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2000/05/03

BON JOVI『LIVE FROM LONDON』(1995)

BON JOVI初のライヴビデオといううたい文句で95年11月に発売されたこのビデオ。実はこれ、嘘だよ‥‥「オフィシャル初の~」という枕詞をつけるべきである。だって、初来日の「スーパーロック」@西武球場でのライヴも日本では発売されたし(20数分のものだが‥‥)、翌85年の初のジャパンツアーのビデオも日本オンリーで発売されていた。(現在は廃盤。ちなみに前者は数年前に再発されたはずだ)それに93年にもアンプラグドならぬMTV「半プラグド」ライヴがビデオでリリースされてるし‥‥まぁ純粋な意味での「普段通りのライヴ」を収めた作品としては初めてだし‥‥いいか?(笑)

俺が常々「BON JOVIはライヴだ!」って言ってきたその答えが、このビデオの中にある。残念ながらこの作品、90分程度の縮小編集版なのだが(実際のライヴはこの倍近く、あるいはそれ以上ある)これでも十分伝わってくる。如何に彼等が「ROLLING STONESやAEROSMITHの後継者」であるかが、この90分に凝縮されている。

以下にこのライヴの収録された95年6月25日のイギリス・ウェンブリースタジアムでのセットリストを記しておくので、御参考までに。(太字がビデオ収録曲)

01. Livin' On A Prayer
02. You Give Love A Bad Name

03. Wild In The Streets
04. Keep The Faith
05. Blood On Blood
06. Always
07. I'd Die For You
08. Blaze Of Glory
09. Runaway
10. Dry County
11. Lay Your Hands On Me
12. I'll Sleep When I'm Dead
  ~ Papa Was A Rolling Stone (TEMPTATIONS)

  ~ Jumpin' Jack Flash (ROLLING STONES)
  ~ I'll Sleep When I'm Dead
13. Bad Medicine
  ~ Shout (ISLEY BROTHERS)

—ENCORE—
14. Bed Of Roses
15. Hey God
16. These Days
17. Rockin' All Over The World (STATUS QUO)
18. I Don't Like Monday (BOOMTOWN RATS)
19. Wanted Dead Or Alive
20. Stranger In This Town (Vocal : Ritchie Sambora)
21. Someday I'll Be Saturday Night
22. This Ain't A Love Song

ねっ、半分カットされてるでしょ? しかも山場となる「Blood On Blood」や「These Days」、「Dry County」といった大作やゲストを交えたカヴァー曲(「Rockin' ~」にはブルース・スプリングスティーンのE.STREET BANDのギタリスト、リトル・スティーヴンスが、「I Don't Like Monday」には当の御本人、ボブ・ゲルドフがゲスト参加)までもがカットされている権利の関係とかいろいろあるだろうが、日本でそういう客演をあまり拝見した事がないので(せいぜいGN'Rでのロニー・ウッドくらいか?)豪華に完全収録して欲しかった。

このライヴは95年4月から始まったツアーのクライマックスといえる、ウェンブリースタジアムでの3日連続公演の内の3日目だ。当時の最新作『THESE DAYS』はツアースタート時はまだリリースされておらず、新曲も1~2曲程度で、どちらかといえばその半年前にリリースされ大ヒットしたベスト盤『CROSS ROAD』をフォローアップするツアーのようだった。実際に内容からそう言ってもおかしくない選曲だと思うし。その年の5月に彼等は日本で、福岡ドーム~西宮スタジアム~東京ドームという日程で来日し、上のセットリストとほぼ同じ選曲でライヴを行っている(もちろん日によって若干の違いもある)。日本ではこの数週後にシングル「This Ain't A Love Song」がリリースされるという状況で、新作からはその他にも「Hey God」「Diamond Ring」が披露されている。

アルバムは6月上旬に発売され、日本でもチャート誌の総合チャートで1位を記録し、同じくイギリスでもチャートの1位を記録した(マイケル・ジャクソンを蹴落として、である)。このライヴはその余韻に浸るメンバーを目にする事ができる。実際にビデオ内のMCでもジョンはファンに対して感謝の言葉を述べている。

それにしても‥‥本当にスケールがでかいバンドになったもんだな?と再確認したビデオだ。7万人だよ!?それを3日間‥‥前座には英国を代表するTHUNDERと、アメリカではBON JOVIよりも人気/セールス共に格が上のVAN HALENだよ? ある意味、屈辱的ともとれるこの行為‥‥でも実際に、ヨーロッパでのBON JOVIの人気を考えれば当たり前だし、VAN HALENはデイヴ・リー・ロスがいた頃以来、ヨーロッパではライヴはやっていなかったそうなので、これが妥当なのである。日本から見れば「うそぉ~!?」的な組み合わせだが(笑)。それにしても豪華な組み合わせだ。

改めてライヴの魅力を‥‥って、観れば判るって! とりあえず、観なさい!!!ロックは何も排他的な、アンチ的なイメージばかりではない。こういう肉感的な、ポジティヴで観ている人に希望と勇気を与えるのもロックのひとつのテーマなのではないだろうか?

「BON JOVIは売れてるから嫌い」「曲が売れ線だから嫌い」「日本に媚びているから嫌い」「ジョンの胸毛が嫌い」「ボーカルよりギターの方が歌上手いから嫌い」「産業ロックっぽくて嫌い」「80年代的バブルバンドだから嫌い」‥‥以上が彼等を嫌いという人達の、代表的な意見だろうか? 売れてて何が悪い? 曲が良くて何が悪い? 逆に言わせてもらえば、80年代以降、こういう「普段ロックを聴かない人にもアピールできる曲が書けて、何万人もを惹き付けるライヴをする事が出来る」当たり前のバンドが、どれだけいる? OASIS? 確かに彼等はそれに近い。しかし全世界で本当に同じ状況だろうか? ヨーロッパや日本を除けば‥‥どうなんだろうか。だがBON JOVI‥‥既に彼等は本国アメリカよりもヨーロッパで絶大な支持を得ており、ここ日本よりも他のアジア諸国‥‥韓国やタイやフィリピンなど‥‥で全盛期以上の人気を獲得している。そんなライヴできるバンドが他にどれだけいる? ROLLING STONES? AEROSMITH? KISS? 彼等は確かに凄い。しかし彼等は70年代、あるいはそれ以前から活動しているバンドである。そういうバンドに影響を受けて音楽を始めた人達が、彼等に追いついているか‥‥どれだけそういうバンドが現存するか? ガンズもモトリーも過去の遺物となりつつある2000年、再び彼等は大規模なツアーを始める。日本は4大ドームツアー、イギリスは再びウェンブリーだ。毎回毎回こんな事ができるバンド、他にはいねぇぞ‥‥

ライヴの醍醐味はやはりその場に行って「生で」体験することに限る。ビデオはただの「記録」であり、そのライヴへと誘う「促進資料」に過ぎない。彼等の曲に興味を持って、更に彼等のライヴ未体験の人、まずはこのビデオで予習をしてからドームに足を運んでいただきたい。そして「あ~、本当にビデオと一緒だ!!」と感激して欲しい。

作品の評価云々ではなく、今回は「BON JOVIのライヴをなめんじゃねぇ!」って内容で終始攻撃的に書いてきたが、それだけこのバンドはライヴを観なきゃ本当の凄みが理解できないのである。まぁ興味ない人間に8000円も払ってドームに足運べとは言えないから、せめてこのビデオでも観て考え改めて下さい。



▼BON JOVI『LIVE FROM LONDON』
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投稿: 2000 05 03 12:00 午前 [1995年の作品, Bon Jovi] | 固定リンク