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2000/08/20

LUNA SEA『GRAVITY』(2000)

  1999年は数本のアジア・ツアーと5月のお台場でのライヴを除き、表立った活動を休止していたLUNA SEA。この1年を全て新作のレコーディングに費やし、この年の12月にはいよいよ新曲"Sweetest Coma Again"を映画「007」シリーズ新作の為に提供した。この1曲を聴くだけでも、新作がこれまでになく意欲的な挑戦をいろいろしてる事が伺えた。

  そして2000年に入り、まず3月末に初のマキシ・シングル"Gravity"を発表、続く5月には第2弾マキシ"Tonight"をリリース。7月のアルバム発表までに都合7曲を我々の前に披露する事になった。アルバムにはここから3曲のみが収録されたが、「何でこの曲、アルバムに入れないんだよ!!」てな名曲もあるので、アルバムとは別にシングルのレビューをやりたい‥‥そう俺に思わせたのだった。
  既に"Gravity"リリースから5ヶ月経ってしまったが、アルバム・リリースに合わせて、ちゃんとしたレビューをやりたいと思っていたら‥‥アルバム出てから1ヶ月経ってしまった。(笑)まぁこれはいつもの事なので‥‥つうわけでSLAVEの皆様、ひとつお手柔らかにお願いします♪


M-1. gravity (原曲:INORAN)

  INORAN原曲の、シングル表題曲(LUNA SEAはメジャー第2弾アルバム「EDEN」より、作詞・作曲・編曲者名を全て「LUNA SEA」に統一している。ここでの原曲者は、最初に基となる原曲を作曲した人の名前。これらは正式には公表されていないが、ここでは雑誌等のインタビューでのメンバーの発言を参考にして明記している)。映画&テレビドラマ「アナザヘヴン」主題歌として約2年振りに発表されたシングル(チャートで1位を記録)。INORAN原曲がシングル表題曲になるのは多分"Mother"('95)以来では?

  最近の彼等には珍しい、UKロックにも通ずる曲調と大きなノリが、最近のチャート上でのヒット曲にはないものでとても印象的だった。ギター2本の絡みも相変わらず面白いし、RYUICHIのボーカルも更に深みを増している。ギターソロになると暴走しだすSUGIZOも相変わらずだ。これを2000年にシングルとして切る彼等の心意気やよし、といったところだろうか?

  もういろいろなところで語り尽くされてるだろうし、アルバムレビューでも書くだろうからあまりここではいろいろ書かないが、ひとつだけ。歌番組や映画/ドラマの影響で至る所で耳にしたこの曲、意外と評価が二分したように感じたのは俺だけだろうか? 俺の周りにいた『自称・古くからのファン』(ネット関係以外の人)は「もうダメだね~」とか言ってた。逆に彼等に対してフラットな状態の人達は「今回の曲、よくない?」と言うし。誰もが「いいね~」という曲を敢えて持ってこなかった彼等に、新作への期待感を掻き立てられてしまった俺なのだった。


M-2. inside you (原曲:真矢)

  珍しい、というか初めてじゃないか、真矢が原曲の曲って!? 大体JかINORANかSUGIZOが原曲を持ち寄る事が多いのだが、やっぱりこれはソロ活動を通過した副産物なのだろうか? そういえばアルバムではRYUICHIも共作ながら作曲に加わってるし。彼だってソロや他人への楽曲提供であれだけ評価されてるのだから、もっと増えてもいいのでは‥‥。

  曲調はマイナー~メジャー展開する、「SHINE」以降の流れを汲むポップな小楽曲なのだが、楽器隊の爆裂振りはやっぱ前作以上と言える。ドラマーが書いた曲というとどうしてもリズム中心の曲というイメージが付きまとうが、彼等に関してはそんな事は全くない。あくまで『RYUICHIの歌を中心に置いた』ものだ。味付けにキーボード/シンセを多用しているが、うっすらと聞こえるオルガンの音がまたいい(って個人的趣味の問題だが)。

  メロディ自体はポップなのだけど、実は楽器隊が滅茶苦茶ヘヴィだったりする、このアンバランスさがまた何とも言えない。でもこの曲を決定的にポップにしてしまってるのは、他でもない『RYUICHIの歌』だったりするんだよなぁ。以前SUGIZOが「どんなにヘヴィな曲でも、RYUが唄えばポップになる」なんて事を言ってたけど、それは全くその通りだと思う。つうか、やっぱ上手いし、表現力が更に増したよな、RYUは!?


M-3. My Lover (原曲:SUGIZO)

  SUGIZO原曲の、従来からのLUNA SEA的疾走ナンバー。とはいうものの、味付けの仕方でこれまでとは違った印象を受ける。実はこの曲がこのマキシの中では1番好きだったりする。(笑)何だかんだ言いながら保守的なファン、俺。(笑)

  思えば俺が前作「SHINE」にそれ程のめり込めなかったのって、こういった疾走ナンバーが少なかったからかもしれない。所謂『ヴィジュアル系的な曲』をイメージさせるタイプの曲調だからこそ、前作にはこの手の曲は収録されなかったのかもしれない。それが新機軸を打ち立てようとしてるこの時期に敢えて再びこういう曲を持ってくるのは、非常に興味深い。勿論、ただの『ビジュアル系的な曲』では終わっていない。そこはやはり百戦錬磨のバンド。その辺のB級バンドとは比にならない程の演奏力・アレンジ力・表現力でこの曲を盛り上げている。

  それにしても、こうも違う印象の曲を1枚のシングルに収めてしまう彼等の充実振りには舌を巻くばかりだ。これを最初聴いた時の、アルバムへの期待感の高まりを判ってくれるだろうか?

(『TONIGHT』全曲解説に続く)



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投稿: 2000 08 20 12:00 午前 [2000年の作品, LUNA SEA] | 固定リンク