2003/11/07

BLACK SABBATH『MASTER OF REALITY』(1971)

BLACK SABBATHが1971年8月にリリースした3作目のオリジナルアルバム、『MASTER OF REALITY』。サバス自体がその後誕生するいろんなジャンルのロックにおけるルーツ的役割を果たしているわけだけど、特にこのアルバムや続く4作目『VOL.4』はグランジだとか、後にストーナーロックと呼ばれるようになる特殊なメタル、90年代以降のラウドロックの教科書/お手本になっていると言えます。知名度からいえばセカンド『PARANOID』なんでしょうけど、やはり個人的にはこの『MASTER OF REALITY』と『VOL.4』、そして5作目『SABBATH BLOODY SABBATH』をロック教則本に認定したいですね。

オジー・オズボーンの咳払い(マリファナでむせた咳払い、と言われていますが‥‥)からスロー&ダーク&ヘヴィスタートするこのアルバム、頭から名曲目白押し。いきなりミドルヘヴィな「Sweet Leat」でどんよりした空気を作り、サバスの歴史の中でも比較的ポップでキャッチーな路線に入る「After Forever」(そういえば昔この曲、バンドでカバーしたっけ。BIOHAZARDがカバーしたバージョンで)、トニー・アイオミによる30秒程度のインストナンバー「Embryo」は続く「Children Of The Grave」への序章で、かなりいい感じで盛り上げてくれます。そしてその「Children Of The Grave」。とにかくカッコイイ。曲のバックで鳴ってるパーカッションの音がまたいい雰囲気を作ってて‥‥オジーがソロになってからのライヴテイク(特にランディ・ローズ在籍時のテイクね)もカッコよかったけど、個人的にはサバスのオリジナルテイクの方が全てにおいて勝ってると勝手に思い込んでます。リズムのモタリ方とか、ギターのリフの刻み方、ちょっとしたリズムの取り方とか、全てにおいてツボ。完璧過ぎですよ。

そして後半戦は1分半程度のインスト曲「Orchid」で再スタート。アコースティックギターによる中世的でクラシカルな雰囲気がこのアルバムの世界観を更にハッキリしたものに仕立て上げてくれてます。それに続くはまたまたミドルヘヴィな「Lord Of This World」。テンポが変わる瞬間のカッコよさといったらもう‥‥そんな混沌とした世界を更に深いものにしてくれるのが、続く「Solitude」。クラシックとブルーズの融合とでもいいましょうか、とにかく暗黒の世界をそのまま音に表現したかのようなこの曲、サバスのスローナンバーの中でも俺内で1~2を争う程好きなんですよ。絶対にマリファナなりドラッグなりをキメて作ったであろうこのサウンド、後ろでなるいろんなエフェクト音、そして独特なフルートの音色。全てが「あっち側の世界」といった印象。オジーの抑えた歌い方もまた良いし。そんな静寂を引きちぎるかのようにスタートするヘヴィリフ。アルバムラストを飾るのは名曲中の名曲、「Into The Void」。とにかくこのアルバム、頭とケツのヘヴィさといったらパンパじゃないですよ。勿論サウンド的にいったらこれよりももっとヘヴィなサウンドはこの世にいくらでもあるんでしょうけど、音だけでなくアルバム全体に散りばめられたヘヴィさ、世界観であり空気感であり、音の隙間であり息づかいであり‥‥全てがヘヴィ一辺倒でこの『MASTER OF REALITY』を超える作品は、そうはないと思いますよ。

そういった面からこのアルバムがロック教則本として用いられているんでしょうね。METALLICAやPANTERA、カート・コバーンやビリー・コーガン、そしてMOGWAIのようなバンドまでもがサバスを愛するのは、こういった理由からなんじゃないでしょうか? もしあなたがまだサバスのアルバムに一度も触れたことがないというのなら、悪いことは言いません。まずはこのアルバムからスタートしてみましょう。



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投稿: 2003 11 07 12:00 午前 [1971年の作品, Black Sabbath, Ozzy Osbourne] | 固定リンク