Cocco『強く儚い者たち』(1997)
Coccoをメジャーシーンへと押し上げた、記念すべきヒット曲。当時、某航空会社のCMソングに起用されていたので、記憶に残っている人も多いだろう。こうやって考えると、彼女のような特異なアーティストがデビュー後1年も経たぬ内に、ヒットチャートのトップ10内にランクするという事は、少々意外な気がする。メロディーだけ耳にすれば、とても馴染みやすいポップなメロディーにレゲエサウンドという爽やかなイメージと対照的な、「あなたのお姫様は/誰かと腰を振ってるわ」という身も蓋もない歌詞。当然、テレビで唄う時やCMではカットされるわけだが‥‥。
そんな大ヒットを記録するこのシングル。収録曲は表題曲の他に、アルバム未収録の"晴れすぎた空"。ここから暫く、マキシ形式をとりながら2曲収録という形が続く。このシングルではある意味、新しい実験的要素を感じる。例えば表題曲の、レゲエテイストにグランジ的なフィードバックギターが加わったりとか、作曲に彼女以外のソングライターを起用したりとか。しかもカップリング曲では、作曲も彼女ではないが、サウンドプロデュースも根岸以外の人間が携わっている。実はこの事実、このレビューを書く為にシングルを取り出して、クレジットに目を通して初めて気づいたのだが。
こうやって考えると、デビュー曲でコアな音楽ファンに衝撃を与え、このセカンドシングルでタイアップやテレビ出演等、メディアへの露出、そしてポップで親しみやすい曲で一般的な音楽ファン層に印象づけるという戦略だったのかな、と思えてくる。

▼Cocco『強く儚い者たち』
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