2020/12/31

INDEX

当ブログにて公開中のレビュー、および1998年12月からスタートした『とみぃの宮殿』に掲載された記事を当ブログにて再公開したレビューのインデックスページになります。現時点で2000以上のエントリーがあるため、こちらは時間をかけながら、ゆっくりと完成させていく予定です。(随時更新中)

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投稿: 2020 12 31 12:00 午前 [「記事一覧」] | 固定リンク

2017/09/30

2017年9月のお仕事

2017年9月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます。
(※9月21日更新)


[紙] 9月21日発売「ヘドバン Vol.15」にてコラム「FOO FIGHTERSはハード・ロックである」、FOO FIGHTERS新作クロスレビュー、FOO FIGHTERS旧譜レビュー、巻末カセット企画を執筆しました。(Amazon

[WEB] 9月20日、「リアルサウンド」にてNoGoDインタビュー「NoGoDが語る、10年の歩みとバンドの真価「人前に立つ以上メッセージを届けないといけない」」が公開されました。

[WEB] 9月20日、「リアルサウンド」にDREAM THEATERのライブ評「ream Theater『Images And Words』は奇跡の1枚だった 現在と原点を見せた日本武道館公演」が公開されました。

[紙] 9月20日発売「TV Bros.」2017年9月23日号にて、スカート『20/20』、JAKE BUGG『HEARTS THAT STRAIN』アルバムレビューを執筆しました。

[WEB] 9月16日、「リアルサウンド」にaikoのライブ評「aikoのライブは常にスペシャルだーー攻めの姿勢と愛に溢れたツアー『Love Like Rock vol.8』」が公開されました。

[紙] 9月12日発売「ぴあMovie Special 2017 Autumn」にて、乃木坂46桜井玲香・西野七瀬・松村沙友理、富田望生インタビューを担当・執筆。(Amazon

[WEB] 9月9日、「リアルサウンド」にてシド インタビュー「シドが“3年半ぶりのアルバム”でも新鮮さを失わない理由 「不安を感じることも刺激になる」」が公開されました。

[紙] 9月6日発売「TV Bros.」2017年9月9日号にて、INORAN『INTENSE / MELLOW』アルバムレビューを執筆しました。

[WEB] 9月4日、ポニーキャニオン公式ニュースにてSuGライブレポート「SuG、活動休止。初の日本武道館公演で「10年間ありがとうございました!」」が公開されました。

[紙] 9月4日発売「日経エンタテインメント!」2017年10月号にて、「最新ヒットキーワード100」特集・蔦谷好位置インタビュー、乃木坂46伊藤万理華・桜井玲香・白石麻衣・松村沙友理インタビュー、北野日奈子・渡辺みり愛インタビュー、「アンダーライブの歴史」研究記事、および特別付録「乃木坂46 3期生パーフェクトガイド」内の乃木坂46大園桃子・向井葉月・山下美月・与田祐希インタビューを担当・執筆しました。(Amazon

投稿: 2017 09 30 12:00 午後 [「仕事紹介」] | 固定リンク

2017/09/23

PEARL JAM『VS.』(1993)

1993年秋に発表された、PEARL JAMの2ndアルバム。デビュー作『TEN』(1991年)が想像を超えるメガヒットを記録したこともあり、本作はBillboard 200で初登場1位を獲得。しかも発売1週で100万枚近いセールスに達する、その後10年近く塗り替えられることのない大記録を達成するのでした。売り上げ的にも、1000万枚を突破したデビューアルバムに次いで700万枚というバンド史上2番目に売れた作品となりました。

デビュー作があれだけ売れて、実際バンドは相当なプレッシャーを感じていたことかと思います。しかし、PEARL JAMは前作を踏襲しつつも、攻めに転じたロックアルバムを完成させます。

リック・パラシャーをプロデューサーに迎えた前作は、全体的に“どこか作り込まれた”感のあるサウンドプロダクションでしたが、今作ではその後タッグが続くことになるブレンダン・オブライエン(AEROSMITHRED HOT CHILI PEPPERSなど)をプロデューサーに、より生々しくて尖った質感のサウンドへと変化。実際、このプロダクションのおかげでオープニングのアップチューン「Go」の攻めっぷりや、ワイルドなミディアムチューン「Animal」のダイナミックさから「前作までとは違うロックバンド感」が伝わるはずです。

楽曲的には「Daughter」や「Dissident」「Leesh」など『TEN』での大陸的アメリカンハードロック路線を引き継ぎつつ、前のめりな「Go」や「Blood」、アルペジオ調リフを用いた「Rearviewmirror」、軽やかな「Glorified G」、うねるベースラインが印象的な「Rats」など音楽性の広がりが感じられます。

バカ売れした作品の次だけにかなり苦労したことが見え隠れする内容ですが、そのプレッシャーをはね退け、前作でファンになったリスナー、そして純粋にアメリカンロックが好きなリスナー双方にアピールする力作を仕上げたんじゃないかと思っています。

ですが、歌メロなどの強さでいうと、前作のほうがちょっとだけ勝るかな。そういう意味では、アルバム全体の流れや雰囲気で勝負する作品なのかなと思いました。そう言いながらも、リリース当時はアホみたいに聴きまくった1枚なんですけどね。

ちなみに、本作ではミュージックビデオが1本も制作されていません。メジャーレーベルにいながら、こういったアンチメジャー、アンチプロモーション的な姿勢はここからしばらく続きます。



▼PEARL JAM『VS.』
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投稿: 2017 09 23 12:00 午前 [1993年の作品, Pearl Jam] | 固定リンク

2017/09/22

THE CULT『ELECTRIC』(1987)

ゴシックロックやポストパンクの流れにあった前作『LOVE』(1985年)が本国イギリスで最高4位まで上昇。アメリカでもTOP100内(87位)に入るヒット作となり、続く3rdアルバムで世界的な大ブレイクが期待されるわけです。ここでTHE CULTは前作同様にスティーヴ・ブラウンをプロデューサーに迎え次作『PEACE』の制作に突入するのですが、出来上がった作品はバンド側が満足するような内容ではありませんでした。

そしてバンドは新たにリック・ルービンをプロデューサーに迎え、アルバムを作り直します。そんな紆余曲折を経て完成したのが、1987年春に発表された『ELECTRIC』です。

SLAYERBEASTIE BOYSなどのプロデューサーとして知られていたリックですが、本作ではオールドスクールなハードロックサウンドを展開。どこかAC/DCみたいで、無駄をそぎ落とした隙間だらけのサウンドは、ビッグプロダクションが当たり前だった当時のHR/HMと比較するとチープに聞こえたかもしれません。しかし、本作発売から数ヶ月後にGUNS N' ROSESがデビューすることで、その印象は一変するわけです。時代がTHE CULTに追いつくわけですね。

ポストパンクとかニューウェイブ、ゴシックロックとは一体何だったのか?と、前作までのTHE CULTを好んでいたファンからすれば、ここで完全に別モノになってしまったわけですから、そりゃあショックですよね。だってオープニングの「Wild Flower」からして、ギターリフ一発ですべてが決まるような、シンプルなR&Rなわけですから。しかもLED ZEPPELIN的な展開を含む「Love Removal Machine」があったり、ツーバス全開のファストチューン「Bad Fun」があったり、挙げ句の果てにSTEPPENWOLFの名曲カバー「Born To Be Wild」まであるんだから。それ以前のファンからしたら「誰だよお前ら!」ってツッコミたくなりますわな。

とはいえ、当時高校生だった自分は『LOVE』以前の彼らを知らず、本作からTHE CULTに入っていったので、当然彼らは普通にハードロックをやってきたバンドだと思っていたし、そこから『LOVE』にさかのぼって唖然とするわけですが。今となってはそれもいい思い出ですけどね。

そんな一大革命を起こした本作、イギリスでは前作と同じく4位まで上昇し、アメリカでも最高38位にランクイン。100万枚を超えるヒット作となり、続く4thアルバム『SONIC TEMPLE』(1989年)と並ぶ代表作として現在まで多くのリスナーに愛され続けています。



▼THE CULT『ELECTRIC』
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投稿: 2017 09 22 12:00 午前 [1987年の作品, Cult, The] | 固定リンク

2017/09/21

Spotifyでプレイリストを作ってみました

先月からレビューページにSpotifyのリンクを貼り付けているのですが、せっかくなので何か面白いことできないかと思い、このサイトならではのプレイリストを作ってみることにしました。

まずは、8月に当サイトで紹介したアルバム(Spotifyで配信している作品のみ)から各2曲程度ピックアップして、50〜60曲程度のプレイリストを制作しました。題して『TMQ-WEB Radio 1708』。一応曲の流れなんかも考慮しつつ曲順を考えておりますので、レビューを読む際のBGMにするもよし、何も考えずにダダ流しするもよし。おヒマなときに聴いていただけると嬉しいです。

今後も毎月、1ヶ月のまとめ的なプレイリストを作っていけたらと思います。

あるいは、こういうプレイリストがあったらもっと面白いんじゃないか?みたいな企画も、その都度思いついたら作っていきたいな。例えば、毎年1月にやってる成人企画とか、ちょっと前に書いた職業ライターまとめ企画とか。

で、上の『TMQ-WEB Radio』を作る前に、遊びで昨日のDURAN DURANの日本武道館公演のセットリストに沿ったプレイリストも作っております。大阪公演に行くって人は、こちらで雰囲気を掴んでもらえたら嬉しいです。

以上、珍しく告知エントリーでした。

投稿: 2017 09 21 10:00 午前 [2017年の作品, 「音楽配信」] | 固定リンク

DANZIG『DANZIG』(1988)

グレン・ダンジグ(元MISFITS、元SAMHAIN)が1987年に決ししたバンド、DANZIGが1988年夏に発表したデビューアルバム。当時リック・ルービンが新たに設立した「Def American」(のちの「American Recordings」)第1弾作品としてリリースされました。

MISFITSというアクの強いパンクバンドを経てSAMHAINを結成するも、短命で終わってしまう。そんな中、新たに結成されたDANZIGはその名からも“あのグレン・ダンジグのリーダーバンド”であることが一目瞭然。きっと当時のロックファンはMISFITSの幻影を彼に求め、そしてそんな音を期待してDANZIGに臨んだのではないでしょうか。

当時高校生だった僕はMISFITSの音はまだ聴いたことがなく、あのルックスやアートワークしか知らない程度。そんな状態でまず、本作のリードトラック「Mother」と接するわけですが……あれ、カッコいいじゃんか!と普通に感じてしまったのです。

リック・ルービンがプロデュースしたこともあってか、どこかTHE CULT『ELECTRIC』(1987年)に通ずる世界観と質感があの曲の中にはあった。で、実際アルバムを通して聴いてみても、その直感は間違っていなかった。ブルースをベースにした、オールドスクールなハードロックが全体を通して貫かれている。そりゃあ問答無用で食いつきますよね。

ただ、今なら当時MISFITSの幻影を求めていたファンの気持ち、理解できますよ。そりゃあこれ聴いたら卒倒しますよね。

どこかジム・モリソン(THE DOORS)を彷彿とさせるボーカルスタイルは、ただただカッコいいの一言(そのへんもTHE CULTとの共通点だったりもするのですが)。そこに音数の少ない、隙間作りまくりのサウンドプロダクションと、非常にシンプルなブルースベースのハードロックが加わることで、より男臭さが増す。例えばそれは初期BLACK SABBATHに通ずるものがあったり、まだハードロックと呼ばれていた頃のJUDAS PRIESTっぽかったりもする。男らしいグレンのボーカルのせいで、そう感じないかもしれませんが、やってること自体はそのへんと共通するものがあるんじゃないでしょうか。

あるいは、アルバート・キングでおなじみのブルースの古典「The Hunter」のカバーをやっていることから、GREAT WHITEとの共通点もあったりする。ボーカルスタイルがまったく異なるので「いやいや、違うでしょ!」と思うかもしれませんが、僕はそのラインと同じ感覚で本作に接しています。

それにしても、「Mother」は今聴いても色褪せない名曲ですね。誰かカバーしてほしいなぁ。



▼DANZIG『DANZIG』
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投稿: 2017 09 21 12:00 午前 [1988年の作品, Danzig] | 固定リンク

2017/09/20

CATHEDRAL『STATIK MAJIK』(1994)

1994年に発表された、CATHEDRALの4曲入りEP。直近の最新アルバム『THE ETHEREAL MIRROR』(1993年)からの代表曲「Midnight Mountain」をリードトラックに、未発表の新曲3曲を加えた構成なのですが、これがEPとかミニアルバムとは呼べないようなボリュームでして……4曲で40分超の、フルアルバム並みの内容なんです。

「Midnight Mountain」は今さら言うまでもなく、ダンサブルなビートを用いることで、CATHEDRALが単なるBLACK SABBATHフォロワーではないオリジナルな存在へと導くことに成功した1曲。発売から24年経った今聴いても、やっぱりカッコイイですもんね。

で、残り3曲が本作で初公開の新曲になるわけですが、「Hypnos 164」「Cosmic Funeral」は『THE ETHEREAL MIRROR』に収録されていても不思議じゃない、ドゥーミーなハードロック。1曲の中にいくつもの展開が用意されており、リー・ドリアン(Vo)のヘタウマボーカルが曲に合った安定感を放ち始めているから不思議です。特に「Cosmic Funeral」は途中で挿入される鍵盤(オルガン?)の音色が70年代の香りを醸し出しており、そこから突入する2本のギターバトルがハンパなくカッコイイ。1stアルバム『FOREST OF EQUILIBRIUM』(1991年)でのダークでドゥーミーで超低速な世界観がまるで嘘のように感じられるほどに。

ここまで1曲5分前後。「Cosmic Funeral」のみ7分もありますが、トータルでも17、8分です。ということは……そうです、ラストの「The Voyage Of The Homeless Sapien」が約23分もある超大作なのです!(笑)

序盤のヘヴィでダークで超スローな展開は、まさしく彼らが『FOREST OF EQUILIBRIUM』で表現していたスタイル。これをデス声ではなくヘタウマボーカルで表現することにより、『FOREST OF EQUILIBRIUM』とはまた異なる世界観が構築されていくのです。

しかもこの曲、単なるドゥームメタルではなく、曲が進むにつれてさまざまな展開を見せていく。もはやプログレッシヴロックのそれに匹敵する世界観なのです。アナログ時代でいえば、A面でシングルカットできそうな5分程度の楽曲を数曲並べておいて、B面で組曲風の超大作を入れる。世が世なら本作こそ『THE ETHEREAL MIRROR』に続く3rdアルバムになっていたかもしれません。

しかし、そこはリー・ドリアンとギャリー・ジェニングス(G。本作ではBも担当)のこと。ここで試したことはあくまで実験の一環で、あれこれ試した結果、次作『THE CARNIVAL BIZARRE』(1995年)はよりストレートで王道のハードロック路線を選ぶわけです。

アメリカでグランジ/グルーヴメタルが流行っていた中、イギリスからはCATHEDRALみたいな突然変異的バンドが登場していた。決して主流にはなれなかった音ではなるものの、当時の時代背景を考えると当時CATHEDRALが残した作品群は非常に興味深いものがあります。ぜひ「The Voyage Of The Homeless Sapien」1曲だけでもいいんで、聴いてもらいたいものです。

ちなみに、日本盤はさらにボーナストラック(日本未発売だった以前のEP収録曲など)を追加した、全9曲・70分超の大作となっております(笑)。



▼CATHEDRAL『STATIK MAJIK』
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投稿: 2017 09 20 12:00 午前 [1994年の作品, Cathedral] | 固定リンク

2017/09/19

CORROSION OF CONFORMITY『DELIVERANCE』(1994)

ノースキャロライナ出身のハードコア/メタルバンドCORROSION OF CONFORMITY(以下、C.O.C)が1994年秋に発表した、通算4作目(メジャー移籍1作目)のスタジオアルバム。マイク・ディーン(Vo, B)脱退後に加入した専任ボーカルのカール・エイゲルが唯一参加、そしてペッパー・キーナン(Vo, G)が初参加した前作『BLIND』(1991年)から3年ぶりの新作で、本作でマイク・ディーンが復帰。ペッパーが大半の楽曲でリードボーカルを担当しています(マイクも1曲のみボーカル担当)。

全14曲中でペッパーが単独で4曲、他メンバーとの共作で8曲とソングライティング面で大活躍。これによるものが大きいのか、前作までのハードコアとスラッジを融合させたようなサウンドが、今作ではよりレイドバック気味な方向に転換しています(とはいえ、前作の時点で今作への予兆は感じられたのですが、まさかここまで大きな舵取りをするとは当時誰も想像してなかったのではないでしょうか)。

どこかBLACK SABBATHを彷彿とさせるヘヴィロックサウンドは、良く言えば先のようにレイドバックした本格派に、悪く言えばオッサン臭くなった。ただ、この方向転換が功を奏し、バンドのキャリア上もっとも成功したアルバムとなりました。同じサバスからの影響という意味では、イギリスのCATHEDRALとの共通点もないことはないですが、そこまでの(良い意味での)“コピー感”は皆無。それよりもアメリカのバンドらしい“埃っぽさ”が全面に散りばめられているところに、このバンドの個性が感じられるのではないでしょうか。

そういう意味ではサバスほどの邪悪さや陶酔感は皆無で、カラッとしたサウンドがただひたすら気持ち良い。ストーナーロック的側面で語れば、ジョシュ・ホーミがかつて在籍したKYUSS、そしてのちに結成するQUEENS OF THE STONE AGEにも通ずるものがありますが、ペッパーの歌声のせいもあって、ブラックアルバム以降のMETALLICAとの共通点も感じられます。

そういえばC.O.Cの次作『WISEBLOOD』(1997年)にジェイムズ・ヘットフィールドがゲスト参加したり、逆にペッパーがMETALLICAの作品にゲスト参加したり、しまいにはジェイソン・ニューステッド脱退後のオーディションにベーシストとして招いたりと、METALLICAの面々にはよほど気に入られていたようですね(C.O.Cから影響を受けて、『LOAD』『RELOAD』がああいう作風になった、なんて話もあるくらいですし)。

ハードコアとメタルのクロスオーバーサウンドが楽しめるという点においては、前作『BLIND』のほうが評価が高いのかもしれませんが、現在まで続くこのバンドのスタイルを確立させたという意味では、本作『DELIVERANCE』は非常に重要な1枚と言えるでしょう。個人的にも本作と次作『WISEBLOOD』はかなり気に入っている作品です。



▼CORROSION OF CONFORMITY『DELIVERANCE』
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投稿: 2017 09 19 12:00 午前 [1994年の作品, Corrosion of Conformity] | 固定リンク

2017/09/18

PRONG『CLEANSING』(1994)

ニューヨーク出身のクロスオーバー(懐かしい響き……)/スラッシュメタルバンドPRONGが1994年初頭に発表した、通算4作目(メジャー3作目)のスタジオアルバム。前作までのマーク・ドッドソン(ANTHRAXSUICIDAL TENDENCIESMETAL CHURCHなど)から代わり、今作ではテリー・デイト(SOUNDGARDENPANTERADEFTONESなど)にプロデューサー変更。さらにベーシストが元KILLING JOKEのポール・レイヴンに替わったほか、新たにキーボーディストが加わり4人編成に。

とはいえ、スラッシュメタルを軸にしつつもどこか無機質でインダストリアル調のヘヴィサウンドは健在です。ヘヴィなリフとグルーヴィーなリズムが織り成す気持ち良さが最高なオープニング曲「Another Wordly Device」からスラッシーなファストチューン「Cut-Rate」まで、頭4曲の構成は圧巻の一言。そこからヒップホップの影響すら感じさせるミディアムテンポの「Broken Peace」、“もしBLACK SABBATHがインダストリアル調になったら”な表現がぴったりな「One Outnumbered」など、とにかく聴きどころの多い1枚です。

トミー・ヴィクター(Vo, G)のダミ声ボーカルは、PANTERAというよりもHELMETのそれに近く、スラッシュメタルのカラーを残しつつグルーヴ感を強調した作風からもHELMETと比較されることが当時は多かったように記憶しています。

しかし、こうやって今聴いてみると新加入のポール・レイヴンのカラーなのか、どこかKILLING JOKEにも通ずる点も多いんですよね。そういう意味では、最新のテイストを取り入れつつもバンドの原点へと接近していった“原点回帰にして新境地に突入した”意欲作と呼べるでしょう。本作があったから続く次作『RUDE AWAKENING』(1996年)にたどり着けたわけですしね。

PANTERAの大ブレイク以降HR/HMシーンの主流となりつつあった“モダンヘヴィネス”の流れを汲む、非常に気持ち良いノリと重さを兼ね備えた好盤にも関わらず、ここ日本ではさほど高い評価を得ることがなかった。HELMETのほうが先に成功を収めたしまったため、またメタル上がりだったことからPRONGは本国アメリカでもこれといった大成功を収められませんでした。とはいえ、本作は本国でもっとも成功したアルバムなんですよね(全米126位ながらも30万枚以上のセールスを記録)。バンドは『RUDE AWAKENING』リリース後に解散してしまいますが、2002年には早くも再結成。ここ数年は毎年のように新作をリリースしているので、興味を持った人は本作と『RUDE AWAKENING』あたりからぜひ手に取ってみてはどうでしょう。



▼PRONG『CLEANSING』
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投稿: 2017 09 18 12:00 午前 [1994年の作品, Killing Joke, Prong] | 固定リンク

2017/09/17

THERAPY?『NURSE』(1992)

北アイルランド・ベルファスト出身のトリオバンドTHERAPY?による、1992年秋発売のメジャー1stアルバム。1991年後半と1992年前半にそれぞれミニアルバム『BABYTEETH』『PLEASURE DEATH』をインディーズから発表し、のちにメジャーのA&Mと契約し、リリースされたのがこの『NURSE』というフルアルバムになります(『BABYTEETH』『PLEASURE DEATH』の2作品に収録された全楽曲は、のちに北米地区で『CAUCASIAN PSYCHOSIS』と題したコンピレーションアルバムとしてリリース)。

『BABYTEETH』や『PLEASURE DEATH』で展開された「オルタナインディロックとインダストリアルメタルをミックスしたサウンド」「カンカン鳴るメロタムの音と反復するパーカッシブなリズム、それに合わせてシークエンスされるギターリフ」「無機質だけど、どこかエモーショナルなメロディ」といった要素が、本作ではより強まっており、それが早くもこのバンドの個性として確立されつつあることが伺えます。オープニングを飾る「Nausea」はもちろんのこと、続くシングルヒット曲「Teethgrinder」はまさにそのもっともたる1曲と言えるでしょう。

かと思えば、次作『TROUBLEGUM』(1994年)以降その色合いがより強まっていく、ダークでひんやりとしたミディアム/スローのエモーショナルな要素が「Gone」あたりから感じられ、メジャーデビュー作の時点で“今後の大変貌の予兆”が散りばめられています。特にチェロを導入した叙情的な「Gone」、ダブのテイストを取り入れつつもどこかダークな「Deep Sleep」あたりはJOY DIVISIONに通ずるカラーがあり、このバンドがどこから生まれ、どこに向かっていこうとしているかが何となく理解できるのではないでしょうか。

ヘヴィなギターリフなメタリックな曲調が一部混在していることから、どうしてもHR/HMの流れを組むバンドと認識されそうですが、どちらかと言えば同時代にアメリカで勃発したグランジムーブメントに対するヨーロッパからの返答だったのでは……なんて言ってしまっては大袈裟でしょうか。残念ながら、彼らに続くような個性的なバンドがそこまでおらず、時代はもっと肉感的なダンスミュージック(マッドチェスターなど)へと接近。続くブリットポップにもかすらなかったものの(だからMANIC STREET PREACHERSTHE WiLDHEARTSといったバンドと共闘したのも頷ける話)、次作『TROUBLEGUM』を機にチャート的にも成功を収めるので、まぁよかったのかなと。



▼THERAPY?『NURSE』
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投稿: 2017 09 17 12:00 午前 [1992年の作品, Therapy?] | 固定リンク

2017/09/16

FOO FIGHTERS『CONCRETE AND GOLD』(2017)

FOO FIGHTERS待望のニューアルバムが昨日リリースされました。本作は2014年11月発売の8thアルバム『SONIC HIGHWAYS』から3年ぶりに発表される新作で、THE BIRD AND THE BEEのメンバーにして、シーアやアデル、P!NK、リリー・アレンなどポップス系プロデューサーとしても知られるグレッグ・カースティンと共同制作したもの。それ自体がすでに実験なのに、本作は事前に“MOTORHEAD meets『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』”などと比喩されていたもんですから、そりゃあ期待が高まるってものですよ。

かなり早い段階で本作からの先行シングル「Run」が公開されていましたが、この1曲のみではその真偽は確認できず。で、リリースに先駆けて雑誌レビュー用にこのアルバムを聴くことができたので、今日はその際のメモを元に全曲解説をしていけたらと思います。


M1. T-Shirt
ギター弾き語りかと思いきや、大袈裟でスケールの大きなバラードへと変化。1分半程度の短い曲で、どこかQUEENのアルバムを彷彿とさせる。

M2. Run

1曲目から間髪入れずに突入。じわじわと盛り上がる構成と、ヘヴィかつグルーヴィーなサウンド&アレンジに新たな可能性も。とにかくスケールが大きい1曲。

M3. Make It Right [ジャスティン・ティンバーレイク参加曲]
「Run」同様グルーヴィーな楽曲だが、こちらはリズムの1音1音がとにかく重い。コーラスの入れ方が非常にポップで、単なるハードロック/ヘヴィロックバンドにはできない取り組みでは? リズムの抜け感、エフェクトのかけ方もインパクトが強く個性的。

M4. The Sky Is A Neighborhood [アリソン・モスハート参加曲]

“ヘヴィロック版ジョン・レノン”みたいな、強いサイケ感を持つミディアムヘヴィナンバー。ストリングスの入り方、コーラスの重ね方が非常にキャッチー。と同時に、音の抜き方、空白の使い方などアレンジが絶妙。

M5. La Dee Da [アリソン・モスハート参加曲]
歪みまくったベースによるイントロが、どこかQUEENS OF THE STONE AGEっぽい。ヘヴィなガレージロックかと思いきや、ピアノの音色やキャッチーなメロディが合わさることで気持ちよさ急増。拍の取り方が倍になる(テンポが速くなる)と、一気にハードコア感が増す。ここまで実験的要素が強く、ひたすらヘヴィなのにしっかりポップさが保たれているのがFOO FIGHTERSらしいのか、それとも今作のプロデューサーの手腕によるものなのか。

M6. Dirty Water [イナラ・ジョーンズ参加曲]
いきなり爽やかな曲調に(笑)。どこかボッサ調でもあり、ファルセット+オクターブ下の地声で歌う優しい声が耳に残る。複数のコーラスが重なることで生まれるハーモニーの心地よさに驚かされる瞬間も。FOO FIGHTERSらしいのに今までにないような感触もあり……と思ったら、後半でしっかり激しくなる攻めの1曲。女性コーラスが入る(M4〜6)ので、歌の豊かさはこれまで以上では。

M7. Arrows
メロディの流れ、コードの使い方に80年代ハードロック的カラーが。すごくストレートなメロディアスHR。が、どこかビートルズ的でもあり。5thアルバム『IN YOUR HONOR』(2005年)で試した実験の延長線上?

M8. Happy Ever After (Zero Hour)
後期ビートルズ(主にポール・マッカートニー)がやっていたようなアコースティックナンバーのFOO FIGHTERS的解釈。攻めまくりのアルバム前半と、この曲以降の流れのコントラストが素敵すぎ。

M9. Sunday Rain [ポール・マッカートニー参加曲]
完全にビートルズ(笑)。ジョンぽくもありポールぽくもあり、でもジョージぽくもある(笑)。そんな1曲でポール本人がドラムを叩くのも興味深い。テイラー・ホーキンスのボーカルもどこかポールに似てる(意識して真似てる?)。

M10. The Line

前曲のアウトロ?この曲のイントロ?のジャジーなピアノからダークな歌い出し。が、全体を覆うアンセム感がさすがの一言。どんなにアンダーグラウンドな方向に進もうとしても、デイヴ・グロール持ち前のポップネストプロデューサーの仕事ぶりでうまく調和されてしまうのは、もはやこのバンド最高の強みでは。

M11. Concrete And Gold [ショーン・ストックマン参加曲]
ダウナーなヘヴィバラード。どこかNIRVANA時代を思い浮かべてしまう1曲。かと思えば壮大なコーラス&ハーモニーがかぶさり、まるでQUEENの現代的解釈のようでもある。NIRVANAっぽいとはいえ、どこかポジティブさに満ちている気も。これこそデイヴの人柄そのものなのでは。ある種、このアルバムにおける究極の1曲。


以上となります。

確かに本作には“MOTORHEAD meets『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』”的なカラーが満載でした。が、個人的には“LED ZEPPELIN+MOTORHEAD×『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』”が正解なのではないかと思います。単なるハードコア(MOTORHEAD)で終わらず、しっかり大衆性を持った王道ハードロック(LED ZEPPELIN)のカラーも維持しながら、新たな実験にも挑んでいる(『SGT. PEPPER'S〜』)。実験要素は足し算ではなく、今回は掛け算なのかなと思いこういう表現をしてみました。

と同時に、これは矛盾するかもしれませんが……本作は“引き算のアルバム”でもあるなと感じました。それはプロデュース方法によるものが大きいのかもしれませんが、音数が多いにも関わらず、しっかり“抜き”の技術が多用されている。そのバランス感が本当に絶妙で、過去のFOO FIGHTERSのアルバムにはなかったものじゃないかと思うのです(これまでも“抜き”はあったけど、それは0か100かくらい大きなものとして使用されていたように思います)。

発売後改めて何度か聴いてみて思ったのは、もしかしたらFOO FIGHTERSは80年代以降のQUEENみたいな存在になろうとしているのではないか、あるいはそうなれるのではないかということ。それくらい大衆性とアーティスティックな実験要素を両立させながら、どんどん大きくなっているんだから。今、周りを見渡してもこんな“ハードロック”バンドなかなかいませんよ。

デイヴのソロプロジェクトから始まったこのバンドが、スタートから20数年でここに到達するとは……ただただ驚きです。そして、こんなアルバムだからこそロック低迷の今、バカ売れしてほしいと願っております。



▼FOO FIGHTERS『CONCRETE AND GOLD』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / iTunes

投稿: 2017 09 16 12:00 午前 [2017年の作品, Foo Fighters, Paul McCartney] | 固定リンク

2017/09/15

R.E.M.『AUTOMATIC FOR THE PEOPLE』(1992)

1992年秋発表の、R.E.M.通算8枚目のスタジオアルバム。前年春にリリースした前作『OUT OF TIME』が初の全米1位を獲得し、ノリにノッている状況で1年半という短いスパンで発表された本作。『OUT OF TIME』がポップな作風だったこともあり、当初次作ではロック色の強い作品を想定して、前作完成からすぐにセッションに取り掛かったそうですが、実際に完成したものは一聴すると非常に内向的なもの。先行シングルにしてオープニングトラックの「Drive」を最初に聴いたときは、正直「……暗っ!」と若干引いたことを覚えています。

そう、“暗いアルバム”というのが『AUTOMATIC FOR THE PEOPLE』に対する第一印象。ロック色の強い作品は2年後の『MONSTER』(1994年)まで待つことになりますが、本作は本作で表層的には暗いんだけど、実は非常に優しくて温かいアルバムなんですよね。

アメリカの音楽シーンはちょうど1年前にNIRVANAPEARL JAMがメジャーデビューを果たし、数ヶ月後に大ヒット。すでに本作がリリースされる頃にはグランジが一大ブームとなっていた時期でした。また情勢的にも湾岸戦争以降の不況、アメリカ大統領選挙(1992年)など時代の変わり目でもあったわけです。

そんな中でR.E.M.がこのアルバムでテーマとして選んだのが「死」や「絶望」といった一見ネガティブなもの。しかし、彼らはそのテーマを最終的に非常に前向きで、「生」へとつないでいくわけです。ポジティブに背中を押す楽曲もあれば、逆説的に生の尊さを伝えようとする楽曲もある。傷つきながらも現実から目をそらさず、希望を捨てず、生きることを諦めない。ラストナンバー「Fined The River」にたどり着く頃には、その答えが聴き手の心の中にそれぞれ見つかるんじゃないかと思います。

だからこそ、「Everbody Hurts」という曲の歌詞がより強く響く。楽曲単位でも素晴らしいナンバーですが、このアルバムのテーマに沿って聴くことで、その意味はより深いものに感じられるはずです。そして終盤……「Man On The Moon」「Nightswimming」「Find The River」の流れは圧巻の一言。この時代だったからこそ成し遂げることができた、珠玉の楽曲構成ではないでしょうか。

アコースティック楽器を多用していたり、ストリングスを全面的に導入したり(ジョン・ポール・ジョーンズがオーケストラアレンジを担当)とソフトな面が印象に残る作品ですが、実はものすごく“力強い”アルバムだと思っています。R.E.M.のアルバム中もっとも好きな1枚です。



▼R.E.M.『AUTOMATIC FOR THE PEOPLE』
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投稿: 2017 09 15 12:00 午前 [1992年の作品, Led Zeppelin, R.E.M.] | 固定リンク