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2000/12/26

LUNA SEA『MOTHER』(1994)

  前作から1年半後にリリースされた、通算4作目にして初のチャート誌ナンバー1アルバムであり、初のプラチナム(100万枚以上の売り上げを記録した)アルバム。つまりこのアルバムによってLUNA SEAというバンドは名実共に真のメジャーの仲間入りをしたわけだ。

  まず'94年7月に3枚目のシングルとなる"Rosier"を発表するのだが、これがいきなりチャートのトップ10入りし、ロングランヒットとなる。これまでの2枚のシングルとも違う、パンキッシュ且つポップなナンバーは一般的にも受け入れられ、この曲を引っ提げて彼らはテレビの歌番組にも進出する。更に同年9月のシングル"True Blue"では、初登場第1位を記録という大業を成し遂げる。そして満を持して発表されたアルバムは予想以上の大ヒットを果たした。この大ヒットによって『X JAPANの弟バンド』的ポジションから、そのX JAPANをも脅かす存在にまで成長し、他の同系統バンドより一歩抜きん出る事になる。

  前作がセカンド「IMAGE」の延長上だったのに対し、ここでは更に飛躍した成長振りを見せている。1曲目"Loveless"からしてレベルが違う。マニアックな音作りをしていながら、ポップなメロディー、そして多くの人間にアピールする普遍的内容の歌詞。それに続く大ヒット曲"Rosier"。そしてメタリックな重量級ミドルナンバー"Face To Face"。如何にも彼ららしいファストナンバー"Civilize"と流れは完璧。そして5曲目に問題作ともいえる、8分以上もある大作"Genesis Of Mind~夢の彼方へ~"。今作から毎回、アルバムのへそとなる箇所には必ずプログレッシヴな大作が収められるようになり、その楽曲こそがそのアルバムのツアーにおける山場となった。この曲、イントロのアルペジオが印象的で、独特の空気感を作り出している。そしてここでのRYUICHIの歌にはハッとさせられる事多し。特に後半の盛り上がり箇所での感情移入度に何度ドキドキした事か‥‥この歌詞は彼の大切な友人との死別をテーマとしているらしい。この曲を涙ながらに唄う姿も何度か目撃されているそうだ。

  後半は、やはり新境地ともいえるポップな"Aurora"からスタートし、パンキッシュな"In Future"、低~中音域で唄われるメロウな"Fake"、ナンバー1ヒット"True Blue"と流れ、最後のアルバムタイトルナンバーであり、後にシングルカットもされた"Mother"へと続く。このタイトルトラックが素晴らしい。終末感を匂わせながらも、ただ求めるのは『愛』だと叫ぶ。人間が母親に求める根元的なもの、それが愛だろう。「MOTHER」は何も『母親』だけを意味する言葉ではない。もっと大きく捉えれば、それは地球であり、宇宙である。我々を作り出したもの、それを人は「MOTHER」と呼ぶのだろう。"Loveless"という曲からスタートし、『愛が欲しい/愛して欲しい』と唄う"Mother"で終わるこのアルバムは、一種のコンセプトアルバムとも言える。完璧なアルバムとはこういうものを指すのだ。

  名実共に成功を収めた彼らの最初の目標は、'89年5月の結成から約5年半にして達成された。そして彼らは新しい問題に衝突する。それは『更に多くの人間に自分達の歌を届けるには?』、そして『如何にして「MOTHER」というアルバムを越えるか?』という、産みの苦しみを味わう事になるのであった。



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投稿: 2000 12 26 12:00 午前 [1994年の作品, LUNA SEA] | 固定リンク