2001/12/12

市井紗耶香 with 中澤裕子 -FOLK DAYS-@SHIBUYA-AX(2001年12月10日・夜公演)

  17時半に会場を追い出され、中では清掃等の整備が始まる。再び開場になるまでしばしコーヒータイム‥‥と呑気な事言ってられない程、寒い。マジで死ぬかと思った。身体が芯から冷え切って、息を吐いても白くならない‥‥死ぬのか、俺は!?(爆)

  1回目が30分遅れだったように、夜公演も入場スタートが18時半頃になってから。夜公演は「B500番台」だった為、更に30分以上外で待たされ、19時になった頃にフロアへ到着。もう前の方へは行けないだろうな‥‥と思ったら、たまたま入ったところが良かったらしく、さっきよりはちょっとだけ前で観れることとなった。今回は前回と反対側の左側‥‥市井側で観る。俺の隣には収録用のカメラがあって、覗き込むとモニターが確認できるので、市井や姐さんの顔のシワまで確認出来る、至れり尽くせり状態(笑)

  で、2回目なのだけど‥‥選曲や運びといい、MCの内容まで殆ど同じだった。だから特筆すべきこととなると‥‥1回目終盤喉が辛そうだった姐さんが回復してて、更に声が出てて、ピッチも最初からピッタリだった点。これは驚いた。娘。時代に1日2公演、3公演とか経験してる人だけどさ、ここまでフルで唄ってはいないわけだし、唄う比率は明らかに今回の方が高いにも関わらず、この好状態。これもミュージカル効果か?

  そうそう、これは書いておかなければ。アンコール1回目、"ふるさと"を唄い終えた後のMCにて。さっき同様、ここで再び戻ってこれた事に対する喜びと、待っていてくれたファンに対する感謝の言葉が述べられる。本当に嬉しかったです、と。そこへ姐さん、「私は、紗耶香が本当に戻ってきてくれた事が一番嬉しかったよ」と呟く。その瞬間、市井の顔が歪む。思わず泣き出してしまったのだ。それを観て俺ももらい泣き(苦笑)。畜生、まさか俺まで泣くとは。

  更に姐さんも、この日何度か「いろんな仕事を今年はやらせてもらったけど、やっぱり私は歌が好き。歌を唄える事が一番楽しいし、幸せだと思う」と漏らしていたが、"翼をください"を歌い終えた瞬間に、彼女も感極まって顔を歪めていた。本当に、本当に嬉しかったんだろうな‥‥娘。時代には味わえなかった満足感を、この日は十分味わったはず。そのお陰で、俺も姐さんに対する見方も変わったし。

  最後は1回目にやらなかった、バンドメンバー全員がステージ前方に並んでお辞儀。市井と姐さんは最後の最後まで、何度も何度も手を振って、名残惜しそうに袖へ戻っていった。この瞬間、丁度21時。正味100分に渡るライヴ×2公演の全てが終わった。

  モーニング娘。のライヴとは全く違うものだったのは言うまでもないが(とは言っても実際に体験した事はないわけで、ビデオでしか観たことないのでそれと比べての話)、とにかく「歌」ありきのライヴだった。娘。のように激しいダンスがあるわけでもなく、衣装で魅せる内容でもなかった。「歌」で繋がっていたふたりの、もの凄く力強い「ポジティヴ」を我々は受け取った。市井がこういう形で復帰した事に対して疑問の声が挙がっているのは知っている。実際、俺にも多少なりそういう感情はあった。けど、この日のライヴを観て、これは間違っていない、こういう形で再出発した事は正解だったと胸を張って言いたい。「芸能人」ではなく、「歌手」になりたかったふたりの、原点回帰と言える1日だったのではないだろうか。きっと来年からの市井、そして中澤姐さんの歌手活動に、この日のライヴは何かしらの影響を与えるだろう。もっと自身を持っていいと思う。そう言えるだけの内容だったのだから。

  最後に、これはモーヲタだとかロックファンだとか、そういうのを関係なく言いたい。まずそこに歌があって、それを唄う人間がいる。その歌い手がジョン・レノンだろうが市井紗耶香だろうが、俺にとっては同列なのだ。表現の仕方や力量の違いはあるものの、「いい歌があって、それを聴かせる歌い手がいる」という事には何ら違いはないのだから。その根本にあるものを忘れずに、これからも「音」を、そして「歌」を「楽」しんでいきたいと思う。


[SET LIST]
01. この広い野原いっぱい
02. 恋人もいないのに
03. 待つわ
04. あ~よかった
---MC---
05. かもめはかもめ(姐さんソロ)
06. 二人暮し(姐さんソロ)
07. サルビアの花(市井ソロ)
---MC---
08. なごり雪(市井ソロ)
09. ルージュの伝言(市井ソロ)
10. 木綿のハンカチーフ(姐さんソロ)
---MC---
11. 或る日突然(市井&ばんば)
---MC---
12. 秋止符(堀内:リード、ばんば&市井&姐さん:コーラス)
---MC---
13. 君の瞳は10,000ボルト(同上)
14. 夢の中へ
15. 白い色は恋人の色
---ENCORE---
16. ふるさと(娘。カバー)
---MC---
17. 翼をください
---ENCORE---
18. 恋人はサンタクロース

投稿: 2001 12 12 06:13 午後 [2001年のライブ, ハロー!プロジェクト, 中澤裕子, 市井紗耶香] | 固定リンク

市井紗耶香 with 中澤裕子 -FOLK DAYS-@SHIBUYA-AX(2001年12月10日・昼公演)

  ぶっちゃけた話、最初は行く気はなかった。だっていくら「元」とはいえ、そこは「モーニング娘。」だった人、絶対にチケット争奪戦になるのは判っていたし(しかも熱望された復帰だし)、それに‥‥正直、モーヲタの皆様と同席するのも何かなぁ‥‥と消極的になっていたのも事実。

  が、発表からチケット発売まで日が経つにつれ、当初の気持ちとは裏腹に「どうしてもこの目で見たい」という気持ちが勝ってしまい、それと同時に自身も「モーヲタ」と化してしまっていたという泥沼状態(笑)。多少の躊躇はあったものの、もう怖いものなし状態に突入しつつあったので、何がなんでもって気持ちでチケットをゲットした(しかもヤフオクまで使って全2公演押さえる力の入れよう)。

  ライヴ10日前にアルバムがリリースされた。正直、たじろいだ。「だ、大丈夫なのか、市井ちゃんはよぉ?」と。1年半のブランクは、こんなにも大きいものなのか? と同時に、決して隠居していたわけじゃない中澤姐さんまで‥‥ライヴへの不安要素が、最も核となる「歌」だったというのも、如何なものだろうか?(苦笑)

  まぁ観たまんまの感想を書いていこうと思う。まずは1回目の昼公演から。入場時間が約30分近く遅れ、急激に寒くなったこの日は日中でも肌を刺すような冷気で、身体がガタガタ震えていた。しかも自分の整理番号は「B300番台」‥‥Aが800番台まであるらしいので‥‥結局、入場までに更に30分近く要し、結局開演予定時間にフロアへ‥‥おいおい、冗談だろ!? 先日のエレカシが嘘のように、後ろの壁まで人でギュウギュウだ。こんなライヴハウス、観たことねぇぞ!?って位に人、人、人。ミキサーを囲う金網にまでへばりついてる奴らもいる。とりあえず俺は、出来るだけ前へ移動しようとしたが、結局ステージ向かって右側、ミキサー卓の脇辺りを陣取る。段差が付いているとはいえ、かなり前が見えにくい状態。普段女性客が多いライヴにばかり足を運んでいたが、今日の客層はご存じの通り。が、意外と女性も目に付いた。1割いたかどうかは疑問だが、とにかく結構高校生以上の女の子~OLさんぽい人までいた。映画「ピンチランナー」で市井が着ていたジャージのコスプレをした女の子もいれば、「恋のダンスサイト」衣装を着た男の子(爆)もいる。あ、「ちょこっとLOVE」の水色パーカー&ホットパンツの娘もいた。かなり寒そうだったが。

  客入れのSEはカントリーだった。フォークライヴなのにカントリーかよ‥‥と思いながら開演を待つ。ステージ上には両脇にキーボードが各1台、中央にドラムセット。その両脇にギターアンプがある。エレキとアコギのサウンドチェックをしてたので、どうやらギタリストはふたりいるらしい。そしてベース‥‥6人編成バンドのようだ。フォークのわりに大所帯だなぁ‥‥まぁアルバムを完全再現するんだろうけどさ。ステージとフロアの間には薄い、透ける横断幕のようなもので仕切られていた。ちょっとALICE IN CHAINSの初来日を思い出したよ。

  さて、ようやく暗転し、幻想的なシンセサウンドが会場を包む。アルバムの冒頭をアレンジしたようなストリングス系の音を、ヲタ共の「さっ、やっ、っかぁ~!」コールが引き裂く。そしてステージ上にバンドメンバーが現れ、準備を始める。一通り準備終了した後に、更にステージ中央に人影がふたつ‥‥それまでのメンバーと比べれば小柄で、明らかに女性だというのが判った。いよいよだ‥‥シンセの音がそのままアルバム冒頭の"この広い野原いっぱい"へと続く。その音に合わせて市井が唄い出す。直線的な、クセの強くない彼女の歌声が会場内に響く。思ったよりも力強かった。そしてバンド全体が演奏に加わった時点で、例の横断幕が落ち、我々の目の前に市井紗耶香が登場する。ステージ向かって右側が中澤姐さん、左が市井だ。アルバムでは結構不安定だった市井のボーカルも、思ったよりも力強くて安心して聴いていられた。きっとレコーディング終了時点から反省点を生かして、練習に練習を重ねたのだろう。唄い込んだ事によって、感が戻ってきたのかもしれない。最初の2曲は市井がリードで姐さんがハーモニーをつける形で進む。が、姐さん。ピッチがずれてる‥‥聴いててちょっと気持ち悪く感じる瞬間が結構あった。テレビとかでもフラット気味で唄ってる事が多く、前半は「??」と思うことが多々あった(が、ソロで唄った辺りからエンジンがかかり始め、その後は特に気にする程ではなかった)。1曲唄い終えた後に、市井が「ただいま~!」と挨拶。大歓声、いきなりジンときてしまった。

  "待つわ"や"あ~よかった"はふたりでパートを分け合って唄う。特に後者はアルバムでは地味な印象のアレンジだったが、ライヴでは原曲に比較的近いアレンジに修正されていた。中盤のブリッジでのふたりの掛け合いも結構迫力があって、この日の聴き所のひとつとなった。

  その後MCが入り、ふたりで過去の娘。時代の幻のユニットについての話やたいせーについて触れた後、中澤姐さんコーナーへ突入。姐さんもそのままひとりでMCを続ける。夏のハロプロライヴでちょっと唄ったけど、実質本格的なライヴは娘。卒業の4月以来なので、前日から緊張していた、とか。ライヴハウスで唄うのは初めてなので、ド緊張してた、とか。そうか‥‥きっと冒頭のフラットは緊張からきたものなのかもしれない。

  そしてアルバムにも収録されている"かもめはかもめ"を披露。アルバムではちょっとヤバめな箇所もあるにはあったが、この日のライヴではすごくいい感じにキマッていた。いやらしくならない「艶っぽさ」は娘。では感じられない要素。この日の姐さんは自身の持ち味を思う存分発揮したと思う。それは続く自身の持ち歌"二人暮し"で更に浮き彫りに。たいせーがリアレンジした「ピアノ+ガットギター」バージョンは、彼女の儚く切ない唄い方にピッタリなのだ。正直、俺は姐さんの歌には何も期待していなかったのだけど、このライヴを通過した事によってかなり見方が変わった。やっぱりこの人、つんくと一緒に仕事してちゃダメだ。もっと外に出てっていろんなプロデューサー/ソングライターと仕事しなきゃ。かなりの人見知り屋らしいが、外に出ることを恐れちゃいけない。この人の魅力、まだ完全に出切っていないのだから。

  ここで衣装替えした市井とバトンタッチ。姐さんが引っ込み、ワルツのリズムに合わせて名曲"サルビアの花"が唄われる。姐さんと違って、少年のようなストレート歌唱。これを「下手」ととるか「素直」ととるかで、彼女への評価はかなり違うものになるだろう。俺は、こういったフォークの名曲群‥‥エヴァーグリーンと呼ばれるような楽曲に対して、彼女がこういう唄い方を選んだ事を支持するつもりだ。娘。の頃みたいなコミカルな唄い方だって出来る人なのだから。それに、市井はまだ「自分探し」の最中でもあるのだから。ここで出来上がってしまっては、今後が面白くない。まだまだ先は長いのだし、焦ることはない。外野が何を言おうがマイペースで、「これだ!」と胸を張れる「市井紗耶香スタイル」を見つけて欲しい。

  唄い終えると、市井がMCを始める。来年1月に写真集が出る事や、来春にはたいせーとユニットで再デビューする話など、初めて聞く話題から既に知ってる話題まで、とにかく「これからの市井は走り続けるので、みんなついて来てね」この一言に尽きるだろう。1年半の休憩後、彼女はやはり走る事を選んだ。けど、娘。時代のような「なりふり構わない/周りが見えてない走り」から、「余裕を持って、走る事を楽しむ」姿勢へと成長した彼女がそこにはいる。大丈夫だ、きっと彼女は更に飛躍するだろう。そんな彼女が「この曲は自分にとっても思い入れがある、大切な曲。この曲を皆さんに捧げます」と言って始まったのが、"なごり雪"。確かにファンにとっては「市井の復活」こそが「春」なのかもしれない。けど、俺にとっての「春」はまだお預け。焦ることはない。

  2曲続けてスローテンポの曲が続き、急に照明が明るくなる。アップテンポの曲のスタートだ。姐さんが衣装を替え後方に位置し、"ルージュの伝言"が始まった。アルバムには入っていないユーミンナンバーだ。姐さんはバックアップコーラスに回り、完全に市井の独壇場。こういう曲が市井には一番似合ってるな。やはりボーイッシュで元気な印象が強い分、こういう明るくてポップな曲の方がさっきのバラードよりも魅力的に感じられた。リズムの取り方が娘。時代と何ら変わってなくて、ちょっと微笑ましかったな(娘。の「真夏の光線」でのリズムの取り方、あれと一緒だった)。
  続いて今度は姐さんがフロントに立ち、市井が後方でタンバリンを持ってコーラス。"木綿のハンカチーフ"という意外な選曲。姐さんの声がまたこの曲にピッタリ。太田裕美と声が似てると思ったのだが、どうだろう? 彼女自身、初めて演歌でソロになった時、キャンペーンでよくこの曲を唄っていたそうだ。だから唄い慣れてるってのもあるのだろうけど、これまでのどの曲よりもハマッた。

  ここで一段落。アルバムにも参加してる人がゲストで来てるらしい。そして紹介されたのは、ばんばひろふみだった。「最初、この話をいただいた時、市井の事を知らなかった」とか「レコーディングスタジオに行った時、市井が『おはようございます』と挨拶しに来てくれたが、てっきりバイトの女の子だと思った」というファンにとっては顰蹙モノのMCの後、アルバムでもデュエットしてる"或る日突然"を披露。市井が急に緊張気味に。気心知れた姐さんと違って、さすがに大先輩を前にしては市井も怖じ気づいてしまったのか、急に声が小さくなったような気が‥‥単にばんばの声量があるだけか。そうそう、市井の声量がちょっと弱いかな、ともこの日は感じた。姐さんが気怠い感じの唄い方のイメージあるけど、実際には相当声量があったし(これもミュージカルをこの1年に2回も経験した賜物だろう)。ちゃんとボイストレーニング、やってたんだろうか?

  そして更にゲストがいるとの事で、紹介されたのが堀内孝雄。要するにふたりとも事務所の大先輩って事か。軽くオヤジギャグを挟んで、アルバムにも収録されているアリスの"秋止符"を、この日は大先輩を立てて市井はコーラスに回り、堀内がメインで唄った。それまでの「ライヴハウス」感覚が急にここで「NHK・堀内とばんばの、ふたりのビッグショー」状態になってしまったのは言うまでもないだろう。更に堀内は持ち歌をもう1曲"君の瞳は10,000ボルト"も熱唱し、「2回目もヨロシク!」と残しステージを去った。ここでMC込みで結構な時間を食ったなぁ。

  そのままの勢いで、アルバム未収録の井上陽水"夢の中へ"で盛り上げ、バンドメンバー紹介を挟んでフィナーレへ。続けて本編最後の曲"白い色は恋人の色"へ。アルバムよりもアップテンポで盛り上げ系アレンジになっていた‥‥ような。既にこの頃には俺もヒートアップして、我を忘れていたので(笑)正確な記憶が‥‥気付けば熱狂の中、市井と姐さんはステージを去っていた。あっという間だった。勿論、アンコールを求める大きな拍手と紗耶香&裕子コールが会場を包む。

  アンコールはモーニング娘。のセルフカバーとなる"ふるさと"。アルバムでは頼りないイメージが強かったこの曲も、更に練習したのか、かなり聴けるようになっていた。特にコーラスが工夫されていた‥‥というよりも、娘。バージョンのコーラスになっていただけだが。その方が違和感なく聴けて、こちらとしても嬉しかったな。この曲は娘。の曲の中でもかなり難しい部類の曲なのだが、ふたりはよく頑張ったと思う。そして、唯一選ばれた娘。の曲がこの"ふるさと"でよかったなぁとも思った。

  ここで再び戻ってこれた事に対する喜びと、待っていてくれたファンに対する感謝の言葉が述べられる。そして13人になった娘。同様、今後も市井と姐さんは走り続けていくので、今後も応援ヨロシクと締めて、そのままアルバムラストの"翼をください"へ。どうやらこの曲で終わるようだ。頭と最後はアルバムと同じ構成。盛り上げ方としてはかなりよかったな。ちょっと姐さんの喉がキツそうかなぁ、と感じる瞬間があったものの、そこまで気にする程でもなかった。感動の嵐の中、ふたりはステージを後にした。最高だ。もうここまできたら俺、モーヲタでもなんでもいいや。いいもんはいい、それだけだよ。

  これで終わりと思われたが、それでも拍手や歓声は鳴りやまず、そして客電も付かないまま。もしかしてダブルアンコールなのか? 時計に目をやると、既に17時を大幅に回っている。次の回の開場時間は18時‥‥夜公演もどうやら多少ずれ込むようだ。

  そんな事を考えていたら、急にステージが明るくなり、サンタの格好をしたふたりが‥‥か、可愛い‥‥(爆)そして「みんなへのクリスマスプレゼント」と称して、この日2曲目のユーミン"恋人はサンタクロース"を我々に送ってくれた。この曲は前半キーの低いパートがあるのだが、市井はまだいいけど、姐さんがキツそうだったな。まぁサビになるとふたりとも、かなりいい感じなんだけどさ。やっぱり市井にはこういう曲がいいな。たいせー、頼むよ(笑)

  結局17時半近くになってライヴは終了。さすがにこの後もあるせいか、終わりは淡々としたものだった気が。まぁ俺はもう1回観れるから気にはしないが。


[SET LIST]
01. この広い野原いっぱい
02. 恋人もいないのに
03. 待つわ
04. あ~よかった
---MC---
05. かもめはかもめ(姐さんソロ)
06. 二人暮し(姐さんソロ)
07. サルビアの花(市井ソロ)
---MC---
08. なごり雪(市井ソロ)
09. ルージュの伝言(市井ソロ)
10. 木綿のハンカチーフ(姐さんソロ)
---MC---
11. 或る日突然(市井&ばんば)
---MC---
12. 秋止符(堀内:リード、ばんば&市井&姐さん:コーラス)
---MC---
13. 君の瞳は10,000ボルト(同上)
14. 夢の中へ
15. 白い色は恋人の色
---ENCORE---
16. ふるさと(娘。カバー)
---MC---
17. 翼をください
---ENCORE---
18. 恋人はサンタクロース

投稿: 2001 12 12 06:10 午後 [2001年のライブ, ハロー!プロジェクト, 中澤裕子, 市井紗耶香] | 固定リンク

2001/12/09

ELECTRAGLIDE 2001@幕張メッセ国際展示場(2001年11月30日)

  今年もやるだろうとは思っていたが、正直そのメンツの見当がつかなかった「ELECTRAGLIDE 2001」。まぁメンツに関係なく行こうとは思っていたが‥‥実際に発表されたメンツは、まぁ俺にとっては昨年のUNDERWORLDクラスこそいないものの、それに匹敵するクラスのDJやバンドが全9組も出演することとなった。参加者はBUFFALO DAUGHTER, PLAID, APHEX TWIN, MOUSE ON MARS(以上バンドorユニット)、HOWIE B, RICHARD MARSHALL, FATBOY SLIM, DARREN EMERSON, LAURENT GARNIER(以上DJ)。その手の筋では皆有名どころなんだろうけど、俺はPLAIDとLAURENT GARNIERは名前すらも知らなかった。これも何かの縁だ、先入観なしに楽しむことにしよう。

  会場に20:30に到着。昨年は19:50頃に幕張メッセの駐車場に到着した頃には、結構車が入っていたように感じたが、今日はこの時間でも会場に一番近いブロックに駐車する事が出来た。噂ではチケットが全く売れていないと聞いたが、やはり本当なのだろうか? 車内で仮眠を30分程取り、21時ジャストに入場口へ向かう。とにかくお客の年齢層が低い。恐らく皆10代~20代前半といった印象を受ける。俺だけか、30代で単独参加は?(苦笑)まぁいいさ、今日は黙々と鬱憤晴らしに踊るのさっ(笑)

  入り口周辺で多少並んだものの、10分と経たない内に入場出来た。入場口は幾つかあったらしいが、駐車場側はそんなに混んだという印象は受けなかった(Fujirockers.orgの掲示板では「入場が全然スムーズじゃなかった」というのを幾つも目にしたので。もしかしたら、海浜幕張駅側の入場口のことか?)。

  会場内は昨年の教訓を生かし、レイアウトが大幅に変わっていた。仕切で会場内を3分割してるのは前回と同様だしライヴスペースとDJスペースの位置も一緒なのだが、向きが変わっていたし、出入り口も中央スペースを交差するような形になっていた。更にDJスペースもかなり広く取られていて(前回はDJスペース内にも飲食店があった)ライヴスペース側とほぼ一緒の印象を受けた。これは今回DJ陣に超大物(FATBOY SLIMやDARREN EMERSON等)がいることも大いに関係してるのだろう。こりゃ今晩は楽しみだ。同行者がいない分、我が儘な俺は自分のペースで楽しむことができるしな。さて、相変わらず物販テントの前で大行列を作ってる奴らを後目に、俺は早速DJスペースで身体を暖めることにしよう。


◎HOWIE B(21:00~23:00)

  その名前はBJORKの作品やU2のアルバム「POP」等で目にしていたが、音やDJプレイを耳にするのは今回が初めて。まぁ最初ってことなので、肩の力を抜いてDJプレイに向かってるんだろうな、お客もホントの前の方にしかいないし‥‥と思いながら軽く身体を慣らしながら踊っていたら、途中からかなりアップテンポの曲が続いたり、スクラッチや高度な小技を披露してフロアを煽る。HOWIE B本人もブースからステージ前に出てきて踊ったりして、更にフロアを沸かす。こりゃ面白い。こういう人なんだね、この人。最初はガラガラだったフロアも、入場者が増えるに従ってどんどん膨れあがり、BUFFALO DAUGHTERを観ようとフロアを後にした21:40頃にはあの広いフロアの半分以上が埋まっていた。肩慣らしのつもりだったのに、かなり本気で汗をかいてしまった俺。いやぁ、最初から飛ばし気味。つうか今晩はマジで楽しい夜になりそうだ。


◎BUFFALO DAUGHTER(21:45~22:45)

  今回も車での来場って事もあって、禁酒宣言を誓った俺。どこまでナチュラルハイになれるか‥‥先日購入した新作「I」もかなり素晴らしかったBUFFALO DAUGHTER(以下、DBと略)。前作も当時かなり聴き込んだが、今度のはそれを上回る勢いで聴き込んでいる。俺的には'80年代KING CRIMSONに共通するものを持ったバンドだな?なんて思っていて、例えばクリムゾンでいうロバート・フリップの担当を、BDではムーグ山本がDJやサンプリングで補っているように感じる。曲調的にもかなり浮遊感を強く感じさせるものが多く、そんな中に時々登場するゴリゴリした破壊音にハッとさせられたり。

  勿論、ライヴもそういったイメージを更に増長させるもので、俺は一発で好きになった。選曲は出たばかりの新作と前作「NEW ROCK」から半々といったところか。ロートーンボーカルのシュガー吉永(Gt)とハイトーン/ファルセットの大野由美子(Ba & Key)との絡みがまた絶妙で、ゆったりした曲調に合わせたかのようなステージ後方スクリーンの映像がまたいい出来で、その空気に身体を委ねるだけでトリップ出来てしまう。バンドの演奏もカッチリした中に、アドリブっぽいインタープレイが入ってきて、今日の出演者の中ではかなり異質の存在だ(バンド形態もBDだけだったし)。テクノ/ダンスミュージックというよりは、プログレのイメージが強いな。昨年のUNDERWORLD同様、この人達もかなり先鋭的な「プログレ・ロック」に取り組んでるバンドのようだ。そういう意味では最近のRADIOHEAD辺りが好きな人にも受け入れられる要素十分だ。

  来年1月に本ツアーがあるみたいだから、是非行こうかと思っている。かなりオススメだ、これは。


◎PLAID(23:15~00:30)

  激しく踊るというよりは、浮遊しながらトリップしたという感じのBD。ちょっと小腹が減ったので、何か食べ物を求めて真ん中のスペースへ。どの飲食店も長蛇の列だ。物販関係はまだ凄いことになってるし。タイラーメンを探したのだが、それっぽい店はあったものの、そうとう並ばなきゃならなさそうだったので諦め、代わりにホットドッグを食べることに。それでも10分近くは並んだが。

  PLAIDは名前しかしらなかったが興味があったので、速攻で胃に詰め込み再びライヴスペースへ戻る。予定よりも15分スタートが早まっていたので既に始まっていた。テクノというよりはエレクトロニカ的印象を受けた。それでもかなり踊りやすく、聴きやすい。独特なシンセ音が耳に残り、かなり印象に残った。途中、曲のつなぎ目の空白が気になったりもしたが、それでもかなり気持ちよく踊らせてもらった。また疲れたら、床にそのまま座り込んで目を瞑り、身体中の神経を音に収集させ、身を委ねてみたり。大音量にも関わらず、かなり気持ちよかった。

  映像も凝ったものが多く、終盤に登場した中に'80年代のアーティストをおちょくったものがあって笑えた。EURHYTHMICSやDURAN DURAN、マイケル・ジャクソン、マドンナ、プリンス、ボーイ・ジョージ等々‥‥そういったアーティスト達が最後はパックマンに食べられてしまうという、かなり笑えるモノで、実際それをバックに流れる音もどことなく'80年代オマージュの匂いがして、またニヤリとしたりして。

  気付けば後半はずっと座ったまま脳で聴いてた感じだが、それでも気持ちよかったことには違いない。これも後でCD探して「買い」だな?


◎FATBOY SLIM(00:00~02:00)

  アルバムは1枚だけ持っているものの、何故か印象が悪いノーマン・クック。これまでずっと「嫌い」と公言してきたが‥‥実はこの日、ステージ近くには行かなかったものの、APHEX TWINを待っている間、真ん中のスペースで踊ってしまった事を告白しておこう(笑)。だってさ"It Began In Afrika"とか、何曲かケミカルの曲をいじってかけてるんだもん(苦笑)。そりゃ踊るなっていう方が酷だよ。トイレに並んでたら、いきなりケミカルだもん。そのまま走り出したよ、俺(実はこの日何曲もケミカルの曲をかけたのは、当のCHEMICAL BROTHERSご本人達がご来場してたことも関係してるようだ。ノーマン出番最後にはケミカルの2人がステージに登場、挨拶して帰ったというし)。


◎APHEX TWIN(01:00~03:30)

  実際には1時前にもうスタートしてしまったエイフェックス。真ん中のフロアで踊ってたら、ライヴスペースからも轟音が聞こえてくるから、焦った焦った。走って戻ったら‥‥後ろの方まで人、人、人。更にFATBOY SLIMもフロア後方まで人の海‥‥去年より人が少ないなんて、絶対に嘘だ。こりゃ2万人近くは入ってるね。誰だよ、デマ流したのは?

  かろうじて中盤よりも前まで移動して、狂ったように踊る。ステージには殆ど光は当たらず、そのパソコンやミキサーをいじってる男が本当にリチャードなのかどうかの判断がつかない。スクリーンにも時々ステージ後方から撮ってる映像が映るものの、その男は常に背中しか写らない。リチャードの事だから、案外本人はステージ袖で酒でも呑んでのんきにくつろいでて、実はステージ上の男はアシスタントだった、なんて事も冗談抜きであり得るからな。何せ'97年のフジロックでは犬小屋の中でDJプレイ、一度も中から出てこなかった人なのだから(笑)。

  意外と前半はまともな音作り・構成の曲が続き、非常に踊りやすかった。途中、何度か袖から誰か判らないけど、男性/女性入り乱れて踊りに現れたりしたが、実はその中にSQUAREPUSHERことトム・ジェンキンソンがいた事を、帰宅後知った。マジかよ!?(苦笑)

  バックに流れる映像も、如何にもあの「APHEX TWIN」という印象の、人を食ったかのような映像。プールで泳ぐリチャードが海パンからイチモツを‥‥と思ったらソーセージか何かだったり(笑)、それを他の男がくわえたりとか(爆)是非今後DVDか何かでリリースしてもらいたいものだ。

  その「マッド振り」に合わせるかのように、後半は我々がイメージするあの「APHEX TWIN」的なブチ切れ気味な曲・プレイが目白押し。途中、SQUAREPUSHERみたいな曲もあったなぁ‥‥って今にして思えば、当の本人が側にいたんだから、そのものだったのだろう。クドイくらいのエンディングで、さすがにみんな疲れ気味だったが、とにかく2時間半、大汗流して踊り倒させてもらいましたさ、ええ。さすがに最後の1時間は自棄になってたけどね(笑)


◎DARREN EMERSON(02:00~04:00)

  APHEX TWINで力尽き、ミネラルウォーターを売店で購入し、真ん中のフロアの床に座り込んで一服。ダレン・エマーソンのプレイもかなり盛り上がっている。脇から覗き込むように聴いていたが、エイフェックスもあれだけ後ろまで人がいたのに、こっちも同じくらいの大盛り上がり。そりゃそうだわ、この人元UNDERWORLDだしな。もう疲れ切ってて音に集中することすら出来なかったが、かなり気持ちよさげなハイテンションプレイだったことだけは記憶に残っている。ってその姿すら拝んでいないんだけどな?(苦笑)

  昨年の倍は踊ったわ、俺。さすがに前日風邪で会社休んだ人間には堪える(当たり前だって/苦笑)。本当はこのまま4時からのMOUSE ON MARSも観たかったんだけど、土日寝込むのも嫌だったし、土曜は朝10時にちょっとした用事があったので、4時10分前には会場を後にした。残念だけど、これから高速乗って帰らなきゃならないもんな‥‥帰りの車中では勿論「モーニング娘。」を大音量で聴き、一緒に唄いながら帰った事は言うまでもない(爆)。


◎最後に

  前回は朝5時までだったはずだけど、今回は7時までやるのね(汗)。さすがに最後の最後までいる人はそんなにいないだろうけど‥‥本当に楽しかった。去年もORBITALとの出会いとかそれなりに収穫はあったものの、今回は目に/耳にしたアーティスト/DJはどれも素晴らしかったし、実際に音源欲しいな?と思わせるものばかりだった。個人的に大健闘はやはりBUFFALO DAUGHTERとPLAIDだろうか。勿論APHEX TWINもよかったし、期待してなかったHOWIE Bも、嫌いだったFATBOY SLIMでさえも良く思えた(さすがにこの人の音源は欲しいとは思わなかったが/苦笑)。これは最初から、「楽しませてもらおう」精神ではなく、逆にこっちから楽しんでやろう的精神だったのが功を奏したのかもしれない。

  会場内の問題も今年は昨年以上にいろいろあった。途中退場したら再入場出来ない事。これは昨年同様で、結局治安の問題とかも絡んでくるのかもしれない(けどこの夏に同会場で行われたサマソニのオールナイト版「SONIC MANIA」では入退場自由だったと聞く。この辺はプロモーターの考え方の違いだろう)。

  それに関係するかのように、人が昨年以上に入ってたことによる、途中での飲食物の売り切れ。さすがに前回以上に長丁場、昨年経験してる人は「中にもいろいろあるから、メシ食わないで行こう」と思った人だっているだろう(俺もそう思って食わないで行こうとしたが、さすがに我慢出来なくなって途中のSAでそば食ってから行ったけど)。しかも出口付近の売店は朝まで営業してくれていて、お菓子やパン、焼きそば等を販売していた。それすらも一旦退場しないと買えない/食えない。確かにモノを食いに来てるんじゃないから仕方ないと言えば仕方ないが、この辺は新しい課題として来年に繋げて欲しい。

  更にゴミの問題。これは去年よりは酷くなかったと思うが、またペットボトルを捨てる場所が見つからなくて、一苦労した。最終的には買った店の人に渡したが(受け取る時も渋々受け取っていた)。だったら売るな!とか思うが‥‥どうなんだろう。まぁ我々がフジロックのようなある意味「至れり尽くせり」な空間に慣れてしまったことも関係してるんだろうけど、ちょっと気分悪かったな。タバコの投げ捨て、床への灰捨てとかも気になったし(さすがの俺も今回は携帯灰皿持っていったけど、みんなその辺のクラブで吸ってる感覚なんだろうね。罪悪感とか全くないと思うし。ちなみに同じように携帯灰皿を使用してる人、去年は結構見受けられたけど、今年は全く目につかなかった)、捨てる場所なくて、トイレのゴミ箱にペットボトル捨ててる人も山程いた。去年のトイレの状況は覚えてないけど、今年は酷かったように思う。特に女性が可哀想だったな。我慢できずに、男の子に連れられて男子トイレの個室使ってる娘もいたし(しかも立ち小便してる俺達とその女の子との気まずさといったら‥‥)。トイレの数は決まってるんだからフジや夏フェスみたいにはいかないけど、これもせめて入退場自由にしてくれれば、メッセロビーのトイレを使うことが出来るんだか(そうすると、外のトイレも汚れて苦情が来るんだろうな、きっと。それを恐れての策なのか?)。

  個人的には昨年以上に問題が山積みのような気がするけど、アクトは全て素晴らしいものだったと思う。来年も行くか?と問われれば‥‥きっとアクトの有名無名にとらわれず、必ず行くと思う。

  あ、その前に「WIRE」に行きたいんだけどね?(笑)

投稿: 2001 12 09 05:20 午前 [2001年のライブ, Aphex Twin, Buffalo Daughter, ELECTRAGLIDE, Fatboy Slim] | 固定リンク

2001/12/08

エレファントカシマシ@SHIBUYA-AX(2001年11月21日)

  エレカシが、宮本がスランプに陥っていると聞く。どうやらこの秋に発表予定だった新作アルバムも現時点では完成に至らず、毎年恒例の正月武道館公演も来年はないという。アルバムも早くて春とのこと、今回の秋ツアーが終わった後も再びニューヨークに戻り、プロデューサー小林武史氏と共にスタジオ入りするという。久々の傑作と呼ぶに相応しかった「GOOD MORNING」を通過し、何故宮本は混迷の時期へと突入してしまったのだろうか?

  その原因のひとつは、間違いなくプロデューサーの選択ミスだろう。シングル"孤独な太陽"はまだアルバムとか考えていない時期に完成したであろう曲(2000年秋のツアーでは既にライヴで披露されていた)だし、むしろ問題と言えるのはこの春のツアーで初披露された"暑中見舞 -憂鬱な午後-"からだろう。ライヴでは、初期の疾走感と最近のポップ/メロウ感覚を融合させた、今のエレカシにしか作り得ない楽曲だったのに、7月にリリースされた小林プロデュースのシングル‥‥恐らくエレカシ史上最悪のアレンジ/プロデュースなのではないだろうか? これまでのような佐久間正英や根岸孝旨といった「バンドに好き放題やらせ、そこからいいものをピックアップしていく」ようなタイプではなく、「小林サウンド/ブランド」といえる個性を持った人間との融合は、エレカシにとって(これまでのところ)マイナスイメージしか生み出していないように感じる。本当にこれでいいのか、これで合っているのか? そういった苦悩が今の宮本にはあるのかもしれない。

  本来なら今回の秋ツアーも、既にリリースされているはずだった新作アルバム(あるいはシングル)をサポートするツアーとなるはずだった。が、結果はご存じの通り。新曲は1曲も披露されることなく、その演奏曲目からいっても「GOOD MORNING」ツアーと呼んでも差し支えない内容/演奏だった。当然、本日でエレカシ体験5回目(内4回がこの1年以内/驚)の俺にとっては、初めてライヴで聴く初期~中期曲が多かったことは収穫だが、残念ながら今回の内容では今後彼らが進んでいくであろう方向性は全く見えなかった。いや、もしかしたら今回の選曲‥‥敢えて前作「GOOD MORNING」からほぼ全曲を演奏したという事実が、来るべき新作への糸口となっているのかもしれない。まぁあのシングル1曲(「孤独な太陽」の2曲は別として考える)では、今後の方向は見えないしな?

  当日はCS放送で生中継するということもあり、かなり熱の入った演奏/歌を聴かせてくれた。特に宮本の喉の調子がかなり良さそうで、これまで観た中で一番迫力/説得力のある歌だった。MCも昨年千葉で観たあれは何だったのか?と思わせる程に少なく(笑)、少々ガッカリもしたりして。ただ、MCが少ない分演奏曲数が増えに増え、結果約2時間の間に22曲も演奏したのだから、これで満足しなかったら嘘になるだろう。

  "so many people"でいきなりスタートした時には鳥肌ものだったし、そのまま続く中期の隠れた名曲"うれしけりゃとんでゆけよ"、"赤い薔薇"といったライヴで初めて聴く曲に感動しつつ、1年振りの"風に吹かれて"は一緒に唄ってジーンとする俺。そのまま"ゴッドファーザー"~"情熱の揺れるまなざし"という「GOOD MORNING」からの6連発には正直立ち小便モノの緊張感を感じた。

  小休止ともいえるアコースティックコーナーでは、椅子に座った宮本がアコギ抱えて「東京の空」から"涙"を披露し、大拍手。夏の野音でもやったそうだが、初めて生で聴く俺にとっては感涙モノ。風邪気味だったので、涙の代わりに鼻水たらしておいたが(苦笑)。そのまま"孤独な太陽"へと続き、感動の中アコースティックコーナーは終了。

  ゼップ・ツアーでも披露された"かけだす男"からの3曲のアップテンポの並びはやはり最高。"デーデ"は今日で3回目だが、はやりこの曲を聴くと血管の血液が脳まで昇り吹き出しそうな程に興奮する。そして‥‥悲しいかな、やっぱりライヴでは名曲なんだよなぁ、"暑中見舞 -憂鬱な午後-"は‥‥聴く度に演奏やボーカルパフォーマンスに磨きがかかってくし。出来るならば、アルバムでは再録音して「今の」エレカシアレンジで収録して欲しいのだが‥‥まぁ小林だしな?(苦笑)

  そして本編ラスト2曲には、ファーストから"やさしさ"と"花男"という名セレクト。特に"やさしさ"の、強弱を強調した演奏・歌にはCD以上の緊張感と説得力を感じた。そして鳥肌‥‥逆境の中から光を見出そうとしてる彼らの底力みたいなものをそこから感じたのは、俺だけだったのだろうか? そして最後の"花男"の名セリフといえる「生きる屍さようなら」では、宮本もオーディエンスも手を振りかざす。まるで混迷の「今」とおさらばするかのように‥‥

  本編も濃かったが、アンコールも更に濃い。いきなり"ガストロンジャー"からスタートし(しかも過去聴いた中で最も攻撃的で、それでいて歌詞がハッキリと聞き取れた)、ここに持ってきたか?の超名曲"悲しみの果て"へと続き、1回目のアンコールが終わる。当然まだまだ続くだろうと、オーディエンスは拍手でメンバーの帰りを待つ。

  2度目のアンコールも意外な始まり方で、いつも本編ラストかアンコールラストというイメージのある"コール アンド レスポン"を持ってきて、我々を驚かせる。更に攻めの勢いのまま、ファーストアルバムの1曲目"ファイティングマン"へ。正直、今までずっとライヴで聴きたかった曲のひとつだったので、これだけでも大満足。が、ここで終わればいいものを、更にもう1曲"四月の風"でしめやかに終わらせる辺りに、実は今のエレカシの「混迷振り」が滲み出てるように思った‥‥のは俺だけ?(苦笑)あのまま爆発して終わらせれば、申し分のない500点満点のライヴだったんだけどな‥‥

  大興奮のままライヴは終了。が、オーディエンスの興奮は収まらず、更にアンコールを求める大きな拍手・手拍子が‥‥終演を告げるアナウンスの中、上半身裸の宮本が四度登場し、「ごめんなさん、もう演奏する曲がありません」と謝って、何故か吉田拓郎の"人間なんて"を唄いながらステージを後にする。いや、如何にもエレカシらしい、宮本らしい幕切れだった(笑)

  ツアーの度にまだタイトルも決まってない新曲を我々に披露してきたエレカシだが、レコーディングが全く進んでないどころか、新曲すら出来ていないのだろうか?(それとも披露するに到ってないレベルの曲ばかりなのだろうか)何にせよ、そういう点には不安は残ったものの、それとライヴの出来不出来はまた別。とにかくこれまで観たエレカシの中では過去最高の完成度と迫力だった。上で「"ファイティングマン"で爆発したまま終わっていれば申し分のない500点満点のライヴだった」と書いたが、それでも全部終わってみれば、それに限りなく近い点数をつけられる出来だったと思う。とにかく、こんなに晴れ晴れした気持ちでライヴ会場を後にするのは、そうはない事だ。9月のソウルフラワーもそういうライヴだったが、本当にエレカシといいソウルフラワーといい、精神性といい表現の仕方といい、滅茶苦茶素晴らしいライヴをやってくれる。

  さて‥‥この調子だと多分来年の春先まではライヴはお預けなのだろう。とにかく今は新しい音源だ。このまま小林武史と組んで作業を進めるのか、それともここで一旦関係を解消して、サポート的に過去の関係者(佐久間なり根岸なり)を呼んでセルフプロデュースになるのか‥‥全く予想がつかないが、とにかく次ステージに登場するときは、一点の曇りもない、馬鹿笑いと冷や汗を同居させた名曲と共に戻ってきて欲しいと切に願う。だってそれが出来る男だから、宮本浩次という人は。


[SETLIST]
01. so many people
02. うれしけりゃとんでゆけよ
03. 赤い薔薇
04. 風に吹かれて
05. ゴッドファーザー
06. 武蔵野
07. 精神暗黒街
08. 生存者は今日も笑う
09. I am happy
10. 情熱の揺れるまなざし
11. 涙
12. 孤独な太陽
13. かけだす男
14. デーデ
15. 暑中見舞 -憂鬱な午後-
16. やさしさ
17. 花男
--アンコール--
18. ガストロンジャー
19. 悲しみの果て
--アンコール--
20. コール アンド レスポンス
21. ファイティングマン
22. 四月の風
(23. 人間なんて / 吉田拓郎)



▼エレファントカシマシ『暑中見舞~憂鬱な午後~』
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投稿: 2001 12 08 12:00 午前 [2001年のライブ, エレファントカシマシ] | 固定リンク

2001/10/24

ジョンレノン音楽祭@さいたまスーパーアリーナ(2001年10月9日)

  今更という感じだが、先月行われた「ジョン・レノン音楽祭」、通称・レノン祭りについて、俺なりの感想、そして「カヴァー」について思うことを綴っていきたいと思う。


◎オープニング<吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)、ゆず、押葉真吾>

  1曲目は何か?という予想を同行したsuzukiくん、れいくさんとしていたが、誰かが予想した通り"Come Together"だった。基本的にはカヴァーというよりも、コピー。いや、ギターなんてまんまだった気が。ドラムには元JUDY AND MARYのコータさん、キーボードにはモーニング娘。のデビュー時のアレンジ等を手掛ける桜井鉄太郎氏等、豪華なメンツ。

  メインはロビンが、時々ゆずの二人と分け合いながら唄う。イエモン休止前よりも声が艶やかな気がするのは会場の音響のせいだろうか? ゆずは相変わらずいい仕事してる。特に目新しいアレンジもなく、淡々と終わる。


◎押葉真吾

  ビートルズのファンクラブ主催コピーバンドコンテストの優勝者だそうだ。要するにアマチュアに毛が生えたセミプロといったところだろうか。特にビートルズに誰に似ている(似せている)といったわけでもなく、まぁよくある「ビートルズを極め続け、気づけば結構な歳になってた」オヤジの典型なような‥‥(もし俺より若いんだったらスマン、謝るよ/笑)

  オープニングでもベース&ボーカルで出ていたが、今日の出演者の中では最も真っ当な「コピー」を聴かせる、悪く言えば最も華がない存在だった。トップバッターってことで、これはこれでよしかな?


◎ゆず

  最初、たった二人でギター抱えて登場し、ドーム公演以降のスタイル(たった二人の弾き語り)で行くのかと思いきや、途中からバンドが加わり、至極真っ当なコピーを聴かせる。ゆずとビートルズというのも何となく繋がらなかったのだが、まぁビートルズに影響を受けてないアーティストなどいない、ってことか? "Don't Let Me Down"はまぁゆずらしいかな?と思ったが、他は特に彼らがやる必要が感じられない選曲だったように感じた。けど、"All You Need Is Love"なんかは彼らがやらなきゃ他にやる人が今日のメンツの中にはいなかったので、これはこれでいいのかも。彼らによる日本語詞が「いかにも」なものだったのが、そしてメドレー形式でそのまま"Happey birthday, dear John!"と続いた辺りが微笑ましかった。


◎白井貴子

  俺世代の中には、中学生の頃に彼女を通過した人がいるのではないだろうか? かくいう俺もそのひとりで、山下久美子や中村あゆみといった「女性ロッカー」の第一人者としての認識がある。勿論、ここ数年はロックというよりもフォークやニューミュージック色が強い音楽性なのも知っていた。だからこそ、その彼女がどういう選曲をしてどういうアレンジを施すのかが気になっていた。

  "Love"を選んだのは少々意外だった。女性がこの歌を唄うと、また違った見方ができることに気づかされた。基本的には長年連れ添ったギタリストとの二人でのステージ。アコースティックメインということもあってか、アメリカンフォークっぽいイメージ‥‥キャロル・キングとかリンダ・ロンシュタットといった人達をイメージさせるアレンジだった。もっとも、バンドが加わると急に真っ当なコピーへと早変わりしてしまうのだが。


◎和田唱(TRICERATOPS)

  ここまではゆったりとした、和やかな空気感で進んできたが、いきなり「Woh~Yeah!」っていう、あの雄叫びが(笑)。和田はバンドを離れようが「トライセラトプスの和田唱」のままだった。選んだ"Instant Karma"もまた彼らしい選曲、そして彼にピッタリだった。"I Am The Walrus"はこの夏に2度‥‥OASISとPEALOUTのカヴァー‥‥聴いているが、和田には悪いがごく普通だった。思った以上に盛り上がらなかったし(フジやひたちなかでは、お約束の如く「フゥ~♪」って息が合ってたのに)。


◎和田唱、奥田民生

  これまで各アーティスト3曲ずつだったので、ここで和田も引っ込むのだろうと思ったら、エレキをアコギに持ち替えて、もうちょっとやりそうな感じ。ファンならご存じの「中学生の頃、買ったばかりのギターの弦が切れて渋谷の楽器屋に買いに行ったら、そこにユニコーン時代の民生がいた」という話。つうわけで、ここで奥田民生登場。大歓声。けど民生、マイペース(笑)。この人はどこでも、どんな舞台でも(フジロックでもひたちなかでも)気負いすることなく、本当にマイペース。そこがカッコイイんだけど。

  ちょっと前に山崎まさよしと民生の1日限定ユニットが話題になったが、さしずめこれは「和田奥田」といったところだろうか? 演奏されたのが、特にふたりで唄う必要も感じられない"You've Got To Hide Your Love Away"だったのは如何かと思うが‥‥


◎奥田民生

  で、その民生。何をやるのかが非常に期待されたところだが、まぁシングルのカップリングでカヴァーしてる"Hey Bulldog"はやるだろうとは思ってたけど、それ以外の2曲も"I'm Only Sleeping"と"She Said She Said"という、3曲全て中期ビートルズという拘り方(って拘ってたのか?)。他のどのアーティストにも言えることだが、ビートルズ初期のロックンロール時代かソロ以降に逃げてるような気がしてならなかった。ジョンが覚醒し出した‥‥「RUBBER SOUL」以降の楽曲を選ぶ人が少なかったように思える。個人的には奇をてらって"Tomorrow Never Knows"や"Lucy In The Sky With The Diamonds"辺りを選ぶ奴がいてもいいと思ったのに(特に桜井辺り)‥‥

  まぁそれはともかくとして、とにかくこの日の民生は頼もしかった。すっげー気持ちよかったし。この人の場合は下手にいじくり回すよりも、真っ当なカヴァーの方が合ってるようだ。


◎ムッシュかまやつ、押葉真吾

  ジョージ・マーティンとリンゴ・スターからのメッセージ・フィルムが上映された後、いよいよ後半戦に突入となった。御大・ムッシュかまやつの登場だ。

  が‥‥悪いけど、失望した。リハ不足が目に見て明らかなのだ。たった2曲、シンプルなロックンロールを選んだにも関わらず、歌詞はうろ覚え(というよりも、ムニャムニャと誤魔化す)‥‥それがロックンロールだというのなら、そんなもん糞食らえだ。ここにいる2万人近くのオーディエンスは、自分目当てではない。ゆずやロビン、桜井のファンであったり、ただ純粋にビートルズやジョンの名曲をいろんな有名アーティストが唄うのを楽しみにしてきた音楽ファンなのだ。この行為は正直、そういったお客を舐めてるとしか思えなかった。「ムッシュクラスはそこにいるだけでいい」っていう庇護の声もあるかもしれない。けど、この日の俺はそういうのを求めていたわけじゃないので。何か押葉バックに合いの手を入れるムッシュが、頼りないキース・リチャーズのように見えた‥‥勿論あそこまでの存在感は皆無だったが。へっ、曲の評価!? そんなの覚えてないよ。ただ気分悪かった‥‥


◎吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)

  口直しには豪華すぎる、ロビンの初ソロステージ。ひとりだと心細いのでベースを連れてきた、と言った途端に大歓声。みんなヒーセだと勘違い。俺もてっきり勘違い。何のことはない、現在活動を共にしているベーシストだった。

  "Be Bop A Lula"のようなシンプルなロックンロールを唄うロビンってのも意外と美味だった。続くジョンのソロ2曲は‥‥特にどうってことのない演奏。ただ、"God"の前のMCが邪魔だった。そしてこの曲を選んでしまった彼のエゴも。それだったらまだ、デヴィッド・ボウイとジョンの共作曲"Fame"をやってくれたほうが、彼らしくてよかったのに。


◎Acid Test(小林武史、桜井和寿、田原健一)

  さて‥‥この日最大の問題となったAcid Test。恐らくこの日限りのユニットなのだろうけど‥‥小林がキーボードとサンプリング、桜井は歌のみ、田原はリバーブのかかりまくったギターをかき鳴らす。それに加え、ストリングスが数名。演奏されたのは"Mother"1曲のみだったが、これが他のアーティストの3曲分くらいの演奏時間だった。環境音楽というか、テクノというか‥‥とにかくユニット名の通り、小林武史の実験室といった感じで、桜井と田原はそれにつき合わされてるといったところか。正直、桜井の「色」はあまり感じられなかったし。ただ、歌は相変わらず凄いと思ったけど。

  この日、殆どのアーティストが完全コピーに近い形だったのに対し、このユニットのみ「解体~再構築」カヴァーを行っていた。桜井は歌メロをかなり崩して唄っていたし、それなりの拘りのようなものは感じ取れた。まぁ(ミスチルがあんなに順調な活動をしてるのを見ると)今後続くとは思わないので、小林くんのお遊びにつき合ってあげました、って事でいいのではないだろうか?


◎オノ・ヨーコ from NY

  直前になってニューヨークに残ることを決めたヨーコ。衛星中継くらいあるだろうと思っていたら、予想通り。歌こそ唄わなかったものの(まぁ最後のオールスターズでの時は口ずさんでたけど)、この時が一番ググッときたな、俺は。このライヴの計画を立てた時、そして我々に発表した時はまさか世界情勢がこんなことになってるとは、夢にも思わなかっただろう。そしてジョンの誕生日の数日前に、アメリカの報復攻撃が始まることも。皮肉っちゃあ皮肉だが‥‥


◎出演者勢揃い

  最後は出演者勢揃いで"Happy X'mas (War Is Over)"を大合唱。ってみんなカンペ見ながらだけど(苦笑)。そのまま"Real Love ~ Give Peace A Chance"というメドレーへ。俺は帰りの都合があり、結局"Give Peace A Chance"に切り替わった辺りで会場を後にした。駅で電車を待っている間に、会場から"Imagine"がうっすらと聞こえてきた。やっぱり最後はこれか‥‥


◎総評

  バンドでの出演者が殆どなく、どのアーティストも固定バックバンドに合わせて唄ったりギターを弾いたりしていた。そのバックバンドも皆、有名なセッションミュージシャンだったこともあってか、オリジナルに忠実に演奏していた。ビートルズの曲はそれらしく、ジョンの曲は雰囲気を損なわずにそれらしく、と。それはそれで素晴らしいことだと思うのだが、やはり俺は先にも書いたようにAcid Testのような「解体~自分なりに再構築」したカヴァーを聴きたかった。まぁこんなもんだろうとは思っていたが‥‥それにしてもLOVE LOVE ALL STARSでも、もっと自分流のアレンジや演奏をしてたんじゃなかろうか? 良心的と捉えることもできるが‥‥やっぱり「コピー」と「カヴァー」は別物だと思うし。端から「完全コピー」を謳い文句にしてるなら文句言えないけど。

  どのアーティストも個々の活動の合間にリハーサルをしたんだろうけど、もしまたやるのなら今度は違った形態の「ジョン・レノン音楽祭」を開いてもらいたいと切に願う。


[SET LIST]
01. Come Together(吉井和哉、ゆず、押葉真吾)
02. Bad Boy
03. Cold Turky
04. Glow Old With Me(以上、押葉真吾)
05. Don't Let Me Down
06. Jelous Guy
07. All You Need Is Love ~ Happy Birthday To You(以上、ゆず)
08. Love
09. Watching Wheels
10. Mind Games(以上、白井貴子)
11. Instant Karma
12. Oh My Love
13. I Am The Walrus(以上、和田唱)
14. You've Got To Hide Your Love Away(和田唱&奥田民生)
15. I'm Only Sleeping
16. Hey Bulldog
17. She Said She Said(以上、奥田民生)
  ---message from George Martin & Ring Starr---
18. Little Child
19. I Should Have Known Better(以上、ムッシュかまやつ&押葉真吾)
20. Be Bop A Lula
21. I'm Losing You
22. God(以上、吉井和哉)
23. Mother(Acid Test)
  ---message from Yoko Ono in NYC---
24. Happy X'mas (War Is Over)
25. Real Love ~ Give Peace A Chance(出演者全員)
  ---encore---
26. Imagine(出演者全員)

投稿: 2001 10 24 12:00 午前 [2001年のライブ, John Lennon, Mr.Children, TRICERATOPS, ゆず, 吉井和哉, 奥田民生] | 固定リンク

2001/10/14

SOUL FLOWER UNION@新宿リキッドルーム(2001年9月28日)

  自分にとって年に複数回ライヴに足を運ぶアーティストってのも、近年少なくなった。今だったら、海外のアーティストだと(日程が合えばだが)マニックスやWiLDHEARTSぐらいだろう。もっとも外タレの場合は2~3日連続公演が当たり前なので、なかなか会社を休んでまで数公演観るというのは辛いものがある。そこへくると、日本のアーティストは年間にツアーを数本行う事が当たり前のように行われているので、1本のツアーで1回しか観れなくても次のツアー、又は夏のフェスティバルで再び観れてしまうのだから、有り難いものだ。

  今年、自分にとって新たに「大切なバンド」がひとつ増えた。それがこのソウルフラワーだ。6月の頭脳警察イベントでの初体験、そして7月のフジロック。2回とも偶然とはいえ、こうやって観る機会を得ている。そしてその度に、言葉では表しきれない衝撃を受けた。今回足を運んだ単独ライヴはフジロックを観る前には既にチケットを取っていたが、やはり何度でも観たくなるにはそれなりに理由がある。

  ちょっと前までは、ライヴといえば「大騒ぎして、暴れられればいい」みたいな考えがあった。しかし、ここ数年の間に考え方が少し変わり、「踊れない(聴き手を踊らせようとしない)音楽には惹きつけられない」自分がいる。クラブ等に通うようになったり、下手なりにもDJなるものを経験するようになり、こういう考え方が改めて根付いたように思える。そしてそれを決定的なものにしたのが、SFUとの出逢いだった。CDという音源で聴く以上に、ライヴでの彼らは強烈且つ殺傷力を持ったバンド‥‥自分の価値観の中に、ここまで鮮烈な印象を与えたバンドはかつていただろうか? 今現在、自分にとって大切なバンドとして挙げているMR.CHILDRENやエレファントカシマシにはない魅力‥‥あるいは、それら2バンド以上に強烈な個性と言った 方がいいだろうか。3つのバンド全てに共通するのは、「歌」を大切にし、それを聴き手(観客)にちゃんと届けることができるパワーを持っている点。アリーナバンドと化してしまった今のミスチルに、SFUのような要素を求めるべくもなく、そしてエレカシやミスチルがSFUよりも劣っていると言いたいのではない。それぞれが強烈な個性と色を持った、ここ日本では唯一無比の存在。今年に入って複数回観ている3バンドに言えるのは、この一言に尽きる。

  4年振りに足を運んだリキッドルームは、あの頃と何も変わっていなかった。相変わらず長い階段が続き、登るだけで心臓がバクバクいう。昔はこれが嫌いだったが、今日だけは悪い気がしない。あの頃と同じように小汚く、あの頃と同じように狭く感じるフロア。そんな場内を俺はステージ向かって左側のバーカウンターから眺めていた。今日は最前列付近から外れて、全体を観てみたい‥‥数日前からそう考えていた。

  ライヴは圧巻の一言に尽きた。内容についてはもういいだろう‥‥って思える程に、熱くて濃い2時間半だった。前日に同会場でもう1公演やっていたが、そっちの方が緊張感があったそうだ。実際この日のメンバーはツアー最終日ということもあって、かなりリラックスした雰囲気で、MCも必要以上に笑いの要素が満載だった(いや、というよりもいつも通りなのかな/笑)。既に名作の仲間入りを果たした「SCREWBALL COMEDY」発表後のツアーということもあり、ほぼ全曲(全11曲中10曲を披露。この日演奏されなかった曲も前日には披露されたそうだ)をプレイし、残りは過去の代表曲‥‥と思ったら、大間違い。さすがはツアー最終日。遊び心満載の一夜だった。

  まず、この日は元メンバーの内海洋子と元HEATWAVEの山口洋が参加。要するに、夏のフェス/イベント出演時と同じメンツ。けど夏フェスと違う点は、全曲ずっと出ずっぱりではなく、曲によって出たり引っ込んだりを繰り返すのだ。

  そして、カヴァー曲の多さにも驚く。モノノケでは昭和初期の歌謡曲やら民謡のカヴァーをしているが、今回はニューエスト・モデル時代を彷彿とさせる選曲が続く。アイク&ティナ・ターナーの"RIVER DEEP MOUNTAIN HIGH"(メスカリン・ドライヴ時代にカヴァーしている)やROLLING STONESの名曲"DEAD FLOWER"、SFU名義のファーストシングルのカップリング曲でもある"TELL MAMA"等。どれも内海の持ち味 を十分に引き出す選曲だった。特に"RIVER DEEP~"は圧巻で、内海の音圧のある歌声を聴いてジャニス・ジョプリンのカヴァーかと錯覚した程だ。

  またカヴァーという点では、山口洋が今回初めてSFU内でリードボーカルを取ったHEATWAVE時代の楽曲カヴァーが新鮮だった。この日初めて山口の歌を、HEATWAVEの楽曲を耳にしたわけだが、中川とは全く違う、非常に個性的で胸に響く歌声だった。何せ翌日にHEATWAVEのCDを取り寄せたくらいだから。更に"満月の夕"では、2コーラス目を山口がHEATWAVEバージョンの歌詞で唄った。

  もうひとつ、内海参加ということもあり、SFUのファースト「カムイイピリマ」から"霊柩車の窓から"が演奏された。考えてみれば、いつ初期の内海ボーカルの曲が登場してもおかしくはなかったのだが、さすがにこうやって何の遠慮もなく、いつものノリで演奏されると逆に驚いてしまう。初期の曲に今でも若干苦手意識があったが、この日は新たな魅力を発見したように思える。

  椅子に座ってステージ上を見渡し、そしてフロアのオーディエンスを見渡す。みんな笑顔で、気持ちよさそうに踊っているのが判る。自分もいつもこうなんだな‥‥なんて冷静には考えなかったが、そういう光景を見ているだけでこちらまで笑顔になってくる。そして気づけば椅子から離れ、いつもの調子で踊り、合いの手を入れていた。じっとしてろという方が無理なのだ。そう、最初から冷静に観るなんて無謀だったのだ。本編最後の"エエジャナイカ"~"海行かば 山行かば 踊るかばね"は、毎回お約束となりつつあるが、そんな事お構いなしに笑顔で唄い、踊った。ここ数週、日常に疲れ切っていた自分を、現実から切り離してくれた「音」‥‥そしてバンドのメンバー、オーディエンスの笑顔。いつ戦争が始まるか判らない不安定な時期ではあったが、それでもこの2時間半の間だけはずっと笑っていられた。やがて現実に引き戻される瞬間がやってこようとも、今だけは全てを忘れて踊ろうではないか。もしかしたら、明日は来ないかもしれない‥‥だから、悔いが残らないように笑顔で踊ろう。彼らの歌を口ずさみながら、何度か泣きそうになる瞬間があったが、周りの笑顔に包まれ何とか持ち堪えた。泣いちゃダメだ。顔を上げて、前を見て、笑顔で前進しなくちゃ‥‥

  実際に踊ったのはほんの数曲だったものの、それでも充実感でいっぱいだった。今日でツアーは一端終わり、11月には中川と山口の新しい期間限定バンド、ヤポネシアン・ボールズ・ファンデーションのツアーが、そして12月には内海のソロライヴと恒例「年末ソウルフラワー祭」がある。きっと都合をつけて行くんだろうな、年末ライヴに‥‥もう既に後戻りできない程のSFUジャンキーになってしまったようだから。


[SETLIST]
01. GO-GO フーテン・ガール
02. サヴァイヴァーズ・バンケット
03. 殺人狂ルーレット
04. RIVER DEEP MOUNTAIN HIGH (アイク&ティナ / VO:内海)
05. ダイナマイトのアドバルーン
06. オーマガトキ
07. 野づらは星あかり
08. 夏到来
09. DEAD FLOWER (ROLLING STONES / VO:内海)
10. トーキョー・シティ・ヒエラルキー (HEATWAVE / VO:山口)
11. キャラバンに恋唄
12. 満月の夕
13. 風の市
14. 霊柩車の窓から (VO:内海)
15. 荒れ地にて
16. アンチェインのテーマ
17. CRAZY LOVE
18. マージナル・サーフ
19. ガーディアンエンジェル (HEATWAVE / VO:山口)
20. エエジャナイカ
21. 海行かば 山行かば 踊るかばね
  ---encore---
22. NOと言える男
23. ホライズン・マーチ
  ---encore---
24. TELL MAMA (VO.内海)



▼SOUL FLOWER UNION『SCREWBALL COMEDY』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2001 10 14 12:00 午前 [2001年のライブ, Soul Flower Union] | 固定リンク

2001/08/31

MR.CHILDREN : TOUR "POP SAURUS"@千葉マリンスタジアム(2001年8月25日)

  3週間前に観た「ROCK IN JAPAN FES.」での勇姿が忘れられず、断念していた今回のツアーを結局観ることにしてしまった‥‥ダメな俺(苦笑)。さぁ、30代突入後、最初のライヴだ‥‥最初のライヴがミスチルってのも、何か‥‥いや、いいんです。

  当日は16時開場、18時開演ということもあり、また家から電車で行くよりも車で行った方が時間的にも早いし気持ち的にも楽なので、12時過ぎに家を出て14時過ぎには幕張に到着していた。14時半には千葉マリンスタジアム前に到着し、とりあえず誘った友人と15時半にマリン前で待ち合わせしていたので、それまで会場周辺でボーッとすることにする。場内からはサウンドチェック&リハーサルの音が聞こえる‥‥あっ、"抱きしめたい"だ‥‥桜井、手を抜いて唄ってるなぁ、やっぱり(笑)。それを聴きながらパンフレット(今回は2種類あって、5000円の写真集+αと、3500円の写真+10年間総括個別インタビュー。当然3500円の方を購入)とツアーTシャツを購入。飲み物を片手にリハの音に耳を傾ける。"Dance Dance Dance"、"深海"、"Hallelujah"、"花"、"独り言"、そして"優しい歌"‥‥最後まで通しで演奏されたものもあれば、ワンコーラスのみ確認ってのもあった。笑ったのが、"Hallelujah"のエンディングのコーラス部(「ハッハレッハレッハレェ~ルゥ~♪」ってとこ)に乗せて"花"のサビ(「負けないようにぃ~枯れないようにぃ~♪」ってとこ)を唄う桜井。リハ特有の冗談なのだろうか?(笑/過去にも"Everything (It's you)"のサビでウルフルズ"バンザイ!"を唄った経験の持ち主だけに‥‥)

  そうこうしてたら、友人から着信が。久し振りの対面を果たし、そのまま幕張ショッピングモール街へと出向く。CD屋があったので、俺は地元で売ってない品物を手にし、その後軽く食事をする。再びマリンには17時過ぎに戻り、友人はビールを、運転して帰る俺はジュースを片手にしばし歓談。

  今回のステージセットは、「regress or progress」ツアーのものに比較的似てるかもしれない。ステージ左右には大型スクリーンがあり、その両脇には恐竜の骨。ステージ中央にも後方にスクリーンがあり、やはりその両脇に肋骨のようなものが床から突き出ている。天井には今回のツアーTシャツにも描かれている恐竜の、首から背骨にかけてがぶら下がっている。恐竜の頭蓋骨は顔と判るような代物ではなく、どことなく花のつぼみのような形をしている(これが今回のポイント。つうか俺、いい読みしてたよな?)。開演まであと15分というところで、大型スクリーンにアニメキャラのような猿が現れる。顔だけドラムのJENで(実写)それにサングラスをかけさせ、それ以外が猿。そいつがツアーグッズの説明をしたり、公演中は携帯はOFF!とか注意したり、客を煽ったりする(笑)。最近、ステージ上でのMCコーナーがなくなったJENだけに、ちょっとだけ嬉しかった(笑)。

  さて、開演時間を8分程過ぎた頃、スタジアム内の照明が消え、大歓声。スクリーンには「MR.CHILDREN : POP SAURUS」の文字が‥‥それはオルゴールの蓋に書かれたものだった。どうやらオープニングで、大がかりなCGを見せる演出のようだ。オルゴールからは"優しい歌"が流れる‥‥そして場面は変わり、博物館。例の恐竜の骨が展示してあり、そいつが動いて逃げ出す。そこからは過去のミスチルを振り返るような演出。アルバム「BOLERO」のジャケ絵が展示してあり、その絵の中に飛び込む‥‥向日葵の花が風にそよぐ‥‥場面が変わり、青バックに化学式が‥‥そう、「Atomic Heart」だ。そこからひたすら大地を進み、石油の採掘機が(「DISCOVERY」)。恐竜は大地を走り回る。そして採掘している穴へ飛び込み、そのまま場面は海の中へと‥‥深い深い海の底にたどり着くと、そこには椅子がひとつ(「深海」)‥‥そして海から上がると、潜水服の頭部が4つ(「Q」)‥‥ここまで約10分(苦笑)。長い、長いってば‥‥最初は大歓声で応えていたファンも、途中で飽きていたようだし‥‥この映像の後、シンセの音と共に大歓声が‥‥ステージ上にはアコギを抱えた桜井が。ストリングス系のシンセに合わせ、ギターをかき鳴らし、そしてそれはあるフレーズへと続く‥‥「やがて全てが散りゆく運命にあっても~」そう、"花"である。いきなり"花"のアコースティックアレンジだ。その後サビへと続き、大合唱で応える俺達。ちょっと鳥肌立ったね。

  そして、他のメンバーがぞろぞろとステージ上に現れる。桜井はアコギを持ったまま、聞き覚えのあるフレーズを‥‥おお、頭から"I'll be"かよ! しかもアルバムバージョン。セットリストは既に知っていたのだけど、やはりこうやっていざ直面すると、やはり我を失いかけるよ。今日の桜井は青いTシャツの上に同じ色のシャツを羽織っている。下はいつもの黒皮パン。この日の幕張は開演前から曇りだし、今にも雨が降りそうな感じだった。まだ日は完全に落ちていないものの、今にも暗くなりそうな空気の中で聴く"I'll be"に、思わず涙しそうになる‥‥いきなりかよ、俺(苦笑)。観客もド頭から大騒ぎしたかったに違いないだろう‥‥けど、いきなりこんな鬼気迫る演奏を聴かされて、言葉も出ないようだ(って俺もだけど)。

  続いて同じ「DISCOVERY」から"ラララ"を披露。これまでの3曲は前回のツアー「Q」では演奏されなかったものばかり。2年振りとはいえ、何か前とは別の曲を聴いてるような感じがする。やはり室内と野外の違いだろうか? こういうポップでフォーキーな曲は、野外の方が合ってる気がする。当然エンディングでは大合唱となる。今日の桜井、笑顔が素敵だ。

  少しの間を置いてから、あの流れるようなスライドギターの音色が‥‥何と、ファーストシングル"君がいた夏"だ‥‥確か最後にプレイしたのは前回の夏ツアー「空」以来だから‥‥丁度6年振り、「深海」以降は演奏してないことになる。こういう曲を(例えそれがベスト盤のプロモーションとはいえ)サラリと、しかも笑顔で楽しそうに演奏してしまう今のミスチル、恐るべし。とにかく桜井の笑顔が眩しすぎる。この曲辺りからようやくスクリーンに桜井のアップが映されるようになったのだが、みんな桜井のアップになると「キャー♪」だもん。判るよ、その気持ち(笑)。

  続けて初期の名曲"LOVE"の登場。いいのか、ここまで勿体ぶらずに披露しちまって!?って位に笑顔。この曲辺りになると、お約束ともいえる「動き」(手扇とか)があるのだけど、どうもいまいち客の動きに統一感がない‥‥要するに、ベスト盤以降、或いは「DISCOVERY」以降のファンが多く詰めかけたってことだろうか? いろんな意味で旧曲での客のリアクションが新鮮だった。

  そしてベスト盤から初期名曲3連発の"星になれたら"。アコギを置いた桜井は、右へ左へと動きまくる。走りながら唄うもんだから、そりゃ息も上がる。けど、今日の桜井も別段コンディションが悪いとは感じない。むしろここ最近の「調子良さ」が続いてるように思える。さすがに初期のポップな歌が続くので、笑顔も絶えない。ひたちなかでの狂気じみた表情が嘘のように‥‥

  ここにきて、ようやくMCが。「今日は日が暮れるのがいつもより早かったので、みんなの表情がちゃんと把握できてなくて、どういう感じになるんだろうと思ってましたが‥‥大体把握できました(笑)。ちょっと手を抜いていこうと思います(笑)」要するに、客のリアクションが思った以上だったので、あんまり熱くやらなくてもいいよね?って意味だろう。そしてこの日の模様もビデオシューティングしているそうだ。「インターネットの、覗きページにアップして‥‥おっと、下品な話をしてしまいました(笑)」とギャグをかました後に「何らかの形で発表されると思う」と言っていたので、前回のツアー「Q」同様、ビデオ&DVDとして年末辺りにリリースされる可能性大だ。初期の曲のライヴ音源って意外と少ないから、これは喜ばしい限りだ。

  そしてMCに続いて、静かめの曲が続けて演奏された。セカンドアルバム「KIND OF LOVE」からのバラード2曲、"車の中でかくれてキスをしよう"と"抱きしめたい"だ。特に前者は'97年2月に横浜アリーナで聴いて以来だったので、とにかく嬉しかった。あの頃の「力尽きつつある桜井」によるものと今の桜井が唄うものとでは、全く印象が違った。全てを包み込むような包容力‥‥あの頃の桜井に足りなかったもの、それはこれだったのかもしれない。そしてそれは、同じく"抱きしめたい"でも感じたことだ。前回(2月)に聴いた時よりも、ずっと優しい空気感がステージ上にはあったような気がする。とにかくこの2曲で、完全にオーディエンスの心を掴んでしまったようだ。

  バラード2曲が終わり、再び照明が消え、場内にインダストリアル風効果音が流れる‥‥そしてそれがカメラのシャッターを切る音に変わっていく‥‥アルバム「Atomic Heart」冒頭を飾るS.E."Printing"だ‥‥ということは‥‥あのエフェクトがかかりまくった、印象的なリフが静寂を切り裂く。そう、"Dance Dance Dance"だ。ドラムが入るところでパイロ(花火)が上がる。おお、今回のツアーはマジで大がかりだ。いつの間にか羽織っていたシャツを脱いだ桜井は、ここでも右へ左へと大忙し。「今夜もひとりLonely Play」という歌詞の所では、マイクを股間に当て、アレに見立てて擦りまくる(笑)‥‥キャーキャー騒ぐ婦女子達‥‥って俺もだが(笑)ってこれ、ツアー「DISCOVERY」でもやってたの、こないだのDVDを観て初めて気づいた。

  そして勢いをそのまま引き継ぎつつ、同アルバムから"Round About ~孤独の肖像~"へ。ドーム公演以来だから、4年半振りの演奏か? ソロパートが本来サックスなのだけど、上手いことキーボードで対応していた。けど、この曲の時だけ反応が弱かった気がしたのは、俺だけだろうか? 今回のツアー、ベスト盤に伴うものだけど、内容としてはそれオンリーというわけではなく、むしろミスチルの10年を総括するような内容となっている。だから演奏されないシングルヒットもあれば、アルバム中の隠れた名曲も登場する。ベスト盤からの新規ファンが多いこともあるのだろうか? それにしても、最大ヒット作からの楽曲なのに‥‥まぁ俺はひとりノリノリだったが(隣にいた友人に呆れられたが/笑)。

  ここで再び照明が消え、S.E.が流れ始める。スクリーンにも何か薄暗い映像が映し出される。映っていたのは海の中のようだ。そして聞き覚えのあるバイオリンの音色‥‥ここから「ダーク・サイド・オブ・ミスチル」に突入というわけだ。CGは海の中を泳ぐシーラカンスが映し出され(ツアー「regress or progress」とは異なる映像)、そのシーラカンスに導かれるように、後ろには先程の恐竜の骨が‥‥青白い照明がステージを包み、あの印象的なアコギのコードストロークが‥‥アルバム「深海」メドレーのスタートだ。まずは"シーラカンス"。ひたちなかで聴いた時のような衝撃はそれ程感じなかったが(免疫がついてしまったのだろうか)、スクリーンに映し出される桜井の表情はやはり鬼気迫るものがあった。しかもそれが白黒なもんだから余計だ。田原のギターが、ひたちなかの時よりも前々良かった。そういえば桜井、この曲でも歌詞間違えてたっけ‥‥さすがにシリアスな曲だから、笑って誤魔化すこともできず、新しい歌詞が誕生してたような‥‥(苦笑)。

  アルバム同様、エンディングをギターとピアノで引っ張り、そのまま"手紙"へと繋ぐ。歌詞を噛みしめながら唄っていると、ふと涙が‥‥まさかこの曲で泣くことになろうとは‥‥何か、ググッとキたんだよなぁ、何故かは判らないけど。俺の席の周りでは、この曲は大好評だったらしく、女の子も男の子も皆唄っていたのが印象的だった。曲が終わった時の拍手も盛大なものだったと記憶している。
  ピンと張りつめた空気を切り裂くかのようにJENのドラムがスタートし、その上に桜井がアコギを被せる。ひたちなか同様、"マシンガンをぶっ放せ"だ。この曲の時は後半、スクリーンに風刺的アニメが流され、それまでとはちょっと違った空気を放っていた。そして最後のサビの時には歌詞がスクロールして、更にその空気感を強調していた。前半のピースフルな流れがまるで夢だったかのように(そういえば、ここで引いてる若い女の子が多かった気が)。

  この後"ニシエヒガシエ"~"光の射す方へ"という、まんま「ROCK IN JAPAN FES.」と同じ流れが続く。特に目新しい要素はなく、せいぜい"光の射す方へ"ラストの花火くらいだろうか? ここまでの5曲の流れだけで言ったら、個人的にはひたちなかの方が上だったように思う。

  そして「深海」メドレー(間にそれ以外の曲も挟んだが)最後を飾るのは、"深海"。個人的にはアルバム中それ程印象に残った方ではないのだが、こうやって楽曲単体として聴いてみると、やはりいいんだわ。特に後半の盛り上がるパートにくると、何かこう、ググッとくるものがあった。ドームで最後に聴いた時とは全く別次元の感動がそこにはあった。曲が終わるとオーディエンス、大拍手。きっと初めてこれらの曲を聴いた人も多いんじゃなかろうか?

  曲が終わってもキーボードとギターが怪しい和音を奏で続ける。そして、ひたちなかでも3万人を湧かした、あのピアノのフレーズが‥‥"Tomorrow never knows"である。当然ここマリンスタジアムでも大歓声が上がる。そしてイントロのリズムに対して、あの手拍子‥‥それだけはやめてくれ(怒)。しかし、さすがに桜井が唄い出すとみんな聞き入ったのか、自然と静かになる。活動休止前の「痛みを伴った表現方法」もググッとくるものがあったが、やはりそれら全てを踏み越えた今の方がより説得力がある。自然と目頭が熱くなりやがる‥‥畜生。事前にひたちなかのレポートを読んでいた友人は、俺の顔を覗き込んでニヤニヤしてやがる(苦笑)。やっぱり何時聴いても名曲だと思う。300万枚近いセールスは、決して伊達じゃないと思う。上昇気流が後押しした結果とはいえ、それだけじゃこんな数字は出せないはずだ。ロックとかポップとか、そういう次元を超越した単純に「いい曲」‥‥それで十分じゃないか?

  エンディングから続くように、あの印象的なゴスペル隊のコーラスが‥‥"hallelujah"だ。いよいよクライマックスに突入。スクリーンに教会のステンドグラスのようなカラフルな画像が映され、神聖な空気が流れ始める。前回のツアーでは半音下げだったが、今回はノーマルチューニング。かなりキーの高い曲だが、そこまで辛そうな印象は受けなかった。前回のツアーで聴いた時よりも、ずっとずっとググッとくるものがあった。何もそれはチューニングだけのせいではないだろう。新曲も初期の曲も同じ視点で表現しようとする今回のツアーだからこそ、成せた結果なのかもしれない。2月に観た時は全然だった後半のオーディエンスによるコーラスワークも、今回はバッチリだった。「Q」から演奏されたのはこの曲だけだったが、そこに他意はないだろう。「Q」は前回散々やったから。問題は次のアルバムに伴うツアーだ。あのアルバムの曲をどのように散りばめるのか、そして来るべき新作はどういう作風になるのか、非常に気になるところだ。

  エンディングパートの「はっ、はれっ、はれっ、はれぇ~るぅ~」ってコーラスを観客に唄わせ、その上に「負けないようにぃ~/枯れないようにぃ~」と"花"のサビの歌詞を乗せていく。なるほど、開場前にリハしてたのはこのパートだったのか‥‥遊びじゃなかったわけね?(苦笑)するとスクリーンいっぱいに向日葵の花が映し出され、天井にあった恐竜の頭蓋骨がパカッと口を開き、更にもうひとつ中にあった口もクロスするように開き、それがまるで花びらのように十字を描く。そう、恐竜は最後に花へと変わった。中からは赤い光を放つ‥‥冒頭で書いた通り、俺の読みが当たったのだった。というわけで、本編最後の曲は"花"のリアレンジバージョンだ。前回ひたちなかで聴いた時はパッとしなかったが、その後シングルを何度も聴く内に、次第にその新鮮さに惹かれていき、改めてこの日ライヴで聴くと、完全にそのアレンジにハマっていた。"hallelujah"からの流れというのも一因だろう。歌そのものから凄いパワーを感じた。ただ、これでエンディングってのもちょっと‥‥って感じたことも付け加えておこう。ミスチルって本編ラストに、それっぽくない曲を選ぶことが多いんだよなぁ(過去にも"CROSS ROAD"や"Tomorrow never knows"で終わるツアーがあった)。

  一旦メンバーは袖へ引っ込む。この時点で丁度2時間。まだまだやるだろ、ミスチルさんよぉ‥‥ってことで、アンコールを求める手拍子が延々続く。「お祭り」のような特別なツアー。いつもアンコールは淡泊なミスチルも、今回ばかりはサービスしてくれるに違いない。

  数分後、メンバーが再び現れる。桜井は「それじゃあ気持ちも新たに行きますか!」って気合いを入れ直そうとすると‥‥虫が桜井を襲う(笑)。それを払い除ける。会場大爆笑。「こういうのが野外の醍醐味なんですけど(笑)」と言い訳。確かにあんなに焦った桜井はそう見れないだろう(笑)。

  気合いを再び入れ直してアンコールに突入。まずはお祭りソング"everybody goes"。お約束の如く、イントロのリズムインの瞬間にパイロがドカン! もう大騒ぎ。この曲も前回のツアーでプレイされていたが、今回の方が全然いい。昔みたいに気合いの入ったこの曲も好きだが、今回みたいに肩の力が抜けた、単純に楽しみながらプレイするのもまたいい。中間のブレイク部(ソロ導入前)で曲調が変わり、メンバー紹介に突入。メンバーひとりひとりを紹介すると、その人のソロプレイに突入。その際にスクリーンに「踊る大走査線」や「エヴァンゲリオン」ばりに「桜井和寿」が画面左縁縦書き、「vocal」が画面下縁横書きで垂直を描く。しかも明朝体で(笑)。マイブームなんでしょうか? にしても5年位出遅れてるような気が‥‥(苦笑)サポートメンバーの後にミスチル各メンバー、最後に桜井。そのままギターソロに突入。悲しいかな、田原よりも桜井の方がギタリスト然としてるんだよなぁ‥‥頑張れ、田原!(涙)

  そのまま続けて、JENがカウント。あの印象的なギターフレーズ‥‥久し振りの"innocent world"だ! この時ばかりはみんな大興奮。桜井はステージ左側に駆け寄る。そして1コーラス全てをオーディエンスに唄わせる。完璧に唄いきるオーディエンス(!)、そして俺(笑)。ツアー「DISCOVERY」の時も同じことやってたが、今回の方が客の数が倍以上いるせいか、より鳥肌モンだった。2番から桜井が唄うが、やはりどこか余裕がある。この曲がリリースされた頃は、あんなにも辛そうに唄っていたキーが高いこの曲も、今の桜井にとっては「楽しく唄える曲」へと変わっている。いや、桜井が変わった(成長した)のか‥‥やっぱりいつ聴いても心にググッとくるなぁ‥‥涙こそ流さなかったが、心に染みた。気付けば、友人も唄ってるし(笑)。

  ここで一旦サポートの3人が袖に引っ込み、桜井がアコギ、田原がエレキ、中川がベース、そしてJENが前に出てきて踊る(爆)。鶴のように構えてから、何やら拳法のようなアクションを取る。オーディエンスだけでなく、メンバーもツボに入ったようで大爆笑。暫くして桜井が語る。「これから演奏する曲は、アルバムに入ってない、シングルのカップリング曲です。一般的にカップリング曲やB面曲って『捨て曲』と呼ばれてるんですが‥‥はっきり言って、ミスチルには『捨て曲』は1曲もありません!」そう言い切って、ミスチルのメンバーだけで演奏されたのは、シングル「光の射す方へ」c/w曲"独り言"だ。勿論、ライヴで演奏するのは初めて。イントロのハーモニカをJENが吹き、大歓声。オリジナルの音源は、'70年代のストーンズを彷彿させるアーシーなナンバーだったが、ここでは完全に「ミスチル以外の何ものでもない楽曲」になっていた。演奏も、コーラスも全て4人で。ツアー「Atomic Heart」での"ロード・アイ・ミス・ユー"もたった4人で演奏してたっけ。ある意味「初心忘れるべからず」的ナンバーなのかもしれない。だって、普段コーラス取らない田原も唄ってたし(笑)。

  「最後に、できたばかりの新曲を披露します」といってスタートしたのは、数日前にリリースされたばかりの"優しい歌"だった。CDではストリングスからスタートするが、ライヴでは浦の弾くアコーディオンが代わりを果たす。逆にこっちの方が素朴な感じがして、いいんじゃないかな? 次のアルバムに入れるなら、是非アコーディオン・バージョンで! そして歌が始まると‥‥スクリーンに下から上へと歌詞がスクロールしていく。歌詞を目にしながら口ずさむと‥‥何故か知らないけど、頬を伝うものが‥‥桜井自身の決意表明であるこの曲が、何故か今の俺とシンクロしてしまった。すっげー伝わったよ。古くからのファンには賛否両論のようだが(つうか「自称・古くからのファン」って結局、活動再開後のミスチルを認めたくないだけじゃないの?)、俺には十分すぎる位に伝わった。たった3分ちょっとの曲はすぐに終わったしまった。嗚呼、また夏が終わった‥‥最後は天に向かって打ち上げ花火が連発される。「また夏が終わる/もうさよならだね」‥‥"君がいた夏"じゃないが、本当に俺の夏はこの曲で終わっていった。


  結局時間にして2時間半ちょっとだったが、曲数にして23曲。しかし曲数以上に濃い内容だった。ベスト盤を受けてのツアーということだったが、結局はベストから半分、各オリジナルアルバムから半分といった感じで、単純に「グレイテスト・ヒッツ」ツアー以上のものを見せてもらった。ショウとしてのスケールは6年前のスタジアムツアー「空」に匹敵する、或いはそれ以上のものだったし、選曲もシングルとアルバムの隠れた名曲・人気曲とのバランスが絶妙だったように思う。残念ながら「BOLERO」からは1曲も選出されなかった("everybody goes"と"Tomorrow never knows"を収録曲と見ることもできるが、敢えてシングル以外の曲を演奏して欲しかった)。「深海」からあれだけやったんだから‥‥って気持ちもあるが、この流れに"タイムマシーンに乗って"は入れにくいかもしれない。今後二度と演奏されないかも‥‥とアルバムレビューで語っていただけに、やはり実際に無視されると悲しくなる。好きなアルバムだけに。

  今回のツアーは「これまでの10年を総括する」という意味だけではなく、「これまでのミスチルをリセットする」という意味も含まれている。確か前回の夏ツアー「空」の時もそういうコンセプトがあったはずだ(「空(くう)」は「空(から)」とも読める)。そうしてリセットした結果が「深海」「BOLERO」だったわけだが、さて、今回のリセットはどういう作品を生み出すのだろうか? 既に新曲がバンバン出来上がってるようで、その第1弾が"優しい歌"だったわけだが‥‥今後暫く、それらの新曲をこまめにシングルとして切っていくそうだ。まずは年末~年始辺りにもう1枚リリースされるという次の新曲に期待だ。

  今回のツアー、ミスチルを観たことない人にこそ観て欲しい内容だと思う。関東ではまだ横浜スタジアム公演(9/15&16)が残ってるので、チャンスがあったら是非足を運んで欲しい。ここ数回のツアーの中でも、最も「楽しさ」に重点を置いたライヴになっているから。きっとみんな、あの桜井の笑顔にやられるはずだから(笑)。


[SETLIST]
01. 花(vocal, acoustic guitar & synth. only)
02. I'll be
03. ラララ
04. 君がいた夏
05. LOVE
06. 星になれたら
07. 車の中でかくれてキスをしよう
08. 抱きしめたい
09. Printing ~ Dance Dance Dance
10. Round About ~孤独の肖像~
11. Dive ~ シーラカンス
12. 手紙
13. マシンガンをぶっ放せ
14. ニシエヒガシエ
15. 光の射す方へ
16. 深海
17. Tomorrow never knows
18. Hallelujah
19. 花(2001 version)
---encore---
20. everybody goes-秩序のない現代にドロップキック-
21. innocent world
22. 独り言
23. 優しい歌



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▼Mr.Children『Mr.Children 1996-2000』
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投稿: 2001 08 31 12:00 午前 [2001年のライブ, Mr.Children] | 固定リンク

2001/08/19

「ROCK IN JAPAN FESTIVAL '01」DAY 3@茨城・国営ひたち海浜公園(2001年8月5日)

  さあ、丁度2週間遅れで順調に(苦笑)アップされていく「ひたちなか」フェスレポートも、いよいよ最終回。今年は運良く2つのフェス(フジロックとこれ)に足を運ぶことができ、非常に幸運だったと言えます。これを書いている丁度今も、千葉と大阪では同時にサマソニが行われ、今朝にはエゾロックも無事終了したようです。今年はどのフェスもいろいろと課題点を残したようですが、来年は更に素晴らしい、世界に誇れるフェスを沢山我々に提供して欲しいものです。


◎LOVE PSYCHEDELICO (at GRASS STAGE)

  昨年デビュー、今年1月のファーストアルバムがいきなりミリオンを達成し、「グレイテスト・ホープ」なのか「~ハイプ」なのか‥‥いろんな意味で話題のデリコ。さて、ステージではどういったものを我々に提示してくれるのやら‥‥

  ジョン・レノンの"Give Peace A Chance"という、如何にもなS.E.に乗せメンバーが登場。ボーカルとギター以外は全てサポートメンバー。キーボード&ギターの人は、どうやらニール&イライザの人らしい(後で聞いた話だが)。他にはベースとドラム。意外とシンプルな編成。で、出す音もこれでもか?って位にシンプル。いきなり最新シングル"FREE WORLD"からスタート。みんな手を上に手拍子。ボーカルもアルバムと同様、非常に英語っぽい日本語で唄う。思ったよりも骨太なロックンロールなのね? アルバムからは「胡散臭いレニクラ」っていう印象を受けたが(いや、レニクラも十分胡散臭いのだけど、いい意味で)、ステージは骨太でシンプル、かなりパワフルなイメージで、時々シェリル・クロウなんかを思い浮かべた。その印象を確信に変えたのは、続くカヴァー曲"LIKE A ROLLING STONE"だろう。ディランというよりも、ストーンズがカヴァーしたアレンジに比較的近いかも。その後も帰国子女っぽい!?MCを挟みつつ、アルバムからのチューンやヒットシングルを披露。思ってたよりも好印象だった。

  先のS.E.とイメージがダブる"A DAY FOR YOU"でしっとりとステージは終了。アルバム1枚しか出してないグループにしては上出来と言っていい内容だったと思う。どっちかっていうと野外よりもクラブとかで観た方が好印象かな?と最初思ってたものの、こういった開放的な空間でこそ活きてくるライヴアクトだった。ミリオンアーティストやそれに近い存在(BUMP OF CHICKEN)が各日のオープニングを飾るってのは、かなり豪華だ。こんなフェス、海外を探してもそうはないだろう。また積極的に観たいかと問われれば返答に困ってしまうが、まぁ1回は観ておきたかったバンドなので、これで良しとしよう。


01. FREE WORLD
02. LIKE A ROLLING STONE (cover of BOB DYLAN)
03. I MEAN LOVE ME
04. I MISS YOU
05. YOUR SONG
06. LOW
07. ノスタルジック '69
08. "O"
09. LADY MADONNA
10. LAST SMILE
11. A DAY FOR YOU


◎GRAPEVINE (at GRASS STAGE)

  つうわけで、定刻通りにメンバーがステージに現れる。先日ベーシストでリーダーの西原が腱鞘炎悪化の為、バンドを離脱~一時休業を発表した後の初ツアー。西原を欠いた後に発表した「CIRCULATOR」がこれまた大傑作ということもあって、否が応でも期待してしまう。あのアルバムでの「男気ロック」をこの大舞台でどれだけ表現することができるのか‥‥サポートのベーシストとキーボーディストを含めた5人が揃い、まず最初に新作からの先行シングルのひとつ"discord"からスタート。アルバムよりも柔らかいイメージの演奏。もっとゴツゴツしたもんだと思ってたが、想像とは違いちょっとだけ肩すかし。けど、彼らはこんなもんじゃなかった。

  基本的には先日の新作「CIRCULATOR」を中心に進められ、それ以外の曲はその新作収録のシングルカップリング曲という「全編新曲」オンリーの、挑発的なステージ‥‥びっくりしたことに、ヒットシングル"スロウ"や"羽根"、"光について"といったオイシイ曲は完全に排除された、本気汁100%の「男気ロック」路線だった。田中は何度も曲の合間に「気持ちえぇ~♪ ここ、めっちゃ気持ちえぇ~!」と叫ぶ。相当このシチュエーション、そしてステージを気に入ったらしい。終始笑顔だ。後半ではTシャツも脱いで上半身裸でギターを掻きむしっていた程だ。

  やっぱりライヴで聴いても"風待ち"は名曲以外の何ものでもなかった。ググッときた。この感覚‥‥アルバムを聴いていた時点でも思っていたが、やはりそうだ。このバンド、OCEAN COLOUR SCENEと同じ空気を感じる。特にそう感じさせたのは、圧巻だったヘヴィブルーズ3連発("アルカイック"~"パブロフドッグとハムスター"~"壁の星")だろう。「暑苦しくてゴメンな」と田中が言ってた通り、この選曲は野外、いや、フェス向きとは言い難い。しかし、それでも自信を持って連発するってのは今のバンドの好調振りと揺るぎない自信の表れではないだろうか。2番手でこんな冒険、普通のバンドならしないだろう。実際、この辺から後ろへと戻っていく客も多く見受けられたし、つまらなそうにしてる客も少なくなかった。失敗と取ることもできるが、俺は田中の歌から目を、耳を離すことができなかった。言い過ぎだが、スティーヴ・マリオットを彷彿とさせるソウルフルな歌声に、シビレていた。あの細い身体からこんなに太い声を出すんだから‥‥

  後半は比較的ノリのいい曲を並べて、最後もやはり新作からの"B.D.S."で幕を閉じた。ここまでくると頭が下がる思いだ。「アルバムの方がよかった」という声もちらほら聞こえ賛否両論のようだが、俺は彼らを支持したいと思う。


01. discord
02. きみが嫌い
03. 風待ち
04. アルカイック
05. パブロフドッグとハムスター
06. 壁の星
07. (All the young) Yellow
08. So.
09. HEAD
10. B.D.S.


◎GO!GO!7188 (at LAKE STAGE)

  お堅いロックファンからは小馬鹿にされることの多いGO!GO!7188だが、俺はかなり気に入っていて、アルバムは現在に至るまで愛聴している程だ(ちなみに、ひたちなかに向かう車の中でもエンドレス状態で「蛇足歩行」を回していた)。昨年デビュー組の中では、RIZEと共に大プッシュしていたのだが‥‥

  メンバー3人がステージに登場し、適当に楽器を鳴らしていると、それがそのままインストナンバーへと続いていく。そしてそれはオープニング曲"ロック"へと続く。ユミとアッコのツインボーカルともいえるハーモニーがバシバシ決まる。そういえば‥‥1年前はまだ垢抜けてなかった彼女達も、気づけば二人共金髪やらになっていて‥‥(笑)

  MCや曲紹介はベースのアッコがするようで、間髪入れずにあの曲名が叫ばれる‥‥そう、"ジェットにんぢん"だ(笑)。きっと、この曲で引いちゃう人が多かったんだろうな。俺は逆で、これでバカ笑いしながら絶賛したんだけど。最後のオチ(「ジッタリン・ジン」)もオーディエンスみんなが大合唱(爆)。いや~、馬鹿馬鹿しくてよろしい!

  この日は未発表の新曲も幾つか披露され、その中でも新境地ともいえるナンバー"考え事"がかなりよかった。オープニングとエンディングをアッコが唄い、それに応えるようにユミが唄うといったバラードナンバーで、とっても切ない曲だ。ちょっとホロッときてしまった(苦笑)。

  考えてみれば、この日はファーストからのヒット曲"こいのうた"も、夏にピッタリな"太陽"も演らなかった。勿体ない‥‥とは思うものの、新曲をバンバンやるってことは、既に彼女達は次のフェイズに向かって走り始めているってことなのかもしれない。それは最新シングル"あぁ青春"からも伺えた。思っていた以上にゴツゴツとした音を出すバンドへと成長していて、ある意味この日俺が観たバンドの中では一番硬派な音をしていたかも‥‥また観たい。純粋にそう思った。セカンドアルバム次第でどんどん化けていくバンドだろうな‥‥是非次のアルバムが出たら、単独公演を観たいな♪


01. ロック
02. ジェットにんぢん
03. 行方不明
04. 考え事(新曲)
05. とかげ3号(新曲)
06. あぁ青春
07. 文具
08. パンク


◎In the Soup (at LAKE STAGE)

  選曲等は前回の野音+αといった感じなので、聴き覚えのある曲が並び、前回よりも安心して観ることができた。ファンも大勢前へ駆けつけ、かなりいい感じだった。それにしても、ボーカルの中尾は本当にソウルフルでいい声してるなぁ‥‥

  MCがこの日はバシバシ決まっていて、かなりの笑いを誘っていて好印象。「今日の僕達は3~4車線の高速道路だ。意味は家に帰ってから考えればいい」とか(笑)。で、圧巻だったのはやはり"グリーングリーン"のパンクバージョン。アドリブが続出、それが上手い具合に大ウケ、野音での悪夢が嘘のようだ。コールアンドレスポンスも感動する位に上手くいってたし、中尾も興奮して「何やってもいいよ」とか言ってステージを下りて、スタンディングエリアの後方まで走り回るし(!)。その後、「殺気を覚えたよ」といって戻る。最後はもうじきリリースされる(野音でもエンディングだった)"檸檬~レモン~"で頂点に。いやぁ~、俺。こいつらマジで気に入った! アルバム出たら買うよ。いや、シングルとりあえず買うってば。今度は単独公演ですな。10月の野音、行けるかなぁ‥‥


01. イタイ×イタイ
02. 針の山
03. ホライズン
04. 存在の証明
05. 風の子
06. 東京野球
07. グリーングリーン
08. 檸檬~レモン~


◎POLYSICS (at LAKE STAGE)

  一昨年のフジロック3日目に出演。ホワイトステージ1発目だったこともあって、俺は観れなかったが‥‥ずっと観たかったんだよね♪

  マーチングバンドのよく耳にする曲が流れる中、メンバー4人がでっかい「POLY」のロゴの入った旗を持って行進しながら入場(笑)、この時点で爆笑の渦。ギター&ボーカルのハヤシがホイッスルを吹いて、全体止まれ(笑)。旗をスタッフに預け(しかもスタッフの彼氏、ライヴ終了までその旗を持ったままステージ後方に立たされっぱなし)、ハイテンションに演奏スタート。かなり懐かしい曲(インディーズ盤から)も交え、1曲目が終わった時点で「いくぞ!残り12曲!!」って笑いも欠かさない。途中、ハヤシがMCを取り始めると、全員が同時にMCを始める(爆)。こりゃ狂気の沙汰だ‥‥マジ腹抱えて笑わせてもらった。昔はよくこのネタ、やってたみたいだね? さすがにもう食パンは投げないようだが(苦笑)、演奏や楽曲はポップで親しみやすく、それ以外では笑いが絶えない。こんなにエンターテイメント色が強いバンドだとは‥‥

  後半、シンセのカヨがTHE KNACKの"My Sharona"のカヴァーを唄ったりなど、最後まで全く飽きさせない内容で、本当にこいつら13曲もやったの!?って疑ったくらい、あっという間に終わってしまった。お客も大絶賛&大爆笑だった。ここまでのレイク3連発、大当たり!


01. T RIANGLE
02. URGE ON!!
03. NEW WAVE JACKET
04. GOOD
05. KASUGAI
06. Pike
07. My Sharona
08. Poly-Farm
09. XCT
10. MS 17
11. AT AT
12. go ahead now!
13. Hot Stuff


◎エレファントカシマシ (at GRASS STAGE)

  昨年から引き続き連続出演となるエレカシ。フェスで観るエレカシ、一体どうなるのやら‥‥意外と俺は、フジロックのグリーンステージにも合ってると思うのだけど‥‥

  メンバーはいつも通り、勿体ぶらずに登場。宮本はのっけから「オ~イェ~ッ!」と煽る。そしてカウントが入り、いきなり"ガストロンジャー"だ。彼らを知らない人でも、この曲に惹き付けられたらしく、スタート直後に後方から前へと客が駆け寄る。俺はかなり前の方で観てたのだが、宮本は調子良さそうな感じだった。前日、仙台のフェスにも出演していたそうだけど、その疲れは感じさせない。まだ1曲目だというのに、既に宮本、石くんいじりが始まる(笑)。シャツ脱がされてます、蹴り入れられてます、羽交い締めにされてます‥‥(涙)

  続けざまに、音源としては未発表(?)のライヴ定番曲"夢をみようぜ"に突入。初めて聴くのだが、初期エレカシらしい、ストレートでアップテンポなナンバー。珍しく石くんがコーラスを取っている。「いつも同じことばっかりやってんじゃねぇよ!アドリブがきかねぇんだよ!!」と宮本に叱られる一面も(苦笑)。嗚呼、石くん‥‥

  宮本の「僕ら、もう20年選手なんですけどね‥‥」てなMCに続いて、なぁ~んとサードアルバムから"夢のちまた"が!! よくこんな曲をアルバムのトップに持ってきたもんだ‥‥端から市場のこととか考えてないんじゃないだろうか、この男‥‥(苦笑)それにしても‥‥名曲には違いない。すっげぇ‥‥ため息しか出ない。そこから前のゼップツアーでもやってた"孤独な旅人"~"悲しみの果て"へと続く。

  トミのカウベルでのカウントで、次の曲の想像がついた‥‥今回も聴けるのか、"デーデ"だよ! 前回聴いた時よりも演奏はまとまっていた。やっぱり初期のハードコアな曲はググッとくるね。そしてアルバム通り、間髪入れずに"星の砂"へ‥‥!!! 俺、この時点で衝天してました(笑)。7月の野音ライヴでのセットリストに比較的近い選曲だけど、あれ観てない身分としては、大興奮。石くん、ここでもコーラスやってました(そうえいば、曲終了後に宮本「"星娘"でした」って言ってたけど‥‥それって西郷輝彦の曲じゃ‥‥/苦笑)。

  フェスだろうが何だろうが、宮本マイペース。相変わらずMC長い。けど、やはりフェスってことだろうか、「‥‥ってつまらないですか?」と気を遣う一面も(苦笑)。そして名曲"孤独な太陽"‥‥ここで男泣き(心の中で)。夕焼け空にまたピッタリなんだわ、この曲。

  続いて"昔の侍"‥‥なのだが、トミが入りを間違える。テープに合わせて演奏する曲だけに(オーケストラパートね)、入りが難しそうだ。宮本に「プロとしてあるまじき行為」となじられ、2回目も危うかったが無事終了。ちょっと冷や冷やもんだった。そして宮本「レディ~ス、アァ~ンド、ジェントルメェ~ン‥‥グッドイブニィ~~ング!」と叫び、前作より"ゴッドファーザー"を披露。カッコイイねぇ、「GOOD MORNING」の楽曲は。初期の攻撃性とはまた違った「攻め」の空気感があるんだよね。そして同作より"武蔵野"。更に新曲"暑中見舞 -憂鬱な午後-"。この曲、絶対にライヴバージョンの方が何百倍も素晴らしい。小林武史プロデュースってことで、一体どうなるんだろうと期待したものだが、出来上がったテイクは正直「うそぉ‥‥」っていう代物だった。先にライヴで聴いてた曲だけに、その仕上がりにかなりガッカリしたものだった。この辺は宮本も気づいているようだが‥‥アルバムは一体どうなることやら‥‥11月にツアーがあるってことは、その辺にアルバム、又はまたシングルが出るってことだろうからなぁ‥‥ちょっと怖いです、今度のアルバム。

  最後はお約束ともいえる"コールアンドレスポンス"‥‥なのだが、またテープと演奏が噛み合わない。やり直しを命じる宮本。しかし、テープの頭出しに手間取る。手際悪すぎ、今日のスタッフ。痺れを切らした宮本、トミにテープなしで演奏開始することを命じる。結局、コーラスパートや打ち込みパートの一切ない、生々しいバージョンの"コールアンドレスポンス"を体験することとなる。「時間なんて関係ないよな?」と言ってたものの、やはり宮本も人の子。とりあえず時間超過したものの、なんとか終了。はっきり言って、こりゃトリですわ、事実上の。ここで燃え尽きたって人、多かったんじゃないかな? 実際、中村くんを観ないで帰っていく観客の姿を数多く目にしたし(それともそのままギターウルフ観に行ったのかな?)

  1時間ちょっとと、確かにいつもより短いのだけど‥‥それでも内容はかなり濃いもので、これまでに観た3回の中で、一番満足のいくセットリストだった、個人的には。こりゃ、秋のツアーも追っかけるんだろうな、俺‥‥(苦笑)


01. ガストロンジャー
02. 夢を見ようぜ
03. 夢のちまた
04. 孤独な旅人
05. 悲しみの果て
06. デーデ
07. 星の砂
08. 孤独な太陽
09. 昔の侍
10. ゴッドファーザー
11. 武蔵野
12. 暑中見舞-憂鬱な午後-
13. コールアンドレスポンス


◎中村一義 (at GRASS STAGE)

  さぁ、中村くんだ。セットチェンジも30分かからずに、パッパと進められたようだ。すると、千葉県民なら誰でも聴き覚えのある、ある曲が‥‥「ERA」にもシークレットトラックとして収められていた、「千葉テレビ」の放送開始時&終了時に流れる、あの曲がステージに流れ始めた(笑)。おお、始まるな‥‥そう思っていると、バンドメンバーが続々とステージ上に現れる。最後にペットボトルを持った中村一義が登場。少々緊張気味の中村くん、ステージから観客を見渡し、引きつった笑顔で応える。そしてギターを抱えて、あの「4,3,2,1‥‥」というカウントの後に「どぉ~おぉ~、(ドン/バスドラの音)どぉ~おぉ~♪(ドンドン!)」っていう、あの名フレーズが‥‥そう、デビュー曲"犬と猫"からスタートだ! 実は俺と中村くんの間には、ちょっとしたエピソードがあって‥‥って別に知り合いだとかそういうのではない。4年程前、東京の某区に住んでいた頃、よく利用していた近所のCD屋があった。そこの常連が中村くんだったのだ。1度だけ、デビュー前の彼と遭遇したことがある。オーラすら感じさせない、ごく普通の青年だった。「今度デビューするんで、CD買ってあげてね♪」と店長に勧められ、その場で予約購入を約束。その直後にこの"犬と猫"が発表されたのだ。個人的には当時の趣味の範疇ではなかったこともあり、このシングル1枚しか聴いてこなかった‥‥それが昨年、俺の中で一気にブレイクした。そして、今年‥‥まさかこういう形で再会するとは‥‥感慨深いものがある。

  続けざまに新作より"ショートホープ"の「両切りバージョン」(オープニングとエンディングの弾き語りパートをカットした、シングルバージョン)を披露。宅録アーティストと思われがちな彼、こういうライヴ映えするナンバーもいくつも抱えている。勿体ないよな、ライヴやらないなんて‥‥

  ここで、初のMC‥‥「やっと唄えたよぉ~!」思わず吹き出してしまったが、本人や昨年涙を飲んだファンからすれば、感動の一言だっただろう。けど、第一声にそれはないだろう‥‥まぁ中村くんらしくて、微笑ましいが。その後"歌"や、新作からの短いナンバー"グレゴリオ"、そして「4500円」CMでお馴染みの"君ノ声"を間髪入れずに演奏。思ったよりも声が出ていて、最初は確かに緊張を感じさせたが、だんだんリラックスしていったようだ。気持ちよさそうに唄ってたっけ。そりゃそうだろう。生まれてからまだ数本しかライヴをやってない人間が、いきなりこんな大舞台だもの。

  5曲終えた時点で「次の曲で最後です‥‥」‥‥って、おいぃ!(爆)30分で終わりかよ!? セッティングで押したせいだ、エレカシが超過したせいだとか色々言われたが、結局最初っから30分の予定だったらしい。今後、ツアーの予定どころか、全くライヴの予定のない彼。現在既に次のアルバムに向けて作業中ということもあって、ちょっとした息抜きにはなっただろう。最後は現在のニッサン「4500円」CMに使われている未発表の新曲"キャノンボール"(但し仮タイトル)でエンディング。この曲もまだ発売日が決まっておらず、「できたら年内に発表できれば‥‥」ってことらしい。アップテンポの、ポップで親しみやすいメロディーを持った、いかにも中村一義らしいロックナンバーだ。もしかしたら今後、アレンジとか変わるかもしれないが、この時点でもかなりの好印象。早く新しい音源を聴きたいものだ(その前に、俺にはファースト&セカンドアルバムが待っているが)。

  きっと、1年待たされたファンにしてみれば、「1年待たされて、たった30分」という人と「30分でも幸せ♪やっと聴けたわ」という人で意見が分かれるんだろうな。俺は‥‥確かに短いとは思った。トリじゃないだろ、これじゃあ?とも感じた。けど、次に繋ぐ意味では、この物足りなさで丁度いいのかも‥‥なんて思ったりして。とにかく、やっぱり観て正解だった。ますます好きになったかも。


01. 犬と猫
02. ショートホープ(両切りバージョン)
03. 歌
04. グレゴリオ
05. 君ノ声
06. キャノンボール(仮題)


◎総評

  どうしても一番最初にできたフェスということもあり、また俺が唯一何度も経験しているということもあってフジロックと比べてしまうのだが‥‥そりゃ別物だから比較がどれだけ意味があるものかは判らない。けど、学ぶべき箇所は沢山あるはずだ。

  まず、リストバンドの問題。これは昨年よりも弱いことが判明。来年への課題のひとつだろう。更に、出演バンドにアイドル的人気アーティストが多かったことから発生する「場所とり」。1年目のイエモンから既に問題になっているし、特に今年はミスチルが出演した2日目、これが問題になったようだ。大体、場所取りしてるだけで他の音楽には全く興味なし、ってのは出演者やそのファン、更にはスタッフに対しても失礼この上ない。確かにミスチルのようなバンドはそう前で観る機会はないだろう。チケットも取り難いし。けど、フェスにはフェスの常識‥‥「無言の了解」がある。それを守らないと、後々に大きな事故に繋がる恐れだってある。例えば、今年はフェス前に関西で大きな将棋倒しの事故があった。ああいう事故だって十分に考えられる。この辺はファンの意識の問題だから主催者がどれだけ呼びかけようが、どうしようもないのかもしれない。だからといって、そういうファンの多い、人気のあるバンドを呼ばない‥‥なんてのはちょっと違うし。例えば、来年GLAYが出たとしたら‥‥間違いなく、今年と同じようなことやってたら、大きな事故に繋がるだろう。

  それと、外タレ。絶対に呼ばない方がいいって。特にジョンスペは昨年、サマソニでJBが前に演奏することによって、あんな目に合ってるってのに、今年も散々な目にあわされて‥‥これで日本が嫌いになったらどうするの?(苦笑)とてもあの「rockin'on」の仕事とは思えない代物だった。JJ72も可哀想だったよ。

  また、セットチェンジの時間が30分ではやはり短いような気がする。結局後に後にと影響していくんだから‥‥それなら各日出演者数を1つずつ減らして、セッティング時間を40分に延ばし、更に余った時間をそれぞれのアクトに回してやればいい。ファンも納得するだろう。3日間で40アーティスト。確かに多くて魅力的だが、それだけ多ければ、観る側にも負担がかかる。「全部を観ようとするな」とは言われても、やはり観れるだけ観たいと思うのがロックファンの常だろう。そういう心理も判って欲しい。だからこそ、間のインターバルの時間を長めに取って、その分を休憩に回したり、移動の時間に当ててやったらどうだろう。

  勿論、悪い面ばかりではない。トイレの数。まずトイレ前で並ぶなんてことはなかった。それだけ数があったし、フジやサマソニでの混雑が嘘のようだった。しかも、トイレ内が意外と綺麗だったこと。これも声を大にして言っておきたい。スタッフが徹底されているのか、それともファンの意識がフジよりも高いのか‥‥今年のフジはゴミ問題にしろ、例年以上に悪かったようなので、この辺は見習うべきだろう。

  また、ゴミが思ったよりも散らかっていなかったこと。確かに「燃えるゴミ」と「ペットボトル」という風にしか分別されていなかったので面食らったが、それでもタバコのポイ捨てやゴミの散乱は余り見受けられなかった‥‥本当、頻繁に回収されていたようだし。

  サマソニと違って、もの凄く「観る側」の視点で作られているフェスだな、と感じた。この辺はフジやエゾを経験してきた「rockin'on」社員の意見によるものなのだろう。或いは、フジ経験スタッフが多かったのかもしれない。個人的な意見としては、毎年絶対に3日間通して行こうとは思わないが、近場だし、出演者によっては通しで行こうかな?って感じだろうか。けど、間違いなく、日帰りでも必ず1日は行くんだろうな‥‥だって、楽しかったもん。フジとは違う楽しさ‥‥ライヴ以外の娯楽ってのが少ないのだけど、DJブースとか、場合によっては遊園地アトラクションもあるし、カップルで行ったら楽しめるかも‥‥(涙)

  というわけで、来年も行きます。是非このまま、ひたちなかで続けてください。そして、来年はもっと素晴らしいフェスになることを祈って‥‥

投稿: 2001 08 19 04:02 午前 [2001年のライブ, GO!GO!7188, Grapevine, In the Soup, LOVE PSYCHEDELICO, POLYSICS, ROCK IN JAPAN FESTIVAL, エレファントカシマシ, 中村一義] | 固定リンク

2001/08/18

「ROCK IN JAPAN FESTIVAL '01」DAY 2@茨城・国営ひたち海浜公園(2001年8月4日)

  昨年スタートした「rockin'on」社主催の(と思ってたら違って、企画がrockin'on、主催はニッポン放送、運営ディスクガレージとパンフに書いてある)国内アーティスト最大規模のフェス『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』。昨年は2日目が台風に見舞われ、最後まで続けることができなかった(演奏できなかったアーティストは、そこでベールを脱ぐ予定だったAJICOと、生涯初ライヴのはずだった中村一義の2組)。今年は日付を8月中頃から頭に移し、2日間から3日間に延び、「ロックか否か?」と批判的な声が大きかったゆずやミスチルの出演、更に出演アーティストの中には海外のバンドの名前もある。さて、一体どういうことになるのだろうか‥‥

  というわけで、俺が参加した2日目(8/4)と3日目(8/5)をレポートしてみたいと思う。20代最後のライヴという意味では、非常に印象に残る、いいライヴを見せてくれるバンドが多かった‥‥まぁ例の如く、全部いつも通りにやるとなかなか終わらないので(笑)、かなり簡単な紹介になると思うが、そこはご了承を‥‥


◎ゆず (at GRASS STAGE)

  さて、ゆずである。初の生ゆず。つうよりも、そもそも彼らを好意的に受け入れるようになったのは昨年からなので、それ以前の楽曲にも興味があったし、何より先日のドーム公演をたったふたり(歌とギターとハーモニカのみ)で行ったことから、何となくRIJFでも「弾き語り」でやってくれるんじゃないかと密かに期待していた。

  いきなりラジオ体操第一の音楽が流れ始めた時には失笑したが(どうやら、ゆずのライヴ開始前のお約束らしい)、いざステージに北川と岩沢のふたりが登城すると「あぁ、始まるんだ」とワクワクしてくる。やっぱりふたりだけのようだ。岩沢は白Tシャツに「ROCK AND ROLL」タオルを頭に巻き、北川はこの日のために作った「SAKU」Tシャツのパクリ(桜庭選手のオフィTね)で「YUZU」、オリジナルが「39」なのに対し、北川のは「804」という、単に今日の日付の入った、他に使いようのない無駄な(笑)Tシャツに、「フォークデュオ」と書かれた手ぬぐいを頭に巻いている。俺的にはこれで「あり」だった(笑)。

  いきなり北川の軽快なトークからスタートし(笑)俺が知らなかった曲を2曲(恐らく初期の曲だろうか?)披露。両方北川がリード。如何にもフォークソングといった感じだが、悪くない。この炎天下の中聴いてると、ふとそよ風が吹くとそれが心地よく感じられる。もう1曲北川が新作より"シャララン"を唄った後に、今度は岩沢リードでヒット曲"飛べない鳥"を披露。いい曲だとは常々思っていたが、こうやって装飾をできる限り減らした、まさしく歌とギターとハーモニーのみで綴られる歌の世界が、この青空にマッチして気持ちいい。しかも岩沢の声の伸びが抜群に良い。ハスキーな北川とは対照的で、本当に清々しい(前は苦手だったくせに/苦笑)。

  続く"心のままに"ではふたり向き合ってギターをかき鳴らしながらスタートするのだが、北川がミスる。堪えられなくなり、ふたりして笑う。こっちまで笑顔になっちまう。プロとしてあるまじき行為なんだけど、今日は特別。それにしても‥‥この2曲で俺は完全にノックアウト状態。マジ泣けた(実際には泣いてないけど)。

  大の苦手だと思い込んでた"夏色"も気持ちよく聴けたし(前フリの北川トークのお陰もあるかも)、最新シングル"3カウント"も改めて聴くと、やはりいい曲だと感じる。そしてお待ちかねの"嗚呼、青春の日々"。もうこの時点で俺が聴きたかった新作「トビラ」からの曲は全部聴けたようなもんだ。やっぱりこの曲の歌詞は泣ける。男泣きの世界。オープニングじゃなかったら、マジ泣きしてそうな勢い。ホントいい。

  何故か岩沢が"蛍の光"を弾き出し、それに合わせて北川がパチンコ屋の閉店の挨拶の如く、またお近くに寄った際には是非声をかけてやって下さい的トーク(笑)をかます。そして最後にもう1曲‥‥ってことで、ファーストアルバムの"てっぺん"で勢いよく終了。初めて聴いた曲だけど、非常に攻撃的な歌詞だなと感じる。どうしても柔なイメージがあった彼ら、決してここ数年で硬派に鞍替えしたわけではなかった。ストリートからスタートした時点で、彼らは地面から上を睨みつけていたのだ。

  「ロック」と銘打たれたフェスで、しかもミリオンクラスのアーティストが前座をする。そしてやるのはフォーク‥‥これ、3日間通しての出演者の中で、ある意味最も「パンク」だと思うんだけど‥‥彼らの新作にはかなりハードは曲も収録されているし、それはロックの範疇に入るものだと思う。しかし、精神性だけを取ってみれば、その辺のヘヴィロックバンドよりもよっぽど「パンク」だと思う。オフィシャルの掲示板でウダウダ言ってる奴らは、彼らの演奏を観て聴いて、何も感じなかったのだろうか? オープニングから最高のステージを観てしまった。こりゃ濃い2日間になりそうだ‥‥


01. する~
02. 贈る詩
03. シャララン
04. 飛べない鳥
05. 心のままに
06. 夏色
07. 3カウント
08. 嗚呼、青春の日々
09. 蛍の光
10. てっぺん


◎MO'SOME TONEBENDER (at LAKE STAGE)

  フジでは無愛想な印象だった彼らも、今日は熱心なファンに支えられいつも通りの演奏ができたようだ。MCも前回よりも冷たい感じがしなかったし。終わりも唐突な感じがせず、ちゃんと「ありがとう」って言ってたし。何かまた違う一面を観た感じで、興味深かった。

  演奏された楽曲はフジにかなり近い感じ。ただ曲順は全く違っていたし、9月にもうリリースされる新作(しかもメジャーから!)からも2曲披露されていた。曲名はオフィシャルサイトでのBBSで、メンバー自身が書き込んでいたものなので、間違いないはず。

  前回は全く知らない状態で挑んだので衝撃もその分大きかったが、今回は「DAWN ROCK」と「echo」をこの1週間何度も聴き込んだので、なかり余裕を持って楽しむことができた。前回はスタンディングだったので、今回は後方のシート席でまったりと‥‥(笑)

  ただ、レイクステージ出演のアーティスト全般に言えるんだけど‥‥音が悪すぎ。特にこういうバンドにはキツかったんじゃないかな? それを抜きにすれば、かなりいいステージだったと思う。リズム隊がしっかりしてるので、ギター&ボーカルの調子さえよければかなり安定したステージを毎回観せてくれるんじゃないかな? 今度は是非、単独で味わってみたいものだ。


01. FLOWER
02. 9
03. パルス玉
04. PARADE
05. 冷たいコード(新曲)
06. echo
07. 壊れてるよ
08. DAWN ROCK
09. HigH(新曲)


◎PEALOUT (at LAKE STAGE)

  一昨年のフジロック以降‥‥シングル"爆裂世界"以降のPEALOUTはマジで凄いと思っていた。だからずっと観たかったんだけど‥‥チャンスがなかなかなかった。一昨年、昨年とフジには出演してるので、さすがに今年はなかった。フジ直前にズボンズとのカップリングツアーがあったが、それも日程的にきつかったので、諦めた。そしてRIJFに出演と耳にした時、絶対に観てやろうと心に決めていた。

  体力が回復したので、スタンディングエリアに入り、踊る準備をしていたら‥‥いきなり1曲目から"心臓が動き出すとき"だもんなぁ‥‥反則だって! 思いっきり踊り、暴れたさ。それにしても‥‥マジでカッコイイ! 下手なUK勢を聴くよりも、最近はMO'SOME TONEBENDERとかPEALOUTといったバンドを聴いていた方が心地よい‥‥決して日本語だからとか、そういうのは全く関係ない。単純にそのサウンドに惹かれるのだ。

  そして続けざまに、ルースターズのカヴァー"C.M.C."! ルースターズのトリビュートアルバムに収録されていたナンバーをこんなところで、しかも初ライヴで聴けるとは‥‥個人的にここでグッときて、最前ブロックまで進んでしまった(笑)。そのくらい、キてた。当然、サビパートでは拳を振り上げ、唄い叫んだ。

  続いて、10月にリリースされるという新曲"ソウルライダー"が披露。アップテンポの、ニューアルバムの路線に近いポップなメロディーを持ったロックナンバー。続けざまにそのニューアルバムから"JET DESIRE"がプレイされ、ここまでの流れは本当完璧。フェスの掴みとしては完璧じゃなかろうか?

  ちょっとしたMCも挟みつつ(ドラムの高橋が主にしゃべるのだが、「レイク・エンジェルです」ってのはちょっと滑ってました。レイクステージだけに‥‥すかさず「伝わったよ」と近藤のフォローが入ってたのが、ちょっと泣けた/笑)、OASISのカヴァーでもお馴染み、BEATLESの"I AM THE WALRUS"の直線的ビートロックバージョンをプレイ。今までもやってたの? 知らなかったけど、ちょっとこれはこれで好き。考えてみれば、PEALOUTはついこの間まで英語詞で活動してたんだから、こういうカヴァーも当たり前っていえば当たり前なんだわな‥‥なんて妙に納得してみたりして。

  ここで近藤がベースを置き、エレピの前に座る。ギターの岡崎はギブソン・エクスプローラーからフェンダーのプレシジョンベースに持ち変える。ここからはピアノ曲パートのようだ。こうやって後半にまとめてやってくれると、楽器チェンジの無駄な空白が減って、テンションも落とすことはない。お見事。そんなこんんなでニューアルバムから"HEIDI"(そう、「アルプスの少女ハイジ」をイメージした曲だ)。途中で近藤がブルースハープを吹き、テンションは一気に上がる。そこに間髪入れずに名曲"爆裂世界"! 正直、空からの暑さとステージからの熱さで、失禁寸前でした(苦笑)。血管切れそうな程にハイテンション。さっきまでのバテ気味の俺はどこへやら‥‥"FLY HIGH"を挟み、最後に"BEAT FOR YOUR RIGHT"で終了。40分程度のステージだったが、大好きな新作と前作からの曲、そして知ってるカヴァー曲中心に進められたことで、個人的には大満足だった。これならフルステージ観てみたいよ。こんなことなら先月の「激ロック」withズボンズ、観ておけばよかった‥‥(涙)


01. 心臓が動き出すとき
02. C.M.C(cover of ROOSTERZ)
03. ソウルライダー(新曲)
04. JET DESIRE
05. I AM THE WALRUS(cover of BEATLES)
06. HEIDI
07. 爆裂世界~世界に追い越されても~
08. FLY HIGH
09. BEAT FOR YOUR RIGHT


◎SUPERCAR (at GRASS STAGE)

  結局フジでは全く観ることもなく(しかも30分で終わったそうだし)、考えてみれば2年振りに観るスーパーカー。その2年の間にこのバンドも随分と変わったものだ‥‥新曲ではとうとうギターレスだもんなぁ(苦笑)。新作やその周辺のシングル、大好きなだけに今日のステージはとても期待していた(しかも1時間も観れるしね)。

  まずはアルバムオープニングのインスト"Changes"に乗せてメンバーがステージに登場する。メンバー4人の他に、サポートのドラマーが1人。彼がシンセドラムを叩くようだ。そして実質1曲目となったのが、いきなり"White Surf Style 5."! のっけから大歓声‥‥のはずだが、俺の周辺は棒立ち状態。盛り下がってるし‥‥明らかに「場所取り」ですな、民生orミスチルの。責めるつもりはないけど‥‥がっかり。こんなに素晴らしい、テンションの高い演奏や楽曲を突きつけられても、何も感じないなんて‥‥「ロックファン」ではないんだね、君達は‥‥「民生ファン」であり「ミスチルファン」でしかないんだね、きっと‥‥いろんな意味で憤りを感じた瞬間だった。

  基本的にニューアルバム「Futurama」からの楽曲が殆どで、それらがアルバム通り忠実に再現されていく。ドラム2人の意味も、ライヴを通して聴くと妙に納得できた。それにしても、このバンド。いつからMC担当がミキちゃんになったの?(笑)個人的にはそっちの方が嬉しいけど♪ 当然この日も、あの2年前の「悪夢」(苦笑/詳しくは、'99年6月のライヴレポ参照)同様、ミキちゃんコールを飛ばす俺‥‥30目前ですが、全然恥ずかしくはないです。むしろ、前へ前へと積極的です。いいんです、もう引き返せませんから‥‥(涙)

  やはり圧巻だったのは、"Karma"~"FAIRWAY"の流れ、そして新作以外からの"Be"。ギターノイズの渦、カオス状態の中、ステージからひとり、またひとりという風に消えていき、最後に床に置かれたギターだけが残る。正直、スーパーカーごときで(って別にバカにしてたわけじゃないけど)こんなにググッとくるとは思ってもみなかった。これまで俺にとってのスーパーカーはポップな楽曲にミキちゃん、それだけだった(笑)。正直、ギターレスになろうがテクノに走ろうが、曲が親しみやすいものであれば何の文句もない。けど‥‥今日この日のステージは、2年前のあのブリッツ公演を忘れさせるくらいに素晴らしいものだと思った。これは成長なのか、単に変化しただけなのか‥‥自分達にできることしかやってこなかったイメージのある初期と比べて、今の彼らからは試行錯誤だとかチャレンジだとか、そういった「前進したい」という心意気みたいなものを感じる。それが個々のソロ活動だったりDJだったりするのだろう。既に「ロックバンド」という形態をも取っ払って「自分達が気持ちよくなれる、いい曲を作りたい」っていう、至極シンプルな結論に達したのかもしれない。俺はそれを支持するし、今後も見守っていきたいと思う。また機会があったら観たいなぁ‥‥そう思わせるに十分なアクトだった。お見事!


01. Changes
02. White Surf style 5.
03. ReSTARTER
04. Baby Once More
05. Strobolights
06. PLAYSTAR VISTA
07. Seven Front
08. Karma
09. FAIRWAY
10. BE


◎JJ72 (at GRASS STAGE)

  ライヴ開始前に再び渋谷陽一が現れ、「彼らはこのためだけに来日した。イギリスではメディアで大絶賛の新人で、そこら中で引っ張りだこ。そんな彼らに対して暖かい拍手で迎えてあげてください」という、とても日本一売れている音楽雑誌社の社長の発言とは思えないような言葉を耳にして、絶句。しらけることが判ってるなら、何で呼ぶの? 前日のジョンスペだって、散々だったっていう話じゃないか!? そんなくらいなら呼ぶなよ‥‥マジで怒りを覚えた。

  そして、ステージにメンバーが現れる。バンドメンバー3人と、サポートのキーボードひとりの計4人。ボーカルの声の線が細く、それでいてかなり高音。最近、この手のボーカル、多いよな‥‥マニックス云々ってポップをレコード屋で目にしたが、単にプロデューサーが一緒、3人編成って位しか共通項は見受けられない。悪くはないけど‥‥はっきり言って、こんなんじゃアルバム2~3枚で消えるな、そう感じた。よくいる「今年のブライテスト・ホープ」ってやつだろう。しかしここ数年、この手のバンドがどれだけ生き残ってる? MUSEのような力強さ(音楽的にではなく、バンドとしての)を感じさせることもなく、個性のようなものも感じることができなかった。周りが完全に無関心を決め込んでいるという環境も災いしているのだろう‥‥正直、個人的には何の接点も感じられなかったし、今後も必要ないだろうと思った。好きな人には申し訳ないが、こういうバンドばっかりだから、英国ギターロックシーンに面白味を感じられなくなったんだろうなぁ‥‥と何となくそんなことまで考えてしまった。

  それにしても、お客の寒いこと、寒いこと。曲中は完全に棒立ち、曲が終わるとお情け程度の拍手ときたもんだ。曲間、シーンとしてたもんなぁ‥‥声援もなければ、キャーって声もなし。本当、この日一番の静寂を感じたよ。


01. OCTOBER SWIMMER
02. LONG WAY SOUTH
03. SURRENDER
04. FORMULAE
05. SNOW
06. ALGERIA
07. DESERTION (ACOUSTIC VER.)
08. WILLOW
09. OXYGEN
10. BUMBLE BEE


◎BOOM BOOM SATELLITES (at LAKE STAGE)

  今年のフジロック前夜祭にシークレットゲストとして出演し、俺を失望のどん底に陥れたブンブン。そういう噂は耳にしていたが、まさか本当だったとは‥‥行けたのに、前夜祭‥‥ガッカリ。そんななので、やっぱり今日は観ておこうということに。素晴らしいアルバム後のライヴだけに、やっぱりタイミング的にはいいんじゃないかなぁ‥‥

  驚いたことに、彼らのライヴはアルバム以上にロック然としていたこと。つうか、ありゃ完全にロックバンドだよ。下手すりゃヘヴィ系と言われても違和感ないもん。ダンサブルなロックバンドがテクノロジーを導入しました、しかもそれが機能的に上手くいってます‥‥そういうイメージのライヴだった。勿論アルバムからも、そういうロックアプローチを存分に味わうことができたが、こりゃライヴの方が数段素晴らしい。ドラムが素晴らしかったね、特に。ある意味、フュージョン的とも言えなくはないが、それよりはロックだね、ライヴ。

  タテノリもあれば、腰にググッとくるリズムもある。曲間も上手く繋ぎ、間を空かせることがない(この辺がDJ感覚っていうか、ダンスバンドなんだなぁと実感させた瞬間だった)‥‥聴き手を全く飽きさせない。特にキーボード/コンピューター/ベースの中野がよかったなぁ。コンピューターいじってる最中、曲の途中でいきなり前に出てきて踊って暴れて客を煽るし(笑)。何で彼らが海外でウケたのか‥‥その理由が何となく見えた一時だった。薄暗いクラブで踊るのもいいけど、夕焼けバックに野外でこの手の音楽で踊るのも、また気持ちいいね♪


01. SHINKYOKU(新曲)
02. SOLILOQUY
03. DIG THE NEW BREED
04. SINKER
05. PUSH EJECT
06. SCATTERING MONKEY


◎MR.CHILDREN (at GRASS STAGE)

  さぁ、ミスチルですよ、奥さん!(笑)ミスチルがフェスに出演する‥‥それだけで俺はこのRIJF行きを決めたようなもんなんだから‥‥5月中旬の発表後、すぐに振込したもんなぁ(笑)。そのくらい、俺はミスチルがフェスに出演することを熱望していたし、ぴったりだと思っていた。どうせならフジロックに‥‥とも思ったが、まぁそれは現実問題として難しいだろう。エゾロック(RISING SUN ROCK FESTIVAL)だったらまだなきにしもあらずだが。珍しく今年の夏、ミスチルは夏のスタジアム(野外)ツアーを決行している。その一環としての出演ということになるのだが、果たしてセットリストはどういうものになるのだろうか? 先日発売されたばかりの2枚のベスト盤を中心としたものになるのだろうか、それとも「rockin'on」リスナーを意識した「ロック然」としたものになるのか‥‥どっちにしろ「ミスチルなんかロックじゃねぇ」とのさばる輩を黙らせなくてはならない、そう、今日の彼らにはそうした命題が課せられていたのだった。

  予定のスタート時間を30分遅れ(19時スタート予定だったが、実際にはこの日、セッティング等で徐々に徐々にと遅れていき、結果30分押しとなってしまった)、照明が消える。大歓声‥‥真ん中よりはかなり前の方に陣取っていたのだが、後ろを振り返ると‥‥人の海。前の週に苗場で体験したOASISを彷彿とさせる、そんな人混みだった。そして例の如く、後ろから押され、どさくさ紛れにけっこう前の方まで流れていった。メンバーの顔を目視できるポジション。こんな位置で彼らを観るの、どれくらい振りだろうか?
  暗転した場内に流れ始めたのは、アルバム「深海」のオープニングを飾るSE"Dive"‥‥おいおい、ま、まさか‥‥「あれ」をやるのか???

  メンバーがひとり、またひとりとステージ上に登場。最後に赤いTシャツに黒い皮パンツを履いた桜井が登場する。風貌的には半年前にさいたまスーパーアリーナで観たときと余り変わらない姿で(髪の長さも前と同じくらいかな)、見た目かなり気合い入ってるように感じられる。アコースティックギターを受け取り‥‥ということは、やっぱり「あれ」から始めるのかよ、おい‥‥!!!

  桜井がコードを弾く‥‥やはり、1曲目は「深海」から"シーラカンス"だ。すっげ‥‥鳥肌立ったよ。封印したとは言ってないが、明らかに演奏することを拒んでいたように思える「深海」からの曲をオープニングに、しかも「rockin'on」相手にぶつけてくるとは‥‥この男の決意みたいなもんを「これでもか!?」って位に感じた。4年半振りに演奏されるこの曲だが、前のような悲壮感や疲れは感じることはなく、むしろ力強さを更に感じる歌声だった。何度でも言うが、復活後の彼ら‥‥特に桜井は本当に調子がいいようで、この日の歌も最後まで完璧に近かった。後半のPINK FLOYD「吹けよ風、呼べよ嵐」的パート(笑)での川口氏のスライドプレイも4年半前以上にググッときたし‥‥ってここで書いておくが、サポート陣も半年前と全く同じ。つまり「DISCOVERY」ツアー以降の固定メンバーということになる。バンドとしてもかなり脂の乗りきった、安定感ある的確なプレイを聴かせてくれた。

  アルバム通りに"手紙"へと流れる。ピアノと桜井の歌だけという小バラード、既に数万人のオーディエンスの心を完全に鷲掴みしたようだ。つうか、本当に前みたいに痛々しさを感じさせない、聴いててググッとくるよなぁ、今日の「深海」楽曲群は。

  更にもう1曲「深海」から、シングルカットもされた"マシンガンをぶっ放せ"で、観客を煽る。と、ここまでベスト盤の楽曲は1曲もプレイされていない(笑)。完全に「rockin'on」相手の選曲ってことになるのだろうか?(後に判明したが、今回の野外ツアーでもこれらの「深海」メドレーはプレイされているそうだが、決してオープニングからというわけではない。これからスタートするってのは、やはり相手になめられたくないという気持ちが働いたのだろう)

  続いて、テクノ的4つ打ちサウンドが聞こえてきた。一瞬、新曲か?とも思ったが‥‥そこに桜井が歌を乗せる‥‥"ニシエヒガシエ"のニューアレンジだ。ワンコーラスそれで唄い切った後、バンドが加わりいつも通りのアレンジに戻る。最初はアコギを持っていたものの、バンドが加わってからはギターを置き、右へ左へといつものように動き回り、客を煽り、そしてセクシーなポーズ(笑)で女性達を悩殺する。きっと、ミスチルを"innocent world"や"シーソーゲーム"なんかのイメージで捉えていた人達にとって、まさかミスチルがこんなにも攻撃的なライヴをやるなんて思ってもみなかっただろう。ファンにしてみれば、これはいつも通りのことなのだが‥‥がしかし、今日の桜井はいつもとちょっとだけ違う。そう、笑顔が一度もないのだ。気負い過ぎだよ、って思えるくらいに今日の彼は熱い。考えてみれば、直前まで尊敬する奥田民生が演奏しているのだ。しかも彼らは、それをずっと袖から観ていたと聞く‥‥そりゃ負けられないよな。俺でもきっと、そうすると思うし。

  再びテクノチックなシーケンス音に導かれ、新たなアレンジの"光の射す方へ"を披露する。この曲でもワンコーラス終わった時点でバンドが加わり、いつも通りのアレンジへと戻っていく。考えてみれば、ここまでの5曲、まぁシングル曲が内3曲とはいえ‥‥「みんなが望むミスチル」をまだ演じていないんだよなぁ‥‥つまり、初期の"innocent~"や"抱きしめたい"といった、ベスト盤でいえば「肉(通称)」の方の曲をまだ1曲も披露してないのだ。しかし、それでも多くのオーディエンス‥‥ミスチル目当て以外の人達も含めて‥‥を惹きつけている。小川くんが後に「メガヒットバンドの恐ろしさを目の当たりにした」と語っていた通り、これが百戦錬磨、常に数万人ものオーディエンスを相手に戦ってきた、そしてチャート上では常に上位入り、ミリオンヒットを当たり前とされてきたバンドの「凄み」なのだ。まさかこういう時に、彼らが本領を発揮するとは思ってもみなかった。善戦するだろうとは思っていたが、ここまでやるとは‥‥ファンながら、あっぱれあっぱれと思ったよ。

  そして、遂にここで、あのピアノのメロディーが‥‥ここにきてようやく、メガヒット曲"Tomorrow never knows"が登場! 大歓声というよりも「オオォ~」っていう、低音に近い驚きの声がそこら中から上がる。相変わらずうざったい手拍子があったが、桜井が唄い出すとその手拍子もいつの間にかなくなり、みんな歌に聴き入ってしまっていた。そして‥‥気づくとそれが大合唱に変わっている。サビの「Wow~wow♪」では老若男女、誰彼問わずにみんなが唄う。これはある意味、OASISと同等の凄さを感じた。「俺は唄ってない!」と否定する人もいるだろう。しかし、そんなのがごく僅かだということは、あの日あの場所にいた何万もの(3万5千人と聞いているが‥‥)ミスチルに惹きつけられたオーディエンスが証明してくれるだろう。当日購入した公式パンフレットにも「OASISに対抗できるバンド、日本にはもはやミスチルしかいないのではないだろうか?」なんてことが書かれていたが、それは全面的に同意する。あれだけのメガヒット、そしてライヴをやれば動員数は常に下がることはなく、そして売れているからこそ貶す「自称・ロックファン」も多い。昔の方がよかったと嘆く「元・ファン」も数多く、そしてなんだかんだ言いながら多くの人間が代表曲を口ずさめる‥‥そんな「ロックバンド」は、俺が知る限りでは数少ない。少なくとも、ここ日本には‥‥どれだけいる? それを否定するのは誰にでもできる。しかし、何故彼らがロックなのか、何故彼らがこれだけ受け入れられるのかを真剣に考えたことがあるのだろうか? 口当たりのいい曲をシングルに持ってきてるから? そんなの、当たり前だろう。その為の「シングル」でしょ? アルバム聴けって、アルバム。「DISCOVERY」や「Q」を越えるアルバム、どれだけあるのさ!?

  さすがにね、俺‥‥この曲の時にマジ泣きしてしまった。どうしてもこの曲だけは、俺の涙腺を弱めるだけの何かを持っているようで‥‥まぁいろいろあったからなぁ、この数年。この曲にも助けられたし‥‥そんなことを考えながら、声を振り絞って一緒に唄う。俺の周りにいた、AIR JAM系のTシャツを着た少年達も口ずさんでたっけ。

  それにしても‥‥前回のツアーの時に感じられた「違和感」を、今日は全く感じられなかった。メンバー自身が楽しんでいるのが判ったし(そこに笑顔はなかったが)、惹きつけてやろうって意気込みも感じられた。そう考えると、前回の「温度差」ってのは、やはりそれだけ新作「Q」に対する自信の表れだったのかもしれない。「何でもっとみんな、新しい曲を求めてくれないんだよ!?こんなに素晴らしい曲ばかりなのに」っていう。それが受け手と送り手との間で空回りしてしまっていた。しかも会場は3万人前後も入るような、当時のツアーで最大のキャパシティー。上手く伝達していなかった‥‥今ならそう考えることができる。

  バンドは続けて、今月末に発表される新曲のカップリングとなる、"花-Memento-Mori-"のニューアレンジ・バージョンを披露した。原曲ではアコギだった桜井がエレキを持ち(しかも珍しくストラトだ)、代わりに川口氏がアコギにスイッチ。アレンジ的には'80年代前半の産業ハードロック・バラード的になっており、FORIGNER "Waiting For A Girl Like You"やJOURNEY "Who's Crying Now?"を彷彿とさせるピアノメインのアレンジに変わっていた。そしてサビになるとギターのパワーコードが入るという、ハードロックにありがちなバージョンだった。前のシンプルで、歌を伝えるのに十分な演奏とは違い、ここには単純に歌が持つ力強さをより強調したようなパワーを感じる。個人的な好みで言わせてもらえば‥‥やはりずっと親しんできたということもあって、どうしても新アレンジには馴染めなかった。まぁもうじきシングルもリリースされるので、それを聴き込んだ上で改めて発言することとしよう。けれど、オーディエンスにはこの大ヒット曲も好意的に受け入れられ、最後のサビではみんな大合唱となっていた。

  ここで初めて桜井がMCを取る。「できたばかりの新曲を演奏します」という言葉に続いて、いよいよ1年振りに発表される新曲"優しい歌"が披露される。浦氏のアコーディオンに続いてバンド全体の演奏に入る。曲調としては"名もなき詩"や"旅人"タイプといえる。タイトルとは裏腹に、歌詞には「甘えていた鏡の中の男に復讐を誓う」なんて尖った言葉もたびたび登場する。内容についての俺の解釈はまた後程、シングルレビューでやるのでここでは控えるが、これはある意味画期的な内容となっている。完全に「ああ、ベスト盤で一区切りつけたんだな。「Q」ってアルバムはそれだけメンバーにとっても重要な作品だったんだな」ってことを意識させる内容となっているからだ。

  桜井が途中、何度か袖の方に確認の合図を取っているように見えた‥‥残り時間の確認だろうか? 当初19時スタート予定だったことから、この日の彼らには90分近い演奏時間が与えられていたはずだ。しかし、実際には30分遅れでスタート。どう考えても、60分で終了せねばなるまい‥‥ということは‥‥時計に目をやる。現在スタートして約40分。どうやらこの曲で終了するようだ‥‥短い、短すぎる! これだけ素晴らしい楽曲と素晴らしい演奏を前にして、もう帰れっていうのか!? ソープに行って前戯だけ散々やって、いざ本番って時に「延長なしよ。もう終わり」と宣言されたようなもんだ、こりゃ!(笑/って行ったこと、ないですけどね、俺)桜井の「バイバァ~イ!」も今日だけは空しすぎる‥‥そりゃ、アンコールを求める声もいつも以上に大きくなるわな?

  暫くして、再び照明が明るくなる‥‥おおっ、さすがトリだ。ちゃんとアンコールが用意されているんじゃないか。さすがに桜井もこのときだけはホッとしたような笑顔。「今日出演した全バンドを代表して言わせてください。今日は本当にどうもありがとう!」ステージで微笑んでいるその男が桜井和寿だと確認できるような位置でミスチルを観ること自体久し振りだが、こんなにピュアなMCをかます桜井も随分久し振りじゃないかな?(いや、そうでもないか/苦笑)

  「月がキレイだね‥‥」と言って、ステージとは反対側にある月を指さす。みんな振り返る。本当に綺麗だ‥‥こんなに月を大きく感じたの、久しくないな。いや、こんなマジマジと月を見たのも随分なかった‥‥そして「次の曲は月とは前々関係ない曲なんですが‥‥」と言って桜井がギターをかき鳴らす‥‥アンコールとして選んだのは、復活後のミスチルにとってとても大切な曲と言える"終わりなき旅"だ。やはりここでも低音に近い「オオオォ~」っていう声が響く。どうやらこの曲で今日のフェス2日目を終えるようだ。この曲は今日を含めて3度ライヴで聴いているが、毎回違う表情を見せ、そして毎回ハズレがない。これだけ唄うことが難しい楽曲を、今日も桜井は全身の力を振り絞って唄う。そしてそれが痛い程に伝わってきて、また男泣き。ミスチルだけはひとりで観ようと決めていた。それは‥‥絶対に泣くから。ここ2回、確実に泣いてたからね、俺(苦笑)。だからひとりで行ってるんだよ、いつも。この曲、ここ数年の俺のテーマ曲みたいなもんだったから、尚更響く。30になっても、40になっても、壁にぶつかったら、俺はこの曲の歌詞を噛みしめて、再び前進しようと決めた。そしてこれを書いている今この瞬間も‥‥

  エンディングでは例の如く、ステージ上のメンバーが皆向かい合って一丸となり演奏する。ちょっとニール・ヤングみたいだ。そして演奏終了。この日一番の拍手が彼らに送られる。使命を果たした桜井に再び満面の笑みが戻った。「気を付けて帰ってね。バイバァ~イ!」と、いつもの桜井がそこにはいた。そのミスチルを、そして我々を祝福するかのように、花火が上がる。気づけば、今年初の花火だった。同じこの日、地元では花火大会だったが、俺にはこっちの方が似合ってる。今も、そしてこれからも‥‥

  結局、この日演奏された曲は全て今回のツアーで演奏されている楽曲群だが、それらを並び替えることによって、また厳選することによってここまで「rockin'on」リスナーをも圧倒することになるとは。いや、これは楽曲だけの力ではなく、バンドの気力がそれを上回ったということになるのだろう。久し振りにバンドの底力をまざまざと見せつけられた。圧巻。やっぱり桁違い。スケールが違うって。バカにする奴は死ぬまでそうやってればいい。桜井は自分達のことを「ポップをやっていく恐竜」と例えた。「恐竜」が何を意味するのか、ちょっとロックを好きな人間なら判るはずだ。彼らは選んだ、いや、決意したのだ。今後も「俺達はポップをやってくロックバンド」なんだってことを‥‥たった50分程度だったが、それを感じられただけでも、ひたちなかまで来た甲斐があったってもんだ。


01. Dive ~ シーラカンス
02. 手紙
03. マシンガンをぶっ放せ
04. ニシエヒガシエ
05. 光の射す方へ
06. Tomorrow never knows
07. 花 -Memento-Mori-(再録音バージョン)
08. 優しい歌(新曲)
  ---encore---
09. 終わりなき旅

投稿: 2001 08 18 03:49 午前 [2001年のライブ, BOOM BOOM SATELLITES, MO'SOME TONEBENDER, Mr.Children, PEALOUT, ROCK IN JAPAN FESTIVAL, ゆず, スーパーカー] | 固定リンク

2001/08/13

「FUJI ROCK FESTIVAL '01」DAY 3@苗場スキー場(2001年7月29日)

◎BRAHMAN (at GREEN STAGE / 11:00~11:40)

  3年振りの最新作「A FORLORN HOPE」を引っ提げてのフジロック、しかも今回はグリーンステージだ。お約束の沖縄チックなSEに乗せてメンバーが続々とステージに現れる。最新作同様、1曲目は「For One's Life」からスタート。徐々に盛り上がるタイプの曲だが、すでにイントロから最前ブロックの客はヒートアップ気味。演奏がガツンとくるパートに入ると、モッシュ&だいぶの嵐。3日通したトップバッターの中で、一番殺伐とした空気が流れる。

  この曲の時点で気づいたのが、ボーカルのTOSHI-LOWの状態が芳しくないという事実。明らかに上のキーの音程が取れていない。音程が取れていて外すのと、完全に見失って外すのとでは明らかに違う。結局、終始辛そうな状態で40分を乗り切るのだった。

  新作から立て続けに、アルバムの曲順通りに5曲披露した後に前作から「See Off」や「Answer For…」といった人気曲を挟むものの、従来の切れやしなやかさを上手く表現できずにいる、もどかしそうなTOSHI-LOWを観るにつれ、こちらまで痛々しい気持ちになり、聴いてるのがつらくなる。彼らの最大の魅力である、独特なメロディーが全く伝えられない状況。そしてそれが全く伝わってこない状況。正直、途中でグリーンステージを後にしようかとも考えたくらいだ。ラストの「Arrival Time」での悲痛な叫びも何だか尻切れトンボの如くフェードアウトしていく。

  これが事実、これが現実だ。はっきり言う。この日のBRAHMANは最低だった。これはメンバー自身、特にTOSHI-LOW本人も認めるところだろう。これで「最高だった」と言い切ってしまうようだったら、いっそのこと解散してしまった方がいい。そのくらい、プロとしてはレベルの低いモノを、よりによってフジロックの大舞台で見せてしまったという失態。今後の彼らがこの現実とどう向き合っていくのか、そしてそれをあの場にいたファンがどう捉えるのか、非常に興味深い。最低なものは最低だったと言える勇気、そして正直さ。ファンならこれだけは決して忘れないでほしい。「やっぱサイコー」とかいう馴れ合いが、バンドを潰してしまうことだってあるのだから。


◎JOUJOUKA (at WHITE STAGE / 12:40~13:20)

  トランス系テクノのアーティストだという事しか知らなかった。一昨年、そして昨年もフジに出演してるそうだが、一昨年、観なかったなぁ。DJ Tsuyoshiが中心となっているユニットだが、ライブではどういう感じになるのか。

  ホワイトに着いた時点で、すでにステージは始まっていて、遠くからそのトランシーな音は聞こえてきていた。気持ち良さそう、それが第一印象。ようやくステージが見える位置までたどり着く。メンバー構成はDJ陣が2名、ギタリストがひとり、そして時々引っ込むベースがひとりの計4人編成。ギターは常時ステージ上で煽りまくっているので、どうやらベーシストはゲスト出演のようだ。基本的にはDJ陣がプレイするトランシーなサウンドの上に生楽器を重ねて、普通のトランステクノとしては終わらせない、魅せる要素も兼ね備えている。生楽器を被せるのは、どうやらDJ Tsuyoshiの信条らしく、とにかくギターのザクザクしたリフが気持ちよく、またベースもスラップまではいかないけど、バキバキしたサウンドでこれまた気持ちいい。ちょっと聴いた感じでは、UNDERWORLDにも通ずるロック感を見出すことができる。でも、歌がないぶん、こっちの方がよりダンスに徹することができる気もする。

  最初、軽い気持ちで観るはずが、結局終始気持ちよさげに踊り狂ってしまった。3日間の疲労が相当足にきてるにも関わらず、アホみたいに踊る俺を見て、友人に心配される始末。結局踊ってるうちに調子が戻ってきて、疲れなんて吹っ飛んでしまった。

  最後にはホワイトステージの総合MCであるブライアン・バートン・ルイスがボーカル&MCとして、即興で歌う。やっぱり歌が入ったほうが、それなりに盛り上がるけど、個人的には最後のは蛇足って気もしないでもない。このユニットは2人のDJ陣のプレイと、そこに被さるギター(時にベース)、そこから生み出されるトランシーで腰にクるテクノサウンド、それだけで十分だ。


◎SION (at FIELD OF HEAVEN / 13:20~14:20)

  SIONは、俺が知ってるあの頃のSIONのままだった。選曲的には、きっと先頃リリースされた最新作が中心になってるんだろうけど、俺の心臓が鷲掴みされたのは、名曲「Sorry Baby」。酔っていたせいもあるだろうけど、炎天下の中、ただステージ一点を見つめる俺。言葉のひとつひとつを噛みしめながら、一緒に歌う。このフジロックってフェスは、自分の現在・過去・未来を見つめ直すイベントなのか?って思えるくらいに、心にズシンとくる瞬間が非常に多かった。特に今回、30を目前としていただけに、そういう過去の想い出が走馬燈のように蘇ることが多かった。音楽で振り返る30年……人に自慢できるような大したモノじゃないけど、俺にとってはかけがえのない大切なもの。改めて音楽っていいな、歌っていいなと思った瞬間だった。

  気づけばラストの頃は前まで行って一緒に歌ってたっけ。よく知りもしない歌に合わせて。それだけのパワーを持っているのが音楽であって、歌である。きっと帰宅後もSIONの音楽に再び触れる機会はないのかもしれないが、それでも今この一瞬を大切にしたい。そう思って、力一杯踊った。このSIONのステージは、ちょっと俺の中では大切なものとなりそうだ。


◎SYSTEM OF A DOWN (at GREEN STAGE / 17:10~18:10)

  正直に言う。FOHのムーンライダーズを観るために、冒頭の数曲のみで移動してしまった。あとになって「なんで最後まで観なかったんだよ!」っていまだに後悔しているアクトのひとつ。

  今でもよく覚えているのは、始まる直前の場の異様な空気。あの瞬間の「別に人がそこまでパンパンではないんだけど、なぜか急に暴動が起こるんじゃないか?」と勘違いしてしまいそうなヒリヒリした空気だけは忘れられない。そしてステージに出てきた4人。すでに2人は半裸の状態だ。ダロンがギターを爪弾きながら、「ドラッグで病んでる?」「ドラッグやってる?」的変な日本語を交えつつ歌い、サージはそこにハーモニーを重ねていく。そこから「War?」へとなだれ込み一気に激しさを増す。すでに最前ブロックの盛り上がりは手に負えない状況だ。そこから数曲知らない曲が続くが、今思えばこの中には「TOXICITY」の1曲目「Prison Song」も含まれていた。イントロが異常にカッコよかったことだけは覚えており、のちにアルバムを聴いた瞬間に「あ、あの曲!」とすぐに気づいた……が、結局ノリきれずに途中で退散したのだった。


◎ムーンライダーズ (at FIELD OF HEAVEN / 17:20~18:30)

  この方々も活動歴が長い割に、実はちゃんと聴いてこなかったバンドのひとつ。とにかく、実験的要素満載にして極上のポップ。終始あっけに取られっぱなし。白井氏のギターは相変わらず変だし(ギターのブリッジ周辺にサンプラーをそのまま打ち付けてるし、しかもストラップの前後にギターのネックとボディーがそのままくくり付けてあるし)、鈴木慶一氏は終始クール。曲によってメインボーカルが変わるのだけど、基本的には慶一氏。あれは作曲者がリードを取るのだろうか。逆にキーボードとドラムの方々はコーラスに加わったり加わらなかったりで、演奏に徹していただけ。そこが職人っぽくて素敵だったけど。

  ちょっとトッド・ラングレンを彷彿とさせるくらい、楽曲のバラエティーが多彩で、なおかつそれらがすべてポップなのがすごい。コアなファンが多かったのか、周りの年齢層はやけに高かった。フジにも親子連れが多くなったようだね。最前列には初老の夫婦に小学生くらいの子供という親子がいたけど、前に押されることもなく、気持ちよさげにステージを楽しんでいたのが印象的だった。そうそう、3日目になってようやく、名物のトンボを多く見かけるようになった。マイクに止まったトンボを捕まえて、空に逃がす白井氏の姿も印象的だった。普段、進んで聴くことのないタイプの音楽だが、こういう場でならすんなりと聴けてしまう。しかもストーンと心の中に先入観なく入ってくるんだから、不思議だ。


◎TOOL (at GREEN STAGE / 19:10~20:30)

  一種異様ともいえる不穏な空気が流れる暗闇の中、照明やぐらの右隣に陣取りスタートするまで座って待つ。モッシュピットはすでに満員御礼、直前に演奏したSYSTEM OF A DOWNの熱気も冷めやらぬ状態で、みんな今にも暴れ出しそうな勢いだ。

  待望の初来日。俺は常々言ってきた。1998年の豊洲にKORNが初上陸した後、1999年にブレイク後の勢いのままLIMP BIZKITが苗場の地を踏んだ後。決まって「次はTOOLだな」と。もうTOOLしかないだろう、オーディエンスの度肝を抜かす存在は。その願いがいよいよ叶うときが来たのだ。しかも約5年振りの、全米ナンバー1アルバムを引っ提げて。

  ステージにメンバーが現れた。左にギターのアダム、右にベースのジャスティン……多分ね。照明がほとんど当たらない、非常に暗い状態の中で終始彼らはプレイしていたのだ。そして後方右側に、ドラムのダニーが陣取り、その左側には大型スクリーンとお立ち台のような一段高くなった舞台が‥‥そこに人影のようなものが常に動いている。そうこうしてるうちに、あのミステリアスなイントロが聞こえてくる。「The Grudge」だ。スクリーンには新作ジャケットをモチーフにした映像が終始流れている。歌がうっすらと聞こえてくる。しかしPAの調子が悪いのか、いまいち聞き取り難い。そして明るくなったスクリーンの前には、明らかに人影が。そう、そのお立ち台で怪しいダンスをしているのが、ボーカルのメイナードなのだ。ほとんど全裸に近い状態(パンツ一丁で、全身青塗り)で曲の起伏に合わせてユラユラと踊る、殆ど姿や表情は確認できないが明らかに存在感、カリスマ的オーラを感じることができる。

  噂には聞いていたが、これは衝撃的だ。流される映像も曲をイメージさせるというよりも、エログロに近いもので、PVが存在するシングル曲に関してはそれをモチーフにして再編集されているようだった。登場した時点で湧いていたモッシュピットも、気づけばみんな棒立ちでステージを見つめる者が続出。ノれないのではない、動けないのだ、この音とこの映像とあのバンドから発せられるオーラを前にしたら。背筋がゾッとしたのは、何も気温のせいではない。こんばバンド、今まで見たことがない。何なんだよ、こいつら。

  続く2曲目は、前作のトップナンバー「Stinkfist」の登場だ。さすがにオーディエンスがさっき以上の歓声で応える。しかし、それも最初だけ。曲が進むにつれて、やはり身動きがとれなくなってしまう。衝撃的なんて言葉、簡単には使いたくなかったのだが、それ以上もそれ以下でもない、本当の衝撃なのだ。こんなもん、見たことないんだから他の何ものとも比べようがない。唯一、映像を駆使するという点では、NINE INCH NAILSと比較することができるのかもしれないが、あれとはまったくの別物だ。

  それにしても、3曲目までボーカルが聞き取りにくかったなぁ。新作からの「Schism」あたりから、ようやくボーカルもクリアに聞こえるようになった。演奏に関しては、もう完璧すぎて何も言うことなし。確かにミスする場面もあったものの、そんなことが気にならないほど、アルバムと寸分違わぬ緻密で計算され尽くされた演奏を披露する。さらに、そこに乗るメイナードのボーカルも、時に力強く、時に潤いを感じさせる。決して「暗黒大将軍」ってわけではなく、あのボーカルとあの演奏が融合するからこそ生まれる浮遊感、それがさらにこの苗場という環境にマッチしていた。ギターのザクザク感はヘヴィロックのそれに近いのだが、パーカッシヴなドラム、時にリード楽器にもなりうるベース。4人それぞれの自己主張がぶつかり合いながらも、互いの持ち味を引き出そうと機能している。計算なのか、単なる偶発的事故なのか。終始握りしめていた拳に、ジワリと嫌な汗をかく。

  終盤はファーストからの「Sober」やセカンドの「Aenema」を交えながら、新作からのムーディで濃い楽曲群を我々に叩きつける。途中、メイナードが曲間に何かしゃべった。一瞬の出来事で聞き逃しそうだった。英語だと思ったのだが、二度目にようやく聞き取れ、理解できた。


「ポジティヴなものを生み出す、その気持ちを忘れるな。」


こんなことを第一声で発した来日アーティスト、これまでいただろうか? この一言にメイナードの、TOOLというバンドの揺るぎない姿勢を垣間見た気がした。「ニホンノミナサン、コンニチワ」でもなければ「アナタワ、ウツクシイ」でもない。「ココニコレテ、トテモウレシイ」といった社交辞令の挨拶ではない。オーディエンスとバンドの間に明確な信頼関係が、この一言で生まれたと思う。

  難解且つホラー映画と言っても過言ではない映像と、ステージ上が薄暗くてほとんど表情を伺うことができないバンドの演奏から、言い表しようのない威圧感が終始あったが、このメイナードの一言は、そしてそれを日本語で発したという事実は、そういう他の表現要素よりも深く、俺の心の中にえぐり込まれた。一生忘れない、忘れられない初来日公演となりそうだ。


01. The Grudge
02. Stinkfist
03. 46 & 2
04. Schism
05. Disposition
06. Reflection
07. Sober
08. Parabola
09. Aenema
10. Lateralus


◎EMINEM featuring D12 (at GREEN STAGE / 21:30~23:00)

  例の前妻に対する暴力沙汰の裁判、来日直前に審判が下り、その結果外国へも行くことができるようになったEMINEM。オーストラリアを回った後の来日ということもあり、きっと調子も昇り調子のはずだ。一体どんなステージを見せてくれるのだろう。TOOL同様、まったく予想がつかない展開になりそうだ。

  21時半を回った頃に、ステージ上手にDJらしき人物が現れるも、そのままの状態が10分程続く。すると急にステージが暗くなり、スクリーンに何か映像が流れ始める。ドキュメンタリー形式のドラマみたいだ。どうやらハンディーカメラを持って、EMINEM宅へ忍び込む青年2人組の話のようだ。カメラを持ったひとりが、もう一方にインタビュー形式で話しかける。あれっ、どこかで観た光景……次の場面で、EMINEM宅らしき家に忍び込んだ2人。ひとりが地下の方へと向かう。カメラを持ったもう一方が壁を映す。そこには「MY NAME IS...」「SLIM SHADY」「MARSHALL MATHERS」等といった文字がずらずらと書き殴られていた。あぁ、なるほど。先頃公開された2作目がコケた、例の低予算ホラー映画のパロディーなわけね。すると、例のごとく地下室から悲鳴が……カメラは走りながら地下室へと近づく。悲鳴を上げた若者をカメラが捕らえた瞬間、目の前にはチェーンソーを持ったジェイソン・マスクの男が……。

  フィルムがそこで終わると、ステージ上からチェーンソーの音が。ステージ上手からフィルム同様のジェイソン・マスクの男がチェーンソーを持って現れる。どこからどう観てもEMINEMだ。こりゃ面白い。ここまで馬鹿馬鹿しくやってくれると、逆に気持ちいい。

  ヒップホップ系のステージっていうと、個人的には昔観たRUN DMC初来日のイメージがあったので、どうしても中弛みしそうな感じがあったのだが、ことEMINEMに関してはそんな心配皆無だった。まず曲がポップだし、オーディエンスに対してコール&レスポンスを求め、一体感を大事にしている。確かにMCがネイティヴ・イングリッシュ(しかもバリバリのスラング入り)だったため、何度か理解に苦しむ場面に遭遇したが、それを補うだけのエンタテインメントが満載だった。

  曲毎に現れるD12の面々や、同じグリーンステージに登場したXZIBITのメンバー。日本酒やエクスタシーを持ってきたり、「PURPLE RAIN」で踊るエクスタシー錠剤の着ぐるみ(背中に「E」の文字が)、中盤再びスクリーンに映し出されたアニメ「THE SLIM SHADY SHOW」、「日本のオーディエンスに『俺の名前は何?(MY NAME IS)』か言わせるんだ」とEMINEMがDJに言うと、わざとヒット曲「My Name Is…」のイントロを流す等の寸劇、そしてパイロ。これだけ馬鹿馬鹿しい要素を含んだショー、今まで観たことないわ。ある意味、俺の中では「ZOO TV」ツアーでのU2を超えたんじゃないかな。

  そして、笑いだけではない。ちゃんとオーディエンスに合いの手を求めたり、一緒に歌ってくれといって流れ出す「Stan」のあのフレーズ。どれを取っても笑顔と感動の瞬間だった。これはもう、言葉で言い表すよりも一度は観てほしい。終始笑いっぱなしで、90分が短いと感じるほど充実した内容だった。

投稿: 2001 08 13 12:00 午前 [2001年のライブ, BRAHMAN, Eminem, FUJI ROCK FESTIVAL, JOUJOUKA, SION, System of a Down, Tool, ムーンライダーズ] | 固定リンク

2001/08/12

「FUJI ROCK FESTIVAL '01」DAY 2@苗場スキー場(2001年7月28日)

◎NUMBER GIRL (at GREEN STAGE / 11:00~11:50)

  定刻通りにメンバーがステージに登場。向井「福岡県●▲出身、ナンバーガール~」等と自己紹介。いきなり和む。しかしギターが鳴らされた瞬間、場の空気は一変した。のっけからファストナンバーを連発だ。PAのやぐら前あたりで観ていたのだが、始まった瞬間、ブロックのかなり前の方まで走っていた。

  向井の歌は、こうやってライブで聴いていると、何となくカートを思い浮かべることがあった。確かにNIRVANAと共通する要素はいくつかあると思うが、単なるフォロワーではなく、それなりにオリジナリティを持ったバンドだ。例えば、向井がただ1曲だけギターを持たずにビールを持って歌った「Destruction Baby」は、完全にレゲエ/ダブ要素を加えたアレンジに変えられていたし(またそれが気持ちよかった)、そういう「パワー一辺倒」では終わらないところに今後の彼らが進むべき道を見たような気がした。

  向井のMCもなかなか笑わせてくれる。乾杯三唱をさせられたときにはどうしようと思ったが、それも今となってはいい思い出だ。結局45分程度のステージで、「この後ホワイトステージに行くんで、これにて終了」と言ってバンドは去っていった(11:30からホワイトではeastern youthが演奏していたのだが、この後本当に向井はホワイトで目撃されている)。朝イチで観る長さとしては腹八分目で丁度いい感じだった。


◎MO'SOME TONEBENDER (at RED MARQUEE / 12:40~13:20)

  何の期待もせずに、ステージ前近くで開演を待った。ドラムがサウンドチェックしてるとき、あるフレーズを延々と叩いていたのだが……あれ、これって何の曲のリフだっけ……あぁ、そうか、NIRVANAの「In Bloom」だ。しかもハードヒットで、リズムキープにも独特な重さを感じる。本当にデイヴ・グロールのプレイを聞いてるようだった。

  ライブ本編では、幻想的なシーケンス音に導かれてメンバー3人がステージに登場。続いてベースが独特な重さを持ったフレーズを弾き始める。それに呼応するかのように、ドラムもユニゾンプレイを繰り返す。ボーカルは線が細い声で危うさを感じさせるが、逆にそこが魅力的。特にヒステリックにシャウトしたときの歌い方が好きだ。

  楽曲はグランジ+サイケといったイメージで、パンキッシュなファストナンバーから幻想的なミディアムスロウまで多彩さを感じる。ガレージっぽいバンドの曲って、どちらかというとモノトーン調なイメージがあるのだが、このバンドの曲にはいろんな色彩を感じ取ることができる。そのへんがサイケ的イメージと直結してるのかもしれない。とにかく、音を肌で感じていて気持ちいい(特にラストに演奏された「Echo」が圧巻だった)。この日は演奏時間を短く感じてしまうほど、入り込んでいた。もっと観たい。

  MCらしいMCも特になく、最後に「終わりっ!」の一言で現実に引き戻された。この感覚、こりゃドラッグミュージックですわ。本当、気持ちよかった。


◎ソウル・フラワー・モノノケ・サミット (at FIELD OF HEAVEN / 15:10~16:20)

  一応「モノノケ」名義なのだけど、メンバーが揃わなかったこともあって、結局この日限りのスペシャルメンバー&スペシャルセットで挑むこととなったソウルフラワー。ユニオン=バンド形態でモノノケ=チンドンスタイルの楽曲を演奏するそうだが、果たしてどうなることやら。

  ステージに登場した中川は、客を観て驚く。一番前にいたのでその時まで気づかなかったが、ふと振り返ると、すごい人の海。昨日のくるりに匹敵するほどの人が入ってる。裏ではパティ・スミスがやっているってのに、本当に物好きが集まったもんだ(自分を含めて)。ステージ上には左から洋子さん、ベースの河村、中川、ヒデ坊、山口洋(HEATWAVE)。後方はドラムのコーキの右隣にキーボードの奥野という、大所帯。

  最初はユニオンの「ロンドン・デリー」からゆったりとスタート……かと思いつつ、この曲サビではタテノリになるんだった。後ろから押し潰されそうになったり、前の奴が腰で俺を突き飛ばしたりで倒れそうになるものの、何とか持ちこたえる。こりゃ音を堪能してる場合じゃないな。暴れて、踊ってナンボの音楽。最後まで踊り狂ってやるか! そう覚悟を決めたら最後、汚い笑顔で踊り狂う。

  セットリストとしてはユニオンが7、モノノケが3といった比率で、上手い具合に交互に演奏されていた。モノノケの楽曲もユニオン用アレンジに変えられており(中川は三線だったが、山口はエレキ、ドラムもそのままといった感じ)、古来の民謡や仕事歌もこういうアレンジで聴かされるとユニオンの楽曲の中のひとつとして聴けるのだから、意外だ。

  特に印象的だったのは、やはり新譜「SCREWBALL COMEDY」からの楽曲。いい意味で「ロック然」としているのだ。新作は原点回帰とかいろいろ言われているが、確かにこれまでの作品の中では最もストレートでニューエスト・モデル色が濃い。それにライブとスタジオテイクの違和感の差がそれ程感じられない。先の野音でもここから何曲か聴いていたが、ただストレートでノリがいいだけじゃなく、記憶に(心に)残る曲ばかりだったこと、そこが大きいと思う。特に、野音で初めて聴いて心臓を鷲掴みにされた「荒れ地にて」は、ここ苗場の大自然の中、日中に聴いてもググッときた。いい曲というのは場所や時間、シチュエーションを選ばないってことなのか。しかも立て続けに「満月の夕」「竹田の子守歌」とやられた日にゃあ……放水された水が顔面を直撃したお陰でうまい具合に涙を隠せたはずだ。

  そうえいば、ステージ袖の奥の方に非常にノリノリで踊ってるキレイなおねぇちゃんがいるなぁ、と思って見とれていた。しかも見覚えあるんだよなぁ、前に会ったことなかったっけ?なんてデジャブに近い勘違いでボーッとしてたら、終盤「エエジャナイカ」で中川に呼ばれてステージに登場した。「from THE 3PEACE!」 あぁ、かおりさんか! 前夜祭に登場したTHE 3PEACEのボーカル&ギターの原と、ベースの永野が飛び入りで参加したのだった。永野かおり嬢はメスカリン・ドライヴ~ソウルフラワーの1枚目まで参加しているので、早い話がファミリーなのだ。気づけばヒデ坊、洋子さん、かおりさんとメスカリンの3人が揃ってる。最後にはお約束の「海ゆかば 山ゆかば 踊るかばね」で大宴会。一度エンディングを迎えながらも、再び演奏を始めてしまう、いや、始めさせてしまう熱気。この文章だけで伝わるかな?

  「フジはいつも特別」とメンバーもファンも口にする通り、通常のライブとは違う熱気とおまけが付いたひととき。70分の予定が、「時間なんて気にしなくてもいいよな?」という中川の言葉通り、結局90分近い熱演となった。次のバンドまで1時間のインターバルがあったからよかったものの……「普段もこれくらい盛り上がってくれれば」との中川の言葉がすべてを物語ってるだろう。


01. ロンドン・デリー
02. サヴァイヴァーズ・バンケット
03. ホライズン・マーチ
04. 水平歌 ~ 農民歌 ~ 革命歌 [モノノケ]
05. 戦火のかなた ~ I don't like (MESCALINE DRIVE)
06. 霧の滴
07. 殺人狂ルーレット
08. アリラン ~ 密陽アリラン [モノノケ]
09. 聞け万国の労働者 [モノノケ]
10. 風の市
11. 荒れ地にて
12. 満月の夕
13. 竹田の子守唄 [モノノケ]
14. インターナショナル [モノノケ]
15. エエジャナイカ
16. 海ゆかば 山ゆかば 踊るかばね


◎MOGWAI (at WHITE STAGE / 18:50~19:40)

  ホワイトステージ手前の川で、メンバーのMCが聞こえてきた。どうやら丁度始まったとこみたいだ。7時前ってことで、いい具合に暗くなりつつあり、その静寂を断ち切るようにギターノイズが悲鳴を上げる。アルバムでしか聴いたことのなかったMOGWAI。どういうステージなのかまったく想像がつかなかった。

  メンバーは5人だったと思うが、ギターが3人(その内のひとりが曲によってキーボード、後半はチェロを弾いていた)とリズム隊で、ギターの轟音がとにかくすごい。それに合わせるかのように、照明のストロボが暗闇を裂く。新作「ROCK ACTION」からの楽曲がメインだったと思うが、とにかく楽曲云々よりも雰囲気を含めた全てを持ってMOGWAIのライブなんだな、という気がする。普通だったらマスターベーションと切り捨ててしまうようなギターノイズも、意外と計算されている印象を受けたし、ちゃんと楽曲として成り立っている。アルバム自体も日々好んでこればかりを聴くというタイプの音楽ではないが、この時この瞬間の気分やシチュエーションにはぴったりだったと、今はそう思う。

  万人を納得させる音楽では決してない。「ポストロック」なんてカテゴライズ、俺にはよく判らない。気持ちいいか否か、踊れるか否か。今の俺にとって、これがすべて。この日のMOGWAIは気持ちよかった。まぁ踊るどころか、呆気にとられて終始棒立ちに近い状態だったが。時々目を瞑り、その音圧のみを身体で感じてみたりもしたが、本当に気持ちよかった。頭を空っぽにして、ただ身体だけで感じる。せわしない日常の中で、こんな機会はそうはない。周りに何千、何万人いようがこうやって自分の空間を作り出すことができる。それがフジロックの好きなところだ。


◎渋さ知らズオーケストラ (at FIELD OF HEAVEN / 19:30~20:50)

  FOHに到着すると、まずその人の数に驚く。後ろの方まで人がいるのだ。しかもみんな気持ちよさそうに踊ってる。聞こえてくる音も気持ちよさげな音。響く音に合わせ踊りながら人混みに近づくと、ステージ上の人数に仰天する。少なく見積もっても20人はいるんじゃなかろうかという人の塊。決して広いとは言い難いFOHのステージ上、最前列にダンサーの女性陣が5~6人。その脇に歌&コーラスの男女がやはり7~8人。中央には指揮者。楽器隊はドラムがまったく見えず、ブラス隊、キーボードの女性が見えるのみ。間違いなくギターやベースといった楽器隊がいるはずなのだが。

  音楽は、もうノリノリでファンキーなソウルミュージック。レビュー形式で進んでいって(昨年サマソニのジェームズ・ブラウンみたいな感じ)、1曲が長くてそこにいろんなパートのソロを入れてく感じ。ここで初めてドラムが2人いることが判った(ドラムソロになったら、全員腰を屈めて後ろにもドラムが見えるように気遣うし)。

  曲の間に寸劇を挟んだりして、曲毎にメンバーが入れ替わったりする。途中、スーツ着てターバン巻いてたヒゲの男性が、石川さゆりの名曲「天城越え」を大熱唱。さらに後半、銀色の竜が客の頭上を飛び回る……が、すぐに心ない客の手によって破壊される。

  後半、山海塾(といって一体どれだけの人に理解してもらえるものか)も真っ青な全身白塗りダンサーが登場して、パフォーマンス。数曲のつもりが結局最後まで気持ちよく踊っちゃったもんなぁ。そのくらい、時間を忘れさせる程魅力的なライヴだったのだけは確か。こういうのは、家で聴くよりもこういう大自然の中で、大人数で消費するのが一番気持ちいいし、楽しい。


◎NEW ORDER (at WHITE STAGE / 22:20~24:00)

  16年振りですか、ここ日本にいらっしゃるのは。しかも今回はビリー・コーガンがギターで参加。ニール・ヤングと直前まで悩んだのだが、結局自身の“青春”を取ることとした。

  いやぁ、正直「Atomosphere」のイントロを聴いた瞬間、ジワッと涙が滲んだよ。懐かしさとかいろんなことがフラッシュバックして、その想いがとめどなく溢れそうになった。何で俺、NEW ORDERごときで泣かなきゃならねぇんだよ!って自分を疑ったが、こればっかりは仕方ない。暗黒の高校時代を思えば、それも致し方ないのかも。

  それにしてもビリー、あんま目立ってなかったね? スマパン時代はその「ガタイのデカさ」と「頭」だけが記憶に残る彼だが、この日はさすがサポートだけあって控えめ。一歩後ろに下がって、自身のプレイに徹する。時々コーラスを取ったり、バーニーとのデュエット的楽曲もあったが、最後まで帽子を被ったまま。あの威圧感がゼロだった。きっと、心底楽しんでるんだろうな、自分が憧れた、音楽を始める切っ掛けのひとつとなったバンドの一員としてフジロックみたいな大舞台に立てるんだから。スマパンの呪縛から解き放たれたような印象を受けたよ。こんな肩の力を抜いた雰囲気でのソロも見てみたい気がする。

  一方のNEW ORDERの面々は、ピーター・フック、暴れまくり。この日は参加できなかったギリアンがいないぶん、MARIONのギタリスト、フィル・カニンガムがキーボード&ギターとして参加。結局、JOY DIVISION+MARION+スマパンという、一見何が何やらな組み合わせだったのだけど……個人的には数々の名曲を思う存分聴けたこと、特にJOY DIVISION時代の「Isolation」「Love Will Tear Us Apart」といった大好きな曲を聴けたことが嬉しかった。勿論「Regret」や「Bizzare Love Triangle」「True Faith」「Temptation」等の代表曲も生で聴くと気持ちよかったし、新曲群も「これぞNEW ORDER!」的要素と「これからのNEW ORDER」を感じさせる要素が詰まった佳曲ばかりで、非常に期待が持てるものばかりだった。

  スタートが20分近く遅れた(実際には22:40頃スタート)ため、アンコールの時点で0時近かったが、そんなことお構いなし。前作からの「Ruined In A Day」他を披露後、最後の最後に超名曲「Blue Monday」。バーニー、ギターを置いて妙なステップで踊る。当然、声を振り絞って歌う。ロングバージョンとなった「Blue Monday」が終了した時点で、0時を10分程回っていた。結局90分というフルステージ状態のライブで底力を見せつけたNEW ORDER。「また16年後に会おう!」というバーニーの最後の一言、冗談に受け取れなかったんですけど。

  最後の最後に、ビリーにジャンプで飛びつくフッキー。帽子を取られたビリーを見て、あぁ、やっぱりビリーだな、と実感。

  聞けば裏のグリーンステージにおけるニール・ヤングも2時間半に渡る大熱演だったらしい。結局、どちらかを選ばなきゃならない運命だったのかなぁ。いやぁ、それにしてもいい夢観させてもらった!


01. Atomosphere
02. Crystal
03. Regret
04. Love Vigilantes
05. Isolation
06. Your Silent Face
07. Slow Jam
08. Turn My Way
09. Bizzare Love Triangle
10. Close Range
11. Touched By The Hand Of God
12. True Faith
13. Temptation
14. Love Will Tear Us Apart
---Encore---
15. Ruined In A Day
16. '60 Miles An Hour
17. Blue Monday


‥‥‥‥‥‥To be continued.

投稿: 2001 08 12 12:00 午前 [2001年のライブ, FUJI ROCK FESTIVAL, HEATWAVE, MO'SOME TONEBENDER, Mogwai, New Order, Smashing Pumpkins, Soul Flower Union, ナンバーガール, 渋さ知らズ] | 固定リンク

2001/08/08

「FUJI ROCK FESTIVAL '01」DAY 1@苗場スキー場(2001年7月27日)

◎JOEY RAMONE TRIBUTE (at GREEN STAGE / 10:30~11:00)

  「ライブ開始30分前に、先頃亡くなったジョーイ・ラモーンの追悼式を、フジロックのやり方でやる」とスマッシュの日高社長(大将)が言っていたので、RAMONES好きだし前行って観てみようと思い、出来るだけ前の方へ。

  まずMCのふたりがしゃべり、その後大型スクリーンを観てほしいと言って引っ込む。すると、聴き覚えのある、あの音楽が。映画「荒野のガンマン」の有名がタイトルナンバーが。ご存じの方も多いと思うが、これこそRAMONESのライブには欠かせない1曲なのである(METALLICAもRAMONESの真似をして、この曲使ってたっけ)。スクリーンには、ジョーイが元気だった頃の姿、RAMONESのライブシーンをコラージュ的にフューチャーしたものだった。と同時に、天井から懐かしのRAMONESのロゴが入った垂れ幕が。これ、本物?

  曲が終わり、拍手。そして大将が現れ、挨拶。ステージ袖から、これまでRAMONESのイラスト・デザインを手掛けてきた人が登場し、挨拶。残りのRAMONESメンバーから預かってきたという手紙を読む。続いて大将がそれを日本語に訳す。ここで先の垂れ幕が本当にライブに使っていたもので、現在「ROCK'N'ROLL HALL OF FAME」に寄与されていたのを借りてきたそうだ、これだけのために。

  続いてツアーマネージャー、そして同じニューヨーカーのパティ・スミス・バンドのギタリスト、レニー・ケイも登場し、それぞれメッセージを観客に伝える。ツアマネはジョーイの母親と弟からの手紙も持参し、読み上げる(全員のメッセージを大将はその場で日本語に訳して伝える)。

  これらのコメントを聞いて、如何にジョーイが日本を、日本食を、日本人を愛していたかが伝わってきたし、単純に感動した。そして大将は最後に「湿っぽく送るのはフジロックらしくない。フジらしいやり方でジョーイを送り出してやろう」と言って、ステージに1本のマイクスタンドが運ばれる。やけに身長が高い人用だなぁと思っていると、流れてきたのは「Blitzkrieg Bop」。スクリーンには再びRAMONES時代のジョーイの姿とライブシーン。曲に合わせて大暴れする俺。当然「HEY, HO, LET'S GO!」のかけ声と共に。RAMONESは1992年だったか1993年だったかに一度観ただけだが、バンドで何度もカバーした経験があるので、それなりに思い入れがある。というより、パンク好きな人でRAMONES嫌いな人っているの? 苗場に来たからには、この曲で暴れるのは義務なのだ。


◎KEMURI (at GREEN STAGE / 11:00~11:50)

  やっぱりフジに来たからには、一番デカいグリーンステージでスタートしなくちゃ。今年は3日間共、日本の「パワーバンド」でスタートする、という話を事前に聞いていた。初日はKEMURIだ。スタートする前に、ボーカルが「再び今日、フジロックに出演でき、さらにこんなに大きな舞台のトップバッターをやらせてもらえることに感謝する」というような喜びと感謝の言葉の述べてから、いよいよ「PMA (Positive Mental Attitude)」という、KEMURIの姿勢を代弁する曲からスタート。のっけからモッシュ&だいぶの嵐。俺もその中に巻き込まれる。笑顔でやんの、俺。ギターのザクザク感も、ブラスの音色も気持ち良すぎ。

  途中、レゲエ調のインストを挟んでヒートアップした観客をクールダウンさせてから、再び代表曲の連発。秋に出る4作目のアルバムからもいち早く2曲を披露。特に目新しい要素は皆無だが、このバンドは変わらずにこのままのスタイル/姿勢で続けて欲しいと思う。そして願わくば、来年もこの大自然の中で感じたい音楽だと素直に思った。正直、こんなに惹かれるとは思いもしなかった。これは大きな収穫だった。


◎EGO-WRAPPIN' (at WHITE STAGE / 14:20~15:00)

  ホワイトステージは2年前とあまり変わっていなかった。あれ、前はスクリーンとかなかったっけ? 客も一昨年とは大違いで、結構入ってる。真ん中よりちょと前あたりで、最初は様子を伺う。印象としては、ジャズやブルーズ、ロック色が濃いジャズやブルーズといった感じ。もし今ビリー・ホリディが音楽をやっていたら、きっとこんな音を出すんじゃなかろうかっていうイメージの音。けどジャズロックとかブルーズロックとか、そういうのともちょっと違う。独特な「色」を持ったユニットだと思った。

  とにかく、踊ってナンボの音楽。日中の炎天下の中で聴くタイプの音楽だとは思わないが、最後まで気持ちよく踊らせてもらった。ボーカルの歌声が気持ちよく伸び、心に響く。その上手さに唸りながら、連鎖するように前へ前へと進んでいき、踊り狂っう自分。お洒落だとかクールだとか、彼らをそういう上品な言葉で表現することは簡単だ。けど、自分にはもっとどぎつい「黒さ」のようなものが感じられた。それは音楽的要素としての「黒さ」ではなく、もっと人間の暗部、決してネガな音楽をやっているわけではないのだが、何故かそういうものを感じてしまう。これは家でCD聴くよりも、クラブや小さい小屋でライブを楽しむ音楽だな。


◎くるり (at FIELD OF HEAVEN / 14:20~15:20)

  昨年のフジロックでは、ここFOHで奥田民生が演奏した際にやはり規制がかかる程人が入ったそうだ。「あのFOHが人でごった返してるって?」と半信半疑だったが、この時くるりを観に足を運んで、それがどういう意味なのかがよく判った。本当に後ろまで人でビッシリなのだ。

  俺が着いた時点でエンディング近くだったようで、すでに「ばらの花」がスタートしていた。この1曲が聴けただけでもよかった。昨年のサマソニにも出演してるが、そのときとは状況が変わってきている。すでに彼らはホワイトやグリーンでも何ら問題のない存在なのだ。

  ステージにはサポートのギタリストを入れた4人。「ばらの花」の後は、この日の為に作ったという「変な曲」(岸田・談)を披露。不協和音や怪しいコーラスが入る、殆どインストと言っていい曲。一応歌っているのだけど、歌詞らしい歌詞はなく、うめき声というか何というか……おふざけソングですな、これ。途中でフロント3人が同じアクションを取って踊ったりして、そしていきなりプツリと曲は終了し、くるりのステージも終了。


◎ミラクルヤング (at FIELD OF HEAVEN / 16:00~17:00)

  ボーカルは元INU、現在作家として活躍中の町田康(元・町田町蔵)、ギターにシアター・ブルックの佐藤タイジ、ベースが現在清志郎のラフィータフィーでも活躍中の藤井裕。このメンツでしびれた人、或いは「町蔵は何をやるつもりなんだ?」といった興味本位でここまで来た人。当日のFOHはこの2タイプの方々で埋め尽くされるはずだった。が、実際にはさっきのくるりでの規制がウソのような閑散振り。裏はグリーンでASIAN DUB FOUNDATION~TRAVISだもん。そりゃそっちに行くわ。

  ドラムとベース、そしてギターが登場して、軽くジャムセッション。カッコイイ! どこからが本番でどこまでがサウンドチェックなのか判らないくらい自然にスタートした。そして町田がアコギを首からぶら下げて登場。「ア~アァアァア~」っていう‥‥何だっけ、ほら、よく耳にする‥‥学校の音楽の授業とかでもやるクラシカル曲‥‥超有名な曲なのに、タイトルど忘れ。とにかくその曲をアレンジして、メロディーラインをア~だけで歌い通す町田。バックの演奏がフュージョン+ハードロックって感じで、ちょっとCHARあたりを彷彿とさせる。けどあそこまでジャジー&ブルージーでもないんだけど。ちょっとアレンジのせいで、ふとRAINBOW版「Somewhere Over The Rainbow」を思い出したのは、俺だけだろうか?

  前半はタイジの魅せ場満載で、町田の影が薄かった。タイジ、チョーキング一発決めれば右手を天に向け仰け反るし。ちょっとリッチー・ブラックモアと印象が被った。ギターヒーローらしいギターヒーローを久し振りに観た感じ。当人は本家であるシアター・ブルックでは歌も歌ってるわけだから、普段はここまで動けないはず。つうことは、フロントマンとして鬱積してたものが多少なりあったってことか。

  曲もリフ主体の70年代的ハードロック。ギターリフに合わせてベースもリフをユニゾンで弾いたり、またバトルしちゃったり。ジミヘンとかツェッペリンみたい。しかも1曲が長い(必ず中盤にジャムセッション風のソロパートが入る)。こういう古くさいハードロックが町田の歌に合っていたのかは最初、疑問を感じていたが。

  MCは完全にタイジの役目。町蔵ぅ~って歓声が湧くと、それにちゃんと受け答えする町田。「黒って何だぁ~?」っていう、例のCMを意識した声が挙がると、たまらずタイジも「うちのボーカルは、怒らせたら怖いぜぇ~」と一言。この後あたりからだろうか、町田もエンジンがかかり始めたのは。

  町田は終始マイペースで、歌い方自体は最近の唱法なのだけど、やっぱり存在感ある人ってのは、そこに立ってるだけで違う。もうステージの上にいるだけでいい。オーラっつうか、そういうのをひしひしと感じる。で、それに対して大袈裟すぎるくらいのアクションで受け答えするタイジ。一見対照的だが、このバランス感がバンドには必要なのだ。

  最後にはノリノリで終了したミラクルヤング。音源が発表されていないため、1曲も知ってる曲はなかったが、それでも十二分に楽しめた。大物ミュージシャンが組んだ「スーパーユニット」というイメージが観る前はあったが、あれを観た後なら誰もが「これはバンドなんだ」と断言できるはず。


◎MANIC STREET PREACHERS (at GREEN STAGE / 19:10~20:30)

  以前から「フェスでマニックスを観たい!」と言い続けてきた俺だが、その願望が遂に実現する日が来た。しかも、大好きなフジロック、苗場の一番大きなステージで。さらにOASISの前座ときた。こりゃ観客もマニックス側も盛り上がらないわけがない。どうOASISを「食う」のか‥‥その1点だけがずっと気になっていた。

  無機質なインダストリアル系っぽいSEに合わせてメンバーが登場し、ジェームズがいつもの挨拶をした後に1曲目のタイトルをコールする。今回のツアー同様、「Found That Soul」からスタート。本ツアーとは選曲・曲順を変えていて、通常は2曲目に「Motorcycle Emptiness」へと流れるのだが、比較的アップテンポな曲を頭に固めた。フェス仕様なのだろうか。個人的にはまだ一度もライブで体験したことのなかった「Faster」に痺れ上がった。

  新作からの曲が激減し、シングルナンバーだけになっていたのはちょっと驚きだった。個人的にはライブで聴きたい曲満載だった新作なのだが、どうやら今夜はグレイテストヒッツ的内容で攻めるようだ。これもOASISに対する挑戦状だろうか。それにしても、新譜や前作からの曲への反応は素晴らしいのだが、「Faster」や初期の曲への反応の寒さといったら。自分の周りだけだったのかもしれないが、明らかにノリきれてない。ボーっとその場に棒立ち状態。前のブロックでは半狂乱に暴れる輩やダイバー続出の「Motown Junk」でも「これ、知らなぁ~い」って今にも言いそうな空気が流れていた。

  内容に関しては文句なし。ジェームズもいつも通りだったし、ショーンもいい感じだったし、ニッキーはこれまで観た中で一番調子良さそうだったし。そのニッキーが爆発したのが、エンディング「You Love Us」でのこと。2コーラス目の途中でベースを床に叩きつけ、マイクスタンドを持って、客を煽りまくる。当然ベースの音がないまま曲はギターソロへと突入。前回来日時の縄跳びといい、この人は……ちなみにこの日の彼は久し振りのワンピース姿。中盤のジェームズ弾き語り前後で衣装替えを行っている。

  アコースティックコーナー前に「A Design For Life」やられちゃったんで、泣くに泣けなかった。っと盛り上がるところでやってほしかった。唯一文句を言うとしたら、中盤以降の曲の並べ方かな。ミディアム~スローな曲が固まっていて、途中から肌寒さを思い出す瞬間が何度かあった。けど、プレイされた曲の大半はシングルとして発表されている曲ばかりなので、もしかしたらこのセットリストってのは、来るべきグレイテストヒッツへの伏線なのかもしれない。

  何にせよ、俺は泣かなかった。きっと泣くだろう、誰もがそう思っていたはず。実際自分でも号泣するんじゃ……なんて思っていたけど、目頭が熱くなることすらなかった。何故? もうマニックスが、俺にとって必要なバンドではない、ということではない。俺がマニックスを越えていったんだろう。そこに俺が込めた思いとか、想い出とか、そういうのを越えていって客観的に見れるようになったのかもしれない。それに後ろのほうで観てたから、とのも大いに関係あると思うが。とにかく、初日のピークだったのには違いない。

  最後の最後で、ニッキーはアンプやモニターにマイクスタンドをぶち込み、ショーンもドラムセットを蹴り倒す。かなり派手にやってる。これこそ俺が知ってるマニックスってもんだ。ただ、初期の彼らを知らない最近のファンはビビっていたようだが。これもOASISへ対する煽り、挑戦状だったのだろうか?


01. Found That Soul
02. You Stole The Sun From My Heart
03. Faster
04. Motorcycle Emptiness
05. Ocean Spray
06. Tsunami
07. The Masses Against The Classes
08. Let Robeson Sing
09. Sweet Child O'Mine ~ Baby Love ~ Motown Junk
10. A Design For Life
11. Raindrops Keep Fallin' On My Head
12. The Everlasting
13. Ready For Drowning
14. Everything Must Go
15. So Why So Sad
16. Kevin Carter
17. If You Tolerate This Your Children Will Be Next
18. You Love Us


◎OASIS (at GREEN STAGE / 21:30~23:00)

  会場に向かう途中、1曲目「Go Let It Out」が聞こえてきた。続く2曲目までは昨年の来日公演と同じ。途中、風の流れで曲が確認出来なかったが、会場のゲートをくぐった時点で「Morning Glory」が終わったところだった。

  グリーンステージに到着して、俺は驚愕の場面に遭遇する。人、人の海なのだ、グリーンステージが。こんなグリーン、観たことないぞ? 一昨年のBLURも確かこんな感じだったけど、あれよりも遙かに人が入っている。恐らく今日苗場を訪れた人の8割以上がここに集まっているんだろう。

  そうそう、こんなOASISが観たかったんだよ! グラストやレディングフェスでの一場面のような光景。本当に鳥肌が立った。前の方で観てた人には判りづらいと思うが、後方から全体を見渡したときの光景といったら、それはもう例えようがないくらいのすごさだった。俺の中の理想像に限りなく近い光景がそこにはあったのだ。

  リアムもかなり調子がよさそうで、他のメンバー(特にゲムとアンディ)も数をこなしたことによって魅せ方が判ってきたような印象を受けた。ゲムがソロを弾く場面もかなり増えていたし。

  けど、みんなが言うほど俺はセットリストはすごいとは感じなかった。結局、要所要所は前回とほとんど変わっておらず、「Wonderwall」をやらない代わりに意外性のある曲が多かったってわけでもない。1998年2月の武道館以外は毎公演足を運んでいるだけに(特に初来日と2回目は何度も観ているし)、それまでに演奏されている曲ばかりだから新鮮味はあまりなかった。とはいえ、大半の曲を一緒になって歌ったんだけどね。

  個人的には前回聴けなかった「Shampagne Supernova」を野外で聴けたことが大きな収穫か。これで天気が良くて流れ星なんか見えたら最高のシチュエーションだったんだけどなぁ(この頃には肌寒いを越え、凍えそうなほどの寒さだった)。

  ラストはお約束の「Live Forever」なのだが、ここであることに気づいた。みんな歌っているのだ! 「Maybe, I don't really wanna know♪」ってちゃんと聞こえる。やっと実現した、3万人が同時に消費するOASIS。ここで2度目の鳥肌。嗚呼、やっぱりOASIS観ておいてよかった。素直にそう思えた瞬間だった。

  アンコールにも応え、懐かしい「I Am The Walrus」を披露して、23時頃には終了。実質90分におよぶステージだった。正直期待していなかっただけに、これはちょっと得した気分だった。見終えたときにはマニックスとの勝負なんてどうでもよくなっていた。特にマニックスの煽りを受けるわけでもなく、OASISはいつも通りのOASISのまま。貫禄なのか、端から相手になってなかったのか。ビッグなバンドのすごさってのを改めて見せつけられた思いがする。


00. Fuckin' In The Bushes
01. Go Let It Out
02. Who Feels Love?
03. Columbia
04. Morning Glory
05. Supersonic
06. Fade Away
07. Acquiesce
08. Gas Panic!
09. Cigarettes & Alcohol ~ Whole Lotta Love
10. Step Out
11. Slide Away
12. Champagne Supernova
13. Don't Look Back In Anger
14. Live Forever
---Encore---
15. I Am The Walrus


‥‥‥‥‥‥To be continued.

投稿: 2001 08 08 12:00 午前 [2001年のライブ, EGO-WRAPPIN', FUJI ROCK FESTIVAL, KEMURI, Manic Street Preachers, Oasis, Ramones, くるり] | 固定リンク

2001/06/11

SATURDAY NIGHT R&R SHOW 2001 "We Are The BRAIN POLICE"@日比谷野外音楽堂(2001年6月9日)

  頭脳警察が10年振りに再々結成する。正直、この話を知った時は「何故今更!?」という気持ちが強かった。だったら世紀の変わり目辺りに設定すればよかったんじゃないの?」とも思った。そして今回の活動に伴って、30年近く発禁扱いとなっていた幻のファーストアルバムを再発するというではないか。これは正直驚いた、というよりも嬉しかった。更に過去の未発表ライヴアルバムも同時にリリースさ れるという。ちょっと後ろ向きかな?とも思ったが、まぁただ活動再開するだけじゃないだろう、きっと新しいマテリアルも発表するだろうし、ライヴもやるだろうし‥‥それよりも、きっと今回の復活には意味があるのだろう。そういろいろ考えながら、今回の再々結成に臨んだ。

  10年振りの復活の日を6月9日(ロックの日)、しかもその場所を皇居に近い日比谷野外音楽堂を選んだというのも、なんだかもっともらしくてニヤけてしまう。更に頭脳警察の復活を祝うかのように、幾つもの若手バンドと、パンタとも交流のある中川敬率いるSOUL FLOWER UNIONも一緒だ。個人的に興味があるバンドが幾つも出演するし、何よりも「一体2001年の頭脳警察はどういう音を出すのか?」の一点に興味があったので、迷わず行くことを決定した。パンタとトシは「2001年の音」を鳴らすのか、それともただの「懐古趣味」で終わるのか‥‥

  いざチケットを取ってみたら、最前列だった。いいのか、どのバンドもそれ程詳しいというわけでもないのに‥‥まぁ椅子有りのライヴでこんなに前で観るのは初めてなので、この際楽しむこととしよう。ワクワクした気持ちで有楽町から野音まで歩いた。

  開場してから10分くらい経って入場した。会場に入ると、まず目に入ったのがグッズを買うための長蛇の列。当然、頭脳警察Tシャツなるものがこの日限定で発売されていたわけだが、勿論俺もその列に加わった。原宿「under cover」デザインという、とても頭脳警察とはイメージが結びつかないが、これがなかなかいいモノで。ファーストのジャケットをあしらった黒Tや、日比谷6.9メモリアル的な赤やグリーンのTシャツ等4種類ほどあった。俺は赤を購入(その後、すぐにソールドアウトとなったらしい)。「We Are The BRAIN POLICE」という文字や、胸に描かれた旗の中の「頭警」の文字がやけに目立つ、クール(ちょっと死語)な一品だ。これ、フジロックに着ていこう。

  自分の席に着くと、目の前は柵、すぐステージがあるような位置で、正面より左寄りだった。ベースアンプがあったので、今日はベーシスト観察となりそうな予感。まぁそんな余裕はないだろうけど。買ってきたビールを飲み干し、既に開演前から出来上がった状態だった。さぁ、そろそろ開演時間だ。舞台袖からスタッフらしき男が「S.E.回して!」と反対側袖のスタッフに怒鳴る。日はまだ暮れていない。梅雨時にも関わらず、幸い天気には恵まれたようだ。ドライアイスのスモークが立ちこめる中、いよいよトップバッターの怒髪天の登場である。


◎怒髪天

  名前だけは雑誌などでよく目にしていたのだが、それ以外のインフォメーションは一切なし。勝手な思いこみで‥‥名前からイメージして、ハードコア系だと思っていた。が、それは大いなる勘違い。4ピースバンドの、良くも悪くも「日本のロックバンド」といったイメージのバンドだった。4人が4人共個性がバラバラで、ボーカルはポルノグラフィティあたりにいてもおかしくない出で立ちで(あれよりももっと無骨な印象だが)、ギターはちょっとヤンキー入った感じ、ベースはいかにもパンクなルックス、ドラムは‥‥怖い、怖かった(笑)。土建屋あたりに勤めてそうなルックス、そこにレイバンのサングラスだもん‥‥がら悪いよ、マジで(笑)。けど、サングラス取ったら結構かわいい顔してたけど(笑)。

  うん、このバンドのイメージは「漢(おとこ)」だね。パンキッシュな和製ロックンロール。エレカシなんかに共通する、あのイメージ。個人的には嫌いじゃないけど。曲は思い出せないけど。「男なら~♪」みたいな歌詞は頭に残ったけど、それだけ。それ以上にボーカルのMCしか印象に残っていないのも何だけど(笑)。やたらと客に向かって「てゆうか、殺します」と言ってたのが印象的。 いや、好きなんだけど。客席からも笑いがこぼれてたし。 20分程度、5曲で終了。これからのバンドだな、こりゃ。


◎In the Soup

  「インスーは凄いらしい」という噂だけが先行していて、実際この日が初めてだった。勿論、音聴くのもヴィジュアルも。よくよく調べたら、一昨年のフジロック「ニューカマー・テント」に出演したそうな‥‥それは未チェックだった。メジャーデビュー自体は昨年らしいけど、それまでもインディーズでマキシシングル何枚か出してたみたいなので、活動歴自体は結構あるようだ(年齢的にも俺に近いらしいし)。

  で、そのインスーだが‥‥うん、いいバンドだわ。ここも4ピースだけど、ボーカルがギター弾く頻度が高く、音的には前のバンドよりも広がりがあってよかった。音楽のジャンル的には好対照で、こっちは勢いというよりも、完全に聴かせるタイプのバンド。ボーカルの声量や歌唱力が半端じゃなく、それを支えるバックもなかなかなもんだった。ボーカルのルックスがいい意味でエレカシ宮本+ミスチル桜井って感じ?で、女性ファンもかなり入っていた。かなり声の太い、ソウルフルな歌声で、好印象。歌詞も聴かせる感じのもので、非常に興味深かった。その大半がミディアムテンポの曲だったので、途中で飽きを感じていたら、終盤にあの"グリーングリーン"をパンクバージョンで披露(お約束なの?)し、一気に観客の目(耳)を惹きつける 事に成功した。自分らを知ってる人も知らない人も唄える歌だろ~みたいなアドリブ入れて、コールアンドレスポンスを求めてたけど、なかなか上手くいかなかった。

  そうそう、アドリブの多いシンガーだね。「大人も子供も~男も女も~いろんな顔が見えるぜ~ヘルメット被った人もいるし~今日は物騒だぜ~♪」なんてアドリブをいろいろかましてて、客を惹きつけるパワーだけは持ってるようなのだが、いかんせん今日は頭脳警察目当ての客が殆どなわけで、分が悪すぎた。かわいそうだけど。

  5~6曲程度で、約30分のステージだった。単独で観てみたい気がしないでもない。ってその前にCD聴いてみようかな? ひたちなか3日目も出るそうなので、もう1回ライヴ観てから決めようかと思う。


◎SOUL FLOWER UNION

  実はニューエスト時代は勿論、ソウルフラワーになってからも1度もライヴは観たことがなくて、この日が初めて。昨年のフジロックでの武勇伝をいろんな人から耳にしていただけに、かなり期待してたのだが‥‥期待以上。正直、マジ惚れした。よく俺がBRAHMANに対して「純日本のロックバンド」という表現を使うが、はっきり言ってその例え、ソウルフラワーの方がピッタリ。ニューエストやメスカリン・ドライヴはそれぞれイギリスやアメリカのニューウェーブを発端としてスタートしているわけだが、そこからいろんな民族音楽などを取り入れることによって、真の意味での「ミクスチャー」バンドと成長していったのが、現在のソウルフラワー。しかし、彼らに対して多少の疑念のようなものがあったのも事実で、正直「胡散臭い」と思ってた時期もあった。けど、それを見事に打ち消したのが、1999年末に発表されたライヴアルバムだった。なんだ、結局はこいつら、ただのロックバンドじゃねぇか!?っていう、至極シンプルな結論に達したのだ。だから、それを生で体験できる今日この日を、俺はどれだけ待ち望んだことか‥‥

  ステージにはサポートのドラマーを含めた5人。テレキャスターを持った中川が主にリードを弾き、伊丹嬢は白のグレッチやら、アイリッシュ・トラッド系の人がよく持ってるような変な形のアコギやら、チンドンやら太鼓やら、曲によっていろいろ持ち替える。1曲ごとに持ち替えるのではなく、エレキを使う曲2~3曲やったらアコギで2曲、続いて‥‥という感じなので、特に楽器チェンジによるイライラ感はなかった。だって、それをサポートする中川のMCがあったから。この人、いい人だね?

 パンタに対する愛情をたっぷり語っていた。

「丁度10年ちょっと前に、バンドブームなるものがありまして‥‥当時、ニューエスト・モデルっていう、どうしようもないバンドがいまいて(笑)。‥‥ああ、メスカリン・ドライヴっていう、うざったいバンドもいましたけど(伊丹と目が合い、全員爆笑)。その時によくイベントとかでいろんなバンドと対バンするんですよ。若手ばかりなんですが、たまにベテランの人もいまして‥‥で、そういう時は食ってやろうって喧嘩腰で挑むんですが‥‥俺はそこである人に出会って、その人に心底惚れちまったんですわ。それがパンタなんですけど(笑)」

‥‥なんか、イイ話だなぁって思って。酔ってたせいもあって、かなり感動してた、俺ひとり。「そろそろ‥‥来年あたり、しっかり動いてもらわないと、パンタのオヤジには」とか言っても、もうそこには愛しか感じないわけで。中川ってもっと怖いイメージがあったのだけど(勝手に思いこんでただけだが)、すごく愛想のいい、いかにも関西の人って感じで、この日で印象がガラリと変わった。ちょっとね‥‥本気で好きになったよ、俺。

  演奏は、さすが中堅以上ベテラン未満って感じの、上手いんだけど落ち着いてない、荒さをところどころに感じさせるプレイ。リズム隊、特にドラムがかっこいい。何故サポート!?って思ったもん。ベースにしろ、キーボードにしろ、まぁこの人達はニューエスト後期からのメンバーだからね。そしてギターやチンドンにと大忙しの伊丹嬢に目を奪われっぱなし。カッコイイ、やっぱ女性ギタリストって。

  曲については今更何も言うことはないだろう。アイリッシュ・トラッドを感じさせる曲や、普通のロックンロールにお囃子の合いの手を入れたりとか、沖縄民謡をモチーフにした心にしみるバラードとか。結局、ニューエスト時代後期とやってることは一緒なんだけど、もっと幅広く、尚かつやりたいことが明確になってる分、揺るぎない自信というか、「これだよ、これ!」っていう何かを感じさせる、本当に素晴らしい内容だった。新曲らしいが、曲の最後のKINKSの曲で、JAMもカヴァーしてる"David Watts"の「パパパパ~パ~‥‥」ってコーラスを取り入れた曲もあって、なんか本当に「ミクスチャーミクスチャーしてないロックンロール」だなぁと好印象。7月に出る2年半振りの新作、期待大だな?

  ソウルフラワーの演奏時には前の方の客もほぼ立ち上がって踊り狂ってた。合いの手入れたり、本当、この後に待ちかまえてる「暴動」なんて知りもせずにピースフルな空気に包まれまくってた。もう1回、単独で観たい。50分では物足りなかったもの。


◎頭脳警察

  ソウルフラワーが終わった途端に、場の空気が変わった。セットチェンジ中、S.E.にフランク・ザッパの"Who Are The Brain Police?"が流れてたのだけど、終始異様な空気が流れていた。「パンターっ!」「トシーっ!」って野太い歓声がそこらじゅうから飛び交って。それまで後ろのブロックにいた黒メット隊や旧ソ連の国旗をあしらった赤ヘルやらが最前列に。い、いいのか!?(苦笑)俺の隣にもそれまでいなかった女性が‥‥ってよく見たらかなり歳いってる人で(笑)。 周り見回すと、最前ブロックの年齢層が高かったような‥‥オールドファンやら元赤軍の方々が集結してるのか?と思えるくらい、物騒な空気が漂っていた。

  照明が消え、ステージにメンバーが現れると、後ろからいろんなものが飛んできて、俺の目の前には火のついた爆竹が投げ込まれ、それがベースの足下で爆発。ベースのあんちゃん、飛んできた方にガンつけるし。しかも強面な人だったので、ちょっと俺も涙目に‥‥だって、俺もビビッたもん、目の前でいきなり爆竹破裂して(泣)。缶ビールもバンバン飛んできて、俺、思いっきり頭から被っちまうし‥‥既に真正面最前列はパンタやトシを観て、大暴れ始めてるし‥‥た、助けて‥‥この時ばかりは正直、ライヴレポートなんてどうでもいいから、後ろの立ち見席まで逃げようかと思ったよ、小心者な俺は(爆泣)。

  いきなりベースがあの印象的なフレーズを弾き始める‥‥1曲目は"銃をとれ"。もう最前列にいた赤いTシャツのにぃちゃん、柵越しにステージに上がるし! それまで柵とステージの間にはカメラマンしかいなかったのに、スタッフが慌ててやってくる。最前列の人間が柵をブチ怖そうとするわ、それを押し戻すスタッフと対立するわガンつけあうわで、小心者の俺としては(笑)ドキドキもんで非常に居心地が悪かった。演奏に集中するどころじゃねぇってぇの、マジで。

  一応、バンド構成の説明。パンタがリズムギターと歌で、トシがパーカッション。このふたりがステージ中央で演奏する形で、向かって右側には10年前の再結成にも参加した藤井一彦(Gt/THE GROOVERS)。今更何もいうことはないだろう。この人にストラト持たせたら、カッコイイの何のって!清志郎リスペクトイベント@武道館でもこの人は光っていたし。THE GROOVERSは泣かず飛ばずのイメージがあるが、サポートだけに留まらず、是非バンドとしても気合いで頑張って欲しいもんだ。

  左側、つまり俺の前のベースはJIGEN(B/も・も・な・し)。一見ヘヴィロックやハードコア系をやってそうな外見(坊主頭にタトゥー、袖に「梨」なんて漢字の入ったTシャツ、短パンに編み上げブーツ等々)だったが、実際には女性との2人組ユニットをやってる人らしい(音は未聴)その昔はハードロックバンドで活躍していた人らしいが‥‥パンタとは昨年末にあるセッションで出会ったらしい‥‥とにかくこの男、かなり上手い。"銃をとれ"をスラッピングで弾くとは、思ってもみなかった。その後、全ての曲指弾き&スラップで対応。しかもいい味出してるし。これはかなりの逸材ではないだろうか?

  ドラムはYOSHIRO(Dr/COBRA)。ひとりツンツンに立てた髪がいい感じで自己主張してた。パンクバンド出身だからもっと性急なビートを刻む人かと思ったら、意外とズッシリとした、重くてパンチのあるビートを叩きつけるタイプだった。これも意外。つうか、このバックはいい感じに作用してるんじゃないだろうか?

  この5人で奏でる音というのが‥‥ハードロックというよりも、ヘヴィロックに近い、かなり重心の低い音だった。ギターはそれ程歪んではいないのだけど、リズム隊のビートが異様に重くて、尚かつ昨今のヘヴィロックに匹敵するだけの技量とアレンジだったもんだから、全く古さを感じさせなかった。そう、演奏された楽曲は、殆どが'70年代の代表曲なのだけど、全く古さを感じさせない、むしろ「2001年の音」として鳴り響いていたのだ。これには正直驚いたし、逆にワクワクしてしまった。現在、頭脳警察としてのオリジナルアルバムを作ってるそうだが、きっとこのメンツに更にゲストを迎えてって形だろうから、かなり期待できるんじゃないだろうか?

  客席では相変わらずめっと隊の奴らが椅子の上に立って後ろを煽ったり、客席の左右に走り回ったりしてた(ような)。とにかく、最前列の暴れっぷりは一種異様。あんなライヴ、きっとここ10年くらいなかったんじゃないの? パンタはMCを極力なくしてた。煽ったら逆効果なの判ってたから? 歌以外からは感情をあまり感じさせなかった。「頭脳警察です。10年振りに凍結解除しました」とか、そのくらい。演奏や歌の熱は半端じゃなかったけど。

  やっぱりピークは頭2曲と、大合唱になった"さようなら世界夫人よ"、そして"ふざけるんじゃねえよ"では再び一悶着あったし、本編ラストの"Blood Blood Blood"も凄い盛り上がったかな。そうそう、唯一演奏された新曲。これは先にも書いたようなヘヴィロック的アプローチ、更に攻撃的な歌詞だったので、かなり期待していいと思う。この曲のみ、リズム隊のフレージングはそれまで以上に「今」してた。うん、かなりカッコよかった。

  アンコールは"コミック雑誌なんか要らない"からスタート。これなんてもう、リズムが重くてキレがあるから、ツェッペリンの"Rock And Roll"みたいだった。ただひたすらカッコイイ。

  更に続くは、あの印象的なドラムのタム回し‥‥そう、"悪たれ小僧"だ。ここでパンタがこの日初めての笑顔で叫ぶ。「中川ぁ~!」そして袖からギターを持って登場した、ソウルフラワーの中川。どうやらこの曲でセッションするようだ。そういえば本編の間、ずっと袖から中川が演奏を食い入るように観てるのが目に入っていたのだが、本当にこの人、パンタを慕っているんだなぁ‥‥レスポール(パンタ)、ストラト(藤井)、テレキャスター(中川)という、相性がいいんだか悪いんだか判らないギターバトルが繰り広げられる。中川はサビのコーラス入りを間違えたりで、結構茶目っ気たっぷりな笑顔を見せていた。パンタも本編以上に笑みがこぼれる。うん、こういう頭脳警察もちょっといいかも‥‥

  結局、ソウルフラワーと同じ程度の50分でライヴは終了。約3時間に及ぶイベントはこれをもって終了した。そういえば、頭脳警察の音、半端じゃなくデカかったなぁ‥‥耳おかしくなったもん。爆竹のせいもあるけど(苦笑)。


[SET LIST]
01. 銃をとれ!
02. マラブンタ・バレー
03. 歴史から飛びだせ
04. さようなら世界夫人よ
05. (新曲)
06. ふざけるんじゃねえよ
07. Quiet Riot
08. Blood Blood Blood
—encore—
09. コミック雑誌なんか要らない
10. 悪たれ小僧


◎総評

  ここまでタイプの違う4バンドが揃うイベントも、逆に面白いと思う。4月に観た19や清志郎出演のイベントよりは、「ロック」で統一されていたからかも。今回はあくまで頭脳警察がメインなわけで、その再々出発の門出を祝うかのような演出だったのだが、中には明らかに頭脳警察とは何の関係もないバンドもいた。けど、それはこういうイベントの性質上仕方のないことだと思うし、逆にいろんな音楽を楽しめる「お得感」が楽しめたのではないだろうか? まぁ俺みたいに何でも楽しめるという人ばかりでもなさそうで、実際には頭脳警察にしか興味がなく、ソウルフラワーが終わるまで会場に入らなかった人もいたくらいだ。ソウルフラワーの時と頭脳警察の時とでは、明らかに客の数が違ったし。何か俺からすれば「人生損してるんじゃないの?」とか思ってしまうんだが‥‥人それぞれだから、まぁいいか。

  話によると、今回の頭脳警察は9月9日までの「3ヶ月限定」活動らしい。その間にアルバムを制作して、ライヴもまたやるんだろう。今告知がないところをみると、きっとゲリラ的にライヴハウスやイベント、フェスなんかに飛び入りするのかもしれない。そういえば、'90年の再結成のときも「悪たれ小僧」の名でシークレットライヴやったそうだから‥‥ありえない話じゃないな?

  とにかく、もう1回フルで観たい。その時は、是非中央から後方で‥‥マジで怖かったんだってば(泣)



▼頭脳警察『頭脳警察1』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2001 06 11 12:35 午前 [2001年のライブ, Soul Flower Union, 怒髪天, 頭脳警察] | 固定リンク

2001/05/21

エレファントカシマシ@Zepp Tokyo(2001年5月20日)

  というわけで、エレカシである。前回のツアーは昨秋リリースのコンピ盤「SWEET MEMORY ~エレカシ青春コレクション」をプロモートするツアーでもあったわけで、そこでいち早く新曲"孤独な太陽"が披露されていた。今回のツアーは全国にあるゼップ会場を回るクラブツアーになるわけだが、新曲リリース後にニューヨークへ飛んでレコーディングをしていたというそうだから、この場で再び新曲が何曲か耳に出来るのでは‥‥そんな思いを胸に、約2年振りにお台場・ZEPP TOKYOへ向かった。

  会場には開場時間1時間前に到着してしまった。既にグッズの先行発売を行っていたが、会場内からはリハーサルの音が漏れている。"コールアンドレスポンス"のようだ。ツアー開始2日目という事で、感を取り戻す為に念入りなリハーサルを開場直前まで行っているようだった。

  その後、会場周辺をぶらつき、開場時間の17時を過ぎた頃に再びZEPP前へ。既に入場の為の行列が出来ていた。俺はB280番台だったので、暫くその行列を眺めながら今日演奏して欲しい楽曲を勝手に想像していた。果たして秋冬のツアーとどう変えてくるのか‥‥

  ZEPPは独特な柵分けがあって、ダイヴなどがしにくいような気がする。まぁエレカシでダイヴっつうのも‥‥見てみたい気もするが。俺は会場中央よりちょっとだけ前寄りに陣取り、ライヴのスタートを待った。前回同様10分遅れでスタートした。上下黒で統一したメンバー4人が現れる。「Oh,Yeah!」を連呼する宮本。ホールとは違い、独特なノリが感じられた。

  1曲目は先日発売のマキシシングルに収録された"東京ジェラシィ"。ちょっと意外だった。かなり低いキーから唄い出す曲なので、ちょっと聴き取り難かった。キーが高くなって判明したのだが、この日の宮本の声の調子はあまりよくないようだった。何か既にツアー後半戦的コンディションというか‥‥千葉で観た時と同じような状態のような気がした。リハーサルに気合い入れすぎたのか、それとも最近はいつもこんな調子なのか‥‥この状態は最後まで続いたが、前回のように後半更に酷くなるということもなく、この状態を維持したまま、宮本は最後まで唄い叫んだ。

  続く2曲目はお馴染み"明日に向かって走れ"。前回と同じ構成だ。特に目新しいことなし。ただオーディエンスとメンバーとの距離感が短いせいか、「歌」がよりダイレクトに届いた、そんな気がした。メンバーの表情も手に取るように判るし。3曲目は先頃JR東日本のCMにも起用された、懐かしい"孤独な旅人"。出だしのギターのキーを宮本が間違っていた為、一瞬ドキリとしたが、そこはさすがプロ。何事もなかったかのようにオリジナルのキーに戻っていた。

  この後の展開は、やはり前回同様の"悲しみの果て"や、久し振りでは!?の"おまえと突っ走る"といった「ココロに花を」の楽曲を連続3曲披露。ちょっと嬉しかった(好きなアルバムなだけに)。そして一端"今宵の月のように"を披露した後、小休止。アコースティックコーナーへと移る。

  ここでは「愛と夢」から唯一披露された"真夏の夜空は少しブルー"がいい感じだった。前回のツアーでも時々演奏されていたようだが、「愛と夢」再評価が俺の中で盛り上がっている時期だったので、ちょっと嬉しい。本当はもっと他の曲も聴きたかったのだが‥‥そして続けざまに披露されたのが、「東京の空」収録の"誰かのささやき"! これには正直驚いた。タンバリンをサンプリングした打ち込みに合わせて演奏するという昨今のスタイルで演奏されたのだが、この時点までに演奏されていた『ポニーキャニオン~東芝移籍後』の楽曲と全く違和感がなかった。傑作「東京の空」というのは、今思えば初期のストロングスタイルのエレカシと、移籍後の歌を聴かせるスタイルのエレカシとの橋渡し的作品だったのではないだろうか? もっともあの時点での契約終了がなければ、「ココロに花を」は存在しなかっただろうけど。そういう意味では、本当にバランスがとれた作品だと思う、「東京の空」は。

  少し話が脱線したが、ライヴに戻ろう。アコースティックコーナーの締めは、最新シングルの"孤独な太陽"。昨年末のツアーでも既に披露されていた、あの曲だ(但し、当時はまだタイトルがなかった)。前回同様、宮本は椅子に座ってギターを弾く。あれっ、確か昨年のツアーではアコギだったような気が(テレビや今回のライヴではレスポールだった)。アレンジ自体は殆ど変わっていないようだが、リリースされて歌詞に目を通した分、より伝わって(聴き取れて)心に響いた。もっとヒットしてもいいはずなのだが‥‥

  ここで宮本、手ぶらに。「新曲がやっと1曲出来ました。えっと、いつ出るんだっけ? 7月?(と石くんに問いかける)ってこのオヤジに聞いても判るわけないか」と、相変わらずギターの石くんイジメ(笑)。そして披露された新曲は、パワーコード一発!って感じのリフが印象的な、アップテンポのロックナンバー。曲の構成は比較的シンプルで、Aメロとサビの繰り返し。低いキーからスタートし、後半オクターブ上がりするのは、最近の宮本のパターンなのか? 「豊かさの中の流浪の民よ」「俺達の憂鬱を」といったフレーズが耳に残り、「闘争」という言葉も何度か出てきたような記憶が‥‥歌詞だけ取れば、初期エレカシ的スタイルなのかもしれないが、メロディーが「現在進行形」のエレカシを感じさせるもので(特にコード進行に それが顕著に表れている)、まぁヒットは期待できないかもしれないが、次の一手を占う意味では非常に興味深い作品だと断言できる。
  そして何より、この新曲も「あくまでバンド」として演奏していた事が嬉しかった。前作では宮本の独断で打ち込みを取り入れ、それが楽曲に上手く作用していたが、石くんも成ちゃんもトミも、上手く生かし切れていなかったのでは?という疑問も少しだけあった。だからこそ、今年に入ってからの新曲が「あくまでバンド」主体の楽曲‥‥打ち込みに合わせて演奏するのではなく‥‥ばかりだという事に、俺はちょっとドキドキしている。もしかしたら、ハードサイドとソフトサイドが上手く融合した、過去最高のエレカシが生まれる可能性もあるし、逆に転ける可能性もある。恐らく秋にはアルバムが手元に届くはずだから‥‥その時にまた続きを。

  ここから後は、前回のライヴ同様、お馴染みの曲で攻めてエンディングまで持っていく形だ。前作からの"武蔵野"を披露した後に、トミのスネア頭打ち‥‥会場騒然、そう、本編ラストは"コールアンドレスポンス"だ。宮本は途中でギターを下ろし、狭いステージの上を右へ左へと暴れまくる。ここまでは高音がかなりきつそうだったが、それでも前回よりはいい方だ。マイクを床に叩きつけてステージを去り、本編終了。当然、アンコールを求める拍手が延々続く。

  ステージ袖から走って登場する宮本。シャツを黒から白に着替えている。やっぱり宮本といえば白シャツだろう。「もう何曲かやります!」の声に、観客大喜び。さて、ここまでで「エピック時代」の楽曲は1曲のみ。他にも期待できるのか?

  まずは再び「ココロに花を」から"かけだす男"。これも好きな曲だ。ハードだが泣きのメロディーが胸に響き、切なくなる曲だ。後半メロディーや節回しが複雑になるところが特に好き‥‥演奏もタイトだ。

  エンディングを引っ張り、宮本がトミに何か話しかける。相づちを打つトミ。カウベルを叩き始める‥‥ということは‥‥石くんが、あのリフを弾き始めた!!! "デーデ"じゃないかっ!!! ファーストからの曲が聴けるとは、思いもしなかった。1月の武道館ではやったらしいが、まさか今日ここで聴けるとは思ってもみなかった。俺もそうだったが、当然のように他の観客もこの日一番の盛り上がりを見せた。何せダイヴする客まで(!)現れたんだから‥‥そう、本当にエレカシのライヴでダイヴを観る事になろうとは‥‥っ!!! 初めて聴くライヴヴァージョンは、アルバムよりもハードコアなアレンジだった。特にサビに入る前のシンコペーション‥‥ガッガッガッってギター・ベース・ドラムが一丸になるところね‥‥のリズムが速くなるところ! 思わず拳を握りしめてしまった! 再びマイクを床に叩きつけてステージを去る宮本。当然、アンコールを求める拍手その2が延々続くのだった。

  そして2度目のアンコール。またまた「ココロに花を」から"四月の風"を披露。このアルバムの中で一番好きな曲だ(!)。ひとり泣きそうになりながら唄う、唄う‥‥それにしても、今回のツアーは「ココロに花を」の楽曲がここまでで5曲も披露されているが、これには何か意味でもあるのだろうか? たまたま選曲したらそうなったのか、それとも新作への伏線なのか? 非常に気になるところだ(でも、何か宮本の気まぐれのような気もするけど/笑)。

  最後の最後にプレイされたのは、名曲"ガストロンジャー"だ。当然客もステージも大暴れ。宮本は再び石くんに技をかけたりして、演奏の邪魔をする。それでも、何事もなかったかのように笑顔で演奏に戻る石くん‥‥やっぱり君こそ、真のギターヒーローだっ!(笑)

  まぁこんな感じでライヴは終了したのだった。時間にして、正味1時間半といったところか。前回とほぼ同数の演奏だったが、意外とあっという間に終わった感がある。まぁ今日でこのツアー2日目ということもあり、まだ肩慣らし(或いはリハビリ)状態にあるのかもしれない。演奏も危うさを感じる箇所が、途中何度かあったが、トータルで見れば満足のいく、いつも通りのエレカシだった。

  今回はアルバムレコーディング時期のライヴだったのだが、思った程新曲は披露されず、完全な新曲はたった1曲のみだった。ライヴ前は、もっと演奏されると勝手に想像していて、それらの楽曲とこの日のエレカシの状態から新作を占おうなんて思っていたのだが‥‥エレカシはいつも通りのエレカシだった(苦笑)。毎回何か新しいことを要求するのは少々酷かもしれないが、その辺は歴史の長いバンドだ、過去のレパートリーから意外な選曲をすればフォローできるだろう(新しさは皆無だが)。メンバーにとってはレコーディング最中の息抜き的(或いはレコーディング終了後のリハビリ的)ツアーなのかもしれない。まぁそれもいいか‥‥

  という事で、次に俺が彼らを観るのは、8月5日の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」だ。フェスという事で演奏時間は短いだろうが、ファン以外の人間をも巻き込んで盛り上げてくれるような内容になるだろう‥‥ことを勝手に祈っている。


余談:この日は通常よりも1時間早い開場・開演時間だったのだが、当然バンドの入り時間やリハーサルの時間も1時間早まるわけだ。そこで宮本はこの日、10時に目覚ましをセットしたのだが‥‥目が覚めたら昼の1時だったそうな(笑)‥‥まぁギリギリリハーサルには間に合ったらしいが‥‥新曲と言って、即興でそういう歌詞を付けた曲を演奏するエレカシって‥‥お茶目だ(笑)。


[SETLIST]
01. 東京ジェラシィ
02. 明日に向かって走れ
03. 孤独な旅人
04. 悲しみの果て
05. おまえと突っ走る
06. 今宵の月のように
07. 真夏の星空は少しブルー
08. 誰かのささやき
09. 孤独な太陽
10. (新曲)
11. 武蔵野
12. コールアンドレスポンス
--アンコール--
13. かけだす男
14. デーデ
--アンコール--
15. 四月の風
16. ガストロンジャー



▼エレファントカシマシ『sweet memory~エレカシ青春セレクション~』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2001 05 21 05:09 午後 [2001年のライブ, エレファントカシマシ] | 固定リンク

2001/03/25

KISS THE FAREWELL TOUR JAPAN 2001@東京ドーム(2001年3月13日)

「フェアウェル・ツアー」と銘打ちながら、2年近くも続く営業ってのも珍しい‥‥こいつら、本気で引退もしくは解散する気があるんだろうか?(笑)見る前からこんな邪心でいっぱいだった、4年振りに同じ会場で観るKISS。通算4回目って事になるのかな? この「4回」っていう数字が本当に生涯記録になるのかどうか、現時点では判らない。だけど本当に「現ラインアップでの」終焉は近付いている。

本来昨年11月に予定されていたジャパンツアー。しかしチケット発売直前になって原因不明の延期。ピーター・クリスやエース・フレーリーとのギャラの折り合いがつかなかったとか、彼らがこれ以上のツアーをごねたとか、噂はさまざま。しかもそれぞれの噂全部に信憑性があったりするのが、またKISSらしい。だって実際にこの2月には最後の来日を待たずしてドラムのピーターが正式に脱退してるし。そう、オリジナルメンバーでのKISSは既に終わってしまっている。残されたスケジュール(日本とオーストラリア、その後アメリカ国内で数回あるとも噂されている)をこなす為に元メンバーに召集令状が届く。1月末には「KISS FESTA IN JAPAN」の為に来日していたエリック・シンガーが電撃復帰。しかもピーターの代役という事で、メイクや衣装まで用意されるとの事。一体KISSはどうなってしまうんだ!? オリジナルの4人でない事もあり、また直前にAC/DCを観てしまったが為に、彼らに対する期待は皆無に等しかった。だって今年に入ってからライヴ当日まで、1回もCD聴かなかったもんな、KISS。

8ヶ月振りの東京ドーム。やっぱりデカイ‥‥幸運な事に今回の席はアリーナA17ブロックの102番。ステージに向かってかなり右寄りで、目の前にあるのはステージではなく巨大なKISS人形だった‥‥(笑)しかし、最前ブロックの、しかも前から10列目前後なんていうのは生まれて初めてだ。そう、メンバーさえこっちまで来てくれればポール・スタンレーの胸毛だって拝む事ができる距離なのだ!

KISSのライヴでは既に恒例行事ともいれる客のコスプレも凄かった。俺の周辺だけでもエースが4人はいたから(笑)。斜め前にいる親子(父、母、娘、息子)は、親は平然な顔をしてまだ10歳にも満たないであろう子供2人にそれぞれポールとジーンのメイクをさせている。まさかこのまま電車に乗って来たんじゃ‥‥近所で評判なんだろうな(笑)。

なんてどうでもいいことを考えながら、BGMのAC/DC「HIGHWAY TO HELL」に身を委ねる。確か昨年7月のBON JOVIの時もこれだったよな‥‥ドームでのお約束なのか、それともPAスタッフが前回と一緒なのか‥‥まぁいいや。2/19の興奮再びって感じで(おいおい、KISSはどうすんだよ!?)。そうこうしてる内に開演時間の19時に。音が一気にデカくなる。しかもドーム特有の「かろうじで歌聴いて曲名が判る」程の劣悪な爆音。つうか、こんな爆音ライヴ、随分久し振りだな? AC/DCもデカかったけど、ちゃんと聴き取れるデカさだったのに、この日は特別。音圧凄かった。BGMがTHE WHOやらMONTROSEに変わり、暫くして会場暗転。地響きのような歓声。さすが5万人!(笑)そしてお約束のMCが‥‥

"You want the best, and you've got the best!
Please welcome, the hardest band in the world.....KISS!!!"

雷みたいなSEを切り裂くように、聴き覚えのあるギターフレーズが‥‥"Detroit Rock City"! お約束のようなスタートだ。しかも前回同様、天井のゴンドラからメンバー登場。ポールが、ジーンが、エースがゴンドラから降りてきて、お約束ともいえるアクションの連続。俺の位置からはドラムはスクリーンでしか確認できなかったが、エリック・シンガーは自前の金髪を黒髪に染め、例のネコメイク、衣装もピーターのそれとほぼ同じようだった。見た目だけならまだしも、なんとドラムを叩く仕草やちょっとした動き(首をビートに合わせてカクカク振る動き)もピーターをコピーしていた(笑)。いやはや、ここまでやれば皆満足だろう。下手なトリビュートバンドのそれよりも、よっぼどマシっつうか‥‥プロですね、やっぱり。正直な話、俺はエリック・シンガーのプレイって好みとは程遠いのだけど‥‥今回のピーター代役を観て、何故彼が多くの大物ミュージシャンから声をかけられるか(ブライアン・メイやゲイリー・ムーアー等)が痛いほど理解出来た。メチャ上手ですわ、この人。

さて、曲がスタートしたのだけど‥‥あのね、マジで特筆すべき事、なし。だってさ、みんなの思い描くKISSを完璧に演じてくれ、みんなが観たかったアトラクションを全部やってのけたんだもの。例を挙げれば、2曲目"Deuce"エンディングでのフロント3人の決めアクション。"Firehouse"でのジーンの火吹き(これまでで一番高い炎だったんじゃないの?)、"Shock Me"後のエースのギターソロにおける、煙を噴き最後には空の彼方へ飛んでいってしまうレスポール、"God Of Thunder"でのジーンの血糊&天井プレイ、"Black Diamond"ラストでのドラムセットのせり上がり、そして最後の"Rock And Roll All Nite"での花火&火薬大爆発、等々。とにかく、これまでも彼らは武道館なり東京ドームなりで、消防法に引っかからないギリギリの線でアメリカに近い形でのショウを見せてくれたが、今回はかなり頑張ってくれたんじゃないか? 途中、"Do You Love Me"の最中にスクリーンにこれまでのライヴの模様を収めたフィルムが流され、そこで昨今の欧米でのライヴ模様が流れたが‥‥やっぱり向こうは野外だもんな、打ち上げ花火バンバンだしさ‥‥いや、これ以上を望むのは酷か!? とにかく、ここ日本での規制を考えた場合、ある意味ではその規制をブチ破っていたであろう今回のライヴ。もう最初から最後まで笑いっぱなしだった。ホント、童心に戻っちまったっていうの?

で、今回は更に新しいアトラクションが追加されていて、それは"Love Gun"演奏直前に起こった。ポールがステージの高い位置から輪っかのようなものに足を掛け、ロープで吊られたその輪っかに乗ってアリーナ中央近くにある小さいサブステージまで飛んでいくという、まさに「ピーターパンかよっ!」((C)さま~ず・三村)と突っ込んでくれと言わんばかりの‥‥ってさ、これ。既に15年前にかのBON JOVIがやっちゃってるんですけどね?(苦笑)まぁいいか、面白いから。

さて、こうやってアトラクション尽くめのドーム公演だったが、気になった点がなかった訳ではない。まず、曲間のインターバルが必要以上に長かった事。しかもポール、アメリカ同様に英語でのMCで喋りまくり、煽りまくり。間髪入れずに2曲、3曲ってわけにはいかないのね、歳だし、段取りがあるし。

で、その年齢を感じさせるってのに関係して。ポールの声が途中からかなり辛かった。特に9曲目"Heaven's On Fire"。曲に入る前に、例の「ウォウ~ウォウ~ウォオ~~♪」っていう、あの雄叫びを調子に乗って3回も4回もやるもんだから、本編の歌ではサビ、全く声が出てなくて主旋律が聞こえず、ハモリのコーラスパートだけが空しく響いていた。その後間がちょっと開いたし、ギターソロもあったので休めたのか、少し回復。でもやっぱり最後の方は厳しいかな?って思う瞬間が何度かあった。それでもプロとしての意地なのか、アンコール前の"I Still Love You"エレキ弾き語りには鬼気迫るものを感じたし、"I Was Made For Lovin' You"では本来裏声のパートを地声のハイトーンで唄いのけるし。いやはや、恐れ入りました。

結局終わってみれば、2時間半にも及ぶ、まさに究極のショウを我々は目の当たりにしたのだった。って前回('97年1月)も同じような曲数だったにも関わらず、あの時は1時間半で終わったんだよな‥‥ピーターがドラムだったからか?(走るしね、あの人のリズム/笑)いや、違う。やっぱりMCが必要以上に長かったんだよ。そう考えてみると、前回よりもポールやジーンの行動範囲が明らかに狭まっていたし(ラスト近くはアリーナの端から端まで移動してたけど)‥‥でもね、そんな中、ひとりだけ前回よりも生き生きしていた奴がいた。その名は、エース・フレーリー! 君は確か、前回の来日では高熱にうなされて、ただでさえヘロヘロなプレイに更に輪がかかってたっけね?(苦笑)そんな彼氏、今回は切れが良かった! 何かさ、異様にやる気みたいなものを感じたんだよね‥‥まさか「俺までクビになってたまるか!?」的な勢いなわけ、あれは!? 何にせよ、往年の輝きには程遠いものの、それでもファンが納得するエースが観れたって意味では、俺は大満足して岐路に着いたよ。

こうやって終わったKISSの、正真正銘ラストライヴ・イン・ジャパン。湿っぽさはこれっぽっちもなし。水道橋駅までの帰り道、みんな笑顔なんだもの。やっぱりみんな知ってるんだ。「とか何とかいいながら、来年はメイクなしKISSでラストツアーするんでしょ?」って事を‥‥(笑)まぁそれは冗談として、ここまで悲壮感ゼロなラストツアー、RAMONES以来だね。究極のエンターテイメントバンドの最後にふさわしいショウだったと、今思い返しても納得のいく素晴らしい最後だった。


KISS @ TOKYO DOME. 3/13/2001
01. Detroit Rock City
02. Deuce
03. Shout It Out Loud
04. Talk To Me
05. I Love It Loud
06. Firehouse
07. Do You Love Me
08. Calling Dr.Love
09. Heaven's On Fire
10. Let Me Go Rock And Roll
11. Shock Me ~ Ace's Guitar Solo
12. Psycho Circus
13. Lick It Up
14. Gene's Bass Solo ~ God Of Thunder ~ Eric's Drum Solo
15.Cold Gin
16. 100,000 Years
17. Love Gun
18. I Still Love You
19. Black Diamond
 [Encore-1]
20. I Was Made For Lovin' You
 [Encore-2]
21. Rock And Roll All Nite



▼KISS『YOU WANTED THE BEST, YOU GOT THE BEST!!』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2001 03 25 04:35 午前 [2001年のライブ, KISS] | 固定リンク

2001/02/25

AC/DC『STIFF UPPER LIP TOUR 2001』@横浜アリーナ(2001年2月19日)

感動した、とかそんなちんけな言葉では片付けたくない。そんな2時間だった。15年待った甲斐があったってもんだ。いや、15年も待たせやがって‥‥この15年という長い時間は日本のロックファンにとって不幸以外のなにものでもない。ストーンズはデビューから30年近くかかった。確かにAC/DCは過去に2回来日しているものの、それから19年も来ていなかった。俺が彼らを知ってから15年‥‥そう、今のロックファンの多くは彼らを体験していないに等しい。これは快挙以外のなにものでもないのだ。

奇しくも19年振りの来日公演初日は、前任ボーカリスト、ボン・スコットの21回目の命日だ。偶然だろうが、偶然にしては意味深すぎる。後で聞いたところによると、センター席最前列近くには何故か喪服を着た方々もいらっしゃったそうだ(苦笑)。とにかく、多くのロックファンにとって、それぞれがそれぞれの思いを抱いて会場へ出向き、そしてその感情をぶつけていたのが印象的だった。

ファンの歓迎振りはグッズ売り場での長蛇の列からも伺う事が出来た。同じ横浜アリーナで観たOASISの時も長蛇の列だった。そう、ロックファンにとってはデザインの小綺麗なOASISも厳ついAC/DCも同列なのだ(って単にOASISの時はにわかファンが多かっただけかもしれないが。それにこの長蛇の列は横浜アリーナの特質なのかもしれない。売り場の位置の関係上ね?)。

さて、俺はライヴ直前の「今回の来日について思うこと」コラムで、このライヴを観た後に何が見えてくるのか、と書いた。答えなんかないかもしれない、とも書いたが、本当にその通りだった。15分遅れでスタートし、客殿が点くまでのまる2時間、ただ俺はヘラヘラ笑っていた。発する言葉と言えば「おおっ」「ぐぉっ!」「うわぁ~」「すげぇ!!」といった、正に擬音に近い表現ばかりだ。「感動した、とかそんなちんけな言葉で片付けたくない」とは書いたものの、実はそれ以前に思考回路が停止したままだったというのが正解だろう。確かにビデオで観るよりステージは小さいのかもしれないし、花火や火薬の量も極端に少ないだろう。けど、そんな事は終わって暫く経ってから気づいた事であって、ライヴ中は全く気にならず、むしろ「うわ~、ここまでやっちゃう!?」って気持ちが先走っていた。

演奏は完璧だったし、ブライアンの歌も思っていた以上によく出ていて、納得いくものだった。客の声援や歌声も尋常じゃなかったし、それに応えるバンド側も「プロ」に徹していた。オーディエンスが求めるモノと、バンド側が表現するモノ。これが見事に一致していた。こんなライヴ、滅多にお目にかかれないだろう。しかもライヴハウスでの小規模ではなく、1万人以上も入るアリーナクラスでの出来事だ。

選曲も、約20年の穴を埋めるかのようなグレイテスト・ヒッツ的内容で、新作のツアーだというのにアルバムからはたったの1曲だったという(苦笑)。けど、そんなのは終わってから気づいた事であって、本当に(何度も言うが)難しいことを考えさせない、まさしくエンターテイメントだった。正直、ライヴ前にそんなに予習をしてなくて、聴いてたアルバムも新作『STIFF UPPER LIP』と2枚のライヴ盤、それに『HIGHWAY TO HELL』と『BACK IN BLACK』くらいだろうか。勿論それまでには全てのアルバムに手を出していてどれもよく聴いていたので、まぁライヴ前だからって今更なぁって気持ちもあったのかもしれない。だって正直、選曲がどうなるかなんて判らなかったし。で、実際にライヴの最中、知らない曲は1曲もなかった。どの曲もサビにくると一緒に大声で唄っていた。特に後半の「Back In Black」以降の黄金のヒットメドレーには爆涙モノだった。ガンズのではなく、AC/DCの演奏で唄う「Whole Lotta Rosie」にはやっぱり鳥肌が立った。

バックのアンガス巨大ブロンズ像が動いたり、角が生えて光ったり、口から煙吹いたりっていうギミックも、アンガスのパンツ見せも、アンガスがブライアンのハンチング帽を取って見せたり、ダックウォークだったり、「オイッ、オイッ」ってかけ声だったり、「The Jack」のサビ大合唱だったり、最後の大砲大連発だったり、それら全てが毎回毎日の「お約束」なわけで、全てお見通しなのだけど‥‥やっぱり生で観て/体験してしまうと言葉を失う。いやぁ、スケールが違いすぎる。

馬鹿馬鹿しいと言ってしまえばそれまでだし、そんな予定調和と切り捨てる事も簡単だろう。けど、ここまで馬鹿に徹して観客を満足させて更にお釣りがついておまけにお土産まで持たされた今回のライヴを観た人間に、そんな事は言えないはずだ。ボン・スコットの命日だっていう悲壮感もゼロ。約20年振りだという感慨深さもゼロ。まるでずっとそこにあったかのように、当たり前に楽しませてくれたバンド。これはちょっとやそっとで出来るもんではない。これ観たら、暫く他のバンドが霞んでしまうような気が‥‥あ、俺この後KISS観に行くんだった‥‥同じエンターテイメント性豊かなバンドだけど、こっちはちょっと不安だなぁ‥‥演奏面が‥‥(苦笑)

とにかく、30間近のこんな俺でも童心に返って楽しむ事が出来た、そんな素晴らしいライヴだった。数年に何本観れるか判らない、極上のステージ。さて、次はいつ観れるのかな‥‥


<セットリスト>
01. You Shook Me All Night Long
02. Stiff Upper Lip
03. Shot Down In Flames
04. Thunderstruck
05. Hell Ain't A Bad Place To Be
06. Hard As A Rock
07. Shoot To Thrill
08. Rock And Roll Ain't Noise Pollution
09. Sin City
10. Bad Boy Boogie
11. Hells Bells
12. Get It Hot
13. The Jack
14. Back In Black
15. Dirty Deeds Done Dirt Cheap
16. Highway To Hell
17. Whole Lotta Rosie
18. Let There Be Rock
—Encore—
19. T.N.T.
20. For Those About To Rock (We Salute You)

投稿: 2001 02 25 05:07 午前 [2001年のライブ, AC/DC] | 固定リンク

AC/DC『STIFF UPPER LIP WORLD TOUR』@横浜アリーナ(2001年2月19日)

感動した、とかそんなちんけな言葉では片付けたくない。そんな2時間だった。15年待った甲斐があったってもんだ。いや、15年も待たせやがって……この15年という長い時間は日本のロックファンにとって不幸以外のなにものでもない。ストーンズはデビューから30年近くかかった。確かにAC/DCは過去に2回来日しているものの、それから19年も来ていなかった。俺が彼らを知ってから15年‥‥そう、今のロックファンの多くは彼らを体験していないに等しい。これは快挙以外のなにものでもないのだ。

奇しくも19年振りの来日公演初日は、前任ボーカリスト、ボン・スコットの21回目の命日だ。偶然だろうが、偶然にしては意味深すぎる。後で聞いたところによると、センター席最前列近くには何故か喪服を着た方々もいらっしゃったそうだ(苦笑)。とにかく、多くのロックファンにとって、それぞれがそれぞれの思いを抱いて会場へ出向き、そしてその感情をぶつけていたのが印象的だった。

ファンの歓迎振りはグッズ売り場での長蛇の列からも伺う事が出来た。同じ横浜アリーナで観たOASISの時も長蛇の列だった。そう、ロックファンにとってはデザインの小綺麗なOASISも厳ついAC/DCも同列なのだ(って単にOASISの時はにわかファンが多かっただけかもしれないが。それにこの長蛇の列は横浜アリーナの特質なのかもしれない。売り場の位置の関係上ね?)。

さて、俺はライヴ直前の「今回の来日について思うこと」コラムで、このライヴを観た後に何が見えてくるのか、と書いた。答えなんかないかもしれない、とも書いたが、本当にその通りだった。15分遅れでスタートし、客殿が点くまでのまる2時間、ただ俺はヘラヘラ笑っていた。発する言葉と言えば「おおっ」「ぐぉっ!」「うわぁ~」「すげぇ!!」といった、正に擬音に近い表現ばかりだ。「感動した、とかそんなちんけな言葉で片付けたくない」とは書いたものの、実はそれ以前に思考回路が停止したままだったというのが正解だろう。確かにビデオで観るよりステージは小さいのかもしれないし、花火や火薬の量も極端に少ないだろう。けど、そんな事は終わって暫く経ってから気づいた事であって、ライヴ中は全く気にならず、むしろ「うわ~、ここまでやっちゃう!?」って気持ちが先走っていた。

演奏は完璧だったし、ブライアンの歌も思っていた以上によく出ていて、納得いくものだった。客の声援や歌声も尋常じゃなかったし、それに応えるバンド側も「プロ」に徹していた。オーディエンスが求めるモノと、バンド側が表現するモノ。これが見事に一致していた。こんなライヴ、滅多にお目にかかれないだろう。しかもライヴハウスでの小規模ではなく、1万人以上も入るアリーナクラスでの出来事だ。

選曲も、約20年の穴を埋めるかのようなグレイテスト・ヒッツ的内容で、新作のツアーだというのにアルバムからはたったの1曲だったという(苦笑)。けど、そんなのは終わってから気づいた事であって、本当に(何度も言うが)難しいことを考えさせない、まさしくエンターテイメントだった。正直、ライヴ前にそんなに予習をしてなくて、聴いてたアルバムも新作『STIFF UPPER LIP』と2枚のライヴ盤、それに『HIGHWAY TO HELL』と『BACK IN BLACK』くらいだろうか。勿論それまでには全てのアルバムに手を出していてどれもよく聴いていたので、まぁライヴ前だからって今更なぁって気持ちもあったのかもしれない。だって正直、選曲がどうなるかなんて判らなかったし。で、実際にライヴの最中、知らない曲は1曲もなかった。どの曲もサビにくると一緒に大声で唄っていた。特に後半の「Back In Black」以降の黄金のヒットメドレーには爆涙モノだった。ガンズのではなく、AC/DCの演奏で唄う「Whole Lotta Rosie」にはやっぱり鳥肌が立った。

バックのアンガス巨大ブロンズ像が動いたり、角が生えて光ったり、口から煙吹いたりっていうギミックも、アンガスのパンツ見せも、アンガスがブライアンのハンチング帽を取って見せたり、ダックウォークだったり、「オイッ、オイッ」ってかけ声だったり、「The Jack」のサビ大合唱だったり、最後の大砲大連発だったり、それら全てが毎回毎日の「お約束」なわけで、全てお見通しなのだけど……やっぱり生で観て/体験してしまうと言葉を失う。いやぁ、スケールが違いすぎる。

馬鹿馬鹿しいと言ってしまえばそれまでだし、そんな予定調和と切り捨てる事も簡単だろう。けど、ここまで馬鹿に徹して観客を満足させて更にお釣りがついておまけにお土産まで持たされた今回のライヴを観た人間に、そんな事は言えないはずだ。ボン・スコットの命日だっていう悲壮感もゼロ。約20年振りだという感慨深さもゼロ。まるでずっとそこにあったかのように、当たり前に楽しませてくれたバンド。これはちょっとやそっとで出来るもんではない。これ観たら、暫く他のバンドが霞んでしまうような気が。あ、俺この後KISS観に行くんだった。同じエンターテイメント性豊かなバンドだけど、こっちはちょっと不安だなぁ、演奏面が(苦笑)。

とにかく、30間近のこんな俺でも童心に返って楽しむ事が出来た、そんな素晴らしいライヴだった。数年に何本観れるか判らない、極上のステージ。さて、次はいつ観れるのかな……。


<セットリスト>
01. You Shook Me All Night Long
02. Stiff Upper Lip
03. Shot Down In Flames
04. Thunderstruck
05. Hell Ain't A Bad Place To Be
06. Hard As A Rock
07. Shoot To Thrill
08. Rock And Roll Ain't Noise Pollution
09. Sin City
10. Bad Boy Boogie
11. Hells Bells
12. Get It Hot
13. The Jack
14. Back In Black
15. Dirty Deeds Done Dirt Cheap
16. Highway To Hell
17. Whole Lotta Rosie
18. Let There Be Rock
—encore—
19. T.N.T.
20. For Those About To Rock (We Salute You)

投稿: 2001 02 25 12:00 午前 [2001年のライブ] | 固定リンク

2001/02/18

19年振りの来日について語る

AC/DCが'82年以来、約19年振り3度目の来日を果たす。正直これは去年のNINE INCH NAILS初来日並に、いや、それ以上に衝撃的だった。ネット上でいろいろ話題が飛び交う中、伊藤政則が彼のラジオ番組の中でその一報を発表した時、全身に稲妻が走ったかのような衝撃を受けた。しかもその初日となる2月19日は、前任ボーカリスト、ボン・スコットの命日だ‥‥何なんだ、これは一体‥‥!?

 俺が初めて彼らを知ったのは、多分'86年頃だったと思う。当時のMTVかベストヒットUSAで見た彼らの"Who Made Who"のビデオクリップが切っ掛けだった。そう、あのアンガス・ヤングがいっぱい出てきてエアギター(厚紙に印刷されたギターをさも弾いてるかのようにアクションする行動。メタルファンに多い/笑)かましまくってる大勢の皆さんに衝撃を受けたのか、それともいい年した大人が小学生みたいな格好(半ズボンにランドセル背負ってギブソンSGをチャック・ベリー並に弾きまくる姿)してるのに衝撃を受けたのか、それともあのキャッチーな曲にやられたのか‥‥よくは覚えていない。ただ、雑誌等で「今のロック/ハードロックの雛形を作ったのは彼らと言っても過言ではない」という伊藤政則氏の言葉を覚えていた俺は、その後レンタルレコード店・YOU & 愛(時代を感じさせますな?)へ足を運ぶ。そこで同名のアルバム「WHO MADE WHO」を手に取る。中途半端なベストアルバム的内容だったが、それで満足だった。その後、再び店を訪れ店員に「AC/DCでオススメのアルバムってどれですか?」と質問する。そこで「これ」と勧められたのが「ギター殺人事件」という忘れられない邦題がついたボン・スコット時代のライヴ盤「IF YOU WANT BLOOD YOU'VE GOT IT」だった。多分、俺の人生の中でエアロの「LIVE BOOTLEG」、ハノイの「ALL THOSE WASTED YEARS...」の次に忘れられないライヴ盤となる。

うまい言葉で言えないけど、ロックの生々しさを真空パック状態に近い形でまとめたのがこのライヴ盤だったように思う。ボン・スコット時代を体験していない俺でも、如何に彼が尊敬されたかがよく判る内容だった。今でも年に何度か手にするこの盤、先日紙ジャケ仕様のリマスター盤で買い直してしまった程。まだ彼らを体験した事のない人には是非このアルバムから聴いてもらいたい。

話は変わって、最初に俺が買ったAC/DCのアルバムとなると、'88年リリースの「BLOW UP YOUR VIDEO」だ。当時放送されていたメタル専門番組「PURE ROCK」で見た"Heatseeker"のビデオ‥‥大きなテレビ画面をぶち破って中から現れるアンガス‥‥に再び衝撃を受けるのだった。当時まだ洋楽CDが3000円近くした時代、バイトしない田舎の高校生にはかなりの決断を迫られたが、買ってよかったと当時は思ったものだ。ちなみに当時の俺のベースにはバンドのロゴステッカーがキラリと輝いていた。

いつ頃からだろう、「AC/DCは日本を嫌っている」「日本はルックスが良くないと人気が出ないから行かない」「世界で最もギャラの高いバンドはRUSH, VAN HALEN, そしてAC/DCだ」と言われるようになったのは。最初のはともかく、後のふたつは事実らしい。補足すると、ルックスの問題は来日当時、日本で人気があったのがJAPANのようなバンドだったり、その後ニューロマンティック系のバンドが幅をきかせていた事が関係あるようだ。つまり男臭い自分達のようなバンドは日本では時代遅れだと勝手に判断してしまっていたらしい。その誤解を解くのに19年かかってしまったというわけだ。何という悲劇‥‥

そしてギャラの問題。これはその通りなのだが、更にステージセットの問題やバンドが納得するキャパシティーの会場がなかったという事も関係する。知っての通り、彼らのステージセットは巨大で、海外では数万人は入るアリーナクラスでのライヴばかりだ。ところがここ日本では、2回目の来日こそ武道館だったものの、その後人気低迷等が関係し、再び武道館で人を集められるだけの集客力がバンドになかったのも事実。つまりプロモーター側も躊躇していたわけだ。伊藤政則氏は「AC/DCを、ここ日本で観れないのは何たる不幸だろう」とこの10年近くずっと口にしている。アルバムが出るたび、そして海外でライヴを見てくるたびに‥‥

'90年には「THE RAZORS EDGE」を、'95年には「BALLBREAKER」をそれぞれリリースするものの、やはり来日の機会には恵まれなかった。その間にここ日本でも、AC/DCに対する評価がどんどん高まっていく。その原動力となったのは間違いなく伊藤氏のあの言葉であり、その言葉に感化されたAC/DCの生ライヴを知らない俺らのような(当時)若い世代がバンドに興味を持っていく。更にAC/DCに影響を受けたと発言するアーティストがどんどん登場する。MOTLEY CRUEであり、CINDERELLAであり、GUNS N'ROSESであったり。モトリーはライヴで名曲"Highway To Hell"を、そしてガンズは"Whole Lotta Rosie"をカヴァーし、我々は改めてAC/DCの楽曲の素晴らしさに触れる事となる。

そんな中、発表されたのが15年振り、そしてブライアン・ジョンソン加入後初のライヴ盤「LIVE」('92年)と、'91年8月にイギリス・ドニントンパークで行われたモンスターズ・オブ・ロック・フェスの模様を完全収録したビデオ「LIVE AT DONNINGTON」、そして'96年のスペインでのライヴを収録したビデオ「NO BULLS」といった、ライヴ音源/映像集だった。これによって、更に彼らに対する注目/評価は高まる。「観たい」‥‥この気持ちだけは高まるものの、一向に来る気配はなかった。

昨年の今頃、既に日本公演に向けて伊藤氏、そしてプロモーターはバンド側と交渉を重ねていたらしい。そして同年3月に最新作「STIFF UPPER LIP」が発表される。確か昨年のフジロックに是非彼らを!という声も沢山あったはずだ。しかし夏を過ぎても、秋を過ぎても一向に来日する様子はなかった。しかし、伊藤氏はこの頃から‥‥含みのある発言を繰り返していた。それを耳にする度に「もしや‥‥!?」とは思ったものの、やはり心のどこかで疑っていた。しかし、それは現実のものとなった‥‥

多分このサイトを覗いている方の中で、ここ日本で彼らの来日公演を観たという人はそうはいないはずだ。いや、いないだろう、2/19以前には。映像では目にしたことはあるものの、実体験はみんなが初めてなはずだ。海外で観た!?そりゃよかった。けどここ日本で観る事に意味があるのだ。だから俺は彼らを初めて知ったあの日から15年も待った。まだ中学生だった俺も、今では30歳を迎えようとしている‥‥長すぎた冬がやっと終わるといったところだろうか?

その運命の日を明日に控え、ここでこんな事を書いてしまうのはちょっとどうかと思うが‥‥正直な気持ちを書く。出来れば10年早く、そう、ドニントンでのライヴビデオの頃に観たかった。先日、テレビで今の彼らのライヴを見た。ブライアンは既に衰えを感じさせる歌声だったし、アンガスも見た目にはきつそうだった。勿論それは5年前のライヴビデオでも感じていた。けど、そんな事は2月19日の19時を無事に迎えられたら、どうでもよくなってしまうのかもしれない。「ここ日本で観ることに意味がある」のだから。そりゃ出来るなら完璧な状態を観たい。それが無い物ねだりと判っていても‥‥

好き嫌いがあるのは重々承知だ。あの声がダメって人が多いのも知ってる。けど、ロックを好きになった以上、通らなきゃいけない通過点なんじゃないだろうか? 21世紀になった今、これは日本国民の義務です。今からでも遅くないです。2/19と20はみんな、横浜アリーナに集合! 2/22には大阪城ホール前に集合するように!!

今回の来日はロック好きな人間にとってはお祭り同然だ。あの中学2年生の俺なら、どう感じるんだろう‥‥そんな事を考えながらライヴを楽しんできたいと思う。

投稿: 2001 02 18 05:14 午前 [2001年のライブ, AC/DC] | 固定リンク

2001/02/11

MR.CHILDREN TOUR '00-'01 "Q"@さいたまスーパーアリーナ(2001年2月3日)

  複雑な心境。1週間経った今でもその気持ちは変わらない。通算16回目のライヴ観戦。しかも(俺にとってもミスチルにとっても)初めての会場となる「さいたまスーパーアリーナ」。
  まずぶっちゃけた話をしてみよう。「複雑な心境」とは‥‥ズバリ、観客とバンドメンバーとの体温の差。そして新作「Q」の楽曲群と過去の楽曲との温度差。このふたつが最後までつきまとったような気がする。

  さいたまスーパーアリーナがあるのは大宮のひとつ手前。昨年出来たばかりでライヴで使用されることはまだ少なく、昨年11月にあのGLAYが数日間のライヴを繰り広げた事は記憶に新しい。サッカーやバスケット、プロレス等のスポーツに適した作りの室内競技場で、マックスで37,000人前後入ると聞いたことがある。多分、ライヴでも特別なセットを組まない限りは3万人以上入るのだろう。

  となると、この会場でのライヴ。ここ数年のミスチルのライヴとしては最もキャパの大きい会場という事になる。ドーム以来か‥‥そう考えたら、少し不安になってきた。

  上野から高崎線を利用して25分。「さいたま新都心」駅に16時半に到着。開場が18時だったので、とりあえずグッズを購入し、それまでの時間を「ジョン・レノン・ミュージアム」で過ごす事にした。これについては別項で書くとして‥‥正直、ライヴの前に行かなきゃよかった、とさえ思った。ヘヴィな気持ちのまま、18時が過ぎ、入場を待つ列に加わった。入り口は1つ。これだけの人数が入るにも関わらず‥‥アリーナ席のみ別の入り口らしいが、どうなんだろう?

  俺のポジションは2階席の19列目(5階まであり、2階と4階が通常のアリーナを囲う形で、3階と5階がバルコニーのような形で席数自体は少ない。要するに4階が通常の3階みたいなもんだ)。ステージ向かって左側サイドの後方といったところだろうか。前回が代々木の右側サイド後方だったから、全く反対側というわけだ。けど、今日は横浜アリーナをちょっと大きくしたような作りのため、ステージがかなり遠くに感じる。しかもスクリーンを使用しないミスチルのこと。絶対にその表情まで確認する事はできないだろう。

  今回のステージもシンプルなものだ。鳥かごをあしらったようなステージセット。その天井には前回同様ミラーボールが3つぶら下がっている。鳥かごの前方には勿論柱はなく、その中でバンドメンバーが演奏するというような形になる。BGMにはマーチングバンドの演奏。何故、何故に‥‥!?

  19時を10分程回った頃、BGMの音量が大きくなり、暗転。黄色い歓声。久し振りだ、黄色い歓声なんて‥‥って確か前回も書いたような‥‥すると鳥かごの天井からスクリーンが降りてくる。そこに映し出される無機質な早送り映像。工場か何かの作業だろうか? バックの音楽がインダストリアル風のシンセサウンドに変わる。歓声が一層大きくなる。そしてアリーナ前方から悲鳴が。どうやらメンバーが現れたらしい。そして真っ暗のステージの上に動き回るひとりの男?の姿が‥‥恐らく桜井だろう‥‥そしてBGMは聴き覚えのあるコーラスが。1曲目は「Q」2曲目収録の"その向こうへ行こう"だ。イントロにはサビのバックトラックをアレンジしたものだった。そこから馴染みのあるギターへと。桜井は手ぶらだ。声はよく出ている。前回のツアーにおける"DISCOVERY"のような役割なのだろうか、この曲は。ミドルテンポのこの曲、ギターを持ってない桜井はとにかく動き回る。それが逆に浮いてるんだけど。こうやって聴いてみると、アルバムではそれ程印象に残らなかったこの曲も、前作での習作があったからこそこうやって完成型にたどり着いたんだな、という気もしてくる。習作とは勿論、あのRADIOHEADのパクリと言われてしまった、先の楽曲だ。今回の方が明らかにミスチルらしい。けど、これが1曲目というのはどうなんだろう? 客のノリはハッキリって悪い。ただ1曲目という事もあって、歓声は凄かったが‥‥

  ここでバンドメンバーについて説明しておこう。サポートメンバーは前回と全く同じ面々。「深海」ツアーから加わったギターの河口(こうぐち)修二。最近はゆずとも関わりがあるようだ。そして古くから繋がりのあるキーボードの浦清英。スキンヘッドで一見強面だが、気は優しい男だ。しかもこいつ、俺と同い年ときた(笑)。最後に前回のツアーから参加している、自身もソロシンガーとして活躍しているキーボードのSUNNY。ゆずの前回のツアーまで参加していたそうだ(今回はミスチルとバッティングしてしまったため、こっちに参加)。シンガーソングライターとしてアルバムも出しているだけあって、今回はこの人がコーラスの要となっていた。このサポートを含む7人で、今回も前回以上に息の合ったプレイを最後まで聴かせてくれた。

  続いて桜井がアコギをぶら下げて、聴き覚えのあるサンプリング音が‥‥前作からの"光の射す方へ"だ。この難しい曲を楽々唄い上げる桜井に、思わずため息。どうやら復活後の彼らは本当に調子がいいようだ。サビの部分ではお約束の手を左右に振るアクション。俺は絶対にしねぇぞ!と代わりに腰を振る(笑)。そういえば、前回のツアーでも思ったが‥‥ミスチルってこんなに音小さかったっけ? サウンド極悪のドームは除いて、横浜アリーナや武道館での彼らの音はもっとデカくて、しかも歌も聴き取りにくいものだったと記憶していたが‥‥前回のツアーもそうだったが、とにかく歌がクリアーに聞こえて、歌詞まで聴き取れた。今回は更にギターの1音1音ハッキリしていたし、キーボードの音もしっかりしていた。けどリズム隊‥‥ベースはモコモコして聞き取りにくく、ドラムに至っては遠くで鳴ってるような音‥‥アリーナ特有のミックスのような気がした。ドームで観るBON JOVIなんかはもっとリズムが効いてたような気が‥‥それを抜きにすれば、今日のサウンドは問題なかったように思う。

  エンディングでのスローになるパート(テンポが半分になる所ね?)を変えて、ずっと同じテンポのままエンディングへ。桜井の「光の射すほぉ~えぇ~♪」の一節で終了。大きな拍手。賛否両論の多かった前作からのこの曲も、ライヴでは人気曲のようだ。なぜこの曲が40万枚程度しか売れなかったのか‥‥そのままバンドは同作からの"ニシエヒガシエ"へ。この2曲の流れは絶品だった。前回のツアーでは桜井がアコギを持ってトリプルギター体制だったが、今回は桜井手ぶら。右へ左へど動き回る。中間パートでは、原曲に忠実なスローでダークなワウワウを使ったソロへ。そういえば前回は全然違うアレンジだったんだよな、このパート(詳しくは、限定ライヴアルバム「1/42」を聴いて欲しい)。やっぱこの曲はライヴ向きだわ。今後は「Atomic Heart」における"Dance Dance Dance"の役割を果たしてくれるんじゃないかな、この曲。是非これからもやり続けて欲しい。

  この曲が終了し、暗転したステージにひとつのピンスポが桜井を照らす。テレキャスターをぶら下げている。適当にコードをつま弾いた後に、彼が唄い出す。「息を切らしてさぁ~♪」弾き語りアレンジでスタートしたのは、やはり前作からの"終わりなき旅"だ。どうやら前半に前作の楽曲をまとめたらしい。つうか、唄うのが難しいこれらの楽曲は前回のツアーでは後半にプレイされていたから、今回は前半の、調子がいい時に完璧な状態でやってやろうってな気合いを感じた。アルペジオに合わせて唄う桜井の歌にはいつも以上の説得力を感じる。言葉のひとつひとつが胸を突き刺す。俺自身の「第2のスタート地点」ともなったこの曲を久し振りに聴いて、本当に目頭が熱くなってきた。どうしてもミスチルのライヴに来ると、それぞれの楽曲と自分との思い出がオーバーラップする。何か嫌だな‥‥(苦笑)ワンコーラスを弾き語りで唄いきった後、バンドが加わる。ちょっとスロー気味だった気がするが、この方が歌に説得力があるような気が。前回のツアーでは、この曲が「バンド・ミスチルを取り戻す」演奏だったのに対し、今回はそういうものを感じなかった。どちらかと言えば「シンガー・桜井を全面に出した」演奏のように感じた。最初の弾き語りにしろ、歌を大切にしたテンポにしろ‥‥何かが変わってきているような気がした。とにかくこの曲がこの日最初のピークだったことには違いない。

  この後、この日最初のMCに。初めての会場で気合いが入っているとか、この会場が今回のツアーで最大のキャパだとか。そうそう、この日はカメラが入っていたんだった。ステージサイドにカメラクレーンがあった事から、会場に入ってすぐに気付いていたが。桜井は「僕のポケットマネーでビデオ収録してます。個人的趣味で後で一人で観て楽しみます(笑)。裏ビデオとしても流通しますが(笑)。だから僕より大きな声で唄わないでね?」ってあんた、そんな弱気でどうする!?(苦笑)

  更にMCは続き、「今日は大宮って事で、家から車でここまで来たんだけど、会場周辺に変なおばさんがいっぱいいてね。みんなクルクルパーマで、すっごいボリュームがあるんだよね(笑)。で、みんな白だとか青だとか紫だとか色染めててさ。で、よく考えてみたら‥‥今日は節分なんだよね?」‥‥はぁ~‥‥小話かよ(苦笑)。会場から薄ら寒い笑い声が‥‥桜井「いくら滑ってもMC部分はビデオからカット出来るからね!」(笑)こらこら‥‥もともと桜井のMCってこんな感じなんだけど、今日は今までとちょっと違って、更に落ち着いていたような‥‥やっぱビデオ収録を意識しての事か? そういえば、この翌日(2/4)の同会場でのライヴはインターネット中継されるんだよね。その為ビデオが入ってたんだと思う。まぁ出来が良ければ今年後半あたりに初のDVDソフトなんてのもリリースされるかもね?

  と、彼らにしては長いMC(笑/とはいっても、5分もないけど)の後は、ちょっとクールダウンした楽曲で綴られていた。まずはシングル「口笛」のカップリングでアルバム未収録の"Heavenly Kiss"。タイプとしては初期ミスチルが得意としていた、ちょっとお洒落で落ち着いたイメージの楽曲。初めて聴いた時は「Atomic Heart」の"クラスメイト"に似ているな?って思ったけど、まさかライヴではその"クラスメイト"に間髪入れずに繋ぐとは‥‥確信犯だな、こりゃ。で、その"クラスメイト"、多分'94年12月以来じゃないかな、演奏されたの。少なくとも俺が聴いたのは、同年同月の武道館以来だわ。ブラスのパートは意識的にカットされ、ちょっと短くなってたような気も。そういえば、この曲が始まった時、歓声とか奇声ではなく、「オォ~」っていう低い声でどよめきが起きたのが印象的だった。誰もやるなんて思ってなかったんだろうね? やるならもっとメジャーなシングル曲だと思ってたのかも。"CROSS ROAD"とかさ(結局、インタビューでは散々やるだの何だのと言ってたこの曲、今日の今日まで披露されてない)。

  この2曲に続いて、新作からの"ロードムービー"がスタート。前2曲では手ぶらだった桜井も、この曲ではアコギを弾いている。どうやらこのパートは「みんながイメージする初期ミスチル的楽曲」パートのようだ。そうそう、この曲への歓声が新作の楽曲の中では一番多きかった事も付け加えておく。俺も大好きな曲だ。桜井はここまで、特に辛そうだとも思わず、楽々こなしてるような印象を受けた。

  そしてその「初期ミスチル的楽曲」パートの最後を閉めるのは、初期の名曲"抱きしめたい"‥‥恐らく、この日最大の歓声だった。ここが第2のピークかな。この曲も俺にとっては大切な曲。丁度この曲がリリースされた頃、最初に彼らを知る切っ掛けとなった曲であり、当時辛い恋愛をしていた思い出とオーバーラップする。そしてその恋愛が終わった時期に発表されたのが"終わりなき旅"だった‥‥ミスチルにとっても、そして俺自身にとってもこれらの楽曲は人生の節目節目に発表されているのだった。ちょっと感傷的になってウルウルしてしまう。よかった、ひとりで来て(苦笑)。そうえいばこの曲、前回のツアーでは最後の数回でしか演奏されなかったような記憶が‥‥毎回セットリストの一番最後に載っていたらしいんだけど。ライヴアルバムにもボーナストラックでその音源が入ってるけど、サックスは誰が吹いているのかがずっと気になってて。その前まではブラス2人が参加してただけに、この7人体制でどうこなすのか‥‥答えは簡単、浦くんがソプラノサックス吹いてたのね。お見事!

  8曲を終え、一段落。何かここまでもの凄い盛り上がりを見せていない気がする。例えばみんなが望む、活動休止前の大ヒットナンバーが1曲も披露されていない点。"抱きしめたい"をやったものの、これはみんなで盛り上がるってタイプの曲じゃないしな。どうも今回の選曲を見てみると、「シンガー・桜井」をこれまで以上に前面に打ち出した内容のように感じる。これまでは桜井が嫌でも前面に出てしまっていたが、やっぱり最後には「バンド・ミスチル」というのが残ったのだけど‥‥俺が新作を聴いて感じた点を、今回のツアーでも感じてしまうとは‥‥どうやら、本当に彼らは変わりつつあるのかもしれない。考えすぎだろうか?

  ここでもMCを。「今演奏された"抱きしめたい"って曲は'92年にシングルで発表された曲で、もう9年も前の曲なんですね‥‥早いもので、僕らももう9年、バンドを始めてからもう16年近く経ってしまって、人生の半分以上をバンドで過ごしています」これは結構感慨深かった。そうか、来年で10年なんだ、ミスチル‥‥「何でも長くやればいいってものでもないんで、これからも凝縮した濃い音楽活動が出来たらな、と思ってます」って何真面目な話してんの? 解散か?(苦笑)

  更に「シングルのカップリングナンバーってのは、結構A面やアルバムにも入らないような、意外といい加減に作った曲が多かったんですよ。でも、そういう曲にこそそのバンドの旨みみたいなものがあったりするんですよね? 食堂や料亭でいうと、料理人の賄い飯にこそ、その料理人の腕が端的に現れるというか‥‥って何僕は真面目な話してるんでしょうね?(笑)」言いたいことはよく判った。奥田民生もこないだテレビで同じような事言ってたな。狙って作った曲よりも、適当に作った曲の方がヒットしてしまうって‥‥

  こういうMCの後、「次の曲はそういう曲で、歌詞にコーヒーが出てくる曲です」‥‥そうか、なる程。前作に伴うシングルのカップリングにも関わらず、新作に入ってしまった"Surrender"か。ここでドラムとベースは1回休み。河口氏がアコギを弾き、SUNNYがピアノとコーラス、途中から田原の渋いギターソロが挿入される。桜井は今日、本当にギターを弾く比率が低い。前回のツアーでも最初から結構ずっとギター持ってたような‥‥この曲で、初めてSUNNYの歌の実力が発揮された。いい声してて、しかも上手い。桜井の声と上手くマッチしている。そして何より、田原のギターソロ。こいつ、こんなに上手くなったのか‥‥てっきり桜井が弾いてるもんだと思ってたが(笑)。ま、レコーディングでは桜井なのかもしれないけど、それを抜きにしても味があって上手いと思った。前回のツアーあたりからいよいよその実力を発揮しだした彼だが、今日の田原はひと味違う。そう、堂々としてる感じなんだな。段々とギタリスト然としてきたというか。ま、それでも他のリードギタリストと比べれば雲泥の差だが(苦笑)。

  しんみりしたこの曲の後は、アルバムと同じ流れで"つよがり"へ。オーケストレイションはキーボードでのサンプリングではなくて、どうやらテープ(所謂A-DATか?)を使用しているようだ。楽器構成は前の曲と全く同じで(河口がアコギ、田原がエレキ)、今までの彼らにないくらいしっとりと聴かせる。前作のツアーでは"Simple"や"ラララ"が同じような役割を果たしていたし、その前のツアーではアコースティックコーナーがあったので、この2曲はそれに匹敵する、いやそれ以上の役割を果たしていた。桜井の無理のない唄い方が非常に印象的で、ただ叫ぶだけでない、ロートーンで感情を込めて唄うという意外と難しいこの方法をモノにしたようだった。男として、そしてミュージシャンとしての転機をこの1~2年の間に迎え、この人は更に前進しているようだ。そしてそれに食い付いていくかのように、他の3人のメンバーの実力もアップしていることを、この2回のツアーでひしひしと感じた。未だにアイドルバンドと見なされる事の多いミスチルだが、もう佐野元春とかその辺と同じレベルで語られてもいいように思う。


  2曲のアコースティックコーナーが終わり、ちょっとの間の後、バンドがジャムセッション風の即興演奏を始める。ギターとピアノの絡みが渋くてカッコイイ。そしてTシャツに黒の皮パンツ姿の桜井が登場し、"十二月のセントラルパークブルース"がスタート。ここでおやっ?っと思う‥‥チューニングを下げているのだ。違和感を感じたのはキーが下げられていたためだった。確かにサビが相当高いキーで唄われているので(新作の楽曲はこれまで以上にキーが高い曲と、これまでよりも低いキーで唄われている点が非常に印象的だった)、こういう事も必要だろう。これまでもミスチルは、「深海」ツアーで数回、"花"を半音下げで演奏した事が何度かあったが(ツアー始まって1ヶ月経った頃かな?後半は元のキーに戻ってたけど)、ライヴやツアーが長丁場になると、こういう必要性も出てくるだろう、ボーカルの負担を減らす為に。こういうシンプルなロックンロールでは特に気にならなかった。桜井はギターも持たずに右へ左へと、息を切らしながら走り回る。ここでも田原のギターが良かったな。

  続いて再び新作から、ロックンロール曲"スロースターター"へ。桜井がギターを持つ。原曲のキーのままだが、サビでの桜井のシャウトが少々厳しそうだ。けど、それも取るに足りない問題だ。数年前程酷いとは感じないし、常にサビで辛そうだったとも感じなかったし。今回は"ラヴコネクション"を削っているので、この2曲が後半戦のロックンロールメドレーの役割を果たしているようだ。レコーディングでもジャムっぽい雰囲気を残す事に力を入れたらしいこの2曲は、やはりライヴでは生き生きとしている。ちょっと客の反応が鈍いようにも感じたが‥‥

  エンディングを引っ張るだけ引っ張って、そのままメドレーっぽく間髪入れずに"everybody goes"へ突入。久し振りに聴く曲だが、なんかもったりした演奏だな?と感じた。ライヴで聴くのは好きな曲だけど、今日はそれ程感動とか嬉しさとかを感じなかった。演奏し慣れてる曲のはずなのに、どうもぎこちなさを感じた‥‥何故だろう? サビでは手を左右に振るお客。嬉しくて仕方ないらしい。けど、ステージに目を向けるとそれ程盛り上がってない(ように俺のポジションからは感じられた)メンバー。「お仕事」として演奏してるのだろうか?

  この曲もエンディングを引っ張り、その間に桜井はエレキからアコギに持ち替え、ドラムがカウントを取ってメドレーっぽく"名もなき詩"に突入。この日3回目のピークが‥‥サビでは当然「手扇」の嵐‥‥正直に話そう。この曲は「深海」ツアー以来毎回聴いて/観てきたが、今日の演奏が一番ピンとこなかった‥‥感動もしなければ、嬉しくもなかった。前の曲からの繋ぎにもちょっと違和感を感じたけど、それ以上に感じたのは最初に書いた通り、演奏する側の「新曲」と「代表曲」との体温差に違和感を感じたのだ。俺の思い違いであって欲しいとは思うが、俺にはそう感じられてしまったのだ。歌詞だけは空で歌えるものの、なんかこれといった感慨深いものは何もなかったなぁ‥‥俺自身が今年に入ってから既に5本目のライヴって事で、感覚的に麻痺でもしてたのだろうか? それにしても‥‥嫌な感じだった。

  ここまで特にMCもなく、この後もアンコール時まで桜井が話すことはなかった。アコギを持ったままの桜井が奏でたのは、新作「Q」のトップ"CENTER OF UNIVERSE"だ。そうか、このポジションに持ってきたか‥‥正直、アルバムを最初に聴いた時は「あ、この曲がライヴのトップだな?」と実感したが‥‥個人的には徐々に徐々にと盛り上がっていく、如何にも復活後の彼ららしい楽曲なのでライヴのトップバッターにはピッタリだと思っていたが。特に最新作にはアップテンポの楽曲が少ないので、後半に山場を作るという意味ではこのポジションもありかもしれない。この辺に如何に最近の彼らが過去の楽曲に頼っていないかという姿勢が伺える。リズムがテンポアップするところで桜井はギターをローディーに預けて暴れ回る。今の彼(ら)の前向きな姿勢を端的に表したこの楽曲は、観客にも受け入れられているようだ。現時点で、最新作の中で俺が最も優れた楽曲だと思っているのがこの曲だ。

  このテンションを受け継いだまま、桜井は馴染みのあるテレキャスターを抱える。河口がアコギでコードストロークを‥‥最新シングル"NOT FOUND"だ。この曲でもキーが下げられていた。特にテレビでも感じたが、この曲は特別唄うのが難しいように思う。その上キーも高いのだから仕方ない。特に違和感はなかったが‥‥何か桜井がエレキをがむしゃらにかきむしる様に、今までの彼らから感じたことのない狂気のようなものさえ感じた。そしてその佇まいに、アリーナロック然としたオーラすら見えたような気がした。そうか‥‥何となく判ったような気がした。彼ら(特に桜井)は、俺達聴き手が認識しているミスチルのポジションよりも、更に上を目指し、結果(この日観た感じでは)そこへとたどり着きそうな勢いなのだ。どんなに大会場で演奏しようが、常に手が届きそうな存在。前回までは常にそんなイメージがあったが‥‥今の彼らにはそれが感じられない。何故だ? 彼ら自身、偶像だとかヒーロー視される事を拒否し、あくまでひとりの人間として、そしてミュージシャンとしてあろうとした結果、見つけたものが前作「DISCOVERY」には確かにあった。しかし、「Q」というある意味もの凄く個人的なアルバムを発表した後、彼らが向かった先‥‥彼らが求めた答えは「DISCOVERY」の時とは違うもののように思える。いや、本人達は同じものを手にしようとしてるのかもしれない。しかしこの日見せられたものからは、何か別のもの‥‥もっと巨大化した「何か」をイメージした。俺自身、最も考えたくない結果が‥‥もしかしたらこの先には待ってるのかもしれない。近い将来、そう、本当に近い将来にその結果が出されるのかも‥‥この俺の「勝手な想像」が間違っている事を祈るばかりだ。

  そんな事がこの曲が演奏されている間中、俺の頭の中を駆けめぐった。そうこうしてる内に曲は17曲目、"Everything is made from a dream"へ。初期ミスチルと現在の彼らが融合したかのようなこの佳曲もチューニングを下げられていた。はやり後半かなりキツイのだろう、最新作の楽曲は。桜井は再びギターを持たずに右へ左へと走り回る。中盤のナレーションパートでは、再び天井からスクリーンが下りてきて、そこにはこの楽曲の中にも出てくる手塚治虫作の「鉄腕アトム」誕生シーンが映し出される。ジョン・レノンの記念館が隣にある会場で、鉄腕アトムを上映する‥‥この曲にピッタリのシチュエーションだ。が、しかし‥‥この映像、そしてナレーション(アルバムで朗読されているパートの前にも更にいろいろ付け加えられていた。しかもそのナレーションもアトムをやってる声優さんと同じ人?に読み直してもらったようだ)がとてもクドく感じたのだ。とても説教臭く‥‥何か、「Atomic Heart」ツアーでの"Asia"や、「深海」アルバム再現時の映像みたいで、何かとても嫌ぁ~な空気を感じた。勿論、そんなの俺だけだろうが‥‥桜井自身、ああやって映像に頼るのは嫌がっていたにも関わらず、今回またしても映像を(たった数カ所であるにしろ)使った事に、余計危機感を感じてしまった。前の曲で感じた危機感が、ここで更に拍車がかかった。

  本編最後の曲は、アルバムの核となる大作"Hallelujah"。この曲もやはりキーを下げられている。この曲で本編を終える事には俺も大賛成だ。しかし、どうにもメンバーのその思いは聴き手にまで伝わっていないようだ。前の曲でのあの映像が、まだヘヴィな空気を残したままなのだ。エンターテイメントは説教臭くなってはいけない。説教自体はいろんなところに散りばめられているだろうが、それをああいう形であからさまに表現する事には疑問を感じる。しかもそれをエンディング間近にやるとは‥‥この曲のエンディングパートでは観客に「はっはれっ、はれっはれ~るぅ~、はぁ~れ~るぅ~や、はぁ~れるぅ~♪」と唄わせるのだけど、どうにもノリが悪い‥‥楽曲自体がそこまで浸透していない事もあるだろうし、この曲が核となっている事も伝わっていない。観客は"innocent world"や"Tomorrow never knows"といった楽曲を求めているのだ。

  曲が終了し、桜井の「またね~♪」という声が空しく響く。会場からは「エ~!?」というブーイングに近い声が。誰もがこの曲で終わるとは思っていなかった。誰もがこんなに重い空気のまま終わるとは思っていなかった。不満が残る。だから大きな手拍子が会場を包む。アンコールを求める声‥‥

  バンドメンバーが現れる。桜井「もう2,3曲やってから帰ります!」といって披露されたのは、新作の中でも最もコミカルな"友とコーヒーと嘘と胃袋"だ。一休みしたためか、この曲はオリジナルのキーに戻っていた。ファンキーなベースラインを刻む中川にやっとスポットライトが当たる。桜井の節回しもどことなく演歌チックで、会場からも笑みがこぼれる。さっきの不満が嘘のように‥‥中盤の桜井の独断場となる「しゃべり」パートはカットされ、その代わりにメンバー紹介の場となっていた。曲にあわせて河口、浦、SUNNYの順に紹介され、最後に「そして俺達、フニャちん男4人集。We are MR.CHILDREN!」‥‥って‥‥珍しく下ネタかい、桜井‥‥(苦笑)エンディングのリフレインでは「飲み込んで~消化して~♪」と観客に唄わせる。ちょっと声が小さかったように思ったが、それでも前よりはましだ。かなり唄えている方だろう。桜井のアドリブも上手い具合に絡んでくる。そうそう、彼らにはこういうファンキーな面もあったんだよな、そう思い出させるに十分な楽曲だった。

  続いて披露されたのは、名曲中の名曲、"口笛"だ。原曲のキーのまま、桜井はアコギをつま弾きながら唄う。この時期にぴったりな、心温まるナンバーは会場をも暖かい空気で包み込んだ。泣けてくる。何だかとても泣けてくる曲だ。昨年、最もヒットしたサザンの"TSUNAMI"と同じコード進行を持ち、しかもほぼ同時期にリリースされたこの曲。方や300万枚近い空前の大ヒット、方や100万枚にも満たない中ヒット(でも共に1位取ったけど)。10年経った時、どっちを聴きたいと思うかは判らないが、俺にとってはどっちも大切な、心に響く曲。こうやってミスチルがこの曲をこのポジション(結果的に一番最後)に持ってきたという事は、それだけこの曲に拘りを持っているという事に違いない。もし‥‥もし彼らに「続き」がなるのなら、もっともっと、普遍的な、みんなに届く歌を作り続けて欲しい。そう願って止まない。

  暖かい香りを残したまま、彼らのライヴは終了した。前回が2時間ピッタリのステージだったことを考えると、今回の約2時間半という時間はかなり長く感じた。けど、それも実際に時計を見て気付いた事であって、ライヴの最中には時計なんて気にならなかった。全部で20曲演奏、しかもその内の13曲は新作、及びそのシングルのカップリング曲だ。前作「DISCOVERY」収録曲を足すと16曲。つまり、活動休止前の楽曲はたったの4曲という事になる。穿った見方をしてしまえば「聴き手/オーディエンスを無視したライヴ構成」という事も出来る。まぁ今の彼らにとって如何に新作が大切が物か、自信作かというのが伺える内容でもある。

  ただ、どうしても気になってしまうのは、曲の並べ方。これははっきり言ってあまり良くないと思った。アンコールはあれで問題ないだろう。ただ、もう1曲‥‥代表曲と呼べる過去の曲が欲しくもないな、とも思った。"innocent world"をやって、その後に"口笛"やられたらもう鳥肌モンだったろうなぁ、なんて今言っても仕方ないが‥‥

  それと、最初に述べたように、新曲(「DISCOVERY」の曲も含む)と活動休止前の曲との温度差がどうしても気になってしまった。いっその事、ライヴ本編は新曲のみにして、アンコールを少し長めにして代表曲をやるってのはどうだったのかな?と考えてみた。けど、それも彼ららしくないかな。新作は特にコンセプトアルバムというわけでもないので、あの曲順通りに演奏する必然性も感じられない。間に過去の大ヒット曲を挿入するというのは正しいが、そうなるとやはりこういう温度差‥‥特に演奏する側の‥‥を感じてしまう。観客は最新作よりも過去のヒット曲を求め、バンドは過去の曲よりも最新の曲に力を入れる。これはどのバンドでもそうだろうけど、ここまでそれが端的に現れたライヴも久しくなかったように思う。

  ミスチルが今後どこへ向かっていくのかは判らないし、そもそもこのまま活動を続けるのかも判らない。現時点ではツアー終了後の予定は不明だ。新曲を発表するのかも、今回のツアーのビデオが商品として流通するのかも判らない。もしかしたら最も「らしく」ないベスト盤ってのもあるかもしれない。こうやって同時期に登場したバンド達(LUNA SEA, YELLOW MONKEY, シャ乱Q, JUDY AND MARY)が解散もしくは活動休止する中、最も順調な活動を送っているミスチルには現在、その噂はない。一度あった危機を乗り越えて、今は違った態度で臨んでいるのかもしれないが‥‥ちょっと今後の動向には目を離せない。俺自身、今後彼らがどこへ向かっていくのかを見届けたいと思う。何となく、ここまでくるとそれが使命のような気もするし‥‥(苦笑)


[SETLIST]
01. その向こうへ行こう
02. 光の射す方へ
03. ニシエヒガシエ
04. 終わりなき旅
-MC-
05. Heavenly Kiss
06. クラスメイト
07. ロードムービー
08. 抱きしめたい
-MC-
09. Surrender
10. つよがり
11 .十二月のセントラルパークブルース
12. スロースターター
13. everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-
14. 名もなき詩
15. CENTER OF UNIVERSE
16. NOT FOUND
17. Everything is made from a dream
18. Hallelujah
[encore]
19. 友とコーヒーと嘘と胃袋
20. 口笛



▼Mr.Children『Q』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2001 02 11 12:00 午前 [2001年のライブ, Mr.Children] | 固定リンク

2001/01/31

TEENAGE FANCLUB@渋谷ON AIR EAST(2001年1月29日)

  というわけで、前日の最高なライヴに引き続き、この日も同じオンエアに足を運んだわけだ。今日は整理番号も50番台という事もあり、更に前まで行けるのではという期待に胸を弾ませ会場へ向かった。開場時間ギリギリに到着したものの、少々入場が遅れた事もあって余裕を持って入場出来た。
  今日は昨日とは反対側‥‥ステージ向かって中央より右寄りを陣取った。ジェリーとノーマンの中間辺りというわけだ。贅沢だ、贅沢すぎる。最前列とまではいかなかったものの、限りなくそれに近いポジションをゲット。今日もレディヘ「KID A」でまったりしながら開演を待つ。

  本日はスタートが15分程遅れてスタート。メンバーは昨日の成功に気を良くしたのか、かなりリラックスしているように見えた。ノーマンだけでなく、フランシスやジェリーの顔からも笑みがこぼれる。そんなホンワカした空気をぶち破るようにスタートしたのは、名曲"Star Sign"だった‥‥! いや~本当に驚いた。あっけにとられたよ。そのまま昨日もプレイされた"The Cabbage"へと続き、怒濤の名曲2連発で観客の心を鷲掴み。俺もトルちゃんもこの2曲だけで昇天♪

  基本的セットは前日同様、最新作を中心としたセットリストなのだけど、この日はちょっと違うように感じた。だって、ノーマン曰く「過去何年も演奏してない曲をやるよ」という発言を2度までも耳にしたのだから‥‥その2曲とは"God Knows It's True"と、アンコール1曲目に登場した"Hang On"だ。更に新曲群も昨日はプレイされなかった"Dumb Dumb Dumb"や"Happiness"、そして"Cul De Sac"が登場。2日続けて観ても全く飽きさせない内容になっていた。こう言っちゃ語弊があるかもしれないけど、何か解散ツアーじゃねぇんだから‥‥って錯覚するくらいに、かゆい所に手が届く選曲だったように思った。

  2日間に共通していたのは、サマソニの時と違ってバンドと観客との密なコミュニケーションが取れていた点。これは今回の会場の作りのせいもあるだろう。ステージと最前列の客との間が狭かったので、ちょっとしたやりとりで会場内が和やかな空気で包まれる事が多かった。特にノーマンの茶目っ気いっぱいのトークや日本語(笑)にはちょっと驚かされたな。こんな人だったっけ?って。嬉しい誤算ではあったが。

  そうそう、この日も前の日もあったんだけど、同じ観客(同じ男性)による、メンバーへの呼びかけ?というか話しかけるの。初日は面白くて笑ってたけど、さすがに2日続けてやられると、後半うざく感じた。曲と曲との隙間の、ほんの一瞬の「静寂」をぶち壊すように‥‥クドというか、空気が読めないというか。場を盛り上げようとしてるのか、単なる目立ちたがり屋なのか‥‥まぁ笑って過ごしたけどね。

  中盤、俺が前作で最も好きな"Speed Of Light"も聴けたし、大阪ではやってた"Radio"も登場。続けて"Metal Baby "までもやってくれた。本当にベスト盤みたいなセットリストだわ。
  本編最後は名作「GRAND PRIX」からの"About You"~"Sparky's Dream"という素晴らしい流れで閉められた。本当、前日同様顔の筋肉緩みっぱなし。また今日も汚い笑顔してるんだろうな‥‥(爆)

  アンコールは先にも書いたようにライクT-REXな(笑)"Hang On"から"Verisimilitude"へと続いた。そして観客から「"Straight & Narrow"!」ってリクエストが挙がった。俺も聴きたいぞ、ノーマン!(笑)いろいろリクエストをコールする観客。けどノーマンは首をひねったりしてる。そこへ「"Neil Jung"!」って声が。しめた!っと言わんばかりの笑顔で「OK!」とリクエストに応える。って実は最初から決まってたんだろうな(笑)。けど嬉しい。最後の最後で、一番好きな、一番聴きたかった曲をやってくれたんだから。実は俺が観てたポジションからちょっとだけ、セットリストが見えたんだけど、さすがに"Neil Jung"までは見えなかった。最後の"Cul De Sac"は見えたんだけど‥‥それにしても"Neil Jung"! 気が付いたら歌詞見ないで唄えるようになってるし、俺。本当に本当に、これでもかってくらいの満面の笑みで彼らの演奏に応えた。先々週観たHELLACOPTERSとは正反対の、とてもピースフルなバンド。しいて言えば、今年最初に観たCYBERNAUTSと共通する空気を持ったバンドだ。って両方ともイギリスだしね。

  前日は"The Concept"~"Satan"という怒濤のカオス状態で終わったけど、今日は"Cul De Sac"でしんみりと終わった。ノーマンはコーラスにギターにリズムボックス?にと大忙し。コーラスしながらそれを一度にこなすんだから‥‥他の人間に任せればいいのに‥‥単に目立ちたがり屋なのね、彼も(笑)。
  それにしてもこのバンド、役割分担が多いね。ジェリーはベースと歌だけなんだけど、ノーマンは歌にギター(エレキとアコギ、しかも曲によってカポを使い分けるし)、オルガンに鉄琴、リズムボックスを操っていたし、フランシスもエレキ&アコースティックギター、オルガンとボンゴ(!)まで披露。改めて脱帽ですわ。ま、それだけ最近の曲は使う楽器が増え、楽曲の幅が広がってるんだろうけど。途中で間違えたりってのもご愛敬って事で(笑)。

  というわけで、今日も前日同様90分程度のショウだった。腹八分目ではなく、満腹だよ。これだけやられたら、文句言える!? そりゃ俺は2日間両方観れたからこう言えるのかもしれないけど、例えどっちか1日だけだったとしても(いや、その翌日の追加公演@クアトロしか観れなかったとしても)、俺は満足してたような気がする。結果的には本当に聴きたかった楽曲を全部聴けたので、万々歳なんだけどね、俺的には。

  最近のパワーポップ系バンドのライヴでは、お客も元気いいね。さすがに今回はダイブする人いなかったけど、それでもここまで押されて揉まれて白熱したら‥‥ねぇ? 肋にも隣の人間の肘がぶつかるわな?(爆)痛いっちゅうの。んなことはどうでもいいんだよ。愛だよ、愛。Love & Peaceね♪ そんな至福の2日間だった。夏に引き続き、本当にありがとう、TFC!!!


[SETLIST]
01. Star Sign
02. The Cabbage
03. Your Love Is The Place Where I Come From
04. The Town And The City
05. Dumb Dumb Dumb
06. Ain't That Enough
07. Happiness
08. Mellow Doubt
09. God Knows It's True
10. Speed Of Light
11. My Uptight Life
12. I Need Direction
13. Start Again
14. Radio
15. Metal Baby
16. About You
17. Sparky's Dream
 [Encore]
18. Hang On
19. Verisimilitude
20. Neil Jung
21. Cul De Sac



▼TEENAGE FANCLUB『HOWDY!』
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投稿: 2001 01 31 12:00 午前 [2001年のライブ, Teenage Fanclub] | 固定リンク

2001/01/30

TEENAGE FANCLUB@渋谷ON AIR EAST(2001年1月28日)

  ひとつのアーティストの1回の来日(又は1回のツアー)に対して複数公演足を運ぶのは、もうどれくらい振りだろう。帰省してからはまずない。BON JOVIは'96年の横浜スタジアム3日間、ミスチルは'96~7年のツアーで4~5回は行ってるし(シークレットを含めればもっとか)、WiLDHEARTSは'97年秋の3回。そうか、それが最後だ。そう考えると、これは凄い快挙なのかもしれない。しかも、何故にTFCで!?という疑問も生じる(笑)。いや、これはもう昨夏のサマーソニックでの初ライヴ体験の影響が大きい。丁度その前後から俺自身がパワーポップに対してかなり好意的に興味を持ち始めた事もある。そして何よりも、某トル氏(笑)の影響が最も大きい。今回も東京公演2公演に一緒に行く事となった。

  オンエアも気付けば4年振り?くらいの気がする‥‥しかし男ふたりであのラブホ街をぶらつくのも、何だかなぁ(苦笑)。今日は日曜という事もあって、17時開場、18時開演という普段よりも1時間早いスタート。既にソールドアウトという事もあって、客足も好調なようだ。前日、関東地方を大雪が襲ったせいで、まだ会場周辺にも雪がちらほら残っている。そんな中を入場20分前から既にTシャツ1枚で待つ30男ふたり(爆)。人間何事も気合いです、ハイ。

  グッズを先に購入し、入場。320番台という、まずまずのポジション。入場して、ステージ向かって真ん中よりもちょっと左寄りを陣取る(アンプや置いてある楽器等から、どうやら真ん中がノーマンで、左がレイモンド、右にジェリーという事になるようだ)。前には4~5列程度の人の壁が出来ているが、女性ばかりだ。まぁライヴが始まれば後ろから押されるので、1列目も5列目も関係なくなる。バックに流れるRADIOHEAD「KID A」に耳もくれずにふたりして雑談。既に大阪、名古屋で公演を終えているわけだが、毎日曲順が違ったり、曲を入れ替えたりしている事から、今日は何からスタートするんだろう?とか、○×△はやるかな?なんていう他愛もない話に花が咲く。

  ほぼ定時で開場が暗転。その途端に後ろから前方に向かって圧迫される。サマソニでは2階から傍目で観ていたこの光景を実際に体験するとは、あの時点では思ってもみなかった。メンバーが続々現れる。ステージにはメンバーの3人の他に、サポートメンバーが2人。ドラムはサマソニと同じ、ファーストにも参加していたフランシス、キーボードは前回と違う人だった(見た目のキャラがかなり際だったお方だった。クリスと呼ばれていたようだが)。見るからに如何にも気難しそうな、典型的な英国人に見えたレイモンドやジェリーに対して、ノーマンの『如何にもフロントマン的な』満面の笑顔が衝撃的なインパクトを俺に与えた。あれっ、こいつらってこんなバンドだったっけ? まずは1発、名作「GRAND PRIX」のトップ"About You"から。会場の客の湧くの何のって! 1曲目から既に大合唱の嵐。そして押すわ跳ねるわ大暴れ。こっちが動きたくなくても、そういう人達に挟まれてるんで、勝手に体が浮き上がる(笑)。冗談はさておき‥‥これが本当に気持ちいいんだわ。ただ耳に優しいだけじゃなくて、ロックが持つ躍動感もちゃんと感じさせる。アルバムの音だけだと「ヘロヘロでヤワな奴ら」ってイメージだけど(特にここ数作の音からは更にそういうイメージを増長させるものがあった)、初期のあの爆裂サウンドを思い浮かべれば、これも何となく想像出来なくはないんだな。とにかくコーラスはバシバシ決まるし、ノーマンはニコニコ笑顔を絶やさないし。ドラムのフランシスは、リンゴ・スターみたいに首を左右に振りつつ、唄いながら(そしてコーラスにも参加しつつ)気持ちいいリズムを聴かせてくれる。レイモンドは‥‥彼ってこんなにリードギタリスト的資質があったの?と驚かされる。ジェリーは‥‥この人、本当に控えめなのね? 自分の歌のパートがない曲ではステージ袖の、本当の端っこにまで引っ込んでベース弾いてるし(笑)。そしてそんなレイモンドやジェリーに気配りを忘れないノーマンが特に印象的だった。夏観たときはそこまで確認出来なかったから、印象がガラッと変わったよ。見違えた。やっぱ今回はツアーに次ぐツアーの後って事で、脂が乗り切ってるのも大きいのだろう。

  選曲的には、やはり大阪・名古屋とも違ったものだった。基本となるのは最新作「HOWDY!」と、ファンの間で最も人気の高い「GRAND PRIX」からの曲。そこに前作や初期の名曲群(!)を散りばめる形で、かなりバランスが取れてたんじゃないかと思う。最初の山場は5曲目"Metal Baby"で訪れた。ビックリした。だってやると思ってなかったし! 個人的に最も思い入れの強いアルバム「BANDWAGONESQUE」からの曲はどれも好きだ。だって、俺がこのバンドを知る切っ掛けとなった1枚なのだから。この曲での客の狂乱振りも半端じゃなかった。思わずトルちゃんとふたりして顔見合わせたもん♪ 互いに笑顔でやんの(笑)。   そこから「GRAND PRIX」収録の2曲("Don't Look Back"、"Verisimilitude")へと繋ぎ、再びニューアルバムの曲に戻った後、2度目のピークが‥‥な、なんと! サードアルバム「THIRTEEN」収録の"The Cabbage"どわぁ~~(爆死)大阪・名古屋でやってたのは知ってたけど、実際に目の当たりにすると、やっぱ悶絶モンである。今日会った時点でトルちゃん「一番好きなこれが聴ければ‥‥」と言っていただけに、彼のその反応は半端じゃなかった(はずだ。俺も半狂乱で暴れてたので/笑)。サマソニでは初期の曲は"Everything Flows"と"The Concept"の2曲のみだった事でちょっとガッカリしたのも確かだが、今日はもうガッカリするどころかイキッぱなしだよ!

  その後新旧の名曲を挟みつつ(そしてノーマンの鉄琴プレイも披露)、最近ではアンコール前のラストに演奏される事が多かった"Sparky's Dream"が登場して驚く。あれっ、もう終わっちゃうの?と思いきや、この後まだ3曲もやってた。ここが第3のピークかな? 曲と曲の間でふと我に返ったのだけど、何か俺、ノーマンのその笑顔同様、曲が始まった瞬間に頬の筋肉が緩んで自然と笑顔になってしまってるんだわ。それもきっと、かなり汚い笑顔(爆)だったに違いない。いや間違いない。こんなに甘いメロディを連発された日にゃ、もう好きにしてっ!って気にもなるわな、普通。とにかくライヴの間中、頬の肉垂れまくり、汚い笑顔のままだった。

  本編の最後に演奏されたのは、サマソニでは1曲目に披露されたデビューシングル"Everything Flows"だった。この曲、スタジオテイクはやたらとダラダラした印象を受けるのだけど(曲が単調な割に、後半のギターソロが長いので余計にそう感じる)、ライヴだとそのギターソロも前半をレイモンドが、後半をノーマンがという感じで上手い具合に分担してたので、見た目的にも飽きさせなかった。何よりも、ライヴでは比較的歪みまくった音を使っていた点もかなりポイントが高いのではないだろうか。メロが耳に馴染みやすい反面、バックの音(特にノーマンのギター)がロックしていた点が非常に興味深かった。

  アンコールには大阪1曲目だった"Near You"や前作から"Can't Feel My Soul"、カヴァー曲"He'd Be A Diamond"を披露。ここで終わるのかと思いきや、即興に近い形で演奏されたのが、BIG STARのカヴァー"September Gurls"。偶然というか、たまたまこの日トルちゃんに貰ったパワポMDにこの曲、入ってたんだよね! でも、何か誰も曲をちゃんと覚えてなかった感じで、最後もバラバラになってた(笑)。まっ、ここがこのバンドの良い所であって、悪い所でもあるんだけどね♪ 昔の俺なら嫌ってただろうけど、今なら余裕ぶっこいて観てられますわ、ハイ。

  ここで終わってしまうのもどうかと思ったのか、最後にもう1曲やってくれた。そう、サマソニでも最後に演奏された"The Concept"! やっぱり何時聴いても気持ちいい曲だ‥‥お客も最後の力を振り絞って大合唱&大暴れ。最後はピースフルに終わるのか、と思わせておいて‥‥最後のサイケなパートに移る瞬間に、フランシスの速いカウントが‥‥なな何と、後半を見事にカットして、メドレー形式で暴走爆裂インストナンバー"Satan"になだれ込む! そりゃ暴れるさ!って感じで飛び跳ね踊る。そして怒濤の演奏は唐突に終わる。そこもアルバム通り(笑)。そして彼らは笑顔でステージを後にしたのだった。

  時間にして90分程度のステージだったが、曲数的には20曲以上もあり、尚かつ「新曲+みんなが聴きたいと望む曲」のバランスが見事に取れていたように感じた。新作のツアーなので新曲が多めになるのは当たり前だが、この日は新作から6曲と、かなり多めに演奏されている。つまりそれ以外の16曲が過去の代表的ナンバーという計算になる。考えようによっては、凄い贅沢な内容だよな。これ1日だけでも十分に満足してたのに、あと1日あるんだから‥‥明日は何をやってくれるのかね?って期待で胸膨らませてたよ、俺。

  個人的に聴きたかった曲でこの日演奏されなかったのは、"Star Sign"、"Radio"、"Hang On"、そして"Neil Jung"といったところだろうか。まぁやってくれそうな曲もあるけど、とても望めそうもない曲も‥‥ところが‥‥(1/29レポートに続く)


[SETLIST]
01. About You
02. Start Again
03. The Town And The City
04. I Can't Find My Way Home
05. Metal Baby
06. Don't Look Back
07. Verisimilitude
08. I Need Direction
09. Accidental Life
10. The Cabbage
11. Ain't That Enough
12. Mellow Doubt
13. Your Love Is The Place Where I Com From
14. Sparky's Dream
15. The Sun Shines From You
16. Take The Long Way Round
17. Everything Flows
 [Encore]
18. Near You
19. Can't Feel My Soul
20. He'd Be A Diamond
21. September Gurls
22. The Concept ~ Satan



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投稿: 2001 01 30 12:00 午前 [2001年のライブ, Teenage Fanclub] | 固定リンク

2001/01/22

THE HELLACOPTERS JAPAN TOUR 2001@渋谷CLUB QUATRO(2001年1月14日)

いや~‥‥ホントに凄いライヴだった。新しいアイドルも発見してしまったし‥‥(笑)とにかく、いろんな意味で忘れられないライヴになった。

ご存じの通り(?)、前回HELLACOPTERSを観たのは初来日の'98年10月、WiLDHEARTSの前座でだった。その時とはギタリストが変わっているわけで(助っ人参戦のチャック・パウンダーから現在のロバート・ストリングスに、'99年の「GRANDE ROCK」ツアーから参加)、そういう意味では気持ちも新たに観れると思うのだが‥‥前回の印象があまり良くなかったから、今回も期待しない、普通はそうなるんだろうけど‥‥「GRANDE ROCK」「HIGH VISIBILITY」という2枚の傑作を引っ提げてのツアーだもん、期待するなという方がおかしい。この2枚を通過した事によって、俺の彼らに対する印象はかなり良くなっている。

また、俺自身がこの手の「爆走ロック」に対して更に興味を持つようになったのも、印象が変わった理由のひとつかもしれない。考えてみれば、あれから2年以上もの月日が経っているのだ。それに前回は前座という限られた条件の中でのライヴだった。2回目の来日('99年10月)のライヴではかなり素晴らしいステージングを繰り広げたと聞いている。だったら‥‥って事で、今回は自ら進んで行くことにしたのだった。

会場は渋谷クラブクアトロ。条件としては悪くないと思う。東京公演初日、しかも日曜日。今日は前座が付かないそうだ(前回は日本のマカロニが付いた)。つまり、どっぷり彼らに浸かる事が出来る。かなり期待して当日に望んだ事を今でもよく覚えている。前日、よく眠れなかったくらいだから‥‥

知人のご厚意により、17番という素晴らしすぎる整理番号で入場する事が出来、ロッカーに上着や荷物を入れた後にフロアへ。ドリンクに目もくれず、ステージ前へ。前回観た時、ボバ・フェット(キーボードやタンバリン担当)の大振りなアクションに目を奪われっぱなしだった事を思い出し、すかさず彼の前(ステージ向かって右側)へ。ほぼ1~2列目辺りをゲットし、開演まで1時間、じっとじっと我慢の子で待つ。BGMには‥‥古めかしいファンク調のロックが流れる。最近のバンドっぽい音だが、誰だったんだろう。ちょっと気になった。

ほぼ定刻通りにライヴはスタート。ローディーがバンドを紹介し、メンバーが続々とステージに登場。デカい。メンバー皆、かなりデカい。そうか、前回はブリッツの後方で観てたしな。ドラムのロバンは違った意味でデカいが(笑)。そういえば、この俺の目の前にいるイイ男は誰だ? 初めて見る顔だが‥‥そう、この男こそ前回から加入したロバート・ストリングスその人なのだった‥‥か、カッコいい‥‥マジでカッコいい‥‥ブロンドの長髪、まだ幼さの残る顔、かなりの長身、そしてレスポール(時にはファイヤーバードやフライングV。ってこの日はVは使ってなかったけど。ちなみに今回のニッケはレスポールJrではなく、白のグヤトーンだった)‥‥こ、こやつ、デキるな‥‥正に俺の理想ともいえる「ギターヒーロー」なのだった。

またこの男、アクションのひとつひとつもキマッてるのだ。ボーカル&ギターのニッケとの絡みも抜群だし、跪いて仰け反ってギターを弾かせたら今、世界でナンバー1だろう(爆)。ニッケが左利きな分、ふたりしてシンコペーションに合わせて体を左右に振ると、これが抜群にカッコイイ。KISSが"Duece"で見せるアクションに近いカッコよさがあるのだ。そういえばブリッツでもやってたっけ‥‥いや、イマイチ記憶に残ってない。それくらい真剣に見てなかったって事か(苦笑)。

最前列近くという事もあって、音はそれ程よくなかった。つうよりも、聞こえてくる音そのものがギターアンプ直の音なのだ。しかもボーカルも殆ど聞き取れない(翌日も見た人の話によると、後ろから見るとボーカルもよく聞き取れたそうだ)。いや、聞き取れなくても十分だった。もうニッケには目が行ってなかった‥‥気付けばストリングスばかりを追っていたのだ。ボバ目当てだったにも関わらず(そのボバは前よりも地味になっていた。いい意味でやる気なさそうなところがグーだったが)‥‥比率で言えば、ストリングス7:ニッケ1.5:ボバ1:その他(笑)0.5、といったところか?(かなり誇張されてるが)そのくらいカッコよかったんだよ、チミ~!

次から次へと繰り出す必殺ロケンローに悩殺されっぱなしで、曲順なんて覚えてないっつうの!(笑)あらためてセットリストを見てみると(Thanx to ユウゴさん)、あぁ、確かにやってたわ~って感じで、この曲順でCD-Rを作ってみて今それを聴きながらこのレポートを書いているのだけど‥‥アルバムの(特にここ2作の)完成されきった感のある音作りもいいが、ああいう荒々しい‥‥ファーストの頃みたいな‥‥爆音で聴く彼らも抜群にカッコイイなぁと改めて思った。そうそう、ブリッツではギターのミックスがメチャメチャで耳に不快感を与えるミックス、しかも何故かエレピの音がかなりデカかったんだ‥‥なんて事も今回のライヴを観ててふと思い出した程だ。

そういえばどなたですか、ライヴ中盤で‥‥俺の左隣あたりから「してぃ~すら~んぐ!」って叫んでた男性は?(笑)ちゃんと本編ラストにやってくれてたね? アンコール1発目では、最新作の1曲目"Hopeless Case Of A Kid In Denial"(超名曲!)をここに持ってくるか!?って感じで披露し、そのままラストになだれ込み、最後の最後で"(Gotta Get Some Action) Now!"~"Soulseller"という怒濤のエンディングに突き進む‥‥カッコよすぎ‥‥恍惚とはこういう事をいうのね‥‥ってくらいにイッたよ、俺‥‥果てたね、マジで。すっげー濃厚で激しいセックスを1時間半に渡って繰り広げた後、互いに同時にイッちゃうような至福の時を味わう事が出来た(何か俺にしてはすっげー例えだな?/笑)そのくらい、終わった後の充実度は高かった。

Stick最後にボバや憧れのストリングスべいべー(笑)とタッチし、満足しきった所へドラムのロバンがスティックを投げ始める。1本目は後ろの方へ、そして2本目は俺らの方目がけて投げてきた‥‥あ、何か取れそう‥‥そう思って掴んだら‥‥あれっ、何か掴んでるよ、俺‥‥そう、俺。取っちゃったのですよ、ロバンのドラムスティック!(爆)これはこの日の記念に、家宝として家に飾っておく事にする(右写真がそれ。ライヴでのハードヒットを物語っている折れそうな具合に男を感じさせる、マジで)。

それにしても‥‥本当に凄いライヴだった。WiLDHEARTSともマニックスとも違う、男の中の男のバンドによる、男らしいライヴ。あぁ、ロック好きでよかった‥‥6日前に観たCYBERNAUTSとは全くタイプが違うバンド/音楽性だが、こういう音楽に出会えるからロックって素晴らしいんだな、と帰りのバスの中でひとりジーンとしてしまった(半分寝ていたが/笑)。自分にとって大切なバンドがまたひとつ増えた‥‥単純にそんな気がした。ニッケは「夏のフェスでまた会おう!」と言ったらしいが、出来ればフジロックで戻ってきて欲しい。苗場の夕日をバックに"No Song Unhead"のような哀愁漂うメロディーを聴きたい。ROCKET FROM THE CRYPTがオーケーなんだから、HELLACOPTERSだって何ら問題ないはずだ。「BURRN!」でしか取り上げられる事がない(或いは他誌ではあまり取り上げられない)彼らだからこそ、もっと多くの人に聴いて欲しい。今はそんな気持ちでいっぱいだ。

一言で言って「ヤクザ映画を見終わった後の、ちょっとハードボイルドな感じ」。そんな気分を味わいたかったら、CD屋に行って「H」の棚を漁れ! ライヴに来い! 素直にそう言いたくなる、そんなライヴだった。既に今年のベストライヴ候補。文句なしにカッコいいっ!!


THE HELLACOPTERS @ SHIBUYA CLUB QUATRO. 1/14/2001
01. Sometimes I Don't Know
02. Disappointment Blues
03. Move Right Out Of Here
04. Baby Borderline
05. Toys And Flavors
06. Hey!
07. Born Broke
08. I Wanna Touch
09. The Devil Stole The Beat From The Lord
10. No Song Unhead
11. Like No Other Man
12. Paul Stanley
13. Envious
14. Random Riot
15. Psyched Out And Furious
16. Throw Away Heroes
17. You Are Nothin'
18. City Slang
[ENCORE]
19. Hopeless Case Of A Kid In Denial
20. Fake Baby
21. Hurtin' Time
22. (Gotta Get Some Action) Now!
23. Soulseller



▼THE HELLACOPTERS『HIGH VISIBILITY』
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投稿: 2001 01 22 04:30 午前 [2001年のライブ, Hellacopters, The] | 固定リンク

2000/05/19

COSMO EARTH CONSCIOUS ACT We Love Music, We Love the Earth@日本武道館(2001年4月22日)

  たまたま行くこととなってしまった、このイベント。実は5~6年前から毎年この時期にこのイベントが行われていた事は知っていた。が、このイベントが12年も続いているとは知らなかった。'90年から毎年4/22(アースデーと呼ばれているそうな)、以下のような豪華なアーティストが毎年毎年、日本武道館でイベントを行ってきたそうだ。

第1回('90)--ブラジル・プロジェクト(リー・リトナー/渡辺貞夫/ジェームズ・テイラー他)
第2回('91)--坂本龍一/ユッスー・ン・ドゥール
第3回('92)--久保田利伸&キャロン・ウィーラー
第4回('93)--TOSHI(当時X JAPAN)/ジャニス・イアン
第5回('94)--サンタナ/オルケスタ・デ・ラルス
第6回('95)--ユーログルーブ・小室哲哉/アース・ウィンド&ファイアー
第7回('96)--ドゥービー・ブラザーズ/玉置浩二
第8回('97)--エターナル/MAX
第9回('98)--ダリル・ホール&ジョン・オーツ/シング・ライク・トーキング
第10回('99)--ドリームズ・カム・トゥルー
第11回('00)--杏子/山崎まさよし/スガシカオ/COIL

  まぁこれを本当に「豪華」と感じるかどうかは、あなたの趣味次第だが、少なくとも俺は豪華だと感じた。実際に「もし当時このイベントを知っていたら、確実に観に行ってたな」と思わせた回が幾つかあった。で、第10回目を境に、このイベントは国内のアーティストのみで構成されるようになった。昨年の同じ事務所同士の組み合わせってのもどうかと思うが、今年は趣味趣向/音楽性てんでバラバラだ。だって19にhitomi、挙げ句の果てにスペシャル・オープニングアクト扱いで清志郎だ。一体どういうライヴになるのか‥‥全く想像がつかなかった。

  さて、最初にこのライヴの趣旨である「アースデー(Earth Day)」について、ちょっと説明を。入場者全員に配られた小冊子には「アースデーは、地球環境の問題を私たちの身の回りのこととして考えていこうという市民レベルの活動として米国でスタートしました。1970年、G・ネルソン上院議員が4月22日を“アースデー”と宣言。当時米国の市民活動の指導者であったデニス・ヘイズ氏がこの概念を具体化する行動を米国に呼びかけて、一大ムーブメントとなりました。今では世界140カ国約2億人の人たちが行動を起こすほどの広がりを見せています。」と書かれている。つまりは、環境問題を身の回りレベルで考えて、行動に移していこう、というのを推進する日とでも言えばいいのだろうか? 会場内では募金を集ったりしていて、集まった募金は全部「アースコンシャス募金」を通じて、WWFジャパンに寄付し、沖縄県石垣島白保サンゴ礁などの自然環境保護に役立てられているという。しかし、その割には「チケット代の○%が募金として集められます」なんて注意書きもないし、当日もそういうアナウンスは一切なかった。何か違うんじゃないの? こういうのってアーティストがノーギャラで出演して、全額寄付とかにしなきゃ意味がないんじゃないの?? その辺はかなり疑問が残ったが‥‥

  当日はラジオ&インターネットでの同時生中継もあるとのことで、定刻通りにスタート、決められた時間枠でしか演奏出来ないらしいが‥‥


◎忌野清志郎/ラフィータフィー

  「スペシャル・オープニングアクト」の意味が全く判らなかった。大御所だから「スペシャル」が付いてるのか? まぁ清志郎の事だ、何か企んでるんだろう。

  当日配られたフライヤーの中に、「清志郎、フジロック出演決定!」の文字を発見し、同行した小川くんと喜ぶ。やっぱりフジの顔として毎年出てもらわないと。我々の席は武道館南側、2階席8列目という、ステージ真正面でかなり見やすい位置だった。ステージ上にはドラムセットとアンプの山。そしてステージ両サイドには何故か自転車が‥‥最近、清志郎は自転車に凝っているらしいから、そういう事なのだろう(どういう事だ!?)

  アナウンスがあって、定刻通りにスタートする事が告げられる。そして18時半に暗転、歓声が。客の殆どが19のファンだろうけど、それでもこの声援。大したものだ。メンバーが次々と現れ、最後に(多分)清志郎が‥‥「オ~イェイ~!」のかけ声。そして始まったのは、なんとRCサクセション時代の名曲、"トランジスタラジオ"だった。おおっ! かなり興奮する俺。ステージ上にはメンバーが4人‥‥清志郎の他に、ベースの藤井裕、この日が初披露となる新加入のドラマー宮川剛、そして「時々欠席」するが一応正式メンバーのサックス武田真治。武田のサックスがこの日、またいい味を出していた。ラフィータフィーの初ステージは一昨年のフジロックで体験しているものの、サックスを含むメンツは初めてだ。シンプルな編成だが、逆にそこがまたいい。RCともLITTLE SCREAMING REVUEとも違う「味わい」がここにはある。カッコイイ‥‥ロックの醍醐味がストレートに伝わる編成/メンバーだ。

  その後、ラフィータフィーとしての最新作「秋の十字架」からの"グレイトフルモンスター"を挟んで、再びRC時代の"空がまた暗くなる"を熱演。つうかこの曲だけ、俺知らなかった‥‥まだまだです、俺。
  いろいろ煽りたいんだろうけど、そこはスポンサーに気を遣う清志郎。ガソリン云々について語ろうとしたが、途中で「コ○モはいいんです」みたいなフォローをしてしまう辺りに、彼の人柄が表れている。19ギャルやhitomiキッズ(笑)にも好感触なようだ。

  再び新作から"水の泡"を披露。かなりムーディーな空気を作った後に彼らが演奏し始めたのは‥‥なんとビックリ、あの"イマジン"だった‥‥!! そう、もう13年も前になるのか‥‥発売中止騒動は何も"君が代"だけじゃなかった。既に清志郎は「カヴァーズ」という作品でもそれに直面していた。そのアルバムのラストを飾る、言わずと知れたジョン・レノンの名曲の日本語カヴァー(というより、清志郎流の歌詞が乗った、RCの曲といった方がいいかも)。同行した小川くんの話によると、これはかなり貴重らしい‥‥正にこの日にぴったりな選曲である。

  その後"Sweet Lovin'"でノリノリにしてから、やはり最後はこれでしょう!ってことで"君が代"を‥‥武道館で!!!後半やたらと長い即興(早い話が「苔の蒸すまで」の「蒸す」を「ムース」だの「ポマード」だのと替え歌してただけだが/笑)が続いたが、決めるところは決める男、清志郎。しっかりとお坊ちゃん・お嬢ちゃん達にロックの素晴らしさを教育して(笑)からステージを後にした。正味40分程度のステージだったが、俺には1時間にも2時間にも値する内容だった。


01. トランジスタラジオ
02. グレイトフルモンスター
03. 空がまた暗くなる
04. 水の泡
05. イマジン
06. Sweet Lovin'
07. 君が代


◎hitomi

  途中15分程度のインターバルを挟み、ちょっとだけ期待していた(笑)hitomiのステージを観ることに。ドラムの両脇にはキーボーディストが2人、フロントにはギター2人(ひとりはいかにもスタジオミュージシャンといった風貌で、もうひとりは短パンにレスポールという「俺ってロックだろ?」的にぃちゃん)とベーシスト。聴き覚えのあるシンセのリフに続いてhitomiがステージに登場‥‥呆気にとられる。数日前に観た「ミュージックステーション」と同じような、ヒラヒラフリルのついた膨らんだスカートに、全盛期の森高千里を思わせるコスチューム‥‥いつから君はそういうスタイルになったの?? もうちょっとクールな感じだと思っていたが‥‥まぁそれはそれで、目の保養ということで‥‥(笑)

  聴き覚えのあるシンセのリフ‥‥なんて事はない、最初のヒット曲である"CANDY GIRL"だった。シンセよりもかなりギターを前面に出したアレンジになっており、思った以上にロケンローな感じだった。ちょっと好印象。もっと打ち込みバリバリなアンサンブルだと思ってたが‥‥キメ所ではツインリードなんかも入ったりして。メタル好きなんだろうな、きっと(笑)。

  彼女のステージは実質20分程度。5曲しか演奏されなかったが、それでも全部シングル曲で、知っている曲ばかりだった。こういうイベントでは客のハートをがっちりと掴んでしまえば、もうこっちのもの。19ファンをも巻き込んで、大盛り上がり大会になっていた。最後はお約束の"LOVE 2000"で終了。非常に楽しかった。清志郎が40分以上やっただけに、20分は物足りなかったが、もしかしたらこれが程良い長さだったのかもしれない。これが40分だったら、逆に引いてたかもしれないし。うん、また金払って観たいとは思わないけど(苦笑)、観てよかったと素直に思えるステージだった。


◎19

  20分程度のインターバルの後、いよいよヘッドライナーの19が登場する。バンドメンバーが登場し、演奏を始める。聴き覚えのある曲‥‥タイトルは知らないが。そしてメインのボーカルをとる奴が登場。もうひとりの方は既にステージでギターを弾いていた。

  ご存じの通り、俺は19が積極的に嫌いだ。けど、ゆずの例があるから、もしかしたら今回を機に気に入るかも‥‥そんな淡い思いを胸に今回のイベントに臨んだのだ。小川くんとも「とりあえず1曲聴いて判断しよう」ということになっていたのだが‥‥1曲で十分、いや、かなりキツかった、聴いてるのが。ボーカルは声量が全くないし、逆にギターの奴の方がいい声してて、かなり通っていた。路上でパフォーマンスしていたにも関わらず、歌詞が全く聞き取れず、口先だけで唄っている印象を受ける。彼らに対して悪いイメージがあるからこう書いているわけではなく、実際の話、清志郎はバカでかい声で、知らない曲の歌詞までしっかり耳に入ってきたし、それは音数の多いhitomiにしても同じだった。では何故、19は聞き取り難かったのだろう‥‥

  これ以上聴いても無駄だ、そう決断を下し、俺と小川くんは武道館を後にした。「へっ、何でもう帰るの!?」という19ファンの軽蔑の眼差しを背にして。


◎総評

  総評するまでもないだろう。ジャンル・スタイルが全く違う3組のバトルロイヤルととる事もできる今回のイベントだが‥‥勝負あった、って感じかな。まぁあえて言わないが‥‥

  大健闘はhitomiだろう。正直、こんなに気持ちよく聴ける(観れる)とは思ってもみなかった。途中辛くなってトイレタイムにでもなっちまうのか!?なんて思っていたが、本当によかったと思う。これを機にちゃんとCD借りてこよう(でも買いません/笑)

  19は‥‥ファンには悪いが、今後彼らと交わることはないと確信した。別にファンをけなすつもりもないし、好きな人にとっては大切なアーティストだと思う。けど、俺にはピンとこなかったし、必要のない音だった。それだけ。とはいっても、数年経って俺の好みに成長している可能性もなきにしもあらずなので、心は広く‥‥ねっ?(笑)

投稿: 2000 05 19 01:20 午前 [2001年のライブ, 忌野清志郎] | 固定リンク