2017/06/15

ROLLING STONES『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』(1967)

本家のリリースから遅れること約半年、“ストーンズ版『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』”として1967年12月に発表されたのが本作『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』です。いや、別にストーンズ側はそう呼んでませんけどね。

ブルースやR&Bをベースにしたライブ中心の音楽性ながらも、60年代後半に突入するとスタジオワークにも興味を示し始め(それがビートルズの後追いだったのかどうかは別として)、その集大成として制作されたのが本作。ビートルズ同様、本作からのシングルカット曲は一切なく(USなどでは「She's A Rainbow」がシングル化)、作風もサイケデリック色を強めた、およそ“我々の知るストーンズらしくない”内容。

しかし、これが聴けば聴くほどクセになる代物でして。正直、10代後半で初めて聴いたときはその良さにまったく気づけませんでしたが、今ではなぜか定期的に聴きたくなる1枚。無駄にゴージャスな「Sing This All Together」を筆頭に、ビル・ワイマン(B)が歌う(ラストのいびき含め)牧歌的な「In Another Land」、のちにKISSもカバーした「2000 Man」、のちにLED ZEPPELINに加入するジョン・ポール・ジョーンズがストリングス編曲を手がけた名曲「She's A Rainbow」、1989年の『STEEL WHEELS TOUR』でライブ初演奏された「2000 Ligh Years From Home」、明らかにビートルズを意識したであろう「On With The Show」など良曲多し。無駄にサイケなミックスの「The Lantern」あたりもなかなかの出来ですしね。

で、本作でもっとも問題作なのがアルバム中盤に登場する、8分以上にもおよぶ「Sing This All Together (See What Happens)」。生演奏によるコラージュ的楽曲で、サイケさとストーンズ本来が持つ野性味あふれる暴力性に満ちた大作……ということはなく、ビートルズにおける「Revolution 9」並みに難解です。アルバムのど真ん中にこんな難所を用意するなんて、ストーンズめ……(個人的にも3回に1回は飛ばしています)。

ということで、非常に評価が分かれるアルバムだと思いますし、これを真っ先に聴くぐらいだったら、60年代末から80年代半ばまでのアルバムを全部聴いたほうがいいと思います。それでも、「ほかの作品も聴いてみたい!」と思うのなら、積極的にオススメはしませんが話のネタとして聴いてみるのも良いかもしれません。



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投稿: 2017 06 15 12:00 午前 [1967年の作品, Rolling Stones] | 固定リンク

2017/06/14

THE BEATLES『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』(1967/2017)

THE BEATLESが今から50年前の1967年5月26日(UK。USでは6月2日)にリリースした、通算8枚目のオリジナルアルバム。前年をもってライブ活動を停止した彼らが、ライブでの披露を前提とせず、ひとつのスタジオ作品としてとことん作り込んだ最初の作品が本作でした。

……なんて説明は今さらいりませんよね。

思えばビートルズの諸作品が初CD化されたのが、本作がリリースされてから20年後の1987年。それ以前は当然のようにアナログ盤だったわけで、今みたいに「これが正規のオリジナルアルバム」という概念が国によって異なったり、アルバム未収録のシングル曲を集めた編集盤がたくさん出ていたりで、正直どれから聴いていいかわからなかったというのが中学生時代の自分。結果、オリジナルアルバムではない編集盤を最初に手に取ったわけですが、高校に入ったと同時にこのCD化。当然周りの自称・ビートルマニアな友人から『PLEASE PLEASE ME』や『WITH THE BEATLES』のCDを借りて、カセットにダビングして聴いていたのです。

で、ちょうど夏くらいにこの『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』がようやくCD化。当時の音楽誌などで「ビートルズの最高傑作」なんて触れ込みもあり、最初に買うならこれにしようと、夏休みのバイト代から本作を購入。つまり、僕が初めて購入したビートルズのCDが本作だったわけです。

いわゆるヒットシングル皆無、初期の「She Loves You」や「Help」とも違うし、「Yesterday」や「Let It Be」ともちょっと違う。今ならサイケデリックがなんちゃら〜と言語化できるけど、あの当時は「Lucy In The Sky With Diamond」の浮遊感も「Within You Without You」のインドっぽさも、どこかコミカルな「When I'm Sixty-Four」の魅力にも、そしてラストの「A Day In The Life」のすごさも理解できておらず。ただ、オープニングの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」のガレージロック感?にはカッコ良さを見出し、そこを何度もリピートしていたものです。

その後、何度も聴き返すうちにメロディが頭に入ってきて、気づいたらアルバムをまるごとリピートして聴き返していた。けど、周りのロック仲間には勧めることなく、ひとり家で聴いていた……そんなアルバムでした。

初版のCDは今でも家にあるし、その後の最新リマスター盤も購入。そしてつい先日、本作の最新ステレオミックス盤+未発表テイクからなる50周年記念エディションも発売。つまり、初めて聴いてから30年近くもの歳月が流れたわけです。ひぃ。

最初のリマスター盤のときにも音の分離の良さに驚かされましたが、今回はそれに加えて低音がかなり効いたミックスに。ドラムとベース(特にバスドラの鳴り)の質感・バランスがより現代的になったことによって、とても50年前の音とは思えない仕上がりに変わったように感じました。「A Day In The Life」冒頭のアコギの繊細な鳴りなんて、すごく今っぽいしね。

と同時にこのアルバムの音、現代のテクノロジーで真似ようと思っても再現できないんじゃないだろうか……と思わせられる、改めて奇跡の音なんじゃないかなと久しぶりに聴き返して実感しました。

僕が購入したのは、2枚組仕様のほう。さすがに“ハコ”のほうは断念しました。ディスク2にはアルバムの未発表テイクをたんまり収録。『ANTHOLOGY』シリーズの延長として楽しみましたが、どういう過程を経て完成品となっていくのかが伺えて、それはそれとして面白かったです。音もスタジオ盤より生々しさが強まっていて、個人的には好み。ですが、もちろん万人にはオススメしませんけど。

あと、ラストに収録されている「Strawberry Fields Forever」(こちらは2015年発売『THE BEATLES 1』リマスター盤のステレオミックス)と「Penny Lane」(こちらは最新ステレオミックス)はやっぱり素晴らしいと思います。『THE BEATLES 1』リマスター盤は今でもよく聴いてますが、今後もこの『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』デラックス盤とあわせて聴き続けることでしょう。というか、聴き続けます。はい。

と、今回はほぼ思い出話でお届けしました……。



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投稿: 2017 06 14 12:00 午前 [1967年の作品, 2017年の作品, Beatles, The] | 固定リンク

2004/10/09

とみぃ洋楽100番勝負(51)

●第51回:「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」 THE BEATLES ('67)

 そうそう、俺が高校1年の時に初めてBEATLESの全オリジナルアルバムが初CD化されたんだよね。CDってものが普及し始めてきて、このCD化が切っ掛けで更に一般的になっていったような‥‥CDラジカセなるものが普及し出したのも、多分この頃からだったんじゃなかったっけ? よく身の回りに「CDラジカセ+BEATLESのCD」っていう組み合わせ、多かったし。

 んで、'87年の春頃から毎月2枚くらいずつ、ファースト「PLEASE PLEASE ME」辺りからCD化されてくんですが‥‥夏頃かな、このアルバムがリリースされたのって。凄いインパクトだったんでよく覚えてるよ。だって、俺が初めて買ったBEATLESのCDがこれだから(次が「PLEASE PLEASE ME」)。シングルになったような超メジャー曲は一切入ってない、決して最初に手を出すような代物ではなかったんだけど(ま、それまでにBEATLESはベスト盤とかで知ってたけどね)、妙に「発売25周年記念で初CD化!」みたいな煽り文句にやられてね‥‥今じゃ全然珍しくない紙サックケースと別冊ブックレットが凄く豪華に映ってね。

 ‥‥で、このサイケな世界にわずか16才の俺はやられちゃうわけですよ。そりゃまぁ、その前にLED ZEPPELINとかジミヘン辺りでそういった世界に魅せられてたってのもあるんだけど、その究極型でしたね、これは。アルバム1枚まるごとで1曲みたいな作りだし、所謂「コンセプト・アルバム」ってものを聴いたのもこの時が初めてだし。プログレに魅せられるのはもうちょっと後だしね。

 けどさ。それ以上に衝撃だったのが‥‥BEATLESってこんなにカッコいいロックンロールバンドだったんだ、ってことを認識できたことかな。このアルバム冒頭の1曲目のカッコいいことといったら‥‥俺がその後、グラムとかそういった方面に進んでいくのは、もしかしたらこのアルバムの影響も強いのかもしれないね。それくらいこの頃の俺にとって重要な1枚。少なくとも、「ABBEY ROAD」とか「REVOLVER」を聴くまでは、これがBEATLESの最高傑作だと信じて疑わなかった程だから。



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投稿: 2004 10 09 12:00 午前 [1967年の作品, Beatles, The, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック