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2000/12/27

LUNA SEA『PERIOD』(2000)

  本当に最後だ。LUNA SEAにとって最も思い出深い日、12月23日にこのアルバムはリリースされた。それはあたかもファンへのクリスマスプレゼントのように‥‥

  12月23日。'95年、初めての東京ドーム公演。'96年、真冬の野外@横浜スタジアム。一昨年もドーム公演だったし、去年は同じ東京ドームでGLAYと競演を果たした。そんな記念すべき日に、彼らは最後の音源をリリースした。ファンクラブやオフィシャルサイトで集った「あなたの選ぶLUNA SEAの10曲」というようなアンケート企画で選ばれた楽曲を収めたベスト盤という事になってるが‥‥サブタイトルは「THE BEST SELECTION」となってるものの、実は単なるシングルコレクション・パート2じゃねぇか!という声も聞こえてきそうな選曲だ。全15曲中シングル曲が11曲。残りの4曲もシングルカットこそされていないものの、ライヴでの定番曲ばかり。本当にこれがファンの選んだ15曲なのだろうか? だとしたら、あまりにも‥‥どうしても作り手(この場合選曲者)の作為を感じてしまうのは、俺だけだろうか?

  最後の最後にベストで前作「LUNACY」の負債(セールスは30万枚にも満たなかったそうだ)を回収しようとでもいうのだろうか? そんな穿った見方さえしてしまう自分が許せなかったりもするのだが‥‥何故"Jesus"が、何故"Time Is Dead"が、何故"Forever & Ever"や"Feel"や"Up To You"が選ばれなかったのだろう。ファンが選ぶ10曲となると、やっぱりシングル曲以外になってしまうのだろうか。

  確かにここには復活後の大ヒット曲が6曲入っている。それに初期(1st~3rd)の楽曲は再レコーディングされている。完全に「今のLUNA SEA」の音になってしまっているこれらの4曲を含めて10曲。残りが「MOTHER」「STYLE」の楽曲だから、これでバランスが取れているという見方も出来る。

  大ヒット曲についてはそれぞれの収録されたアルバムやシングルのレビューで語っているので、今回は割愛して‥‥ここでは、本当の最後の録音となってしまった再録音の4曲("Precious..."、"Dejavu"、"Wish"、"Believe")について語ってみよう。当時の録音('91~'93年)のままでは今の楽曲との釣り合いが合わない。特にファーストはインディーズでの作品だ。リマスターではまかないきれないのだろう。その結果が再レコーディングなのかもしれない。

  あるいは、終幕を選んだ彼らの「今」を形として残すため、12年後の自分達を最後に披露する具体的な方法として再録音を選んだとも考えられる。実際、これらの曲‥‥全部がかなりアップテンポの曲なのだが、当時のものと比べるとどうしてもテンポがもったりとしていて、落ち着いた印象を受ける。ドラムもスネアの音が軽すぎる。オリジナルラスト作「LUNACY」の音ではなく、その前の「SHINE」の音に近いような気がする。唄い方もアクの強さが抜け、やはり「SHINE」のそれに近い。アレンジはオリジナルバージョンに忠実というよりも、10年12年の長きに渡って演奏され続けてきた成長をそのまま形にしたような‥‥つまり、ライヴでのアレンジなのだ。"Dejavu"のエンディングがそうだし、"Wish"のイントロと、ギターソロの後のアレンジ‥‥ライヴを観たことがある人ならドキリとするはずだ。

  最近の彼らしか知らないという人には、これらの初期の楽曲は新鮮に映るかもしれない。逆に「こっちの方がいいじゃん!」となるかもしれない。また古くからのファンにとっては「こういう解釈もあるのか」とか「人間としての温かみを感じる」とか「やっぱり昔の方がよかった」という比較材料になるはずだ。いろんな意味で、これら4曲は本当に興味深い。

  さて‥‥この"Love Song"から始まり"Wish"で終わるという選曲‥‥クライマックスから始まってクライマックスで終わるという構成。泣かせる、マジで。実際のライヴではこの逆パターンでライヴが始まり終わったそうだ。そうか、意識的にやってるのか‥‥

  特に目新しい新曲があるわけでもなく、ライヴバージョンを再現したスタジオライヴ的な再録音はあるにしても、はやり企画盤の色は隠せない。こうやって改めて考えてみると、俺の中でのLUNA SEAというバンドは「LUNACY」というアルバムで完成されてしまったし、「LOVE SONG」というシングルで終わったしまったのだな、と感じずにはいられない。そう、このアルバムはボーナスみたいなものだ、俺にとっては。まさしく「終幕」を見届ける事の出来なかった俺に対する、5人のサンタからのクリスマスプレゼントなのだ、と。



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投稿: 2000 12 27 12:00 午後 [2000年の作品, LUNA SEA] | 固定リンク