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2001/05/13

Cocco『樹海の糸』(1999)

  1999年は結局、アルバムをリリースする事はなかった(その理由はアルバム「ラプンツェル」レビューに書かれているので、それを参照いただきたい)。そんな中、シングルだけは定期的に発表され続けた。このシングルは前作より半年後の'99年4月に発表された、通算5枚目。収録曲は表題曲の他に、英語詞曲となる未発表曲"Again"。メディアへの露出もなく、特に強力なプロモーションをされなかったにも関わらず、この曲はトップ10入りを果たした。既にCoccoの歌が定着した証拠だろう。

  表題曲は、"遺書。"や"強く儚い者たち"の流れを組む、大らかなノリを持ったメロディアスナンバーだが、ここではもっと穏やかな空気を持ち、前出の2曲にあったようなフィードバックノイズ等の「壊し」系ギミックは一切登場しない。あくまで彼女の歌と歌詞をメインに持ってきた曲だ。そういう意味では、これまでのバンドと一丸となって聴き手の心臓を鷲掴みするというスタイルとは、一線を画する。

  それにしても、こういう穏やかな曲の中だからこそ耳に飛び込んでくるのが、歌詞なのだ。「わたしさえ いなければ/その夢を 守れるわ/溢れ出る憎しみを 織りあげ/わたしを奏でればいい」というサビのフレーズや、一番最後に飛び込んでくる「やさしく殺めるように」という一節にドキリとさせられる。

  カップリング曲も同様に穏やかな空気を持っており、こちらはもっとアコースティック色を濃くした、どことなくカントリー的な楽曲。ドラムやベースが入っておらず、マンドリンやラップスティール等の楽器が彼女の英語詞と上手くマッチしている。2曲通して聴くと、非常に肩の力の抜けた、ある意味「癒し系」作品集となっている。



▼Cocco『樹海の糸』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2001 05 13 01:20 午前 [1999年の作品, Cocco] | 固定リンク