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2000年9月24日 (日)

エレファントカシマシ『sweet memory~エレカシ青春セレクション~』(2000)

   悲しみの果てに
   何があるかなんて‥‥
   悲しみの果ては
   素晴らしい日々を
   送っていこうぜ

      ("悲しみの果て")


この歴史的名曲から始まった第2期エレカシ。それ以降に発表されたアルバム「ココロに花を」「明日に向かって走れ」「愛と夢」「GOOD MORNING」の4枚の中から、宮本が『青春』という言葉をキーワードにして選出したのが、このセレクション・アルバム(ベストアルバムに非ず)「SWEET MEMORY ~エレカシ青春セレクション~」である。

エレカシは昨年のシングル"ガストロンジャー"によって、また新しいスタートを切ったといっても過言ではない。そういう意味ではこの曲以降を第3期と言う事も出来る。しかしその第3期の楽曲も2曲選ばれている。何故この時期に宮本はこのアルバムをリリースしようと考えたのだろうか?

噂でだが「GOOD MORNING」が思っていた程売れなかった為の補填だという話を聞いた。あながちない話とも言えない。ただ、本当ならベスト盤なんだろうけど、そこで宮本が踏ん張ったのかもしれない。「だったら"ガストロンジャー"とは別の側面を表現した内容にしたい」、と。

シングル"SO MANY PEOPLE"のカップリングには"SWEET MEMORY"というアルバム未収録曲が入っている。これがまた、「ココロに~」「明日に~」辺りの彼等を彷彿とさせるいい曲だった。しかもバンド録音である。何故これがアルバムに入らなかったかというと、やはり色が合わなかったからだろう。そして宮本は再びこの曲にスポットを当て、このセレクションアルバムのタイトルトラックにも選んだ。『青春』というキーワードと共に。

とにかくね、聴いて欲しいんですよ。初期(エピック時代)の楽曲を集めた「BEST」は出ているものの、最近の楽曲をまとめたアルバムは出ていなかっただけに、"ガストロンジャー"でファンになり「GOOD MORNING」に肩すかしを食らったという人には特に聴いて欲しい作品なんですわ。勿論ここに入っていない曲にも名曲は沢山ある。けど、エレカシのテーマ『生活』『青春』といったキーワードに沿って選ばれた、という意味ではこのアルバムはオリジナル作品と考えてもいいとさえ俺は思ってる。『生活』というテーマに沿って作られたのが「GOOD MORNING」なら、もうひとつのテーマである『青春』に沿ったのがこの作品なのだから。

アルバム未収録曲が数曲入っているのも、このアルバムの「売り」のひとつ。このアルバムのテーマ曲とも言える"さらば青春"や、アルバムとはバージョン違いの名曲"月夜の散歩"、そうそう、"悲しみの果て"もアルバムとはミックスが違うシングルバージョンだ。更にこのアルバムの初回盤にはボーナスディスクが付いていて、そこには'94年1月にレコーディングされていたエピック時代の未発表曲が2曲("石橋たたいて八十年"と"始まりはいつも")入っている。アルバムでいえば「東京の空」の時期だ。これがまたオイシイ曲だ。ファンなら絶対に気に入るであろう佳曲だ。意外と最近の路線に近いかもしれない。

まぁ細かいデータはアルバム内に入ってるブックレットに記載されているので、後は買ってのお楽しみ。そうそう、アルバムには元ロッキンオン・ジャパン編集長(現rockin'on編集長)の山崎洋一郎氏の解説も入っていて、これがまた泣かせる。ある意味エレカシと2人3脚だった再契約に到る辺りの話などもあって、当時を知る人間にとってはこの文章からも『青春』臭さを感じてしまう。

近々、"風に吹かれて"が再びCMソングに起用されるそうだ。そして恒例の冬のツアーも始まる。そろそろ新曲に取りかかる時期かもしれない。1年に2枚、こういう形で自らのテーマを具体化した作品をリリースした今、今後のエレカシ、今後の宮本に更に期待するばかりである。



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(amazon:国内盤CD

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