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2001/10/29

BOØWY『LAST GIGS』(2001/完全版:2008)

まさか、こんな鮮明な映像が観れる日が来るなんて、思ってもみなかった。しかも、13年半も経ってから‥‥既にブートで何世代目、何十世代目が出回っているBOØWYのラストライヴとなった東京ドーム2DAYSの映像が正式な製品として、結成20周年を記念する2001年にリリースされた。当時(88年)ライヴ終了1ヶ月後にはライヴアルバムとして12曲が発表され、それに続いて映像作品もリリースされる予定だった。が、どこでどう変わったのか知らないが、結局この映像化企画は没となってしまう。それが何故、それもここにきて急にリリースされることになったのだろうか? 確か98年2月にリマスター音源を使用したベスト盤『THIS BOØWY』がリリースされる際にも、この『LAST GIGS』映像版発表の噂はあった。しかし、メンバー(この時は氷室京介だと言われていた)がOKを出さなかった為、再び没となったようだ。確かに今年はBOØWY結成20周年、来年2002年はファーストアルバム『MORAL』が発表された年でもある。けどそれって、如何にもこじつけましたっていう空気を感じるのだけど‥‥。

そうは言っても、あの「飯島愛の裏ビデオ」以下の映像でしか観れなかった(笑)ラストライヴを、こうやってクリアな画像・音声で目に/耳にできるというのは、心底喜ばしいことだと思っている。正直な話、この話題を「めざましテレビ」で知った時、朝から発狂しそうになったもん。

で、リリースが発表になってから発売までの1ヶ月に間に、結構ガッカリすることもあって。メインになってるのは1988年4月4日と5日の2公演の内、ラストの5日の方なのだけど、この日は確か20曲以上演奏され、しかもダブルアンコールで一番最後に再び「NO. NEW YORK」が演奏されるというサービス振りだったはずなのだ。ところが、製品としてリリースされるビデオ/DVDは12曲‥‥曲目・曲順共にCD版『LAST GIGS』と全く一緒だったのだ。これにはさすがの俺も「ちょっと待て!何考えてるんだ!?(怒)」と憤りを感じ、買うのはよそうか‥‥と思うようになっていた。

けどね‥‥勝てなかったよ、あの日の、高校時代の自分に(苦笑)。

CD版との違いを幾つか挙げておく。まずCDは収録時間50分、それに対し映像版は57分。7分余計なわけだが、その分何が増えたのかというと‥‥オープニング! 最初のライヴアルバム『GIGS』(86年)を聴いたことがある人にはお馴染みの、あのイントロダクションが収録されている。イントロダクションに導かれ、メンバーがひとり、またひとりと登場するステージ後方からの映像(後ろ姿)には、正直鳥肌が立った。更に「WORKING MAN」演奏前にMCが収録されている。そう、ブートを観た人、実際のライヴに行った人ならご存じの「最後がおまえらでよかったと思うよ」っていう、あの名セリフはちゃんと収録されているのだ! これだけで、学生時代ヒムロックに魅せられた元少年少女は買いでしょう!(笑)そして最後の「Dreamin'」終了後、アンコールを求めるオーディエンスをバックにエンドロールが流れ、最後の最後にダブルアンコールも終了した後の、メンバー4人がステージ前方に肩寄せ合って集まった姿が、そして4人からの「ありがとう」の言葉とステージを去る氷室、布袋、松井、高橋の姿をちゃんと収めている。CDでは実況中継盤というよりは、ひとつの「作品」として編集されたイメージがあったが、こういう映像を付け加えることで、更に感慨深いものになった‥‥けど全曲、キレイな映像で観たかったなぁ‥‥(涙)。

このDVDを握り拳で、興奮しながら観てたら、ちと面白いことに気付いた。客のノリが現在(2001年)と違うのね、当たり前だけど。みんな右手の拳を握りしめ上に挙げ、ビートに合わせて振ってるのね。なんか懐かしかった(笑)。そうそう、あの頃はみんなこんなノリだったんだよな、これが当たり前だったんだよなって。今みたいにオーディエンスそれぞれが自由な楽しみ方をするようになるには、もうちょっと時間がかかったわけだけど、やっぱり今のアリーナバンドを思い浮かべると、あの「みんな同じ振り/手扇」が当たり前のように行われているわけで‥‥さすがにBOØWYのライヴで手扇は想像できないし(苦笑)‥‥何か新鮮だったよ。

それと、映像は2日分満遍なく使ってる感じがあって、たまに違和感を感じる場面がある。メインは5日だと思うのだけど、同じ1曲の中に「1コーラス目は4日の映像~ギターソロ以降は5日の映像~エンディングは再び4日」っていうちぐはぐさを感じちゃうのよ。判りやすいのが、布袋の衣装。4日は黒のジャケットなんだけど、メインとなる5日は黒地に白のストライプ?みたいなのが入ったジャケットを着てるのね。しかも、2日間で若干化粧のノリも違うようで(笑)かなり微妙な温度差を感じさせてる。途中でギターが変わってる曲もあったもんな、さすがにあれには閉口したけど(苦笑)。まぁ丁度いい映像がなかったからああいう風につぎはぎしたんだろうけど‥‥やっぱりどうにもならなかったのかね?

更にもうひとつ。これはむしろ凄みっていうか‥‥ドームでのライヴっていう事実を全く意識させない撮影・編集になってる気がする。だって、これ観てる約1時間の間、「あ、ここドームなんだ、デッカイなぁ‥‥」なんて思わせる瞬間、あんまりなかったもん。ステージセットが今のバンドよりも地味ってのもあるし、オーディエンスよりもメンバー中心に編集されてる点も多いに関係してるんだろうけど、やはり何よりも大きいのは、暴威というバンドが常にライヴ会場を(それが武道館だろうが東京ドームだろうが)「ライヴハウス」みたいな『密』な空間へと変えてしまうパワーを持ってたんだろうね。初武道館での「ライヴハウス武道館へようこそ!」っていうセリフからも判るように、BOØWYにとっては会場の大小は関係なかった、と。そう考えると、BOØWYってのは本当に特殊な、特別な存在だったんだな‥‥と感慨深いものがある。

やっぱりね、カッコイイのよ、ヒムロックにしろ布袋にしろ。俺はソロになってからの氷室には全く興味がないんだけど、やっぱりBOØWY時代のヒムロックには憧れに近い感情を持っていたわけで、布袋のように自由自在にギターが弾きまくれたらって何度思ったことか。特に布袋のギターワークは本当に凄いものがあるよ。スタジオテイクでは歌の裏では刻み系バッキングが殆どなんだけど、ことライヴになると全く新しいアレンジになってるから。1コーラス目と2コーラス目で全く違うフレーズ(バッキング)弾いてたり、特に上手いと思うのは、歌メロに絡みつくようなメロディーを所々でかましてて、ホントそれが気持ちいいのよ。ライヴ盤聴いた時にも既にそれは感じてたけど、改めて数年振りに映像観たら(ブートビデオ持ってたけど、ここ数年観てなかった)布袋はあの変なアクションをかましながら、右へ左へと動きながらリフ弾いたりソロ弾いたりしてるのね。ソロになってからの彼のアクションもカッコイイとは思うけど、やっぱりBOØWY時代は別物で、歌がなくてギターに専念してる分、ホントにアクションのひとつひとつがビシバシ決まってカッコイイのよ。そしてリズム隊はタイトだし。表情ひとつ変えずに、延々ダウンピッキングの松井、クールで、時に激しく、時ににこやかに唄いながらビートを刻む高橋。このレベルに達したフォロワーが一体どれだけいることやら‥‥

一時期、BOØWYを聴くことが恥ずかしいと思えた頃があった。洋楽にハマればハマる程、邦楽‥‥特に80年代のロック黎明期のバンドを聴くことに一種抵抗があった。けど、時代は一回りしたのかもしれない。やっぱりいいものはいい、カッコイイものは何年経ってもカッコイイのよ!



▼BOØWY『LAST GIGS COMPLETE』
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投稿: 2001 10 29 12:00 午前 [2001年の作品, 2008年の作品, BOØWY] | 固定リンク