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2000/12/27

LUNA SEA『SHINE』(1998)

  1997年秋の活動再開からそのままリハーサルに入り、曲作り~レコーディングに約半年を費やしたLUNA SEA。その結果完成したのがこの通算6枚目のアルバム。前作「STYLE」から2年3ヶ月後の事だった。ソロ活動を通過した彼らがどういう音を出すのか?興味はそこに集中したように思う。それに対する第1の答えとして4月に第1弾シングル"Storm"をリリース。当然チャート1位、セールスも過去最高を記録した。続く6月には第2弾"Shine"、更に7月には第3弾"I For You"と立て続けにリリース。全て好セールス記録した。

  SUGIZOはこのアルバムのレコーディングに対して「俺達は『河村隆一』という、新しい武器を手に入れた。どんなにアバンギャルドでうるさい曲を用意しようが、それを奴という日本一ポップなシンガーが唄う事によって、俺達は新境地に達する」というような発言をしていたと思う。内容はその言葉通り、これまでのLUNA SEAには見られなかった面が多々伺える。だが、基本的には『河村隆一を生かす普遍的メロディーのポップな楽曲』と『これまで以上に斬新でプログレッシヴな楽曲』のように、2つに大別できると思う。例えば"Shine"や"I For You"といった楽曲は前者の代表だし、「アルバムのへそ」である"Another"や"No Pain"は後者の代表例だろう。特にシングル曲はRYUICHIが作曲していないのに(それぞれJ、SUGIZOの曲)、河村隆一としてリリースしても特に違和感がないポップな楽曲だった事。古くからのファンはそこに衝撃を受ける。これを「成長/進化」ととるか「日和った」と解釈するかで、このアルバムに対する評価は大きく分かれると思う。このように、ミリオンセールスに達したものの、これまでで最も賛否両論分かれたのがこの作品だ。

  で、俺はこのアルバムが一番好きではない。好きな楽曲は多いのだが、アルバムとしてみると中途半端な印象を受けるのだ。例えばドラムの音が軽い事。確かにここにはポップな楽曲が多い。そこに「MOTHER」や「STYLE」で聴かれたサウンドプロダクションは似合わないのかもしれない。しかし、先の"No Pain"や、これまでのようなファストナンバー‥‥"Unlikelihood"や"Millennium"、"Love Me"がすごく軽く聞こえてしまうのだ。せめて各楽曲毎にドラムのチューニングを変える等の配慮が欲しかった。

  更に、そのファストナンバーがうまく機能していない。前作のそれとは別物になってしまっているのだ。パンク色が後退したことも大きいが、それ以上にこう‥‥もったりとした印象を受けるのだ。実際にライヴで聴けば疾走感溢れる佳曲なのだろうが、アルバムで聴く分にはどうも‥‥となってしまう。新しい面にばかり気を取られて、従来の色を忘れてしまったのだろうか?と当時は勘ぐったものだ。

  しかし、決して悪い作品ではない。シングルナンバーはどれも素晴らしいし、1曲目"Time Has Come"でのメッセージや、後半に多く固まるバラードタイプの楽曲‥‥"Broken"や"Breathe"も味わい深いものがあるし、ドラムフレーズがどことなくU2の"Sunday Bloody Sunday"を彷彿させる"Velvet"等、聴き所が多いのも確か。そしてラストを飾る"Up To You"‥‥互いのソロ活動があったからこそ生まれた名曲ではないだろうか?

  何故彼らが活動再開第1弾アルバムに「Shine」というタイトルをつけたのだろうか。前作「STYLE」は『闇』だった。が、その闇から眩いばかりの光を放っていたのも確か。彼らはバンドとしての2年の不在を埋める為に「今以上すべてが/輝けばいいね」と唄った彼ら。LUNA SEAが求めたのは、もっと眩い光だったのだ。更に強い刺激を求め、彼らは初のドーム2日公演やアジアツアーを実現させる。そして‥‥。



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投稿: 2000 12 27 12:00 午前 [1998年の作品, LUNA SEA] | 固定リンク