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2002/12/11

ZIGGY『HEAVEN AND HELL』(2002)

  SNAKE HIP SHAKESからいよいよZIGGYに戻り、満を持しての新作。オリジナルアルバムとしては通算14作目、SNAKE HIP SHAKESのラストアルバムとなった前作「NEVER SAY DIE」から数えても7ヶ月しか経っていないのに、この多作振り。しかもその間に森重氏、ソロアルバムもリリースしてるし。一体どうなってんだ!?

  で、このZIGGY復活作と呼ぶできであろう新作。誰しもが復活した彼等に「従来のZIGGYらしさ」を求めるんだろうけど‥‥ハッキリ言って、SHS時代にも演奏されていたシングル曲である5曲目 "HEAVEN AND HELL" まであのポップで煌びやかなロックナンバーは出てこないんだわ‥‥いや、ここに収められている10曲どれもがZIGGYらしいポップで親しみやすいメロディを持っているんだけど、それらの楽曲を構築する演奏がかなりハイパーテンション‥‥つまり、これまでで最もパンキッシュなのだ。それでいて硬質なリズム隊。何だかZIGGYともSHSとも違う、またまた突然変異的な作品‥‥なんてことも言えるだろうけど、ちゃんと聴けばやっぱり頭からお尻まで、正真正銘のZIGGYサウンド。

  5月に出演したイベントで、森重は「今作ってるZIGGYのアルバム(今作)は、いい意味で『ZIGGYらしくない音』のアルバムになる」と発言していて、実際そこで演奏された新曲3曲の内、完全未発表の新曲2曲("AGAIN" と "明日は誰も知らない")は、SHSの曲を更にアップテンポにして、演奏ももっとパンキッシュにした印象があったんで、個人的にはそれなりの覚悟ができてたんだけど、いざ出来上がったアルバムを聴いてみると、のっけから自分の予想を遙かに超えるテンションでビックリ。

  アルバムはいきなりJOEのツーバスがドコドコ暴れまくる "MY CONVICTION" からフルテン状態でスタート。そのまま更にハイテンションでハイエナジーな "ONEWAY TRAIN ~ROCK'N'ROLL SI STILL ALIVE~" へと流れていく。そしてそのテンションを維持したまま3曲目 "AGAIN"。ホント、頭3曲を聴いてみんなビックリするんじゃないでしょうか? 多分ZIGGYと言われて "GLORIA" や "I'M GETTING' BLUE"、"JEALOUSY" の彼等しか知らない人が聴いたら、絶対に同じバンドだと思わないだろうな。しかもこれを40歳に手が届きそうなオヤジ共がバリバリのメイクと衣装で身を固めてプレイするんだから‥‥海外にはROLLING STONESもAEROSMITHも、それこそ同年代のGUNS N'ROSESもHANOI ROCKSもいるけど、ここ日本にだってこんなに活きのいいオヤジ共がいるんだって事にみんな気づいて欲しいなぁ。

  テンション的にはちょっと一段落したような気もするけど、それでも他の曲に引けを取らない松尾作曲のメロコア調 "SO HAPPY"、既に名曲の仲間入り "HEAVEN AND HELL" で前半終了。ここまで勢いであっという間に聴ける。っつうか、気づいたら終わってるような、そんな勢い。

  6曲目にしてやっとテンポダウン‥‥かと思うと、実はかなりヘヴィだという "CELEBRATION"、昨今のメロコア調にZIGGYが挑戦しましたといった印象を受ける(かといって、それが全然狙った感じしなくて、ZIGGY風になってる辺りがさすが) "SLAVE OF LOVE"、如何にも松尾らしいスライドギターが入るちょっと初期の彼等っぽい松尾作のシャッフルナンバー "サダメノツルギ"、ベースの津谷が正式メンバーとなって初めてZIGGYの為に書いた高速チューン "明日は誰も知らない"、ZIGGYらしい潤いあるメロディーが詰まった "希望という名の花" というバラエティに富んだ後半。前半はとにかく勢いで攻めて、後半に多彩さを見せつける。全10曲でトータルランニング36分、最も長い曲でも4分18秒(!)。この多彩さといい、短い中にいろいろ詰まってる感じといい、ファーストアルバムを思い出したのは俺だけでしょうか?

  確かに「らしくない」といえばそれまでだし、「これまでで一番パンキッシュ」の一言で片づけることもできるんだけど、こうやって改めて聴いてみると‥‥実はかなりいろんな要素の入った、「2002年のZIGGY」を象徴する音のアルバムなんだなぁということを再認識しました。いいバンドが作った「普通にカッコイイ」ロックアルバム。この「普通にカッコイイ」アルバムが今年、どれだけあったことか‥‥変に実験に走ったりせず、且つ常に同じ事の繰り返しにもならない。特にここ数年‥‥現在の4人になってからの彼等は枚数を重ねる毎に更に成長してる印象を受けます。

  決していいことばかりじゃなかった15年。たった1曲の大ヒットが彼等のその後の運命を変えてしまい、メンバー脱退~2人組ユニットとして再始動~よりポップ寄りの方向へ~超絶ヘヴィメタルドラマー加入~オリジナルギタリスト復帰~再起を賭けるも、メインソングライターのひとりであるベースが脱退~バンド名の法的使用制限による変名バンド始動~10年前は武道館をソールドアウトにしていたバンドが、今ではキャパ2~300程度のクラブ回り‥‥正しく「HEAVEN AND HELL」を地でいってるわけです。

  今のZIGGYが「HEAVEN」にいるのか、それともまだ「HELL」にいるのか、それは誰にも判りません。そもそも何をもってそう呼ぶのか‥‥という認識の違いもあるし。けど、間違いなくZIGGYというバンドのテンションは過去最高。これだけは胸張って言える。そんなZIGGYはもうじき、更に変化球的アルバム「HEAVEN AND HELL II」をリリースします。相反する内容ながら2枚で1組、正に対を成す作品になることでしょう。こっちも楽しみだ。



▼ZIGGY『HEAVEN AND HELL』
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投稿: 2002 12 11 12:49 午前 [2002年の作品, ZIGGY] | 固定リンク