2017/04/16

AEROSMITH『LIVE! BOOTLEG』(1978)

1978年にリリースされた、AEROSMITHキャリア初のライブアルバム。CDでは1枚のディスクにまとまってますが、アナログ盤は当時2枚組でリリースされています。

音源の大半は1977〜78年に、当時の最新作『DRAW THE LINE』(1977年)に伴うツアーで録音されたもの。つまり、バンドとしてはドラッグまみれで臨界点に達しつつあるか、達してしまってあとは落ちていくだけ……という絶妙なタイミングのライブなのです。選曲も1st『AEROSMITH』(1973年)から『DRAW THE LINE』までのベストセレクションといった内容。実際のライブのセットリストとは異なるものの、「Back In The Saddle」からヘヴィに始まり、そのままサイケデリックな「Sweet Emotion」へと流れていく構成はさすがの一言。演奏が進むに連れて演者の熱量が一気に上がり、それに伴いテンポも上がっていくという生々しさは、現代の“クリック重視”のライブとは一線を画するものがあります(ってこれ、現在のエアロを否定しているわけじゃないですよ。念のため)。

また本作にはスタジオアルバム未収録のオリジナル曲「Chip Away The Stone」やTHE BEATLESのカバー「Come Together」も収録。スタジオ音源は7インチアナログ盤やコンピ盤でしか聴けない貴重な楽曲を、当時のエアロらしいルーズだけど尖った歌と演奏で楽しむことができます。

さらに、本作の聴きどころのひとつとして、アナログ盤でいうところのD面(ディスク2のB面)、CDだとトラック14以降にとても貴重な音源が含まれています。それは、本作で最古の音源となる1973年のライブから「I Ain't Got You」「Mother Popcorn」の2曲。前者はジミー・リードやYARDBIRDSなどで知られるブルースのスタンダード、後者はジェイムズ・ブラウンのそれぞれカバーです。デビュー間もない頃のエアロはこういったカバー曲をかなりライブで披露しており、その音源はブートレッグなどでも確認することができます。ギリギリのところで正気を保っていた1977〜78年のエアロと、メジャーデビューして明るい未来を思い浮かべていた1973年のエアロ。これを並列で語っていいものか気になりますが、あの時点でこういう形でバンドの原点を思い出させてくれるのはエアロにとっても、そしてファンにとっても非常に意味のあることだったのではないでしょうか。

ちなみに、この2曲の後には1978年のライブから「Draw The Line」へとなだれ込むのですが、実はアルバムジャケットやブックレットには本来この曲はクレジットされていません。つまり、シークレットトラックとして収められているわけですね。これ、アルバムタイトルからもわかるように、当時横行していた海賊盤(Bootleg)に真っ向から対抗したもので、このクレジット漏れも“海賊盤によくあること”としてバンド側がちょっとした遊び心で手がけたんだとか。

このアルバムについては語りたいことが山ほどあるはずなのに、だけど無駄なことはあまり語りたくない気持ちもある。自分のロック人生を最初に変えてくれた、それくらい大切な1枚なんです。もし「AEROSMITHで一番好きなアルバムは?」と質問されたら、間髪入れずにこのアルバムを挙げることでしょう。



▼AEROSMITH『LIVE! BOOTLEG』
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投稿: 2017 04 16 12:00 午前 [1978年の作品, Aerosmith] | 固定リンク

2004/09/24

とみぃ洋楽100番勝負(36)

●第36回:「Kill The King」 RAINBOW ('78)

 はい、好きなドラマーはU2のラリーと、コステロ & THE ATTRACTIONS時代のピート・トーマス、トミー・リー、そしてコージー・パウエル先生でございます。全員一癖も二癖もあるドラマーばかりでございます。

 コージー先生との出会いは、WHITESNAKEの「SLIDE IT IN」っつーアルバムでして、そこでも "Standing In The Shadow" や "Slow N'Easy"、"Guilty Of Love" 等で超絶プレイを堪能できますが、やはり個人的にはこの "Kill The King" のドラムがね。これで惚れたようなもんだから。

 つーかさ。所謂「三頭政治」時代最後の作品なわけじゃない(三頭政治=ロニー・ジェイムズ・ディオ、リッチー・ブラックモア、コージー)。確かに前作「RISING」程の完成度はないかもしれないけど‥‥いや、俺結構好きよ。

 高校一年の夏、プール監視員のバイトをしてさ。そこで一日中RAINBOWばかりかけてた時があって。ずっと "Kill The King" と "Stargazer" ばかりリピートしてたっけ。

 もし‥‥もしドラムが思いのままに叩けるのなら。まず最初に "Stargazer" のイントロ部分と、"Kill The King" をまるごと叩きたい。そんな衝動にかられる程、魅力的な、そして特別な緊張感を持った1曲。やっぱり今聴いてもカッコいいわ。



▼RAINBOW「LONG LIVE ROCK'N'ROLL」(amazon

投稿: 2004 09 24 12:00 午前 [1978年の作品, Rainbow, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/08/22

とみぃ洋楽100番勝負(3)

●第3回「Back In The Saddle」 AEROSMITH('76/'78)

 多分、初めて聴いたエアロ・ナンバーがこれ。しかもスタジオ盤 「ROCKS」の方じゃなくて、ライヴ盤「LIVE! BOOTLEG」の方ね(両方共、アルバム1曲目がこの曲)。

 小学生時代、洋楽を聴くことが凄くカッコ良く思えてちょっとだけ背伸びしたかった俺は、5つ離れた兄貴のいる友人の家に入り浸って、そいつん家のリビングにあるステレオ(コンポじゃなくて、立派なステレオシステムな)で毎日毎日、あれやこれやと洋楽のアルバム/シングルを聴きまくってたのね。勿論、そいつの兄貴所有のものなんだけど。その兄貴もガキ相手に快くアナログ盤を貸してくれたのよ、傷とか汚れとか全然気にせずにさ。

 で、俺に「ギターとか弾いてみれば?」と勧めてくれたのも、その兄貴で。当時既にピアノとかエレクトーンを習ってたんで楽譜とか普通に読めたし、ギター弾くことに興味を持ってたのが唯一俺だけでね。そんで「とりあえずこれ聴いてみ。ギターがすっげーカッコいいから」といって手渡されたのが、前述の「LIVE! BOOTLEG」。

 多分ロックを聴いて衝撃を受けるとか小便チビるとか、そういった陳腐な表現じゃ収まりきらない程のショックを生まれて初めて受けたのが、このアルバムをプレイヤーにのせて針を落とした後だと思う。その後もいろんなバンドや音との出逢いに衝撃を受けたけど、後にも先にもこれを超えるような衝撃はないと思う。それくらい自分の中で何かが壊れた瞬間。童貞失った時でもそんな衝撃とか受けなかったしなー。あれか、しいて例えるなら「女性器を初めて直に見た時」の衝撃に近い‥‥のか?(苦笑)

 まーとにかく。俺の中にあったそれまで(といってもたかだか11〜2年程度だけど)の価値観を見事にぶち壊してくれたのがエアロであり、「LIVE! BOOTLEG」であり、この "Back In The Saddle" という曲であった、と。イントロの妖しさ満開なギターリフと、その後に訪れる驚異的なシャウト。そしてブッといリズム。これが全て。初めてエアロの写真を見た時なんて嬉しかったなぁ。「あー、音からイメージできる、まんまの恰好だ!」って。

 結局33才にもなって未だにロックというものに「華やかさ」とか「エンターテイメント性」とか「妖しさ」とかそういったモノを求めてしまうのは、きっとMONKEESとかそういったポピュラリティーある音楽からスタートして、このエアロで全てを悟ってしまったからなのかな‥‥じゃなきゃあれから20年以上経った現在も、こうやって「LIVE! BOOTLEG」を聴いてないよな‥‥

 小5の頃だったかな‥‥'82〜3年か。エアロはジョー・ペリーもブラッド・ウィットフィールドも脱退して瀕死状態だった頃だね。そして中学に入ると同時にオリジナルメンバーで復帰。その後の躍進については皆さん知る通り。

 多分、洋楽云々じゃなくて、俺の「ロック感」の根元を形成してるのは、このライヴ盤であり、そのスタート地点がこの曲なんですよ。だから今でも生でこの曲を聴くと否が応でも鳥肌が立つ。そんな忘れられない「ロック童貞」を奪った1曲。



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投稿: 2004 08 22 10:14 午後 [1976年の作品, 1978年の作品, Aerosmith, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック