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1999/06/29

JESUS JONES『DOUBT』(1991)

このアルバムがリリースされた1991年といいますと‥‥世の中はマッドチェスターやらシューゲイザーやらグランジやら‥‥まぁ時代の変遷期とでもいいましょうか? イギリスから登場したマッドチェスターやシューゲイザーはピークを過ぎつつあったし、アメリカでは!80年代を席巻したHR/HMがグランジに食われつつあった時期でした。そして日本‥‥バンドブームが過ぎ去り、『ビーイング』系をはじめとするカラオケブームに突入した頃でしょうかねぇ。そんなバブルの終焉期にリリースされ、世界的に大ヒットしたアルバムだったのです(ちなみにデビューは89年です)。

デビューアルバム「LIQUIDIZER」も素晴らしかった彼等ですが、アレンジ面・楽曲の出来/キャッチーさからいえば、やはりこの「DOUBT」が最も素晴らしかったと思います。勿論、当時(93年)のテクノ/レイヴ・ムーブメントにすり寄ったサード「PERVERSE」も傑作ですし大好きですが、やはり最初に聴いてもらうならこの「DOUBT」でしょう(この際、4枚目の「ALREADY」は無視します‥‥いや、好きだけど)。

当時のイギリスと言えば、やはり『ダンス』‥‥そう、STONE ROSESやHAPPY MONDAYSといった踊らせる肉感的なバンドが主流でした。そこに現れた『時代の徒花』、そう、彼等はそういう存在だったのです。しかも機械的な‥‥ROSESとの違いはそこでした。開放的というよりは閉鎖的‥‥それは否めません。サンプリングやテクノ風キーボードを取り入れた、ある意味「計算しつくされた」バンド。商業くさいと言われれば確かにそうですが、いいじゃん、そんな正直なバンドがいたって。「俺達はビッグになりたい!売れたい!世界一になりたい!そのためには究極のポップソングを書いてやる!」‥‥とマイク・エドワーズは言ったかどうか知りませんが、どっかで聞いた事ないか、こんなセリフ‥‥日本にもいましたね、こういうセリフを残して名曲を量産し続けているバンドが‥‥あえて言いませんが。いいんですよ、それでも。だって、「100%の力で書いた曲」と「売れる為に200%の力で書いた曲」があったとしたら、結局は後者にはかなわないはずですから。人間、潜在能力や底力を出し切った時にこそ、常識を逸脱したパワーが発揮されるのですから(勿論、それを「いい曲か否か?」と決めるのは聴き手ですが)。

まぁそういう『計算』が見え隠れするアルバムですが、僕はいい曲揃いだと思うんですよ。それは『結果』として表れてますよね? 当時、アメリカで成功を収めたイギリスのバンドは2つだけ‥‥EMFとこのJESUS JONESだけでした。特にJESUS JONESは2曲の全米トップ5ヒット("Right Here, Right Now"、"Real, Real, Real")をこのアルバムから生み出しています。何故STONE ROSESやHAPPY MONDAYSではなくJESUS JONESだったのでしょうか‥‥その理由は未だに判りません。もしかしたら勘違いしたのかもしれない‥‥「イギリスは今、ダンサブルなロックバンドが流行ってるらしいぞ? おぉ、こいつら、新しい音してんじゃん!?」とか何とか言ってEMFの "Unbelievable" やJESUS JONES "Right Here, Right Now" がラジオやMTVでかけ倒されたのかもしれません。案外そんなもんでしょう。もっとも曲がよくなけりゃあそこまで売れなかったでしょうけどね?

1曲目の "Trust Me" に体内の血液が逆流しないようじゃ、真のロックファンとは言えんでしょう!?(あ、暴言だ!)ダンサブルなロックンロールにデジタルビートの導入、さらにテクノ風味‥‥そう、彼等は10年先を行っていたのです! もしこれが今リリースされたなら‥‥どうなってたんでしょうねぇ? 『JJ同盟』の中では「早すぎたビッグ・ビート」とか「10年先を行っていたデジロック」なんて呼ばれている彼等ですが、冗談では済まされないと思うんですよね‥‥まぁあの当時を知る人間からすれば「あんな時代の徒花」なのかもしれないけど、逆に今の十代の少年少女達に聴いて欲しいですね? "Right Here, Right Now" と "Trust Me" だけでも聴いて欲しいなぁ。そして感想を聞かせて欲しいっス。

最後に、このアルバム‥‥いや、JESUS JONESが日本のミュージシャンに与えた影響についても考えてみたいです。少なくとも僕は布袋寅秦だけでなく、あの小室哲哉にも影響を与えたと思うんですよ。布袋に関しては当時から共演したりしてるし、まぁ彼の「ギタリズム」シリーズを聴けばその繋がりが見えてくると思うんですが、小室の場合は‥‥うまく消化してると思うんですよ。彼等から受けた影響をうまいことTRF(当時はtrfか)で試してたと思うんです(DJ KOOのヘアスタイルだけでなく)。ダンサブルでテクノなんだけど、もっとロック‥‥いや、なんならglobeでもいいや。絶対に影響受けたって! DURAN DURAN~JESUS JONES‥‥ちょっと前にはCHEMICAL BROTHERSとか言ってたらしいけど、間違いないでしょう。ということは、今の日本のミュージックシーンの大半はJESUS JONESなしには生まれなかったって事か!?

もうひとつ。彼等が全盛期だった'91~'92年、BON JOVIは4年振りの復活に際しての最初のシングル "Keep The Faith" のリミックスをマイク・エドワーズに依頼したそうです。これはサンプル盤としてラジオ局やクラブに配られる予定だったそうですが、出来上がったリミックスを聴いたジョン・ボン・ジョヴィがお蔵入りを下したそうです‥‥どこまでツいていないんだ、JESUS JONES!? 是非聴いてみたいぞ!



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投稿: 1999 06 29 03:04 午前 [1991年の作品, Jesus Jones] | 固定リンク