DEAD END『ZERO』(1989)
1989年9月にリリースされたDEAD ENDの4thアルバム。
前作『shambara』発表後に初のシングル「BLUE VICES」をリリース、その後レーベルを移籍します。プロデューサーに前作から引き続き岡野ハジメを起用し、初の海外レコーディング(ロンドン)を敢行。1989年7月にリードシングル「SO SWEET SO LONELY」をドロップし、追ってアルバム『ZERO』が世に届けられるわけです。
当時、オープニングを飾る「I WANT YOUR LOVE」に衝撃を受けたリスナーは少なくなかったはずです。というのも、これまでのダーク&ゴシックな世界観から一変、ここでは突き抜けるような爽やかでポップなロックが展開されているのです。U2からの影響を伺わせるアレンジ含め、その“化け”っぷりには僕自身もかなり驚いたものです。
今聴くと、ほとんどの楽曲がのちのV系バンドたちのルーツになっていることがおわかりいただけるでしょう。MORRIE(Vo)のボーカル表現や歌詞でのリアリスト感、YOU(G)のクリーントーンを多用したギターアレンジ、COOL JOE(B)の歌うようにうねるベースライン、MINATO(Dr)の手数が多いパーカッシヴなドラミング。そのどれもが高度な技術を要するものですが、バンドとしてまとまったときに奏でられるキャッチーなスタイルは、当時の“バンドブーム”内でも異質なものに映りました。
そう、DEAD ENDはここでもカテゴライズが難しい、異質な存在だったわけです。
もはやHR/HMでもなければ、ハードロックでもパンクでもゴシックロックでもニューウェイヴでもない……じゃあ何なの?と問われたら、これはもう「DEAD ENDというジャンル」と答えるしかない。そんな、1989年当時における唯一無二の作品がこのアルバムであり、そんな作品に『ZERO』というタイトルを付けるセンスもさすがの一言。
結局、バンドとしては本作で臨界点を超えてしまい、MINATOの脱退を経て1990年春に解散してしまいます。筆者はちょうど高校を卒業し上京したタイミングで、「これからたくさんDEAD ENDのライブが見られる!」とワクワクしたものの、その事実に肩を落とすことになるのでした(苦笑)。
『shambara』と対で、日本のロック史を語る上で欠かせない重要作です。
▼DEAD END『ZERO』
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