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1999/07/10

KISS『CARNIVAL OF SOULS』(1997)

メイクアップ時代に戻る前の遺産ともいえる(?)「グランジ/ハードコア路線」の究極の形ともとれる「CARNIVAL OF SOULS」。このアルバムでのメンバーは92年からのメンバーで、ポール・スタンレー(Gt & Vo)、ジーン・シモンズ(Ba & Vo)、84年より加入のブルース・キューリック(Gt & Vo)、92年加入のエリック・シンガー(Dr & Vo)という、92年作のアルバム「REVENGE」からおなじみの布陣。

実はこのアルバム、95年には完成していました。既にこの時点で92年5月の「REVENGE」から3年。このアルバムが久々の全米トップ10入りしたお陰でツアーも大成功、その音源を集めた久々のライヴアルバム「ALIVE 3」も全米第6位と大成功。時代の流れに再び乗った彼等の今後は安泰かと思われました。が、従来のファン(70年代のメイク/ポップロック時代を愛する者、80年代のアホ・バカ/メタル路線を愛する者両方)からは不満/不安の声が聞こえてきたのもこの頃でした。そして、恒例のごとく『オリジナルメンバーでのKISS、メイクアップKISSを再び』という話が再び浮上し、昔からの噂が段々と真実味を帯びていく幾つかの事件が‥‥そう、御存知の「MTV UNPLUGGED」におけるエース・フレーリー(メイク時代のGt & Vo)、ピーター・クリス(同じくDr & Vo)との共演。これが何を意味するのか‥‥再び噂が過熱し、ネット上では「96年に大々的に再結成!」なんて噂が飛び交いました。この頃、会社からネットをしていた僕が心ときめかせたのは言うまでもありません。(笑)ちなみに僕が最初に生KISSを体験したのは比較的遅く、95年1月の4度目の来日@武道館×2でした。考えてみればその前って88年4月だし、この時は確か高校の行事と重なって行けなかったと記憶してます。で、その前は78年だし。(爆)まぁ順当といえば順当だけどね。

さて、つうわけで結局96年春にオリジナルメンバー&メイクアップ時代に戻り、大々的なワールドツアーを行う事を記者会見にて発表した彼等。(つうかオリジナルの4人)この時点で既に録音済みのこのアルバムは発売延期になりました。「いずれ何らかの形で発表する」(ジーン・談)とのことでしたが、それがアルバムとしてなのか、ボックスセットの中のボーナストラックとしてなのかは、その時点(少なくとも97年1月の来日時まで)では公言していませんでした。そして97年秋、いよいろオリジナルメンバーでスタジオ入りした事を発表した時点で、妙なタイミングでこの「CARNIVAL OF SOULS」は発表される訳です。既にブルース、エリック両者はバンドを脱退(実際は強制的だったらしい)した後の事でした。オリジナルKISS熱のお陰か、このアルバムはそれなりの成功を得る事が出来ました。(全米第21位)そう、巷の評価とは逆に‥‥

軽い前振りはこの辺にして、内容について。それにしても中途半端な作品なんですよ、これ。アルバムには必要最低限のクレジットしか載ってないし、国内盤以外には歌詞カードすら付いてない。近年の作品と比べても「やっつけ仕事」的なのが見え見えっつうか。ジャケット写真もこれじゃぁ、ねぇ?KISSらしくねぇよなぁ?これより彼等らしいブートレッグ(海賊盤)、沢山あるぜ!?そうそう、このアルバム、97年秋の正式リリースの1年以上も前から既にブートが出回ってました。(爆)僕もその音源を持っていますが、収録曲/曲順共に大した変わりなし。(笑)この点でも彼等の「やっつけ仕事」振りが伺えます!?

プロデューサーという記述はなく、コ・プロデューサーとしてポール&ジーンの他にトビー・ライトっつう人物が兼エンジニアとしてクレジットされてます。この人、90年代前半のヘヴィロック/グランジの作品の多くを手掛けている有名プロデューサー/エンジニアで、ALICE IN CHAINS「JAR OF FLIES」以降の作品、SLAYER「DIVINE INTERVENTION」などを手掛けています。とっても生々しいミックスをする事で定評がある方です。このアルバムも他に漏れず、そういう音の作品になっています。が、悪く言えば「スタジオ・デモ並みの音質」とも表現できるあたりが紙一重というか‥‥ミックスさえしっかりしてれば、と思うんですがねぇ?そういえば、この 「CARNIVAL OF SOULS」って端っからプロデューサー選びで揉めた作品なんですよ。本来、彼等はマイケル・ベインホーン(R.H.C.P.「MOTHER'S MILK」、SOUNDGARDEN「SUPERUNKNOWN」、HOLEやMARILYN MANSONの最新作で有名)にこのアルバムをプロデュースして欲しかったそうで、彼の手が空くまで2年近く待ったそうです。が、何故彼が手掛けなかったのか、非常に気になるところです‥‥案外、KISSの方が痺れを切らしたのかも知れません。ベインホーンが手掛けていたら、もっとヘヴィーで音の太い作品になっていたことでしょう。それはそれで聴いてみたい♪

では、曲について‥‥俺に何を言えってか!?(苦笑)オリジナル作品としては5年半待ったのに、出来上がったのがこれだったら‥‥ファンは怒るわなぁ、普通。まぁ僕の場合はブートを先に聴いていたので免疫は出来てたけど。それでもやっぱり実際に正式リリースされたとなると、気持ち的にもちょっと違う。最初通して聴いた時、非常にがっかりした事をよ~く覚えています。既にメイクKISSとして前進し始めているのにもかかわらず、『THE FINAL SESSION』と銘打って「過去の遺産」(それすらも謎だが)で食いつぶす姿勢が気に入らん。って、考えてみりゃあ90年代の彼等はこれの繰り返しだったから、今に始まった事じゃないんだけど。(爆)とにかくねぇ‥‥暗い。ヘヴィーか?と問われれば‥‥確かに過去の彼等の作品中最もヘヴィーだけど、歌メロがしっかりしてる為に中途半端にヘヴィー。その中途半端さがKISSらしいんだけど。「ある意味KISSらしいんだけど、実は最もKISSらしくない作品」という意味では、超迷盤(笑)「THE ELDER(邦題/魔界大決戦)」や一番中途半端な時期に作られた「UNMASKED(邦題/仮面の正体)」の次くらいに嫌いな作品でした。

リリース当時、多分3回くらしか聴いてなかったこのアルバム、実は昨年末あたりから結構聴いてる。理由は勿論、次のアルバムを聴いた事が切っ掛けなのですが‥‥(以下、「PSYCHO CIRCUS」に続く)



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投稿: 1999 07 10 04:19 午前 [1997年の作品, KISS] | 固定リンク