースは『TALK IS CHEAP』(1988年)とそれぞれソロアルバムを発表。ミックなんてストーンズより先に、1988年春に東京ドームで初来日公演をやっちゃいましたからね。

そんな中、1989年に入ってから2人の仲が修復に向かい、そのままバンドでスタジオ入り。プロデュースをミック&キースとクリス・キムゼイ(過去にプロデューサーとして『UNDERCOVER』、エンジニアとして『STICKY FINGERS』『SOME GIRLS』『EMOTIONAL RESCUE』に参加)を手がけ、チャック・リーヴェル(Key)といったおなじみのメンツに加え、マット・クリフォード(Key)やサラ・ダッシュ(Cho)、リサ・フィッシャー(Cho)、バーナード・ファウラー(Cho)などその後のツアーにも参加する面々が新たに参加しています。

サウンド的には“産業ロック版ストーンズ”と揶揄したくなるくらい、モダンで硬質な音作り。かなりミックのカラーが反映されているのかなと思いきや、楽曲面ではキースらしいリフやメロディも至るところに感じられ、良い具合に2人の色がミックスされているのかなと。それこそ「Mixed Emotions」という楽曲のタイトルどおりに(本来は困惑のほうの意味ですけどね)。

ミックにしろキースにしろ、歌声がすごくみずみずしくて、それぞれのソロアルバムのときより若返っているような印象すら受けます。また、チャーリー・ワッツ(Dr)のドラムも冴えているし、ロニー・ウッド(G)もミックとキースをうまいことサポートしながら自分の色を出している。ビル・ワイマン(B)に至ってはある意味いつもどおり変なフレーズ弾きまくりで、「Break The Spell」では個性出しまくり。

そうそう、本作って王道な曲がたくさんある一方で、変な曲も含まれているアルバムでもありますよね。ツアーのオープニングSEに使われた「Continental Drift」の民族音楽っぽさや、どす黒いブルースロック「Break The Spell」とか。「Almost Hear You Sigh」もストーンズというよりはキースのソロっぽいしね(変な曲ではないけど)。

ストーンズが90年代に突き進むために、改めて足並みをそろえた。そのために必要なドーピングがここに施されている……そう考えると、非常に納得のいく作品ではないかと。個人的には、やっぱり初来日の思い出が強いので忘れられないアルバムです。

が、このアルバムと続くライブアルバム『FLASHPOINT』(1991年)がビル・ワイマン最後のアルバムになるとは、この頃は考えてもみなかったですけどね。



▼THE ROLLING STONES『STEEL WHEELS』
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投稿: 2018 09 21 12:00 午前 [1989年の作品, Rolling Stones] | 固定リンク

2018年9月20日 (木)

PAUL McCARTNEY『EGYPT STATION』(2018)

2018年9月発売の、ポール・マッカートニー通算18枚目のソロスタジオアルバム。前作『NEW』(2013年)からもう5年も経っていたんですね。ここ最近、2年おきに来日している気がして、そこまで時間が経っていると思いませんでした(よく調べたら、来日公演自体は2013年、2015年、2017年に実施していて、2014年は中止になった国立競技場公演があったのでした。実質4回も来てたのか。そりゃ来過ぎた! しかも2018年にもやってきますし)。

6月に先行リリースされたシングル「I Don't Know」「Come On To Me」は、良くも悪くも“いつもの”ポール節。安心安定で、今回も水準以上の作品にはなるんだろうなと信じていました。

で、8月には新しいシングル「Fuh You」が先行カットされたのですが……これがモダンな、“イマドキの”サウンドによるポップチューンでびっくり。おお、こりゃちょっと楽しみかも!と思っていたところに、アルバム到着。全体的には“いつもの”と“イマドキの”が程よくミックスされた、非常によくできた1枚だと思います。

全体のプロデュースはTHE BIRD AND THE BEEのグレッグ・カースティン(アデル、リリー・アレン、シーア、リアム・ギャラガーFOO FIGHTERSなど)、1曲のみライアン・テダー(ONEREPUBLICのシンガー)が担当しています。そう聞くと「なるほどな」と頷けてしまう、そんな内容ではないでしょうか。

ちなみに、僕が非常に気になった「Fuh You」はライアンとの共作&プロデュース曲。これも「なるほどな」と腑に落ちました。キャリアを総括するような作品であると同時に、しっかり“今”と向き合っている。それは手慣れたメンツとタッグを組むのではなく、グレッグ・カースティンやライアン・テダーといった現在のポップシーンを代表するトップアーティストとコラボする姿勢に表れていますし、自身の持ち味をどうモダンに昇華するか、それが2018年に通用するのか。ある意味、これはポールから今のポップシーンに対する“最後の挑戦状”なのかもしれません。

年齢的にも、おそらくこれが最後になってもおかしくないわけで、だからこそここまでゴッタ煮感がありながらも不思議と統一感がある内容になっているのではないかと。ポールが書く楽曲に一度でも心奪われたことがある人なら、絶対にどれか1曲、いや、どこか1ヶ所でもひっかかるパートがあるのではないでしょうか。そんな、76歳のおじいさんが今できることをすべて詰め込んだ、渾身の1枚だと思います。

終盤の「Do It Now」から「Caesar Rock」への流れ、そこからドラマチックな「Despite Repeated Warnings」へと続き、インタールード「Station II」から組曲「Hunt You Down / Naked / C-Link」で幕を下ろす構成は、涙なしには語れません。間違いなく、あのポール・マッカートニーのアルバムです。



▼PAUL McCARTNEY『EGYPT STATION』
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投稿: 2018 09 20 12:00 午前 [2018年の作品, Paul McCartney] | 固定リンク

2018年9月19日 (水)

SPIRITUAL BEGGARS『AD ASTRA』(2000)

2000年春にリリースされた、SPIRITUAL BEGGARSの4thアルバム。もともと、CARCASSを脱退したあとにマイケル・アモット(G/ARCH ENEMYBLACK EARTH)が最初に結成したのがこのバンド。当初はトリオ編成でしたが、現在はシングルギター&キーボード(OPETHのペル・ウィベルイ)を含む5人編成で活動を続けています(ARCH ENEMYのベーシスト、シャーリー・ダンジェロも参加)。

この『AD ASTRA』の頃はアモットやペルのほか、現在も在籍するオリジナルメンバーのラドウィッグ・ウィット(Dr)、そしてスパイス(Vo, B/2001年脱退)という4人編成でした。プロデュースは“北欧メタルにこの人あり”なフレドリック・ノルドストローム(ARCH ENEMY、IN FLAMES、HAMMERFALLなど)が担当。フレドリックは「Let The Magic Talk」でシンセサイザーも担当しています。また、「On Dark River」ではマイケル・アモットの実弟、クリストファー・アモットがスライドギターでゲスト参加。普段の彼とはまた異なるプレイがー楽しめます。

こういうサウンドはジャンル的にストーナーロックに括られるのでしょうか……それにしてはメタリックなので、普通にハードロック/ヘヴィメタルでいいような気がしますが。実際、アモットもストーナーロックやろうぜ!と思ってこのバンドを始めたわけではないでしょうし。

それに、ストーナーロックにしてはギター、弾き過ぎですしね。ギターソロの音数、本当に多いですし(笑)。

ストーナーロックというよりは、90年代以降の感覚で70年代の埃っぽいハードロックを表現してみたら、こうなりました……そのほうが近い気がします。当時のBLACK SABBATHDEEP PURPLEよりも“らしい”楽曲なんだけど、それを構築するサウンドや楽器のプレイは完全に現代的。その落差が面白いし、だからこそリリース当時も普通に楽しめたわけですよね。

アモットは自身のルーツをできる限りここで表現しようと、かなりそれっぽいフレージングを聴かせてくれるんだけど、ときどき素が出てしまう(=速弾きをかましてしまう)というお茶目な一面も見せています。まあ、だからこそモダンなんですけど。

あと、スパイクというボーカリストが歌うことで変にサバスっぽくもパープルっぽくもなっていないところも大きいのかな。だって、これをリー・ドリアンが歌ったらCATHEDRALになっちゃいそうだし(苦笑)。アクが強過ぎないというのも大事なんですね。

彼らの作品の中ではこれと、ひとつ前の『MANTRA III』(1998年)をよく聴きました。近作ももちろん聴いてはいますけど、お気に入りとなるとやっぱりこのへんになります。特に本作はひたすら爆音で楽しみたい、2000年代前半の名盤のひとつです。



▼SPIRITUAL BEGGARS『AD ASTRA』
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投稿: 2018 09 19 12:00 午前 [2000年の作品, Arch Enemy, Opeth, Spiritual Beggars] | 固定リンク

2018年9月18日 (火)

THE ATOMIC BITCHWAX『FORCE FIELD』(2017)

過去何度か名前が挙がったTHE ATOMIC BITCHWAX。これを機にちゃんと聴いてみようと思い、2017年12月にリリースされた最新アルバム『FORCE FIELD』を聴いてみることにしました。

いろいろ調べてわかったことですが、このバンドはもともと(当時)MONSTER MAGNETのギタリストだったエド・マンデルを中心に結成されたサイドプロジェクトだったらしく、その後クリス・コスニック(Vo, B)が現在までバンドを引き継いでいるようです。現在のメンバーはクリス&ボブ・パンテラ(Dr)の現MONSTER MAGNET組と、エドと交代して加入したフィン・ライアン(G, Vo)の3人。

さて、過去の音源を一切聴いていない状況でこの新作から入っていったのですが……めっちゃカッコいいじゃないですか! パワフルでインパクトのあるギターリフを軸に、ぶっといリズム隊が疾走感のあるビートを刻み、そこにメロウでシャウト気味のボーカルが入る。ストーナーロックというよりは、ガレージロックに近いような印象を受けました。例えばTHE HELLACOPTERSみたいな、ああいうグルーヴ感の強いガレージロック。そりゃあ嫌いになれるわけがない。

楽曲も非常にコンパクトかつ、変なひねりなしのド直球。全曲2〜3分台で、全12曲34分という潔さもまたよし。シングルギターバンドですが、要所要所に挿入されるフィン・ライアンのメロウなフレーズや、のたうちまわるようなギターソロがまたたまらない。ドラムの上に重なるタンバリンが、また独特のグルーヴ感を生み出していて、そこがTHE HELLACOPTERSあたりに通ずるものがある。って、結局自分がTHE HELLACOPTERS大好きなもんだから、どうしてもそこと重ねたくなってしまうわけですが。

この、常にテンション高めで突っ走るビート。ラスト1曲くらいですからね、若干落ち着くのは。それでもテンションは常にMAX気味で、落ち着く暇なんて与えてくれない。そのラストの「Liv A Little」はオルガンも前面にフィーチャーされており、ブギー的なリズム感含めどこかDEEP PURPLE的なカラーも。このへんでようやくサイケデリック感が強めに表れ、なんとなくルーツが垣間見えるといいますか。

で、ここまで聴いて……クリス・コスニックがMONSTER MAGNETに与えた影響ってなんなんだろう?と考えたわけです。う〜ん……直線的なロックンロール? いや、そういう意味ではあまり強くは影響出てないですよね。やっぱりあっちはあっちでデイヴ・ウィンドルフ(Vo, G)主導だから、そんなに影響はないわけか。う〜ん、バンドって難しい。

ていう話はさておき。これ、本当にストーナーロックなんですか? もはやストーナーロックの定義がわからなくなってきましたが……カッコよければそれでよし。いやあ、もっと早くに知っておけばよかったと思わされる1枚です。爆音でお楽しみいただきたいですね。



▼THE ATOMIC BITCHWAX『FORCE FIELD』
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投稿: 2018 09 18 12:00 午前 [2017年の作品, Atomic Bitchwax, The, Monster Magnet] | 固定リンク

2018年9月17日 (月)

MONSTER MAGNET『MINDFUCKER』(2018)

2018年3月に発表された、MONSTER MAGNET通算10作目のオリジナルアルバム。前作『LAST PATROL』(2013年)から4年半ぶりとだいぶ間が空いたように思えますが、その間には『LAST PATROL』の再構築アルバム『MIKING THE STARS: A RE-IMAGINING OF LAST PATROL』(2014年)や、前々作『MASTERMIND』(2010年)の再構築アルバム『COBRAS AND FIRE (THE MASTERMIND REDUX)』(2015年)が立て続けに発表されているので、実はそこまで空いた感がないという。

プロデュースは前作同様、メンバーのデイヴ・ウィンドルフ(Vo, G)とフィル・カイヴァーノ(G)が担当。コ・プロデューサーとしてモーガン・ストラットン(WOLFMOTHER、BIFFY CLYRO、ノラ・ジョーンズなど)とジョー・バレッシ(MELVINS、QUEENS OF THE STONE AGECLUTCHCOHEED AND CAMBRIAなど)の名も連ねられており、ジョー・バレッシはミックスも担当しております。

まあ、そんなデータはどうでもいい話ですが(苦笑)、内容ですよね。

実は、MONSTER MAGNETのアルバムをまともに聴くのって、2000年代前半以来なんですね。それこそ、アルバムで言ったらメジャー時代最後の『GOD SAYS NO』(2001年)が最後かもしれない。それくらい彼らに対して積極的なリスナーではなかったですし、ぶっちゃけ『DOPES TO INFINIGY』(1995年)と『POWERTRIP』(1998年)と『GOD SAYS NO』ぐらいしかまともに聴いたことがない、そんな浅いリスナーであることを最初にお断りしておきます。

「ハードロックと21世紀のパラノイアを祝う作品」と謳われている本作ですが、基本的な路線はそこまで変わっていないのかなと。埃っぽくてブルージー、どこかサイケデリックなハードロック。ストーナーロックってことでいいんだろうけど、本作からはもっと直線的な印象も受けます。王道感といいましょうか……良くも悪くもド直球。それを「肝が座っていてカッコいい」と受け取るか「2018年にしては古臭い」と切り捨てるかで、本作に対する評価も大きく変わりそうな気がします。

また、本作ではHAWKWINDのシンガーだったロバート・キャルバート(1988年死去)のカバー「Ejection」も収録。この選曲もストレートすぎて、笑ってしまうといいますか。まあ、それでこそ彼らなんでしょうけどね。

そういえば、オリジナルアルバムとしては本作から初めてクリス・コスニック(B/ex. GODSPEED、現THE ATOMIC BITCHWAX)が参加。2004年に加入したボブ・パンテラ(Dr)も現在までTHE ATOMIC BITCHWAXと活動を兼任しているようですし、そのへんの影響も強くなっているのかもしれません。そういえば、THE ATOMIC BITCHWAXにはエド・マンデル(G/1992年から2010年までMONSTER MAGNETに在籍)も過去に参加していたので、このへんの交流をいろいろ調べていくと、サウンドの微妙な変化にも気づけるのかもしれません。

個人的評価としては、「肝が座っていてカッコいい」と「2018年にしては古臭い」の中間なんですよね……やっていること自体決して新しくはないし、だけど首尾一貫しているところはカッコよくて、そもそもこのサウンド/スタイル自体は嫌いじゃない。まあ、彼らに革新的なものを求めること自体が間違いだし、頭空っぽにして素直に楽しめばいいだけなんですけどね。

あ、ラストの「When The Hammer Comes Down」はBLACK SABBATHっぽくてかなりお気に入りです。途中の節回しや歌声もまんまオジー・オズボーンですし(笑)。このへんに、彼らのファン気質が感じられて、ちょっと嬉しかったりして。



▼MONSTER MAGNET『MINDFUCKER』
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投稿: 2018 09 17 12:00 午前 [2018年の作品, Monster Magnet] | 固定リンク

2018年9月16日 (日)

CLUTCH『BOOK OF BAD DECISIONS』(2018)

アメリカ・メリーランド州出身の4人組バンド、CLUTCHによる通算12枚目のオリジナルアルバム。前作『PSYCHIC WARFARE』(2015年)から3年ぶりの新作となり、プロデューサーを初期作や前2作を手がけたマシーン(LAMB OF GODFALL OUT BOY、SUICIDE SILENCEなど)からヴァンス・パウエル(THE WHITE STRIPES、KINGS OF LEON、ジャック・ホワイトなど)に代えた意欲作となっています。

90年代はワーナー系やソニー系のレーベルに所属していたことから、ここ日本でも国内盤がリリースされていたCLUTCHですが、2000年代半ば以降はインディーズで細々と活動しているようです。が、最近は前々作『EARTH ROCKER』(2013年)が全米15位、前作『PSYCHIC WARFARE』は全米11位と、メジャーで活動していた頃よりも好成績を残しています。本作はまだリリースされたばかりなので、これを書いている時点ではBillboardチャートの成績も発表前ですが、もしかしたら前よりも良い記録を残せるのでは……と思えるくらい、面白い内容に仕上がっているんじゃないでしょうか。

CLUTCHというとサザンロック流れのストーナーロックやブルースロックという印象が強いですが、本作はその集大成的な傾向が強まっている気がします。大半の楽曲が3分台というのは変わらず、楽曲のバリエーションも前作までに近いのですが、なぜかその聴かせ方いつも以上に冴えているといいますか。

ブラスをフィーチャーしたファンキーな「In Walks Barbarella」、軽快なピアノサウンドとの相性も抜群なアップチューン「Vision Quest」あたりは、ヴァンス・パウエルというプロデューサーの手腕発揮と言わんばかりの力作。ギターやベースのファズの効かせっぷりも絶妙で、音の温かみや厚みも“ちょうどよい”。そのまま演奏したら古臭いと片付けられそうな楽曲を、独特のセンスで現代にも通ずるようにうまく昇華させているし、もはやハードロックだとかストーナーロックだとか、そういった枠組みさえも飛び出している気がします。

で、こうやって聴いてみるみると、先に挙げたヴァンス・パウエルがプロデューサーやエンジニアとして携わったアーティスト群……THE WHITE STRIPES、KINGS OF LEON、ジャック・ホワイト、それにジュエルやリアン・ライムス、BIG & RICHといったカントリー系など……の名前を見て、妙に納得するものがあるんですよね。前作までのスタイルとそこまで大きく変化はないはずなのに、ここまで進化したように思えるのは、彼のアイデアも多少は含まれているということなんでしょうか。

こんなアルバムを聴かせられちゃったら、そりゃあ生で観たいと思っちゃうわけですよ。ところが彼ら、もう15年くらい来日していない。しかも、しばらく日本盤も出ていないわけですから……単独では厳しいですね。ぜひ来年あたり、苗場あたりが呼んでくれたらなあ……。



▼CLUTCH『BOOK OF BAD DECISIONS』
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投稿: 2018 09 16 12:00 午前 [2018年の作品, Clutch] | 固定リンク

2018年9月15日 (土)

SUICIDAL TENDENCIES『STILL CYCO PUNK AFTER ALL THESE YEARS』(2018)

前作『WORLD GONE MAD』(2016年)からちょうど2年ぶりに発表された、SUICIDAL TENDENCIESの通算13枚目となるオリジナルアルバム。前作から加入したデイヴ・ロンバード(Dr/ex. SLAYERDEAD CROSSなど)が叩く2枚目のアルバムとなります。本作の前には、今春に10曲入りEP『GET YOUR FIGHT ON!』が発売されており、そちらには本作にも収められている「Nothin' To Lose」が先行収録されています。

このアルバムは、マイク・ミューア(Vo)が1996年にCYCO MIKO名義でリリースしたソロアルバム『LOST MY BRAIN! (ONCE AGAIN)』を現メンバーでリメイクしたもの。基本的にはオリジナルに近いアレンジで、軽いサウンドメイクと疾走感が気持ちよかったオリジナル版に、デイヴ・ロンバードのドラミングにより重さが加わり、よりハードコア感が増したような印象を受けました。

また、オリジナル版がプロジェクト色の強いものだったこともあり、今回のリメイク版はよりバンド感が増しているのも特徴。そのへん、本作にはこの布陣ならではのタイトさも表れており、どちらが好きかと尋ねられたら迷わず今回のリメイク版を挙げることでしょう。

また、本作は完全リメイクというわけではなく、「Ain't Mess'n Around」は未収録(こちらのみEP『GET YOUR FIGHT ON!』にリメイク版が収録されています)。また、オリジナル版では「Cyco Miko Loves You」というタイトルだった楽曲がバックトラックはオリジナルの雰囲気を再現しつつ、歌詞とメロディラインを変え、「Sippin’ From The Insanitea」と題して収録されています。

本作に対して、マイク・ミューアはこんなコメントを残しています。


「デイヴ・ロンバードがSUICIDAL TENDENCIESにいる今、SUICIDAL TENDENCIESのレトロではないモダンなサイコ・パンク・レコードとして、このアルバムはリリースされなくてはならない。何年もの間、俺はこのアルバムの曲が好きだった。おそらく、30才であった当時より、今のほうが俺はこのアルバムの曲が好きだ。そして皮肉なことに、SUICIDAL TENDENCIESの作品ではなかったアルバムが俺をよりSUICIDAL TENDENCIESにした」


前作『WORLD GONE MAD』ではメタリックな楽曲も含まれており、曲によっては6分もあったりと持ち前のミクスチャー感を全面にアピールしていましたが、今作はそういうわけでど直球のパンク/ハードコア。そんななので、全11曲で41分というトータルランニングになっています。これ、10曲入りだった前のEP(45分)より短いんですけどね。まあ、潔くて良いじゃないですか。

まあ、これをデイヴ・ロンバードがいる編成でやらなくてもいいじゃないか……という声も聞こえてきそうですが、これはこれで楽しいのでよろしいのでは。何も考えずに楽しめる1枚ですし。

なお、本作のレコーディングをもってジェフ・ポーガン(G)が脱退。ツアーには昨年解散した THE DILLINGER ESCAPE PLANのベン・ワインマンが参加するそうです。それはそれで見てみたいぞ。



▼SUICIDAL TENDENCIES『STILL CYCO PUNK AFTER ALL THESE YEARS』
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投稿: 2018 09 15 12:00 午前 [2018年の作品, Suicidal Tendencies] | 固定リンク

2018年9月14日 (金)

THE ALMIGHTY『POWERTRIPPIN'』(1993)

グラスゴー出身の4人組バンドTHE ALMIGHTYが1993年春にリリースした、通算3作目のオリジナルアルバム。前作『SOUL DESTRUCTION』(1991年)リリース後に脱退したタントラム(G)に代わり、元ALICE COOPER BANDのピート・フリージン(G)が加入して初のアルバムになります。プロデューサーはマーク・ドッドソン(JUDAS PRIESTANTHRAXSUICIDAL TENDENCIESなど)が務め、「Addiction」(全英38位)、「Over The Edge」(同38位)、「Out Of Season」(同41位)などのシングルヒットもあり、アルバム自体も全英5位というキャリア最高位を記録しました。

前2作をして“MOTÖRHEADよりもMOTÖRHEADらしい”などと言わしめた(いや、そんなことないですけど)バンドが、このアルバムで大きな変化を迎えます。それは、いわゆる“爆走ロックンロール”的なスタイルが影に潜み、代わりに当時主流だったグランジやヘヴィロック的側面を強めていくのです。

オープニングを飾る「Addiction」なんてALICE IN CHAINSあたりがやっていたとしても不思議ではないテイスト/サウンドだし、続く「Possession」もPANTERA的と言われれば確かにそれっぽい。MOTÖRHEADのモの字もありゃしない。

けど、軸にある哀愁味あふれるメロディとボーカリゼーションは変わっておらず、モダンなサウンドになっているものの「Over The Edge」のようにガッツはあるけどどこか悲しげなメロのヘヴィチューン、「Jesus Loves You… But I Don't」というもの悲しげなヘヴィバラード、「Out Of Season」というグルーヴィーかつブルージーなミディアムナンバーなど、前作までのファンも納得できる(させる)だけの佳曲も揃っております。

そして、少ないながらも「Powertrippin'」という爆走ロックンロールも残されているし、その後のライブでオープニングを飾る機会の多かったアップチューン「Takin' Hold」もある。決してただスピードを緩めただけではなく、そのバリエーションを横に広げただけなのだ、と。

後半に進むにつれてディープなミディアムヘヴィチューンが並びますが、「Instinct」あたりはちょっと退屈かな……続く「Meathook」はリフとグルーヴ感で乗り切ってますけど、ラストの「Eye To Eye」もちょっと弱い。全12曲ではなく10曲程度に絞っておけば、かなりの名盤になったはずなんですが……そこだけが残念でなりません。ま、これがあったからこそ、続く超傑作『CRANK』(1994年)が生まれたわけですけどね。

ちなみに本作、日本盤限定で『LIVE FROM DONINGTON '92』と題した7曲入りEPが付いた2枚組仕様も発売されました。こちらではすでに発売前の「Addiction」をやっていたりして、非常に興味深い内容です。中古店を探せば今でもよく見つかるので、ぜひトライしてみてはどうでしょう。



▼THE ALMIGHTY『POWERTRIPPIN'』
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投稿: 2018 09 14 12:00 午前 [1993年の作品, Almighty, The] | 固定リンク

2018年9月13日 (木)

LITTLE ANGELS『YOUNG GODS』(1991)

1991年春にリリースされた、LITTLE ANGELSの2ndフルアルバム。プロデュースを担当したのはジェイムズ・“ジンボ”・バートン(ゲイリー・ムーアQUEENSRYCHEスティーヴ・ペリーなど)とアンディ・ジュリアン・ポール(元SKIN組によるb.l.o.w.など)が担当し、「Boneyard」(全英33位)、「Product Of The Working Class」(全英40位)、「Young Gods (Stand Up, Stand Up)」(全英34位)、「I Ain't Gonna Cry」(全英26位)といったヒットシングルを多数生み出しました。アルバム自体も全英17位という好成績を残しており、彼らの出世作と呼べる1枚となっています。

メジャーデビューフルアルバム『DON'T PREY FOR ME』(1989年)の頃は“イギリスからのBON JOVIへの回答”的な触れ込みもあったような記憶がありますが、それはサウンドがポップでライトなハードロックだったこと、編成が同じ5人組だから、というのも大きかったのかもしれません。

ですが、この2枚目のアルバムではそういった比較は馬鹿馬鹿しいぐらい、彼ららしいオリジナリティとイギリスのバンドとしてのアイデンティティを掴み取った、そんな印象を受けます。とはいえ、ミックスはアメリカでスティーヴ・トンプソン&マイケル・バルビエロ(GUNS N' ROSESMETALLICAマドンナデヴィッド・ボウイなど)に任せているので、うまい具合に英米の良いところをミックス……なんて思惑もあったのかも(アメリカでの成功はレーベル側の思惑かもしれませんが)。

アップテンポのハードロック「Love Is A Gun」や派手なブラス系シンセのリフがいかにもな「Natural Born Fighter」など前作の延長線上にある楽曲含まれているものの、基本的にはミディアムテンポのロックンロールやポップロックをメインとした作風。そのミディアムの中でも若干アップめ、若干スローめというふうに強弱を付け、聴き手を飽きさせない工夫が施されています。

オープニングの「Back Door Man」からグルーヴィーな「Boneyard」への流れ、軽やかなアコースティックギターが心地よい「Young Gods (Stand Up, Stand Up)」、泣きのギターフレーズが涙腺を刺激するバラード「I Ain't Gonna Cry」と、この冒頭4曲を聴いただけで、前作以上の完成度かつオリジナリティに驚かされるはずです。

また、「Young Gods」や「Product Of The Working Class」「The Wildside Of Life」などではブラスセクションも導入され、そのへんが一介のハードロックバンドとは異なることを感じさせます。キーボーディストもピアノを中心にした音作りで、独特のグルーヴ感を生み出しているし、ところどころに入るボーカルの高音シャウトやギターの速弾きが入らなかったらTHE QUIREBOYSをもっと派手にしたようなイメージ止まりで、ハードロックバンドだとは思わないんじゃないでしょうか(それが良いか悪いかは別として)。

あ、僕は大好きですよ、このアルバム。ただ、日本盤はボーナストラック3曲追加で、トータル68分と長いのが玉に瑕ですが。日本国内ではApple Musice、Spotifyどちらもストリーミング配信されていないのが残念極まりない(海外では配信されています、念のため)。

ここでの成功があったからこそ、彼らは次作『JAM』(1993年)でさらなる“深化”の道をたどり、全英1位を獲得することになるのですが、それはまた別の機会に。



▼LITTLE ANGELS『YOUNG GODS』
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投稿: 2018 09 13 12:00 午前 [1991年の作品, Little Angels] | 固定リンク

2018年9月12日 (水)

MANIC EDEN『MANIC EDEN』(1994)

1994年3月に日本でリリースされた、エイドリアン・ヴァンデンバーグ(ex. VANDENBERG、ex. WHITESNAKE、VANDENBERG'S MOONKINGS)率いるMANIC EDEN唯一のアルバム。メンバーはヴァンデンバーグ(G)、LITTLE CAESARのロン・ヤング(Vo)、WHITESNAKE時代に活動をともにしたルディ・サーゾ(B)&トミー・アルドリッジ(Dr)の4人。

もともと1993年に、エイドリアンがルディ&トミーのリズム隊と、ジェイムズ・クリスチャン(ex. HOUSE OF LORDS)とで行ったセッションが結成のきっかけ。そこからボーカルがロン・ヤングに替わり、そこから正式にバンドとして活動開始。全11曲中6曲がエイドリアンとロンの共作で、残り5曲はエイドリアンが単独で書いたものになります。

WHITESNAKE時代に本格的に関わるはずだったアルバム『SLIP OF THE TONGUE』(1989年)ではほぼ全曲をデヴィッド・カヴァーデイルと共作したものの、腕の不調でレコーディングにはまったく参加できず。そういう意味では、彼が丸々関わったアルバムとしては、本作はVANDENBERGの3rdアルバム『ALIBI』(1985年)以来9年ぶりとなります。

聴く前から、このメンツを確認してなんとなく「WHITESNAKE以降の、ブルースベースのハードロックになるんだろうな」と思ってましたが、本当にそのとおりの音で、VANDENBERGはどこへ行った……と古くからのファンは嘆きたくなる内容だったのではないでしょうか。

実際、エイドリアンの(我々が想像する)ギタープレイの良さはここには全く反映されておらず、ジミヘンみたいなギタープレイで、ジミヘンみたいな曲やLED ZEPPELINみたいな曲やジャニス・ジョプリンみたいな曲を作ってみたらこうなったよ、と言わんばかりの内容。いや、そんなにひどくはないんですけどね。でもね……。

ただ、LITTLE CAESARおよびロン・ヤング側の視点でこのアルバムを語ると、彼のシンガーとしての色気や魅力は存分に伝わるものになっているのではないかなと。オープニングの「Can You Feel It」や「When The Hammer Comes Down」といったソウルフル/ブルースフィーリングを漂わせたロックナンバー、「Ride The Storm」や「Do Angels Die」のようなバラードナンバーはカヴァーデイルでは歌えなかったでしょうからね。そういう意味ではナイス人選だったのかも。

ただ、こういう音楽性にこのリズム隊はないな。残念ながら。この2人を使うなら、もっとメタリック寄りにしてもよかったのに(そのほうが個性が生きたような)。そこも踏まえて、非常に中途半端な作品だなと。うん。

ただ、それでも忘れた頃に引っ張り出して聴きたくなってしまうのは、僕がVANDENBERGもWHITESNAKEもLITTLE CAESARも好きだからでしょうね。よかった、そんな人生で(笑)。



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投稿: 2018 09 12 12:00 午前 [1994年の作品, Little Caesar, Manic Eden, Whitesnake] | 固定リンク

2018年9月11日 (火)

SKIN『SKIN』(1994)

1994年に発表された、イギリスの4人組バンドSKINによる1stアルバム。オリジナル盤はメジャーのEMI / Parlophone Recordsからリリースされ、プロデュースはキース・オルセン(オジー・オズボーンWHITESNAKEHEARTなど)が担当。本国では最高9位まで上昇する、ヒット作となりました。

この時期、イギリスではHR/HMに新たな波が訪れ始めたタイミング。THUNDERの2ndアルバム『LAUGHING ON JUDGEMENT DAY』(1992年)が全英2位を記録したのを筆頭に、LITTLE ANGELSの3rdアルバム『JAM』(1993年)が全英1位、THE ALMIGHTYの3rdアルバム『POWERTRIPPIN'』(1993年)が全英5位と、1990年前後にデビューしたバンドたちがこぞって好成績を残していました。

この波に乗らんとばかりに、SKINもデビューするのですが、彼らのサウンドはTHUNDERとLITTLE ANGELS(主に初期)の中間といった印象。適度にブルージーなブリティッシュハードロックをベースに、聴きやすく思わずシンガロングしたくなるキャッチーさを持った楽曲がずらりと並びます。オープニングを飾る「Money」のカッコよさは言うまでもなく、続く「Shine Your Light」や「House Of Love」はTHUNDERにも通ずるロックンロール感がある。「Colourblind」のおおらかなリズムはどこかモダンだし、かと思えば「Which Are The Tears」みたいなソウルフルな王道バラードもある。

THUNDERほどルーツ重視というわけでもなく、LITTLE ANGELSほどポップでもない。だけど、しっかりモダンさも兼ね備えている。そのへんは、本作リリース当時からよくカバーしていた「Unbelievable」(EMFが1990年に発表したシングル。全米1位、全英3位を記録)など、そのセンスにも表れているのではないでしょうか(そのへんのセンスは、続く2ndアルバム『LUCKY』で一気に爆発するのですが)。

当時、HELLOWEENのマネジメントに所属していたことで、初来日が彼らのオープニングアクトだったというのも、今思えば「なるほど」とも思えるし、逆に「だから日本でブレイクできなかったのかな」とも思える。本作は今聴いても優れたハードロックアルバムだと思うし、そのわりにここ日本ではあんまり“届いて”気もするし。そういう歯がゆさを持った1枚、ぜひこの機会に触れてみてはいかがでしょう。しっかりストリーミングにも入ってるしね。



▼SKIN『SKIN』
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投稿: 2018 09 11 12:00 午前 [1994年の作品, Skin] | 固定リンク

2018年9月10日 (月)

GODSPEED『RIDE』(1994)

アメリカ・ニュージャージーの5人組バンド、GODSPEEDが1994年に発表した唯一のオリジナルアルバム。プロデュースを手がけたのは、SKID ROWのベーシスト、レイチェル・ボラン。デビュー時にその色が着いちゃったことで、HR/HMファンには「野暮ったい」と言われ、オルタナ界からは「SKID ROW流れ」と揶揄され。不幸というかなんというか。

ベーシストが2人、ギターが1人という珍しい編成のバンドで、サウンド的には時代もあってか非常にグランジ/ヘヴィロックからの影響が強いスタイル。グランジといってもMUDHONEYとかMELVINSとか、あるいはHELMETあたりの流れにあるバンドかなと。非常にグルーヴィーなミドルテンポのヘヴィロックが次々と繰り出されます。

ベースが2人ってことは、普通にベースラインを弾くメンバーと、リズムギター的にパワーコードを弾くメンバーがいるってことですかね(生で観たことないのでわからないし、MVではそのへんがわかりにくいので)。サウンドはめっちゃぶっとくてダーティ。爆音で聴くと、本当に気持ち良いんですわ。トリップするってやつですかね。ああ、あの時代がよみがえってきます。

今となると、こういうサウンドってBLACK SABBATHの影響下にあるストーナーロックということになるんでしょうか。事実、このバンドが解散したあと、メンバーの何人かはSOLACE、THE ATOMIC BITCHWAXというストーナー界隈ではそこそこ名の知れたバンドに参加しているので(さすがに僕もSOLACEぐらいは知っていましたが)。GODSPEEDとしてはAtlantic Recordsからメジャーデビューしているものの、むしろ解散して以降のほうが出世している気がします。

良く言えばヘヴィで気持ちいい、悪く言えばどの曲もリフやテンポが似通っている(ラストの「My Brother」は16分もあって、さすがに退屈します)。聴く人によって評価が大きく分かれるアルバム/ジャンルかもしれませんが、2018年に聴いても特に古臭さは感じません(元から古臭かったという話もありますが)。ラップメタル以前の、ゴリゴリでグルーヴィー、引きずるようなリズム感のヘヴィロックを堪能したい方にはぜひ触れてほしい1枚かもしれません。

こうやって久しぶりに聴いてみると、いかにこのへんのジャンルがのちのSKID ROWのアルバム『SUBHUMAN RACE』(1995年)に影響を与えたかが、おわかりいただけるかと思います。元凶はお前だったのか、レイチェル。

にしても、今思うとバンド名がよろしくなかったですよね。検索するとき、GODSPEED YOU! BLACK EMPERORばかりが引っかかって、このバンドにたどり着けないったらありゃしない(苦笑)。



▼GODSPEED『RIDE』
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投稿: 2018 09 10 12:00 午前 [1994年の作品, Atomic Bitchwax, The, Godspeed, Skid Row] | 固定リンク

2018年9月 9日 (日)

ELLIOTT SMITH『XO』(1998)

自分と誕生日が同じ(8月6日)こともあり、昔から親近感を持っていたエリオット・スミス。残念ながら2003年に自ら命を絶ってしまいましたが、彼が残した作品の数々は今も“後追いリスナー”含め多くのファンに愛され続けています。

本作は1998年8月にリリースされた、通算4作目のオリジナルアルバムにしてメジャー1作目のアルバム。前年に公開された映画『グッド・ウィル・ハンティング』に「Miss Misery」を提供し、この曲がアカデミー賞にノミネートされるなど、同年2月に発表された『EITHER/OR』(1997年)含め、エリオットはメジャー移籍前から高く評価されてきました。

そんな中発表された本作『XO』。バンドサウンドを取り入れたポップな楽曲も含まれているものの、ベースになるのはアコースティックギターで表現される内省的な世界観。美しいメロディラインや随所に登場するハーモニーは、確かにビートルズを彷彿とさせるものがあります。シングルカットされた「Baby Britain」なんてまさに中期ビートルズのそれでしょうし、多重録音を多用したスタイルはある種60年代後期のTHE BEACH BOYSにも通ずるものがあります。

かと思えば、アメリカの古き良き時代のカントリーやフォークもしっかり引き継いでおり、それを90年代的感覚でオルタナティヴロック風に昇華させている。ベックのようなエンタメ色を兼ね備えたシンガーソングライターとはまた異なる、この人にしか作り得ないサウンドスケープが終始展開されています。

「Independence Day」のようなモダンさもあれば、「Bled White」みたいにサイケデリック感を併せ持つロックナンバーもある。「Amity」なんてジョン・レノンだし、「A Question Mark」は中期ビートルズとグランジの融合だもん。悪いわけがない。自分は最初に聴いたのが本作だったので、エリオット・スミスといえばここで聴ける楽曲こそがすべてなんです。

リスナーによっては『EITHER/OR』のほうが優れていると断言するでしょうし、実際素晴らしいアルバムだと思います。が、思い入れでは本作なんですよね。このアルバムを制作した頃にはすでにうつ病だったエリオットですが、少なからずそういった病状もこの質感に影響を与えているのかもしれません。そこも含めて、彼を語る上ではやはり重要な1枚と言わざるを得ません。

なお、日本盤には先の「Miss Misery」がボーナストラックとして追加収録されているので、ぜひこちらを購入してみてはいかがでしょう。



▼ELLIOTT SMITH『XO』
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投稿: 2018 09 09 12:00 午前 [1998年の作品, Elliott Smith] | 固定リンク