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2001/06/04

BRAHMAN『A MAN OF THE WORLD』(1998)

  日本が誇るバンド、BRAHMANが1998年9月にリリースした初のフル・アルバム。インディーズからのリリースながら長い間売れ続け、確かオリコンの「インディーズ・チャート」で1年以上1位だったのでは、と記憶している。このアルバムを契機に彼らは大躍進し、翌年秋にはメジャー配給のマキシシングル「Deep / Arrival Time」を発表し、これはオリコン・シングルチャートのトップ10入りを果たす。彼らのブレイクを決定づけたのが、まさしくこのアルバムなのだ。

  勿論、ブレイクにはその他にも様々な要因がある。地道に行われたライヴだったり、大きなイベントやAIR JAM、フジロック等野外フェスティバルへの出演。こういう人目に出る機会が増えた結果、人伝いに噂は広がり、'99年最も注目されるバンドとなったわけだ。

  では、彼らは何故ここまで注目され、そして人気を得たのだろうか?

  彼らの魅力のひとつに、「親しみやすい、純日本風メロディー」がある。これは俺自身、過去のライヴレポートの中にも書いているが、初期のシングルからも伺うことができたその要素が、このアルバムでいよいよ完成型に近付いているのである。まだ荒削りながらも、やろうとしていることの輪郭は既にハッキリしている。後に出た「Deep / Arrival Time」は、この延長上にある楽曲であり、サウンドプロダクションが更に良質なものになり(これはメジャー経由のため、お金をかけることができたのだろう)、より判りやすくなった。

  「純日本風~」とはいうものの、それは演歌や歌謡曲のような下世話なものではなく、もっと古くから存在する日本古来の音楽‥‥民謡的なメロディーといえるのではないだろうか? 特に沖縄からの影響を強く感じさせる"Tongfarr"がその代表といえるだろう。

  当然、その他の曲も親しみやすいメロディーを兼ね備えていて、頭からお尻までの11曲、アッという間に聴き終えてしまう。1曲1曲が短く、そして聴きやすいからアッという間に終わり、そして何度も聴き返してしまう。ただうるさいだけじゃなく、しっかり聴かせる要素を兼ね備えている。この手の音を「暴れ系」と大きく括ることもできるだろうけど、それだけじゃ終わらない、独特な「色」と「味」を持っている、それがこのバンドの特徴であり、魅力なんだと思う。じゃなきゃ、既にリリースから3年近く経ってるのに、まだ売れ続けているっていう事実をどう説明すればいい?

  カヴァー曲も同じ日本のゴダイゴの曲("Cherries Were Made For Eating")を取り上げている点に共感が持てるし、英語曲に拘らず、美しい古来の日本語を用いた曲("Answer For...", "Toki No Kane")もいいスパイスとなっている。これからもこういう曲を削ることなく、バランスの取れた作品を作り続けてもらいたいものだ。

  近くこのアルバムに続く作品がやっと発表されるが(「A FORLORN HOPE」というタイトルで、6月下旬リリース。勿論メジャー配給なので、サウンド的にも期待できるはずだ)‥‥この人達、曲作りが遅いのか、それともツアーの方が好きなのか‥‥1枚のアルバムで3年も引っ張るのは、ここ日本ではかなりリスクを強いられると思うのだが‥‥まぁ見方を変えれば、それだけこのアルバムが徐々にブレイクしていき、そして彼らを求める声がそれだけ長い間続いたということなのだろう。果たして次のアルバムはこの名盤を越えることができるのか、それとも全く違った側面を見せつけるのか、非常に興味深い。また今年も彼らから目が離せなさそうだ。



▼BRAHMAN『A MAN OF THE WORLD』
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投稿: 2001 06 04 12:00 午前 [1998年の作品, BRAHMAN] | 固定リンク