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2002/03/07

SNAKE HIP SHAKES『NEVER SAY DIE』(2001)

  ZIGGYの変名バンドといえるSNAKE HIP SHAKESのオリジナルアルバムとしては通算3作目(ZIGGYセルフカバー集を含めれば4枚目)、ZIGGY時代のフルアルバムから数えると13作目となる新作。SHSとしてのファーストアルバムが'00年7月で、この新作が'01年12月だから‥‥1年5ヶ月でアルバム4枚という計算になる‥‥今時こんなに多産多作ロケンロールバンド、どこにいるよ? しかも既にベテランの域に達しているというのに、小さいライヴハウスを年間数十本も回ってるし(単に売れてないからとか言うなそこ)。

  で、このアルバムはそういったライヴハウスで改めて叩き上げられた経験と、過去のアリーナクラスでの経験とが融合した、今の若手バンド以上に「若々しい」要素と年相応の「渋さ」が同居する優れモノである。各楽曲がバラエティーに富んでるのは勿論、ボーカル森重のパフォーマンスの凄さ、ギター松尾の味わい深いスライドプレイ、ゴリゴリに歪みまくった津谷のランニングベース、そして最近ここまで叩きまくりドラム(しかもツーバス暴れまくり)をどこで聴ける?って程の超絶プレイを披露するJOE(更にサポートキーボーティストとしてRED WARRIORSやTHE YELLOW MONKEYでのサポートでお馴染みの三国義貴が参加している)。これが40目前のメンバーが半分以上を占めるバンドの音か?って程に熱く躍動感に満ちている。そういう点(楽曲のバラエティー、ノリまくった演奏)から、俺はこのアルバムをZIGGY史上における「GET A GRIP」的ポジションの1枚と呼びたい。当然、「GET A GRIP」はAEROSMITHが'93年に放った名盤のこと。エアロがあのアルバムをデビュー20年後に放ったという意味では、ZIGGYデビュー15周年を間近に控えた今、こういう作品をリリースしてしまう辺りに共通点が見え隠れする。

  このアルバム最大のポイントはズバリ、ギターの松尾が10曲中4曲も提供しているという点だろう。ZIGGY時代は "HOT LIPS"(同名セカンドアルバムに収録)に共作者としてクレジットされたのと、復帰後の「GOLIATH BIRDEATER」収録 "迷走" の2曲のみ。SHSに移行してからはアルバムに各2~3曲ずつ、しかもそれぞれが森重や戸城のものと引けを取らないだけの曲を提供してきた。そして今回は新作のキーポイントとなる曲を提供しているのだ。例えばタイトルトラックの "NEVER SAY DIE" でのエアロばりの熱さと渋さを兼ね備えたロケンロールナンバーだし、シングルとして先行リリースもされた "RAIN" はこれまでになかったような壮大な雰囲気を持ったバラードナンバー。"地図にない道" は大陸的なノリを持った疾走チューン、そしてアルバムラストを飾る "時は誰も" はボサノバテイストのしっとりとしたアコースティックバラード。正直、これだけバランスよくいろんなタイプの曲が書ける人だとは思ってもみなかった。勿論バンドとしてのアレンジ能力の賜物でもあるんだろうけど、その根本にあるメロディーの潤いは森重が書いた他の曲に負けていない。

  そしてその森重作曲の楽曲も相変わらず素晴らしい。イントロでの絶叫に鳥肌すら立つエアロっぽい "R&Rミュージックに首ったけ"、如何にもZIGGYな疾走メロディアスナンバー "MELANCHOLIA"(これは名曲!イントロはhide with Spread Beaverかと思う程にヘヴィ)、中期ZIGGYのポップさが全面に出た "BRAND-NEW KICKS"、「既成概念を取っ払え」との唄い出しにハッとさせられる疾走ロックチューン "STRONG WILL"、エレキとアコギの絡みがカッコいいミディアムチューン "翳りゆく夏に"、初期の名曲 "EASTSIDE WESTSIDE" をメロコア調にしたイメージの "Inside, Outside"。まさに捨て曲なし。

  正直に言う。甘くみていた、彼等のことを。確かにZIGGY時代は大好きだったし、一昨年出たZIGGYセルフカバー集も聴きまくった。しかし、オリジナルアルバムに手を出すには至らなかった。「どうせZIGGY時代を薄めたようなヌルいロックやってんだろ?」くらいに思ってたのかもしれない。が、実際はどうだろう。このアルバムに手を出してしまったがために、気付けば他のアルバムも全て買い揃えてしまった程、改めて彼等の魅力にハマりつつある。いや、既にドップリ浸かっていると言っていいだろう。明後日には12年振りに彼等のライヴを見に行く。ZIGGY時代の名曲達にも期待してるが、やはりこの新作からの曲を生で聴ける事の方が今は楽しみだ。

  セルフカバー集の時も書いたが、改めてもう一度書く。彼等を終わったとか古くさいとかいった理由で敬遠してる人。エアロやMOTLEY CRUEといった海外のハードドライヴィングR&Rバンドを愛聴してる人。そして10代の頃にZIGGYの名曲達に心を奪われた俺と同世代の人。悪い事は言わないから、偏見なしでこのアルバムに接して欲しい。

  奇しくも彼等はこの4月から、再びZIGGY名義で、森重・松尾・津谷・JOEの4人で活動再開する。まぁ再開も何も、SHSはZIGGYそのものであったのだから、変わるのは暖簾だけと言っていいだろう。そして、我々の彼等に向ける視線も、か。とにかくZIGGYに戻る前に、予習の意味も込めてこのアルバムをオススメ盤として大プッシュする。見逃されるには勿体ない出来なんだから。



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投稿: 2002 03 07 12:46 午前 [2001年の作品, SNAKE HIP SHAKES, ZIGGY] | 固定リンク