2020/12/31

INDEX

当ブログにて公開中のレビュー、および1998年12月からスタートした『とみぃの宮殿』に掲載された記事を当ブログにて再公開したレビューのインデックスページになります。現時点で2000近いエントリーがあるため、こちらは時間をかけながら、ゆっくりと完成させていく予定です。(随時更新中)

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投稿: 2020 12 31 12:00 午前 [「記事一覧」] | 固定リンク

2017/06/30

2017年6月のお仕事

2017年6月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます。
(※6月28日更新)


[紙] 6月28日発売「TV Bros.」2017年7月1日号にて、MR. BIG『DEFYING GRAVITY』アルバムレビューを執筆しました。

[紙] 6月28日発売「ヘドバン Vol.14」にて、MEGADETH&ANTHRAX来日公演レポート、Boris新作クロスレビュー、Aldiousアルバムレビュー、LOVEBITES EPレビュー、STONE SOURアルバムレビューを執筆しました。(Amazon

[WEB] 6月26日、「リアルサウンド」での連載「日本ヘヴィメタル/ラウドロック今昔物語」にて第6回「Fear, and Loathing in Las Vegasは“ラウド×エレクトロ”の歴史をどう更新した?」が公開されました。

[紙] 6月23日発売「BRODY」2017年8月号増刊にて、けやき坂46結成1周年ドキュメント「私たちの願い」、けやき坂46長濱ねる「芸ノ章〜華道編〜」を執筆しました。(Amazon

[紙] 6月23日発売「BRODY」2017年8月号にて、欅坂46「残酷な観客達」ドキュメント、けやき坂46長濱ねる「芸ノ章〜華道編〜」を執筆しました。(Amazon

[WEB] 6月21日、「Red Bull Japan」オフィシャルサイトにてコラム「ロックファンにも強く伝えたい欅坂46、3つの魅力」が公開されました。

[WEB] 6月20日、「リアルサウンド」にて乃木坂46堀未央奈のインタビュー「乃木坂46 堀未央奈、“2期生の躍進”を語る「頼りない人間だけど、私なりにみんなを支えたい」」が公開されました。

[WEB] 6月19日、「Red Bull Japan」オフィシャルサイトにてコラム「今年の夏フェス出演注目アーティスト8選」が公開されました。

[WEB] 6月18日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」NOISEMAKERのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>NOISEMAKER、「こういう景色を誕生日に味わえるなんて」」が公開されました。

[WEB] 6月18日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」a crowd of rebellionのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>a crowd of rebellion、「夢見たステージに今立ってるよ!」」が公開されました。

[WEB] 6月18日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」04 Limited Sazabysのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>04 Limited Sazabys、2日目トップで「あの頃より強くなってる」」が公開されました。

[WEB] 6月18日、「リアルサウンド」にてLiSAのインタビュー「LiSAが語る、自身の快進撃と活動スタンス「一番の目標は『長くみんなと生きていきたい』」」が公開されました。

[WEB] 6月17日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」Dizzy Sunfistのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>Dizzy Sunfist、「ハイスタの遺伝子を見せつけにきました!」」が公開されました。

[WEB] 6月17日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」Ken Yokoyamaのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>Ken Yokoyama、「ここ日本ではそうないと思うぜ」」が公開されました。

[WEB] 6月17日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」四星球のライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>四星球、「コミックバンドがやってきました!」」が公開されました。

[WEB] 6月17日、「BARKS」にて「SATANIC CARNIVAL '17」SHANKのライブレポート「【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>SHANK、「もう二度と出られないと思ってたら、まさかのメインステージ!」」が公開されました。

[紙] 6月17日発売「LiSAぴあ」にて、LiSAロングインタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[WEB] 6月15日、「リアルサウンド」にてAKB48のアーティスト分析記事「AKB48『選抜総選挙』、今年のキーワードは“新陳代謝”? 識者が語る注目ポイント」にコメントを提供しました。

[WEB] 6月14日、「NIKKEI STYLE」にて「乃木坂46が挑む『あさひなぐ』 舞台と映画で違う色」(「日経エンタテインメント!」2017年6月号掲載分)が公開されました。

[紙] 6月14日発売「TV Bros.」2017年6月17日号にて、Cornelius『Mellow Waves』、CHEAP TRICK『WE'RE ALL ALRIGHT!』アルバムレビューを担当・執筆しました。

[紙] 6月13日発売「週刊SPA!」6月20日号にて、「けやき坂46のセカイ」特集にコメントを寄せました。(Amazon

[WEB] 6月10日、「リアルサウンド」にてTSPのインタビュー「J-METALのDNAを継承、TSPが目指す理想のバンド像「媚びずに自分たちの音楽をアピールしたい」」が公開されました。

[紙] 6月7日発売「別冊カドカワ 総力特集 菅田将暉」にて、菅田将暉1万字ロングインタビュー、菅田将暉×オカモトレイジ(OKAMOTO'S)対談を担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 6月5日発売「週刊ビッグコミックスピリッツ」2017年27号にて、乃木坂46出演の映画「あさひなぐ」撮影現場密着レポートを執筆しました。(Amazon

[WEB] 6月3日、「リアルサウンド」にてlynch.のインタビュー「lynch.が語る、活動再開から新作完成までの一部始終「あいつがいたことも事件のことも全部背負う」」が公開されました。

[WEB] 6月2日、「リアルサウンド」にてLittle Glee Monsterのインタビュー「Little Glee Monsterが語る、“激動の2017年”と夢にかける思い「一番“鍛えられる”1年になる」」が公開されました。

[紙] 6月2日発売「日経エンタテインメント!」2017年7月号増刊 「AKB48グループ次世代メンバー」特装版AKB48選抜総選挙記事にて、福岡聖菜、松岡はなインタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 6月2日発売「日経エンタテインメント!」2017年7月号AKB48選抜総選挙記事にて、指原莉乃、渡辺麻友、松井珠理奈、宮脇咲良インタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 6月1日発売「ぴあMovie Special 2017 Summer」にて、乃木坂46メンバーのコメントを含む映画「あさひなぐ」撮影現場密着レポートを執筆しました。(Amazon

投稿: 2017 06 30 12:00 午後 [「仕事紹介」] | 固定リンク

2017/06/29

SMASHING PUMPKINS『SIAMESE DREAM』(1993)

1993年夏に発表されたSMASHING PUMPKINSの2ndアルバム。前作『GISH』(1991年)はNIRVANA『NEVERMIND』やPEARL JAM『TEN』の数ヶ月前に発表されたものの、大きな話題にならずセールス的に惨敗。そこでビリー・コーガン(Vo, G)は「この流れに乗ってやる」とばかりに、“良い曲、良いアルバム”を目指してこの『SIAMESE DREAM』を制作するのでした。

前作はいわゆるインディーロックの範疇にある作風でしたが、その中にもキラリと光るメロディセンスやのちのポピュラリティにつながる要素は含まれていました。その秘めた才能は、本作に収められている「Today」や「Disarm」といったメロウな楽曲で存分に活かされることになります。

オープニングの「Cherub Rock」や「Geek U.S.A.」などで聴けるハードロック的手法は、確かに前作にも多少見え隠れしたテイストですが、ここではさらにその色を強めています。また、今作ではグランジ(主にNIRVANA)特有の“強弱法”(バースは静かめに、サビで一気に爆発するアレンジ法)を多用した楽曲が多いのも特徴で、「Today」や「Mayonaise」あたりはそのもっともたる楽曲。かと思えばストリングスを導入した「Disarm」や「Luna」、メロトロンをフィーチャーしたアコースティックナンバー「Spaceboy」などもあり、続く次作『MELLON COLLIE AND THE INFINITE SADNESS』(1995年)への布石も感じさせます。

もちろん、前作で顕著だったジャムセッション的な長尺ナンバーも、「Soma」や「Silverfuck」で引き継がれつつその強度をさらに増している。前作をなかったことにせず、しっかり延長線上にありながらも何十歩も先に進んだ、それがこの『SIAMESE DREAM』の強みだと思います。

音楽的才能の本格的開花は2枚組大作の3rd『MELLON COLLIE AND THE INFINITE SADNESS』に譲るとして、本作では我々がよく知るSMASHING PUMPKINSの根幹を作り上げたという点での“1stアルバム”なのかなと。もちろん『GISH』という習作があってこその本作なのですが、グランジという時代の流れにしっかり乗りながらバンドの個性を確立させたという意味では、本作は重要な1枚だったと言えるわけです。

そして、セールス的にもしっかり結果を出したのが本作。全米10位、400万枚以上もの売り上げを記録しております。ただ、意外にも本作からはBillboard TOP100に入るシングルヒットは生まれておらず、「Cherub Rock」「Today」「Disarm」がそれぞれBillboardオルタナティブソングチャートで7位、4位、8位にランクインしたのみ。ヒットシングル連発は次作以降なんですね。

グランジのイメージが強い彼らですが、シアトルの外からグランジに接近して独自の個性を磨いたという点においてはSTONE TEMPLE PILOTSに通ずるものがあるなと。思えば両バンドともに、HR/HM的なポピュラリティがしっかり備わってるところも似てますし。ただ、ビリー・コーガンという男が“まとも”だったことで、カートやスコット・ウェイランドみたいにはなれなかった。今となってはそれでよかったんですけどね。



▼SMASHING PUMPKINS『SIAMESE DREAM』
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投稿: 2017 06 29 12:00 午前 [1993年の作品, Smashing Pumpkins] | 固定リンク

2017/06/28

NIRVANA『BLEACH』(1989)

1989年初夏に発表された、NIRVANAの記念すべきデビューアルバム。バンドの結成が1987年なので、約2年後には本作をリリースしているんですね。もっとも彼らが今のような知名度を獲得するのは、そこからさらに2年以上要するわけですが(それにより、本作に対する評価も激変します)。

米・シアトルを拠点とするインディーレーベル「Sub Pop」から発表された本作は、当時ほとんど話題になることなく、当然日本盤が発売されるのも次作『NEVERMIND』(1991年)の大ヒット以降ですし、自分が記憶してる限りでは1990年夏時点では輸入盤すら都内でもほとんど見かけることはなかったはずです(だって、当時彼らのことを知ってアルバムを探し回ったんですから)。

1989年当時はまだグランジなんて言葉すら耳にすることはなかったし、かのSOUNDGARDENがようやくメジャーから『LOUDER THAN LOVE』を発表した程度。MUDHONEYやMELVINSといったバンドはすでに活動していましたが、ここ日本では“知る人ぞ知る”な存在でした。

しかし、ここで聴けるサウンドは初期グランジムーブメントにおいて非常に重要なもの。確かに『NEVERMIND』以降ですべてが変わってしまいましたが、それでも多くのリスナーが「グランジと聞いてイメージするもの」は『NEVERMIND』よりもこの『BLEACH』に詰まっているのではないか……あのムーブメントから25年も経った今だからこそ、余計にそう思うわけです。

決して録音状態が良いとは言えない、インディーズならではのチープな音質にラフな演奏。楽曲もニューウェーブを通過したようなものから、当時のマニアックなインディーロック、どことなくハードロックの色合いもあったりなかったり……と一筋縄でいかない印象が強いですが、歌メロはこの時点で非常にポップなものが多いのも事実。1曲目「Blew」からしてそうですし、きわめつけは「About A Girl」。このあたりのカラーを強めていくことで、のちの『NEVERMIND』へと続いていくんだなと実感させられます。

それと、久しぶりに本作を聴いて思ったのは……カート・コバーン(Vo, G)という人は本当にMELVINSが好きだった(リスペクトしていた)んだな、と。たまたま初期MELVINSの作品を聴いていた流れで本作を聴いたからか、余計にそう感じたのでした。そういえば本作にはそのMELVINSのデイル・クローヴァー(Dr)も参加してますしね。当時、短期間でも一緒に活動できたことは嬉しかったんじゃないか……なんて、本作を聴いて勝手に想像するわけです(まぁ実際、MELVINSと出会って自分の人生は変わった、なんてこと言ってましたしね、カート)。全体的にヒリヒリとした作風なのに、今となってはそういう微笑ましさも感じられる奇跡の1枚。何周も回って、彼らの作品の中で今一番気に入っているのが本作だったりします。

NIRVANAをこれから聴くなら、「もちろん最初は『BLEACH』から」……とは言いませんよ。素直に『NEVERMIND』から聴けばいいと思います。そこから『BLEACH』にさかのぼるか、『IN UTERO』(1993年)に進むかはあなたの自由。どちらを選んだとしても、きっと驚くことでしょうから(苦笑)。



▼NIRVANA『BLEACH』
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投稿: 2017 06 28 12:00 午前 [1989年の作品, Nirvana] | 固定リンク

2017/06/27

BON JOVI『LOST HIGHWAY』(2007)

このアルバム、今から10年前の6月にリリースされたんですね。そうか、もうそんなに経つのか……。

とういことで、今回紹介するのはBON JOVIが2007年6月にリリースした通算10枚目のオリジナルアルバム『LOST HIGWAY』です。7作目『CRUSH』(2000年)で本格的な復活を果たし、続く『BOUNCE』(2002年)『HAVE A NICE DAY』(2005年)がともに全米2位という好成績を残してきましたが、この『LOST HIGWAY』でBON JOVIは4th『NEW JERSEY』(1988年)以来19年ぶりに全米1位に輝きます。

プロデュースには現在も共同制作者としてバンドに携わるジョン・シャンクスと、元GIANTのギタリストで現在はカントリー系プロデューサーとして知られるダン・ハフが各6曲ずつ参加。前作『HAVE A NICE DAY』からのシングル「Who Says You Can't Go Home」がカントリーチャートでヒットしたこともあり、同アルバムで見せた「カントリーテイストをにじませたアメリカンパワーポップ」路線をさらに推し進めた、よりアーシーで土着的なカントリーロックが軸になっています。もともと持ち合わせていたカラーではあるものの、ここでその後10年のBON JOVIの路線を決定付けたという意味では、非常に重要な1枚と言えるでしょう。

パワフルなビートが心地よいハードロック「Summertime」や、黒っぽさが強くにじみ出た(かつギターワウを用いた)「We Got It Going On」など従来のBON JOVIらしさも残しつつも、全体を覆うのは「Lost Highway」や「Whole Lot Of Leavin'」みたいに肩の力が抜けたカントリーロック。もはや「Livin' On A Prayer」も「Bad Medicine」も「Born To Be My Baby」も、ここには存在しません。が、聴けばそれが「BON JOVIだ」と認識できる楽曲ばかりなのはさすがといいますか。

かと思えば、カントリー界の人気アーティストBIG & RICHをフィーチャーした「We Got It Going On」や、ジョン・ボン・ジョヴィとリアン・ライムスのデュエットが楽しめる「Till We Ain't Strangers Anymore」みたいなコラボ曲もある。このへんは「Who Says You Can't Go Home」がもたらした成功が大きかったんでしょうね。ただ、それによって「80〜90年代のBON JOVI」は遠くになりけり……ということになってしまったわけですが。

今聴くと本当にリラックスして楽しめるアルバムですし、前作『HAVE A NICE DAY』が好きなら問題なく気に入ってもらえるんじゃないかな。ただ、残念ながら「Have A Nice Day」や「It's My Life」みたいな“キメの1曲”が存在しないことで、本作の印象を弱めているのも事実。特に「80〜90年代のBON JOVI」が好きな人、そのイメージが強い人にとってはこの『LOST HIGHWAY』を素直に楽しめるかどうかで、その後の諸作品にスッと入っていけるかが決まるような気もします。



▼BON JOVI『LOST HIGHWAY』
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投稿: 2017 06 27 12:00 午前 [2007年の作品, Bon Jovi] | 固定リンク

2017/06/26

LITTLE CAESAR『LITTLE CAESAR』(1990)

以前THE QUIREBOYSTHE BLACK CROWESのレビューで、1990年はHR/HMシーンにおいてひとつの変わり目だったということを書いたと思います。その数年前にGUNS N' ROSESが大ブレイクしたことで、シーンの主流が派手なスタイルからよりナチュラルで土着的なスタイルに移行していき、サウンド自体はよりシンプルでアーシーなものが好まれるようになります(極論ですが、それがのちにNIRVANAやPEARL JAMがブレイクした一因にもなっているのではないかと)。

で、その流れに乗って、当のGUNS N' ROSESを生み出したGeffen Recordsが1990年に送り出した新人が、このLITTLE CAESARです。ツインギターの5人組という編成は、初期のGN'Rと一緒。ソウルフルでしゃがれた声の持ち主ロン・ヤング(Vo)のボーカルスタイルや、ブルースやR&B、ソウルからの影響が色濃いハードなロックンロールという点も、先のTHE QUIREBOYSやTHE BLACK CROWESに通ずるものがあります。しかも、デビューシングルはアレサ・フランクリンの名曲「Chain Of Fools」カバー。うん、間違ってないよ。

ところが、本作をプロデュースしたのが、ボブ・ロック。当時はMOTLEY CRUE『DR. FEELGOOD』(1989年)BLUE MURDER『BLUE MURDER』(1989年)、THE CULT『SONIC TEMPLE』(1989年)といったヒット作を連発していた時期で、この流れは必然かと。がしかし、そのセレクトは間違っているよ……少なくとも、シンプルでナチュラルでアーシーにはならないってば。

実際、完成したアルバムはTHE CULT『SONIC TEMPLE』にも通ずる「ブルージーなフィーリングを持つ楽曲を、派手なサウンドプロダクションでビルドアップした80年代末らしい」作品集に仕上げられています。実際、素晴らしいハードロックアルバムだし、これはこれで間違ってないんだけど……うん、時代が悪かったよね。

とにかくボーカルの男臭さが最高。どっしり腰を据えたヘヴィなビートの上を、HR/HMというよりはR&Rの歪みにちかいギター2本がのたうちまわり、さらにその上で器用じゃないけど色気があるボーカルが乗る。楽曲もGN'RというよりはAEROSMITHに近いし、THE BLACK CROWESというよりは同時期にイギリスでデビューしたてのTHUNDER寄りかな。THE QUIREBOYSも2ndアルバムの路線には近いかも(同じボブ・ロックが携わってるしね)。ヘヴィに生まれ変わった「Chain Of Fools」も悪くないし、ソウルバラード「In Your Arms」「Midtown」「I Wish It Would Rain」、ブルースハープが絡む「Rock - N - Roll State Of Mind」など良曲多し。今挙げたようなアーティストが好きな人なら間違いなく気に入る1枚だと思います。

にしても、当時Geffenの名物A&Rだったジョン・カロドナーは、ROCK CITY ANGELSとLITTLE CAESARをデビューさせるタイミング、逆だったんじゃないかなと思うんですよね。もちろん、その時代にそのバンドがいたからそのタイミングにデビューさせたわけだけどさ。

ちなみに本作、全米チャートで最高139位止まり。シングル「Chain Of Fools」は88位、「In Your Arms」は79位と小ヒットを記録しています。確かに「Chain Of Fools」は当時、よくラジオで耳にしたしね。バンドは続く2ndアルバム『INFLUENCE』(1992年)リリース後に解散(本作にはかのアール・スリックが参加)。ロン・ヤングは映画『ターミネーター2』にちょい役で出演したり、エイドリアン・ヴァンデンバーグ(G)とMANIC EDENというバンドを組んだりしてちょっとだけ話題になりました。そして、2000年以降にLITTLE CAESARは再結成。現在までにアルバムを数作発表しているようです。



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投稿: 2017 06 26 12:00 午前 [1990年の作品, Little Caesar] | 固定リンク

2017/06/25

CHEAP TRICK『WE'RE ALL ALRIGHT!』(2017)

昨年春に発表された前作『BANG, ZOOM, CRAZY...HELLOW』が7年ぶりの新作ということでびっくりしたわけですが、続く本作『WE'RE ALL ALRIGHT!』はなんと前作から1年2ヶ月という短いスパンで制作〜リリースされたことで、さらに驚かされたわけです。だって、昨年11月には来日公演までしてさ、またしばらく見納め(聴き納め)かなと思っていたのに……特に大御所クラスになると新作のスパンが5年前後になっても不思議じゃないので、この予想外の新作にはただただ嬉しい限りです。

本作は新曲に加え、過去に制作されたものの未発表だった楽曲を新たにレコーディングしたもので、見方によっては「2017年のCHEAP TRICKによる、純然たる新作」とは言い難いかもしれません。が、ファンにとってはそういう細かいことはどうでもよく、今のCHEAP TRICKが本作で鳴らされているような音/楽曲に再び挑戦してくれている事実が単純に嬉しいし、素敵だと思うわけです。

比較的落ち着いたイメージの強かった前作とは相反し、今作は終始アグレッシブ。初期の「元気よく、勢いのあるパワーポップ/ロック」路線に寄った作風。アップテンポの楽曲がズラリと並び、ロビン・ザンダー(Vo)もがなるように歌っています。ポップな作風の楽曲にしても“枯れ”よりも“若々しさ”が前面に打ち出されており、そこに「ああ、自分は今CHEAP TRICKの新作を聴いているんだ」と強く実感できることでしょう(と、前作のレビューと同じことを書いてしまいますが)。

大半の曲が2分台〜3分台半ばというのも、初期の彼ららしく、アルバム本編10曲で33分程度というランニングタイムも納得。ちなみに本作には3曲追加したデラックスエディション(日本盤の通常仕様はこちら)も用意されていますが、それでも全13曲で44分程度(さらに日本盤はボーナストラックでライブテイク2曲を追加。これは正直蛇足かな)。最近のロックアルバムが少しずつではありますが、こういう40分前後という昔ながらの作風に戻りつつあるのはちょっと興味深い話ですね。

個人的にはデラックス盤に追加された3曲(THE MOVEのカバー「Blackberry Way」、『DREAM POLICE』を思わせる「Like A Fly」、メロウでサイケなミディアムバラード「If You Still Want My Love」)も本編10曲に負けず劣らずの出来だと思うので、ぜひこちらの仕様をオススメしたいと思います。



▼CHEAP TRICK『WE'RE ALL ALRIGHT!』
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投稿: 2017 06 25 12:00 午前 [2017年の作品, Cheap Trick] | 固定リンク

2017/06/24

MR. BIG『...THE STORIES WE COULD TELL』(2014)

2014年9月にリリースされた、通算8枚目のオリジナルアルバム。再結成後としては、2010年末に発表された前作『WHAT IF...』から3年9ヶ月ぶり。ここまで時間が空いたのには理由があり……ご存知のとおり、パット・トーピー(Dr)のパーキンソン病が発覚。また、ポール・ギルバート(G)の難聴が悪化したことや、ビリー・シーン(B)がリッチー・コッツェン(Vo, G)、マイク・ポートノイ(Dr)と新たに結成したバンド、THE WINERY DOGSの活動が好調だったことが、制作の遅れにつながったと言われています。

さて、そうなると誰がバンドの新作制作を引っ張るのか。意外にも、その役割を引き受けたのがエリック・マーティン(Vo)でした。エリックは全13曲中(ボーナストラック除く)11曲にクレジットされ、プロデューサーのパット・リーガンとともに根気よく作業を続けたようです。そこには、病気でドラムが叩けなくなったパット・トーピーが自身がプログラミングしたドラムトラックを採用するという、気の遠くなる作業も含まれているのですから……。

そういう難産の末完成した本作ですが、評価は前作ほど高くないのも事実。ドラム云々は抜きにしても(実際、シンバルなど金モノ系を集中して聴かない限り、プログラミングしたドラムトラックとは気づかないのでは?)、なんとなくバンドが完璧に噛み合ってない印象を受けるのです。

楽曲自体は前作の延長線上にあり、メロディラインなど比較的優れたナンバーが多いのですが、ギターとベースが遠慮がちというか。このへんはポールの病気の影響も大きいのかもしれませんが、それに引っ張られるようにベースもボトムを支えることに専念している印象を受けます。そこにパットの件が加わるもんだから……言い方は悪いけど、「エリック・マーティンのソロアルバム(MR. BIG寄り)」と感じてしまうのです。

いえ、エリックはそうならないよう、しっかりMR. BIGというバンドのことを意識して作業に当たったと思うんです。しかしエリック以外のメンバーが地味すぎるがために、結果エリックの個性のみが突出してしまう。それが先の「バンドが完璧に噛み合ってない」につながるわけです。

改めて聴き返してみても、決して悪いアルバムではないんですよ。だけど、地味さが前面に出てしまい、前作よりも聴く頻度が落ちてしまった。悲しいかな、そういう残念な1枚であります。

また、本作は日本盤の初回限定盤のみ、初期編成で発表した4枚のアルバムからのベスト選曲を再録音したボーナスティスク付き。なぜこのタイミングで再録ベスト?と思ったけど、実はこれ、パットが過去の楽曲でプログラミングの練習をしたってことなんじゃないでしょうか。ここでの“リハーサル”があったから、オリジナル新作では違和感のない“ドラミング”を披露することができた。そう思うと、この『...THE STORIES WE COULD TELL』というアルバムがいかに難産だったかが理解できると思います。

もうひとつ残念なのは、新作本編よりもこっちのボーナスディスクのほうが聴く頻度が高かったということ。声域が若干低くなったエリックに合わせて半音下げで再録された名曲の数々は、原曲よりテンションが落ちるものではありますが、曲によっては大人の色気を感じるものも含まれており、まったくナシではないかな。とはいえこれ、単なるオマケなのであまり高い評価は付けないでおきます。

本作を携えたツアーでは、パットもステージ上に姿はあるものの、基本的にはサポートドラマーのマット・スターがプレイ。パットはタンバリンを叩いたりコーラスを入れたりしつつ、限られた楽曲でドラムを披露してくれました。ここでの変則編成がメンバー的にもお気に召したようで、新たな未来へとつながっていくわけです。



▼MR. BIG『...THE STORIES WE COULD TELL』
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投稿: 2017 06 24 12:00 午前 [2014年の作品, Mr. Big] | 固定リンク

2017/06/23

MOTORHEAD『1916』(1991)

1991年初春にリリースされた、MOTORHEAD通算9枚目のスタジオアルバム。当時のメンバーはレミー(Vo, B)、フィル・キャンベル(G)、マイケル・ワーゼル・バーストン(G)、フィル・アニマル・テイラー(Dr)。アニマルにとっては本作がラスト作になります。また、本作はバンドがイギリスからアメリカ(ロス)に渡ってから初の作品であると同時に、メジャーレーベルから最初の1枚でもあります。

MOTORHEADという名前を聞いて、多くの人が思い浮かべるのが「ロックンロール」「ハードロック」「ヘヴィメタル」といったところでしょうか。そのカテゴライズで言えば、本作は完全なるロックンロールアルバム。レミーがライブを始める間に言うセリフ「We are Motorhead. We play rock n' roll」がここまでピッタリなアルバムも他にないんじゃないかってくらい、完璧な1枚だと個人的には感じています。

冒頭の「The One To Sing The Blues」から地を這うような、それでいて軽快さも持ち合わせたグルーヴ感のロックンロールを炸裂。続いてい3コードのお約束R&Rナンバー「I'm So Bad (Baby I Don't Care)」、爽快さすら感じさせるメジャーキーの「No Voices In The Sky」、シンプルでストレートな「Going To Brazil」とアッパーな楽曲が連発されます。この時点でもう最高。文句なし。

しかし、アルバム中盤に差し掛かると、それまでのMOTORHEAD史上でもっとも問題作と呼べるような2曲が登場。それがダークなミディアムスロウチューン「Nightmare / The Dreamtime」と、パワーバラードと言えなくもないヘヴィブルース「Love Me Forever」です。前者はそのダークさゆえ、MOTORHEADっぽいと言えますが、後者は8分の6拍子のバラード調。確かに度肝を抜かれますが、よくよく聴くとその構成はLED ZEPPELINの「Dazed And Confused」に近かったりして、要するにこれはMOTORHEAD版ブルースってことなんだろうなと。これもロックンロールなんだと、改めて納得させられた次第です。

後半も、ピアノやブラスを導入した異色のロック「Angel City」やRAMONESへのトリビュートソング「Ramones」などアップチューンが立て続けに繰り出され、最後にタイトルトラック「1916」。しかしこれが、正真正銘のスローバラード。レミーがストリングスをバックに歌うその様は、いわば“MOTORHEAD版「Yesterday」”か。結局、本作がきっかけとなり、彼らはその後も積極的にスローナンバーに挑戦していくことになります……が、そこはMOTORHEAD。せいぜいアルバムに1曲程度の割合なので、個人的にはまったく問題なし。アクセントと思えば気持ちよく聴けるはずです。

僕個人としては、本作がMOTORHEADでもっとも好きなアルバムなんですよね。きっと初めてライブを観たのが、このアルバムでの来日公演だからというのも大きいのかな。まぁそれを抜きにしても、本作は第2次黄金期の幕開けにふさわしい傑作だと思いますけどね!



▼MOTORHEAD『1916』
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投稿: 2017 06 23 12:00 午前 [1991年の作品, Motörhead] | 固定リンク

2017/06/22

POISON『NATIVE TONGUE』(1993)

3枚のマルチプラチナムアルバムを発表したものの、早くも登場した2枚組ライブアルバム『SWALLOW THIS LIVE』(1991年)が大きなヒットにつながらず、C.C.デヴィル(G)が脱退(事実上のクビ)。POISONにとって最初にして最大の難関となったギタリスト問題も、しばらくしてリッチー・コッツェンというバカテクギタリストの加入により解決し、1993年初頭に通算4作目のスタジオアルバム『NATIVE TONGUE』がリリースされます。

当時のリッチーの評価は、現在のような「ブルースフィーリングあふれる、歌心のあるギタリスト」というものではなく、「シュラプネル系のテクニカル&速弾きギタリスト」というもの。しかし、POISONで聴かせるそのプレイは、確かにテクニカルではあるものの速弾き一辺倒ではなく、非常にレイドバックしたプレイでした。たぶん、多くのHR/HMファンが驚いたのではないでしょうか。

作品を重ねるごとにグラム路線から脱却し、前作『FLESH & BLOOD』(1990年)ではマッチョな(それでいて“枯れ”も感じさせる)サウンドにまで到達したPOISONでしたが、本作『NATIVE TONGUE』ではリッチーという才能を得たことで、その路線を一気に本格的なものへと昇華させることに成功。それまでのニセモノ感はどこへやら、本作から聴き始めたリスナーは間違いなく「こういうバンド」だと勘違いするはずです(笑)。

にしても、本作の完成度といったら……客観的に見ても、過去イチの出来ではないでしょうか。まず本作は、オープニングの「The Scream」やシングルカットもされた「Stand」など、ゴスペル色の強いハードロックが次々と展開されていきます。過去3作と比べたら、一聴して地味に感じるかもしれません。しかし、サウンド自体はこの手のレイドバックしたハードロックの中でもかなり派手めで、そのへんのPOISONというバンドのこだわりが感じられます。

また、バラードにしても過去のパワーバラードとは異なり、ソウルの影響下にある本格派バラード「Until You Suffer Some (Fire And Ice)」も飛び出し、当時は「どうしたPOISON?」と呆気にとられたものでした。が、今聴くと本当に良いですね、これ(笑)。前作での「Something To Believe In」で見せた路線の究極系と捉えると、非常に納得がいくといいますか。

後半には、従来の路線に近い「Strike Up The Band」や「Ride Child Ride」「Blind Faith」などストレートなハードロックもあるものの、やはりテイスト的には本作のマナーに従ったもの。まぁ『FLESH & BLOOD』からの流れで考えれば、本作の後半は前作の延長(=我々の知るPOISON)、前半はリッチー主導の本格路線(=過去のPOISONを覆す)ということになるんでしょうね。

すでにHR/HM冬の時代に突入していたものの、本作は全米16位、50万枚を超える中ヒットを記録。確かに前作までのマルチプラチナムと比較すれば“落ちた”ように見えますが、同時代に活躍した他のバンドと比較したら一番善戦したと思います。

結局リッチーは本作1枚のみで脱退。本作での路線をさらに推し進めたソロ作を続発したのちにMR. BIGに加入したり、ビリー・シーン(B)やマイク・ポートノイ(Dr)とTHE WINERY DOGSを結成したりするわけです。そういう意味では、今のリッチー・コッツェンにとって原点的1枚とも言えますね。POISONにとってはどのポジションの作品になるのかわかりませんが。



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投稿: 2017 06 22 12:00 午前 [1993年の作品, Poison, Richie Kotzen] | 固定リンク

2017/06/21

MICHAEL MONROE『SENSORY OVERDRIVE』(2011)

先日55歳の誕生日を迎えたばかりのマイケル・モンロー。再生HANOI ROCKS解散を経て、現在彼の活動拠点となるのが自身の名前を冠したMICHAEL MONROEというバンドです。今回紹介するのは、2011年春にリリースされたMICHAEL MONROE名義での1stアルバム(ソロとしては通算6枚目)。当時のメンバーはマイケルのほか、ジンジャー・ワイルドハート(G)、スティーヴ・コンテ(G)、サミ・ヤッファ(B)、カール・ロックフィスト(Dr)。ジンジャーは本作に伴う活動途中で、案の定バンドを離れています。

バンド編成になったからといって急激に音楽性が変わるわけもなく、ここで聴ける楽曲やサウンドは過去のマイケル・モンローを知る人なら納得の内容。パンクロックを通過した軽快なロックンロールがたっぷり詰め込まれています。HANOI ROCKSだろうがDEMOLITION 23.だろうが、なんでもあり。どの時代の曲と混ざり合っても違和感のない、普遍的なロックンロールソング集と言えるでしょう。

とはいえ、ソングライティングに携わる人間が変われば、そのテイストが多少異なる楽曲もいくつか含まれるわけで。本作でいえば、ポップなメロディを持つ「Superpowered Superfly」は明らかにジンジャーの手腕によるもの。この曲と「Later Won't Wait」はジンジャーが単独で書き下ろしたもので、「Later Won't Wait」もどこかTHE WiLDHEARTSやその他ジンジャーが携わってきたバンドに共通するストレンジさが含まれており、それがマイケルの個性とぶつかり合うことで生じた化学反応を楽しむことができます。

こういった新境地もいくつか含まれていたことから、個人的には「MICHAEL MONROE、これから面白くなるんじゃね?(但しジンジャーが抜けなければ)」と思っていたのですが……さすがに2枚目はなかったと。ただ、次は次で面白いコラボレーションが生まれるので、また別の意味でワクワクしたわけですが。

ちなみに、ジンジャーの後釜としてバンドに加わったのが、当時BACKYARD BABIESが活動休止中だったドレゲン。マイケルとBYBは過去にコラボ経験があるとはいえ、この邂逅にはさすがに驚きました。

なお、本作の本編ラストに収められている「Debauchery As A Fine Art」は、前年に発表されたライブアルバム『ANOTHER NIGHT IN THE SUN: LIVE IN HELSINKI』に先行収録されていた「Motorheaded For A Fall」を改作したもの。基本構成は一緒ですが、このスタジオテイクにはオリジナルタイトルにその名が含まれていたMOTORHEADのレミーがゲスト参加しています。

2017年のこのタイミングに「マイケル・モンローってどんな人? どれから聴けばいいの?」と質問されたら、まずはこのアルバムをオススメすると思います。そこから新作まで順々に聴いてもいいし、過去をさかのぼってもいい。あるいは、HANOI ROCKSに進むのもアリ。本作を拠点にすれば、マイケルのどのキャリアにもたどり着けるはずです。



▼MICHAEL MONROE『SENSORY OVERDRIVE』
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投稿: 2017 06 21 12:00 午前 [2011年の作品, Ginger Wildheart, Michael Monroe] | 固定リンク

2017/06/20

AC/DC『ROCK OR BUST』(2014)

2014年11月にリリースされた、AC/CD通算15枚目(オーストラリア国内では16枚目)のスタジオアルバム。プロデュースは前作同様、ブレンダン・オブライエンが担当。マルコム・ヤング(G)が認知症のためバンドを離れ、代わりにマルコム&アンガス・ヤング(G)の甥にあたるスティーヴィー・ヤングが加入して制作されました。また、本作を携えたツアー期間にフィル・ラッド(Dr)が逮捕されバンドを脱退。代役として90年代前半に在籍したクリス・スレイドが再加入しています。また、ブライアン・ジョンソン(Vo)も聴力障害のためツアーを離脱。2016年のツアーではGUNS N ROSESのアクセル・ローズがゲスト・ボーカリストとして代役を務めたことは記憶に新しいと思います。さらに、クリフ・ウィリアムズ(B)も本ツアー終了後にバンドから脱退。結果として、我々がよく知るAC/DC最後のアルバムとなってしまいました。

全米1位を獲得した前作『BLACK ICE』(2008年)から6年ぶりに発表された本作は、どの曲も2〜3分台という非常にシンプルな構成。全11曲でトータル34分というランニングタイムは昨今の作品としては非常に短く感じますが、実際に聴くとその倍くらいあるんじゃないかと思えるほどの濃厚さがあります。シンプルだからこその濃さ。これこそが、40年以上の活動を経て到達した境地なのかもしれません。

思えば前作は8年ぶりの新作。気合いを入れて望み、結果として全15曲入り、トータル55分という、当時としては「最強のAC/DC」を表現していたと思います。しかし、その最強な状態からさらに余計なものをそぎ落とした結果、「11曲ぐらいで、34分でも大丈夫じゃない?」という結論にたどり着いた。というのは、考えすぎでしょうか? でも、そう思えるぐらいに寸分も隙がない、鉄壁なロックンロールアルバムだと思うのです。

そう、本作はHR/HMというよりはロックンロール。『BLACK ICE』はまだハードロックですよね。それ以上に原始的、もしくはルーツに原点回帰したのがこの『ROCK OR BUST』なんじゃないでしょうか。

とはいえ、ボン・スコット時代のそれと比較するとまた違うんですけどね。まぁそこは、ブライアン・ジョンソンという替えがきかないボーカリストによるものが大きいと思いますが。幸いブライアンはまだバンドに残っているようですし、耳の調子次第ではツアーにも復帰してくれるはず。レコーディングだって……どうなるのかわかりませんけどね。仮にこのアルバムでバンドの歴史に幕を降ろしたとしても、それはそれで納得がいきますし。

できることなら、このアルバムを携えた来日公演を見たかった。もし後悔があるとしたら、その一点のみです。



▼AC/DC『ROCK OR BUST』
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投稿: 2017 06 20 12:00 午前 [2014年の作品, AC/DC] | 固定リンク

2017/06/19

ROCK CITY ANGELS『YOUNG MAN'S BLUES』(1988)

海外では1988年、ここ日本では1989年1月にリリースされたROCK CITY ANGELSのメジャーデビューアルバム。当時アナログでは2枚組で発表されましたが、CDでは1枚に収められています。

1988年に入り、前年デビューのGUNS N' ROSESが爆発的ヒットを飛ばし、ホクホク顔だった所属レーベルのGeffen Records。装飾をそぎ落とした本格派のハードロックが徐々に求められていく流れの中、当然のように「第二のガンズ」を探すべく新人を青田買いしていくわけですが、そこで射止めたのがフロリダ出身の5人組ロックバンドだったROCK CITY ANGELS。結成当初はグラムロック的でしたが、徐々に本作で聴けるブルージーな土着的ロックへとシフトしていったようです。ちなみに、デビュー前には当時まだ無名だったジョニー・デップも在籍していたとのことです(本作が楽曲クレジットには彼の名前も)。

二匹目のドジョウを狙ってデビューした彼らですが、ぶっちゃけ全然ガンズじゃないです。ガンズというよりも、その数年後にデビューするTHE BLACK CROWESに近いかもしれません。それもそのはず、本作のプロデューサーはZZ TOPなどを手がけてきたジョー・ハーディ。確かに70年代のZZ TOPに通ずるものがあるかもしれません。

ここ日本ではTBS『PURE ROCK』でオープニング曲「Deep Inside My Heart」のMVがちょくちょく流れており、その小汚いルックスとTHE GEORGIA SATELLITESにも通ずる古臭いブギーサウンドがそれなりにインパクトを与えていました。全編こういった土着的ロックかといいますとそうでもなく、「Damned Don't Cry」のように自身のルーツであるグラムロックをまんま表現した曲もあれば、ダイナミックなハードロック「Wild Tiger」もあるし、オーティス・レディングのソウルバラードをカバーした「These Arms Of Mine」もある。疾走感のある「Rumblefish」、ゴリゴリのハードブギー「Boy From Hell's Kitchen」、ピアノとアコギをフィーチャーしたカントリーバラード「Liza Jo」、ファンキーなダンスロック「Beyond Babylon」など、とにかく聴き応えのあるR&Rアルバムです。こうやって聴き返すと、ハードロック色の強いROLLING STONESみたいなイメージもあるなと。当時は「第二のガンズ」という色眼鏡が最初にあったので、子供だった自分はそこまで気づけませんでしたが。

時代が早すぎたとか売り出し方を間違えたとかいろいろあると思いますが、リリースから30年近く経った今だからこそ再評価したい1枚じゃないでしょうか。本作発表後、彼らはアメリカからイギリスに渡り、そこでTHIN LIZZYのブライアン・ロバートソン(G)を新メンバーに迎えレコーディングを行ったようですが、それらの音源は発表されることなくGeffenから離脱。その後も地味に活動していたようですが、2012年にボーカルのボビー・デュランゴが死去。これを機に、バンドは解散してしまったようです。

本作、日本盤は初版以降廃盤状態。海外では10年くらい前に別レーベルから再発されたようですが、こちらもすでに廃盤。デジタル配信もされていないので、残念ながら中古で探すしかなさそうです。



▼ROCK CITY ANGELS『YOUNG MAN'S BLUES』
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投稿: 2017 06 19 12:00 午前 [1988年の作品, Rock City Angels] | 固定リンク

2017/06/18

LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN』(1969)

1969年初頭にリリースされた、LED ZEPPELINの記念すべき1stアルバム。当時は全英6位、全米7位と1位こそ獲っていないものの、今日までに全米だけでも800万枚を超える売り上げを記録。デビュー作としては申し分のないヒット作になったと思いますし、本作のこの成功があったからこそ続く2ndアルバムから快進撃が始まるわけですからね。

私自身がツェッペリンを聴き始めたのが高校1年の頃。最初は2枚目、続いて4枚目というありがちなコースをたどったわけですが、その次が実は……3rdなんです(笑)。そっちに行っちゃったか〜って感じかもしれませんが、当時地元のレンタル店に2枚目〜4枚目とライブ盤しかなかったもので。

しかし、1988年にツェッペリンのアルバムが廉価版として再発。2000円以下で手軽に手に入るということで、まず最初に購入したのがこの1stアルバムだったのです。以降、高校生の小遣いで少しずつ、リリース順に買い集めていくのですが、途中でなぜか全作品をアナログ盤でいただくというハプニングが。結局高校生の間に全アルバムを制覇することができたわけです。

1stアルバムの印象というと、やはり1曲目「Good Times Bad Times」イントロの、「ダン、ダン!」というインパクトの強いジョン・ボーナム(Dr)のドラムなわけですが、初めて聴いたときはそこまで衝撃を受けることなく(苦笑)。むしろ「Communication Breakdown」みたいな速い曲にばかり目が(耳が)行ってしまったという。そりゃあ2ndと比べたら、1曲目のインパクトは弱いかもしれませんが、今となっては本作のカッコ良さ、嫌というほどに理解できます。

「Good Times Bad Times」のインパクトもさることながら、つづく2曲目「Babe I'm Gonna Leave You」のドラマチックさも完璧。続くブルースナンバー2連発「You Shook Me」「Dazed And Confused」(ここまで4曲中3曲がカバーという)でこのバンドの真髄をじっくり味わい、B面はもうちょっとバラエティに富んだ楽曲群を味わう。どことなくゴスペルチックな「Your Time Is Gonna Gome」、インスト「Black Mountain Side」、ファストチューン「Communication Breakdown」ときて、再度ブルースカバー「I Can't Quit You Baby」「How Many More Times」で締めくくる。カバー曲ですら自分たちのオリジナル曲みたいに仕上げてしまう独自のアレンジ力。ジミー・ペイジ(G)、恐るべし。

アレンジャー、プロデューサーとしての才能はもちろんのこと、本作でのギタープレイもなかなかのもの。ボンゾのリードドラム(笑)に引っ張られるように、決してテクニカルではないものの弾きまくるギター。その上で女性の喘ぎ声のごとくハイトーンボイスで歌いまくるロバート・プラント(Vo)。グルーヴ感の強いベースラインでリードドラムを支え、時にキーボードプレイも披露するマルチプレイヤーのジョン・ポール・ジョーンズ(B, Key)と、この時点ですでに才能溢れまくりな面々が揃ったことが伺えるわけです。

1st派か2nd派かでときどき意見が分かれることがありますが、自分の場合は基本的には2nd派なんですが(インパクトの強さで)、僅差で1stも好きだからどっちが優れてるなんて言えない(ただ、もっとも好きなのは『PRESENCE』なんですが)。ただ、今このタイミングでは1st派かもしれません(笑)。だって、本当に素晴らしいデビューアルバムなんだもの。改めて聴き入ってしまいましたよ。

……と、今回も思い出話でお茶を濁してしまい、申し訳ありません。なお、2014年発売のデラックス・エディションについては、後日改めて取り上げたいと思います。



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投稿: 2017 06 18 12:00 午前 [1969年の作品, Led Zeppelin] | 固定リンク

2017/06/17

MR. BIG『WHAT IF...』(2010)

2009年にエリック・マーティン(Vo)、ポール・ギルバート(G)、ビリー・シーン(B)、パット・トーピー(Dr)のオリジナル編成で復活したMR. BIG。まずは日本を含むワールドツアーを行い、バンドの健在ぶりを存分にアピールしました。そのツアーでの手応えを制作活動に向け、日本で2010年末(海外では2011年初頭)に発表した通算7枚目のスタジオアルバムがこの『WHAT IF...』です。

オリジナル編成としては1996年の『HEY MAN』から14年ぶりの新作となった本作は、IRON MAIDENやAEROSMITHとの仕事で知られるケヴィン・シャーリーをプロデューサーに迎えて制作。作風的にはリッチー・コッツェン在籍時の2枚よりもむしろ、『HEY MAN』までのMR. BIGに近いかもしれません。オープニングがファストチューンではなく、ずっしりとしたリズムでじっくり聴かせる「Undertow」というところは『HEY MAN』やリッチー時代にも通ずるものがありますが、続く「American Beauty」は初期ファンには嬉しいファストチューン。ギター&ベースのユニゾンプレイもふんだんに取り入れられており、「なぜこの曲を1曲目にしなかった!?」と憤るファンも多いのではないでしょうか。

が、しかし。この曲を2曲目に配置することで、「Undertow」も「American Beauty」も映えると思うんですよ、実際のところ。そこから若干ダークなバラード「Stranger In My Life」(終盤のポールのギターソロが最高)、パーカッシヴなドラムパターンがクールな「Nobody Left To Blame」、再びアッパーな「Still Ain't Enough For Me」と続いていく前半の構成も、より新鮮に聴こえるんじゃないでしょうか。実際、僕はそうでした。

エリックの高音が出にくくなったことから、再結成後は半音下げチューニングでライブもレコーディングも実施していることから、必要以上にダークさが前に出てしまいがちですが、それが本作の作風にはぴったり合っていると思う。

それと『HEY MAN』以降減少傾向にあった、曲中の“オカズ”が一気に増えていること。ちょっとしたギター&ベースのユニゾンや、いきなり飛び込んでくるギターやベースの速弾きフレーズ。この“オカズ”という名の無駄があってこそ、MR. BIGなんだよなぁ〜と、このアルバムを聴いたときにふと考えたことを、今思い出しました。

大ヒット作『LEAN INTO IT』(1991年)というよりは、バンドのルーツである1stアルバム『MR. BIG』(1989年)に『HEY MAN』の手法でもう一度チャレンジした。そんな印象を受けるのが、再結成1作目のこのアルバム。佳曲は多いけど、突出した名曲はない。だけど、全体で勝負する。結果、アルバムを聴き終えたときに「ああ、MR. BIGの新作だった」と納得させられる。もう今さら“ドリルソング”や「To Be With You」の第二弾なんて望んでないし、今はこの体制で再び長く続けてくれることを祈るばかり。そう、リリース当時はそう思っていたんです……。



▼MR. BIG『WHAT IF...』
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投稿: 2017 06 17 12:00 午前 [2010年の作品, Mr. Big] | 固定リンク