「#プリンス三昧」プリンス全スタジオアルバム解説①(1978〜1982年)
このエントリーは今年1月から6月にかけて筆者のインスタアカウントで不定期連載してきた、ハッシュタグ「#プリンス三昧」付きのプリンス全スタジオアルバム(一部関連作品やコンピ盤、リミックス盤なども含む)55回分の投稿を、時系列(リリース年月)順に再構成してまとめたものです。最初は自分自身が殿下(=プリンス)の初作品を振り返る意味で始めたもので、そんなに気構えていなかったので気持ちが途切れることもありましたが、数ヶ月経つ頃には知人数人から「プリンスレビュー、いつも楽しみにしてます!」と嬉しい言葉をもらうようになり、なんとか最後までやり通すころができました。
なもんで、時期/作品によっては文字数が極端に多かったりする作品もありますが、これは決してそのアルバムが個人的思い入れが強いからというわけではなく、変なスイッチが入ってしまったことによるもの(笑)。本来は80年代後半から90年代前半あたりの作品で見られるツイッター(X)で投稿できる程度の文字数をイメージしていたんですが……(苦笑)。
ということで、ここから数日、何回かに分けてこちらで更新していきます。基本的には本文はインスタ投稿時のままです(その時々の駄文はカットしてます)。第1回は初期の5作品についてです。
アメリカ本国で1978年4月7日リリース。19歳(当時)の殿下がほぼセルフプロデュースで(名目上はトミー・ヴィカリをエグゼクティブプロデューサーに置いて)完成させた、デビュー作にして傑作。
1978年というと『サタデーナイトフィーバー』を筆頭に空前のディスコブーム。そんな中、殿下はありきたりなソウル/ディスコアルバムとは一線を画する斬新なファンクアルバムで世に出ていくわけですから圧巻です(もちろん時代を読んでそういったテイストも適度に含まれていますが)。オープニングのタイトルトラックは1分少々ながらも40以上の声を重ねた力作。デビューヒットとなった「Soft And Wet」の非凡さ、アコギ弾き語りテイストはのちのスタイルにも通ずる「Crazy You」、エロいファルセットがたまらない「Baby」など聴きどころ満載。
大きなヒットとはならなかったものの(当時最高163位、没後に138位まで上昇)本作の原型を18歳の時点でほぼ完成させていたと思うとその末恐ろしさに気づくはずです。
▼PRINCE『FOR YOU』
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本国で1979年10月19日発売の2ndアルバム。日本では『愛のペガサス』の邦題でお馴染みの本作、実はこのアルバムで本邦初リリースを果たします(発売は翌1980年)。
本作からは名曲「I Wanna Be Your Lover」(11位)や、のちにチャカ・カーンがカバーした「I Feel For You」、殿下のハードロックギターが炸裂する「Bambi」、セクシーなスローバラード「Still Waiting」など前作以上に佳曲が豊富。デビュー作の時点で異彩を放っていたファルセットもより磨きがかかり、すでに殿下以外の何者でもない個性をたっぷり楽しめます。
なお、本作はシングルヒットが生まれたこともありアルバム自体も最高22位まで上昇。現在までに100万枚以上のセールスを記録しています。
▼PRINCE『PRINCE』
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1980年10月8日リリースの3rdアルバム。『LOVESEXY』(1988年)並みにジャケットのインパクトが半端ないですね(笑)。『PURPLE RAIN』(1984年)がバカ売れした際、過去作を漁っていたらこのアルバムにぶち当たりマジで退いた思い出よ……。
前2作が同系統の作風でより磨きをかけていったのに対し、今作ではタイトルトラックや「When You Were Mine」、組曲的な「Head」〜「Sister」など当時主流になりつつあったニューウェイヴからの影響が感じられ、常に最先端なものに惹かれながらそれらを独自の解釈で取り入れて、独自のサウンドへと昇華させていくというのちの殿下らしさがここで芽生え始めます。そういう意味でも個人的には初期4作の中でもこれが一番好きかもしれない。だって一番ロックだもんね(ジャケも中身も)。
▼PRINCE『DIRTY MIND』
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1981年10月14日リリースの4thアルバム。邦題は『戦慄の貴公子』。
アバンギャルドなアートワーク含め、前2作からテイストが変化し始めた『DIRTY MIND』は2ndアルバムほどヒットしなかったけど、より“らしさ”を追求した結果、前作以上に濃いのに不思議と聞きやすい1枚が完成。本作ではオープニングのタイトルトラックがいきなり7分超え、セクシーなソウルバラード「Do Me, Baby」も約8分とのちの作風に繋がるスタイルを見せていたり、「Sexuality」や「Let's Work」などわかりやすくセックスをイメージさせるタイトルがあったりと殿下ノリノリです。過去3作で積み重ねてきたものがここで極まりつつあり、いよいよ次作で爆発……という未来が見えますね。
ちなみに本作は最高21位、100万枚越えのヒット作となっています。しかしこの頃の殿下といえば、THE ROLLING STONESの全米ツアーで前座を務めてブーイングを受けていたタイミング。それでもまだ早すぎたか?
▼PRINCE『CONTROVERSY』
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1982年10月27日リリースの5thアルバム。いよいよここまできました。僕が最初に触れた殿下の作品は次作『PURPLE RAIN』なので本作は後追いではありますが、中学生の頃よく聴いた思い出があります。
過去4作での経験が一気に花開いた本作は、初のアナログ2枚組アルバム。全11曲なのに2枚組なの?と思いきや、前作からその傾向が見え始めていた大作志向が本作では大爆発。半数以上が6分以上あり、8〜9分台なんて3曲も。のちのTHE REVOLUTIONの原型となるバンドとのセッションということもあり、密室でひとり制作するのとは違った楽しみ方があったのでしょう。あと、時代的にも12インチリミックスが流行っていた頃でもあるので、そうしたフロアライブなダンスミックス的長尺曲を自然と提供していたというのもあるかもしれませんね。
楽曲的にはとにかく充実しまくり。頭4曲のヒットシングル連発はもちろん、それ以外も良曲ばかり。実は『PURPLE RAIN』以上に入門編としての役割を果たしてくれるであろう、最初に聴くべき殿下の1枚。
ただ、当時はあのルックスに腰が引けてしまい、ロック色濃厚な『PURPLE RAIN』しか聴いてないって若いリスナーも多かった記憶が。
▼PRINCE『1999』
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