ZEPPET STORE@日比谷野外大音楽堂(1999年10月3日)
今年は邦楽ライヴ率が非常に高い。ミスチル、スーパーカー、フジでの多くの日本人アーティスト、来月にはオブリも行く。そして今回のゼペット。本格的に好きになったのは、昨年の「ROSE」を聴いてからだ。名曲中の名曲。これをライヴで聴いたら俺、どうなっちゃうんだろう‥‥なんてドキドキしたりして。そんな胸の高鳴りを抑えて、約10年振りに野音に出向いた。
10年振り‥‥前回はJUN SKY WALKER(S)だったかな?(爆)バンドブーム全盛の頃は、武道館よりもこの野音でやることの方がステイタスだったように思うけど‥‥違うか? みんなやってたもんな、ここで。野音っていうと、やっぱ屋根がない分不便なのだけど、その分印象に残るライヴが多い気がする。RCサクセションだったりTHE MODSだったり、尾崎豊だったり‥‥Xもやったな。そういえば、NHKの公開録画でも来たな? RED WARRIORS, UP-BEAT, PRIVATESだのが出たやつ。そういう意味では非常に印象深い、まさに日本人アーティストの『聖域』のような会場ではないだろうか?
さてさて、今回のゼペット。初体験である。今回のツアーは1週間後にリリースされた新作「CLUTCH」でもなく、今年初めにリリースされた英語アルバム「BRIDGE」でもない、微妙な時期でのツアーだったりする。実は夏にリリースされたシングル「遠くまで」の為のツアーだったりするのだが、この野音は追加公演として発表されたものなのだ。時期的にはかなりずれているけど(8月に1回終ってるからね、ツアー)、アルバムをプロモーションする意味でも、面白い時期じゃないだろうか? だってまだ見ぬ新作の曲も演奏されるだろうからな?
どんな感じでスタートするのか判らなかった。1曲目は「もっともっと」。彼等の再出発となった曲だ。もっとロック然とした曲でスタートするのかと思ってたけど、これはこれでかっこいい。それにしてもメンバーが‥‥特にVo.&Gt.の木村が‥‥デカくて感じる。それとも野音ってこんなにステージが小さかったっけ? 俺が成長してそう感じるだけなのか? メンバーのアクションはそれ程ないのだけど、やけにデカく感じるのは、やっぱり彼等の存在感のなせる技なのだろうか?
とにかくリズム隊がカッコいい。気持ちいいよ、聴いてて。安心してリズムに身を委ねられる。バンドとしてはかなりレベルが高い方だと思う。hideが何故、ここのドラムの柳田をアルバムに起用したのか、よく解った。確かにZIGGYのJOEとは違うタイプだ。どっちも上手いドラマーだけど、JOEの方はもっとラウドな、ジョン・ボーナム(LED ZEPPELIN)みたいなタイプで、柳田はJOEと同じグルーヴィーさを感じるのだけど、もっとテクニカルな‥‥ジェフ・ポーカロ(TOTO)みたいなタイプだと思った。
ゼペットって、'90年代以降のUKロックからの影響を色濃く感じる事が出来るバンドで、御存知の通り、初期は英語で活動してたわけ。初期の作品なんてモロに「あぁ、こんなB級バンド、イギリスに腐る程いるよね?」ってイメージ。(苦笑)よく言えばお洒落、悪く言えば煮え切らない感じか。けど、メジャーデビューして‥‥特に現在のメンバーになってからの楽曲以降は、アレンジにUK色を感じさせながら、メロディーはしっかり日本的な、そう、ミスチル辺りにも共通する「きらびやかさ」が見え隠れするようになってきた。これは大変嬉しい事である。hideの影響なのだろうか、「メジャー臭」を敢えて全面に打ち出す事によって得た『何か』‥‥その『何か』を強く感じさせる、頼もしいステージだった。(そして後日リリースされた「CLUTCH」は更に決定だとなった)
内容的には現時点までのグレイテスト・ヒッツと呼べる内容で、インディー盤から「CLUTCH」までの楽曲をランダムに演奏していった。初期の彼等にはRIDE辺りからの影響ともいえる「轟音ギターの壁」的サウンドという売りがあったが、例えばこの日演奏されたデビュー曲「声」からは、初期のその色は感じられなかった。轟音はごく控えめに、そのタイトルの通りに「声」を前に打ち出したアレンジに変わっていた。あの色というのは前任ギターの五味のものだったのだろうか? もっとも、今の彼等にはあのサウンドは必要ないと思う。もっと楽曲としての完成度を高めた曲を続々とリリースし続けて欲しいし、2年も待たせずに(笑)毎年アルバムをリリースして欲しいものである。そういう意味では、先に挙げた「ROSE」はひとつの完成型だったのではないだろうか?
その「ROSE」はアンコールの、本当の最後の最後に演奏された。本人達にとってもそれだけ大切な曲だというのが、ひしひしと伝わってきた。そしてこの曲では、ゲストキーボーディストとして、プロデューサーの朝本氏が加わり、切なく、それでいて暖かい気持ちでいっぱいになった。この日の天気は悪く、開演直前まで雨がちらつき、常に雨雲に覆われていた。風は強いし、この時期にしては肌寒すぎる。けど、それを感じさせない白熱したステージだったし、心も体も暖かく包んでくれる素晴らしい楽曲のオンパレードだった。
シングル曲を別として、新曲が3曲程プレイされたが、どれも新境地を伝える曲ばかりで、更に今後の活躍が期待出来そうだ。実際、後日聴いた新作にはいろいろなタイプの曲がぎっしり詰まっていて、決して聴き飽きる事はないだろう。セールス的にも大健闘したし、そろそろ大きなヒット‥‥ドラマの主題歌ながら、「遠くまで」が果たせなかったオリコン・トップ10入り‥‥が欲しいところだ。それはファンも望んでる事だと思うし、あっちでhideも楽しみにしてることだろう。こうやって成長したゼペットを見て、やっぱりhideの見る目ってすごかったんだな、と思う今日この頃である。
SETLIST
01. もっと もっと
02. LOOP
03. BLUE
04. SWAY
05. 遠くまで
06. FLAKE
07. ロウソクの炎と青い空
08. 声
09. INNOCENCE
10. DON'T ASK ME WHY
11. SPIRAL
12. THE GAME
13. NANCY
14. TO BE FREE
15. FLY HIGH
[encore]
16. ANOTHER STORY
17. BELIEF
18. ROSE (featuring Hirofumi Asamoto)

▼ZEPPET STORE『CLUTCH』
(amazon:国内盤CD)
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