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カテゴリー「2001年の作品」の91件の記事

2022年5月 4日 (水)

HARDCORE SUPERSTAR『THANK YOU (FOR LETTING US BE OURSELVES)』(2001)

2001年10月22日にリリースされたHARDCORE SUPERSTARの3rdアルバム。日本盤は同年9月29日に先行発売。

日本およびワールドワイドデビュー作となった前作『BAD SNEAKERS AND A PINA COLADA』(2000年)から約1年半という短期間で届けられた新作は、セルフプロデュースだった過去2作から離れ、新たにプロデューサーを立てて制作された意欲作。方向性としては前作での時代錯誤なスリージーハードロックをベースに、よりグラマラスでバブルガムポップ的テイストを強めたことが伝わる内容です。

オープニングトラック「That's My Life」やリードシングル「Shame」を筆頭に、キャッチーさ/わかりやすさは前作以上。楽曲もより練り込まれた印象が伝わり、前作が自主制作で発表した1stアルバム『IT'S ONLY ROCK 'N' ROLL』(1998年)収録曲のリメイク中心だったことを考えると、改めてソングライターとしての真価が問われる1枚と言えるでしょう。

実際、リスナーの期待値以上の内容に仕上がっていると思いますが、ここ日本においてファンが彼らに求めたのは前作での「Hello/Goodbye」や「Rock 'N' Roll Star」のような疾走感の強いパンキッシュなハードロックと、「Someone Special」に代表される北欧バンドらしい哀愁味の強いメロウ&メランコリックなナンバー。この新作は前者の要素は排除されつつあり、後者の要素は「Summer Season's Gone」や「Significant Other」などに引き継がれている。しかし、後者もハードロックというよりはポップス色が濃くなっていることで、聴き手側が若干の違和感を覚えたのも確か。軽快で能天気(とは言い過ぎか)なメジャーキー楽曲中心の全体像が、思った以上に「コレジャナイ」感を与えてしまったという意味では、ちょっと早すぎた変化/進化だったのかな。

ただし、その後のバンドの成長を考えると、この一歩は非常に大きかったのもまた事実。リリース当時は僕自身も「あれっ?」と思ったものの、今では『BAD SNEAKERS AND A PINA COLADA』以上に好きな1枚かもしれません。

 


▼HARDCORE SUPERSTAR『THANK YOU (FOR LETTING US BE OURSELVES)』
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2022年4月12日 (火)

AEROSMITHのベストアルバムを総括する(2022年版)

先日ブライアン・アダムスで試してみた、いちアーティストの公式ベストアルバム/コンピレーションアルバムをひとつのエントリーの中で総括する記事AEROSMITH版です。

AEROSMITHは1973年のデビュー以降、Columbia Records(1973〜1984)→Geffen Records(1985〜1997)→Columbia(1997〜2021)→Universal(2021〜)と移籍を繰り返してきましたが、現在は全カタログの権利をUniversalが取得したことで、今後Columbia/Sony時代の音源もUniversalからフィジカル再発/デジタル配信されることになりそうです。

そういった意味では、ここに記す代表的なコンピレーションアルバムのいくつかは今後、姿を消すことになるかもしれません。それでもこの機会に改めて、ひとつの記録として記事を残しておくのはアリかなと思い、今回の執筆に至りました。

選出したベストアルバムは、レーベル主導によるシリーズ企画(Universalの『THE MILLENNIUM COLLECION』など)を除く、新曲やレア曲などを含む9作品。中には廃盤になっていたりサブスクで聴けないものも含まれていますが、ご了承ください。また、すでに単独エントリーで公開済みの作品もありますが、その場合は該当記事のリンクを貼っておきますのでご参考ください。

 

 

『AEROSMITH'S GREATEST HITS』(1980)

 

1980年11月にリリースされた、バンド初のベストアルバム。

そのタイトルどおり、収録内容はシングル曲を中心にしたもので、アナログ時代ということで全10曲/約38分というコンパクトな内容でまとめられています。また、構成的にもリリース順に並べられているので、いきなり「Dream On」から始まるという曲順はロックバンド的にどうなのかな?という疑問も残ります。

収録曲のうち、「Same Old Song And Dance」「Sweet Emotion」「Kings And Queens」はイントロを短くした“シングル・エディット”バージョンで収録。「Walk This Way」もアルバムバージョンより10秒近く短い形にエディットされています。オリジナルバージョンに勝るものはありませんが、本作リリース当時は70年代の代表的シングル曲をひとまとめに楽しめるアルバムとして、非常に重宝されましたし、80年代後半の本格的復帰以降も『PERMANENT VACATION』(1987年)『PUMP』(1989年)とともにこのアルバムを愛聴したファンは少なくなかったはずです(注:Apple Musicなど一部ストリーミング配信版は各シングルエディットがアルバムバージョンに差し替えられているのでご注意を)。

また、映画サントラに提供したビートルズのカバー「Come Together」が収録されている点も注目ポイントかな。『LIVE! BOOTLEG』(1978年)ではライブバージョンを先に聴くことができましたが、スタジオテイクがエアロのアルバムに収録されるのはこれが初めて。そこも本作が長く愛された要因のひとつかなと。

なお、本作がリリースされた頃にはすでにバンドの人気も低迷期に突入しており、チャート的には大きな成功を収めることはありませんでしたが、そこから数年後の再ブレイクも手伝い、セールス的には現在までに1000万枚を超えるメガヒット作となっています。

 


▼AEROSMITH『AEROSMITH'S GREATEST HITS』
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『GEMS』(1988)

 

1988年11月にリリースされたAEROSMITHのコンピレーションアルバム。

『PERMANENT VACATION』(1987年)の大ヒットを受けて、前レーベルのColumbia Recordsが企画したコンピ版で、シングル曲中心でまとめられた前作『AEROSMITH'S GREATEST HITS』と比べるとその内容はかなり地味なもの。ただ、ライブで演奏される機会の多い「Mama Kin」や「Lord Of The Thighs」「Train Kept A-Rollin'」なども含まれていることから、“裏ベスト”的側面の強い1枚かなと。

本作最大の注目ポイントは、『LIVE! BOOTLEG』(1978年)のみで聴くことができた「Chip Away The Stone」の未発表スタジオテイクが収録されていること。この1曲のために当時本作を購入したというファンも少なくなかったはずです。実際、この曲は本作からシングルカットもされ(既存ライブ映像を使用したMVも制作)、ラジオヒットも記録しています。

今のようにサブクスやYouTubeも存在せず、過去のスタジオアルバムにまで手を出せなかった当時の中高生には本作に収録された「Rats In The Celler」や「Nobody's Fault」「Round And Round」「Jailbait」などはかなりカッコよく響いたものです。ここから『ROCKS』(1976年)『TOYS IN THE ATTIC』(1975年)にも手を伸ばしていったビギナーは80年代後半、かなりの数存在していたはずですから。

コアなファンの中には、先述の『AEROSMITH'S GREATEST HITS』より本作のほうが好きという方も、意外と多かったりして。かくいう僕も本作、大好物ですからね。

 


▼AEROSMITH『GEMS』
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2022年2月16日 (水)

CONVERGE『JANE DOE』(2001)

2001年9月4日にリリースされたCONVERGEの4thアルバム。日本盤は同年12月28日発売。

前作『WHEN FOREVER COMES CRASHING』(1998年)を経て、ジェイコブ・バノン(Vo)、カート・バルー(G)、アーロン・ダルベック(G)にネイト・ニュートン(B)、ベン・コラー(Dr)が加わり、現在まで続く布陣の4人がここで揃うことになるCONVERGE。本作は5人編成では最後のアルバムであると同時に、Equal Vision Recordsから最後の作品にもなりました。

前作からカートがエンジリアリング、ジェイコブがミキシングにまで携わるようになりましたが、今作もその布陣での制作が継続され、かつ関わる密度がより高くなったことからか、そのサウンド/音質もより生に近いダイナミックなものが収められることに。このクオリティの向上に伴い、バンドアンサンブルもより緻密で計算され尽くされたものへと進化。現在まで続くCONVERGEの歴史を語る上で、真の意味での原点と言える歴史的名盤を完成させることとなったわけです。なお、レコーディングにはメンバー5人のほか、CAVE INのケイラブ・スコフィールド(B, G, Vo)やTHE HOPE CONSPIRACYのケヴィン・ベイカー(Vo)が「The Broken Vow」のコーラスに参加しています。

アルバム冒頭の「Concubine」や「Phoenix In Flames」など1分前後のショートチューンから、ラストを盛大に飾る11分強の「Jane Doe」まで1曲の尺は幅広く感じられるものの、その大半が2〜3分台のコンパクトなもの。かつ曲間がほとんどないシームレスな状態であることから、ショートチューン数曲からなる組曲のようにも映り、息をつく間をまったく与えてくれません。無呼吸で全力疾走を始めたかと思うと、徐々にそのテンポを落としていき、ミディアム/スロー&カオティックでヘヴィな音像が自分の周りに壁となって立ちはだかり、気づくと全12曲/45分があっという間に終了している。聴いているだけで思考が停止する、いや、考えることを放棄させられる強烈な1枚なのです。

ジェイコブのボーカルは歌というよりも、ほぼ叫び(しかも何を叫んでいるか聴き取れない)。メタルバンド的な低音グロウルとは異なるハードコア特有の高音スクリームは、リフでぐいぐい引っ張るタイプではない、変幻自在でプログレッシヴな思考を持つアンサンブルとの相性も抜群で、ヘヴィメタルからはあまり感じられない狂気性が伝わってきます。ですが、ある種前衛的にすら思えてくる音の組み合わせも、聴けば聴くほどにどこかドラマチックにすら思えてくるから不思議。随所から溢れてくるエモさは、ほかの何にも例えようがないものであり、この感情はCONVERGE以外からは感じとることができないもののような気がします(これに近い感情は、ほかのカオティックハードコア、マスコアバンドからも体感することができるのですが、ちょっと別モノ感がありますしね)。

攻撃性やエモさ、カオティックさというさまざまな側面に特化した作品は、以降も数々制作されていますが、すべてのバランスが均等に揃ったという点ではこのアルバムがベストではないでしょうか。リスナーによっては「以降のアルバムは『JANE DOE』を超えられていない」と感じているかもしれませんが、ここを起点にアルバムごとに実験を重ねていると受け取れば、「すべて別の視点で制作された別モノであり、『JANE DOE』はその始まりにすぎない」と理解することができるはずです。じゃなきゃ、ここから20年後に『BLOODMOON: I』(2021年)のような深みのあるアルバムにまで到達できませんって。

 


▼CONVERGE『JANE DOE』
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2022年1月30日 (日)

DAVID BOWIE『TOY (TOY:BOX)』(2022)

2022年1月7日にリリースされたデヴィッド・ボウイの3枚組未発表音源集。日本盤は同年1月12日発売。

本作は当初、『TOY』というタイトルで2001年3月にリリースを予定していたものの、当時のレーベル(Virgin Records)から発売を拒否されたことからお蔵入りに。その後Virginを離れ、本作に収録されたトラックのいくつかを元にしながら、新たなアルバムとして完成されたのがトニー・ヴィスコンティをプロデューサーに迎えた『HEATHEN』(2002年)でした。

『'hours…'』(1999年)で原点回帰とも言えるスタイルに立ち返り、同作を携えて2000年初夏の『Glastonberry Festival』でヘッドライナーを務めたボウイは、その手応えを抱えたままツアーメンバーと同年夏〜秋にスタジオ入り。活動初期の楽曲(主に「Space Oddity」でのブレイク前中心)を今のボウイの技術とこのバンドメンバーの演奏/アレンジ力で表現したらどうなるか……それが『TOY』と題されたアルバムのテーマでした。

アルバムのプロデュースを手がけたのは、『'hours…'』から引き続きマーク・プラティとボウイ自身。レコーディングにはアール・スリック(G)、ゲイル・アン・ドロシー(B)、マイク・ガーソン(Key)、スターリング・キャンベル(Dr)とお馴染みの面々が参加し、ストリングスアレンジではトニー・ヴィスコンティの名前も見つけることができます。作品のテイスト的には『'hours…'』と『HEATHEN』の中間と言えるもので、まさにこの2作の間に制作されることがわかる、両作の橋渡し的内容と言えるもの。シンプルなバンドアンサンブルで表現された良曲の数々は、確かにボウイらしい革新的な要素や派手さこそ皆無ですが、制作から20年以上経った今聴いてもまったく色褪せることのないものばかり。もっと言えば、楽曲自体は50年以上前に制作されたものなわけで、そこを差し引いても正真正銘のエヴァーグリーンな名曲集と言えるでしょう。

ボウイは本作を“サプライズリリース”したかったようですが、当時の体制では今みたいにノンプロモーションで突然市場にアルバムを出荷することは不可能に近かった。さらに、当時のレーベルは枯れに枯れまくった本作をどう売っていいかわからなかった。いろんな意味で“早すぎた”アルバムだったのかもしれませんね。しかし、当時53歳のボウイにとって音楽人生および一人の人間として折り返しに入ったタイミングに、ある種懐古的な作品に着手したというのも興味深い話であり、真の意味での次のステップを踏み出す前に絶対的に必要な作業だったのかもしれません。

収録された12曲の大半は、すでに『HEATHEN』のデラックス盤やシングルのカップリング、ベストアルバム『NOTHING HAS CHANGED』(2014年)などで公開されてましたし、2011年にリークされたバージョンとは内容が少々異なります。ですが、(ボウイ死後の編集されたとはいえ)今回の12曲入りバージョンこそが真の意味での『TOY』として受け取ることにしておきます。

なお、本作は3枚組ボックスに先駆けて、アルバム本編(12曲)が2021年11月26日にボックスセット『BRILLIANT ADVENTURE (1992-2001)』の一部として先行リリース。今回発売されたのはアルバム本編を収めたDISC 1、本編から漏れた「Liza Jane」「In The Heat Of The Morning」のほか『TOY』収録曲の別バーションを収めたDISC 2、アコースティック楽器と歌のみでシンプルに表現された『TOY』収録曲にエレクトリック楽器を新たオーバーダブした“Unplugged & Somewhat Slightly Electric”バージョンで構成されたDISC 3の3枚組となっています。DISC 2の“Alternatives & Extras”はマニア向けかもしれませんが、アルバム本編(DISC 1)とあわせてDISC 3はぜひとも聴いてもらいたいところ。同じ曲でも味付け次第でまったく別モノになるんだということがわかるし、どちらもボウイらしさに満ち溢れた内容なので……ゆっくり、じっくりと味わってほしいです。

ボウイのキャリアを総括したボックスセットシリーズも、残すところ『HEATHEN』、『REALITY』(2003年)、『THE NEXT DAY』(2013年)、『★ (BLACKSTAR)』(2016年)までをまとめた最終章のみ。今のところ2023年発売を予定しているそうですが、『★』完成後に着手したデモ音源が日の目を見るのかを含め、その内容が気になるところです。

 


▼DAVID BOWIE『TOY (TOY:BOX)』
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2022年1月10日 (月)

祝ご成人(2001年4月〜2002年3月発売の洋楽アルバム20選)

新成人の皆さんおめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画も、今年で8回目。しかし、この春から成年年齢が18歳になることから、今回で最後かなと思っております(さすがに18年前って区切り悪いですしね)。この企画は「自分の20年前の音楽ライフはどんなだったか」を思い返す上で非常に貴重な機会でもあり、同時に「どれを20枚に含めるか?」というセレクトにおいても非常に頭を悩ます良いタイミングとなっていたので、成人式抜きで続けてもいいんですけど……まあ、そのへんは1年後に考えます(笑)。

改めて趣旨説明を。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に2001年4月〜2002年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れが強い作品のうちSpotifyやApple Musicで試聴可能なものを20枚ピックアップしました。

どれも名盤ばかりですし、もしまだ聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。特に、現在20歳の方々は「これ、自分が生まれた年に出たんだ」とかいろいろ感慨深いものがあるような気もしますし。ちなみに、作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちら、2017年度の新成人編はこちら、2018年度の新成人編はこちら、2019年度の新成人編はこちら、2020年度の新成人編はこちらです)

以下、サブスクを通して名盤20選をお楽しみください。

 

ANDREW W.K.『I GET WET』(2001年11月発売)(Spotify)(レビュー

 

ARCH ENEMY『WAGES OF SIN』(日本:2001年4月発売、海外:2002年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

ASH『FREE ALL ANGELS』(2001年4月発売)(Spotify)(レビュー

 

BASEMENT JAXX『ROOTY』(2001年6月発売)(Spotify

 

BJORK『VESPERTINE』(2001年8月発売)(Spotify)(レビュー

 

THE CHEMICAL BROTHERS『COME WITH US』(2002年1月発売)(Spotify)(レビュー

 

CONVERGE『JANE DOE』(2001年9月発売)(Spotify)(レビュー

 

FINCH『WHAT IT IS TO BURN』(2002年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

INCUBUS『MORNING VIEW』(2001年10月発売)(Spotify

 

JIMMY EAT WORLD『BLEED AMERICAN』(2001年7月発売)(Spotify

 

KYLIE MINOGUE『FEVER』(2001年10月発売)(Spotify

 

MUSE『ORIGIN OF SYMMETRY』(2001年6月発売)(Spotify)(レビュー

 

RADIOHEAD『AMNESIAC』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

RYAN ADAMS『GOLD』(2001年9月発売)(Spotify

 

SLIPKNOT『IOWA』(2001年8月発売)(Spotify)(レビュー

 

THE STROKES『IS THIS IT』(2001年10月発売)(Spotify)(レビュー

 

SUM 41『ALL KILLER NO FILLER』(2001年5月発売)(Spotify

 

SYSTEM OF A DOWN『TOXICITY』(2001年9月発売)(Spotify)(レビュー

 

TOOL『LATERALUS』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

WEEZER『WEEZER (GREEN ALBUM)』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

残念ながらセレクトから漏れた作品も多く。以下に主だった作品をピックアップしておきました。

AIR『10000 HZ LEGEND』
ALICIA KEYS『SONGS IN A MINOR』
...AND YOU WILL KNOW US BY THE TRAIL OF DEAD『SOURCE TAGS & CODES』
AUTECHRE『CONFIELD』
THE BLACK CROWES『LIONS』
BLACK LABEL SOCIETY『1919 ETERNAL』(レビュー
BLIND GUARDIAN『A NIGHT AT THE OPERA』
BLINK-182『TAKE OFF YOUR PANTS AND JACKET』
BRITNEY SPEARS『BRITNEY』
THE CHARLATANS『WONDERLAND』
!!!『!!!』
THE CULT『BEYOND GOOD AND EVIL』(レビュー
DEPECHE MODE『EXCITER』(レビュー
DREAM THEATER『SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE』
EMPEROR『PROMETHEUS: THE DISCIPLINE OF FIRE & DEMISE』
FANTOMAS『THE DIRECTOR'S CUT』
FEAR FACTORY『DIGIMORTAL』
FEEDER『ECHO PACK』
GARBAGE『BEAUTIFULGARBAGE』
HATEBREED『PERSEVERANCE』
HOOBASTANK『HOOBASTANK』
THE (INTERNATIONAL) NOISE CONSPIRACY『A NEW MORNING, CHANGING WEATHER』(レビュー
JAMIROQUAI『A FUNK ODYSSEY』
JOEY RAMONE『DON'T WORRY ABOUT ME』
KREATOR『VIOLENT REVOLUTION』
LENNY KRAVITZ『LENNY』
MACHINE HEAD『SUPERCHARGER』
MEGADETH『THE WORLD NEEDS A HERO』(レビュー
MERCURY REV『ALL IS DREAM』
MICHAEL JACKSON『INVINCBLE』
MICK JAGGER『GODDESS IN THE DOORWAY』(レビュー
MISSY ELLIOTT『MISS E... SO ADDICTIVE』
MOGWAI『ROCK ACTION』(レビュー
MOUSE ON MARS『IDIOLOGY』
MR. BIG『ACTUAL SIZE』(レビュー
N*E*R*D『IN SEARCH OF...』
NEW ORDER『GET READY』
NICKELBACK『SILVER SIDE UP』
OCEAN COLOUR SCENE『MECHANICAL WONDER』
OZZY OSBOURNE『DOWN TO EARTH』(レビュー
PUDDLE OF MUDD『COME CLEAN』
R.E.M.『REVEAL』
RAMMSTEIN『MUTTER』
ROB ZOMBIE『THE SINISTER URGE』
SLAYER『GOD HATES US ALL』(レビュー
SOILWORK『NATURAL BORN CHAOS』
SPIRITUALIZED『LET IT COME DOWN』
STAIND『BREAK THE CYCLE』
STATIC-X『MACHINE』
STEREOPHONICS『JUST ENOUGH EDUCATION TO PERFORM』
STONE TEMPLE PILOTS『SHANGRI-LA DEE DA』
SUGAR RAY『SUGAR RAY』
SUPER FURRY ANIMALS『RINGS AROUND THE WORLD』
TRAVIS『THE INVISIBLE BAND』
THE WHITE STRIPES『WHITE BLOOD CELLS』
YEAH YEAH YEAHS『YEAH YEAH YEAHS』

……多い(笑)。セレクトしまくったらこうなった。というか、2001〜2002年ってすでにこのサイトの前身「とみぃの宮殿」のアクセスがそこそこ増え始めた時期で(理由:ハロプロ)、更新意欲もかなり強くて新譜にも積極的に触れていたタイミングなんですよね。当然あの頃はサブスクなんてなかったので(海外にはNapsterがありましたけどね)、CDを闇雲に購入しまくっていたのですが(しかも、当時はライターになる前で、東京住まいではなかったこともあり、月に数度、週末にCD漁りったりクラブ遊びしたりライブ行ったりするために上京していたのでした)、今回選んだ20枚は完全に今の自分の趣味と、客観的に見て名盤として通用する作品を意識しています。

2001年というと、9月11日のアメリカ同時多発テロが忘れられない出来事でしたよね。当時は追悼イベントもいくつか開催されましたが、こうした事実が作品に反映されたのは2002年以降の作品だったので、今回ピックアップした作品の中には911について歌った曲は含まれていないんじゃないかな。

あと、ジョーイ・ラモーン(4月15日)やジョン・リー・フッカー(6月21日)、ジョージ・ハリスン(11月29日)が亡くなったのも2001年のことでした。

ちなみに、当時の日本の音楽シーンには以下のような出来事がありました。

■三波春夫、死去(2001年4月)
■中澤裕子がモーニング娘。を卒業(2001年4月)
■Coccoが音楽活動休止(2001年4月)
■野猿、撤収(2001年5月)
■三木道三、「Lifetime Respect」でオリコン1位獲得(2001年7月)
■サザンオールスターズから大森隆志(G)が脱退(2001年8月)
■EE JUMPのユウキ、活動自粛(2001年8月)
■モーニング娘。に5期生加入(2001年8月)
■SPEED、阪神淡路大震災復興イベントで一夜限りの再結成(2001年10月)
■access、7年ぶりに活動再開(2001年12月)
■第43回日本レコード大賞、浜崎あゆみ「Dearest」が大賞受賞。最優秀新人賞はw-inds.が受賞(2001年12月)
■SIAM SHADE解散(2002年3月)
■エイベックスがコピーコントロールCD(CCCD)発売(2002年3月)
■DREAMS COME TRUEから西川隆宏が脱退(2002年3月)

なお、2001年の年間アルバムランキング1位は宇多田ヒカル『Distance』、2位が浜崎あゆみ『A BEST』という時代。懐かしいですね……。

最後に、今回選出した20作品をまとめたプレイリストも用意しましたので、掲載しておきます。

 

2022年1月 7日 (金)

ARCH ENEMY『WAGES OF SIN』(2001)

1月2日から数日更新をお休みしましたが、本日から再び連日更新を再開します。改めまして、本年もよろしくお願いいたします。

さて、2022年最初に取り上げる作品は、2001年4月25日に日本先行リリースされたARCH ENEMYの4thアルバム。海外では1年遅れの2002年3月18日に発売されました。

3rdアルバム『BURNING BRIDGES』(1999年)で初期ARCH ENEMYのスタイルを確立させるも、翌2000年にはフロントマンのヨハン・リーヴァ(Vo)が力量不足を理由に解雇に。バンドは新たなシンガー加入を発表しないまま次作の制作に突入します。そして、2001年に入ると突如ニューアルバムからの楽曲が公開され、新シンガーが誰なのかに注目が寄せられます。しばらくすると、新たなアーティスト写真が公開されるのですが、そこには女性シンガーであるアンジェラ・ゴソウの姿が。「これ、女性が歌ってたのかよ!!!!!」と多くのメタルファンが驚愕することになります。

今でこそ女性メタルシンガー、特にメロデスやメタルコアを歌うフロントウーマンは珍しくありませんが、20年前に彼女が登場したときはそのビジュアルと歌声との落差(という表現が正しいのかわかりませんが)に僕自身も腰を抜かしたことをよく覚えています。だって、どこからどう聴いても女性の片鱗が皆無でしたからね。

こうして海外より先に日本のファンに向けて届けられた本作。バンドは新たなシンガーとともに、ヨハン・リーヴァ時代のスタイルをより正統派ヘイメタル側に寄せる形で、メロディックデスメタルがさらにひとつ進化させることに成功するわけです。だって、ドラマチックな「Enemy Within」からスタートするアルバム冒頭や、小気味良いテンポを持つキャッチーな「Burning Angel」、過去3作のメロウなスタイルをより強化させた「Ravenous」、のちに自身のレーベル名にも用いられるグルーヴィーなミドルチューン「Savage Messiah」など、とにかく一寸の隙もない楽曲がずらりと並ぶのですから。悪いわけがないですよ。

ヨハンのボーカルスタイルはデスメタルというよりはもっとハードコア寄りな印象を受け、それが当時のARCH ENEMYのオリジナリティにつながっていたわけですが、このアルバムで聴くことができるアンジェラのボーカルはよりデスメタルサイドに振り切ったもので、スクリームというよりはグロウルという表現が最適なもの。その迫力は性別を超えた凄みがあるものの、突出した個性という点ではもう一歩というところ(それは作品を重ねることで解消されていくわけですが)。この時点では、楽曲の完成度をさらに強化させることで第2期ARCH ENEMYとしての個性を固めていこうとしていたんじゃないでしょうか。各曲の作り込み、主にマイケル&クリストファーのアモット兄弟によるギターのメロディラインや、シャーリー・ダンジェロ(B)&ダニエル・アーランドソン(Dr)による鉄壁かつ変幻自在なアンサンブルからもそういった傾向が伝わってきます。

アンジェラ時代のARCH ENEMYはその後も名曲の数々を、アルバムに最低でも1つは用意し続けましたが、アルバムトータルでの完成度という点においては実は本作が最高ではないか?という気がしています。ここで枠/雛形をほぼ完成させ、あとはブラッシュアップさせていく作業の連続だった……というのは言い過ぎでしょうか。

 


▼ARCH ENEMY『WAGES OF SIN』
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2021年11月25日 (木)

DEPECHE MODE『EXCITER』(2001)

2001年5月14日にリリースされたDEPECHE MODEの10thアルバム。日本盤は同年5月30日発売。

デイヴ・ガーン(Vo)、マーティン・ゴア(G, Key)、アンディ・フレッチャー(Key)の3人体制となって初のアルバム『ULTRA』(1997年)から4年ぶりのオリジナルアルバム。前作はヒップホップのテイストを取り入れつつも精神的なダークサイドが反映された内容でしたが、全英1位/全米5位という好記録を残すことに成功しました。

続く今作では、新たなプロデューサーとしてLFOのメンバーであり、ビョークとのコラボレーションでも知られるマーク・ベルを起用。ブリープテクノ界の重鎮として知られるマークですが、本作ではそのテイストを随所に散りばめつつも、いかにもDEPECHE MODEらしい重厚なエレクトロサウンドを構築することに成功しています。

全体を覆うダークさは若干薄れ、サウンド的には先のようなテイストを取り入れつつも『VIOLATOR』(1990年)『SONGS OF FAITH AND DEVOTION』(1993年)でのオルタナティヴロックを彷彿とさせる色合いも復調。オープニングを飾る「Dream On」のアコースティックギターからは、あの頃の空気を多少なりとも感じることができるのではないでしょうか。ブルージーな作風の「The Dead Of Night」もまさに同様ですが、そこに現代的なテイストが加えられることでバージョンアップしていることも伺えます。

かと思えば、「When The Body Speaks」のように荘厳なストリングスとオルタナロック、そしてブリープテクノが融合したかの如く、ダウナーなサウンドスケープが展開されている。また、デイヴのボーカルも前作での悲壮感たっぷりなテイストから抜け出し、穏やかさの中に優しさと棘を隠しもった唯一無二の歌声を聴かせてくれる。「そうそう、これこれ!」と言いたくなる要素が至るところに散りばめられた、まさにDEPECHE MODE以外の何者でもない作品に仕上げられています。

……なんてポジティブなことを書いていますが、実はリリース当時はこのアルバム、素直に受け入れられなかったことも付け加えておきます。『ULTRA』の精神に迫り来るダーク&ヘヴィなテイストにどうしても馴染めず、しばらくこのバンドと距離を置いていた自分。今作リリース後もしばらく手にすることなく、実際にCDを購入したのは発売から半年近く経ってからのことでした。20年前はこのブリープテクノを通過したサウンドにどうにも馴染めず、一度聴いてしばらく放ったらかしにしていたのです。

でも、そこから5年くらい経ってからかな。たぶん次作『PLAYING THE ANGEL』(2005年)が発売されたあとだったと思うけど、ここで久しぶりにDEPECHE MODE熱が盛り上がり、過去作を振り返ろうとしたとき真っ先に手にしたのがこの『EXCITER』だったのです。時間を置いてから再び触れたことで、フラットな気持ちで本作と向き合えたことは言うまでもなく、当時の心境と見事にリンクしたこともよく覚えています。

今思えば、『ULTRA』でバンドとして再スタートを切ったDEPECHE MODEですが、あれはリハビリ期間に他ならず、真の意味で第2章の幕開けを切ったのはこの『EXCITER』からだったのではないか。発売から20年経った今、そんなことを考えています。思えばこのバンド、『MUSIC FOR THE MASSES』(1987年)以降は毎作(良い意味で)おかしなことになっており、そこに拍車が掛かったのが『EXCITER』だったのではないでしょうか。古くからのファンの間では賛否ある1枚ですが、個人的には前作『ULTRA』同様に2021年の今だからこそ聴くべき隠れた名盤のひとつだと断言しておきます。

 


▼DEPECHE MODE『EXCITER』
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2021年11月10日 (水)

RADIOHEAD『KID A MNESIA』(2021)

2021年11月5日にリリースされたRADIOHEADのリイシュー/コンピレーション作品。

本作は『OK COMPUTER OKNOTOK 1997 2017』(2017年)に続くリイシュー企画第2弾で、『KID A』(2000年)『AMNESIAC』(2001年)というほぼ同時期に制作された2枚の重要作と、この2作の制作期間に生み落とされたアウトテイクの数々をひとまとめにしたCD 3枚組作品集。ギターロックという雛形を排除して、音楽ジャンル的にもカテゴライズ不能な多彩さが溢れ出した転換期に制作されたこの2枚は、その内容の難解さにも関わらずリリースから20年経った現在も高く評価されることが多く、“RADIOHEADといえば「Creep」”といった初期のイメージを完全に払拭させることに成功した記念碑的2作品です。

そんな『KID A』と『AMNESIAC』本編に関しては、前者はリリース当時の2000年9月に、後者はだいぶ時間の空いた2017年8月に、それぞれレビューを執筆しているので、内容についてはそちらに譲ります。20年経った今聴いても、時代がこの2枚に追いついたのかどうか正直疑問ですが、2021年に聴いてもしっかり新鮮な気持ちで楽しめるということは、そういうことなんでしょう。

今回特筆すべきは、DISC 3に収められたアウトテイクの数々ではないでしょうか。海外盤/ストリーミングでは12曲、日本盤のみボーナストラックとして本編未収録のカップリング5曲を追加した17曲を収めたこの『KID AMNESIAE』と題されたディスク。インタールード的な楽曲の断片も含まれていることから34分と比較的短尺ですが(日本盤は5曲追加で53分まで拡張)、リードトラックとして先行配信された「If You Say The Word」「Follow Me Around」などアルバム本編に収められていても何ら違和感のない、非常に完成度の高い未発表曲も含まれています。ただ、これら2曲はどちらかというとまだ『OK COMPUTER』(1997年)の延長線上にある作風でもあり、それもあってアルバムから外されたのかなという気もします(後者は1998年のライブリハーサルで演奏されている映像も残っていますし)。

そのほか、アルバム収録曲の別テイクも完全に別モノといった仕上がりですし、12曲通して聴くとひとつのアルバムとしての統一感も伝わる。『KID A』や『AMNESIAC』での世界観を踏襲しつつ、その延長線上に生まれたスピンアウト的新作としては十分な内容ではないでしょうか。

だからこそ、日本盤ボーナストラックとして追加された5曲は蛇足かな?という印象も。どれも「Pyramid Song」「Knives Out」のシングルに収められていた楽曲群ですが、お尻に追加されることでアルバムとしての流れを削ぐものになってしまっているので、ひと呼吸置いてから聴くのがベストかも。もちろん、これら5曲も同じセッションから生まれた兄弟なので、まったく別世界ということはないのですが、流れを大切にして聴くのなら……ということで(そう言いながらも、すべてのシングルを所持しているにも関わらず「ボーナストラック」の一言に弱い僕は日本盤CDを購入してしまったわけですが。苦笑)。

RADIOHEADがこの手のリイシュー企画を、1stアルバム『PABLO HONEY』(1993年)や次作『THE BENDS』(1995年)を飛ばして、『OK COMPUTER』から始めた事実。今のバンドの成り立ちを考えると、非常に納得できるものがあります。でも、この初期2作を振り返る企画盤にも(できることなら世に出ていないアウトテイク含めて)期待してしまっている自分がいます。まあ考えられない未来だとは思いますが……。あと、同様に6作目『HAIL TO THE THIEF』(2003年)以降の作品でのこうしたリイシュー企画もちょっと考えられないかな、と。それだけ『OK COMPUTER』や『KID A』『AMNESIAC』の3枚がRADIOHEADのみならず、音楽シーンに与えた影響が想像を絶するものだったからこその、こうした企画だと思いますしね。

 


▼RADIOHEAD『KID A MNESIA』
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2021年7月19日 (月)

ANDREW W.K.『I GET WET』(2001)

2001年11月3日にリリースされたANDREW W.K.の1stアルバム。日本盤は『アイ・ゲット・ウェット〜パーティー・一直線』の邦題で、2002年2月21日発売。

ANDREW W.K.はアンドリューW.K.(Vo, Key)を中心に結成されたロックバンドで、初期のメンバーはアンドリューのほかジミー・コープ(G)、フランク・ワーナー(G)、エリック・ペイン(G)、グレッグ・ロバーツ(B)、ドナルド・ターディ(Dr/OBITUARY)という異色の布陣。FOO FIGHTERSのツアーサポートを経て、今作でのメジャーデビューに漕ぎ着けます。

どこかデスメタル経由のボーカルスタイルなんだけど、楽曲自体はパワーポップ風のキャッチーさがある。だけど、演奏自体は非常にモダンメタル的で、コーラスワークなどはDEF LEPPARDを思わせる80年代的な豪華さがある。この「ハード&ヘヴィなんだけど、どこかチープ」というアンバランスさが魅力的で人気を博したのと同時に、このインパクト大のアルバムジャケットも当時大きな反響を呼び、気づいたら多方面へと拡散していったわけです。

海外盤から3ヶ月遅れでリリースされた日本盤ですが、こちらは『アイ・ゲット・ウェット〜パーティー・一直線!』というアルバムタイトルのみならず、各曲の邦題も当時は話題になりましたね。「It's Time to Party」→「パーティーの時間がやってきた!」や「Party Hard」→「パーティー・一直線!」はまだわかりますが、「Ready to Die」→「爆死上等!」や「I Love NYC」→「好き好きニューヨーク」、「She Is Beautiful」→「イカす彼女に一目ぼれ」、「Got To Do It」→「人生は楽しむものだから」、「Don't Stop Living In The Red」→「こんな生活やめられない」、「We Want Fun」→「宴を求めて三千里」、「Make Sex」→「ヤラせろ!」あたりまでくると、もはや何が何やら(苦笑)。当時の担当者がパーティ縛りで無理くり頑張ったことが痛いほど伝わります(笑)。

まあ邦題の話題はこれくらいにして。デビューアルバムとしては完璧すぎるほどのインパクトと内容だと思います。2001年というとニューメタル全盛でこういったパーティロックは完全に下火だったので、古き良き時代のパーティロックをこういった形で21世紀によみがえらせた功績は非常に大きいと言えるのではないでしょうか。きっとMOTLEY CRUEあたりは羨ましがったんじゃないかなと(今作のプロデュースには、当のMOTLEY CRUEも手がけるスコット・ハンフリーも携わっていますしね)。

リリースから20年経った今聴いても十分通用する内容ですし、むしろ今のほうがフィットするような気もするのですが、いかがでしょう?

 


▼ANDREW W.K.『I GET WET』
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2021年6月29日 (火)

OPETH『BLACKWATER PARK』(2001)

2001年3月12日にリリースされたOPETHの5thアルバム。日本盤は同年5月23日発売。

初期3作をCandelight Records、前作『STILL LIFE』(1999年)を名門Peaceville Recordsから発表した彼らでしたが、今作からMusic For Nations Recordsへと移籍。日本では過去に2ndアルバム『MORNINGRISE』(1996年)がAvalonから1年遅れて発売された経験がありましたが、今作から本格的に日本リリースが復活。当時はVictorからの発売でしたが、のちにBMG / Sonyから再発されています。

前作まではフレドリック・ノルドストームなどエクストリームメタル界隈のプロデューサーが関わっていましたが、今作ではPORCUPINE TREEスティーヴン・ウィルソンとバンドが共同プロデュース。スティーヴンを起用した影響が大きいのか、今作では従来のデスメタルテイストと70年代的なプログレッシヴロックのテイストがバランスよく融合され、以降に続くスタイルが確立し始めます。

ボーカルワークは完全にデスメタル特有のグロウル中心で構成されていますが、そのサウンドやアンサンブルは“KING CRIMSON meets death metal”と呼ぶにふさわしい独特なもの。プログミュージック嗜好のメタルファンならば、オープニングを飾る「The Leper Affinity」でいきなりノックアウトされるはずです。しかもこの曲、中盤にクリーントーンボーカルがいきなり飛び込んできてメランコリックさを強調させているし、ギターソロにもメロディアスな要素を織り交ぜることでメロディックデスメタルとはまた異なる抒情性を楽しむことができる。ぶっちゃけ、この1曲に本作の魅力が体現されているといっても過言ではありません。

また、前作までプロデュースに携わったフレドリックは本作でエンジニアリング&ミキシングを手がけていることで、エクストリームメタル的側面を減退させることなく、前作までのファンも惹きつけることに成長。かつ、プログミュージック的側面を強めることでリスナー層を少しずつ広げ始めている。近作の王道プログミュージック感にはまだ程遠いですが、ヘヴィメタル/デスメタルの範疇における“プログレッシヴさ”においてはこれ以上ないと言えるほどの傑作ではないでしょうか。

“今のOPETH”という観点では、入門編にふさわしいのは8作目『GHOST REVERIES』(2005年)だと思いますが(自分もそうでしたしね)、ヘヴィメタルバンドとの解釈で最初に聴くべきなのは本作なのかなと。本作があったから、続く『DELIVERANCE』(2002年)、『DAMNATION』(2003年)の二部作が生まれ、出世作となる『GHOST REVERIES』へとつながるわけですからね。

なお、2021年7月16日には『BLACKWATER PARK』の20周年アニバーサリー・エディションも発売されます。CDでの購入を考えている方にはこちらの最新エディションをオススメしておきます。

 


▼OPETH『BLACKWATER PARK』
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