カテゴリー「1994年の作品」の89件の記事

2024年5月 2日 (木)

TESLA『BUST A NUT』(1994)

1994年8月23日にリリースされたTESLAの4thアルバム。日本盤は同年9月21日発売。

全米13位まで上昇し、100万枚以上を売り上げた前作『PSYCHOTIC SUPPER』(1991年)から約3年ぶりの新作。BAD COMPANYやGIANT、3 COLOURS REDなどを手がけたテリー・トーマスを初めてプロデューサーに迎えて制作された、メジャーレーベルGeffen Recordsからの最終作となります。

前々作『THE GREAT RADIO CONTROVERSY』(1989年)からのバラードシングル「Love Song」、およびアコースティックライブアルバム『FIVE MAN ACOUSTICAL JAM』(1990年)の大ヒットの反動からか、前作『PSYCHOTIC SUPPER』は全体を通じてハードな仕上がりでしたが、続く今作も基本的な作風はその延長線上にあると言っていいでしょう。ただ、前作は「Edison's Medicine」といったファストチューンがリードシングルであったりアルバム序盤に配置されていましたが、今回はひたすらヘヴィなミドルテンポで攻めるという潔さ。時代的に80年代後半に登場したヘアメタルバンドが駆逐され、代わりにグランジ勢やPANTERAをはじめとするモダンヘヴィネスが台頭したことも、そうした作風に影響を与えたのかもしれません。

ドラマチックな組曲「The Gate / Invited」、転調からのツインリードソロという王道ヘヴィメタル的アレンジの「Shine Away」など、序盤からかなり熱のこもった楽曲がずらりと並び、「これは軽く前作超えでは?」と掴みもバッチリ。個人的には1stアルバム『MECHANICAL RESONANCE』(1986年)や2ndアルバム『THE GREAT READIO CONTROVERSY』をよりモダンに進化させた、という印象を当時持った記憶があります。

LED ZEPPELIN的なヘヴィグルーヴの「She Wants She Wants」や「Mama's Fool」、彼ららしいクセの強いコード使いが印象的な「Action Talks」や「Earthmover」、正統派ハードロックバンドらしいアップチューン「Cry」、エピカルな側面を強めた「Rubberband」、そして単なるパワーバラードで終わらない「Try So Hard」や「Need Your Lovin'」「Alot To Lose」など、1曲1曲のクオリティは非常に高い。過去3作での経験をより高い純度で昇華させた、充実度の高い楽曲群を前にしたら、本作こそTESLAの最高傑作と言いたくなってしまはずです。

もし、本作に対して難癖を付けるとしたら、全14曲/約70分の大作であること(日本盤はさらにLED ZEPPELIN「The Ocean」カバーを追加)。全14曲中7曲が5〜6分台と長尺で、かつ1曲の密度も高い。前作『PSYCHOTIC SUPPER』も全13曲で約68分と長尺な作品でしたが、今作も同様にすべてを咀嚼するまでに相当の時間を要しました。特に、よりシンプルな方向へとシフトしていた90年代半ばにおいては、時代に反した1枚だったこともあり、セールス的には過去3作には及ばず。全米20位/50万枚と彼らにしては低調で終わり(それでも、この手のバンドにしては当時大健闘だったのですが)、先に述べたようにデビューから在籍したGeffen Recordsとの契約はここで終了してしまい、トミー・スキーオ(G)もバンドを脱退。1996年にはバンド解散を余儀なくされます。

前作のときにも「これ、10曲に絞ったらもっとキュッと絞まったいいアルバムになったのに」と感じましたが、それは今作も同様でした。ただ、今回は前作以上に捨て曲皆無の仕上がりだっただけに、本当にそこだけが残念なんですよね。

 


▼TESLA『BUST A NUT』
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2024年4月20日 (土)

ZZ TOP『ANTENNA』(1994)

1994年1月18日にリリースされたZZ TOPの11thアルバム。日本盤は同年2月23日発売。

『GREATEST HITS』(1992年)を挟みつつ、オリジナルアルバムとしては“三部作”最終章の『RECYCLER』(1990年)から3年3ヶ月ぶりの新作。70年代末から在籍してきたWarner Bros.を離れ、新たに契約したRCA Recordsからの1作目となります。

前々作『AFTERBURNER』(1985年)以降の“デジタル”路線を引き継ぎつつも、本作ではそれが主になることなくあくまで味付け程度。楽曲自体はここ数作の延長線上にあるものの、不思議とハードロック色が強いように感じられ、冒頭の「Pincushion」や「World Of Swirl」などは適度なデジタル色が加わることでダイナミックに響く。スローブルース「Breakaway」もこのテイストで聴くと、クールさが際立つ印象があります。あれ、いいじゃんかこのアルバム。

80年代の彼らのアルバムはその方向性ゆえにか、音像的に軽さが気になってしまい、大音量で聴いたときの気持ちよさがイマイチだったのですが、本作はその点が解消されているのが大きなポイント。ドラムの鳴り含め低音が強調されており、やっている音楽自体はオーソドックスで古臭いはずなのに、リリース当時のほかのロック/ハードロックと比べても引けを取らないほど良質な音像で、『AFTERBURNER』や『RECYCLER』以上にモダンな作品だなと当時感じていました。

その印象はリリースから30年経った今も変わることなく、彼らの諸作品の中でも非常に高品質な1枚として挙げられます。楽曲のメジャー感は『AFTERBURNER』やそのひとつ前のメガヒット作『ELIMINATOR』(1983年)には及ばないものの、適度なポップさを備えた“大人の泥臭いハードロック”という点においては完成の域に達している。80年代の三部作を経て、それまでのイメージに縛られることなく次の一歩を踏み出したという点においても、本作は非常に画期的な1枚だったのではないでしょうか。

セールス的には全米14位と過去作ほどではなかったものの、ZZ TOPがアメリカでミリオンヒットを飛ばしたのは本作が最後。また、次作『RHYTHMEEN』(1996年)以降は泥臭さや渋みをより強めていくことになるという意味でも、本作はMTV世代が親しみを持って接することができる“最後の”良作なのかもしれません。もちろん、『RHYTHMEEN』以降もカッコいいのでオススメですけどね。

 


▼ZZ TOP『ANTENNA』
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2024年4月 4日 (木)

ACCEPT『DEATH ROW』(1994)

1994年10月4日にリリースされたACCEPTの10thアルバム。日本盤は同年11月2日発売。

ウド・ダークシュナイダー(Vo)、ウルフ・ホフマン(G)、ピーター・バルテス(B)、ステファン・カウフマン(Dr)という黄金期の4人が再び集結し制作した前作『OBJECTION OVERRULED』(1993年)に続く1枚。常にツインギター編成で活動してきた彼らでしたが、再結成後はライブにおいてもシングルギター編成だったこともあり、本作でもそのスタイルは継続。前作以上にシングルギターで聴かせるアレンジが施されています。

しかし、それ以上に本作が独特な作りなのは、その楽曲/サウンドのテイストの違いでしょう。1994年という時代もあってか、本作で聴くことのできる方向性はそれまでのオールドスクールなHR/HMとは一線を画する、グランジ以降のシンプルなアレンジ、およびMETALLICAPANTERAを通過したグルーヴメタルを踏襲した路線。オープニングを飾るタイトルトラック「Death Row」の作風に、多くのリスナーが当時腰を抜かしたものです(笑)。

あれから30年経った今聴くと、これはこれで面白いなと思えるのですが、当時は時代に迎合したと思われても仕方ないくらいに“今(90年代前半)風”に寝返っており、かつ彼らがこういうスタイルをやっても曲自体が面白くならないという事実が重くのしかかるだけでした。続くアップチューン「Sodom & Gomorra」もそういった傾向を踏襲しつつも、無理に80年代的疾走感を取り入れようとして、メロディにいまいち高揚感が足りない。お家芸といえるクラシックからの引用ギターソロ(ここではハチャトゥリアン「剣の舞」をフィーチャー)はあるものの、全体的にモノトーンで盛り上がりに欠けるアレンジが足を引っ張っている感は否めません。

では、本作が完全なる失敗作かと言われると、まったくそうも言えないんですよ。3曲目「The Beast Inside」では前作までの黄金サウンドが復調している。メロディラインや野郎臭いシンガロングなど含め、彼らに必要な要素がすべて揃っているんです。かと思えば、モダン色を強めつつも従来の彼ららしさが感じられるミドルヘヴィ「Dead On!」、軽快なファストチューン「Guns 'R' Us」、80年代にやっていたことをモダン化させたような「Like A Loaded Gun」と佳曲が続く……「意外」と言っては失礼かもしれませんが……「意外と聴き進めることができる」んです、このアルバム。

アルバム後半もグルーヴメタル的リフを用いながらも従来のACCEPTらしさも混在する「What Else」や「Stone Evil」、のちにカウフマンの健康上の理由からツアーに参加することになるステファン・シュヴァルツマン(Dr)が叩いた「Bad Habits Die Hard」や「Prejudice」、個人的には本作で「The Beast Inside」に次いでお気に入りのアップチューン「Bad Religion」、ジム・ステイシー(Vo)期の楽曲をリメイクした「Generation Clash II」、憂に満ちた泣きのバラード「Writing On The Wall」と、バラエティに富んだ楽曲が揃っている。ただ、ここで終わらせておけばよかったものの、ダメ押しで泣きの「Drifting Apart」とエドワード・エルガー「威風堂々」のカバーというインスト2連発をぶち込み、トータル71分強という我慢大会が展開されるわけです(苦笑)。

本作を駄作にしてしまっている最大の原因は、「歌メロやリフの弱さ」以上に「曲数が多い」ことではないでしょうか。正直、この15曲中5曲は削って、曲順を変えれば平均的な仕上がりにはなったはず(メロやリフの弱さはどうしようもないからね)。オープニングのタイトルトラックで聴き手をふるいにかけるのはいいんですが、そこからダラダラと山場のない楽曲群を聴かされ続けたら、そりゃ誰だって駄作って呼びたくなります。

曲単位では5点中4点を与えられるものがいくつか存在し、残りは2〜3点という残念な1枚ではありますが、先に述べたように嫌いにはなれないし、意外と面白いなという気づきも見つけられる、時間が経ったことで評価が変わりつつある“不運な時代の、不運なアルバム”ではないでしょうか(かといって傑作、良作とも言い難いんだけどな)。

 


▼ACCEPT『DEATH ROW』
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2024年3月31日 (日)

GREEN DAY『DOOKIE』(1994)

1994年2月1日にリリースされたGREEN DAYの3rdアルバム。日本盤は同年6月25日発売。

それまでインディーズのLookout! Recordsから作品を発表してきたGREEN DAYが、メジャーのReprise Reocrdsへ移籍して最初に発表した作品。本作からの「Longview」がBillboard Alternative Airplayで1位を獲得したのを筆頭に、「Basket Case」(同チャート1位)、「Welcome To Paradise」(同7位)、「When I Come Around」(同1位)とヒット曲を連発し、アルバムも最高2位まで上昇。セールス的には現在までに1000万枚を超える、キャリア最大のヒット作となりました。

当時のシーンを振り返ると、彼らのメジャーデビューはカート・コバーンNIRVANA)が亡くなる2ヶ月前のこと。つまり、アメリカで社会的現象を巻き起こしたグランジムーブメントが沈静化する直前のタイミングだったんです。サウンド的にはグランジ同様、シンプルで無駄のないバンドアンサンブルを軸にしているものの、そこに古き良き時代のパンクロックらしいメッセージ性、モノトーンな作風が中心だったグランジから一転して幾分カラフルでポップなメロディが、それまでの反動としてなのか、好意的に受け入れられた。特に、「Basket Case」などのMVで見せるシニカルさはグランジから地続きなところもあったので、すんなりと受け止められたのかなと思っています。

そして、彼らの人気を決定づけた要因のひとつに、1994年8月に開催された野外フェス『Woodstock '94』も挙げられるでしょう。1969年に行われた伝説のフェス『Woodstock Music And Art Fair』の25周年企画として実施されたこのフェスには、METALLICAAEROSMITHRED HOT CHILI PEPPERSNINE INCH NAILSなど当時のアメリカを代表するバンドも多数参加。GREEN DAYは公演3日目(8月14日)のサブステージ(South Stage)の5番手(ちょうど真ん中あたり)に登場し、客席から泥を投げ込まれたり観客がステージに乱入したりとかなりカオスな状況が今でも伝説として語られています。

当時、僕はこのアルバムを買った記憶がまったくないんですが、気づいたらなぜかCDが家にあったんです。当時の友人か彼女が上に忘れていったものかと思ったのですが、思い当たる人たちに聞いて回っても「自分のものじゃない。けど、お前の家でよく聴いてたよな」という返事ばかり。そういう不思議な縁で出会った1枚なんです。もちろん、ラジオで「Basket Case」や「Longview」は耳にしていたし、「Basket Case」のMVも面白いと思っていた。だけど、自分から進んで手にするかと言われたら、当時の自分は購入していなかったんじゃないかな。そういった意味でも、妙な縁でつながった1枚なんです。

また、その頃の自分はパンクといえばUKパンクのイメージが強く、USパンクはそこまで詳しくなかった。せいぜいRAMONESくらいだったかな(さらにそのルーツとなるようなアーティストも聴いていたけど)。だから、アメリカから生まれた新たなパンクと言われても「え、グランジがあるのに?」と消極的になってしまっていた。そう考えると、誰が置いていったのか、このアルバムを我が家に与えてくれたことは価値観をぶち壊す上でもかなり重要なトピックだったと思います。

RAMONES直系のポップでキャッチーなパンクチューンの数々は、そのRAMONES同様に50'sや60'sのUSポップやR&Bとの共通点が見受けられる。だけど、バンドアンサンブルは非常に尖っていて、歌詞に目をやるとグランジにも通ずるネガティブさも見受けられる(もっとも、家にあったのは輸入盤だったので、歌詞を理解したのはもっとあとのことですが)。決して彼らの台頭で時代が激変したのではなく、90年代初頭から続くダークなムードをそのまま引き摺りつつ、怒りの矛先が少しずつ変わっていった。そのターニングポイントを作ったのがGREEN DAYや、同時期にヒットを飛ばしたTHE OFFSPRINGのようなバンドたちだったんでしょうね。

ちなみに、彼らは次作『INSOMNIAC』(1995年)を発表したあと、1996年1月に初来日ツアーが実現。僕は当時晴海にあった会場でのスタンディングライブ(オープニングアクトにHi-STANDARDが出演)で、彼らのステージを初めて目撃しています。当時のエピソードについてはこちらのインタビューにも詳しく載っているので、併せてお読みくださいませ。

 


▼GREEN DAY『DOOKIE』
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2022年4月12日 (火)

AEROSMITHのベストアルバムを総括する(2024年改訂版)

先日ブライアン・アダムスで試してみた、いちアーティストの公式ベストアルバム/コンピレーションアルバムをひとつのエントリーの中で総括する記事AEROSMITH版です。

AEROSMITHは1973年のデビュー以降、Columbia Records(1973〜1984)→Geffen Records(1985〜1997)→Columbia(1997〜2021)→Universal(2021〜)と移籍を繰り返してきましたが、現在は全カタログの権利をUniversalが取得したことで、今後Columbia/Sony時代の音源もUniversalからフィジカル再発/デジタル配信されることになりそうです。

そういった意味では、ここに記す代表的なコンピレーションアルバムのいくつかは今後、姿を消すことになるかもしれません。それでもこの機会に改めて、ひとつの記録として記事を残しておくのはアリかなと思い、今回の執筆に至りました。

選出したベストアルバムは、レーベル主導によるシリーズ企画(Universalの『THE MILLENNIUM COLLECION』など)を除く、新曲やレア曲などを含む9 10作品。中には廃盤になっていたりサブスクで聴けないものも含まれていますが、ご了承ください。また、すでに単独エントリーで公開済みの作品もありますが、その場合は該当記事のリンクを貼っておきますのでご参考ください。(※2024年8月5日、新たに2023年発売の『GREATEST HITS』を追加した改訂版となります)

 

 

『AEROSMITH'S GREATEST HITS』(1980)

 

1980年11月にリリースされた、バンド初のベストアルバム。

そのタイトルどおり、収録内容はシングル曲を中心にしたもので、アナログ時代ということで全10曲/約38分というコンパクトな内容でまとめられています。また、構成的にもリリース順に並べられているので、いきなり「Dream On」から始まるという曲順はロックバンド的にどうなのかな?という疑問も残ります。

収録曲のうち、「Same Old Song And Dance」「Sweet Emotion」「Kings And Queens」はイントロを短くした“シングル・エディット”バージョンで収録。「Walk This Way」もアルバムバージョンより10秒近く短い形にエディットされています。オリジナルバージョンに勝るものはありませんが、本作リリース当時は70年代の代表的シングル曲をひとまとめに楽しめるアルバムとして、非常に重宝されましたし、80年代後半の本格的復帰以降も『PERMANENT VACATION』(1987年)『PUMP』(1989年)とともにこのアルバムを愛聴したファンは少なくなかったはずです(注:Apple Musicなど一部ストリーミング配信版は各シングルエディットがアルバムバージョンに差し替えられているのでご注意を)。

また、映画サントラに提供したビートルズのカバー「Come Together」が収録されている点も注目ポイントかな。『LIVE! BOOTLEG』(1978年)ではライブバージョンを先に聴くことができましたが、スタジオテイクがエアロのアルバムに収録されるのはこれが初めて。そこも本作が長く愛された要因のひとつかなと。

なお、本作がリリースされた頃にはすでにバンドの人気も低迷期に突入しており、チャート的には大きな成功を収めることはありませんでしたが、そこから数年後の再ブレイクも手伝い、セールス的には現在までに1000万枚を超えるメガヒット作となっています。

 


▼AEROSMITH『AEROSMITH'S GREATEST HITS』
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『GEMS』(1988)

 

1988年11月にリリースされたAEROSMITHのコンピレーションアルバム。

『PERMANENT VACATION』(1987年)の大ヒットを受けて、前レーベルのColumbia Recordsが企画したコンピ版で、シングル曲中心でまとめられた前作『AEROSMITH'S GREATEST HITS』と比べるとその内容はかなり地味なもの。ただ、ライブで演奏される機会の多い「Mama Kin」や「Lord Of The Thighs」「Train Kept A-Rollin'」なども含まれていることから、“裏ベスト”的側面の強い1枚かなと。

本作最大の注目ポイントは、『LIVE! BOOTLEG』(1978年)のみで聴くことができた「Chip Away The Stone」の未発表スタジオテイクが収録されていること。この1曲のために当時本作を購入したというファンも少なくなかったはずです。実際、この曲は本作からシングルカットもされ(既存ライブ映像を使用したMVも制作)、ラジオヒットも記録しています。

今のようにサブクスやYouTubeも存在せず、過去のスタジオアルバムにまで手を出せなかった当時の中高生には本作に収録された「Rats In The Celler」や「Nobody's Fault」「Round And Round」「Jailbait」などはかなりカッコよく響いたものです。ここから『ROCKS』(1976年)『TOYS IN THE ATTIC』(1975年)にも手を伸ばしていったビギナーは80年代後半、かなりの数存在していたはずですから。

コアなファンの中には、先述の『AEROSMITH'S GREATEST HITS』より本作のほうが好きという方も、意外と多かったりして。かくいう僕も本作、大好物ですからね。

 


▼AEROSMITH『GEMS』
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2022年3月29日 (火)

JEFF BUCKLEY『GRACE』(1994)

1994年8月23日にリリースされた、ジェフ・バックリィ生前唯一のスタジオアルバム。日本盤は同年9月8日発売。

1960年代に活躍したSSW・ティム・バックリィの実子として知られるジェフですが、早世だった父親ティム(享年28歳)と同じくジェフ自身も1997年5月29日に30歳の若さで急逝。1993年11月にライブEP『LIVE AT SIN-É』でメジャーデビューしてから、4年経たずしてこの世を去っています。

もちろんリリース当時からそこそこ高い評価を獲得していたこの『GRACE』ですが、やはり1997年の逝去後以降その評価は異常に高まり、現在まで名盤として広く知られることになります。実際、本作リリース時はBillboard 200でも最高149位と低調に終わり、売り上げも50万枚に満たなかった。しかし、その後の評価向上により現在は100万枚を超えるセールスにまで達しています。また、2004年には未発表だったデモ音源などを追加したCD2枚組の“Legacy Edition”も発売。2007年にはなぜかオーストラリアなどでチャート急上昇し、イギリスではシングル「Hallelujah」が最高2位を記録し、アメリカでも同曲がDigital Songランキングで1位という快挙を成し遂げました。

名手アンディ・ウォレス(NIRVANASLAYERブルース・スプリングスティーンなど)がプロデュース&ミックスを担当したそのサウンドは、オルタナ/グランジを通過した非常に90年代的な質感。ギターを軸にしたシンプルでモノトーン調のバンドアンサンブルも当時の空気感が反映されたもので、ジェフの歌声が変幻自在でカラフルなものだけに、程よいバランスで対比が成立しています。

タイトルトラック「Grace」や「Last Goodbye」「Eternal Life」などを聴くと、PEARL JAMや“90年代以降”のRED HOT CHILI PEPPERSを筆頭とした土着的なUSオルタナティヴロックとの共通点がたくさん見つけられるし、ジェフのボーカルも曲に合わせてパワフルさやエモーショナルさが増している。かと思えば、「Lilac Wine」やレオナード・コーエンの名曲をカバーした「Hallelujah」などのスローナンバーでは、ファルセットを多用した繊細な歌声を響かせる。このストレートに訴えかける彼のボーカルこそ本作最大の聴きどころであり、リリースから25年以上経った今も変わらず愛聴しているのもその功績が大きいのではないでしょうか。

もちろん、楽曲の良さは大前提ですし、演奏の素晴らしさもまた然り。こういったお膳立てがすべて完璧に揃っているからこそ、ジェフがのびのびと歌うことができた。まあ、最終的にはすべてのピースがかっちりと噛み合っているからこその名盤なのかな。序盤のムーディな空気感から徐々に熱量が高まっていき、「Dream Brother」でクライマックスを迎え、彼の死後に再発された際に追加された「Forget Her」でエンドロールが流れる。そんな一編の短編映画を音で楽しむような、そんなストーリー性を強く感じさせる1枚だと思います。

個人的には「Dream Brother」で締めくくる構成に慣れていましたが、現行のストリーミングなどで聴ける「Forget Her」終わりも悪くないな……最近はそう思えています。また、「Forget Her」で終わることで長く愛聴してきたアルバムに新たな光を与え、再び新鮮に楽しむこともできている。個人的には全然アリなボートラでした。

 


▼JEFF BUCKLEY『GRACE』
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2022年3月23日 (水)

KILLING JOKE『PANDEMONIUM』(1994)

1994年8月2日にリリースされたKILLING JOKEの9thアルバム。日本盤は翌1995年1月21日発売。

Noise Recordsから唯一のアルバムとなった前作『EXTREMITIES, DIRT AND VARIOUS REPRESSED EMOTIONS』(1990年)から約4年ぶりの新作は、メンバーのユース(B)主宰レーベルButterfly Recordingsへの移籍第1弾作品。ポール・レイヴン(B)などメンバーが相次いで脱退し、ジャズ・コールマン(Vo)とジョーディ(G)のオリジナルメンバー2人のみが残ったところに、もうひとりのオリジナルメンバーであるユースが再合流。MINISTRYNINE INCH NAILSといったインダストリアル系アーティストがシーンを賑わせいる中、真打ち登場とばかりに満を辞しての新作リリースとなりました。

ポストロック以降の、ミディアム/スローテンポ中心のインダストリアルサウンドや当時流行し始めていたロック寄りのダンスミュージックなどの影響下にあるスタイルは、これ以降のKILLING JOKEの作品に共通するもので、いわば第2期KILLING JOKEの基盤となったのが本作。ダンスミュージックのごとく繰り返されるリフ(フレーズ)をベースに、スローテンポで進行するタイトルトラック「Pandemonium」や、MINISTRY以降のインダストリアルサウンドを下地にしたモダンな「Exorcism」といった楽曲は、リリース当時は刺激的には感じられず、もっと言えば退屈にさえ思えたのですが(MINISTRYやNINほどわかりやすい過激さが足りなかったのも大きいのかな)、今聴くとこの反復ビートが非常にクセになる。むしろ、これくらいが丁度いいとさえ思えるほどピンとくるものがあります。

そんな中、中近東的フレーズを多用した「Communion」や、ポストロックバンドとしての面目躍如と言わんばかりの「Black Moon」、本作中もっともテクノ的フレーズを用いつつもしっかりロックしている「Labyrinth」、浮遊感の強いメロディ&サウンドメイクの「Jana」など個性的な楽曲も少なくなく、リリース当時はなぜこれを退屈に感じたのか疑問に感じるほど多様性の内容なんですよね。フロアライクなデジロック「Whiteout」「Mathematics Of Chaos」なんてクラブで大音量にて流れたらアガりまくり必至だろうしね。

たぶん僕が本作にのめり込めなかった理由って、1曲6〜7分もある曲が多かったことなんじゃないかな。1994年というと、グランジブーム後期にあたるタイミングで、2〜3分台の楽曲に慣れ親しんでいた時期でもあり、そういった耳にはロックとして接した本作はちょっとユルく思えてしまったのかもしれない。かつ、先にも書いたようにMINISTRYやNINほど直接的な攻撃性もないし。20代前半の自分にはまだ早すぎた1枚だったのかもしれませんね。

今日までのKILLING JOKEのカタログをひととおり聴いた中でも、本作はデビュー作『KILLING JOKE』(1980年)に匹敵するぐらい好みの1枚(こんなこと書いたら、初期リアルタイム世代の諸先輩方から叩かれそうですけど、本当なんだからしょうがない)。ジャズ・コールマンのボーカルも初期の青臭さが抜け、凄みが強まっていて最高ですし。そういった点でも本作は90年代よりも、むしろ2010年代以降にしっかり評価されるべき1枚だと確信しています。

 


▼KILLING JOKE『PANDEMONIUM』
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2022年2月14日 (月)

THE WiLDHEARTS『PHUQ (DELUXE)』(2022)

2022年2月12日に配信リリースされた、THE WiLDHEARTSの2ndフルアルバムのリパッケージ盤。現時点ではリリース元のRound Recordsのみで購入/ダウンロード可能。CDやアナログなどのフィジカルリリースは2022年6月を予定。

本作は1995年5月に発表された名盤『P.H.U.Q.』の、当初予定していた形に再構成&最新リマスタリングを施した最新エディション。1994年の制作開始時点ではジンジャー(Vo, G)は2枚組を想定しており、その中には7〜8分台の長尺ナンバーも多数含まれていました。ここではまず、『P.H.U.Q.』完成までの流れを解説していきます。

当初、バンド側は1994年初夏に「Inglorious」(約8分)と「Sky Babies」(10分超え)の2曲入りシングルを計画。しかし、長い曲を嫌った当時のレーベルがこの計画を拒否し、当時制作が進んでいた6曲で構成された『FISHING FOR LUCKIES』というミニアルバムをファンクラブ限定でリリースしました。この『FISHING FOR LUCKIES』からは「If Life Is A Love Bank I Want An Overdraft」と「Geordie In Wonderland」をリードトラックに、そしてアルバム未収録の「Hate The World Day」「Fire Up」を追加した4曲入りシングルが1995年1月にリリースされています(全英31位)。続いて、バンドは「I Wanna Go Where The People Go」を同年4月に発表し(全英16位)、翌5月に新たな形で構成された13曲入りの『P.H.U.Q.』が発売されました(全英6位)。

今回リパッケージされた『PHUQ (DELUXE)』は全19曲で構成されており、その内訳は『FISHING FOR LUCKIES』収録の6曲と1995年版『P.H.U.Q.』収録の13曲をまるまる収録したもの。曲順こそ新たな形で構成し直されていますが、使用されている音源自体に大きく手を加えた様子は見受けられません。唯一、1995年版『P.H.U.Q.』最終曲「Getting It」終了後にシークレットトラックとして収められていた「Don't Worry 'bout Me」が、今回のリパッケージ版にはラストナンバー「Sky Babies」のあとに移されているくらいでしょうか。

この19曲の流れで聴く『PHUQ (DELUXE)』はなかなか聴き応えのあるもので、それは『FISHING FOR LUCKIES』や『FISHING FOR LUCKIES (East West Version)』(1996年)よりも滑らかで、1995年版『P.H.U.Q.』以上にダイナミックさが伝わる構成で、「なるほど、こういうつなぎ方があったか!」とニヤリとさせられます。

ただ、ひとつ気になったのはシングルとして先行発売された「Hate The World Day」「Fire Up」が今回のリパッケージ版には含まれていないこと。特に「Fire Up」はそのエンディングに「In Lilly's Garden」のイントロが含まれており、当初は「Fire Up」〜「In Lilly's Garden」という流れでアルバムに収められる予定だったのかなと思っていたのですが、違ったのかな? 単に「Hate The World Day」「Fire Up」はシングルカップリング用に書き下ろされたもので、「Fire Up」のエンディングはシングル用にアレンジされたものだったのか、そもそもジンジャーが当初イメージしていた構成案にこの2曲は入っていなかっただけなのか。もともとどういう構成案だったのかがあの当時に示されていなかっただけに、今となっては謎のままですが(仮に今、ジンジャーが「もともとこうだったんだよ」と発言しても、それは2022年2月時点のものでしかないですしね)。

おそらく、当時はもともとの案で構成したアルバムは形になっておらず、今回既存の音源を並べ替えただけなので、別ミックスなど貴重な音源は残っていないのでしょう。「単に既発曲を並べ替えただけ」で終えることもできますが、こういう“if”の世界が27年後に楽しめるだけでもロマンがあって面白いんじゃないでしょうか。ビギナーはサブスクなどで配信中のオリジナルバージョン(1995年版)で十分でしょうが、古くからのファンはコレクターズアイテムというよりもジンジャーへの課金(笑)のつもりで購入してみてはいかがでしょう。

 


▼THE WiLDHEARTS『PHUQ (DELUXE)』
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2021年9月 8日 (水)

ENUFF Z'NUFF『SEVEN』(1997)

1997年2月18日に海外でリリースされたENUFF Z'NUFFの7thアルバム。日本では1994年9月30日にCHIP & DONNIE名義で、『BROTHERS』というタイトルにて発表されました。

制作時期が『TWEAKED』(1995年)と重なること、特に日本では同作と同時期(1994年11月末)発売ということで、表裏一体の2枚であることが伺えます。ヘヴィ&ダークな『TWEAKED』と比べると、CHIP & DONNIE名義で発表されることとなった今作はよりパワーポップ色の強い、カラフルさと穏やかさが同居した意欲作に仕上がっています。

レコーディングメンバーはドニー・ヴィ(Vo, G, Key)、チップ・ズナフ(B, G, Vo)、ジョニー・モナコ(G)、リッキー・ペアレント(Dr)という布陣で、アディショナル・プレイヤーとしてデレク・フリーゴ(G)が3曲ほど参加。『TWEAKED』がドニー、チップ、リッキーにジーノ・マルティノ(G)という布陣だったことを考えると、この『SEVEN』および『BROTHERS』が最新ラインナップだったということになるのでしょうか(続く『PARAPHERNALIA』も同編成で制作されていますしね)。

上記のように日本では当初、バンドとは別名義の、あくまでドニーとチップによる“レノンマッカートニー”的作品集として発表されたこともあり、「やけにパワーポップ側に振り切ったアルバムだな」と感じながら聴いた記憶があります。しかし後年、海外では “ENUFF Z'NUFFの7作目”としてカウントされるようになったことで、素直に“バンドの一部”と捉えられるようになったんじゃないでしょうか。特に海外では、本作のあとに『PARAPHERNALIA』が続くという流れも自然ですし、『TWEAKED』と本作との間にレアトラック集『PEACH FUZZ』(1996年)を挟んでいることも効果的ですよね。

内容に関しては、文句なしの高品質さを誇り、ビートルズ・ライクな側面やCHEAP TRICKを彷彿とさせるカラー、90年代初頭のオルタナティヴロック的なテイストも随所に散りばめられており、曲によってはハードロック度が高いものもあり。『TWEAKED』から毒気を抜くとこうなるんじゃないか?とも感じられる部分が豊富にあるので、やはり今作は『TWEAKED』と地続きであり、一緒に語るべき重要な1枚ではないでしょうか。

『PARAPHERNALIA』以降のZNUFFが好きなら、間違いなく気に入るであろう1枚。いや、むしろ『TWEAKED』という“アク抜き”を含めて本作が好きな人なら、以降の活動は間違いなく受け入れられずはず。バンドにとって分岐点となった1枚ではないでしょうか。

なお、本作は海外での正式リリースに伴い3曲のボーナストラックが追加されています。うち1曲は『BROTHERS』にも収められたジョン・レノン「Jealous Guy」のカバー。残りの2曲はオリジナル曲の「For Your Girl」と「I Won't Let You Go」で、後者はサックスをフィーチャーしたアレンジがなかなかです。

 


▼ENUFF Z'NUFF『SEVEN』
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2021年6月18日 (金)

HELLOWEEN『MASTER OF THE RINGS』(1994)

1994年夏にリリースされたHELLOWEENの6thアルバム。日本盤は同年8月24日発売。Wikipediaでは海外盤は7月8日リリースとあるのですが、これが正しいかどうかは不明。日本初盤帯に「日本先行発売」と記されているので、海外でのリリースは8月末以降の可能性が高いですね。

前作『CHAMELEON』(1993年)を携えたツアーを終えたあと、マイケル・キスク(Vo)とインゴ・シュヴィヒテンバーグ(Dr)がバンドを離れ、残されたマイケル・ヴァイカート(G)、ローランド・グラポウ(G)、マーカス・グロスコフ(B)は新たにアンディ・デリス(Vo/ex. PINK CREAM 69)、ウリ・カッシュ(Dr/ex. GAMMA RAY)を迎えた新編成でアルバムを制作。気心知れたトミー・ハンセンとともに起死回生の1枚を完成させます。

前々作『PINK BUBBLES GO APE』(1991年)、前作『CHAMELEON』で正統派ヘヴィメタル路線から徐々に離れていったHELLOWEENでしたが、そうした嗜好の強かったキスクが抜けたことで再びパワーメタル路線が復活。アンディ・デリスという“歌える”シンガーを得たことで、そういったスタイルにPINK CREAM 69あたりがやりそうなメロディアスハードロックのテイストも加わった、1本芯が通りつつもバラエティ豊かな作風へとシフトします。

シンフォニックなSE「Irritation (Weik Editude 112 in C)」からアップテンポの歌モノメタル「Sole Survivor」へと続く構成は、どこか『KEEPERS OF THE SEVEN KEYS: PART II』(1988年)を彷彿とさせるものがあるし、王道疾走メタル「Where The Rain Grows」はこれぞHELLOWEENという十八番的1曲。かと思えば、アンディが作詞作曲した「Why?」はHELLOWEENに新たな魅力を与えているし、ローランド書き下ろしの「Mr. Ego (Take Me Down)」はこれまでにないタイプのミディアムヘヴィチューンに仕上がっている。遊び心の強い「The Game Is On」はやはりヴァイカート作かとニヤリとさせられたと思えば、PINK CREAM 69でやっても違和感のないバラード「In The Middle Of A Heartbeat」やひたすら突っ走る「Still We Go」で新しいHELLOWEENを提示する。各ソングライターのカラーが色濃く表れつつも、アンディが歌うことでアルバムに統一感を持たせ、「これが1994年のHELLOWEENだ!」と高らかに宣言するという、ある意味力技の1枚と言えるでしょう。

初めて聴いたときは「いいアルバムだけど、これをHELLOWEENと呼んでいいものか……」という違和感も残りました。しかし、そんな迷いも数回リピートしたことには払拭され、気づけばHELLOWEENのキャリア中1、2を争う傑作にまで昇格。今でも聴く頻度の高いアルバムのひとつです。

このアルバムが当時、日本で数10万枚も売れたことは決して忘れてはならないし、HELLOWEENが真の意味でトップバンドの仲間入りを果たせたのは本作の功績が大きい。本来なら本作のあとか次作『THE TIME OF THE OATH』(1996年)のタイミングに日本武道館に立っておくべきだったよな……と、改めて思わずにはいられません。BON JOVIがミリオンヒットするなど、HR/HMが日本でバカ売れした90年代半ばは夢のような時代でしたよね……(遠い目)。

そんな、あの頃メタルファンなら誰もが聴いていた名作を2021年現在、日本ではストリーミングサービスはおろかデジタル配信もされていないという事実。悲しいったらありゃしない。ぜひ『PINK BUBBLES GO APE』から『BETTER THAN RAW』(1998年)までの諸作品と『KEEPER OF THE SEVEN KEYS: THE LEGACY』(2005年)の、国内未配信のアルバムを各種ストリーミングサービスでも楽しめるようにしてもらいたいところです。

 


▼HELLOWEEN『MASTER OF THE RINGS』
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