カテゴリー「1976年の作品」の8件の記事

2019年7月15日 (月)

KISS『DESTROYER』(1976)/『DESTROYER: RESURRECTED』(2012)

1976年3月にリリースされた、KISS通算4作目のオリジナルアルバム。

前作『DRESSED TO KILL』(1975年)から1年ぶりの新作に当たりますが、同作が初の全米TOP40入り(最高32位)。続いて発表されたライブアルバム『ALIVE!』(1975年)がさらに全米10位という高記録を残したことで、このオリジナルアルバム『DESTROYER』に対する期待も高く、最高11位まで上昇(アメリカのみで200万枚以上の売り上げを記録)。「Shout It Out Loud」(全米31位)、「Flaming Youth」(同74位)、「Beth」(同7位)とヒットシングルも多数生まれました。

本作ではアリス・クーパーAEROSMITHルー・リード、Dr.ジョンなどとの仕事で名を上げてきたボブ・エズリンが初めてプロデュースを担当。それまでのシンプルで小気味良いロックンロールスタイルから一歩踏み出し、非常に手の込んだ楽曲が増えています。

例えばアルバムオープニングの「Detroit Rock City」ですが、冒頭のSE(車に乗ってカーステでKISSを聴き始める)から曲に入っていく構成、そして同曲の重厚なアレンジ、ラストに事故を起こしてエンド→そのまま「King Of The Night Time World」へと続いていく流れは圧巻の一言。2曲ともドラマチックなツインリードソロが入っているのも印象的で、思わずコピーしたくなるフレーズが満載なんですよね。

ジーン・シモンズ(Vo, B)の魔王感がハンパないミディアムヘヴィの「God Of Thunder」(もともとはこの曲、アップテンポだったんですよね。そのデモ音源は2000年代前半にリリースされたボックスセットで試聴可能)、そのジーンが続けて歌うストリングスと児童合唱団をフィーチャーした「Great Expectations」と、とにかくバラエティ豊か。

ここまでがアナログA面で、B面は軽快でキャッチーな「Flaming Youth」「Sweet Pain」で初期3作をアップデートさせた感を提示し、ポール・スタンレー(Vo, G)&ジーンのツインボーカルが最高な「Shout It Out Loud」で最高のキャッチーさを見せつける。

そこからピーター・クリス(Dr, Vo)がリードボーカルを担当したドラマチックなバラード「Beth」、シンプルでキャッチーなロックチューン「Do You Love Me」でクライマックスへ。さらにシークレットトラックとして、「Great Expectations」使ったリフレイン「Rock An Roll Party」で締めくくり。トータルで34分少々と今の感覚だと短いように思いますが、非常に濃厚な1枚なんですよね。

どの曲もボブ・エズリンが曲作りに関与しており、その結果バンドとしてひと皮剥けたのは間違いないでしょう。このアルバムをKISSの代表作として挙げる人も多いんじゃないでしょうか。事実、僕も本作と1stアルバム『KISS』(1974年)の2枚を「最初に聴くべきKISSの名盤」としてプッシュするでしょうし。

 


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2019年4月28日 (日)

LED ZEPPELIN『PRESENCE』(1976)

1976年3月にイギリスで、4月にアメリカで発売されたLED ZEPPELINの7thアルバム。前作『PHYSICAL GRAFFITI』(1975年)から1年というスパンで完成した本作は、発売直後に全米&全英1位を記録。メガヒットとなった過去作と比べると300万枚程度にとどまっていますが、それでもアメリカではまだまだ人気バンドであることが伺える数字だと思います。

前年8月にロバート・プラント(Vo)が交通事故に遭い、その後予定されていた全米ツアーをキャンセル。そこからスタジオ入りして本作の曲作り、レコーディングに突入します。

ツアーの中止やプラントの怪我、さらにはメンバー全員が長期間家族と離れて生活していたなどのフラストレーションが、本作の制作にぶつけられた……といっても過言ではないくらい、本作では全体を通じて緊張感に満ちたサウンドを耳にすることができます。

まず、オープニングの「Achilles Last Stand」からして10分を超えるスリリングなナンバーですし、その後も「For Your Life」「Nobody's Fault But Mine」「Tea For One」など長尺の楽曲が並びます。中には3分にも満たないファンキーな「Royal Orleans」も含まれていますが、基本的にはバンドが膝を突き合わせて短期間で行なった鬼気迫るジャムセッションを軸に固められていった大作が、1枚にまとめられたという印象が強いです。

また、本作はキーボードを使った楽曲が1曲も含まれていないのも大きな特徴。本作はツェッペリン史上唯一のキーボードレス作品とのことで、その反動から次作『IN THROUGH THE OUT DOOR』(1979年)が生まれたのではと思えるほど。

そういうこともあって、ジミー・ペイジ(G)主導で制作されたこのアルバム。結果、ハードロックバンドの側面をとことん追求した、ある種のいびつさを持つ内容になっています。だからなのか、不思議と評価が二分するアルバムでもあるんですよね。「Achilles Last Stand」や「Nobody's Fault But Mine」あたりの評価は高いような気がしますが、それ以外は別に……みたいに。

確かにバラエティに富んだ過去のアルバムと比べると、本作はよりモノトーンな作風というイメージですし、ツェッペリンビギナーが触れるには敷居の高さは否めません。ですが、4人組バンドとしてやれることにとことん向き合った、(結果としては)最後のアルバムでもあるんですよね。セールス的なピークは前作までだったとしても、バンドとして追求すべき道のピークは本作だったのでは……3年後に発表される『IN THROUGH THE OUT DOOR』が“その先”への入り口だったことを思えば、おのずとそうなるわけです。

ある時期、このアルバムのツェッペリンのベストアルバムだ!と言いまくっていた僕ですが、今では『PHYSICAL GRAFFITI』のような作品のほうが好きだったりします。が、『PHYSICAL GRAFFITI』からの流れでここにたどり着いたという点においては、実はこの2枚は一緒に語るべき作品なのでは……と思ったりするのですが、いかがでしょう?

 


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2019年1月11日 (金)

QUEEN『A DAY AT THE RACES』(1976)

1976年末にリリースされた、QUEEN通算5作目のスタジオアルバム。前作『A NIGHT AT THE OPERA』(1975年)の全英1位/全米4位獲得およびシングル「Bohemian Rhapsody」(全英1位/全米9位)の大ヒットにより、ついにトップアーティストの仲間入りを果たしたQUEEN。このへんは、現在もロングランで公開中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観た方ならご理解いただけるかと。そんな絶好調の彼らが続いて発表した本作も、全英1位、全米5位という好記録を残しております。

タイトルからも想像がつくかと思いますが、本作は前作『A NIGHT AT THE OPERA』と対になる印象の1枚。こう書くとヒット作の続編と受け取られがちですが、実は内容的には前作の延長線上にあるものという感じでもなく、あくまでQUEENらしさを追求した現在進行形の作品集と言えるでしょう。

興味深いのは、前作や前々作『SHEER HEART ATTACK』(1974年)にあったような組曲スタイルを排除していること。全10曲が単独した形を取っており、それが80年代以降の方向性にも通ずるものを感じさせます。

また、楽曲スタイル的にも次作『NEWS OF THE WORLD』(1977年)を彷彿とさせるものがあり、ここにパンクのスタイルをかけ合わせることであの方向性につながっていくのでは……なんてことも考えたり。そういう意味においては、実は大ヒット作2枚(『A NIGHT AT THE OPERA』と『NEWS OF THE WORLD』)に挟まれた過渡期的1枚と言えるかもしれません。事実、本作はチャート的には成功しましたが、セールス的には(特にアメリカでは)半分以下に落ちてますしね。

とはいえ、オープニングを飾るブライアン・メイ(G, Vo)のギターオーケストレーションからパワフルなハードロック「Tie Your Mother Down」(全英31位/全米49位)へと続く流れや、そこからメランコリックな「You Take My Brath Away」への流れ、ゴスペル調の名曲「Somebody To Love」(全英2位/全米13位)やシリアスかつヘヴィな「White Man」、美しくも軽やかな「Good Old-Fashioned Lover Boy」(全英17位)など、良曲目白押しな内容。音楽的にはより幅が広がった印象があります。

実は本作、初のセルフプロデュース作なんですよね。前作での成功を機に、バンドがやりたい邦題やってみました、というのもあったのかな。それにより、アルバムトータルとしては若干散漫さも目立つ結果となりましたが、これが調整されることによって80年代のQUEENにつながっていくという(そういう意味でも、やっぱり客観視できるプロデューサーは必要になるわけですが)。いろいろ難しいです。

でも、全10曲中8曲をフレディ・マーキュリー(Vo, Piano)が単独歌唱している(あ、「Good Old-Fashioned Lover Boy」ではエンジニアのマイク・ストーンも歌ってますが)ことで、何気に統一感が強いような。このへんも、80年代以降の彼らに通ずるものがありますね。

あ、最後に。本作のラストナンバー「Teo Torriatte (Let Us Cling Together)」に触れないわけにはいきませんよね。タイトルおよびサビの一部を日本語で書かれたこの曲は、1975年の初来日時に大歓迎してくれた日本のファンへの感謝の気持ちから、こういう形になったとのこと。今なら日本盤のみのボーナストラックになるんでしょうけど、これを世界共通盤に入れてしまう当時のQUEENの勢いと心意気。素敵すぎます。今から40数年前に、QUEENが日本人に対してここまでしてくれたことを忘れてはいけません。このアルバム、日本人として誇りに思ってもいいのではないでしょうか。そういう意味でも大切な1枚です。



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2018年4月 9日 (月)

THE ROLLING STONES『BLACK AND BLUE』(1976)

1976年4月発売の、THE ROLLING STONES通算13枚目(イギリスにて/アメリカでは通算15枚目)のスタジオアルバム。1974年末にミック・テイラー(G)が脱退し、新メンバーオーディションとレコーディングを同時進行することになり、それにより本作にはハーヴィ・マンデルやウェイン・パーキンス、そしてロン・ウッドという複数のギタリストが参加しています(実際のセッションにはジェフ・ベックやローリー・ギャラガーも参加したという話)。

ストーンズのアルバムとしては全8曲と、もっとも曲数が少ないのが本作の特徴。だからといって短い作品という意味ではなく、トータルで41分少々……つまり、長尺の楽曲が多く含まれているということになります。

例えば、オープニングを飾る「Hot Stuff」はワンコードでシンプルなリフを繰り返す、非常にダンサブルなファンクチューン。こういったテイストは「Hey Negrita」にも含まれており、本作の楽曲の大半がスタジオセッションからひねり出されたものであることが伺えます。

ブラックミュージックからの影響が強く打ち出された楽曲が並ぶ点においては、過去の諸作品と一緒なのですが、それでも本作が以前のアルバムと趣が異なるのは、どこか洗練された印象があるところではないでしょうか。モダンなソウルやAORなどとの共通点も見え隠れするこの作りは、続く『SOME GIRLS』(1978年)におけるディスコサンドやパンクロックへの傾倒という、予感させる同時代性を意識した作風。そう考えるとミック・ジャガー(Vo)主導作なのかなと思ってしまいがちですが、実は本作に関してはキース・リチャーズ(G)主導作品なんですよね。まあ、このジャムセッションから生まれたような楽曲が大半を占めるアルバムを聴けば、それも頷ける話ですよね。

また、本作はレゲエやラテンからの影響も強く、「Cherry Oh Baby」みたいにストレートなレゲエソングのカバーも収録。さらに、「Melody」はジャズ、シングルカットされた「Fool To Cry」や7分にも及ぶバラード「Memory Motel」はニューソウルとの共通点も感じられ、デビューから10数年を経てバンドが新たな領域に突入したことを強くアピールしています。

もちろん、お得意のロックナンバーも「Hand Of Fate」や「Crazy Mama」といった楽曲で表現されているのですが、どちらも軽快さより重さやダルさが強調されており、これが本作の持つ独特なテイストを引き立てることに成功しています。どこか明るくなりきれない、この不思議なタッチはもうひとりのギタリスト不在によるものなのか、それとも当時のキースのモードによるものなのか(おそらく後者でしょう)。その前もその後も、二度と再現できていない唯一無二の世界観は、個人的にもかなり気に入っています。ストーンズの全作品中でも5本指に入る、地味だけと強烈な1枚。



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2017年4月 6日 (木)

AEROSMITH『ROCKS』(1976)

『TOYS IN THE ATTIC』(1975年)が全米11位まで上昇するヒット作となり、一流バンドの仲間入りを果たしたAEROSMITH。彼らは精力的なツアーへ経て、前作から1年で続く4thアルバム『ROCKS』を1976年5月にリリースします。

プロデュースは前作、前々作から引き続きジャック・ダグラスが担当。サイケながらも音の太い2nd『GET YOUR WINGS』(1974年)、楽曲の幅が一気に広がったキャッチーな3rd『TOYS IN THE ATTIC』を経てバンドが向かった先は、なんと“純度の高いヘヴィロック”。1音1音のヘヴィさは『GET YOUR WINGS』とは質感が異なり、今作のほうがより音の密度が高い印象を受けます。それはより大きな音で今作を聴いたときに、よりご理解いただけるのではないかと。ぜひ一度、ヘッドフォンではなくスピーカーを通して、爆音で聴き比べてみてください。本当に違うので。

オープニングを飾る「Back In The Saddle」の不穏なイントロ、その空気を切り裂くかのように響き渡るスティーヴン・タイラーのシャウト、あえて6弦ベースを使ってヘヴィさを表現したジョー・ペリーのプレイ、どれもが過去3作とは異なる気迫を感じさせます。続く「Last Child」はイントロでこそバラードかと思わせておいて、すぐに引きずるようなファンク&ヘヴィなロックへと一変。そこから間髪入れずに攻撃的なファストチューン「Rats In The Cellar」へと続きます。この曲も同じアップテンポなのに、前作における「Toys In The Attic」とはまったく異なる輝きを見せます。「Toys〜」がキラキラ輝く宝石だとしたら、「Rats〜」は鈍い光を放つ鉱石……というのは言い過ぎでしょうか。

もちろんその後も「Combination」「Sick As A Dog」といったラフでルーズなロックンロール、ヘヴィメタルと呼んでも差し支えのない「Nobody's Fault」、ハネ気味のリズムが心地よい元祖ファンクメタル「Get The Lead Out」、軽快かつストレートなロックチューン「Lick And A Promise」、エモーショナルなピアノバラード「Home Tonight」と名曲目白押し。前作とはカラーは異なるものの、今作も捨て曲なしのロックアルバムと断言できます。

地を這うようなリズム隊と、鋭いソロプレイを聴かせるジョー・ペリー&ブラッド・ウィットフォードのギタリストチーム、そこに激しいシャウトを乗せていくスティーヴン・タイラー。まさにここがAEROSMITHの臨界点と言わんばかりに、目が離せないほどの眩い光と危うさが同居しているのが、この『ROCKS』という傑作の魅力ではないでしょうか。“ロックってアブナイものなんだよ”というのを体現した、70年代を代表する1枚です。事実、この時期からメンバーはドラッグまみれだったようですしね……。



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2004年10月23日 (土)

とみぃ洋楽100番勝負(66)

●第66回:「Achilles Last Stand」 LED ZEPPELIN ('76)

 以前「ツェッペリンは最初に聴くなら2ndか4枚目」って書いた俺だけど、じゃあ「彼等の最高傑作は?」と問われたら、真っ先に挙げるのがこの「PRESENCE」という通算7作目のオリジナルアルバム。ある意味、それまで彼等がやってきたことの集大成であり、ひとつの完成型であるのがこの作品集だと言えるんじゃないでしょうかね。

 そのアルバムトップに収められているのが、この10分もある "アキレス最後の戦い" という邦題の付いた1曲。ZEPのハードロックサイドの、ひとつの完成型であるのと同時に、バンドとしてのテンションの高さが結成後8年経った時点でも全然落ちてない、むしろ1stの頃とは違ったレベルで、違った地点までたどり着いてしまったなぁ、という妙な説得力がある‥‥いや、説得力というか無理矢理納得させてしまうような暴力性すら兼ね備えてるといっていいかも。とにかく個人的にはZEPの楽曲の中でナンバー1ですね。

 俺さ。ZEPに関しては意外と正しい聴き方をしてきたのね‥‥いや、最初に聴いたのは2ndだし、次は4枚目、その次は「永遠の詩」という2枚組ライヴ盤だから正しくはないけど‥‥そういうことじゃなくて。'88年頃にZEPの全作品を含む一部の洋楽名盤群が2,000円くらいで再発されて‥‥所謂「ナイス・プライス・シリーズ」とか「エヴァー・グリーン・シリーズ」みたいな名前で各レコード会社が廉価盤をリリースし始めたのがこの頃からで。確かZEPはジミー・ペイジ久々のソロアルバム(いや、サントラを除けば実質初、か)「OUTRIDER」リリースに合わせて全作品が再発されたのね。

 でさ。高校生だった当時の俺は金持ってなかったから、1stから順番に、少しずつ買い集めてったのよ、ZEPのCDを。高校卒業する頃に5作目「聖なる館」まで買い揃えたのかな。

 そして浪人生活に入って、上京してさ。仕送りの中から食費を可能な限り削って、残りを全部CDにつぎ込んで。そんな中で買った1枚なんだけど‥‥

 ぶっ飛んだなぁ、初めて聴いた時。いや、ZEPに関してはアルバム毎回聴く度にぶっ飛ばされてたんだけど(例えそれが「IN THROUGH THE OUT DOOR」でもね)、この時はそれまでの比じゃなかったね。やっぱり "Achilles Last Stand" のインパクトがね。

 今でも鳥肌立つもの、この曲のイントロ‥‥アルペジオがフェードインしてくる瞬間。



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2004年10月13日 (水)

とみぃ洋楽100番勝負(55)

●第55回:「Detroit Rock City」 KISS ('76)

 AEROSMITH、QUEENときて、やはりこのバンドからの影響も強いわけですよ、俺的に。'70年代の、所謂「ミュージック・ライフ御三家」と呼ばれたバンドのひとつなわけですが、唯一マンガチックでバカバカしいまでのコミカルさ(メイクやファッション、そして各キャラクターの設定等)、そして特撮ばりの壮大さ(ステージでの花火や爆発、血糊、ドラムライザーが競り上がったりメンバーが空飛んだり等)‥‥恐らく幼少の頃にこんなバンドに出会ったら、間違いなく惚れてたと思うよ。残念ながらここ日本ではそういう機会はなかなか少なかったんだけど(だからこそ海外では根強い人気を未だに保ってるんだよね、あの頃ガキだった奴らが今大人になって金持って、追いかけてるわけだから)。

 既に俺が彼等を知った頃にはノーメイク時代の、普通にヘヴィメタリックな音楽をやってる時代でした。勿論それはそれでカッコ良かったし、純粋に良い楽曲、良いアルバムとして接してきたのね。けどバンドとしては決してハマる事はなかった。

 ところがね。高校に入って。「CRAZY NIGHTS」ってアルバムが出て。まぁこれがまたポップで親しみやすいハードロックだったわけですが、このアルバムを引っ提げて11年振りに来日するわけですよ、KISSが。残念ながら俺は行けなかったわけですが、その時の模様がNHK-BSで放送されて。それを近所のレコード屋の店頭でみせてもらったわけですよ。

‥‥メイクこそしてないものの、あれも間違いなくKISSだったわけで。そこでまたひとつ、俺の中で何かが弾けてね。

 友人の兄貴から、既に聴かないしカビ生えちゃってるよっていって貰った「DOUBLE PLATINUM」っていうベスト盤。それこそが真の意味での、俺の中でのKISS伝説のスタート地点なんですよ。

 KISSのみをコピーする究極のバンドもやったなぁ、高校の頃。最初に覚えたのがこの "Detroit Rock City"。俺はポール役だったから、勿論ギターも覚えなきゃいけなくて。エース役のもうひとりのギターは別のバンドでも一緒にやってる仲で。ふたりして「あのツインリードのパート、完璧にしような!」といって各自真剣に練習して。

 初のスタジオ練習で、いざ合わせますよ!って時に、ふたりともエースのパートを練習してきてしまったがために、結局ハモることはなくユニゾンで終わったという‥‥って俺が悪いのか。

 この曲を聴くと、ふとそんな高校時代の出来事をいつも思い出すよ。



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2004年8月22日 (日)

とみぃ洋楽100番勝負(3)

●第3回「Back In The Saddle」 AEROSMITH('76/'78)

 多分、初めて聴いたエアロ・ナンバーがこれ。しかもスタジオ盤 「ROCKS」の方じゃなくて、ライヴ盤「LIVE! BOOTLEG」の方ね(両方共、アルバム1曲目がこの曲)。

 小学生時代、洋楽を聴くことが凄くカッコ良く思えてちょっとだけ背伸びしたかった俺は、5つ離れた兄貴のいる友人の家に入り浸って、そいつん家のリビングにあるステレオ(コンポじゃなくて、立派なステレオシステムな)で毎日毎日、あれやこれやと洋楽のアルバム/シングルを聴きまくってたのね。勿論、そいつの兄貴所有のものなんだけど。その兄貴もガキ相手に快くアナログ盤を貸してくれたのよ、傷とか汚れとか全然気にせずにさ。

 で、俺に「ギターとか弾いてみれば?」と勧めてくれたのも、その兄貴で。当時既にピアノとかエレクトーンを習ってたんで楽譜とか普通に読めたし、ギター弾くことに興味を持ってたのが唯一俺だけでね。そんで「とりあえずこれ聴いてみ。ギターがすっげーカッコいいから」といって手渡されたのが、前述の「LIVE! BOOTLEG」。

 多分ロックを聴いて衝撃を受けるとか小便チビるとか、そういった陳腐な表現じゃ収まりきらない程のショックを生まれて初めて受けたのが、このアルバムをプレイヤーにのせて針を落とした後だと思う。その後もいろんなバンドや音との出逢いに衝撃を受けたけど、後にも先にもこれを超えるような衝撃はないと思う。それくらい自分の中で何かが壊れた瞬間。童貞失った時でもそんな衝撃とか受けなかったしなー。あれか、しいて例えるなら「女性器を初めて直に見た時」の衝撃に近い‥‥のか?(苦笑)

 まーとにかく。俺の中にあったそれまで(といってもたかだか11〜2年程度だけど)の価値観を見事にぶち壊してくれたのがエアロであり、「LIVE! BOOTLEG」であり、この "Back In The Saddle" という曲であった、と。イントロの妖しさ満開なギターリフと、その後に訪れる驚異的なシャウト。そしてブッといリズム。これが全て。初めてエアロの写真を見た時なんて嬉しかったなぁ。「あー、音からイメージできる、まんまの恰好だ!」って。

 結局33才にもなって未だにロックというものに「華やかさ」とか「エンターテイメント性」とか「妖しさ」とかそういったモノを求めてしまうのは、きっとMONKEESとかそういったポピュラリティーある音楽からスタートして、このエアロで全てを悟ってしまったからなのかな‥‥じゃなきゃあれから20年以上経った現在も、こうやって「LIVE! BOOTLEG」を聴いてないよな‥‥

 小5の頃だったかな‥‥'82〜3年か。エアロはジョー・ペリーもブラッド・ウィットフィールドも脱退して瀕死状態だった頃だね。そして中学に入ると同時にオリジナルメンバーで復帰。その後の躍進については皆さん知る通り。

 多分、洋楽云々じゃなくて、俺の「ロック感」の根元を形成してるのは、このライヴ盤であり、そのスタート地点がこの曲なんですよ。だから今でも生でこの曲を聴くと否が応でも鳥肌が立つ。そんな忘れられない「ロック童貞」を奪った1曲。



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