2017/04/11

DEMOLITION 23.『DEMOLITION 23.』(1994)

HANOI ROCKS以来のパーマネントなバンドとなるはずだったJERUSALEM SLIMが短期間で、しかもアルバム完成を待たずして空中分解してしまったマイケル・モンロー。傷心のまま再びソロに戻るのかと思いきや、懲りずに新たなバンドを結成します。

マイケル以外のメンバーは、JERUSALEM SLIMから引き続きサミ・ヤッファ(B)、元STAR STARのジェイ・ヘニング(G)、そしてジミー・クラーク(Dr)という布陣。もともとはニューヨークのクラブで演奏していたカバーバンドがベースになっており、それがそのままDEMOLITION 23.という名前のパーマネントなバンドへと進化していきます。そして1994年6月、日本先行リリースという形で“最初で最後の”アルバム『DEMOLITION 23.』が発表されました。

JERUSALEM SLIMではかっちり作り込まれたLAメタル的サウンドが特徴でしたが、DEMOLITION 23.ではマイケルのルーツであるパンクロックに再びフォーカスを当てています。サウンドも生々しくてルーズなものばかり、楽曲も非常にシンプルでわかりやすさ重視といった印象。『NOT FAKIN' IT』にも参加していたリトル・スティーヴンスもプロデュース&曲作りに加わっていることから、『NOT FAKIN' IT』をよりラフにした作風、といえばわかりやすいかもしれませんね。

また、カバー曲も「Ain't Nothin' To Do」(DEAD BOYS)、「I Wanna Be Loved」(ジョニー・サンダース)、「Endangered Species」(UK SUBS)と、バンドとしてのコンセプトが非常にわかりやすいものばかり。さらにJERUSALEM SLIM時代に制作された「The Scum Lives On」も、DEMOLITION 23.の手にかかるとSEX PISTOLS的なカラーへと一変しています。

1本筋の通った男気溢れるアルバムだけど、“これ!”といったキメの1曲がないのもまた事実。それもあってか、全体的にB級感が漂っており、初めてこのアルバムを聴いたときは「もう表舞台に舞い戻るのは無理かも……」とちょっとだけガッカリしたものです。決して悪くはないんだけど、ベストでもない。この作風自体が、当時のマイケルの心情を表しているようで、なんとも言えない気持ちになります。

ちなみにDEMOLITION 23.にはその後、ジェイ・ヘニングに代わり元HANOI ROCKSのナスティ・スーサイドが加わるのですが、程なくして脱退。これによりバンドも短命で終わることになり、さらに傷心のマイケルは10年近く住んだニューヨークを離れ、故郷のフィンランドへ戻ることを決意するのでした。



▼DEMOLITION 23.『DEMOLITION 23.』
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投稿: 2017 04 11 12:00 午前 [1994年の作品, Demolition 23., Hanoi Rocks, Michael Monroe] | 固定リンク

2016/12/20

AEROSMITH『BIG ONES』(1994)

Geffen Recordsから約10年で4枚のオリジナルアルバム(『DONE WITH MIRRORS』『PERMANENT VACATION』『PUMP』『GET A GRIP』)を発表し、作品ごとにセールスを上げていったAEROSMITHの、同レーベルへの(結果として)置き土産となったベストアルバム。収録曲は4枚のアルバムから……と言いたいところですが、ヒット曲に恵まれなかった『DONE WITH MIRRORS』からは未選出で、『PERMANENT VACATION』以降のヒットシングルを軸に構成されています。

改めて復活後のエアロはヒット曲作りと真剣に向き合ったんだなというのがわかる内容で、ライブでおなじみのナンバーが目白押し。70年代の代表曲で固められた『GREATEST HITS』(1980年)と比較するのは野暮ですが、あの頃にあったアクの強さは皆無といっていいでしょう。一方で、いかがわしさや危うさと引き換えに手に入れた強靭なサウンドと巧みなアレンジのすごさも、このアルバムからたっぷり感じられるのではないでしょうか。

本作には2曲の新曲(「Walk On Water」「Blind Man」)と1曲のアルバム未収録曲(「Deuces Are Wild」)も収録。新曲は『PERMANENT VACATION』『PUMP』『GET A GRIP』でおなじみのブルース・フェアバーンの手によるものではなく、新たにマイケル・ベインホーン(レッチリやSOUNDGARDENなど)を起用しているのも興味深いところ。デッド感の強いサウンドとグルーヴィーなアンサンブルのミックスが絶妙な「Walk On Water」に、「エアロのこの先」を少なからず感じたのも、今となっては懐かしい思い出です。

そういえばこのアルバム、曲順も素晴らしいと思います。特に「Eat The Rich」のゲップの後に「Angel」が続くあたりは真骨頂ではないかと。



▼AEROSMITH『BIG ONES』
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投稿: 2016 12 20 02:00 午前 [1994年の作品, Aerosmith] | 固定リンク

2015/10/04

Megadeth全アルバム私的レビュー(2/5)

思いつきで急遽始めたこの「Megadeth全アルバム私的レビュー」。前回は80年代の3作品(1st〜3rd)でしたが、2回目となる今回はマーティ・フリードマン&ニック・メンザ加入後の黄金期3作品(4th〜6th)についてです。で、全アルバムを聴き返してるうちに「これは触れておいたほうがいいな?」と思う企画盤についても、その都度触れていこうかと思いまして。なので当初の予定では14枚だったものが、15、6枚になる予定です。今回のタイミングで言えば、6thの後にリリースされた『Hidden Treatures』がこれに当たるかと……といことで、今回もかなり偏ったレビューになると思いますので、まあこういう意見もあるよ程度に受け取っていただけるとありがたいです。


■4th『Rust in Peace』(1990年)

アルバムタイトルが3作続いた『◯◯... ◯◯◯』スタイルから、一気にシンプルに(その名残か、アルバムには「Rust in Peace... Polaris」という収録曲も)。マーティ・フリードマン&ニック・メンザという黄金期メンバーがここで揃い、アルバムもインテレクチュアルスラッシュから一歩抜け出した感が強いものに。オープニングから「Holy Wars... The Punishment Due」「Hangar 18」という後世に伝えたい名曲が続き、後半にはメロディアスな疾走メタル「Lucretia」「Tornado of Souls」が構えるなど、その後のMegadethのスタイルがここでひとつ確立した印象。マーティという異彩を放つギタリストの加入は、こんなにも大きくバンドのその後を左右したんだなと、その後の歴史を踏まえつつ改めて実感。最近キコ・ルーレイロを加入させたのも、結局そういうことなんだろうな、と。ここまで名曲揃いと書いてきたものの、実は個人的にはアルバムとして今ひとつの印象を持っている。アルバムを通して聴いたときに2ndや3rdほどの凄みを感じないというか。これも個人的主観なのだが……。


▼Megadeth『Rust in Peace』
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■5th『Countdown To Extinction』(1992年)

前作で感じられた変革の予感が、ここで一気に開花した1枚。ビルボード2位、セールス的にも過去最高の200万枚という結果を残した作品だけど、いわゆるスラッシュメタルから脱却したことで一部ファンからは踏み絵のような1枚なのかもな、という気も。前年にリリースされ天文学的大ヒットとなったMetallicaのブラックアルバムに対するMegadethからの回答というか、とにかくミドルテンポ中心で、どの曲もMegadethにしてはコンパクトにまとまったものばかり。中には「Sweating Bullets」のようなシャッフルリズムの変化球もある。個人的には後半、ストレートなファストチューン「High Speed Dirt」からこれまでのように複雑な展開を持つラストナンバー「Ashes In Your Mouth」の流れ/構成がお気に入り。良い解釈をすれば、ムステインが先細りになりつつあったメタルシーンを背負う覚悟を決めた1枚と受け取れる。実は聴く頻度の高いアルバム1位がこれ。でも……このアルバムタイミングで武道館公演が決まっていたのに結局ムステインの悪い癖で中止になってしまったことで、個人的にはあまりいい印象のない時期でもあるわけだが。


▼Megadeth『Countdown To Extinction』
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■6th『Youthanasia』(1994年)

ムステイン、エルフソン、マーティ、ニックという黄金期布陣で制作された3作目。コンパクトでメロウなミディアムテンポの楽曲が中心というアルバム構成は、セールス的に大成功した前作から引き継いだもの。実際、チャート的にも前作の2位に次ぐ4位という高順位にランクインしており、グランジ全盛だった時期にしては大健闘した記憶が。しかし、アルバムとしての印象が非常に希薄で、ファンの間でも「これがベスト!」という人は少ないのでは。とはいえ、1曲1曲の完成度は高いものが多く、ザクザクしたリフが気持ちいいオープニング「Reckoning Day」、前曲の流れを汲むグルーヴィな「Train of Consequences」、後にリメイクもされる泣きのバラード「A Tout le Monde」、初期のニヒルさが復活しつつある「Victory」などは今聴いてもいいと思う。ただ、やはり全体的に似たり寄ったりのテンポ感&雰囲気の曲が続くことで、1枚通して聴くにはちょっと厳しいかも。久しぶりに通して聴いたけど、やっぱりキツかったというのが本音。後に迎える大きな転換期を前にした過渡期的作品。


▼Megadeth『Youthanasia』
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■企画盤『Hidden Treatures』(1995年)

当初日本のみでリリースされていた、過去のカバー曲やアルバム未収録曲を集めたコンピレーションアルバム。アリス・クーパー「No More Mr. Nice Guy」やBlack Sabbath「Paranoid」、再びSex Pistolsから「Problems」をカバーするなど、Megadethにしてはストレートな楽曲ばかりなのが面白味に欠けるかも。その他には日本盤ボーナストラックとして既発の「Breakpoint」「New World Order」などもあり。個人的には、なかなかの出来なのにアルバム本編に収録されることのなかった映画サントラ提供曲(『ラスト・アクション・ヒーロー』の「Angry Again」、『ビルとテッドの地獄旅行』の「Go to Hell」など)をまとめて聴けるという意味で非常に重宝した1枚。どうせなら「Anarchy In The U.K.」や「I Ain't Superstitious」といったアルバムに収録されたカバー曲も集めた、完璧なカバー&サントラ提供曲集にすればもっと価値が高まったのかも。まあ今となってはコアなファン向けの1枚で、オリジナルアルバムを全部聴いた人が最後に揃えればいいかも(「Angry Again」あたりは後のベストアルバムにも収録されてるし)。


▼Megadeth『Hidden Treatures』
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投稿: 2015 10 04 12:05 午前 [1990年の作品, 1992年の作品, 1994年の作品, 1995年の作品, Megadeth] | 固定リンク

2015/01/13

祝ご成人(1994年4月〜1995年3月発売の洋楽アルバム20枚) ※改訂版

新成人の皆さん、おめでとうございます。というわけで今回は、新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1994年4月〜1995年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

あ、並びはすべてアルファベット順です。

Beastie Boys「Ill Communication」(Amazon

Blur「Parklife」(Amazon

Dinosaur Jr.「Without a Sound」(Amazon

Helmet「Betty」(Amazon

Jeff Buckley「Grace」(Amazon

Korn「Korn」(Amazon

Machine Head「Burn My Eyes」(Amazon

Madonna「Bedtime Stories」(Amazon

Manic Street Preachers「The Holy Bible」(Amazon

Nine Inch Nails「The Downward Spiral」(Amazon / 日本盤1994年4月発売)

Oasis「Definitely Maybe」(Amazon

Pearl Jam「Vitalogy」(Amazon

Pink Floyd「The Division Bell」(Amazon / 日本盤1994年4月発売)

Portishead「Dummy」(Amazon

The Prodigy「Music for the Jilted Generation」(Amazon

R.E.M.「Monster」(Amazon

Radiohead「The Bends」(Amazon

Slayer「Divine Intervention」(Amazon

Suede「Dog Man Star」(Amazon

Weezer「Weezer (The Blue Album)」(Amazon


残念ながらセレクトから漏れた作品も多いです。それこそThe Beatlesの「Live at the BBC」、The Rolling Stones「Voodoo Lounge」、Nirvana「MTV Unplugged in New York」、The Stone Roses「Second Coming」といったものから、Marilyn Mansonのデビュー作「Portrait of an American Family」、Sloan「Twice Removed」、Sick of It All「Scratch the Surface」、The The「Hanky Panky」、Bonston「Walk On」、TLC「CrazySexyCool」、Van Halen「Balance」、Beck「Mellow Gold」あたりまで。カート・コバーンが亡くなって20年なんですね。そう考えると20年なんてあっという間ですよ、本当に。

※1/13 17:40加筆修正
Nine Inch Nails「The Downward Spiral」という個人的に絶対に欠かせないアルバムの存在を思い出させてくれたいっしーさんに感謝。というわけで、セレクトを一部改訂しております。

投稿: 2015 01 13 12:06 午前 [1994年の作品, 1995年の作品, Manic Street Preachers, Nine Inch Nails, 「20年前」] | 固定リンク

2005/08/16

LOUDNESSの'90年代前半作品、USにて初リリースに。

 最近、「Wounded Bird」っていうレーベルから'80年代の名盤が再発されてるんですよ。例えばWINGERの2ndとか3rdENUFF Z'NUFFの廃盤だった2nd辺りが最近ここから再発されたりしてて。

 んでこのレーベル、調べると「Atlantic Records」周辺のものしか再発してないのね。どうやらその辺の傘下みたいで、廃盤モノの再発専門レーベルのようです。ソニーでいうところの「Legacy」みたいな感じ?

 でさ。最近このレーベルから、日本のLOUDNESSのUS未発売だった時期の作品がまとめてリリースされてるんですよ。これは再発とは言わずに、初US盤化ってことになるのかしら。既にこの時期のLOUDNESSは海外での契約はなかったはずで、非常にドメスティックな活動だったのね。歌詞も日本語ものがポツポツと復活し出した頃だし(ま、アルバムに1〜2曲程度?)、そりゃ海外でのリリースはキツイよな、と。音楽的にも「THUNDER IN THE EAST」の頃とは全く違うバンドになっちゃってるし。

 来月、現オリジナルメンバーによる最新作「RACING」の英語版ヨーロッパでもリリースされるけど、これを機に再評価とか起こるんでしょうか。そういえば去年だったっけ、ヨーロッパのフェスにLOUDNESSがスペシャルゲストとして呼ばれたのって。その辺の影響もあるのかしら。

※アルバムタイトル前の「○」が過去USでのリリースあり、「●」は今回USで初出となるアルバム。



○THUNDER IN THE EAST('85年)amazon
‥‥USデビュー盤。ビルボードのアルバムチャートの74位にランキングしたことで有名。"Crazy Nights" のイメージが強いんだけど、この曲はそれまでの彼等らしくない、非常にアメリカンなミドルヘヴィチューンなのよね。全体的にその辺を意識した曲作りになってるので、当時は賛否あったように記憶してます。



●8186 LIVE('86年/US未発売)amazon
‥‥デビュー5周年記念の代々木体育館ライヴを収録した2枚組ライヴ盤。ライヴ盤としては通算2作目だけど、とにかくベスト選曲なので当時よく聴いた記憶が。



○HURRICANE EYES('87年/USバージョン)amazon
‥‥「Atlantic Records」からのUSリリース第3弾。"S.D.I." のイメージが強いけど、実は "This Lonely Heart" や "Rock'n'Roll Gypsy"、"So Lonely" 等、非常にポップなメロを持った曲が多い意欲作。日本では後に「日本語バージョン」のアルバムも製作されましたっけ。



○SOLDIER OF FORTUNE('89年)amazon
‥‥'88年に二井原脱退、更にワールドワイドな活動を目指すためにアメリカ人シンガー、マイク・ヴェセーラを迎えて製作されたUSリリース第4弾。が、歌詞やメロディ自体は二井原在籍時には完成していたもので、マイクはそれに沿って歌っただけのよう。だからなのか、我々日本人にも取っつきやすい、メロディアスなハードロックを聴かせてくれます。売れなかったけど、アメリカでの評価はかなり高いようです。



○ON THE PROWL('91年)amazon
‥‥マイク加入後2作目にしてUSリリース第5弾。デビュー10周年記念と称して、過去の代表曲を当時のメンバーで再録音。勿論原曲が日本語の歌詞は全部英語に。何故か "Crazy Nights" や "Loudness"、"Crazy Doctor" といった王道が選ばれてない。"In The Mirror" とか "Sleepless Night" 等の出来はなかなか。他に新曲が幾つか入ってるけど、これは微妙。正直、「SOLDIER OF FORTUNE」がウソみたい。そういう意味でも非常にアメリカン。ただ、その割りには海外で全然話題にならなかったようだけど。



●LOUDNESS('92年/US未発売)amazon
‥‥マイクが'91年夏のUSツアー後脱退(ていうか半ばクビ)、更にオリジナルメンバーの山下(ベース)まで脱退し窮地に立たされるも、MASAKI(元E.Z.O./Vo)とTAIJI(元X/Ba)の加入で「ある意味」過去最高のメンツになってしまった、このメンバーによる唯一のオリジナル盤。当時はスポーツ新聞にも大きく取り上げられたよね、TAIJI加入で。でも音はLOUDNESSというよりもE.Z.O.に近い気が。ボーカルのせいか。そして全然Xぽくない。両バンドが好きだった者としては複雑だった。当然、このアルバムのツアーは結構な数追っかけたよ。



●ONCE AND FOR ALL('94年/US未発売)amazon
‥‥上記「LOUDNESS」リリース時のツアーを収録したライヴ盤。当然メインは「LOUDNESS」収録曲なんだけど、このライヴ盤の本当の凄さはMASAKIが "Crazy Doctor" や "S.D.I" を歌う以上に、LOUDNESSとしてE.Z.O.の "House Of 1,000 Pleasures" をプレイしてる事実でしょうか。演奏は粗いけど、それ以上の価値はあると思うよ。



●HEAVY METAL HIPPIES('94年/US未発売)amazon
‥‥案の定TAIJIがすぐに脱退して、しかもドラムの樋口まで脱退。MASAKIも一時脱退という半ば解散状態の中、出戻りMASAKIと共に製作された1枚。ドラムにはMasakiの盟友、本間大嗣(元E.Z.O.、現在はANTHEM)を迎え、ベースは高崎自らが弾いてる。非常にサイケでヘヴィな1枚。今聴いてもLOUDNESSには聞こえない。多分E.Z.O.が続いてたらこういう路線に行っちゃったのかなぁ、という気も。



●LOUD'N'RAW('95年/US未発売)amazon
‥‥「HEAVY METAL HIPPIES」リリース後のクラブツアーを収めたライヴ盤。ベースはアルバム完成後に加入した(当時)元ANTHEMの柴田直人。曲がアレなので勿体ない気がするけど‥‥聴きどころは、DEEP PURPLEの "Speed King" のカバーかしら。あと、やっぱりMASAKIには "S.D.I" は歌いこなせないと思う。宝の持ち腐れだよな、双方にとっても。


 「LOUDNESS」以降の、ワーナー在籍時のオリジナル盤とライヴ盤が海外初リリースとなるわけね。ま、E.Z.O.のファンって海外にも多いだろうから、そういう意味での需要はあるだろうね。そして、どういう評価を受けるのかが気になるところ。

 そういえばAmazonで、「LIGHTNING STRIKES」('85年のUSリリース第2弾)のみ見つからないよ。って思ったら、このアルバムだけ再発されてないでやがんの。確かに俺の中でも一番微妙な1枚なんだけどね。

 ‥‥考えてみたら、E.Z.O.のアルバムも紙ジャケ・リマスターでこの春に再発されたけど、当のMASAKIは何してるんでしょうか‥‥ニューヨークにいるんだっけ? もっと活発に音楽活動やって欲しいんだけどなぁ‥‥難しいだろうけど。

投稿: 2005 08 16 08:47 午後 [1985年の作品, 1986年の作品, 1987年の作品, 1989年の作品, 1991年の作品, 1992年の作品, 1994年の作品, 1995年の作品, Loudness] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/12/18

加藤いづみ『skinny』(1994)

 加藤いづみにとって1994年っていうのは、前年('93年)に突然訪れた "好きになって、よかった" による中ブレイクを、どう持続させるか、あるいは同曲で彼女に興味を持った人をどのようにして完全にこっち側に振り向かせるか‥‥という、恐らくこれまでの彼女の音楽人生の中で一番「戦った」1年だったんじゃないでしょうか。その結果、アルバム2枚(内1枚はベスト的内容)という、これまでで一番リリースの多かった1年だったように、あれから10年経った今、思うわけですよ。

 通算4作目となるこの「skinny」というアルバム。8曲しか入っていなってことでミニアルバムと捉えることもできますが、前述の "好きになって、よかった" 以降、そしてそれよりも前にリリースされながらもオリジナルアルバムに収録されていないシングル曲が幾つかあるにも関わらず、それらを排除してまで「オール新曲」によって構築された作品集。実験的とも挑発的とも取れますが、それ以上に「従来のファンにも、"好きになって〜" 以降のファンにも、『新しい加藤いづみ』を提示したい」という意思表明のように俺は受け取ったわけ。実際、それまでの3枚と比べると何となくだけど‥‥あぁ、何か新しいことに挑戦したいというか、更にワンランク上にステップアップしたいんだな、というような聴こえ方をしたんですね。

 聴き方によってはそれまでの延長線上にある作風だろうけど、1曲1曲と取り上げると意外とこれまでとはタッチが若干違ってきているように感じられるのね。例えばアルバム冒頭の "ハッピーエンド・カフェ" と、最後を締めくくる名曲(そして先行シングルでもある)"坂道"。この2曲は特にこれまでより更に上のステージに上がりたいという意思の表れじゃないかと思える程に、作り手側の気合いがビシビシ伝わってくるんですよ。で、個人的にはそれらが上手くいっているように感じられました。というか、シングル(実は前者は "坂道" のc/w曲でもあるんですが)を最初に聴いた時点で、思わず小さくガッツポーズをしちゃったくらい。それくらい会心の一撃だったんですよ。それもあってか、この年は彼女のライヴ、結構行ったもんなぁ。「地球を救え!」の武道館ライヴもこの年でしたっけ? あれも何とかチケット取って行ったよなぁ‥‥とか。このアルバムを聴くと、いろいろ思い出すことが多いですね。

 残念ながらそういった作り手側の意思は完全に聴き手に伝わらず、このアルバムも思った以上のセールスを記録できませんでしたが、個人的には2nd「星になった涙」に匹敵するくらいの作品集です。決して派手なスタイルでもないし、癖のある歌声が人によっては苦手意識に作用するかもしれないけど、やはりこの人は俺にとって「一番大好きな女性シンガー」ですから。贔屓目を抜きにしてもね‥‥いや実際には抜きにすることなんて出来ないんですが(笑)。



▼加藤いづみ『skinny』
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投稿: 2004 12 18 03:15 午前 [1994年の作品, 「10年前」, 加藤いづみ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/12/15

 電気グルーヴ『DRAGON』(1994)

 電気グルーヴを代表する1枚といっていいでしょう。これも1994年リリース。ホント、世界的に時代が動いた1年だったんですね、1994年は。

 前作「VITAMIN」でその後の「化け」の片鱗はあったものの、この「DRAGON」で一気に化けちゃいましたね。そして電気はその後「ORANGE」を経て、「A」にたどり着くんですから。全ての始まりであり、そして終着点でもある。そういう意味でも興味深い作品。それまでテクノとかに興味なくて、単純に「電気面白いよねー」と無邪気に笑ってた連中の顔を引きつらせる程の殺傷力。ド頭の “ムジナ” でまずいきなりヤラレちゃいますからね。カッコ良すぎ。海外にはエイフェックス・ツインやUNDERWORLD、ORBITALがいたけど、俺らには電気がいる!ってくらいに、これは日本が世界に誇れるテクノ作品の代表的な1枚ですよ。

 勿論どの曲も素晴らしく、インスト~歌あり~インストと、交互に配置される構成もさすがで、これまでの「歌モノ電気」を気に入っていた人も飽きさせない流れ。そしてこのアルバム、最後の最後に訪れる名曲中の名曲、"虹"。これがあることで、更にこのアルバムは名作度を高めているわけです。ホント、この曲がフロアでかかった瞬間に、未だに鳥肌立つもの。そして五島良子の声‥‥これも曲の演出に一役買っているんだよね。泣ける。泣きながら踊る。そして訪れる多幸感‥‥あれだ、もうこの曲はUNDERWORLDにおける "Born Slippy" と一緒だ。つうか我々日本人にとっての "Born Slippy"。それがこの "虹" なわけですよ。もうね、この曲1曲だけで数時間語れるし、これだけでいくらでも泣ける。俺にとってはそれくらいの名曲。

 何度も言うけど、決してこの「DRAGON」は "虹" のためだけのアルバムではないのよ。全てが素晴らしくてカッコいい。そして最後の最後に "虹" が配置されているからこそ、この作品集は我々にとって掛け替えのない1枚になった。そういうことなんですよ。



▼電気グルーヴ『DRAGON』
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投稿: 2004 12 15 12:30 午後 [1994年の作品, 「10年前」, 電気グルーヴ] | 固定リンク

2004/12/03

奥田民生『愛のために』(1994)

 ユニコーンを最後に観たのは1993年の武道館だったかな‥‥その年の夏、富士急にて数バンドによるイベントを行い、実質それが最後のライヴになってしまったわけで、その後いきなり「解散しました」の告知があったんだよね‥‥同年秋頃かな。んで年末にベスト盤が出て。それから約1年、奥田民生は隠居しちゃうんだよね。テレビのバラエティー番組にバスフィッシングのために登場したりはしてたけど。

 この "愛のために" という曲がリリースされたのが、1994年秋。正にユニコーン解散から1年経った後のこと。当時スタートしたばかりの音楽番組「HEY! HEY! HEY!」のエンディングテーマに起用されたこともあり、またテレビ出演時のバックメンバーに先にユニコーンを脱退した川西さんの姿があったり等、いろいろと驚かされつつも、曲自体が非常にキャッチーなロックナンバーで、尚かつ「ユニコーンの奥田民生」をいい意味で引き継いでいるイメージもあったからか、いきなり100万枚近くものセールスを記録しちゃって。当然これが民生最大のヒット曲になってしまったわけですが。

 その後の彼の活動経緯は既にご存じの通り。今年でソロデビュー10周年。マニアックで渋い方向にだんだんと流れているようで、時々ポツリと "愛のために" 級のポップなメジャーナンバーを持ってくる("イージュー☆ライダー" とか "さすらい" とかね)憎い奴‥‥それが奥田民生に対する、俺の印象。ま、だからこそ信用でき、そして愛されているんだけどね。このまま変わらず(そして今以上更にマイペースで)20周年まで突っ走ってください。そして‥‥またいつか、「ソロ活動、解散!」とか言ってバンド活動なんかもやってみてください。あなたならやりかねないと思うけどな。



▼奥田民生『29』("愛のために" 収録)(amazon

投稿: 2004 12 03 12:01 午前 [1994年の作品, 「10年前」, 奥田民生] | 固定リンク

2004/12/02

THE YELLOW MONKEY『JAGUAR HARD PAIN』(1994)

 2004年もあと1ヶ月を切ってしまったので、1994年ネタもあと30日くらいしか扱えないわけですか‥‥そろそろ洋楽以外にも気になる作品を取り上げてみますか。

 1994年の日本の音楽シーンってどうだったか、皆さん覚えてます? コーネリアスが1stアルバムリリースしたり小沢健二が「LIFE」をリリースしたり、奥田民生が "愛のために" でソロデビューしたりMr.Childrenがアルバム「Atomic Heart」をリリースして "innocent world" でレコード大賞を獲得してしまったり。LUNA SEAが "ROSIER" で大ブレイクしてGLAYが "RAIN" でメジャーデビューして。そんな1年なんですよね。

 でこの年、個人的に印象に残ってるアルバムのひとつに、THE YELLOW MONKEYの3rdアルバム「JAGUAR HARD PAIN」というコンセプトアルバムがあるんですね。イエモン自体はデビュー時から追っていて、非常に気に入っていたバンドのひとつだったわけですが、このアルバムが俺的には決定打となりましたね。コンセプトアルバムといわれてるけど、過去2枚のアルバムよりもポップ且つコンパクトな曲が多いんですよね。歌詞は勿論初期の彼等らしい独特(文学で、エログロで、そしてロケンロー)な世界観を持った唯一無二のもので、聴き手を選ぶかもしれません。が、だからこそ俺は惹かれたんですよ。いや、惹かれたというよりも、ジェラシーを感じましたね。

 このアルバムを経て、まるで憑き物が落ちたかのようにどんどんとポップ且つメジャーになっていったイエモン。勿論その後の作品も大好きですよ。けど、この頃のツアーを思い出すと、正直今でも鳥肌立ちますね。個人的にはこの作品と「SICKS」が彼等のベストだと思ってます。



▼THE YELLOW MONKEY『JAGUAR HARD PAIN』
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投稿: 2004 12 02 12:05 午前 [1994年の作品, YELLOW MONKEY, THE, 「10年前」] | 固定リンク

2004/11/12

とみぃ洋楽100番勝負(86)

●第86回:「Spin The Black Circle」 PEARL JAM ('94)

 デビューから暫く、PEARL JAMに関しては「曲は良いけど、そこまでは‥‥」っていう感じで接していて。例えばNIRVANAが盛り上がるのは判るのね。カート・コバーンのカリスマ性や奇行とか、ロックファンが飛びつきそうな要素が沢山あるし。SOUNDGARDENもまぁ音が派手だし。ALICE IN CHAINSはビジュアル的にもしっかりしたイメージがあるし。SMASHING PUMPKINSは‥‥ああそうか、俺ってPJとスマパンの良さに気づくまでに、随分と時間を要したんだよな。

 アルバム2枚聴いてもピンとこなくて。それは「自分にとって決定的な1曲」ってのがなかったからなんだよね。"Alive" とかカッコいいと思うし、"Even Flow" なんてPV観るとオオッ!とも思うんだけど、決定力不足かな、と。

 そんな中、'94年末にリリースされた「VITALOGY」というアルバム。紙ジャケ&ブック形式のパッケージが目を惹くこのCDに手を出し、頭数曲で今までにないようなハードさ、勢い、ガムシャラさみたいなものがストレートに伝わってきて。特に "Spin The Black Circle" な。結局単純な俺は、こういうシンプルでストレートなパンクソングを待ってたのかな、と。そういうものをPJに求めること自体アレなわけですが。いやいや、初めてエディ・ヴェダーの凄さが判ったような気がしたもん。判ったような気になったもん。

 そして。このアルバムとこの曲を聴いたから、俺は翌'95年2月の武道館公演のチケットを取ったんだよな。あの武道館は忘れられない‥‥俺の生涯ベスト3ライヴに入ってるもん、あの武道館は。アーティストに深い思い入れはないのに、それだけ衝撃を受けたってことは‥‥判ってもらえるよね? ただバンドが凄かったんじゃなくて、客も凄かった‥‥全てが相乗効果で最高のモノになった。それがPJ初来日だったんだよね。

 数年前に来た時はタイミング悪くて行けなくてさ。後でかなり後悔したんだよねぇ‥‥次は必ず行く! 何があっても。



▼PEARL JAM「VITALOGY」(amazon

投稿: 2004 11 12 12:00 午前 [1994年の作品, Pearl Jam, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/11/11

とみぃ洋楽100番勝負(85)

●第85回:「Sabotage」 BEASTIE BOYS ('94)

 この連載をずっと読んできた人の中で、もし自分と同世代の人がいたら「何で'80年代中盤に『あの』曲を取り上げないの?」と不思議に思う人もいるかもしれないよね。だってRUN D.M.C.やファルコが取り上げられてるのに、どうしてBEASTIE BOYSの "Fight For Your Right" がないのか、って。

 いや、勿論当時よく聴いた1曲だし、今でも凄く好きですよ。けど、あの曲は「自分の中でのBEASTIE BOYS史」にとっては単なる取っ掛かりの1曲であって、そこまで重要な曲じゃないんですよ。むしろ俺的には'90年代以降の彼等の方が好きになる要素満載なんですよね。

 前作「CHECK YOUR HEAD」辺りからおおっ!?って感じて、この「ILL COMMUNICATION」で一気に爆発した感じかな、俺内で。"Root Down" とか "Sure Shot" とかいろいろ重要な曲があるけど、ここはやはり "Sabotage" でしょう。勿論あのPV込みで。

 下手なヘヴィロックやラップメタルを聴くよりも遥かにカッコいいし。まだ日本でRAGE AGAINST THE MACHINEが評価されるようになる、3年も前のお話ですよ。元々ハードコアバンドだったBEASTIESが放った、彼等なりの'94年ロックシーンに対する答え‥‥っていうのは言い過ぎかしら。

 とにかく。未だにフロアでこの曲を聴くと血が逆流する程に興奮するし、これを聴いた後となっては "Fight For Your Right" はちょっと真面目に聴けないよなぁ‥‥とても同じアーティストがやってるとは思えない程にね。ま、あっちはあっちで、ギャグとして今でも成立してるから、それはそれでいいのかもね。ライヴでは聴きたいと思わないけど。

 幸か不幸か(?)、2005年1月の来日公演は、夏のサマソニ時とは違ってバンドスタイルでのライヴとなるようで、当然ながら "Sabotage" も期待してしまうわけですが‥‥って俺、チケット取ってないんですけどね!(行く気は満々だけど)



▼BEASTIE BOYS「ILL COMMUNICATION」(amazon

投稿: 2004 11 11 12:00 午前 [1994年の作品, Beastie Boys, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/11/10

とみぃ洋楽100番勝負(84)

●第84回:「Where Did You Sleep Last Night」 NIRVANA ('94)

 ゴメン、NIRVANAから何か1曲選ぶって、俺的には非常に難しい作業なのよ。世間的には "Smells Like Teen Spirit" なんだろうけど、俺的には「非常に優れたハードロック」としてしか機能しないし、あの曲(少なくとも俺にはあれは「パンク」ではないな、と)。反則だけど、アルバム「IN UTERO」まるまる1枚を1曲としてカウントさせて欲しいくらいで(俺的には、人生の中で大切なアルバム3枚のうちの1枚だからね)。

 で、自分が一番カート・コバーンという「才能」を愛おしいな、と感じた曲を選んだなら、このカバー曲になってしまったと。

 ご存知の通り、現在までカートの、そしてNIRVANAの「公式な」形で最後のライヴ音源。もうすぐボックスセットがリリースされるから、そこにはもっと後の、死の数ヶ月前のライヴ音源が収録されているかもしれないけど、やはりこのアルバムの、このテイクに敵うものは他にはないだろな‥‥と。まだボックス聴いてないけど、そう実感するわけですよ。

 死んでしまった奴のことをとやかく言うつもりもないし、言いたくもないけど‥‥やはり生き続けてこそですよ。この歌を聴くと、いつもそう思う。そして、NIRVANAが大好きだった大切な友人のことを思い出すんだよな(彼はカートが亡くなってから4年後の同じ日に、やはり自ら命を絶ってます)‥‥彼もこの曲の、一番最後の絞り出すように歌うパートを聴くと鳥肌が立つ、って言ってたっけ。いつか一緒にNIRVANAみたいなバンドやろうぜ、とか言い合ってたけど‥‥

 曲の評価とは全く関係ないけど‥‥やはり死んでしまうのはズルい。ある意味「勝ち逃げ」であり、そしてある意味では「永遠の負け」なんだから。その人にとって、それがその時一番の選択だったのかもしれない。でも、俺は自ら命を絶つ奴は絶対に許さないし、認めない。

 死んで伝説になるなんて、糞だ。



▼NIRVANA「UNPLUGGED IN NEW YORK」(amazon

投稿: 2004 11 10 12:00 午前 [1994年の作品, Nirvana, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/10/28

PANTERA『FAR BEYOND DRIVEN』(1994)

 '90年代に入って、アメリカじゃグランジが爆発して、いきなりNIRVANAやPEARL JAMみたいなバンドが売れて、メインストリームと化し、それまでのメインストリームを担ってきたバンド‥‥BON JOVIとかMOTLEY CRUEみたいなバンドが落ち目扱いされてる時期があったのね。確かに全盛期の何分の一、あるいは十分の一程のセールスしか挙げられない時期がこの頃で。それでもBON JOVIなんて毎回ミリオンは達成してたんだけどね。

 '94年春。所謂メタル界のその後を占う2枚のアルバムがほぼ同時期にリリースされて。ひとつは「1位を取る事を宿命づけられた旧世代」、もうひとつは「1位なんて取れるはずないけどまぁ旬だし暴れちゃえ的新世代」。

 ヴィンス・ニール脱退から2年後に6作目のアルバム「MOTLEY CRUE」をリリースしたMOTLEY CRUE。ボーカルチェンジやリリース間隔(「DR.FEELGOOD」から4年半、「DECADE OF DECADENCE」からも2年半)が災いしてか、初登場6位。50万枚に達するのがやっとという記録。

 けどこれ、名盤だよね。隠れた名盤。「とみ宮」時代にもレビュー書いたけど(丁度1年前に書いてるのか)、やっぱりさ‥‥遅過ぎたよね。もう1年早かったらね‥‥何かが変わったと思うんだけど。

 でもこれ。今聴いても全然色褪せてないよね。MOTLEY版「THE WALL」だな。



▼MOTLEY CRUE『MOTLEY CRUE』(amazon


 そして、そのMOTLEYが後追いするように影響を受けた、'90年代版メタルといえるPANTERA。彼等のメジャー3作目となる『FAR BEYOND DRIVEN』は全米チャート初登場1位を記録。METALLICA以来の快挙といえるかも。

 けどこれ。決して1位を取るような内容だと思えなくてね。個人的にはPANTERAのアルバムの中で一番聴く頻度が低い1枚。まぁバンドの勢いとかは一番感じるんだけど、どうにもやりたいこととやってることの間に微妙なズレがあるように思えてね。あと、必要以上にハードコアになりすぎて、無理にメロウな面をそぎ落としてるようにも感じられるし。メロウなのはカバーであるラストの "Planet Caravan" のみってのもね。なんていうか、バランス悪いよね、PANTERAにしては。

 勿論、当時これが1位を取ったってことは、如何に彼等が求められていたかを象徴する出来事だとは思うんですが‥‥何かね。



▼PANTERA『FAR BEYOND DRIVEN』(amazon


 この辺からかな‥‥メタルを積極的に聴かなくなったのは‥‥一部を除いてね。

投稿: 2004 10 28 12:20 午前 [1994年の作品, Motley Crue, Pantera, 「10年前」] | 固定リンク

2004/10/26

FRANK BLACK『TEENAGER OF THE YEAR』(1994)

 今年は再結成PIXIESで我々の度肝を抜いた、フランク・ブラック。ま、PIXIESではブラック・フランシスなんだけど。正直どっちでもいいや。

 で、そんな彼が'94年にリリースしたソロ2作目「TEENAGER OF THE YEAR」。はっきり言って、名盤。ソロ1枚目が個人的にしっくり来なかったこともあり、これには思わずガッツポーズ取ったね、当時。だってタイトルからしてズルいじゃん。「TEENAGER OF THE YEAR」だよ!? それでこのジャケットだぜ‥‥ふざけるにも程がある。

 いや、嘘ですよ。正直もうPIXIESみたいなのを彼には求めてなかったし(当時はBREEDERSもいたしな、俺的には)だからこそPIXIES存続中に制作されたソロ1枚目はどうにもこうにも‥‥ね?

 いろいろ新境地と呼べる点も多く、まぁ相変わらず1分台〜3分台の曲がわんさか並んでる辺りは、さすがというか。しかもこのアルバム、全22曲、62分もの大作だからね。アナログだったら間違いなく2枚組だなこれ。更に当時の日本盤って2枚組仕様で、ディスク2として6曲入りの8センチシングルが付いてたんだよね。トータル28曲、全79分‥‥あー、CD1枚に入り切らないからか?(いや、ギリギリ入りそうだけど)マニックスですらなし得なかった偉業をフランク・ブラックが、しかもこのジャケットで実現してしまうとは‥‥しかも名盤‥‥恐れ入りました。

 さっきから改めてこのアルバムを聴き返してるんだけど、6曲目の "Speedy Marie" の中盤、ベースだけになるパートとか聴いちゃうと‥‥これがキム・ディールのゴリゴリベースだったらなぁ‥‥とか、いろいろ考えちゃうね。って当時もそんなこと考えてたよな、俺‥‥思考回路、成長無しかよ。

 カート・コバーンの死後すぐにリリースされたこのアルバム。勿論フランクはカートの死以前にこのアルバムを完成させてたし、その作品作りにカートのことが影響することはなかっただろうけど‥‥PIXIESみたいなバンドをやりたくてカートが始めたNIRVANA‥‥もしカートが生きることを選んでこの作品と出逢っていたなら‥‥また何かが変わったのかもしれないね。



▼FRANK BLACK『TEENAGER OF THE YEAR』
amazon

投稿: 2004 10 26 12:00 午後 [1994年の作品, Frank Black, Pixies, 「10年前」] | 固定リンク

2004/10/25

RIDE『CARNIVAL OF LIGHT』(1994)

 既に土曜のラジオ(#16)で告知した通り、次回#17の特集は「1994」です。1994年にリリースされたヒット作/話題作/隠れた名盤等を紹介しつつ、この年の主な出来事(主に音楽関係)について語っていく、というような内容になるかと思います。

 で、以前の日記で紹介したように、この年にリリースされた主な作品を探しているんですが、あそこに挙がった以外にも「これが抜けてるよ!」ってのがあったら教えていただきたいのです。

 昨日は新たにこれらの作品が1994年製であることに気づき、そればかり聴いてました。

* RIDE「CARNIVAL OF LIGHT」
* SONIC YOUTH「EXPERIMENTAL JET SET, TRASH & NO STAR」
* SUEDE「DOG MAN STAR」

 RIDEはホントよく聴いたし好きだったなぁ。初来日から毎回行ったもの。"Like A Daydream" 辺りから聴き始めたファンとしては、3rdの「CARNIVAL OF LIGHT」ってリリース当時は「??」なアルバムだったんだけど、今聴くと凄く良いんだよな‥‥この頃からマークよりもアンディが主導権握り始めたんだっけ? アルバムクレジット見ると、前半がマーク作メイン、後半がアンディ作メインだし。結局このバンドの場合、確たるリーダーが最初から存在しなかったがために、ああいう結果に終わってしまったのかなぁ、と。ま、だからといって今更正式に再結成して欲しいとも思いませんが。



▼RIDE『CARNIVAL OF LIGHT』(amazon


 アンディ・ベルは現在OASISでベーシストとして活躍中。マーク・ガードナーもANIMALHOUSE解散後、ソロとして活躍、つい最近来日したよね。そして最も新しいところでは、MEISTERっていうthe brilliant greenのギター松井のソロプロジェクトで数曲歌ってるようですし。アニメ「BECK」のエンディングテーマがその曲ですが‥‥これ、CCCDなのな‥‥くそぉ‥‥他にもBOO RADLEYSやREEFのメンバーらが参加してる、すっげー面白そうな1枚なのに‥‥


▼meister「I met the music [CCCD]」(amazon

投稿: 2004 10 25 07:12 午前 [1994年の作品, Ride, 「10年前」] | 固定リンク

2004/10/12

続・10 YEARS

 '94年ビルボード年間アルバムチャートは以下の通り。

NO.1:ACE OF BASE「THE SIGN」
NO.2:MARIAH CAREY「MUSIC BOX」('93年リリース)
NO.3:SNOOP DOGGY DOG「DOGGY STYLE」
NO.4:O.S.T.「THE LION KING」
NO.5:COUNTING CROWES「AUGUST AND EVERYTHING AFTER」
NO.6:PEARL JAM「VS」('93)
NO.7:TONI BRAXTON「TONI BRAXTON」 ('93)
NO.8:JANET JACKSON「JANET」('93)
NO.9:MEAT LOAF「BAT OUT OF HELL II : BACK INTO HELL」('93)
NO.10:MICHAEL BOLTON「THE ONE THING」

 んで、シングル年間チャートは以下の通り。

No.1:ACE OF BASE / The Sign
No.2:ALL 4 ONE / I Swear
No.3:BOYZ II MEN / I'll Make Love To You
No.4:CELINE DION / The Power Of Love
No.5:MARIAH CAREY / Hero
No.6:LISA LOBE & NINE STORIES / Stay
No.7:TONI BRAXTON / Breathe Again
No.8:BRYAN ADAMS, ROD STEWART, STING / All For Love
No.9:ACE OF BASE / All That She Wants
No.10:ACE OF BASE / Don't Turn Around

 文字通り、'94年のアメリカはACE OF BASEの年だったと。グランジもパンクもブッチぎっての1位ですからねぇ。そんな時代だったのか‥‥

投稿: 2004 10 12 02:04 午前 [1994年の作品, 「10年前」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

10 YEARS 〜1994〜

 ラジオの特集用ネタで、10年前‥‥1994年を代表するようなアルバムを調べてるんですが、主立ったところは以下のような感じでよろしいですかね?

・ALICE IN CHAINS「JAR OF FLIES」
・BEASTIE BOYS「ILL COMMUNICATION」
・BECK「MELLOW GOLD」
・BLUR「PARKLIFE」
・GREEN DAY「DOOKIE」
・JIMMY PAGE & ROBERT PLANT「NO QUARTER」
・MANIC STREET PREACHERS「THE HOLY BIBLE」
・NINE INCH NAILS「THE DOWNWARD SPIRAL」
・NIRVANA「MTV UNPLUGGED」
・OASIS「DEFINITELY MAYBE」
・THE OFFSPRING「SMASH」
・PANTERA「FAR BEYOND DRIVEN」
・PEARL JAM「VITALOGY」
・PINK FLOYD「THE DIVISION BELL」
・PRIMAL SCREAM「GIVE OUT BUT DON'T GIVE UP」
・R.E.M.「MONSTER」
・ROLLING STONES「VOODOO LOUNGE」
・SOUNDGARDEN「SUPERUNKNOWN」
・THE STONE ROSES「SECOND COMING」
・STONE TEMPLE PILOTS「PURPLE」
・UNDERWORLD「DOBNOBASEWITHMYHEADMAN」
・WEEZER「WEEZER」

 以上。自分が普段聴く範疇内に限って選んでみたんですが、他にも「あれが抜けてるじゃん!」「オイオイ、あれ忘れてるよ!」ってのがあったら、ドンドン教えてください。

 勿論、全部が全部ラジオでかけられるわけじゃないですが(あまりの多さだったら、複数回に分けて‥‥例えばUS編/UK編みたいに‥‥放送したいと思います)自分の記憶が抜けてる部分、当時自分が通ってない方面等、教えていただけると幸いです。

 ちなみに1994年の主立った出来事というと‥‥

・カート・コバーン自殺
・ウッドストック'94開催
・ブリットポップ勃発
・USパンク大ブレイク
・映画「フォレスト・ガンプ」大ヒット

 ちなみにさっきからずっと、「WOODSTOCK '94」ライヴ盤聴いてます。COLLECTIVE SOULとかCANDLEBOXもこの年か‥‥

(追記)
 mixiの方で貰った情報で、以下のアルバムも1994年製とのこと。

・DINOSAUR JR「WITHOUT A SOUND」
・JIESUS LIZARD「DOWN」
・HELMET「BETTY」
・PAVEMENT「CROOKED RAIN」
・VELVET CRUSH「TEENAGE SYMPHONIS TO GOD」
・HOLE「LIVE THROUGH THIS」
・G.LOVE & SPECIAL SOUCE「G LOVE & SPECIAL SOUCE」
・JON SPENCER BLUES EXPLOSION「ORANGE」
・SHED SEVEN「CHANGE GIVER」
・RADIOHEAD「MY IRON LUNG」EP
・PRODIGY「MUSIC FOR THE JILTED GENERATION」

 そして同年に行われたロラパルーザ'94出演者は以下の通り。

■Main Stage:
・Smashing Pumpkins
・Beastie Boys
・Green Day
・A Tribe Called Quest
・The Breeders
・L7
・Nick Cave and the Bad Seeds
・Boredoms

■Side Stage:
・Stereolab
・Charlie Hunter Trio
・Shonen Knife
・Lambchop
・Guided By Voices
・The Flaming Lips
・Verve
・Boo Radleys
・Cypress Hill
・Black Crowes

投稿: 2004 10 12 01:20 午前 [1994年の作品, 「10年前」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/11/26

PEARL JAM『VITALOGY』(1994)

ひと月振りにシリーズ再開。今回から暫く「シアトル/グランジ・シーン」を中心にお送りしていこうかと思います。まず手始めに、現在も変わらず活躍し続けているメジャーバンドのひとつ、PEARL JAMが'94年末にリリースした通算3作目のオリジナルアルバム「VITALOGY」を紹介しましょう。

PEARL JAMがグランジ以前のシアトル・シーンの中でカルト的な人気を得ていたバンド、GREEN RIVERとMOTHER LOVE BONEのメンバーによって結成されたバンドだということはご存じでしょうか? いや、もはやそんなことは問題ではないですよね。そんなふたつのバンドのメンバーが合体し、更にエディ・ヴェダーという新たなる「カリスマ」を手に入れた、それがPEARL JAMでした。

デビューは'91年秋。NIRVANAの「NEVER MIND」とほぼ同時期にリリースされた「TEN」でシーンに登場するわけです(そういえばこの2枚、日本盤が出る前に一緒に輸入盤で買ったんだっけ)。が、当初はあまり話題にはなりませんでした。

しかし、NIRVANAのブレイク('91年末以降)によって、同じようなシアトル出身のバンド達が全面的にメディアに取り上げられるようになり‥‥そう、所謂「第二のNIRVANA」を探せ的な青田買い状態だったわけです‥‥運良く'92年春に発表したPEARL JAMのセカンドシングル "Even Flow" のPVがMTVでヘヴィローテーションとなり、ここから彼等の人気に火がついたわけです。実際このPVはライヴ映像なんですが、彼等の魅力を余すところなく収めた非常に素晴らしいPVだったと記憶してます。

その後の彼等の大躍進は説明するまでもないでしょう。「TEN」が1,000万枚に迫る勢いで売れ続け、'93年10月にはセカンドアルバム「VS」をリリース(そもそもこのアルバム、最初は無題でリリースされたんですよね。セカンドプレスからこのタイトルが付いたわけで)、PVの制作やシングルカット、雑誌メディアへの露出を一切止めたのもこの頃から。まぁあれだけ大ブレイクしてカリスマだの書かれたり、あることないこと噂を書かれ‥‥そりゃ嫌気も刺しますよね。NIRVANAとの比較、メディアがでっち上げた確執等、ホントいろいろあったわけですよ。

しかし、この後ひとつの時代が終わるわけです。そう、'94年4月。カート・コバーンの自殺ですね。これはライバルであり友人でもあったPEARL JAMのメンバーにも衝撃を与えます。勿論エディにも‥‥

所謂「グランジ終焉の幕引き」を始めたのがカートだったとするなら、その最後のトドメを刺したのがPEARL JAMのこの「VITALOGY」というアルバムだったように、今となってはそう思えますね。

このアルバムは前2作とは若干作風が異なります。ダイナミックなハードロックチューンとムーディーで穏やかなトーンの楽曲によって構成されていたファースト、その流れを組みつつもより荒々しくなっていったセカンドの後、彼等はこの「VITALOGY」で一気に爆発してしまいます。それは「グランジの象徴」と呼ばれたカートに対する哀悼であり、そのグランジそのものに対する怒りや憤りであり、更には『PEARL JAM』というバンドに対して貼られてしまったレッテルを焼き尽くすこと‥‥だったのではないかな、と思うわけです。

バンドとして新たな岐路に立たされていたのも事実ですし、そういったネガな要因が彼等の作品づくりに影響したのもまた事実でしょう。しかし、それにしてはこのアルバムはいびつ過ぎはしないでしょうか?

頭2曲の勢いと攻めと叫び。1曲目のタイトルが "Last Exit" というのも何かそれらしいし、続く2曲目はもはやパンク以外の何ものでもない "Spin The Black Circle"、しかもこれがアルバムから最初のシングルとして選ばれた事実。3曲目では聴き手に "Not For You"(「この曲はおまえらの為のもんじゃないよ」)と高らかに宣言し、まるでU2をオルタナ化してしまったかのような "Tremor Christ"、前作までの流れを組むムーディーな "Nothingman"、再び熱く滾る血を見せつける "Whipping"。ここまでが所謂「第一章」。極端に攻撃的ながらも、ここまでのサウンドはまだPEARL JAMとして考えて納得のいくものなんですね。

ところが‥‥7曲目以降の「第二章」、このアルバムはここからが「その後のPEARL JAM」を示唆するような内容になっているんですね。インタールード的な "Pry, To" に続き従来の路線を更にディープにしたかのような "Corduroy"、それまでのPEARL JAMとかなりかけ離れた前衛的なアコースティックナンバー "Bugs"、これまでになかったような色合いを持つ "Satan's Bed" の後にこのアルバムのハイライトとなる "Better Man" に到達します。その後、ムーディー且つグルーヴィーな "Aye Davanita"、アルバムの閉めに相応しい名曲 "Immortality" ときて、最後に8分近くもあるサウンドコラージュ的インスト "Hey Foxymophandlemama, That's Me" で混沌を極め終了します。「第一章」での判り易さに比べ、「第二章」ではまるでメインストリームにいることに対して窮屈さを感じてるかのような作風で聴き手を翻弄するのです。

そう、元々は(メジャーのソニーからアルバムをリリースしていたとはいえ)シアトルのオルタナティヴシーンの中のひとつであったPEARL JAMが、チャート上での大成功を収め、気づけば自身がメインストリームの代表格と呼ばれるようなバンドに変わっていたわけですよ。そうした「自身が気づかないうちに起こった」変化に対する、周りからの批判や酷評。そしてそんなバンドを支えてくれるファン。そういったことに対する答えがこの「VITALOGY」だったのではないでしょうか?

このバンドは非常に器用で才能に溢れたミュージシャンの集まりだなと個人的には思ってます。だからメジャーに耐えうる作品作りも難なくできるし、同時に非常にマニアックで前衛的と呼べるような作風に持っていくこともできる。そう、だからこそ彼等は非難さることが多かったのかもしれませんね。

その後の彼等がこの「VITALOGY」での「第二章」で見せたような作風を押し進めていったのは承知の通り。初期のハードロック的作風が好みの人には、このアルバム以降の作品が正直厳しいというのも頷ける話です。しかし、何度も言うようにこのバンドの真骨頂は「VITALOGY」以降なのですよ。このアルバムでグランジという見えないムーブメントにトドメを刺したからこそ、このバンドはその後もアメリカで根強い人気を持ち、現在に至るのかもしれません。と同時に、だからこそここ日本では彼等はウケが悪いのかもしれません‥‥いや、それは違うか。

このアルバムを引っ提げて'95年2月、彼等は初めて日本で演奏する機会を得ます。今や伝説となっている武道館公演、俺が生涯観たライヴの中でも間違いなく3本指に入る衝撃的なライヴだったことをここに記しておきます。このアルバムに伴うツアーだったからこそ、衝撃度が増したのかもしれませんね。



▼PEARL JAM『VITALOGY』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2003 11 26 03:20 午後 [1994年の作品, Pearl Jam] | 固定リンク

2003/10/31

MOTLEY CRUE『MOTLEY CRUE』(1994)

'80年代中盤から'90年代初頭にかけて、HM/HRシーンのみならず一般のロックシーンにおいてもその名を知らしめたMOTLEY CRUE。彼等がいなかったらその後GUNS N'ROSESも、あるいはALICE IN CHAINSすら登場していなかったかもしれない‥‥なんていうのは大袈裟でしょうか? とにかく、'80年代後半から'91年頃の彼等は今考えてみてももの凄い破滅的で、それでいて魅力的なバンドだったなぁと思うわけです。多分、今こんなバンドがいたら間違いなく1ヶ月で解散してるんじゃないか‥‥そう思える程にね。そりゃ'70年代のLED ZEPPELINとかAEROSMITHの方が凄かったのかもしれない。けどリアルタイムで通過した'80年代~'90年代前半において、そのライフスタイルでMOTLEY CRUEとGUNS N'ROSESを超えるようなバンドはそれこそNIRVANAくらいだったんじゃないか‥‥なんて思うわけです。

今回紹介する、自らのバンド名をタイトルにしたアルバムは、'94年春にリリースされた通算6枚目のオリジナルアルバム。前作「DR.FEELGOOD」('89年)が爆発的な大ヒットを記録し(アメリカだけで当時400万枚以上ものセールスを記録)、1年以上に渡る長期ツアーが繰り広げられ、バンドはそのまま長期休暇に入るかと思いきや、'91年にはヨーロッパでの夏フェスに出演、そして同年秋にはデビュー10周年を記念するコンピレーション盤「DECADE OF DECADENCE」を発表。その年の後半から再びバンドはオリジナルアルバムの為の製作期間に突入‥‥と当時報道されていました。

しかし、歴史的事件が起こります。'92年2月。その知らせを俺は滞在先のドイツのホテルでMTVを観てる時に聞かされます。そう、ボーカルのヴィンス・ニール脱退。当時の拙いヒアリング力で頑張ってニュースに耳を傾けると、どうやら解雇されたような感じ‥‥そう、ヴィンスは解雇に近い形で脱退となったのです。

その当時の衝撃といったら‥‥以前、どこかにも書いたと思うけど‥‥俺の10代の頃のヒーローだったわけですよ、MOTLEY CRUEは。そのバンドからシンガーが脱退する‥‥リーダーでありベーシストでもあるニッキー・シックスは以前から「もしこの4人の中の、誰かひとりでも抜けるような事があったら、その時はバンドの解散を意味する」と名言していました。つまり、ヴィンスの脱退、イコール、俺にとっては「MOTLEY CRUEの終焉」を意味するわけですよ。何でよりによって海外でこんな知らせを聞かなきゃならないのさ‥‥その後帰国するまでの道中、俺がどんな気持ちでいたか‥‥想像つくかい?

バンドはその後、SCREAMというバンドのシンガー、ジョン・コラビを迎えてアルバム制作開始、結局ヴィンス解雇からまる2年後、「DR.FEELGOOD」から4年半後にリリースされたのがこのアルバムだったわけです。

以上がこのアルバムをリリースするまでの時代背景。ま、要するにこのアルバムはMOTLEY CRUEであってMOTLEY CRUEではない、ってことですか、ニッキーの言葉を額面通りに受け取るなら。事実、彼は一時期本気でバンド名を変えることを考えていたみたいですしね(それを阻止したのが誰だったのか、レコード会社か、スタッフか、それともニッキー本人か)。

で、ここからが俺の感想‥‥ボーカルが変わると、やってることが以前と同じでも全く違って聞こえちゃうんだよね、不思議と。そりゃまぁバンドの顔であるシンガー‥‥しかも10年以上バンドを支えたオリジナル・シンガーが抜けたわけですから、印象も変わるし、何よりもそれまでバンドを応援してきたファンは馴染めないと思うんですよ。「MOTLEY CRUE=ヴィンスの声」だったわけですから。そしてヴィンスを蔑ろにしていた一部のファンも改めて彼の個性なり偉大さなりをハッキリと認識したわけです。

でもね‥‥言いますよ、ハッキリと。あのね、この「MOTLEY CRUE」ってアルバムが俺は大好きであって、俺内では「MOTLEY CRUEの作品の中でも最高傑作」だと信じて疑わないわけですよ。コアなファンからすれば絶対に否定されるだろうけど、敢えて声を大にして言いたかったわけですよ、ずっと前から。ぶっちゃけ、このサイトが立ち上がった頃からいつ言おうか、いつ取り上げようかと様子を伺ってたんですが、気づいたら取り上げるの忘れちゃっててね。サイト立ち上げ5周年を前にやった言えたわけですよ。

音楽的には前作の延長線上にある作風だと思うんですが、同じオーバープロデュースでも「DR.FEELGOOD」がアニメ的な過剰さだとしたら、こっちはヤクザ映画的な過剰さなんですね。「DR.FEELGOOD」は確実にエンターテイメントの世界の中のヘヴィロックだったんだけど、このアルバムではそういったカラフルさエンターテイメント性が薄れ、もっと現実的且つモノトーンの世界観を構築してるわけですよ。うーんとね、KISSとPINK FLOYDくらい違う、みたいな。そう、違うんだけど、その根本にあるものは実は一緒なんだよね‥‥だってMOTLEY CRUEなんだもん、あくまで(ま、KISSとPINK FLOYDはあんまり繋がらないとは思いますけどね)。

楽曲自体はヴィンス在籍時から制作されていたものが殆どなわけで、そういった意味ではここに収められた楽曲をヴィンスが歌ったとしても絶対に違和感は生じないわけですよ。けど、より似合っているという意味では、ヴィンスよりもジョン・コラビの方が最適だった、と。このアルバムが俺内で名作になれたのは、間違いなくジョン・コラビが歌っていたから。そのポイントは大きいんですよ。

METALLICAのブラック・アルバムを聴いて、同じ製作陣で作ったのに何故にこんなにも違うんだ!?と強烈なジェラシーを感じたというニッキー。このアルバムの過剰さは、そういった彼の想いが見事に形になっているし、尚かつ彼が少年時代に愛したロック‥‥特にPINK FLOYDやLED ZEPPELINの諸作のようにプログレッシヴでヘヴィ、いろんなサウンドを詰め込んだ正しく「Wall of Sound」。出だしの3曲‥‥ "Power To The Music"、"Uncle Jack"、"Hooligan's Holiday" の並びは圧巻。こんなにも重い空気を持ったMOTLEY CRUE、過去初めてでしょうね。

そして明らかにレニー・クラヴィッツ移行の流れにあるサイケな大作 "Misunderstood"、ZEPのトラッドソング的な "Loveshine"、最も過去の流れにあるパーティーチューン "Poison Apples"、SOUNDGARDENみたいなグルーヴ感を持つ "Hammered"、元々このアルバムのタイトル候補だった "'Til Death Do Us Part"、代表曲 "Dr.Feelgood" の流れを組む "Welcome To The Numb"、アルバム中最も速い "Kickstart My Heart" 的な "Smoke The Sky"、ヘヴィなグルーヴィーチューン "Droppin Like Flies"、ラストを飾るMOTLEYらしいバラード "Driftaway" ‥‥全12曲(ボーナストラックは除く)でほぼ60分というトータルランニングは彼等のオリジナルアルバムでは過去最長。それまで「アルバムは40分程度が丁度いい」みたいなことを言ってたバンドがですよ!? そうえいばこのアルバムに対して「アナログだったら2枚組になるような作品集」というコメントをしてたな、ニッキー。PINK FLOYDの「THE WALL」とかZEPの「PHYSICAL GRAFFITI」みたいな作品集にしたかったんだろうな、きっと‥‥

そんなボリューム感があってヘヴィで聴き応えのあるアルバムなんだけど、やはり大ヒットはしなかったのね。ビルボードでは初登場こそトップ10入りしたものの、10週もしない内に100位圏外落ち、50万枚にやっと届く程度のセールス。前作の8分の1‥‥ま、時代がグランジだとかPANTERA的なヘヴィ路線に移行していたってのも大きく影響してるんだろうけど。

そうそう、このアルバムってやっぱりPANTERAやMETALLICAといった「後続」達からの影響が大きいですよね。それまでは自分達が先頭に立って時代をリードしていたのに、気づいたらフォロワーに成り下がってしまった‥‥4年半は本当に大きかったんだなぁと改めて実感しましたね、うん。けど、オリジネーターだろうがフォロワーだろうが、このアルバムが良く出来たヘヴィロックアルバムなのには違いない。今、LINKIN PARKとか聴いてるような若い子達にはちょっと違って聞こえるかもしれないけど、これも紛れもないヘヴィロックですよ。



▼MOTLEY CRUE『MOTLEY CRUE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2003 10 31 05:27 午前 [1994年の作品, Motley Crue] | 固定リンク

2003/10/28

ENUFF Z'NUFF『1985』(1994)

ENUFF Z'NUFFが1994年にリリースした企画アルバム。正式なオリジナル・アルバムではなく、これは1985年頃に録音されたデモ音源を編集して1枚にまとめたもの。メジャーデビューが1989年だから、それよりも4年も前ってことになるんだけど、これがかなり面白い音源集でして。メジャーデビュー後の彼等は時代のせいか('80年代中~後半、アメリカではハードロックがブームだった)かなり硬質でビッグプロダクションなアルバムを連発してきたけど、ここで聴ける音源は‥‥まぁインディーズ紛いのデモ音源ということもあってかなりチープなんだけど、楽曲の構成がまず違うのね。メロディの潤いや根本的な部分は既にこの時点で完成されてるといっていいんだけど、何せ曲調がハードロックというよりもパワーポップ色の方が強いというか。確かに現在にも通ずるハードな面もあるし、いかにもアメリカ人的な大袈裟な面も同時に存在するんだけど、ここではもっとルーツに忠実というか‥‥例えば彼等がインディーズシーンでのブレイクの切っ掛けとなった "Catholic Girls" なんて曲調とかドニー・ヴィの歌声がまんまエルヴィス・コステロなのね。他にもコステロを彷彿させる楽曲はいくつもあるんだけど、他にもCHEAP TRICKだったり、それこそBEATLESだったり。そういったルーツを臆面もなくひけらかしてるのがこのアルバム。実はこのアルバムが好き、っていうズナフ・ファンって結構いるんじゃない?

メンバーはさすがにリリース当時のメンツとは違い、ドニーとベースのチップ・ズナフは基本メンバーだからいいとして、ギターには'90年代中盤の彼等を支えた旧友・ジーノ・マルティノが、ドラムにはB・W・ボウスキーという人が参加してます。ま、ジーノに関しては「おいおい、こういう曲でそんなに弾きまくらなくても‥‥」とちょっと困ってしまう面もあるにはあるんですが、まぁそれも時代ってことで、ええ。基本的にはギターもそんなに歪んでないし(メジャー3作と比べてね)もっと温かみがある音がするんですよね。ドラムの音色も前作までにあった人工色は全くないし。ま、プロデュースらしいプロデュースがされてないってのも大きな要因なんでしょうけど。けどミックスに関しては一応一流所のクリス・シェパードが担当してるんですよね。だからちゃんと聴けるものに仕上がってるってのもあるんでしょうね。

アルバムはいきなりSMOKEY ROBINSON & THE MIRACLESの'70年のナンバー1ヒット曲、"Tears Of A Clown" で始まるんですが、この辺の遊び心もまた憎い。ギターソロを除いてですけどね(相変わらず弾き過ぎ)。余韻を引きずったまま名曲 "Catholic Girls" へと流れていくんですが、これが自然な感じでまたいいんですわ。またまたコステロっぽい "Day By Day"、絶対にジョン・レノンを意識してるであろうピアノバラード "No Second Time" ときて、イントロの泣きメロが印象深い "Hollywood Squares"(どう聴いてもコステロ!)、ちょっとCHEAP TRICK的かな?と思えなくもないポップロック "Fingers On It"、BON JOVI辺りの哀メロ・ハードロックを彷彿させる美メロ・マイナーチューン "Aroused"、これぞアメリカン!なハード・シャッフル "Marie"、典型的なアメリカンロック "I'll B The 1 2 Luv U"、アルバム中最もヘヴィな側面を持つ?メロディアスロック "Goodbye, Goodbye" で終わるかと思わせて、シークレットトラックとなるアコースティックナンバー "You Got A Hold Of Me" で終わる。約40分というトータルランニングも丁度いいし、とにかくメジャー3部作と違って気楽に聴けるのがいいですね。ここにはドラッグによるドンヨリとした重い空気もないし、サイケな色合いもないし、意図したヘヴィさもない。凄く自然体なんですね。自然体だからこそ、若気の至りでギターソロ弾きまくったり、聴いてて恥ずかしくなるような「まんま」な引用も登場する。けどそれは決して悪いことだと思わないし、むしろその後の「完成された」ズナフを考えると「これがあったから今があるんだな」と素直に思えるんですね。そういった意味で非常に重要な1枚ですし、むしろファーストから聴くよりもこのアルバムを最初に聴いた方がいいんじゃないか‥‥って思える程。ま、これから聴いちゃうと、その後のハードロック路線がちょっと歯がゆく感じるかもしれませんが‥‥

そうそう。丁度このアルバムの頃('94年)ってアメリカでもレコード契約がなくて、日本でアルバムを3枚(「1985」含む)リリースしてるんですよ。アルバムジャケットだけでなくリリースした時期とか順番も若干変わってくるんですね。一応今回はUSでのリリース順を参考にレビューで取り上げる順番を決めてます。ま、読む方としてはあまり関係ない話かと思いますが‥‥



▼ENUFF Z'NUFF『1985』
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投稿: 2003 10 28 06:46 午後 [1994年の作品, Enuff Z' Nuff] | 固定リンク

2003/07/05

加藤いづみ『IZUMI -SINGLES & MORE-』(1994)

  このサイトを始めた頃、まさかこの人をこういう形で取り上げることが出来るようになるとは思ってもみませんでした‥‥「ロック」っていう広いようで狭い括りが足枷になって、こういう良質なポップスを取り上げる機会を自ら失っていたわけですから。けど、昨年末辺りから、そういった枠に囚われることなく、自分が好きな音楽をバンバン紹介するようになり、そうした矢先にこの人の久し振りのアルバム・リリースの吉報が飛び込んできたわけです‥‥そう、今回は加藤いづみが'94年10月にリリースしたコンピレーションアルバム「IZUMI -SINGLES & MORE-」を取り上げたいと思います。

  このアルバムは、'91年にデビューした彼女が約3年の間にリリースした4枚のアルバムと9枚のシングルの中からシングル曲を中心に(当時の彼女は、オリジナルアルバム未収録のシングルナンバーというのが結構あったんですね)、そのC/W曲、更には未発表バージョンや完全未発表曲まで収めた、「ファンへのクリスマスプレゼント」となったわけです。このアルバムがリリースされる数ヶ月前に、加藤いづみ最大のヒット曲となった"好きになって、よかった"での中ブレイク(オリコン・トップ20入り)があり、そういった初心者への入門編としての役割も十分果たしているわけです(ま、そっちの方が本来の目的なんでしょうね)。

  シングル曲は7曲‥‥当時の代表曲といえる"好きになって、よかった"や"髪を切ってしまおう"の他、"美しすぎて"(かのガロのカバー)や"この街が好きだよ"、"さよならが言えない"といったシングル・オンリーの曲や、"どれだけあなたのことを"(アルバム「skinny」からリカットされた時のシングル・ミックスで収録)、デビュー曲"Zero"といった辺りまで収められています。残念なのは、個人的には彼女の楽曲で三本指に入るくらい大好きな "坂道" がオミットされたことでしょうか‥‥いい曲なのに、残念。

  また、シングルのカップリング曲だった"シスタームーン"と"彼がやって来る"もアルバムには今回初収録。共に彼女らしさ満点のいい曲なので、これから加藤いづみを聴こうという人にはいい取っ掛かりになるんじゃないですかね。

  けど、ここまでの音源なら、俺みたいな濃いファンなら全て持ってる音源なわけですよ。で、そういう人の為の「スペシャル」な音源が3曲‥‥"星になった涙"の別バージョン、"ナチュラル・ガール"のライヴテイク(共にオリジナルバージョンはセカンドアルバム「星になった涙」に収録)、更にここでしか聴けない完全未発表曲"あぁ、雪は降る -Merry X'mas '94-"といった曲も収められてるわけです。ま、これがアルバムタイトルでいうところの「& MORE」なわけですね。"星になった涙"はオリジナルバージョンにはなかった歌詞とメロディが追加されていて、普通に独立したひとつの楽曲として成立しています。"ナチュラル・ガール"のライヴテイクは、スタジオテイクとは違ったアレンジになっていて、彼女のライヴがどんな感じなのかが何となく伺える貴重な音源になっているのではないでしょうか。そして"あぁ、雪は降る -Merry X'mas '94-"は、まぁクリスマスソングですよね。彼女らしいスローバラードに仕上がってます。まぁオマケといった感じですよね、季節限定モノですし。

  正直なところ、今のJ-POPモノを中心に聴いてる人達に彼女の歌がどう響くのか、全然想像がつかないのですが‥‥だってここに収められた殆どの楽曲、加藤いづみ本人が書いたものじゃなくて、プロデューサーでもある高橋研が書いたものですからね。女性が歌詞を読んで、どこまで入り込めるのか‥‥ま、そういう意味ではモーニング娘。におけるつんく♂みたいなもんなんでしょうか?(男性が書いた歌詞を歌う、といった観点での話)

  その後、彼女はレコード会社移籍の際に何枚かベスト盤をリリースしてますが、個人的に一番しっくり来るのが、実はこれなんですよね。ベスト盤としても機能してるし、普通にオリジナルアルバムとしても聴けないことはないし。そうそう、ガールポップなんて言葉がよく使われるようになったのも、彼女がブレイクした頃でしたね。今現在もそういった女性シンガーもののポップスが好きな人で、まだ加藤いづみを聴いたことのないという人がいたら、是非このアルバムを聴いてみてください。中古盤屋で安く手にすることが出来ると思うんで。



▼加藤いづみ『IZUMI -SINGLES & MORE-』
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投稿: 2003 07 05 12:00 午前 [1994年の作品, 加藤いづみ] | 固定リンク

2003/07/03

桑田佳祐『孤独の太陽』(1994)

  先月、サザンオールスターズがデビュー25周年を記念して、そのデビュー日と全く同じ日にデビュー曲「勝手にシンドバッド」をスペシャルエディションで再発したわけですが、これが何と1位を取ってしまうという快挙を果たしまして。「何やってんのよ、現役の若手達!」って気持ちもなきにしもあらず、まぁ結局は「限定盤」って言葉に弱い日本人のこと、買っちゃったんでしょうね。ベスト盤やら何やらに絶対に入ってるから、サザン聴くような人なら必ず持ってる曲なのにね。

  んで、そういうこともあってか、たまたま古い友人とメールにて「一番好きなサザンのアルバムって何よ?」って話題になりまして。「好きな曲」ってことになるとまぁいろいろあると思うんですが、ことサザンのオリジナルアルバムになると、全然想像がつかないんですよね、他人の選びそうなのが。んで実際、自分が選んだのって、「KAMAKURA」か「SOUTHERN ALL STARS」のどっちかってことで、結局最後まで1枚には絞れませんでした(ちなみに友人は「人気者でいこう」を選びました)。それぞれに思い入れがあるアルバムだけに、しかも共に初めて買ったサザンのLP(アナログレコード)とCDなんですよね。だから余計に思い入れあるんですよ。

  で、逆に今度は「だったら桑田佳祐のソロだとどれ選ぶ?」ってこっちから質問し返したんですよ。そしたら面白いことに、こっちはふたりして意見が一致したんですよ。それが今回取り上げる「孤独の太陽」なんですけどね。

  このアルバムは'93年の桑田ソロ活動再開後の集大成として'94年9月にリリースされた、ソロアルバムとしては2作目のオリジナルアルバムになります。'93年秋にシングル"真夜中のダンディ"を発表後、少し間が空いて翌年夏にシングル"月"を発表後、このアルバムを発表したわけです。とにかくこの時期の桑田は活発で、アルバムを出した後にもシングル"祭りのあと"(このアルバムには未収録)を、翌'95年初頭には当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったMr.Childrenと共にチャリティーシングル"奇跡の地球(ほし)"をリリースしたりしています。

  '80年代にリリースしたファーストソロ「KEISUKE KUWATA」は、ポップ職人としての桑田を見事に表現した素晴らしい内容でした。勿論、俺も当時よく聴きました。しかし、ポップを追求するという意味では彼にはサザンもあるわけで、この時のソロというのは今思うと「純粋なソロ」という気がしないんですよね。単純にサザンが上手く軌道しなかったからやってみた、といった感じ。実際の理由はちょっとど忘れしちゃったけど(原坊の育児休暇だったっけ? それはKUWATA BANDの時か?)。

  けど、このセカンドソロに関しては、そういう「ポップ職人」としての色よりも、もっとドス黒い‥‥非常に内向的で、個を感じさせる内容になってると思うんですね。例えば使われる楽器にしても、ギター1本とハーモニカのみだったり、打ち込みを使用しつつもどこかバンドサウンドを意識させるものだったり、音色もカラフルというよりはモノトーンといった印象を受けるし。勝手な思い込みかもしれませんが、ここで聴ける楽曲は過去のどの楽曲・アルバムよりも「桑田佳祐自身」をさらけ出したものになってるんじゃないでしょうか。勿論そこは桑田のこと、自身をさらけ出しながらもどこかフィクションぽさを感じさせる色もしっかり見られる。単なるオナニーにならず、「音楽作品」として成立させるためのアレンジがしっかり成されています。

  '89年から'92年にかけてのサザンの活動は、とにかく凄まじいものがありました。アルバムは3枚(「SOUTHERN ALL STARS」、「稲村ジェーン」、「世に万葉の花が咲くなり」)も制作し、ツアーもやり、しかも桑田は映画まで制作。ポップアーティストとしてここまでやれば文句ないだろ、と周りを威嚇せんばかりの働き振り。そして「ここまでやったんだから、次は好き勝手にやらせてもらう」と言わんばかりの内容になった「孤独の太陽」。頭2曲("漫画ドリーム"と"しゃアない節")がモロにボブ・ディランしてたり、言葉もなくなる程に素晴らしい"月"、ブルーズというよりは日本特有の「ブルース」に近い"僕のお父さん"、冴えが素晴らしい桑田流ロックンロール"すべての歌に懺悔しな!!"等、とにかく渋い。そんな中、キラリと光るのがポップ色豊かな"飛べないモスキート(MOSQUITO)"。これなんてサザンでそのままやっても違和感ない曲調ですしね(当たり前か、両方「桑田本人」なんだから)。前半の段々と盛り上がっていく構成、"真夜中のダンディー"を境に更に深い方向へと進んでいき、最後の最後に名曲"JOURNEY"で終わるという構成は、本当に今聴いても圧巻。いやぁ、本当にいいアルバムだわ。

  2001~2年に三度ソロ活動を行った桑田。シングルでポップな側面を強調し、アルバム(「ROCK AND ROLL HERO」)でロック/ブルーズ的側面を強調、最後に集大成的な2枚組ベストで締めるという流れはとにかく圧巻でした。が、やはりどこか物足りない。それは「作家・桑田佳祐」の色合いが強かったからでしょうね。そういう意味では、このアルバムみたいな作風に戻ってくるにはもうちょっと時間を要するみたいですね。ま、気長に待たせてもらいますよ。



▼桑田佳祐『孤独の太陽』
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投稿: 2003 07 03 12:00 午前 [1994年の作品, 桑田佳祐] | 固定リンク

2003/04/04

RADIOHEAD『MY IRON LUNG EP』(1994)

RADIOHEADが'94年秋にリリースしたEP‥‥というか、ミニアルバムがこの「MY IRON LUNG」。日本盤は未発売で、ヨーロッパ諸国にていろんな形態(CDシングルや今回紹介するEP形式等)でリリースされたようだけど、今回は現在でも比較的入手しやすくて、尚かつ最も聴いてもらいたい重要作品として、この8曲入りEPを選びました。だってさぁ、ここに入ってる8曲の内、6曲はその後のオリジナルアルバムにも未収録だし、何しろ‥‥ここが一番重要。本来リリースされるはずだったセカンドアルバムに収録予定だった楽曲群がここで聴けるんだから。

RADIOHEADは'93年リリースのファーストアルバム「PABLO HONEY」に続くセカンドアルバムを'94年からレコーディングし始めました。当初は同年5月にシングルを、9月にアルバムという予定だったらしく、プロデューサーにジョン・レッキー(STONE ROSESやKULA SHAKER等、'90年代のUKロックではお馴染み)を迎え、ファーストとはかなり内容の異なった「真の意味でのファーストアルバム」(トム・ヨーク談)を試行錯誤の中、制作しました。実際、5月にリリース予定だったシングルも"Just"と発表され、同時期に日本を含む極東ツアーの開始も発表されていました。が‥‥急遽、シングルは発売中止。ツアーのみが決行されることとなったのでした(この曲は後のセカンド「THE BENDS」に無事収録)。

この時の日本ツアーでは後のセカンドに収録される"My Iron Lung"、"Bones"、"Black Star"、"The Bends"等といった楽曲が既に演奏されていました。ということは、これらの楽曲は既にこの時点でレコーディングが終了していたということになります(実際に当時のインタビューでもメンバーはそう語っていたし)。にも関わらず、シングル発売は中止になった。何故か? その答えがこのEPと、そして後のリリースされた「THE BENDS」に隠されているのです。

このミニアルバムは後の「THE BENDS」にも収録されることになる"My Iron Lung"をリーダートラックとし、レコーディング初期段階に制作された6曲と、既に発表されていた代表曲"Creep"の弾き語りアコースティックバージョンの計8曲から構成されています。"My Iron Lung"はご存じの通り、その後のRADIOHEADを占うかのような、ファーストとは異なって混沌としていて複雑怪奇で、それでいてグランジっぽい暴力性とセンチメンタリズムが同居した、突然変異のような1曲。この初期段階でレコーディングされた曲の中には他にも"Just"という、やはりその後の代表曲と呼べる硬質ナンバーも含まれていることから、レコーディング初期にはかなり実験的で、UKギターロックバンド的な色合いが後退して、ある種プログレチックな方向へと進もうとしていたように感じられます。しかし同時に、ファーストに入っていそうなストレートな曲やメランコリックなギターロックも制作されていました。"The Bends"等はそのままアルバムに収録されましたが、残念ながら選外となってしまったのがこのEPに収録された6曲ということになるようです。つまり、ここの6曲+「THE BENDS」の一部の楽曲こそが、本来セカンドアルバムとしてリリースされる予定だった曲達なのです。

既に我々は「THE BENDS」というアルバムを知っているし、散々聴いてしまっているわけで、あの傑作を前にするとここに収められたアルバム未収録の6曲は印象が薄いと言わざるを得ません。が、ファーストの楽曲群と比べれば確かにクオリティーが高いし、違った次元に進もうとしていることがちゃんと伺えます。既に「THE BENDS」でやろうとしていることの半分はここに表現できているし。けど、何故「THE BENDS」というアルバムが素晴らしかったかというと、そこには"High And Dry"や"Fake Plastic Trees"、"(Nice Dream)"といった「人間らしい温かみ」が存在するからです。勿論、それまでのRADIOHEADにもそういった要素はあったけど、ここまで包み込むような温かさは正直感じなかったと思うんですよ。けど、レコーディングを中断してツアーをして、そして何が足りなかったのかを把握して改めてレコーディングに向かった時、こういった楽曲が生まれたのかもしれませんね。そういう意味ではこれで正解だったと思うし、だからこそRADIOHEADはああも成功できたのでしょう。そして、そういった楽曲がその後の彼等の重要な要素になったことは言うまでもありません。

如何にセカンドアルバムが重要な1枚となるか、彼等はよく知っていました。だから彼等は2枚分ものレコーディングをした。そして実質上3作目となる「THE BENDS」をセカンドアルバムとしてリリースして、ファーストリリース時よりも更に高い地位を得た‥‥そしてよりアーティスティックに、そしてより混沌とした音楽性を追求することとなるのです。

この続きは「THE BENDS」のレビューで語ることにしましょう。



▼RADIOHEAD『MY IRON LUNG EP』
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投稿: 2003 04 04 04:59 午前 [1994年の作品, Radiohead] | 固定リンク

2003/01/16

B'z『The 7th Blues』(1994)

  これまた意表を突いたアルバムを選んだと思って、更にビックリするんでしょうね? 「ラルクの次はB'zかよ!? とみ宮ももう終わりだな」とかいった感じで‥‥って言ってるそこのキミ。実は「ロック聴き始めた切っ掛けはB'zでした」っての、隠してるだろ? えっ、そうなんだろ?? なっ、悪いことは言わないから、全部素直に吐き出しちまいなよ‥‥誰も責めないからさ‥‥って誰に向かって俺は説得してるんですか?

  つうわけでB'zです。多分いつもうちのサイトをご覧になってくれてる人の半数以上が「‥‥何故?」とか「‥‥けっ!」と思ってるであろうB'z。恐らく殆どの人が「ギャグでしょ?」と焦ってるであろうB'z。「とみぃはB'z好きだったのか‥‥ガクガクブルブル」と既にブラウザのブックマークを消去しようとしてるそこのあなた、ちょっと待って。ここはひとつ、最後まで読んでから消すかどうか判断してください。

  まず‥‥アルバムレビューに入る前に‥‥ちょっと以下の楽曲名に目を通しておいてください。


・AEROTHMITH / Cryin'
・LED ZEPPELIN / Nobody's Fault But Mine
・COVERDALE・PAGE / Shake My Tree
・LENNY KRAVITZ / It Ain't Over 'Til It's Over
・DAMN YANKEES / Don't Tread On Me
・JIMI HENDRIX / Little Wing
・VAN HALEN / Right Now
・THE BEATLES / Hey Jude
・GARY MOORE / The Loner
・CREAM / White Room


‥‥全部知ってますか? ま、知らない曲も数曲含まれてるでしょうね(特にDAMN YANKEESとかCOVERDALE・PAGEはHM/HRファンじゃなきゃ知らないかも)。判る人なら判るでしょうけど、上に挙げたこれらの楽曲、今回取り上げるB'zの「The 7th Blues」収録曲の元ネタ‥‥言い方は悪いですが、パクリ元となった楽曲だと言われています。もっとも、ホントのところはメンバーのふたりにしか判りませんが、聴いた感じでは確かにリフや曲の構成等、かなり近い印象を受けます。ま、過去にもB'zはZEPの "Trampled Under Foot" やMOTLEY CRUE "Time Is Change"、AEROSMITH "What It Takes" 等からいろんなものを「拝借」してる前科があるので、やっぱり‥‥ねっ?

  ってそういう事が言いたいのではなくて‥‥多くの人が抱くB'zの印象ってそういう「洋楽ロックのオイシイとこ取り」ってイメージの他に、「ピコピコした打ち込みサウンド」ってのがあると思うんですよ。ヒットした切っ掛けとなった "Bad Communication" がそういう曲だったし、元々ギターの松本がTM NETWORKでサポートメンバーとしてギターを弾いてた経緯があるからね、何となく流れが見えるわけよ。

  個人的な話になりますが‥‥以前東京で仕事してた頃、仕事先の上司が稲葉と同じ大学出身で、同級生、しかもサークルまで一緒だったそうなのね。軽音サークルでバンドやってたみたいで、丁度周りがAORとかで盛り上がりつつあった頃だったそうなんだけど、稲葉はというと‥‥もう、普通のハードロック少年だったそうで。「時代遅れなDEEP PURPLEとかやってたよ」とその人は言っておりました。既にその話を聞いた頃のB'zは今回のアルバムのようなハードロック路線に片足突っ込んでた頃だったので、妙に納得した記憶があります。元々松本ってギタリストもハードロック畑の人だしね。

  というわけで、今回紹介するアルバムを通して俺が何を訴えたいのかというと‥‥「洋楽ロックへの入り口」としてB'zを入門編として聴いてきた人達に向けて、そしてそういったB'zを毛嫌いしてきた人達への問題提議というか‥‥B'zって、そんなに貶す程酷い音楽やってるか?っていうね、うん。ま、ハードロックとか日本語でやるハードロックが嫌いな人には今回のレビュー、何も訴えかけるものがないと思いますが、面白そうだと思った人は興味深く読んでやってください。

  俺らが10代の頃、丁度'80年代中盤から'90年代に突入するまで、所謂「ハードロック/ヘヴィメタル」がチャート上で成功する時代があったわけですよ。BON JOVIやGUNS N'ROSES、METALLICAといったバンドがブレイクして、アルバムのみならずシングルまでチャート上位に食い込んだり、そういったバンドが東京ドームや武道館クラスを2日も3日も満杯にする時代だったわけですよ。で、ここ日本にも'80年代初頭から「日本のバンドによるメタル・ムーブメント」、略して「ジャパメタ」っつうものがあったわけですね。現在再結成して活躍しているLOUDNESS、ANTHEM、EARTHSHAKER、44MAGNUMといったところが有名所ですね。他にもBOW WOW(後のVOW WOW)、FLATBACKER(後のE.Z.O.)、PRESENCE(後にJUDY & MARYを結成する恩田快人が参加していた)、BLIZZARD、RAJAS、ACTION、REACTION、浜田麻里、等々‥‥中にはアメリカでそこそこ結果を出したLOUDNESS、イギリスで成功しレディングフェスに出演した経歴も持つVOW WOW、KISSのジーン・シモンズがプロデュースしたE.Z.O.なんていうワールドワイドな活動をしていたバンドもいた程です(そして今、そういった日本のバンドに影響を受けた海外のアーティストも多く活躍しています。元MR.BIGのポール・ギルバートや元MEGADETHのマーティ・フリードマンなんかがその代表ですね)。そしてこのジャパメタは、後にX(後のX JAPAN)という怪物を生み出すわけです。そして、それと引き替えにジャパメタは死語となり、次第に「ビジュアル系」なんていう微妙な呼び名で呼ばれることになるわけです‥‥その黎明期に活躍したDEAD ENDやGASTANKなんてのもいましたが。

  おっと‥‥ちょっと話が脱線しましたね。で、'90年代以降、ハードロックやヘヴィメタルは下火になります。METALLICAやPANTERAといったコア系のバンドの活躍はありましたが、グランジの台頭によってグラマラスでゴージャスなサウンドを持ったバンド達は一掃されるわけです。けど、日本は特別でまだMR.BIGやBON JOVIといったバンドに効力がありました。と同時に、X JAPANが大ブレイクし、いわば国民的バンドになってしまったりしました。誰ももう彼等のことを「ジャパメタ」とか「ヘビメタ」なんて呼ばなくなりました。

  でね‥‥俺らがガキの頃は、洋楽への入り口としての口当たりの良い、聴きやすい音を持った、それでいてサウンド的にハードでカッコイイバンドってのが結構いたわけですよ。それがBON JOVIだったりVAN HALENだったり、あるいはJOURNEYやNIGHT RANGERといった‥‥ライトメタルとか産業メタルなんて言葉で貶されたりもしますが、そういった良質のバンドが沢山いたわけです。だってそういうバンドがヒットチャート上にウジャウジャいたわけですから。マイケル・ジャクソンやマドンナを聴くのと同じ感覚でBON JOVIやMOTLEY CRUEを聴いてたわけですよ、俺にしろ周りの友人にしろ。「カイリー・ミノーグとWHITESNAKEのアルバム、いいよね?」とか、そういった会話が普通だったわけです(自分の周りだけかもしれませんが)。

  ところが、'90年代以降、そういった「チャート上でも成功していて万人に愛され聴きやすい」教科書的入門編バンドが少なくなってしまったんですね。MR.BIGとかは頑張ったけど、それ以外だと‥‥NIRVANAやRADIOHEADやOASISで洋楽に入った人も多いんでしょうけど‥‥なんか味気ないかなぁ、と俺は思ったりするわけです。では'90年代に入ってそういう「ロック入門編」の役割を果たしたバンドって?‥‥となると、これがX JAPANだったりB'zだったりすることが多いわけですよ。'80年代はまだロックはアングラなイメージがあり、特に日本ではボウイやレベッカといったバンドがチャート上でも大成功を収めるまで、そこまでロックが大々的に一般の世界にアピールすることは少なかったと思うんですよ。それが'80年代末からのバンドブーム、'90年代に入ってからのビジュアル系ブームによって、お茶の間に長髪/髪の赤い化粧した男達が普通に登場したりする時代になるわけですから‥‥20年前だったら考えられないですよね?

  そういう風に、ここ日本でも普通にロックが一般化した状況になり、特に洋楽からロックに目覚める必要もなくなる‥‥そうなると、一番身近で手頃なロックからスタートするわけですが‥‥そこでチャートでも大成功を収めていたB'zが登場するわけです(いや~ここまでの前振り、長かった‥‥)

  この「The 7th Blues」という2枚組アルバムがリリースされたのが'94年春。デビューから既に6年近く経ってからのこと。その前から既にハードロック色を要所要所に散りばめてきた彼等が、本格的にそういうサウンド一辺倒で臨んだのがこのアルバムなわけです。ここにはあの「ピコピコした打ち込みサウンド」は皆無。全部が固定バンドメンバーによるバンドサウンドで、そこに曲によってブラスが加わったりストリングスが入ったりするわけです。歌詞は判りやすい日本語(20曲中、英語詞も2曲有り)、リフやメロディは最初に挙げたような洋楽ハードロックからの影響が強く、しかも適度にハードで適度にソフト。そして周りが言う程酷くない。むしろ完成度はかなり高い方だと思います。実際、サウンドにしてもレコーディングをLAで、ミックスをChris Lord-Algeというグラミー賞も受賞したことのあるエンジニアが担当してるわけですから、その辺の洋楽ハードロックバンドと比べても特に違和感はないわけです(歌詞を除けば)。個人的にはこのアルバム、ディスク2の方が好みで、エアロばりのロッカバラード"Don't Leave Me"(スカパラホーンズが大活躍)からまんまZEPな"Sweet Lil'Devil"への流れ、過去のB'zナンバーを英語詞&ブルージーにリアレンジした"Slave To The Night"、"Lady Navigation"、大陸的な大らかさを持ったアメリカンハードロック"Jap The Ripper"、B'zらしいメロがハードロックに乗った佳曲"春"等、ホント捨て曲なしだと思うんですよ。"もうかりまっか"みたいな遊び曲もあるんだけど、決して捨て曲ってわけでもないし。ま、稲葉のシャウトがまんまスティーヴン・タイラーだ、という指摘はこの際無視しますけどね。

  実はこのアルバム、B'zファンからは当時酷評されたらしいんですね。「B'zらしくない」「ヘヴィすぎる」等といった理由で。確かに暴走し過ぎな気もしますね。実際、このアルバムに伴うツアー終了後、再び彼等は打ち込みを多用したサウンドも復活させて、音楽的には非常にバランスのいい「LOOSE」というアルバムをリリースしてますしね。かつてハードロック少年だった稲葉と松本が、ある程度地位を得たことで初めて「好き放題やった」いや「やり尽くした」作品。それがこのアルバムだったのかもしれませんね。だからこその2枚組だった、と。

  このアルバムからロックに入ったっていう人、結構いるみたいですね。確かに過去のB'zのイメージに囚われずにこのアルバムを聴くと、普通にカッコイイと思うし、更にあなたがまだ洋楽にノータッチだったとしたら、ここに収められているパク‥‥いや、影響を与えた原曲も聴いてみたいと思うかもしれませんね? そういう意味で、このアルバム及びB'zは'90年代、日本の多くの少年少女達にとっての「扉」となったわけです。

  もし‥‥B'zが二人組というユニットではなくて「○人組のバンド」として存在していたら‥‥そしてそのデビューがあと5年早かったら‥‥間違いなく彼等はハードロックバンドとして、そしてジャパメタバンドのひとつとして認識されていたでしょう。今頃「BURRN!」の表紙を飾っているかもしれませんね。先にTM NETWORKフォロワーとして登場してしまったが為にそのチャンスは逃してしまいましたが(そして多くのロックファンにとって忌むべき存在にもなってしまった)、この際ちゃんと彼等の功績を評価してもいい時期にきてるんじゃないでしょうか。リリースから9年経っても古さを感じさせないこのアルバムを今聴くと、尚更そう思えてくるわけです。

  最新のツアーではとうとう海外で知名度のあるメンバー(特に元MR.BIGのビリー・シーン参加には誰もが驚いたことでしょう)をリズム隊に迎え、海外からもお呼びがかかったという噂のB'zですが、もうハードロック一辺倒な作品を作ることはないんでしょうね。近作だと「BROTHERHOOD」というアルバムが比較的そういう作風だった、と人伝に聞いています。確かにシングル曲 "ギリギリCHOP" なんてまんまVAN HALEN風ハードブギーですしね(で、アルバムバージョンではMR.BIGのリズム隊がプレイしてるわけですし)。意外とあのまま彼等がハードロック路線を続けていたら‥‥セールス的には落ちていたでしょうけど、間違いなく「B'zを聴いてロックに目覚めた」という中学生が増えていたでしょうね。そう考えると、ちょっと勿体ないかなぁ‥‥という気も。

  ワールドカップ関連でエアロと共演したり、クリスマス限定パッケージでバラードベストを出したり、確かにそのひとつひとつの行動は我々ロックファンからすれば「???」なのかもしれませんが、それとやってる音楽、そしてその音楽の出来は別物です。売れてるから駄目、なんて理由で無視するのも結構ですが、今一度ヒットチャートを賑わしているアーティスト達にも目を向けてみてはどうでしょうか?



▼B'z『The 7th Blues』
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投稿: 2003 01 16 12:33 午前 [1994年の作品, B'z] | 固定リンク

2002/04/05

NIRVANA『MTV UNPLUGGED IN NEW YORK』(1994)

早いもので、今日で丁度8年経つわけだ‥‥ここ数年は特に4/5だからといって彼を、そしてNIRVANAを意識することはなかったのだが(自分にとっては別の意味で忘れられない日となってしまったので。詳しくは別項「About Kurt Cobain」参照)、先週だったか、たまたまビデオテープの整理をしていたら、そこに見覚えのないテープが一本。消して使おうと思って内容を確認したら、それがこのNIRVANA最初で最後のMTVアンプラグド出演時のものだったのだ。すっかりそのテープの存在を忘れていた俺は、思いっきり最後まで見入ってしまった、深夜の2時過ぎから(しかも平日に)‥‥そして眠れなくなってしまうわけだが。

このライヴが収録されたのは、'93年11月18日。亡くなるまで約5ヶ月のタイムラグがあるわけだが‥‥その5ヶ月間に何があったとか、どう変わってしまったいや変わってなんかない‥‥なんて話題はこの際無視する。そういうスキャンダラスな話題がどうしてもつきまとってしまうのは、カート・コバーンの死に方を考えれば仕方ないことなのかもしれないが、まずはそういう色メガネなしで聴いて欲しい。もしあなたが、まだNIRVANAというバンドの音に触れたことがない人なら、雑誌やネット上での情報を得る前に、まっさらな状態でこのアルバムに接して欲しい。

何度も言うが、俺はカート・コバーンという男の生き方を今でも肯定する気にはなれない。けど、それでも彼が作り出した曲、歌、そしてNIRVANAというバンドは今でも大好きだ。最初に彼等のアルバム「BLEACH」に触れた時は余り熱心に聴き込むことはなかったが、続く出世作「NEVERMIND」ではその楽曲よりも、カートの歌、歌声に一番惹かれたという事実を、今でも良く覚えている。決して上手とは言い難いが、独特なざらついた声で唄われる "Something In The Way" を初めて聴いた時の、あの何とも言い表しがたい気持ち‥‥あれは何だったんだろう?って今でも思う。聴き終えてから急激に鬱になる‥‥ぶっちゃけて言えば、死にたい気分になってしまったのだ。何故か判らないが、俺は「NEVERMIND」というアルバムを初めて聴いた時、興奮せずにどん底の気分を味わうことになったのだ。後にも先にも、こんな気分にさせられたアルバムはこれだけだ(そんなもんだから、その直後に聴いたR.E.M.の「AUTOMATIC FOR THE PEOPLE」でさえもポップに聞こえてしまった)。結局それは、カートの声や唄い方によるものなんだろうな、と今では思う。特にこのアンプラグドライヴで唄われているような曲を聴くと、そういうカートの独特な魅力が際立つわけだ。決して彼は叫んだりスクリームするだけではない、ちゃんと「歌」を知っていたのだ。だからこそNIRVANAは「ポップ」になり得たのだ‥‥そうは思わないだろうか?

このアルバムの特徴はオリジナルアルバム3枚からの楽曲の他に、カート達が影響を受けたアーティスト達のカバーソングがある。VASELINESの "Jesus Doesn't Want Me For A Sunbeam"、デヴィッド・ボウイ "The Man Who Sold The World"(邦題:世界を売った男)、MEAT PUPETSは3曲("Plateau"、"Oh Me"、"Lake Of Fire")でそのメンバーも参加している。そして‥‥一番最後に唄われるのは、戦前ブルーズシンガーの中ではかなり異色の存在だったといえるレッドベリーの "Where Did You Sleep Last Night"。このアルバム最大のハイライトといえるパフォーマンスではないだろうか? 映像で観ると特によく判るが、一番最後の一節を唄う直前のブレイクでの、彼のブレス‥‥そしてその表情。俺が知ってるカート・コバーンという男が見せた、優しい表情‥‥少なくとも俺にはそう見えた。映像でその表情を観てしまった今となると、やはり「ここで終わってよかったのかな‥‥」と思えてしまうのだ。

今でも自分にとって大切なアルバムの1枚にNIRVANAの「IN UTERO」を挙げているが、最もよくプレイヤーにのせるアルバムとなると、実はこのアンプラグド盤だったりする。結局俺は、NIRVANAにロックだとかグランジを見ていたのではなく、「ポップな歌」を求めていたのだろう。



▼NIRVANA『MTV UNPLUGGED IN NEW YORK』
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投稿: 2002 04 05 02:20 午前 [1994年の作品, Nirvana] | 固定リンク

2001/06/15

MANIC STREET PREACHERS『THE HOLY BIBLE』(1994)

前作「GOLD AGAINST THE SOUL」が予想以上にヒットしたマニックス。ツアーも大盛況に終わり、前作からのシングルから間髪入れず、'94年5月に"Faster"と"P.C.P"の両A面シングルを発表、16位と大健闘する。これはちょっと衝撃的シングルだった。何せ初期のパンク路線を更に進化させたかのような攻撃性、そしてサウンドは更に生々しく響き、全ての音が機能的に鳴っているのである。今現在までも、このシングルがマニックス史上最強だという意見は非常に多い(俺も全く同感である)。

続けて8月にシングル"Revol"(22位)を発表。これもまた面白い曲で、まるでテクノを思わせるような反復リフが登場する、カッチリと作り込まれたパンクソング(タイトルはリッチーの造語で、逆から読むと「LOVER」ということではないだろうか? 次作でも"Enola/Alone"という曲があったし)。

そしてそのすぐ後に3作目となるアルバム「THE HOLY BIBLE」をリリース。前作からまたまた1年2ヶ月という短期間で発表されていることから、本当にリッチー在籍時のマニックスは多作で、尚かつ良質な曲を連発していたなぁと実感する。その後もシングル"She Is Suffering"(25位)を10月にリリースしている。

前作からのラストシングルとなった"Life Becoming A Landslide"のカップリング曲(日本盤はシングル「FASTER」に収録)で既にその兆候は見せていたが、この「THE HOLY BIBLE」はファーストともセカンドとも違った、ある種脅迫じみた凄みがある。時代が時代だっただけに('94年というとカート・コバーンが亡くなった年)こういう「閉所恐怖症」的サウンドになったとも考えられるが、やはりここで考えるべきは当時のリッチーの精神状態だろう。歌詞からもそれは感じ取ることができるし、何より当時を知っている人間なら、その頃の彼の奇行を覚えているだろう。ベロンベロンになり何も覚えてないくらいまで酔っぱらい、薬に手を出し、何度か自殺をも試み強制入院させられたことを。家族同然だったバンドのメンバーは本気で心配し、ニッキーは毎日リッチーを見舞ったという。一端中止したツアーもリッチーの快復を待ち、翌'95年初頭には頭を坊主にし、一見快復したかのように見えたリッチー。この年の春には来日も決まっていたのだが‥‥2月1日、滞在していたホテルから、リッチー・エドワーズは忽然と姿を消すこととなる。その後、自殺説や誘拐説などいろいろ憶測で語られているが、現在に至るまで彼の消息はつかめていない。これによってバンドは活動休止、彼の所在/生存が判るまでバンドとして動かないことに‥‥

何がリッチーを苦しめ、何に駆られてこのアルバムを作ったのかは確か当時のインタビューで語られていたはずだが‥‥ここでは純粋に作品についてのみ語っていこうと思う。

とにかくそれまでの作品と違い、非感情的なメロディー、機能的なリズム、生々しいサウンド、曲を盛り上げるというより単なる装飾のひとつに過ぎないギターソロ等、どれをとっても前2作とは異なる作りとなっている。勿論、これまでの片鱗は所々に見え隠れするし(当時はそう思えなかったが、今聴くと非常にポップなメロディーをしていて、どこをとってもマニックスらしい楽曲ばかりなのだ)、"This Is YesterDay"のようなその後の彼らの雛形ともいうべきメロウな曲もあるにはある。しかし大半を占めるのは、グランジともパンクとも言い難い、ある種独特なヘヴィサウンド。ヘヴィといっても、昨今のヘヴィロックのようなサウンド的なものではなく、もっと本質に迫るようなヘヴィさ‥‥人間の内面をナイフでえぐり取るような鋭さや重さを持った音。そして更に深く、更に重みを増した歌詞。作曲はジェームズとショーンが中心に行っているが、このアルバムに関してはリッチーのディレクションが影響しているようだ。

変拍子が意外だった"Yes"から5曲目"Archives Of Pain"までの流れは正に圧巻で、正直初めてこのアルバムを手にした時は、最後まで通して聴けずにここら辺で1度止めてしまっている。音楽的変化よりも、その重さに耐えられなくなったのだ。これは決して気楽に聴けるアルバムなんかではない。しかし、一度その世界にハマってしまうと、二度と戻ってこれなくなる。これはそういうアルバムだ。

パンクバンドとしてスタートしたマニックスが、ここで一度原点を見つめ直したという考え方もできるかもしれない。しかしこれはそんな生易しいもんじゃない。ファーストでの失敗、セカンドの予想以上の好評価を経て、ここに辿りついたのだ。いや、ここまで追いつめられたのだ。その後、リッチーを失ったマニックスはこれ以上重く攻撃的な作品を発表してはいない。作品の質感や一部のパンクソングに対して、最新作「KNOW YOUR ENEMY」をこのアルバムと比較する人も多いが、やはり全く違うものだと言わざるを得ない。振り幅としては最も「負」にある1枚なのだが、これを最高傑作と呼ぶファンは多い。しかし、リリース当初の英国メディアの評価は全く逆だったことも付け加えておく。トップ10には入ったものの、セールス的には前作程ヒットしなかったという事実も(尚、アップ後の情報として'94年の英国・NMEかメロディメーカーのどちらかで「年間ベストアルバム」のトップ10内にランクインしていたという話がある。これは俺も何となく記憶してるので間違いないだろう。つまり、最も賛否両論が激しかった作品ということになるのだろう)。

このアルバムに対しては、1曲1曲を取り上げるのではなく、作品1枚を通して聴いて欲しい。俺はこのアルバムからどれがオススメの曲か?と問われると、正直答えに困る。何故なら自分にとって、この13曲で1曲というようにカウントしているからだ。「THE HOLY BIBLE」というひとつの組曲だと考えている。

何度かいろんなところで書いたが、自分の人生にとって非常に重要な1枚である。



▼MANIC STREET PREACHERS『THE HOLY BIBLE』
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投稿: 2001 06 15 10:00 午後 [1994年の作品, Manic Street Preachers] | 固定リンク

2001/05/28

WEEZER『WEEZER (a/k/a “Blue Album”)』(1994)

記念すべきWEEZERのファーストアルバム。実はアメリカと日本とでは発売時期に約1年の時差があり、アメリカでは'94年5月に、ここ日本では遅れて'95年3月にリリースとなっている。これは当初、アルバム自体が本国でもそれ程プッシュされていなかったからではないだろうか? 結果としてシングル"Buddy Holly"のラジオやMTVでのヒットが要因となり、ここ日本でも知られるようになったと記憶している。

プロデュースにあたっているのは、なんとあの元THE CARSのリック・オケイセックだ。'80年代中盤をリアルタイムで通過してきた人なら覚えているだろう、彼らのことを。ジョン・マット・ランジ(DEF LEPPARDやブライアン・アダムスのプロデュースでお馴染み)も彼らをプロデュースしていて、特に代表作といえる「HEARTBEAT CITY」は名盤の1枚として俺の記憶の中に残っている。

リックのみならず、またエンジニアもクリス・ショウと、ポップ職人達が手掛けたこのアルバム。珠玉のメロディーがてんこ盛りだ。

実は俺、このアルバムが出た当時、WEEZERのことが、そしてこのアルバムが大嫌いだった。いや、アルバムはまだ聴いてないな、セカンドを先に聴いてからの、完全な後追いだから。俺が嫌いになった原因、それは先の"Buddy Holly"のビデオクリップだった。後に日本のAIRが"Today"という曲のビデオでまんまパクッているが(苦笑)、あの雰囲気やルックスがどうも苦手だったのだ(同じような理由で、当時はPAVEMENTも苦手だった)。この時期、俺はTFCからも遠ざかっていたし‥‥所謂パワーポップ的なものが苦手だったようだ。

しかし、そんな偏見を捨てた今、このアルバムは純粋に心に響く「音」を持っている。1曲目から名曲目白押しだし。KANSASの名曲"Dust In The Wind"を彷彿とさせるアルペジオが印象的な"My Name Is Jonas"、そして畳み掛けるようにスタートする超名曲"No One Else"、そのAIRがいろいろアイディアを拝借している(笑)"The World Has Turned And Left Me Here"や"Undone - The Sweater Song"、如何にもアメリカンなパワーソング"Surf Wax America"、「エレキギターを持ってバカな歌をプレイするんだ」と唄い、歌詞にKISSも登場する"In The Garage"等、数え上げればきりがない。とにかく10曲全てが名曲。文句なし‥‥って評価が一般的なんだろうな、きっと。

ただ、個人的趣味から言わせてもらえば、このサウンドプロダクションが好きになれない。「これがいいんだよ」という人もいるだろうけど、俺的には甘いっつうか‥‥これらの曲をセカンドのプロダクションで聴きたいなぁ‥‥そうすれば、本当に完璧なアルバムだったんだろうなぁと。そのプロダクションが更に彼らの歌や演奏の「ヘロヘロ」具合に拍車をかけているんだけど‥‥逆効果?俺にはそう思える(一般的な評価はそこがいいってことになってるんだろうけど)。まぁ何はともあれ、いいアルバム。最初に手を出すならこれでしょう。



▼WEEZER『WEEZER (a/k/a “Blue Album”)』
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投稿: 2001 05 28 05:49 午後 [1994年の作品, Weezer] | 固定リンク

2000/12/26

LUNA SEA『MOTHER』(1994)

  前作から1年半後にリリースされた、通算4作目にして初のチャート誌ナンバー1アルバムであり、初のプラチナム(100万枚以上の売り上げを記録した)アルバム。つまりこのアルバムによってLUNA SEAというバンドは名実共に真のメジャーの仲間入りをしたわけだ。

  まず'94年7月に3枚目のシングルとなる"Rosier"を発表するのだが、これがいきなりチャートのトップ10入りし、ロングランヒットとなる。これまでの2枚のシングルとも違う、パンキッシュ且つポップなナンバーは一般的にも受け入れられ、この曲を引っ提げて彼らはテレビの歌番組にも進出する。更に同年9月のシングル"True Blue"では、初登場第1位を記録という大業を成し遂げる。そして満を持して発表されたアルバムは予想以上の大ヒットを果たした。この大ヒットによって『X JAPANの弟バンド』的ポジションから、そのX JAPANをも脅かす存在にまで成長し、他の同系統バンドより一歩抜きん出る事になる。

  前作がセカンド「IMAGE」の延長上だったのに対し、ここでは更に飛躍した成長振りを見せている。1曲目"Loveless"からしてレベルが違う。マニアックな音作りをしていながら、ポップなメロディー、そして多くの人間にアピールする普遍的内容の歌詞。それに続く大ヒット曲"Rosier"。そしてメタリックな重量級ミドルナンバー"Face To Face"。如何にも彼ららしいファストナンバー"Civilize"と流れは完璧。そして5曲目に問題作ともいえる、8分以上もある大作"Genesis Of Mind~夢の彼方へ~"。今作から毎回、アルバムのへそとなる箇所には必ずプログレッシヴな大作が収められるようになり、その楽曲こそがそのアルバムのツアーにおける山場となった。この曲、イントロのアルペジオが印象的で、独特の空気感を作り出している。そしてここでのRYUICHIの歌にはハッとさせられる事多し。特に後半の盛り上がり箇所での感情移入度に何度ドキドキした事か‥‥この歌詞は彼の大切な友人との死別をテーマとしているらしい。この曲を涙ながらに唄う姿も何度か目撃されているそうだ。

  後半は、やはり新境地ともいえるポップな"Aurora"からスタートし、パンキッシュな"In Future"、低~中音域で唄われるメロウな"Fake"、ナンバー1ヒット"True Blue"と流れ、最後のアルバムタイトルナンバーであり、後にシングルカットもされた"Mother"へと続く。このタイトルトラックが素晴らしい。終末感を匂わせながらも、ただ求めるのは『愛』だと叫ぶ。人間が母親に求める根元的なもの、それが愛だろう。「MOTHER」は何も『母親』だけを意味する言葉ではない。もっと大きく捉えれば、それは地球であり、宇宙である。我々を作り出したもの、それを人は「MOTHER」と呼ぶのだろう。"Loveless"という曲からスタートし、『愛が欲しい/愛して欲しい』と唄う"Mother"で終わるこのアルバムは、一種のコンセプトアルバムとも言える。完璧なアルバムとはこういうものを指すのだ。

  名実共に成功を収めた彼らの最初の目標は、'89年5月の結成から約5年半にして達成された。そして彼らは新しい問題に衝突する。それは『更に多くの人間に自分達の歌を届けるには?』、そして『如何にして「MOTHER」というアルバムを越えるか?』という、産みの苦しみを味わう事になるのであった。



▼LUNA SEA『MOTHER』
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投稿: 2000 12 26 12:00 午前 [1994年の作品, LUNA SEA] | 固定リンク

2000/11/28

BON JOVI『CROSS ROAD』(1994)

ON JOVI としての、初のベストアルバムをデビュー10周年の年にリリース。これがベスト盤としては異例の大ヒットを記録し(アメリカでもトップ10入り、ヨーロッパでは軒並み1位を記録、ここ日本に関してはオリコン総合チャートで初登場2位、ミリオンセールスを記録した)全世界で1500万枚以上ものセールスを記録し、今現在もその数字は伸び続けているという。

しかもこのアルバム、ただのベスト盤なら既発曲のみで構成されたものでもおかしくないのに、完全な新曲を2曲収録、しかもリリースされる地区によって収録曲が若干異なるというコレクター心をくすぐる内容となっている。更にこのアルバムからの先行シングル「Always」がアメリカやヨーロッパで、シングルとしては過去最高のセールスを記録したのだ。イギリスで最高2位、アメリカでは4位までしか上昇してないが、この4位というのが曲者で、なんと12週に渡って4位をキープし続けたのだ。結果、売上としては4週連続1位を記録した87年の「Livin' On A Prayer」をも軽く抜いてしまったのだった。

ここでその収録曲の違いについて説明しておこう。まず日本盤。リリース当時の仕様は全15曲入りで、10曲目に日本のみの収録ということで2ndアルバムから「Tokyo Road」を、更に15曲目にはボーナストラックとして3rdアルバムから「Never Say Goodbye」が収録されている。

次にアメリカ盤。全14曲入りで、10曲目には「Livin' On A Prayer」の別バージョン(アコースティック仕様)「Prayer 94」を収録、ボーナストラックはなし。

EU(ヨーロッパ)盤は全15曲入りで、10曲目には5thアルバムから「In These Arms」を、15曲目には日本盤同様「Never Say Goodbye」を収録している。

最後にあまり見かけないが、存在しているという事で‥‥一風変わったラテンアメリカ盤。実はその存在を噂でしか耳にしておらず、現物にお目にかかったことはない。しかし、仕様としてはアメリカ盤+ボーナストラックとして5thアルバム収録の「Bed Of Roses」のポルトガル語バージョン「Cama De Rosas」の全15曲入りらしい(ちなみにこの曲は日本盤でも、限定盤だったが5thのメガ・エディション2枚組にも収録されていた。現在高額で取引あされているが、「In These Arms」のライヴトラックも入っているので、興味があったら探してみては如何だろうか?)。

というわけで、現在上記の4バージョンが存在していたのだが‥‥数年前に始まった旧譜のリマスター化に伴い、どうやら世界各国共通仕様になりつつあるようだ。現在までに確認されているリマスター盤仕様は2バージョン。日本盤とアメリカ盤が同じ仕様で、94年当時の14曲入り仕様(10曲目が「Prayer 94」)になり、EU盤は曲目・曲数に変化はなし。まぁ日本盤の「Tokyo Road」ってのが本来、どうだかなぁ的選曲だったので、これから手を出す人にとっては有難いことだろう。

内容に関しては特に記しておくべきことはないだろう。どの仕様に手を出すか?は聴き手の判断に任せるとして‥‥新曲2曲(「Always」「Someday I'll Be Saturday Night」)は本来なら、これに続く6枚目のオリジナルアルバムに収録される予定だったそうだが、ファンサービスという事で先にこっちで発表することにしたそうだ。しかし結果、これが次作への橋渡しとしては想像以上の結果を収めたため、続く『THESE DAYS』は半年近くリリース日程を早めなければならなくなってしまった‥‥嬉しい誤算である。

ちなみにこの時期にレコーディングされていながら、『CROSS ROAD』にも『THESE DAYS』にも収録されなかった曲がもう1曲あって、それは映画のサウンドトラックとして使用されている。「Good Guys Always Wear White」というアップテンポなナンバーで、『THIS COWBOY WAY』という映画の主題歌として発表された。当時サントラ盤も日本発売されたが、現在なら先の「Someday I'll Be Saturday Night」のマキシシングル日本盤で聴く事が出来る(他にも「Prayer 94」も収録されているので、お買い得だ)。

94年秋にリリースされ、その間も新作の為の作業は続行していたが、ベスト盤があまりにもビッグセールスを記録したため、急遽95年4月からワールドツアーを開始することになった。しかもこれまでにニューアルバムを完成させなければならず、本来はこのツアーが終了してから(10月頃)発表されるはずだったが、結局援護射撃の形をとって6月にリリース(何と日本はそれよりも1ヶ月先行だった)されることになったため、BON JOVIの周囲は更に慌しくなり始める。

そうそう、オリジナルメンバーのアレック・ジョン・サッチ(B)が脱退したのもこの頃だった。結果、レコーディング参加作品としてはこのベストでの新曲2曲が、PVでは「Always」が最後となってしまったのだった。



▼BON JOVI『CROSS ROAD』
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投稿: 2000 11 28 12:01 午前 [1994年の作品, Bon Jovi] | 固定リンク

2000/07/27

THE WiLDHEARTS『FISHING FOR LUCKIES』(1994)&『FISHING FOR MORE LUCKIES』(1995)

一見ニューアルバムのようだが、実はそうではないのがこの「FISHING FOR LUCKIES」だ。これがまた厄介というか、複雑なんだわ‥‥復習存在する本作について解説していきたいと思う。

①『FISHING FOR LUCKIES』(1994 / ファンクラブ限定バージョン)

'94年12月にファンクラブを通して発売された6曲入りミニアルバムとして最初に「FISHING FOR LUCKIES」というタイトルで通信販売された。当初、これらの楽曲はオリジナル・フル・アルバムとしては2作目にあたる「P.H.U.Q.」の為にレコーディングされたものだ。まず'94年6月に"Inglorious"と"Sky Babies"の2曲入りシングルをアルバム前にリリースする予定だったが、レコード会社が長い曲を嫌った為(この2曲だけで20分近くある/笑)、難色を示したそうだ。更にこの時期にレコーディングされたものは結局、1年後に日の目をみるわけだ(「P.H.U.Q.」自体はその1年後にリリースされた)。

収録曲は以下の通り。


1. Inglorious
2. If Life Is A Love Bank I Want An Overdraft
3. Schizophonic
4. Do The Channel Bop
5. Geordie In Wonderland
6. Sky Babies


'95年1月にはこのアルバムの中からM-2とM-5を収録したシングルがレコード会社を通してリリースされた。また、後に発売される「P.H.U.Q.」の英国初回盤にはボーナストラックとしてM-1とM-3の2曲が、同アルバム日本盤ボーナストラックとしてM-2とM-4がそれぞれ収録され、一般のルートでも聴く事が出来るようになった。


②『FISHING FOR MORE LUCKIES』(1995 / 9曲入りバージョン)

イギリスの音楽雑誌では通販版「FISHING FOR LUCKIES」が大絶賛されたことから、レコード会社は'95年夏頃に改めてこのアルバムに未発表曲2曲と"I Wanna Go Where The People Go"のデモバージョンを追加した形で、同じジャケットに『MORE』を赤字で追加しただけの形の「FISHING FOR MORE LUCKIES」をリリースしようとした。しかし「1度発表されたものにクズのようなデモを足しただけのアルバムなんか、リリースさせるか!」とジンジャーは怒り、リリース中止を呼び掛けた。ライヴでもお客に向かって頻繁に「あんなアルバム、買うなよ!」と訴えかけていた。

その後、カット盤として一般流通しているので、当時は簡単に手に入れることができた。ちなみに収録曲は上の6曲に


7. Underkill
8. Saddened
9. I Wanna Go Where The People Go (Early Version)


という9曲入りとなっている。

多分俺が持ってるのは、その流通してしまったものを複製したブートレッグだと思う。ジャケットの印刷が粗いし(恐らくカラーコピーで複写した2世、3世だろう)、背がカットされていないので。まぁファンならマスト!ってアルバムでもないし、本当に興味があるハードコアなマニア向けの作品でしょう。そういえば、最近はどこのCDショップでもこれ、見かけないなぁ‥‥


この頃の楽曲にはとにかく大作志向が目立った。どちらかというと短くて聴きやすい曲を「P.H.U.Q.」に集め、大作や実験的な曲を「FISHING FOR LUCKIES」に入れたのではないだろうか。後に発表される現行バージョンには「P.H.U.Q.」にも通ずるポップな小楽曲を中心に追加したことによって、より内容が充実しているが、初めて現行バージョンでこれらの大作を耳にした時は、とにかく驚いたのを覚えている。これら4曲はパンク版プログレというわけの判らないカテゴライズをしたくなる程(笑)、起伏が激しい。まるでローラーコースターに乗ってるかのように‥‥しかし、これらの曲がこのアルバムの中では1番好きだったりするのだから、少なくとも俺にとってはこのアルバムの曲をこのような形で発表した事に意義があったということだろう。

そういえば、これらの大作はライヴで披露されたと聞いた事がない。彼等のライヴがどういうものか知っている人なら、それらが何となく合わないんじゃないか?と思うことだろう。俺も同感だ。ジンジャーが最後まであれらの楽曲を完奏するするとは思えない(笑)。絶対に途中で飽きて、他の曲をやりそうな気がする。まぁそんな事はどうでもいいか。このアルバムの再発バージョン、ジンジャーは嫌いで1度も聴いていないらしいから。最初のバージョンは気に入っているらしい。そもそも、結果としては同じようなアルバムが3度発売されたわけだが、雑誌のレビューは再発を重ねる毎に評価が低くなっていったそうだ。何がどう悪かったのかは判らない。要するに「同じアルバムを何度も再リリースして、小金稼いでるんじゃねぇよ!」って事なのかもしれない。



▼THE WiLDHEARTS『FISHING FOR LUCKIES』
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投稿: 2000 07 27 06:16 午後 [1994年の作品, 1995年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

1999/12/01

THE ALMIGHTY『CRANK』(1994)

このアルバムがリリースされた94年というのは、実は微妙な時期だったりする。既に5、6年前という計算になるが‥‥アメリカでは91年にグランジ・ムーブメント勃発後、それまでメインストリームにいたバンドが「OUT OF TIME(時代遅れ)」として隅に追いやられ、替わって新たにオルタナ系と呼ばれたバンドがトップを取り、成功を収めた。イギリスではこの年にOASISがデビューし、いきなり大ブレイクを果たす。それと前後してBLURがブリット・ポップという言葉を決定づける『PARKLIFE』を発表し、後続バンドへの道を開いた。その一方で、それまでチャートを振わせるまでに成長していたTHUNDERやLITTLE ANGELSといったバンド達はレーベルからのドロップアウトや解散に追い込まれた。成功する新たなグループがいる一方で、シーンから消え去る・過去の遺物として外に追いやられるアーティストがいる。それはショービジネスの世界にいる限り、延々と繰り返される現実だ。

こうやって新たな勢力が押し寄せて危機感を感じる旧勢力。彼らはどうやって「今」を生き残ろうとしたのか‥‥3つの選択が考えられる。ひとつは「我が道を行く」タイプ。AC/DCみたいに「何があろうが知ったこっちゃない」と得意のストロングスタイルで突き進むタイプ。次に「新たなシーンを築くリーダー」タイプ。古くはデヴィッド・ボウイなんかがそうだし、グランジ末期にデビューしたベックもこれにあたる。そして一番厄介なのが「時流に合わせてスタイルを変えるフォロワー」タイプ。別のものが流行ればそれに合わせて音やイメージを戦略的に変える。例えば‥‥多すぎて書ききれないが(笑)‥‥DOKKENなんかもそうだしMOTLEY CRUEもしかり。特にMOTLEYなんてそれまでシーンのリーダー的存在だったのが、PANTERA等のブレイク後、明らかにフォロワーへと移行している。

レコード会社がそういう変化を求めても、我々オーディエンスは極端な変化を求めない、受け入れない。するとアーティストとリスナーとの間に壁が生じる。そしてアーティストは苦悩する。「どれが自分にとって一番よい選択なのか?」判っているはずだ、自分が一番やりたい音楽をやればいい事を。しかしそれでは契約を切られてしまう。明日からまたインディーズに逆戻りだ。しかし自分に嘘をついてレコード会社の言いなりになれば、今度はファンが見放す。レコードは売れない。それでもレコード会社は「新しい音」を求める‥‥悪循環。

しかしシーンの流れに乗ることによって、それまで以上の成功を収め支持されたバンドが当時イギリスにいた。長くなったが、それが今回の主役THE ALMIGHTYであり、その決定打となったのがこの『CRANK』というアルバムなのだ。

初期の彼らは「MOTORHEADよりもMOTORHEADらしい」という評判で、男臭いワイルドなロックを聞かせる、如何にもイギリスらしいバンドだった。そんな彼らに転機が訪れる。'92年、ギタリストのタントラムが脱退、替わりに加入したのが当時アリス・クーパーのサポート等で活躍したカナダ人のピート・フリージンだった。新たな血を得た彼らが次の一手として我々に差し出したのが、'93年春リリースの『POWERTRIPPIN’』だ。ここで劇的な変化をする。それまでのMOTORHEAD路線はそのままに、新たにグランジやヘヴィロックの要素を取り入れ、よりモダンなサウンドへと進化したのだ。これが誰の提案だったのかは知らないが、このリスクを伴う変化は多くの音楽ファンに好意的に受け入れられた。そりゃ離れたファンもいるだろう。しかし概ね歓迎されたようで、結果このアルバムは全英チャート初登場5位という、当時としては異例のチャートアクションで迎えられた。

 そして事務所やレコード会社の移籍を経て翌年9月に発表されたのが、4枚目のアルバムである『CRANK』なのだ。このアルバムで彼らは進化ではなく深化を選んだ。散漫な印象があった前作での音楽性を、「へヴィ」「スピード」に焦点を絞って制作した結果、非常にトータルバランスの良い傑作に仕上がった。バラードなど1曲もなく、スピード、へヴィ、グルーヴィーなサウンドが約50分間最後まで続く。聴いてて掌に汗をかくアルバム‥‥こう言えばいいだろうか? こんなアルバム、当時はどこを探してもなかった。当然このアルバムも大成功を収めた。

「パンクとヘヴィロックの融合」「ブリティッシュロックの突然変異」等いろいろ言われるが、そんな事よりも俺は「'94年という時代に、イギリスで、しかもメジャーレーベルから発表した」点をまず評価したい。サウンド的にもメジャー配給の(プロダクションにお金をかけた)せいもあるのだろう、抜けのいいドラムサウンドに腰の据わったベース、カミソリの刃の如く鋭いギターリフ。そして何よりポップな歌メロ、サビでのオーディエンスを意識したシンガロング。当時俺達が何を欲していたのか、何を必要としていたのか、彼らには判っていた。そして自らもが納得できる作品を作りだし、レコード会社もセールス面で納得させた。完璧すぎるくらいに完璧なアルバム。これ以上何を言えばいい? 文句は聴いてから言えってぇの!

ファンに支持されただけでなく、ミュージシャンからも支持されたこのアルバム。このアルバムやTHE WiLDHEARTSが、今のパンキッシュでへヴィなバンド達のお手本となっているのは明らかだと思う。そしてここ日本にも彼らを支持する人はいる。LUNA SEAのJがこのアルバムを気に入って当時頻繁に聴いていた事は、ファンの間でよく知られている。時流に乗ろうが時代に左右されようが、最後は「よい作品」を作ればみんなが認める‥‥こんな「至極簡単な事」をTHE ALMIGHTYは僕らに教えてくれた。それだけに解散は痛かった。そして今、彼らは復活を果たした。もうじき新作も発表する。変化し続けるのか、それとも更に極めるのか‥‥次はどんな一手で攻めるのか。楽しみでならない。



▼THE ALMIGHTY『CRANK』
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投稿: 1999 12 01 12:00 午前 [1994年の作品, Almighty, The] | 固定リンク