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2000/12/25

LUNA SEA『LUNA SEA』(1991)

  1991年春にYOSHIKI(当時X)が運営するインディーレーベル『EXTASY RECORDS』から発表された、記念すべきファーストアルバム。既にこの時点でセルフプロデュースによって手掛けられているこのアルバム、当時のインディー系と比べてみても非常にクオリティーが高い事に驚く。とはいっても、やはりそこはインディーズ。レコーディングの技術面からすれば当時のメジャー配給のアーティストのそれとは比較にならないのもまた事実。実際に、同時期に発表されたXの「JEALOUSY」とその音質・音圧を比べてみればよく判るはずだ。

  しかし、音質と楽曲のクオリティーが比例するとは限らない。ここに収められている10曲は、その後の後続バンド‥‥後にヴィジュアル系と呼ばれるようになるジャンル‥‥のひとつの雛形になる程、影響を与えた。クリーントーンやコーラス、ディレイをかけたギターが2本(一方がコードストローク、もう一方がアルペジオ)というアレンジも、当時の他の同系統バンドとは一線を画していた。例えば先輩格のXと比べてみても、如何にLUNA SEAがディストーションに頼っていないかが一聴瞭然だ。単なるヘヴィメタルをルーツにしたバンドではなく、ゴス・パンク等の影響が強い面も独特だったように思う(今となっては別段どうってことないのだが)。当時も派手な化粧を施した‥‥今でいうヴィジュアル系的‥‥バンドは沢山いた。が、それらの殆どがヘヴィメタル的だったり、勘違い日本的イメージだったりしたのに対し、彼らはTHE CURE, SOUTHERN DEATH CULT(後のTHE CULT), THE MISSION, JAPANといったイギリスのバンドの影響が色濃いのが特徴だった。また、特にこの作品では同じ日本の先輩であるGASTANKからの直接的な影響も伺える。具体的な例として、"Shade"や"The Slain", "Chess"といった辺りは、初期~中期の(メタル色が弱く、よりパンキッシュだった頃の)GASTANK的だ(楽曲のタイプだけでなく、RYUICHIの歌唱法もそっくりなのが微笑ましい)。

  音楽的にも斬新だったのは、Xと違ってボーカルの声がとても親しみやすい声質をしていた点。今のRYUICHIの歌唱力と比べればこのアルバムのそれは幼稚なものかもしれないが、それを補う勢い(攻撃性/暴力性/シアトリカル性)がここには詰まっている。例えば次作で再レコーディングされている"Moon"を聴き比べれば、インディーズ時代の彼らの勢いのようなものを肌で感じ取れるはずだ。または先日発表されたベスト盤で再録音された"Precious..."でもいいだろう。とにかく結成2年程度のバンドが持っていた『原石の輝き』がここに封印されている。

  今でもライヴではこのアルバムから何曲か取り上げられる事からも、彼らが未だにこの作品に拘り、そして誇りを持っているのがよく判る。もしあなたがゴス系や耽美系に興味があり、'80年代のインディーバンドにも精通しているならば、悪い事は言わない。迷わずこのアルバムを聴くべきだ。Xの「VANISHING VISION」と並ぶ、インディー盤の名盤のひとつとして歴史に残る名作。



▼LUNA SEA『LUNA SEA』
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投稿: 2000 12 25 12:00 午前 [1991年の作品, LUNA SEA] | 固定リンク