カテゴリー「1972年の作品」の6件の記事

2019年6月26日 (水)

THE ROLLING STONES『EXILE ON MAIN ST.』(1972)

1972年5月に発表された、THE ROLLING STONES通算10作目(イギリスで。アメリカでは12枚目)のスタジオアルバム。前作『STICKY FINTERS』(1971年)から1年1ヶ月という短いスパンで届けられた、全18曲入りの2枚組アルバム(CDでは1枚)は引き続き全英/全米1位を獲得。「Tumbling Dice」(全英5位/全米7位)、「Happy」(全米22位)というヒットシングルにも恵まれました。

ミック・テイラー(G)加入後2作目に当たる本作はジミー・ミラーを再度プロデューサーに招き、ロンドンやロサンゼルス、フランスなどでレコーディングを敢行。曲によっては1969年頃から存在するものが含まれていたり、音楽的にもロックンロールやブルース、カントリー、ソウル、ゴスペル、ハードロックなどさまざまなサウンドが感じられることから雑多な印象も強い作品集でもあります。

その「ストーンズ流ロックの見本市」みたいなアナログ2枚組(彼らにとっては初の試みでした)はリリース当初こそ評価は高くなかったようでした。が、僕が洋楽ロックを意識的に聴き始めた中学生時代にはすでに「70'sストーンズの最高傑作」みたいな高評価を獲得しており、僕自身もそういう認識で本作と初めて接した記憶があります。

最高傑作かどうかは別として、確かにいろんなタイプの曲が含まれていてお得感があるし、1曲はひっかかる佳曲が存在する。けど、殺傷力としては前作『STICKY FINTERS』のほうが上じゃない?と感じたのもまた事実。アルバムとしてのまとまりという点においても、確実に前作のほうが上ですものね。

しかし、聴き込めば聴き込むほどにいろんな魅力が見えてくるのが、この『EXILE ON MAIN ST.』なのかなと。それくらいクセになるスルメ的アルバムと言えるんじゃないでしょうか。

とにかく、力みすぎていないのが良い。しかも1曲1曲がコンパクト。だから、18曲も収録されているのに聴く側のこちらも終始リラックスして楽しめる。そこが良し悪しあるとは思いますが、僕としてはこういう楽しみ方ができるストーンズのアルバムも良いんじゃないかと思っています。

それは、60年代末の『BEGGARS BANQUET』(1968年)から始まったアメリカ南部への傾倒に対する最終結論のようでもあり、いろいろ遊びまくった結果でもあるのかなと。それがこのリラックス感にもつながっているのかもしれませんね。

そういえば、この時期はメンバーの多くがドラッグ癖でだいぶひどい状態だったと聞きます。この「軸はあるのに雑多」な方向性はそういった当時の環境も大きく影響しているのでしょうか。そこも含めて、歴史的資料価値の高い1枚と言えるかもしれません。

ちなみに、本作は2010年に未発表テイクを追加したデラックス盤が発売済み。こちらは一部楽曲に追加レコーディングが行われたという話もあり、新曲としても十分通用する未発表曲があったりと、なかなかの内容です。それもあって、再発ながらも全英1位/全米2位を記録しています。こちらもオススメです。

 


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2019年4月29日 (月)

DEEP PURPLE『MACHINE HEAD』(1972)

言わずと知れたDEEP PURPLE初期の代表作。1972年3月に発売された通算6作目、イアン・ギラン(Vo)、リッチー・ブラックモア(G)、ジョン・ロード(Key)、ロジャー・グローヴァー(B)、イアン・ペイス(Dr)という第2期布陣での3作目にあたる1枚です。全英1位のみならず、全米7位という数字も残しており、続いて発売されたライブアルバム『MADE IN JAPAN』(1972年)のヒットも手伝って、「Smoke On The Water」が全米4位まで上昇するヒットシングルとなりました。

『DEEP PURPLE IN ROCK』(1970年)と並んで、初期パープル(第2期)を象徴する1枚と捉えられている本作は、オープニングの「Highway Star」や先の「Smoke On The Water」をはじめ、大作「Lazy」やライブ終盤を盛り上げる「Space Truckin'」などおなじみの楽曲が目白押し。ほとんどの楽曲がライブで取り上げられる機会が多いし(2004年には全曲披露ライブも実施)、それこそ中高生の頃から聴き続けている自分にとってはギターやドラム、キーボードのちょっとしたフレーズまで“口コピ”できるほど体に刷り込まれた名盤でもあるわけです(それこそ「Pictures Of Home」のベースソロ含め)。

アグレッシヴなシャウトとクラシックの要素を取り入れたソロプレイとの対比が面白い「Highway Star」から始まり、ヘヴィでルーズな「Maybe I'm A Leo」、独特なグルーヴ感を持つ「Pictures Of Home」、シングルカットもされたキャッチーな「Never Before」というアナログA面の流れは本当に“これしかありえない!”ってほどに完璧なものだし、「Smoke On The Water」から始まりトリッピーな長尺チューン「Lazy」から「Space Truckin'」へと流れるB面の構成も文句なし。本当、これしかあり得ないんですよね。

どの曲もブルースをベースにしたものですが、そのメロディは非常にポップ。そして、それらをより親しみやすくしているのが、ギターやオルガンによるメインリフのキャッチーさ。その相乗効果から生まれる聴きやすさは、本作最大の武器と言えるでしょう。

また、楽器を演奏する者にとっては基本的なプレイはもちろんのこと、要所要所で飛び出す個性的なフレーズは非常に勉強になるものが多く、ハードロック云々ではなくロックプレイとしての教科書的な内容でもあると思うのです。それはボーカルにしても然りで、これだけパワフルに歌えたら、シャウトできたらと何度思ったことか……。

あまりに名盤すぎて本当に書くことがない……ってくらい、「黙って聴け!」と胸ぐら掴みたくなる。そんな文句なしの1枚。難しいことは考えず、じっくり楽しんでほしいと思います。

 


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2019年1月 9日 (水)

ROXY MUSIC『ROXY MUSIC』(1972)

1972年初夏に発表された、ROXY MUSICの1stアルバム。当時のメンバーはブライアン・フェリー(Vo, Piano)、ブライアン・イーノ(Synth)、アンディ・マッケイ(Sax)、フィル・マンザネラ(G)、ポール・トンプソン(Dr)。レコーディングにはグラハム・シンプソン(B)の名前があるものの、同時すでに正式メンバーではなかった、という話も。プロデュースを手がけたのはKING CRIMSONで作詞を担当していたピート・シンフィールドで、これは当時の所属レーベルがクリムゾンと同じE.G. Recordsだったことが大きく影響しています。

それもあってか、本作にはプログレッシヴロックの香りもちらほら感じられます。7分前後もある「If There Is Something」や「Sea Breazes」、「2HB」なんてまさにそれですよね。サックスを含む編成というのも、初期クリムゾンに通ずるものがありますし。

ところが、ご存知のとおり初期の彼らはグラムロックの範疇で語られることが多い。それは当時のファッションだったり、デヴィッド・ボウイの前座としてツアーを回ったりなど、そういったことも大きく影響しているのでしょう。いや、楽曲自体にもその香りはたっぷり感じられますけどね。

デビューシングル「Virginia Plain」からして“そっち側”だし、アルバムのオープニングを飾る「Re-Make/Re-Model」も同じく。「Chance Meeting」や「Would You Believe?」の耽美さなんて、疑いようがないほどにグラムロックのそれですからね。そりゃ仕方ないですわ。

ただ、このバンドを単なるグラムロックやプログレの枠で括れないものにしているのが、ブライアン・イーノの存在。奇抜なビジュアルはもちろん、その奇抜なサウンドメイキングは間違いなく本作を特別なものに昇華させています。楽曲単位で普通にカッコいいと思っていると、突如耳に飛び込んでくるヘンテコな音……これがまたクセになるんですよね、不思議と。だからなのか、イーノ脱退後の後期ROXY MUSICを聴くと至極真っ当なバンドに思えてしまう。まあ、彼の脱退と引き換えに、バンドは大成功を収めるわけですが。

実はROXY MUSICって20代までは全然良さがわからなかったバンドのひとつなんです。リアルタムではすでにブライアン・フェリーは伊達男なソロシンガーでしたし、最初に手にしたアルバムが『AVALON』(1982年)でしたから。映画『ヴェルヴェット・ゴールドマイン』を通じて、ちょっとだけ初期に触れたものの、あまりピンと来ず……結局、さらにいい大人になってから改めて聴いてどハマりしたという。きっと今みたいにサブスクリプションサービスがあったら、20年前にどハマりしてたのかな……わからないけど。

そもそもボウイも好き、クリムゾンも好き、なんならBOØWYや布袋寅泰も好きな時点でこの頃のアルバムにハマらない理由はないんですけどね。そういった意味では、本作が一番思い入れがあるんですよ。なんでこれに20年前気づかなかった、俺よ。うん、世の中いろいろです。



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2018年7月23日 (月)

BLACK SABBATH『VOL.4』(1972)

1972年9月に海外で発表された、BLACK SABBATH通算4作目のオリジナルアルバム。前作『MASTER OF REALITY』(1971年)は素晴らしい作品でしたが、全8曲で歌モノが6曲(残り2曲のインストもそれぞれ30秒、1分半程度の短尺)でトータル34分という、それ以前の彼らの作品と比べれば短いもので、急ごしらえで発表した感も拭えませんでした。すでにこの頃から、オジー・オズボーン(Vo)などメンバーのドラッグ癖が悪化していたのも関係していたのでしょう。

当然、この4作目の制作期間も決して良好なものだったわけではなく、そういったドラッグの影響は作られる楽曲やサウンドにも少なからず影響を与えています。

本作は全10曲収録、うち2曲がインスト(それぞれ2分、3分を欠けるものの単独の楽曲として成立する長さ)。トータルで42分程度と『MASTER OF REALITY』以前のボリュームにまで復活。その中身に目を向けると、バンドとして変化を求め始めた時期だったのかな……と感じます。

オープニングの「Wheels Of Confusion」は8分にもおよぶ大作で、展開に次ぐ展開でとにかくスリリング。初期からの大作志向がここで完成したかのような印象すら受けます。とにかくカッコいい。

比較的キャッチーな「Tomorrow's Dream」があったかと思うと、オジーが朗々と歌うピアノバラード「Changes」でびっくり。文字どおり、本当に変化を求めていたんでしょうね。ただ、そこに体も気持ちも付いていけないメンバーもいたりして、なかなかうまくいかない。そんな時期だったのかなと。

実験的なインスト「FX」に続くのは、グルーヴィーかつダンサブルなヘヴィロック「Supernaut」。このリフとリズムが一丸となる感じがとにかく気持ちいい。かと思えば、王道のサバス流ヘヴィロック「Snowblind」や「Cornucopia」もある。「Snowblind」はこれぞドラッグソングと断言できる1曲ですね……。

トニー・アイオミ(G)のアコースティックプレイを存分に堪能できるインスト「Laguna Sunrise」で小休止したあとは、サバスにしては珍しい陽気なイントロを持つ「St. Vitus' Dance」。どことなくストレートなロックンロール風で、ここらへんも新境地と言えるのでは。そしてラストは、ドゥーミーさとグルーヴィーさが融合したヘヴィチューン「Under The Sun」で締めくくり。

サバス本来の“らしさ”を維持しつつも、バンドとしてもっと幅を広げようとする努力が垣間見られる、そんな1枚ではないでしょうか。前作『MASTER OF REALITY』や本作を指して「もっともサバスらしい作品」なんて声も少なくもないですし、中には大ヒット作の2ndアルバム『PARANOID』(1970年)や原点的なデビュー作『BLACK SABBATH』(1970年)のほうが「らしい」という声もあるでしょう。ただ、個人的にはこの初期4枚にオジー時代のサバスの“すべて”が詰まっている……そう思っているのですが、いかがでしょうか。



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2004年6月 4日 (金)

頭脳警察『頭脳警察セカンド』(1972)

  言うまでもなく、日本のロック史に残る名盤のひとつ。海外でLED ZEPPELINやROLLING STONESが大暴れしてる頃に、既に'72年に頭脳警察みたいなこんなにもカッコいいロックバンドがここ日本にもいたという事実、これを忘れちゃいけないと思う。確かにまだこの時点では『ロック前夜』だったのかもしれないけど、確実にその芽はすくすくと育っていたんだからさ。

  三億円事件のモンタージュ写真をジャケットに用いたファーストアルバムが発売禁止になった後、すぐに制作されたのがこのセカンドアルバム。ファーストがライヴ音源だったことを考えると、初めてのスタジオ作品という意味でこのセカンドこそが本当の意味でのファーストアルバムと見ることもできるけど、やはりあの衝撃的なファーストがあったからこそ、このセカンドが活きるんだろうなぁ、という気も。

  オープニングのブリブリいうベース、続いてリズムインするドラムとギターリフを聴いてお判りの通り、このアルバムはフォークアルバムではなく、しっかりとしたロックアルバム、いや、ハードロックアルバムなんですよね。時代がそういう方向に向かっていたってのも影響してるんでしょうけど、彼らの攻撃的で、それでいて感傷的に染み入る歌詞を考えると、こういうストレートな表現方法が一番合ってるように思います。ファーストで既に披露されていた "銃をとれ!" は地を這うようなヘヴィロックに生まれ変わってるし、更に "マラブンタ・バレー" とのメドレーになってたりして新鮮さを我々に与えるし、トシのパーカッションが激しいグルーヴィーなヘヴィロック "軍靴の響き"、後に内田裕也の持ち歌みたいになってしまったシンプルなロックンロール "コミック雑誌なんか要らない"、同じくファーストでも披露されていたフォークロック調の "暗闇の人生"、ファンキーな色合いも見せるヘヴィブルーズ "お前と別れたい" といった攻撃的な曲のみならず、ヘルマン・ヘッセの詩を元にした名バラード "さようなら世界夫人よ"、8分以上もあるメッセージ性の強いスローナンバー "それでも私は"、ちょっとだけコミカルな要素を含んだフォーキーな "いとこの結婚式"、ちょっとだけオシャレな雰囲気を漂わせる "ふりかえってみたら" といったメロウでポップな側面もしっかり持っている。そういう意味では非常に親しみやすい作品だと思います。ファーストがギターとパーカッションと歌だけ、という特殊な編成で作られたライヴ作品だったこともあり、やはり頭脳警察のカッコ良さをより判りやすい形で理解してもらうには、このアルバムから聴くのが一番いいかもしれませんね。

  このアルバム、無事リリースされたのですが、やはりというか発売後1ヶ月で発売禁止処分に。「反社会的」ってことなんでしょうけど(実際 "暗闇の人生" や "お前と別れたい" の歌詞には伏せ字が入ってますしね。「麻薬を射たれたかの様に」や「だけどマリファナだけが慰める」って歌詞が引っかかったのでしょうね)、それから10年後の'81年になってようやく再発売されるんですが、その後も何度か廃盤/再発を繰り返したみたいですね。2004年の今において、これよりも過激な内容の歌詞を持つアルバムなんて山ほどあると思うんですが、何故彼らだけが未だに目の敵にされるのかといえば、やはり政治的な面からなんでしょうかね。まぁ発売禁止といっても、その殆どがレコード会社の自主規制だと思うんですが‥‥

  ここ数年、自分のモチベーションが落ちて、新たに自身を奮い立たせようと思った時、必ず頭脳警察のアルバムをファーストから年代順に聴いていきます。ファーストで決意表明し、セカンドで身体が動く(=行動に移る)‥‥後はひたすら戦うだけ。ここ数日、またそんな状態だったもんだから、このセカンドが余計に沁みるわけですよ。そう、特にスロウな面の方がね‥‥



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2001年7月 7日 (土)

頭脳警察『頭脳警察1』(1972)

  1972年1月9日、京都府立体育館でライヴレコーディング(一部、東京体育館でライヴ録音された音源も含まれているという話もある)、同年3月5日にリリースされる予定だった頭脳警察の記念すべき、そして忌まわしき存在となるファーストアルバム。ご存じの通り、2001年6月にこのアルバムが正式リリースされるまでには約30年もの年月を要した(1975年12月31日に「公式海賊版」として600枚限定で自主制作されている)。恐らく日本のロック史上、実像を知っている人間がこれだけ少ないのに、最も有名となってしまった「伝説のアルバム」であり、初めて「発売禁止」措置を受けたロックアルバムかもしれない。

  実は俺自身も、今回のCD化で初めて耳にする音源なのだが‥‥それまでに、人伝の噂話やネット上での情報としていろいろ耳にはしていたものの、今回初めて聴いてみて驚かされた点が幾つもある。例えば「パンタとトシのみで演奏されたライヴ音源」ということで、聴く前はアコギとパーカッションだと思っていたら、実際にはパンタはエレキをアンプ通して弾いていたり(当初バンド形態でのライヴ録音の予定だったが、直前にメンバーが相次いで脱退した為、このふたりでの録音となった)、スタジオライヴみたいな作りだと思って いたら、実は滅茶苦茶オーディエンス入れてたりとか(歓声の大きさに驚かされた)。イメージしていたものと実像がこれだけかけ離れていた作品もそうはないだろう。

  どうしても「革命三部作」("世界革命戦争宣言" ~ "赤軍兵士の詩" ~ "銃をとれ")のイメージが強いので、政治的とかパンキッシュという固定観念が強いが、実はかなり「歌もの」或いは(時代なのだろうか)「フォーク」色が強い。ギターとパーカッションのみという編成も強く影響しているし、"戦争を知らない子供達" の替え歌である "戦争しか知らない子供達" が収録されている点も大きい。後にリリースされるセカンドアルバムでも "いとこの結婚式" のような曲があることからも、その要素は知ることができるはずだ。

  つまり、どうしても「革命三部作」のイメージで片づけられてしまう頭脳警察ではあるが、やはり彼らはミュージシャンでありアーティストなのだ。"お前が望むなら"のような曲からは、そういったミュージシャンシップのようなものすら感じ取れる。

  このアルバムの発売禁止の背景には、勿論「言い訳なんか要らねぇよ/てめえのマ○コに聞いてみな」("言い訳なんか要らねえよ")のような直接的性表現も原因のひとつと考えられるのだが、やはり「社会的影響」が最も大きく潜んでいたようだ。1971年の三里塚に於ける成田空港建設反対派と国との衝突(当然、頭脳警察もこの時の集会に参加して演奏している)、更にレコーディング直後の浅間山荘事件。「赤軍の行動を支持する/助長する」というようなことだったのだろう。1997年の神戸児童殺害事件の時や、先日の大阪の小学校での事件の後に「ガキ共をブチ殺せ」なんて歌詞の曲を作った日には、間違いなくその曲は闇に葬られるであろう。

  勿論、パンタにしろトシにしろ、こういう表現を使ったことによって「赤軍支持」と受け取られることは判っていたはずだ。しかし、彼らにとってはあの1972年という時代に、こういう表現がどうしても必要だったのだ。唄わなければならなかったのだ。その後、この幻のアルバムが自らの活動の足枷になると判っていても。

  正直、このアルバムが今の若者にどうアピールするのかは、全く想像できない。俺自身も最初に聴いた時はさすがに「あれ、こんなもんか?」と肩すかしを食らったのだが、何度も聴き返すうちにその表現の深みに気づいたり、単純に楽曲のポップさに気づかされたりで、聴く度に新たな発見がある。もっとヘヴィなロックは今の時代、ごまんとある。しかし、ここまで内面にえぐり込むように訴えかける作品はそうはないだろう。これが約30年もの間封印されていたのかと思うと、ちょっと日本という国の文化を疑ってしまう。というか、やはりロック後進国だったんだなぁと実感させられた。そして、これが2001年という時代にこうやって日の目を見たということを、素直に喜びたい。

  さぁ、あなたにとっての「伝説」は、やはり凄いものだっただろうか、それとも「子供騙しの伝説」に誤魔化され続けていたのだろうか?



▼頭脳警察『頭脳警察1』
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