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2000/10/12

KING CRIMSON The ConstruKction Of Light TOUR 2000@渋谷公会堂(2000年10月7日)

それにしても、今年はよくライヴに行く年だな? 既に何本行ってるんだろう?‥‥チケット取っていながら諸事情で行けなくなったライヴだけでも4本なんだからなぁ。(苦笑)既に2000年も残り3ヶ月を切ったけど、それでもチケット持ってて行く予定が年内だけでもあと4本あるもんなぁ。(笑)

てなわけで、5年振りのKING CRIMSON(以下、KCと略)に4年振りの渋谷公会堂。全てが○年振り尽くし。

で、そのKC。前回はダブル・トリオ編成の6人組だったのに、今回は4人編成。しかも、残ると思ってたトニー・レヴィン(Bass & Stick)とビル・ブラフォード(Drum)の姿はそこにはなく、前回から参加のトレイ・ガン(Stick/最近のロバート・フリップ(Guitar)翁の側近)とパット・マステロット(Drum/元MR.MISTER)が残ったわけだ。まぁ4人編成は今回が初めてではなく、'80年代再結成時も4人だったから違和感はないんだけど‥‥やっぱり映像とかでロバート、エイドリアン・ブリュー(Guitar & Vocal)、トニー、ビルの4人っていう固定イメージが焼き付いてたから、いざステージに立った新しい4人の姿を初めて観た時は、ちょっと変な感じがした。

そして更に変な違和感を伴ったのは、ライヴがスタートいきなり冒頭から往年の名曲"Red"や"Flame By Flame"を連発した事だろう。事前にインタビュー等でロバート翁は「昔の曲はやらない。新作中心のライヴになる」って言ってたし、直前まで行われてた欧米でのツアーでも実際にその言葉通りの内容だったらしいのに。そういやぁ、前回もそんな事、言ってなかったっけ?(笑)結局、前回のラインナップでのツアー終盤では"21世紀の精神異常者"まで登場した、って噂もあった程だし。

勿論、こういった往年の名曲を再び今聴けるのはありがたいし、俺はもっとやるべきだと思う。結局、その当時のラインナップと今のメンバーは全く違うわけで、時代性やバンドのコンセプトも変わっているので、絶対に同じものになるはずがない。新しいアレンジや試みで演奏されるはずだから。実際に前ラインナップでのミニアルバム「VROOOM」収録の"Cage"は今回、原曲の狂気性とはまた違った、幾分コミカルさも含んだアコースティックアレンジを施されていたし、先の"Red"も所々拘ったアレンジで修正されていた。

昔の曲(特に'80年代以降)を演奏する時、逆に残念だと思ったのは、トニー・レヴィンの不在だろうか? 彼参加後のKCではトニーのコーラスを生かした楽曲が幾つかあった。今回でいえば"Flame By Flame"の合いの手的コーラスがなかった事。そこに違和感があった。更に新作でもハーモニーを生かした曲"Into The Frying Pan"等では、エイドリアンのボーカルにハーモナイザー等のエフェクターを掛けて原曲に近づける努力をしていた。けど、やっぱりトニーは歌もそこそこ上手い人なので、今回も参加して欲しかった。

トニーといえばもうひとつ。今回のトレイ・ガンはスティック(ベースに似た楽器で、10本の弦が張られている。ネックは通常のギター類の倍以上の幅があり、ハンマリングやタッピングで音を出す)しか使わず、普通の4弦ベースは1度も使用しなかった。トニーの場合は曲によって臨機応変に使い分けていたのだが‥‥まぁトレイ自身がスティック奏者だという事も関係しているのだろう。それに新作にはスティックの音しか入っていないだろうし。その辺の影響は聴いた限りではなかったと思う。

今回のライヴで最も活躍したのは、間違いなくパット・マステロット(しつこいが元MR.MISTER)だろう。レコーディング面ではトレイが力を発揮し、アレンジ面や実際のライヴを引っ張っているのは、間違いなくパット・マステロット(クドいが元MR.MISTER)だ。

その上で、いつもながらの緻密なプレイをかますロバート翁。相変わらずステージ向かって右側で客席の方を見ないで、ステージ中央に向かって椅子に座ってプレイしていた。これはいつも通り。(笑)メロトロンもシンセもない、あるのはギターのみ。まぁこの人の場合はギターがシンセみたいなもんだけど。フリップトロニクスって言ったっけ、あれ? 今回もいろんな音を出してましたよ。どうしても新しい音色が登場すると、ロバート翁の手元に目が行ってしまう。楽器弾きの悲しい性とでもいいましょうか?(苦笑)あ、"FraKctured"のあの難しいパートも一生懸命、ミス・ピッキングもなくこなしておりました。

今回、どうしても言っておきたいのは、エイドリアンが不調だったという事。どうやら風邪をひいたらしく、数曲唄った辺りで声が掠れてきたのが判ったし、高音は出てはいるものの、少々辛そうだった。その為だろうか、実際に予定されていたセットリストから後半4曲程度カットされている。最後に当日実際のセットリストと、本来予定されていた幻のセットリストの2つをアップしているので、ご参考に。これを見ると、今回はアンコールの一番最後にデヴィッド・ボウイの"Heroes"をやる事になっていた。実は今回の日本公演ではほぼ毎回、この曲で終わるらしい。何故に"Heroes"?とも思うが、まぁボウイの方の原曲でギター弾いてるのはフリップ翁だし、ボウイの'90年のツアーにはエイドリアンが参加していたので、そういうのもあるんだろう。それにしても、どうしてもこの曲のみ浮くような気がするんだけど‥‥コンセプトなんて、あってないようなもんなのか?(苦笑)

演奏に関しては、本当に文句なし。歌は少々辛いと感じる瞬間があったが、それ以外はいつもの彼ららしい緻密で計算し尽くされ、尚かつ即興っぽいインタープレイを堪能できる内容だったと思う。マニアの方々は酷評しているらしいが、そんなに目くじら立てるようなものだっただろうか? 俺には判らない。「どこ聴いてるんだよ?」って突っ込み入れられたら、どこがどういけなかったのか、逆に教えて欲しい。KCは常に完璧じゃなきゃいけないのだろうか、常にレコードと同じじゃなきゃいけないのだろうか? 何か判んねぇけど‥‥下らない蘊蓄たれる前に、楽しもうって気持ちがなきゃ、何観ても/聴いても楽しめないと思うよ? それにライヴは生ものなんだし‥‥だから面白いんじゃないの? まぁきっと、そういう方々と俺とは思考回路が違うんでしょう。一生交わる事もないと思うので、この辺で止めとくか。(笑)

そうそう、忘れてた。今回のライヴで演奏中、結局1度も席を立たなかった。一番最後にスタンディングオベーションはあったけど、あのテクニカルで緻密な演奏をクラシックコンサートのように座って聴くというのも、またいいもんですな? けど、疲れ溜まってて、途中でウトウトしてしまった事も正直に告白して(笑)、今回のライヴレポートを終えたいと思う。


KING CRIMSON@ Shibuya Kohkaidoh. 10/07/2000
01. Red
02. Frame By Frame
03. The ConstruKction Of Light
04. Into The Frying Pan
05. FraKctured
06. improvisation "Seizure" (ProjeKct X)
07. One Time
08. Lark's Tongues in Aspic part IV
09. Coda: I Have a Dream
10. Cage
11. Elephant Talk
12. VROOOM
 [ENCORE-1]
13. Deception of the Thrush (ProjeKct 3)
 [ENCORE-2]
14. The World Is My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum



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投稿: 2000 10 12 04:05 午前 [2000年のライブ, King Crimson] | 固定リンク