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2001/03/25

KISS THE FAREWELL TOUR JAPAN 2001@東京ドーム(2001年3月13日)

「フェアウェル・ツアー」と銘打ちながら、2年近くも続く営業ってのも珍しい‥‥こいつら、本気で引退もしくは解散する気があるんだろうか?(笑)見る前からこんな邪心でいっぱいだった、4年振りに同じ会場で観るKISS。通算4回目って事になるのかな? この「4回」っていう数字が本当に生涯記録になるのかどうか、現時点では判らない。だけど本当に「現ラインアップでの」終焉は近付いている。

本来昨年11月に予定されていたジャパンツアー。しかしチケット発売直前になって原因不明の延期。ピーター・クリスやエース・フレーリーとのギャラの折り合いがつかなかったとか、彼らがこれ以上のツアーをごねたとか、噂はさまざま。しかもそれぞれの噂全部に信憑性があったりするのが、またKISSらしい。だって実際にこの2月には最後の来日を待たずしてドラムのピーターが正式に脱退してるし。そう、オリジナルメンバーでのKISSは既に終わってしまっている。残されたスケジュール(日本とオーストラリア、その後アメリカ国内で数回あるとも噂されている)をこなす為に元メンバーに召集令状が届く。1月末には「KISS FESTA IN JAPAN」の為に来日していたエリック・シンガーが電撃復帰。しかもピーターの代役という事で、メイクや衣装まで用意されるとの事。一体KISSはどうなってしまうんだ!? オリジナルの4人でない事もあり、また直前にAC/DCを観てしまったが為に、彼らに対する期待は皆無に等しかった。だって今年に入ってからライヴ当日まで、1回もCD聴かなかったもんな、KISS。

8ヶ月振りの東京ドーム。やっぱりデカイ‥‥幸運な事に今回の席はアリーナA17ブロックの102番。ステージに向かってかなり右寄りで、目の前にあるのはステージではなく巨大なKISS人形だった‥‥(笑)しかし、最前ブロックの、しかも前から10列目前後なんていうのは生まれて初めてだ。そう、メンバーさえこっちまで来てくれればポール・スタンレーの胸毛だって拝む事ができる距離なのだ!

KISSのライヴでは既に恒例行事ともいれる客のコスプレも凄かった。俺の周辺だけでもエースが4人はいたから(笑)。斜め前にいる親子(父、母、娘、息子)は、親は平然な顔をしてまだ10歳にも満たないであろう子供2人にそれぞれポールとジーンのメイクをさせている。まさかこのまま電車に乗って来たんじゃ‥‥近所で評判なんだろうな(笑)。

なんてどうでもいいことを考えながら、BGMのAC/DC「HIGHWAY TO HELL」に身を委ねる。確か昨年7月のBON JOVIの時もこれだったよな‥‥ドームでのお約束なのか、それともPAスタッフが前回と一緒なのか‥‥まぁいいや。2/19の興奮再びって感じで(おいおい、KISSはどうすんだよ!?)。そうこうしてる内に開演時間の19時に。音が一気にデカくなる。しかもドーム特有の「かろうじで歌聴いて曲名が判る」程の劣悪な爆音。つうか、こんな爆音ライヴ、随分久し振りだな? AC/DCもデカかったけど、ちゃんと聴き取れるデカさだったのに、この日は特別。音圧凄かった。BGMがTHE WHOやらMONTROSEに変わり、暫くして会場暗転。地響きのような歓声。さすが5万人!(笑)そしてお約束のMCが‥‥

"You want the best, and you've got the best!
Please welcome, the hardest band in the world.....KISS!!!"

雷みたいなSEを切り裂くように、聴き覚えのあるギターフレーズが‥‥"Detroit Rock City"! お約束のようなスタートだ。しかも前回同様、天井のゴンドラからメンバー登場。ポールが、ジーンが、エースがゴンドラから降りてきて、お約束ともいえるアクションの連続。俺の位置からはドラムはスクリーンでしか確認できなかったが、エリック・シンガーは自前の金髪を黒髪に染め、例のネコメイク、衣装もピーターのそれとほぼ同じようだった。見た目だけならまだしも、なんとドラムを叩く仕草やちょっとした動き(首をビートに合わせてカクカク振る動き)もピーターをコピーしていた(笑)。いやはや、ここまでやれば皆満足だろう。下手なトリビュートバンドのそれよりも、よっぼどマシっつうか‥‥プロですね、やっぱり。正直な話、俺はエリック・シンガーのプレイって好みとは程遠いのだけど‥‥今回のピーター代役を観て、何故彼が多くの大物ミュージシャンから声をかけられるか(ブライアン・メイやゲイリー・ムーアー等)が痛いほど理解出来た。メチャ上手ですわ、この人。

さて、曲がスタートしたのだけど‥‥あのね、マジで特筆すべき事、なし。だってさ、みんなの思い描くKISSを完璧に演じてくれ、みんなが観たかったアトラクションを全部やってのけたんだもの。例を挙げれば、2曲目"Deuce"エンディングでのフロント3人の決めアクション。"Firehouse"でのジーンの火吹き(これまでで一番高い炎だったんじゃないの?)、"Shock Me"後のエースのギターソロにおける、煙を噴き最後には空の彼方へ飛んでいってしまうレスポール、"God Of Thunder"でのジーンの血糊&天井プレイ、"Black Diamond"ラストでのドラムセットのせり上がり、そして最後の"Rock And Roll All Nite"での花火&火薬大爆発、等々。とにかく、これまでも彼らは武道館なり東京ドームなりで、消防法に引っかからないギリギリの線でアメリカに近い形でのショウを見せてくれたが、今回はかなり頑張ってくれたんじゃないか? 途中、"Do You Love Me"の最中にスクリーンにこれまでのライヴの模様を収めたフィルムが流され、そこで昨今の欧米でのライヴ模様が流れたが‥‥やっぱり向こうは野外だもんな、打ち上げ花火バンバンだしさ‥‥いや、これ以上を望むのは酷か!? とにかく、ここ日本での規制を考えた場合、ある意味ではその規制をブチ破っていたであろう今回のライヴ。もう最初から最後まで笑いっぱなしだった。ホント、童心に戻っちまったっていうの?

で、今回は更に新しいアトラクションが追加されていて、それは"Love Gun"演奏直前に起こった。ポールがステージの高い位置から輪っかのようなものに足を掛け、ロープで吊られたその輪っかに乗ってアリーナ中央近くにある小さいサブステージまで飛んでいくという、まさに「ピーターパンかよっ!」((C)さま~ず・三村)と突っ込んでくれと言わんばかりの‥‥ってさ、これ。既に15年前にかのBON JOVIがやっちゃってるんですけどね?(苦笑)まぁいいか、面白いから。

さて、こうやってアトラクション尽くめのドーム公演だったが、気になった点がなかった訳ではない。まず、曲間のインターバルが必要以上に長かった事。しかもポール、アメリカ同様に英語でのMCで喋りまくり、煽りまくり。間髪入れずに2曲、3曲ってわけにはいかないのね、歳だし、段取りがあるし。

で、その年齢を感じさせるってのに関係して。ポールの声が途中からかなり辛かった。特に9曲目"Heaven's On Fire"。曲に入る前に、例の「ウォウ~ウォウ~ウォオ~~♪」っていう、あの雄叫びを調子に乗って3回も4回もやるもんだから、本編の歌ではサビ、全く声が出てなくて主旋律が聞こえず、ハモリのコーラスパートだけが空しく響いていた。その後間がちょっと開いたし、ギターソロもあったので休めたのか、少し回復。でもやっぱり最後の方は厳しいかな?って思う瞬間が何度かあった。それでもプロとしての意地なのか、アンコール前の"I Still Love You"エレキ弾き語りには鬼気迫るものを感じたし、"I Was Made For Lovin' You"では本来裏声のパートを地声のハイトーンで唄いのけるし。いやはや、恐れ入りました。

結局終わってみれば、2時間半にも及ぶ、まさに究極のショウを我々は目の当たりにしたのだった。って前回('97年1月)も同じような曲数だったにも関わらず、あの時は1時間半で終わったんだよな‥‥ピーターがドラムだったからか?(走るしね、あの人のリズム/笑)いや、違う。やっぱりMCが必要以上に長かったんだよ。そう考えてみると、前回よりもポールやジーンの行動範囲が明らかに狭まっていたし(ラスト近くはアリーナの端から端まで移動してたけど)‥‥でもね、そんな中、ひとりだけ前回よりも生き生きしていた奴がいた。その名は、エース・フレーリー! 君は確か、前回の来日では高熱にうなされて、ただでさえヘロヘロなプレイに更に輪がかかってたっけね?(苦笑)そんな彼氏、今回は切れが良かった! 何かさ、異様にやる気みたいなものを感じたんだよね‥‥まさか「俺までクビになってたまるか!?」的な勢いなわけ、あれは!? 何にせよ、往年の輝きには程遠いものの、それでもファンが納得するエースが観れたって意味では、俺は大満足して岐路に着いたよ。

こうやって終わったKISSの、正真正銘ラストライヴ・イン・ジャパン。湿っぽさはこれっぽっちもなし。水道橋駅までの帰り道、みんな笑顔なんだもの。やっぱりみんな知ってるんだ。「とか何とかいいながら、来年はメイクなしKISSでラストツアーするんでしょ?」って事を‥‥(笑)まぁそれは冗談として、ここまで悲壮感ゼロなラストツアー、RAMONES以来だね。究極のエンターテイメントバンドの最後にふさわしいショウだったと、今思い返しても納得のいく素晴らしい最後だった。


KISS @ TOKYO DOME. 3/13/2001
01. Detroit Rock City
02. Deuce
03. Shout It Out Loud
04. Talk To Me
05. I Love It Loud
06. Firehouse
07. Do You Love Me
08. Calling Dr.Love
09. Heaven's On Fire
10. Let Me Go Rock And Roll
11. Shock Me ~ Ace's Guitar Solo
12. Psycho Circus
13. Lick It Up
14. Gene's Bass Solo ~ God Of Thunder ~ Eric's Drum Solo
15.Cold Gin
16. 100,000 Years
17. Love Gun
18. I Still Love You
19. Black Diamond
 [Encore-1]
20. I Was Made For Lovin' You
 [Encore-2]
21. Rock And Roll All Nite



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投稿: 2001 03 25 04:35 午前 [2001年のライブ, KISS] | 固定リンク