「#プリンス三昧」プリンス全スタジオアルバム解説②(1984〜1990年)
このエントリーは今年1月から6月にかけて筆者のインスタアカウントで不定期連載してきた、ハッシュタグ「#プリンス三昧」付きのプリンス全スタジオアルバム(一部関連作品やコンピ盤、リミックス盤なども含む)55回分の投稿を、時系列(リリース年月)順に再構成してまとめたものです。第1回はこちらからご覧ください。
第2回はセールス/内容ともに黄金期と呼べる1984年以降、1990年までの7作品についてです。
PRINCE & THE REVOLUTION『PURPLE RAIN』(1984)
アメリカ本国で1984年6月25日発売の6thアルバム。個人的にはプリンスへの入り口となった1枚です。
殿下の自伝的同名映画のサウンドトラックの役割も果たした作品で、前作『1999』(1982年)でのロング&大ヒットも手伝って初の全米1位を獲得。アルバム自体、アメリカだけで1000万枚を超えるメガヒットに。本作からは「When Doves Cry」「Let's Go Crazy」が1位、「Purple Rain」が2位、「I Would Die 4 U」が8位、「Take Me With U」が25位とヒットシングルも多数生まれました。
初めてPRINCE & THE REVOLUTION名義で発売された本作は、バンド録音中心ということもあってか全体的にロック色が濃厚。パーティ感の強いハードロックな「Let's Go Crazy」、泣きのロックバラード「Purple Rain」を筆頭にとにかく聴きやすい。加えて前作での大作志向が減退し、どれも4分前後とコンパクトかつキャッチー(タイトルトラックのみ約9分もありますが)。なので、どれをシングルカットしたとしてもそれなりのヒットが約束されたようなもの。ノリにノるってこういうことなんですよね。だってMTV(いや、『ベストヒットUSA』かも)で「When Doves Cry」のMVを観て(曲を聴いて)、最初こそあのビジュアルにたじろいだ自分が「それでも聴きたい」と思ってしまうほどの魅力を放っていたんですから。
今ではそこまで聴くアルバムではないけど、この入門編があったからハマれたのだから大きな意味がある。前作『1999』とあわせて聴くと、より当時の状況を理解してもらえるかも。
なお、本作に関しては過去により深く触れておりますので、こちらも合わせてチェックいただけるとありがたいです。
▼PRINCE & THE REVOLUTION『PURPLE RAIN』
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PRINCE & THE REVOLUTION『AROUND THE WORLD IN A DAY』(1985)
1985年4月22日リリースの7thアルバム。前作『PURPLE RAIN』のメガヒット(現在アメリカのみで1000万枚超)を受けて、10ヶ月という短いスパンで届けられたTHE REVOLUTIONとの2作目。
実は、レコーディング自体は『PURPLE RAIN』とほぼ同時期に行われたものが多数なんだとか。サウンドのテイスト的には共通するものが多いものの、曲調はポップでロックだった前作とは異なり、いわゆるサイケデリックロック/ポップが中心。冒頭のタイトルトラックなんて、中近東の民族音楽テイストですからね。
もちろん「Paisley Park」や「Raspberry Beret」みたいなポップチューンもあるけど、それもサイケ味が散りばめられていてストレートだった前作とは異なる印象。しかし、これが非常にクセになるんですよね。そんな中で異彩を放つ「Tamborine」「America」あたりのハードファンク、次作への布石とも言える「Condition Of The Heart」や「Temptation」でのジャズ風味が非常にいい味を出しています。
本作は自分がプリンスにハマるきっかけの1枚。彼の全キャリアの中でトップ3クラスで好きなアルバム。
▼PRINCE & THE REVOLUTION『AROUND THE WORLD IN A DAY』
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PRINCE & THE REVOLUTION『PARADE』(1986)
1986年3月31日リリースの8thアルバム。殿下が手がける主演映画『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』のサントラ的立ち位置の、THE REVOLUTION名義での3作目にしてラスト作。
全米1位を記録した名曲「Kiss」や無機質ファンク「Girls & Boys」、前作の流れを汲むサイケソウル「Mountains」(全米23位)といった個性的なシングル曲を含むも、全体的には前作でのサイケ色にジャズサウンドを散りばめた大人なテイスト。音のおもちゃ箱的側面もあった前作や前々作とは異なり、音数も意識的に減らしている印象もあり(「Kiss」なんてその最もたるや)、初めて聴いたときは子供ながらに地味に映ったものです。が、ある程度大人になってから触れてみると……気持ちいいのなんの。組曲的に進む冒頭から緩急に飛んだ中盤、そして感動的なジャズバラード「Sometimes It Snows In April」で締めくくる流れは完璧の一言。
『1999』から始まった快進撃といいますか、ここらへんの流れは本当に神がかってる。映画は思い切りコケたけんだけどね(実際に観たのは20年以上経ってから)。
なお、本作に関しては過去により深く触れておりますので、こちらも合わせてチェックいただけるとありがたいです。
▼PRINCE & THE REVOLUTION『PARADE』
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PRINCE『SIGN O' THE TIMES』(1987)
1987年3月20日リリースの9thアルバム。再びソロ名義に戻ったかと思えば、いきなりアナログ/CDともに2枚組でやりたい放題(『1999』はCDではギリ1枚に収録)。
しかも『1999』とは異なり、今作は全16曲入りで含まれる楽曲のジャンルもバラバラ。『AROUND THE WORLD IN A DAY』がビートルズにおけるサージェント・ペパーズだとすると、本作はホワイト・アルバムか。ただ、ビートルズと違って殿下はこれをたったひとりで作り上げてしまったところが恐るべし。
だって、ミニマルサウンドの無機質ファンクなタイトルトラックから始まり、ゴージャスなパーティロック、クールなラップ、不穏なソウル、サイケポップ、王道ロック&ポップ、セクシャルなR&B、さらにはシリアスなハードロックまで入ってるんだから。当時はびっくりしたけど、いろんなジャンルが詰まってるからこそ一番好きなのかも。殿下のアルバムはそれまでレンタルで済ませてきたけど、初めてCDで購入した作品がこれでした。
なお、本作に関しては過去により深く触れておりますので、こちらも合わせてチェックいただけるとありがたいです。
▼PRINCE『SIGN O' THE TIMES』
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1988年5月10日発売の10thアルバム。前作『SIGN O' THE TIMES』から半年強で、『BLACK ALBUM』と題された謎の新作リリースがアナウンスされるも突如中止に。地元のショップでも予約告知してたからよく覚えてる。
で、その代わりに前作から1年後にこの問題作が登場(内容はまったく問題作じゃない)。先行の8センチCDシングルは2トラック入りだったけど、CDアルバムは9曲1トラック(意味わかりますか? 9曲分が40数分のひとつのトラックとして収録されていたということです)。初めての経験に戸惑いながらも、当時は編集点を見つけてカセットにダビングしてそっちばかり聴いてた(笑)。10年くらい前にサブスク配信が始まった当初はまだ1トラックだった記憶があるけど、気づいたら9トラックに分割されたバージョンも出回るように。作品の良し悪しには関係ないかもしれないけど、ある意味一番インパクトのあったCDかも。
あ、内容的には前作『SIGN O' THE TIMES』ほどの実験性はなく、軸が絞れている印象。『BLACK ALBUM』収録予定だった楽曲もいくつか含まれておりますが、それを抜きにしても非常にポップで楽しい1枚。自分的黄金期はここまでかな。
なお、本作に関しては過去により深く触れておりますので、こちらも合わせてチェックいただけるとありがたいです。
▼PRINCE『LOVESEXY』
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1989年6月20日リリースの11thアルバム。実写/イラスト含め殿下本人の欠片すら存在しないジャケットはこれが初めてか。
それもそのはず、本作はティム・バートン監督の同名映画のサントラ的立ち位置なのだから。が、実際には劇中で使われた曲は少なく、どちらかというとイメージアルバム的な1枚。そういう意味では『PURPLE RAIN』に近しいものがあるかな(ロックとヒップホップ寄りという違いはありますが)。全米1位を記録した「Batdance」は歌モノではないサウンドコラージュ的ダンスチューンだし、そのほかの歌モノもスルッと聴けてしまうくらい薄味。映画の相乗効果もあって『AROUND THE WORLD IN A DAY』以来の1位に輝いたけど、前作までの好調ぶりを考えると肩すかすを喰らうかも。
そこも含めて好き嫌い分かれそうだけど、当時10代後半の自分は『LOVESEXY』からの流れでよく聴いた記憶が。ただ、バットマン効果とはいえ、日本人の感覚だとなぜそこまでヒットしたのか当時は謎でした(笑)。
なお、本作に関しては過去により深く触れておりますので、こちらも合わせてチェックいただけるとありがたいです。
▼PRINCE『BATMAN』
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1990年8月20日リリースの12thアルバム。またもや映画のサントラ。しかし、今回は殿下自身が手がける同名映画のサントラ的1枚なので、前作『BATMAN』とはちょっと意味合いが異なるか。
今作は自身の歌唱曲のみならず、THE TIMEなどプリンスファミリーの楽曲(制作には殿下が関与)、テヴィン・キャンベルやジョージ・クリントンとのコラボ曲も多数含まれていて、最初こそ「?」でしかなかった。そりゃサントラなんだから、こういう作風もあるわなと今ならスッと理解できるけど、これまで全部自作自演してきたのになんで?と思わずにはいられなかった。かつ、約70分と非常に長尺。それらの理由もあって、当時もそこまで聴き込まず、敬遠した記憶も。
が、今聴くとそこまで悪いわけでもなく、なんなら前作よりも好き。とはいえ1曲1曲のインパクトは相当薄く、アルバムとしてあまり印象に残らないのも事実。
▼PRINCE『GRAFFITI BRIDGE』
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