2020/12/31

INDEX

当ブログにて公開中のレビュー、および1998年12月からスタートした『とみぃの宮殿』に掲載された記事を当ブログにて再公開したレビューのインデックスページになります。現時点で2000近いエントリーがあるため、こちらは時間をかけながら、ゆっくりと完成させていく予定です。(随時更新中)

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投稿: 2020 12 31 12:00 午前 [「記事一覧」] | 固定リンク

2017/06/30

2017年6月のお仕事

2017年6月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます。
(※6月21日更新)


[WEB] 6月21日、「Red Bull Japan」オフィシャルサイトにてコラム「ロックファンにも強く伝えたい欅坂46、3つの魅力」が公開されました。

[WEB] 6月20日、「リアルサウンド」にて乃木坂46堀未央奈のインタビュー「乃木坂46 堀未央奈、“2期生の躍進”を語る「頼りない人間だけど、私なりにみんなを支えたい」」が公開されました。

[WEB] 6月19日、「Red Bull Japan」オフィシャルサイトにてコラム「今年の夏フェス出演注目アーティスト8選」が公開されました。

[WEB] 6月18日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」NOISEMAKERのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>NOISEMAKER、「こういう景色を誕生日に味わえるなんて」」が公開されました。

[WEB] 6月18日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」a crowd of rebellionのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>a crowd of rebellion、「夢見たステージに今立ってるよ!」」が公開されました。

[WEB] 6月18日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」04 Limited Sazabysのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>04 Limited Sazabys、2日目トップで「あの頃より強くなってる」」が公開されました。

[WEB] 6月18日、「リアルサウンド」にてLiSAのインタビュー「LiSAが語る、自身の快進撃と活動スタンス「一番の目標は『長くみんなと生きていきたい』」」が公開されました。

[WEB] 6月17日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」Dizzy Sunfistのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>Dizzy Sunfist、「ハイスタの遺伝子を見せつけにきました!」」が公開されました。

[WEB] 6月17日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」Ken Yokoyamaのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>Ken Yokoyama、「ここ日本ではそうないと思うぜ」」が公開されました。

[WEB] 6月17日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」四星球のライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>四星球、「コミックバンドがやってきました!」」が公開されました。

[WEB] 6月17日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」SHANKのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>SHANK、「もう二度と出られないと思ってたら、まさかのメインステージ!」」が公開されました。

[紙] 6月17日発売「LiSAぴあ」にて、LiSAロングインタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[WEB] 6月15日、「リアルサウンド」にてAKB48のアーティスト分析記事「AKB48『選抜総選挙』、今年のキーワードは“新陳代謝”? 識者が語る注目ポイント」にコメントを提供しました。

[WEB] 6月14日、「NIKKEI STYLE」にて「乃木坂46が挑む『あさひなぐ』 舞台と映画で違う色」(「日経エンタテインメント!」2017年6月号掲載分)が公開されました。

[紙] 6月14日発売「TV Bros.」2017年6月17日号にて、Cornelius『Mellow Waves』、CHEAP TRICK『WE'RE ALL ALRIGHT!』アルバムレビューを担当・執筆しました。

[紙] 6月13日発売「週刊SPA!」6月20日号にて、「けやき坂46のセカイ」特集にコメントを寄せました。(Amazon

[WEB] 6月10日、「リアルサウンド」にてTSPのインタビュー「J-METALのDNAを継承、TSPが目指す理想のバンド像「媚びずに自分たちの音楽をアピールしたい」」が公開されました。

[紙] 6月7日発売「別冊カドカワ 総力特集 菅田将暉」にて、菅田将暉1万字ロングインタビュー、菅田将暉×オカモトレイジ(OKAMOTO'S)対談を担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 6月5日発売「週刊ビッグコミックスピリッツ」2017年27号にて、乃木坂46出演の映画「あさひなぐ」撮影現場密着レポートを執筆しました。(Amazon

[WEB] 6月3日、「リアルサウンド」にてlynch.のインタビュー「lynch.が語る、活動再開から新作完成までの一部始終「あいつがいたことも事件のことも全部背負う」」が公開されました。

[WEB] 6月2日、「リアルサウンド」にてLittle Glee Monsterのインタビュー「Little Glee Monsterが語る、“激動の2017年”と夢にかける思い「一番“鍛えられる”1年になる」」が公開されました。

[紙] 6月2日発売「日経エンタテインメント!」2017年7月号増刊 「AKB48グループ次世代メンバー」特装版AKB48選抜総選挙記事にて、福岡聖菜、松岡はなインタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 6月2日発売「日経エンタテインメント!」2017年7月号AKB48選抜総選挙記事にて、指原莉乃、渡辺麻友、松井珠理奈、宮脇咲良インタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 6月1日発売「ぴあMovie Special 2017 Summer」にて、乃木坂46メンバーのコメントを含む映画「あさひなぐ」撮影現場密着レポートを執筆しました。(Amazon

投稿: 2017 06 30 12:00 午後 [「仕事紹介」] | 固定リンク

2017/06/23

MOTORHEAD『1916』(1991)

1991年初春にリリースされた、MOTORHEAD通算9枚目のスタジオアルバム。当時のメンバーはレミー(Vo, B)、フィル・キャンベル(G)、マイケル・ワーゼル・バーストン(G)、フィル・アニマル・テイラー(Dr)。アニマルにとっては本作がラスト作になります。また、本作はバンドがイギリスからアメリカ(ロス)に渡ってから初の作品であると同時に、メジャーレーベルから最初の1枚でもあります。

MOTORHEADという名前を聞いて、多くの人が思い浮かべるのが「ロックンロール」「ハードロック」「ヘヴィメタル」といったところでしょうか。そのカテゴライズで言えば、本作は完全なるロックンロールアルバム。レミーがライブを始める間に言うセリフ「We are Motorhead. We play rock n' roll」がここまでピッタリなアルバムも他にないんじゃないかってくらい、完璧な1枚だと個人的には感じています。

冒頭の「The One To Sing The Blues」から地を這うような、それでいて軽快さも持ち合わせたグルーヴ感のロックンロールを炸裂。続いてい3コードのお約束R&Rナンバー「I'm So Bad (Baby I Don't Care)」、爽快さすら感じさせるメジャーキーの「No Voices In The Sky」、シンプルでストレートな「Going To Brazil」とアッパーな楽曲が連発されます。この時点でもう最高。文句なし。

しかし、アルバム中盤に差し掛かると、それまでのMOTORHEAD史上でもっとも問題作と呼べるような2曲が登場。それがダークなミディアムスロウチューン「Nightmare / The Dreamtime」と、パワーバラードと言えなくもないヘヴィブルース「Love Me Forever」です。前者はそのダークさゆえ、MOTORHEADっぽいと言えますが、後者は8分の6拍子のバラード調。確かに度肝を抜かれますが、よくよく聴くとその構成はLED ZEPPELINの「Dazed And Confused」に近かったりして、要するにこれはMOTORHEAD版ブルースってことなんだろうなと。これもロックンロールなんだと、改めて納得させられた次第です。

後半も、ピアノやブラスを導入した異色のロック「Angel City」やRAMONESへのトリビュートソング「Ramones」などアップチューンが立て続けに繰り出され、最後にタイトルトラック「1916」。しかしこれが、正真正銘のスローバラード。レミーがストリングスをバックに歌うその様は、いわば“MOTORHEAD版「Yesterday」”か。結局、本作がきっかけとなり、彼らはその後も積極的にスローナンバーに挑戦していくことになります……が、そこはMOTORHEAD。せいぜいアルバムに1曲程度の割合なので、個人的にはまったく問題なし。アクセントと思えば気持ちよく聴けるはずです。

僕個人としては、本作がMOTORHEADでもっとも好きなアルバムなんですよね。きっと初めてライブを観たのが、このアルバムでの来日公演だからというのも大きいのかな。まぁそれを抜きにしても、本作は第2次黄金期の幕開けにふさわしい傑作だと思いますけどね!



▼MOTORHEAD『1916』
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投稿: 2017 06 23 12:00 午前 [1991年の作品, Motörhead] | 固定リンク

2017/06/22

POISON『NATIVE TONGUE』(1993)

3枚のマルチプラチナムアルバムを発表したものの、早くも登場した2枚組ライブアルバム『SWALLOW THIS LIVE』(1991年)が大きなヒットにつながらず、C.C.デヴィル(G)が脱退(事実上のクビ)。POISONにとって最初にして最大の難関となったギタリスト問題も、しばらくしてリッチー・コッツェンというバカテクギタリストの加入により解決し、1993年初頭に通算4作目のスタジオアルバム『NATIVE TONGUE』がリリースされます。

当時のリッチーの評価は、現在のような「ブルースフィーリングあふれる、歌心のあるギタリスト」というものではなく、「シュラプネル系のテクニカル&速弾きギタリスト」というもの。しかし、POISONで聴かせるそのプレイは、確かにテクニカルではあるものの速弾き一辺倒ではなく、非常にレイドバックしたプレイでした。たぶん、多くのHR/HMファンが驚いたのではないでしょうか。

作品を重ねるごとにグラム路線から脱却し、前作『FLESH & BLOOD』(1990年)ではマッチョな(それでいて“枯れ”も感じさせる)サウンドにまで到達したPOISONでしたが、本作『NATIVE TONGUE』ではリッチーという才能を得たことで、その路線を一気に本格的なものへと昇華させることに成功。それまでのニセモノ感はどこへやら、本作から聴き始めたリスナーは間違いなく「こういうバンド」だと勘違いするはずです(笑)。

にしても、本作の完成度といったら……客観的に見ても、過去イチの出来ではないでしょうか。まず本作は、オープニングの「The Scream」やシングルカットもされた「Stand」など、ゴスペル色の強いハードロックが次々と展開されていきます。過去3作と比べたら、一聴して地味に感じるかもしれません。しかし、サウンド自体はこの手のレイドバックしたハードロックの中でもかなり派手めで、そのへんのPOISONというバンドのこだわりが感じられます。

また、バラードにしても過去のパワーバラードとは異なり、ソウルの影響下にある本格派バラード「Until You Suffer Some (Fire And Ice)」も飛び出し、当時は「どうしたPOISON?」と呆気にとられたものでした。が、今聴くと本当に良いですね、これ(笑)。前作での「Something To Believe In」で見せた路線の究極系と捉えると、非常に納得がいくといいますか。

後半には、従来の路線に近い「Strike Up The Band」や「Ride Child Ride」「Blind Faith」などストレートなハードロックもあるものの、やはりテイスト的には本作のマナーに従ったもの。まぁ『FLESH & BLOOD』からの流れで考えれば、本作の後半は前作の延長(=我々の知るPOISON)、前半はリッチー主導の本格路線(=過去のPOISONを覆す)ということになるんでしょうね。

すでにHR/HM冬の時代に突入していたものの、本作は全米16位、50万枚を超える中ヒットを記録。確かに前作までのマルチプラチナムと比較すれば“落ちた”ように見えますが、同時代に活躍した他のバンドと比較したら一番善戦したと思います。

結局リッチーは本作1枚のみで脱退。本作での路線をさらに推し進めたソロ作を続発したのちにMR. BIGに加入したり、ビリー・シーン(B)やマイク・ポートノイ(Dr)とTHE WINERY DOGSを結成したりするわけです。そういう意味では、今のリッチー・コッツェンにとって原点的1枚とも言えますね。POISONにとってはどのポジションの作品になるのかわかりませんが。



▼POISON『NATIVE TONGUE』
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投稿: 2017 06 22 12:00 午前 [1993年の作品, Poison, Richie Kotzen] | 固定リンク

2017/06/21

MICHAEL MONROE『SENSORY OVERDRIVE』(2011)

先日55歳の誕生日を迎えたばかりのマイケル・モンロー。再生HANOI ROCKS解散を経て、現在彼の活動拠点となるのが自身の名前を冠したMICHAEL MONROEというバンドです。今回紹介するのは、2011年春にリリースされたMICHAEL MONROE名義での1stアルバム(ソロとしては通算6枚目)。当時のメンバーはマイケルのほか、ジンジャー・ワイルドハート(G)、スティーヴ・コンテ(G)、サミ・ヤッファ(B)、カール・ロックフィスト(Dr)。ジンジャーは本作に伴う活動途中で、案の定バンドを離れています。

バンド編成になったからといって急激に音楽性が変わるわけもなく、ここで聴ける楽曲やサウンドは過去のマイケル・モンローを知る人なら納得の内容。パンクロックを通過した軽快なロックンロールがたっぷり詰め込まれています。HANOI ROCKSだろうがDEMOLITION 23.だろうが、なんでもあり。どの時代の曲と混ざり合っても違和感のない、普遍的なロックンロールソング集と言えるでしょう。

とはいえ、ソングライティングに携わる人間が変われば、そのテイストが多少異なる楽曲もいくつか含まれるわけで。本作でいえば、ポップなメロディを持つ「Superpowered Superfly」は明らかにジンジャーの手腕によるもの。この曲と「Later Won't Wait」はジンジャーが単独で書き下ろしたもので、「Later Won't Wait」もどこかTHE WiLDHEARTSやその他ジンジャーが携わってきたバンドに共通するストレンジさが含まれており、それがマイケルの個性とぶつかり合うことで生じた化学反応を楽しむことができます。

こういった新境地もいくつか含まれていたことから、個人的には「MICHAEL MONROE、これから面白くなるんじゃね?(但しジンジャーが抜けなければ)」と思っていたのですが……さすがに2枚目はなかったと。ただ、次は次で面白いコラボレーションが生まれるので、また別の意味でワクワクしたわけですが。

ちなみに、ジンジャーの後釜としてバンドに加わったのが、当時BACKYARD BABIESが活動休止中だったドレゲン。マイケルとBYBは過去にコラボ経験があるとはいえ、この邂逅にはさすがに驚きました。

なお、本作の本編ラストに収められている「Debauchery As A Fine Art」は、前年に発表されたライブアルバム『ANOTHER NIGHT IN THE SUN: LIVE IN HELSINKI』に先行収録されていた「Motorheaded For A Fall」を改作したもの。基本構成は一緒ですが、このスタジオテイクにはオリジナルタイトルにその名が含まれていたMOTORHEADのレミーがゲスト参加しています。

2017年のこのタイミングに「マイケル・モンローってどんな人? どれから聴けばいいの?」と質問されたら、まずはこのアルバムをオススメすると思います。そこから新作まで順々に聴いてもいいし、過去をさかのぼってもいい。あるいは、HANOI ROCKSに進むのもアリ。本作を拠点にすれば、マイケルのどのキャリアにもたどり着けるはずです。



▼MICHAEL MONROE『SENSORY OVERDRIVE』
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投稿: 2017 06 21 12:00 午前 [2011年の作品, Ginger Wildheart, Michael Monroe] | 固定リンク

2017/06/20

AC/DC『ROCK OR BUST』(2014)

2014年11月にリリースされた、AC/CD通算15枚目(オーストラリア国内では16枚目)のスタジオアルバム。プロデュースは前作同様、ブレンダン・オブライエンが担当。マルコム・ヤング(G)が認知症のためバンドを離れ、代わりにマルコム&アンガス・ヤング(G)の甥にあたるスティーヴィー・ヤングが加入して制作されました。また、本作を携えたツアー期間にフィル・ラッド(Dr)が逮捕されバンドを脱退。代役として90年代前半に在籍したクリス・スレイドが再加入しています。また、ブライアン・ジョンソン(Vo)も聴力障害のためツアーを離脱。2016年のツアーではGUNS N ROSESのアクセル・ローズがゲスト・ボーカリストとして代役を務めたことは記憶に新しいと思います。さらに、クリフ・ウィリアムズ(B)も本ツアー終了後にバンドから脱退。結果として、我々がよく知るAC/DC最後のアルバムとなってしまいました。

全米1位を獲得した前作『BLACK ICE』(2008年)から6年ぶりに発表された本作は、どの曲も2〜3分台という非常にシンプルな構成。全11曲でトータル34分というランニングタイムは昨今の作品としては非常に短く感じますが、実際に聴くとその倍くらいあるんじゃないかと思えるほどの濃厚さがあります。シンプルだからこその濃さ。これこそが、40年以上の活動を経て到達した境地なのかもしれません。

思えば前作は8年ぶりの新作。気合いを入れて望み、結果として全15曲入り、トータル55分という、当時としては「最強のAC/DC」を表現していたと思います。しかし、その最強な状態からさらに余計なものをそぎ落とした結果、「11曲ぐらいで、34分でも大丈夫じゃない?」という結論にたどり着いた。というのは、考えすぎでしょうか? でも、そう思えるぐらいに寸分も隙がない、鉄壁なロックンロールアルバムだと思うのです。

そう、本作はHR/HMというよりはロックンロール。『BLACK ICE』はまだハードロックですよね。それ以上に原始的、もしくはルーツに原点回帰したのがこの『ROCK OR BUST』なんじゃないでしょうか。

とはいえ、ボン・スコット時代のそれと比較するとまた違うんですけどね。まぁそこは、ブライアン・ジョンソンという替えがきかないボーカリストによるものが大きいと思いますが。幸いブライアンはまだバンドに残っているようですし、耳の調子次第ではツアーにも復帰してくれるはず。レコーディングだって……どうなるのかわかりませんけどね。仮にこのアルバムでバンドの歴史に幕を降ろしたとしても、それはそれで納得がいきますし。

できることなら、このアルバムを携えた来日公演を見たかった。もし後悔があるとしたら、その一点のみです。



▼AC/DC『ROCK OR BUST』
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投稿: 2017 06 20 12:00 午前 [2014年の作品, AC/DC] | 固定リンク

2017/06/19

ROCK CITY ANGELS『YOUNG MAN'S BLUES』(1988)

海外では1988年、ここ日本では1989年1月にリリースされたROCK CITY ANGELSのメジャーデビューアルバム。当時アナログでは2枚組で発表されましたが、CDでは1枚に収められています。

1988年に入り、前年デビューのGUNS N' ROSESが爆発的ヒットを飛ばし、ホクホク顔だった所属レーベルのGeffen Records。装飾をそぎ落とした本格派のハードロックが徐々に求められていく流れの中、当然のように「第二のガンズ」を探すべく新人を青田買いしていくわけですが、そこで射止めたのがフロリダ出身の5人組ロックバンドだったROCK CITY ANGELS。結成当初はグラムロック的でしたが、徐々に本作で聴けるブルージーな土着的ロックへとシフトしていったようです。ちなみに、デビュー前には当時まだ無名だったジョニー・デップも在籍していたとのことです(本作が楽曲クレジットには彼の名前も)。

二匹目のドジョウを狙ってデビューした彼らですが、ぶっちゃけ全然ガンズじゃないです。ガンズというよりも、その数年後にデビューするTHE BLACK CROWESに近いかもしれません。それもそのはず、本作のプロデューサーはZZ TOPなどを手がけてきたジョー・ハーディ。確かに70年代のZZ TOPに通ずるものがあるかもしれません。

ここ日本ではTBS『PURE ROCK』でオープニング曲「Deep Inside My Heart」のMVがちょくちょく流れており、その小汚いルックスとTHE GEORGIA SATELLITESにも通ずる古臭いブギーサウンドがそれなりにインパクトを与えていました。全編こういった土着的ロックかといいますとそうでもなく、「Damned Don't Cry」のように自身のルーツであるグラムロックをまんま表現した曲もあれば、ダイナミックなハードロック「Wild Tiger」もあるし、オーティス・レディングのソウルバラードをカバーした「These Arms Of Mine」もある。疾走感のある「Rumblefish」、ゴリゴリのハードブギー「Boy From Hell's Kitchen」、ピアノとアコギをフィーチャーしたカントリーバラード「Liza Jo」、ファンキーなダンスロック「Beyond Babylon」など、とにかく聴き応えのあるR&Rアルバムです。こうやって聴き返すと、ハードロック色の強いROLLING STONESみたいなイメージもあるなと。当時は「第二のガンズ」という色眼鏡が最初にあったので、子供だった自分はそこまで気づけませんでしたが。

時代が早すぎたとか売り出し方を間違えたとかいろいろあると思いますが、リリースから30年近く経った今だからこそ再評価したい1枚じゃないでしょうか。本作発表後、彼らはアメリカからイギリスに渡り、そこでTHIN LIZZYのブライアン・ロバートソン(G)を新メンバーに迎えレコーディングを行ったようですが、それらの音源は発表されることなくGeffenから離脱。その後も地味に活動していたようですが、2012年にボーカルのボビー・デュランゴが死去。これを機に、バンドは解散してしまったようです。

本作、日本盤は初版以降廃盤状態。海外では10年くらい前に別レーベルから再発されたようですが、こちらもすでに廃盤。デジタル配信もされていないので、残念ながら中古で探すしかなさそうです。



▼ROCK CITY ANGELS『YOUNG MAN'S BLUES』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 06 19 12:00 午前 [1988年の作品, Rock City Angels] | 固定リンク

2017/06/18

LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN』(1969)

1969年初頭にリリースされた、LED ZEPPELINの記念すべき1stアルバム。当時は全英6位、全米7位と1位こそ獲っていないものの、今日までに全米だけでも800万枚を超える売り上げを記録。デビュー作としては申し分のないヒット作になったと思いますし、本作のこの成功があったからこそ続く2ndアルバムから快進撃が始まるわけですからね。

私自身がツェッペリンを聴き始めたのが高校1年の頃。最初は2枚目、続いて4枚目というありがちなコースをたどったわけですが、その次が実は……3rdなんです(笑)。そっちに行っちゃったか〜って感じかもしれませんが、当時地元のレンタル店に2枚目〜4枚目とライブ盤しかなかったもので。

しかし、1988年にツェッペリンのアルバムが廉価版として再発。2000円以下で手軽に手に入るということで、まず最初に購入したのがこの1stアルバムだったのです。以降、高校生の小遣いで少しずつ、リリース順に買い集めていくのですが、途中でなぜか全作品をアナログ盤でいただくというハプニングが。結局高校生の間に全アルバムを制覇することができたわけです。

1stアルバムの印象というと、やはり1曲目「Good Times Bad Times」イントロの、「ダン、ダン!」というインパクトの強いジョン・ボーナム(Dr)のドラムなわけですが、初めて聴いたときはそこまで衝撃を受けることなく(苦笑)。むしろ「Communication Breakdown」みたいな速い曲にばかり目が(耳が)行ってしまったという。そりゃあ2ndと比べたら、1曲目のインパクトは弱いかもしれませんが、今となっては本作のカッコ良さ、嫌というほどに理解できます。

「Good Times Bad Times」のインパクトもさることながら、つづく2曲目「Babe I'm Gonna Leave You」のドラマチックさも完璧。続くブルースナンバー2連発「You Shook Me」「Dazed And Confused」(ここまで4曲中3曲がカバーという)でこのバンドの真髄をじっくり味わい、B面はもうちょっとバラエティに富んだ楽曲群を味わう。どことなくゴスペルチックな「Your Time Is Gonna Gome」、インスト「Black Mountain Side」、ファストチューン「Communication Breakdown」ときて、再度ブルースカバー「I Can't Quit You Baby」「How Many More Times」で締めくくる。カバー曲ですら自分たちのオリジナル曲みたいに仕上げてしまう独自のアレンジ力。ジミー・ペイジ(G)、恐るべし。

アレンジャー、プロデューサーとしての才能はもちろんのこと、本作でのギタープレイもなかなかのもの。ボンゾのリードドラム(笑)に引っ張られるように、決してテクニカルではないものの弾きまくるギター。その上で女性の喘ぎ声のごとくハイトーンボイスで歌いまくるロバート・プラント(Vo)。グルーヴ感の強いベースラインでリードドラムを支え、時にキーボードプレイも披露するマルチプレイヤーのジョン・ポール・ジョーンズ(B, Key)と、この時点ですでに才能溢れまくりな面々が揃ったことが伺えるわけです。

1st派か2nd派かでときどき意見が分かれることがありますが、自分の場合は基本的には2nd派なんですが(インパクトの強さで)、僅差で1stも好きだからどっちが優れてるなんて言えない(ただ、もっとも好きなのは『PRESENCE』なんですが)。ただ、今このタイミングでは1st派かもしれません(笑)。だって、本当に素晴らしいデビューアルバムなんだもの。改めて聴き入ってしまいましたよ。

……と、今回も思い出話でお茶を濁してしまい、申し訳ありません。なお、2014年発売のデラックス・エディションについては、後日改めて取り上げたいと思います。



▼LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN』
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投稿: 2017 06 18 12:00 午前 [1969年の作品, Led Zeppelin] | 固定リンク

2017/06/17

MR. BIG『WHAT IF...』(2010)

2009年にエリック・マーティン(Vo)、ポール・ギルバート(G)、ビリー・シーン(B)、パット・トーピー(Dr)のオリジナル編成で復活したMR. BIG。まずは日本を含むワールドツアーを行い、バンドの健在ぶりを存分にアピールしました。そのツアーでの手応えを制作活動に向け、日本で2010年末(海外では2011年初頭)に発表した通算7枚目のスタジオアルバムがこの『WHAT IF...』です。

オリジナル編成としては1996年の『HEY MAN』から14年ぶりの新作となった本作は、IRON MAIDENやAEROSMITHとの仕事で知られるケヴィン・シャーリーをプロデューサーに迎えて制作。作風的にはリッチー・コッツェン在籍時の2枚よりもむしろ、『HEY MAN』までのMR. BIGに近いかもしれません。オープニングがファストチューンではなく、ずっしりとしたリズムでじっくり聴かせる「Undertow」というところは『HEY MAN』やリッチー時代にも通ずるものがありますが、続く「American Beauty」は初期ファンには嬉しいファストチューン。ギター&ベースのユニゾンプレイもふんだんに取り入れられており、「なぜこの曲を1曲目にしなかった!?」と憤るファンも多いのではないでしょうか。

が、しかし。この曲を2曲目に配置することで、「Undertow」も「American Beauty」も映えると思うんですよ、実際のところ。そこから若干ダークなバラード「Stranger In My Life」(終盤のポールのギターソロが最高)、パーカッシヴなドラムパターンがクールな「Nobody Left To Blame」、再びアッパーな「Still Ain't Enough For Me」と続いていく前半の構成も、より新鮮に聴こえるんじゃないでしょうか。実際、僕はそうでした。

エリックの高音が出にくくなったことから、再結成後は半音下げチューニングでライブもレコーディングも実施していることから、必要以上にダークさが前に出てしまいがちですが、それが本作の作風にはぴったり合っていると思う。

それと『HEY MAN』以降減少傾向にあった、曲中の“オカズ”が一気に増えていること。ちょっとしたギター&ベースのユニゾンや、いきなり飛び込んでくるギターやベースの速弾きフレーズ。この“オカズ”という名の無駄があってこそ、MR. BIGなんだよなぁ〜と、このアルバムを聴いたときにふと考えたことを、今思い出しました。

大ヒット作『LEAN INTO IT』(1991年)というよりは、バンドのルーツである1stアルバム『MR. BIG』(1989年)に『HEY MAN』の手法でもう一度チャレンジした。そんな印象を受けるのが、再結成1作目のこのアルバム。佳曲は多いけど、突出した名曲はない。だけど、全体で勝負する。結果、アルバムを聴き終えたときに「ああ、MR. BIGの新作だった」と納得させられる。もう今さら“ドリルソング”や「To Be With You」の第二弾なんて望んでないし、今はこの体制で再び長く続けてくれることを祈るばかり。そう、リリース当時はそう思っていたんです……。



▼MR. BIG『WHAT IF...』
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投稿: 2017 06 17 12:00 午前 [2010年の作品, Mr. Big] | 固定リンク

2017/06/16

FREE『FIRE AND WATER』(1970)

FREEのスタジオアルバムでもっともヒットしがのが、1970年6月に発売された通算3枚目のスタジオアルバム『FIRE AND WATER』です。実は彼ら、我々が思っている以上に実働期間が短く、1969年にデビューして1971年には一度解散。1972年に再結成するものの、翌1973年には再度解散しているのです。

1969年に発表された2枚のスタジオ作『TONS OF SOBS』『FREE』も決して悪くはないのですが、やはり『FIRE AND WATER』には「All Right Now」という大ヒットシングル(全英2位、全米4位)が含まれていることもあり、アルバム自体も全英2位、全米17位という出世作につながったと言えます。

考えてみたら、たった7曲しか入っていない35分程度のアルバムなのですが、その中身はかなり濃密。ポール・ロジャース(Vo)の歌声も脂が乗った状態で艶やかだし、ポール・コゾフ(G)のギターソロも非常にセクシー。アンディ・フレイザー(B)のベースラインは無駄に動き回るし、サイモン・カーク(Dr)のドラミングは大きな特徴があるわけじゃないけど妙にしっくりくるし。4人の個性は本当にバラバラなのですが、そのすべてが良い方向に噛み合った奇跡的な1枚ではないでしょうか。

前半4曲(アナログA面)の気だるさは若い頃に聴いたときは退屈に聴こえたのに、今はなぜかグッとくるものがある。で、B面(5曲目以降)のその気だるさは引き続きなんですが、「Mr. Big」後半のインタープレイはいつ聴いてもカッコ良いし、最後はポップでキャッチーな(本作中唯一陽気な)「All Right Now」で締めくくる。最後だけ取って付けた感がなきにしもあらずですが、まぁこの時代のアルバムってこういうものなんじゃないの?という一言でここは済ませたいと思います。

個人的ベストソングは、オープニングからどっしり構えた「Fire And Water」と、ピアノとポール・ロジャースのセクシーな歌声の相性抜群な「Heavy Load」、そして(バンドのほうの)MR. BIGのカバーよりやっぱり原曲のほうが最高でしょ!ってことで「Mr. Big」。もちろんそれ以外の楽曲もすべて良し。「Oh I Wept」も「Remember」も良いしね。

人によっては「FREEはライブ盤『FREE LIVE!』とベスト盤を聴いておけばOK!」と言うかもしれませんが、ここはあえて本作を真っ先にオススメしておきたいと思います。



▼FREE『FIRE AND WATER』
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投稿: 2017 06 16 12:00 午前 [1970年の作品, Free] | 固定リンク

2017/06/15

ROLLING STONES『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』(1967)

本家のリリースから遅れること約半年、“ストーンズ版『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』”として1967年12月に発表されたのが本作『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』です。いや、別にストーンズ側はそう呼んでませんけどね。

ブルースやR&Bをベースにしたライブ中心の音楽性ながらも、60年代後半に突入するとスタジオワークにも興味を示し始め(それがビートルズの後追いだったのかどうかは別として)、その集大成として制作されたのが本作。ビートルズ同様、本作からのシングルカット曲は一切なく(USなどでは「She's A Rainbow」がシングル化)、作風もサイケデリック色を強めた、およそ“我々の知るストーンズらしくない”内容。

しかし、これが聴けば聴くほどクセになる代物でして。正直、10代後半で初めて聴いたときはその良さにまったく気づけませんでしたが、今ではなぜか定期的に聴きたくなる1枚。無駄にゴージャスな「Sing This All Together」を筆頭に、ビル・ワイマン(B)が歌う(ラストのいびき含め)牧歌的な「In Another Land」、のちにKISSもカバーした「2000 Man」、のちにLED ZEPPELINに加入するジョン・ポール・ジョーンズがストリングス編曲を手がけた名曲「She's A Rainbow」、1989年の『STEEL WHEELS TOUR』でライブ初演奏された「2000 Ligh Years From Home」、明らかにビートルズを意識したであろう「On With The Show」など良曲多し。無駄にサイケなミックスの「The Lantern」あたりもなかなかの出来ですしね。

で、本作でもっとも問題作なのがアルバム中盤に登場する、8分以上にもおよぶ「Sing This All Together (See What Happens)」。生演奏によるコラージュ的楽曲で、サイケさとストーンズ本来が持つ野性味あふれる暴力性に満ちた大作……ということはなく、ビートルズにおける「Revolution 9」並みに難解です。アルバムのど真ん中にこんな難所を用意するなんて、ストーンズめ……(個人的にも3回に1回は飛ばしています)。

ということで、非常に評価が分かれるアルバムだと思いますし、これを真っ先に聴くぐらいだったら、60年代末から80年代半ばまでのアルバムを全部聴いたほうがいいと思います。それでも、「ほかの作品も聴いてみたい!」と思うのなら、積極的にオススメはしませんが話のネタとして聴いてみるのも良いかもしれません。



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投稿: 2017 06 15 12:00 午前 [1967年の作品, Rolling Stones] | 固定リンク

2017/06/14

THE BEATLES『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』(1967/2017)

THE BEATLESが今から50年前の1967年5月26日(UK。USでは6月2日)にリリースした、通算8枚目のオリジナルアルバム。前年をもってライブ活動を停止した彼らが、ライブでの披露を前提とせず、ひとつのスタジオ作品としてとことん作り込んだ最初の作品が本作でした。

……なんて説明は今さらいりませんよね。

思えばビートルズの諸作品が初CD化されたのが、本作がリリースされてから20年後の1987年。それ以前は当然のようにアナログ盤だったわけで、今みたいに「これが正規のオリジナルアルバム」という概念が国によって異なったり、アルバム未収録のシングル曲を集めた編集盤がたくさん出ていたりで、正直どれから聴いていいかわからなかったというのが中学生時代の自分。結果、オリジナルアルバムではない編集盤を最初に手に取ったわけですが、高校に入ったと同時にこのCD化。当然周りの自称・ビートルマニアな友人から『PLEASE PLEASE ME』や『WITH THE BEATLES』のCDを借りて、カセットにダビングして聴いていたのです。

で、ちょうど夏くらいにこの『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』がようやくCD化。当時の音楽誌などで「ビートルズの最高傑作」なんて触れ込みもあり、最初に買うならこれにしようと、夏休みのバイト代から本作を購入。つまり、僕が初めて購入したビートルズのCDが本作だったわけです。

いわゆるヒットシングル皆無、初期の「She Loves You」や「Help」とも違うし、「Yesterday」や「Let It Be」ともちょっと違う。今ならサイケデリックがなんちゃら〜と言語化できるけど、あの当時は「Lucy In The Sky With Diamond」の浮遊感も「Within You Without You」のインドっぽさも、どこかコミカルな「When I'm Sixty-Four」の魅力にも、そしてラストの「A Day In The Life」のすごさも理解できておらず。ただ、オープニングの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」のガレージロック感?にはカッコ良さを見出し、そこを何度もリピートしていたものです。

その後、何度も聴き返すうちにメロディが頭に入ってきて、気づいたらアルバムをまるごとリピートして聴き返していた。けど、周りのロック仲間には勧めることなく、ひとり家で聴いていた……そんなアルバムでした。

初版のCDは今でも家にあるし、その後の最新リマスター盤も購入。そしてつい先日、本作の最新ステレオミックス盤+未発表テイクからなる50周年記念エディションも発売。つまり、初めて聴いてから30年近くもの歳月が流れたわけです。ひぃ。

最初のリマスター盤のときにも音の分離の良さに驚かされましたが、今回はそれに加えて低音がかなり効いたミックスに。ドラムとベース(特にバスドラの鳴り)の質感・バランスがより現代的になったことによって、とても50年前の音とは思えない仕上がりに変わったように感じました。「A Day In The Life」冒頭のアコギの繊細な鳴りなんて、すごく今っぽいしね。

と同時にこのアルバムの音、現代のテクノロジーで真似ようと思っても再現できないんじゃないだろうか……と思わせられる、改めて奇跡の音なんじゃないかなと久しぶりに聴き返して実感しました。

僕が購入したのは、2枚組仕様のほう。さすがに“ハコ”のほうは断念しました。ディスク2にはアルバムの未発表テイクをたんまり収録。『ANTHOLOGY』シリーズの延長として楽しみましたが、どういう過程を経て完成品となっていくのかが伺えて、それはそれとして面白かったです。音もスタジオ盤より生々しさが強まっていて、個人的には好み。ですが、もちろん万人にはオススメしませんけど。

あと、ラストに収録されている「Strawberry Fields Forever」(こちらは2015年発売『THE BEATLES 1』リマスター盤のステレオミックス)と「Penny Lane」(こちらは最新ステレオミックス)はやっぱり素晴らしいと思います。『THE BEATLES 1』リマスター盤は今でもよく聴いてますが、今後もこの『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』デラックス盤とあわせて聴き続けることでしょう。というか、聴き続けます。はい。

と、今回はほぼ思い出話でお届けしました……。



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投稿: 2017 06 14 12:00 午前 [1967年の作品, 2017年の作品, Beatles, The] | 固定リンク

2017/06/13

RATT『DETONATOR』(1990)

RATTが1990年夏に発表した、通算5作目のフルアルバム。スティーヴン・パーシー(Vo)、ロビン・クロスビー(G)、ウォーレン・デ・マルティーニ(G)、フォアン・クルーシェ(B)、ボビー・ブロッツァー(Dr)というデビュー時からの黄金期メンバーによる最後のアルバムになります。

1stアルバム『OUT OF THE CELLAR』(1984年)以降、地味に少しずつセールスを落とし続けていたRATTが、起死回生とばかりに制作したのが本作。「BON JOVIの爆発的ヒットやAEROSMITHの再ブレイクよ再び……」という思いで(かどうかは知りませんが)プロデューサーおよびソングライターとしてデズモンド・チャイルドを迎え、本気でヒット作を生み出そうとします。

RATTといえば、スティーヴンの癖の強いボーカルと、ミッドテンポでグルーヴ感の強い楽曲というイメージがあったかと思います。それがリスナーにとって引っかかりになると同時に、聴き手を限定してしまっていた面もあります。そこで本作では、癖の強かった楽曲をよりストレートでわかりやすくし、ポップでキャチーな歌メロを乗せることでRATT本来の癖を薄めていくのです。

確かにオープニングの「Shame Shame Shame」や「Lovin' You's A Dirty Job」あたりは本来のRATTに近いものの、異常にポップに響くメロディが含まれていたりと、「どこか違う」と感じてしまった古くからのファンも少なくないはず。さらに「One Step Away」みたいな爽やかなポップメタルまで登場するもんだから、「??」となってしまうし、しまいにはバンド史上初のバラード「Givin' Yourself Away」まで飛び出すのですから……そりゃあ反感買いますよね。

チャート的には全米23位と健闘しますが、セールスは前作『REACH FOR THE SKY』(1988年)の約半分となる50万枚止まり。シングルカットされた「Lovin' You's A Dirty Job」「Shame Shame Shame」「Givin' Yourself Away」に至ってはBillboardにチャートインすらしませんでした。

……がしかし。本当にこのアルバム、駄作でしょうか? 確かにRATTらしさは薄められていますし、「One Step Away」や「Givin' Yourself Away」には苦笑してしまいますが、全体を通して聴くとそこまで悪くない、いや、悪くないどころか非常に優れたHRアルバムだと思うんですよ。「Hard Time」や「Top Secret」(初期からあった曲をリアレンジしたもの)といった激しい楽曲もあるし、何よりオープニングの「Shame Shame Shame」のカッコ良さといったら。この曲、個人的RATTベストソングの3本指に入るほど好きな曲です。

ちなみに本作、ロビンが作曲に携わった楽曲は2曲のみ(「All Or Nothing」「Can't Wait On Love」)。前作では10曲中6曲に関わっており、そのへんもとっつきやすさにつながっていると同時に、翌1991年に彼がバンドを脱退する引き金になったんでしょうね。



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投稿: 2017 06 13 12:00 午前 [1990年の作品, Ratt] | 固定リンク

2017/06/12

WINGER『IN THE HEART OF THE YOUNG』(1990)

1990年夏に発表された、WINGERの2ndアルバム。デビュー作『WINGER』(1988年)が100万枚を超えるヒット作となったこともあり、本作でも引き続きボー・ヒルをプロデューサーに迎え、前作の延長線上にあるアルバムを制作しようとしました。

実際、完成した『IN THE HEART OF THE YOUNG』は前作をよりソリッドにしたサウンドで、楽曲も各メンバーのテクニカルなプレイをフィーチャーした玄人好みの内容でした。しかし、これを良しとしなかったのがプロデューサーのボー・ヒル。当初収録予定だったヘヴィな2曲(「All I Ever Wanted」「Never」)をカットし、バンドに対して新曲を書くことを提案します。“ヘヴィすぎる”という声に対してバンドが下した答えが、のちにシングルカットされヒット曲となる「Can't Get Enuff」「Easy Come Easy Go」でした。

シーケンスを導入した、どこか機械的な印象を与えるこの2曲は、確かにそれ以前に書かれたアルバム曲と比べると異色ですが、その「Can't Get Enuff」がアルバムのオープニングを飾ったことで本作はまた別の印象を与えることになります。

DEF LEPPARD的な「Can't Get Enuff」「Easy Come Easy Go」、そしてソフトバラード「Miles Away」がアルバム前半に配置されたことで、以前よりも“軽く”なった……当時、そう感じたリスナーは少なくなかったはずです。しかも、本作からシングルカットされたのがこの3曲であり、特に「Miles Away」は全米12位という過去最大のヒット曲になってしまうのですから……成功は素直に嬉しかったと思うけど、この方向性自体に彼らは疑問を感じていたのではないでしょうか。続く3rdアルバム『PULL』(1993年)がヘヴィな作風だったことを考えれば、なんとなく頷ける話かと思います。

とはいえ、世に発表されたアルバムは決して悪い作品ではありません。確かに「Can't Get Enuff」や「Easy Come Easy Go」を最初に聴いたときは驚きましたが、「Rainbow In The Rose」「In The Day We'll Never See」みたいなプログレッシヴ路線の楽曲、前作の流れにあるバラードタイプの「Under One Condition」、ドラマチックな「In The Heart Of The Young」、グルーヴィーな「Loosen Up」「Little Dirty Blonde」「Baptized By Fire」(この曲冒頭のギターソロはもともと「Never」のオープニングに入っていたもの)、豪快なハードロック「You Are The Saint, I Am The Sinner」と聴き応えのある楽曲ばかり。シングル曲の印象で本作と接すると痛い目を見るかもしれません。

確かに追加の2曲がなかったら、本作は地味な作品になっていたでしょう。そういう意味ではプロデューサーの采配は正しかったし、実際非常にバラエティに富んだ作品に仕上がったと思います。よく「2ndアルバムは鬼門。真価が問われる」(1枚目はデビュー前の集大成で、2枚目からが本当の勝負)と言いますが、本当にそのとおりだなと納得されられたのは僕ら以上にバンドだったのではないでしょうか(まぁその結果、いろいろ苦悩することになるのですが)。



▼WINGER『IN THE HEART OF THE YOUNG』
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投稿: 2017 06 12 12:00 午前 [1990年の作品, Winger] | 固定リンク

2017/06/11

WARRANT『LOUDER HARDER FASTER』(2017)

LAメタル末期にデビューしたWARRANTの、前作『ROCKAHOLIC』(2011年)から6年ぶりに発表された通算9枚目のオリジナルアルバム。前作からジェイニー・レイン(Vo/2011年死去)を除くオリジナルメンバーに、元LYNCH MOBのロバート・メイソン(Vo)を加えた編成で活動しており、今作が現編成2作目となります。

“よりデカく、より激しく、より速く”というタイトル通りの内容といったところでしょうか。純粋にハードロックアルバムとして優れた内容だと思いますし、歌も演奏も曲も申し分なし。例えば本作が1988年前後にリリースされていたら、きっと100万枚を超えるヒット作になっていたんだろうな、と思うのです。

とはいえ、本作はそこまで古臭さを感じさせないし、別に2017年という現代に鳴っていても特に大きな違和感はないかなと。いやウソです。やっぱり時代の流れは感じてしまいます。メロディの節々に“あの頃”のWARRANTをしっかり感じさせつつ、“我々の知るWARRANTではない何か”も存在する。でも、それは決して近代的なものではなく、古き良き時代のHR/HMそのものという……つまり、良くも悪くもどこかで“止まってしまっている”のです。

WARRANTというバンドもまた、90年代初頭のグランジの勢いに当てられ、当時は『DOG EAT DOG』(1992年)をはじめとしたダークな作品をいくつか発表しています。しかし、ここ最近の彼らはよりストレートなハードロックに回帰しており、そのへんの時代とうまく寄り添う行為は今は亡きジェイニーの画策だったんだろうなと思うわけです。

で、そのジェイニーを欠いたバンドがごく普通のハードロックを鳴らすというところに大きな意味があるんじゃないかと。きっと初期のパーティロック路線も策士ジェイニーによるアイデアだったかもしれないわけで、そう考えると他のプレイヤーたちは本来こういったド直球のハードロックをやりたかったんだろうな、と。丁寧だけど抑揚があまりないジェイニーとは異なる“歌える”シンガー(前任のジェイミー・セント・ジェイムズしかり、ロバートしかり)を迎えたのも、その思いを具現化するためだったんじゃないかと……まるでデヴィッド・リー・ロスからサミー・ヘイガーに移行したVAN HALENみたいですね。

結局、キャラの強い(もしくは賢く商才に長けた)フロントマンで成功したバンドが“音楽”に目覚めると、こういう方向に進みたくなるのは自然な流れなのかな。もちろんこれはこれで間違いじゃないし、実際完成したアルバムもなかなかの力作だと思いますが……残念ながら「我々が知るWARRANTのニューアルバム」ではないな、と。ただ、そういった枕詞を無視すれば、純粋にカッコ良いHRアルバムとして愛聴できそうです。抑揚がないとか散々貶してるジェイニーですが、なんだかんだで初期3作に対する思いが強いので、こういう評価になってしまいました。このバンドに対して「初期のほうが〜」という思い入れがない人なら、間違いなく満足できる1枚だと思います。



▼WARRANT『LOUDER HARDER FASTER』
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投稿: 2017 06 11 12:00 午前 [2017年の作品, Warrant] | 固定リンク