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2002/03/24

BUGY CRAXONE LIVE TOUR 2002 "This is NEW SUNRISE"@下北沢SHELTER(2002年3月15日)

  2002年に突入して早くも1/4が経過しようとしているが、既に今年の名盤の1枚と呼んで差し支えないだろうBUGY CRAXONEのサードアルバム「This is NEW SUNRISE」。このアルバムを引っ提げたツアーを幸運にも観ることが出来た。東京方面への数日に渡る出張がなければ、今回の参加は考えられなかっただろう。激務で文句ばっかり言っていたが、たまにはそういう環境に対しても多少は感謝すべきなのかもしれない。

  会場は東京・下北沢シェルター。下北自体が4~5年振りなのに、シェルターとなると‥‥どれくらい振りだろうか? 地理感が曖昧になりつつも、何とか会場にたどり着いた。整理番号が200ヒト桁台だったが、まぁどうせ後ろでゆっくり観るつもりだったので、18時40分頃に会場前へ。かなり長蛇の列で、当日券目当ての人間までいる。実際、19時ちょっと前に入場したものの、かなりギュウギュウ詰めの状態で。何もしないのに汗が出る程。ビールで喉を潤しながらスタートを待つ。

  開演時間を10分程回った頃だろうか、急にS.E.の音がデカくなり、PRIMAL SCREAMの"Shoot Speed / Kill Light"が流れ始める。曲に合わせてバンドメンバー男性陣3人が現れ、客を煽る。向かって左側がギターの笈川、右がサポートベーシストの野崎。彼ひとりパンキッシュなイメージで、ちょっと浮いてる感じ。ドラムの三木は前方の人だかりで殆ど見えない状態。そして最後に紅一点、鈴木が現れる。イメージ通り、華奢で小さい。ブロンドに染めたストレートのロングヘアが様になってる。ギターを受け取り、軽く挨拶。「今夜は私達と君ら、互いの気持ちを確かめ合おう」というような事を言ってから新作トップの"New Sunrise"でライヴはスタート。いきなり会場はヒートアップ気味。俺の後ろにいた人達が前へ押し寄せてきたので、流れに巻き込まれないようにステージ真向かい後方へ移動。この日の時点で新作しかちゃんと聴き込んでおらず、ファーストとセカンドを数日前に買ったものの、出張疲れで殆ど聴いていなかった。ファーストをちゃんと聴いたのって、リリース当時だから‥‥2年以上も前の話。殆ど記憶に残ってなかった。そんな感じなので、完全に様子見状態。鈴木は何度もモニタースピーカーの上に乗って、後ろの方ともコミュニケーションを取ろうとする。何度もノリの悪い俺らの周り(苦笑)に煽りを入れるのだけど‥‥ゴメンなさいノリ悪くて。

  そのまま間髪入れずに新作からの"No idea"へと突入。新作の曲を演奏する鈴木の表情は非常に自信に満ち溢れていて、時には満面の笑みさえ見せる程。女性ボーカルものに弱い俺としては、途中何度も胸キュン状態に陥る(笑)。
  それにしても、このバンドはボーカルもいいけど、バックも素晴らしい。特にドラム。リズム感もジャストでパワーもありフレーズも豊富。タイプは違うが、俺の中ではMO'SOME TONEBENDERのドラムに匹敵する上手さだった。リズムが走るわけじゃないのに、ドラムがグイグイ引っ張ってく感じ。そうそう、こういうバンドが好きなんだよな、俺。とにかく安心して聴いてられた。
  その反面、ベースはちょっと弱かったしリズム感が悪かった気がする。サポートだと普通テク的なものを求めて引っ張ってくると思うのだが、きっとこの人を選んだ理由ってキャラだったんだろうな?と思わせる程、そのステージングは他の3人よりも派手だ。客の煽りといいアクションといい‥‥と思ったら、活きが良かったのは最初の数曲のみで、(まぁ中盤の曲調がミディアム系が続いたのもあるが)途中で息切れした印象を受けた。汗ダラダラで疲れましたって感じ。ドラムがジャストなタイプなのに対し、このベースは前のめりで突っ走るタイプなので、何度も噛み合ってない箇所が見受けられた。次のツアーやアルバムもこの人でいくのだろうか? 更にワンステップ上を目指すのなら、他の人間を捜した方がいいような気がするのだが‥‥
  そしてギターの笈川。新作を聴いて鈴木の歌以外で最も耳を惹き付けられたのが、この人のギタープレイだった。エフェクトを多用するタイプで、ちょっとRADIOHEADのジョニーを思い出してしまう程に多彩な「色」を持ったプレイヤーだ。この日のライヴでも、いろんなエフェクターを多用して、とてもシングルギターバンドとは思えない程の演奏を楽しませてもらった(基本的に鈴木は歌に専念し、ギターは数曲で弾くのみだった)。

  アルバム未収録の曲を何曲かプレイした後に(しかも"青空"なんて、スタジオ録音と全く違ったアレンジで演奏されたので、つい最近他のファンサイトでこの曲について触れられるまで気づきもしなかった程だ)、新作からの"O.M.D."を演奏。アルバムではaudio activeのリミックスワークが活きた作りとなっているが、ライヴでは装飾を出来るだけ排除した、シンプルなダブソングと化していた。

  この後、出来たばかりの新曲(タイトル不明)も登場。新作の延長線上にあるアッパーなロックチューンで、何となくTHERAPY?がパワポ路線に走った頃の曲に似てなくもないな?なんて思った。シングル収録のVELVET UNDERGROUNDのカヴァー"Sunday Morning"等も登場。カヴァー曲なんてやらなくても十分じゃない?って程にこのバンド、曲のバラエティーが豊富だ。特にファースト~セカンドの曲は、どんどん手を加えられて原曲が判らなくなるような新しいアレンジになっているものもあった。更に曲間にインプロっぽいソロプレイも入ってくるし(或いはあれすら計算?)‥‥「常に進化するバンド」なんてキャッチコピーがあったけど、正しくその通りだなと実感。アルバムだけでは見えてこなかった部分を目の当たりにすることができた。

  後半はシングルにもなったセカンド収録の"虹"や、ファースト1曲目の"ことり"等お馴染みの曲もバンバン登場し、個人的に新作の中で最も好きな"悲しみの果て"(勿論エレカシのあの曲とは同名異曲)、サビのアレンジが全く違うパンキッシュな"月光"等を熱演。本編最後は確かシングル収録の"枯れた花"だったと記憶している(ここまでの曲順、かなり曖昧)。最後にはただ傍観していた俺も調子に乗って、拳を振り上げる始末。すると、ボーカルの鈴木と目が合ってしまい(そんな気がしただけだろ?とか言うなそこ/笑)、ノリの悪かった後方も最後には大ノリとなっていたのを目にし、満面の笑みを見せる。会場が一体になったところで、ライヴは一旦終了。当然、観客はアンコールを求める手拍子を始める。

  すぐにメンバー全員が「AUDIENCE! This is OUR SUNRISE.」とプリントされたツアーTシャツを着て登場。すると、前方からハッピーバースディの歌が始まる。どうやらこの日はギターの笈川の誕生日だったらしく、ステージにはプレゼントが投げ込まれる。更に驚く事にこの人、31歳って‥‥俺とひとつしか変わらないのか‥‥鈴木が20代前半だったので、もっと若いバンドだと思っていたのだが(苦笑)、そうか‥‥何か余計に愛着が湧いてきた(笑)。
  アンコール1曲目は、デビュー曲にして俺が彼等を知る切っ掛けとなった"ピストルと天使"。グランジを通過したUKロック‥‥所謂「強弱法」を活用した楽曲なのだけど、悪い曲じゃないんだけど、やはり最近の曲と比べるとちょっと弱いかなぁ‥‥なんて気も。けど、あのギターソロパートでの、正しくレディヘのジョニーみたいな轟音プレイは鳥肌モノで、その後の鈴木の囁くような歌もセクシーでカッコよかった。けど、演奏や歌はスタジオテイク以上の爆発力なので、プラマイゼロかなぁ、と。

  続いて、最初は何の曲だか全く判らなかった、セカンドからの"夢想家"。あの印象的なガガッガッガッガッガッガッ‥‥っていうパートで初めて気付いたという。ホント、セカンドの曲は特にアレンジし直されてて、上手い具合にバンドと共に成長している。もうアンコールでは俺、気持ちよく踊ってた。

  最後の最後に、バンドは完全新曲の"Your Sunrise"を披露。これは今後の彼等の新しいアンセムソングになるかもしれない、そんな名曲だった。ライヴは「BUGY CRAXONEの新しい『夜明け』」を告げる"New Sunrise"で幕を開け、最後に「じゃあ、君達の『夜明け』はどうなのよ?」と問いかけるように"Your Sunrise"で閉める‥‥って歌詞は聴き取れなかったので勝手な憶測でしかないのだけど。とにかく初めて聴く曲にも関わらず、会場はこの日最高のボルテージでライヴを盛り上げた。あんなにギュウギュウのシェルターも初めてだったし、あんなに盛り上がったシェルターも初めてだったかもしれない。やる側も観る側も満足のいく、素晴らしいライヴだったのではないだろうか?

  曲数自体は15~6曲だったが、1曲1曲が長い曲があったりするので、終わって地上に出た時には既に21時近かった。結果、2時間近く演奏していた事になる。1時間ちょっとかなぁ?とか思ってたのに‥‥それだけ飽きさせない、内容の濃いライヴだったと言えるだろう。

  ボーカルの鈴木は終始、「今夜は私達と君ら、互いの気持ちを確かめ合おう」というような事を何度も口にした。互いの気持ちを確かめ合い、通じ合う。完全に解り合う事は出来ないのかもしれない。しかし、解り合おうという気持ちさえあれば、近づくことが出来る。そしてより一体感を感じることが出来る。この日、俺はそういう瞬間を何度も感じた。そしてそれは鈴木の笑顔が全てを物語っていたのではないだろうか。


[SETLIST]
01. New Sunrise
02. No idea
03. キラキラ
04. 青空
05. 罪のしずく
06. O.M.D.
07. タイトル不明(新曲)
08. Sunday Morning
09. 虹
10. ことり
11. 悲しみの果て
12. 月光
13. 枯れた花
 [Encore]
14. ピストルと天使
15. 夢想家
16. Your Sunrise(新曲)

投稿: 2002 03 24 12:00 午前 [2002年のライブ, BUGY CRAXONE] | 固定リンク