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2000/03/27

THUNDER『BACKSTREET SYMPHONY』(1990)

これがTHUNDERのデビューアルバム。プロデューサーは元DURAN DURAN~THE POWER STATIONのアンディ・テイラー、ミックスにAEROSMITH「PUMP」やCOVERDALE・PAGEのアルバムをミックスした、マイク・フレイザー。このアルバムからシングルカットは5曲6枚リリースされている。(デビューシングル"She's So Fine"は最初'89年11月にリリースされたが、翌年夏にC/Wをドニントンでのライヴに差し替えて再リリース)当時日本では同時期デビューした、同じ英国のQUIREBOYSの方が話題/人気共に高く、このアルバムも高い評価の割には殆ど売れなかった。これは英国でも同様で、雑誌等では高く評価されていた割にはヒットに恵まれなかった。が、モンスターズ・オブ・ロックでのライヴが更に高く評価され、この模様を見た(ラジオ放送を聴いた)多くの人がアルバムを買いに走った。同様にここ日本でもその話題がメディアを通して流れ、当時はQUIREBOYS派だった?伊藤政則氏もTHUNDER派に鞍替えしたくらいだ。(笑)ってまぁそれは冗談として、とにかく当時の英国ロックといえばSTONE ROSESをはじめとするマッドチェスターやRIDE等のシューゲイザーバンド達が席巻していた時代で、伝統的オールドスタイルのバンドは壊滅状態だった。そこから這い上がり、シーンを支えようとしたのが、このTHUNDERとQUIREBOYSだった。

とにかくこのアルバム、名曲揃い。先のQUIREBOYSの方はもっとアーシーな、ROLLING STONESやFACES、HUMBLE PIEといったロックンロールスタイルだったのに対し、このアルバムはFREE~BAD COMPANY、WHITESNAKEやLED ZEPPELINといったブルーズベースのハードロックスタイルだったこともあり、比較的誰にでも馴染みやすい要素をもった作品だと言える。もしこのアルバムに不幸な点があるとすれば、それは「BURRN!」で取り上げられる事が多かった事によって、「rockin'on」あたりのZEPやポール・ロジャース等を好むファンに敬遠された事だろう。松村雄策氏なら好意的に評価してくれたんじゃなかっただろうか?

この時点ではまだ'80年代的ハードロックナンバーも収録されている点が興味深い。特にバンド名の由来ともなった"Distant Thunder"や"Girl's Going Out Of Her Head"といった疾走感のある曲は、この後のアルバムには登場しない。この辺はライヴでの盛り上がりを計算したのか、それともレコード契約の為に派手な曲を用意したのか定かではないが、10年間の彼等の歴史から見ても決して恥じるべき楽曲ではない。

いろいろなカヴァー曲をプレイするTHUNDERの割には、オリジナルアルバムにはたったの2曲しか収録されていない。その内の1曲が"Gimme Some Lovin'"だ。スティーヴ・ウィンウッドが在籍したSPENCER DAVIS GROUPの代表的ヒット曲で、多くのアーティストにカヴァーされている。ここでは原曲を更にヘヴィにしたアレンジがキマッていて、ベンが弾くハモンド・オルガンがいい味を出している。

アルバム5枚しかリリースしなかった彼等だが、実は解散まで演奏され続けた曲が最も多いのがこのアルバムからである。メンバーにとってそれだけ印象深い作品というだけでなく、多くのロックファンにとっても大切なアルバムであるに違いない。ある意味、既に彼等はこの1stアルバムでその音楽性を完成させてしまっていたと言っても過言ではない。がその結果、その「固定観念」が彼等の首を絞め、解散に繋がった事も付け加えておこう。とにかく未体験者はこのアルバムから聴くべし。



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投稿: 2000 03 27 01:48 午後 [1990年の作品, Thunder] | 固定リンク