« グループ魂『Run魂Run』(2002) | トップページ | L'Arc-en-Ciel『REAL』(2000) »

2003/01/09

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『太陽をつかんでしまった』(2002)

  まず最初に、自分が不真面目なミッシェルのリスナーだということを断っておきます。「CASANOVA SNAKE」の後あたりまではちゃんと聴いていたのですが、前作「RODEO TANDEM BEAT SPECTER」はシングル曲やラジオ/クラブで数曲聴いたのみで『自分の求める音じゃない』と判断して、未だに買ってないし通して聴いてもいない。ライヴに関しては「CHICKEN ZOMBIES」での千葉ルック公演を最後に5年以上観てないし、観たいとも思わない。そんな人間が書くレビューだということを最初に言っておきますね。

  というわけで、ミッシェルのCDを買うこと自体が2000年暮れのベスト盤とライヴ盤以来なもんで、ホント2年振りなんですよ。で、その2年の間に俺の彼等に対する興味も薄れていって、当初やる予定だった初期のアルバムレビューもそのままお蔵入りにしてしまう程だったんですね。何故そんな急激に彼等に対して興味を失っていったのか、今となってはその理由すら忘れてしまいましたし、もしかしたら理由なんて最初からなかったのかもしれません。

  ただ、これだけは言えます‥‥明らかにミッシェルというバンドは、前作辺りから音の触感が変わってきた、と。「GEAR BLUES」というアルバムである種奇跡的な瞬間をそのままアルバムに詰め込んでしまい、そのままのテンションで突っ走って「CASANOVA SNAKE」というアルバムを作ってしまった。そういう意味でベスト盤とライヴ盤を間に挟んで、一旦バンドとしての区切りを付けた(あるいはそんな意味なんてないのかもしれないけど)。そういえばこの頃、バンド解散なんて噂が頻繁に流れたもんね(で、それを逆手に取ったアルバム告知とかもあったし)。

  で、前作。変わったようで変わってない部分、変わってないようで変わった部分。俺が聴いた数曲から判断しただけで実際にはそうじゃないのかもしれないけど、既にその頃興味が薄らいでいたこともあって、そういう感想しか持てなかったのね。で、現在に到る‥‥前に、ROSSOがあったわ。そう、あれで俺自身の中ではかなり持ち返したのね。全然期待してなかっただけに、いきなり耳に飛び込んできた "シャロン" にノックアウトされて。アルバムもそこまで期待してなかっただけに、満足度もかなり高かったし。

  けどね‥‥それでもミッシェルというバンドには依然と興味を持てなくて。レコード会社移籍したとかツアー始めたとか、そういった話題が耳に入りつつも、新しい音源を聴くまでは何とも言えないなぁ、と思ってたわけ。

  12月に入って、某CS曲で流れた"太陽をつかんでしまった"のPVを観て、すっげー嫌な予感がしたんですわ。曲はジャムセッションの延長みたいな間延びしたヘヴィブルーズといった感じで、どことなくサイケな印象を受けるPV‥‥ベスト盤レビューの最後の方に書いた「正直、彼らが中~後期ルースターズのような実験的音楽に目覚めるとは思えないし」っていう言葉を思い出してしまって、ちょっと鬱な気分になっちゃうし。ああ、やっぱそっちに流れていくのかなぁ、とか勝手に思い込んじゃって。だからカップリング曲に期待してたこのシングルを聴いた時も、全てにおいて全然いいとは思えなかったわけ。掲示板にもそれらしいこと、書いたしね。ミッシェルファンには申し訳なかったけど。

  このシングルには初回限定盤があるのはファンならご存じでしょうけど、俺が買ったのもこの初回盤なんですね。で、一緒に付いてくるライヴDVD("水色の水"(ここでしか聴けない現時点では未発表曲)と"ベガス・ヒップ・グライダー"の2曲)を観て‥‥ちょっと印象が変わったんですよ。"水色の水"も、どっちかっていうと"太陽をつかんでしまった"の流れにある楽曲だと思うんですが‥‥ああ、なるほど、と。何か上手く言葉では言い表せないんだけど、感覚的に納得してしまったのね。この曲のバックでもサイケな映像(と呼んでいいかどうか‥‥)が使われているんだけど、"太陽をつかんでしまった"のPVよりも全然印象が良くて。多分ライヴだってのが良かったんだろうけど‥‥それにしても全然カッコ良さが違う。続く"ベガス・ヒップ・グライダー"も素直にカッコイイと思えたし、そこから本当なら "G.W.D" に続いていくんだけど、イントロだけでフェードアウトして終わってしまうという、正しく寸止め状態。これ、身体に悪いよマジ。

  ライヴDVDの2曲だけで俺の中の印象がガラリと変わったってのも、ファンからすれば何だか胡散臭い話かもしれないけど、DVD観た後に改めてシングル聴くと以前とは聞こえ方が変わってることに気づいて。あれっ、何これっ!?みたいな。

  全然シングルのレビューにならないと思うんだけど、あえて書きます‥‥この曲、絶対にライヴで聴いた方が印象がいいと思うわ。スタジオの中でジャムって作った曲っていうよりも、ライヴで演奏されていく過程で完成していった曲ってイメージが強いのね。だからいきなりスタジオ音源とかPV観てしまって違和感を感じたのかなぁ。あるいは俺の中のミッシェルに対する黒い部分がそう思わせたのか。とにかく、ライヴで聴く"太陽をつかんでしまった"は絶対にシングル音源の数十倍はカッコイイはず。カップリングの"ヴァレンタイン"は、まぁありがちなブギーかなぁ、ちょっと小さくまとまりすぎてないか?といった程度の印象。ま、アルバムには入らないだろうから、特には気にしないけど。そしてDVDと同じライヴ音源と思われるもうひとつのカップリング曲"blue nylon shirts"も良い。良いけど、やっぱり映像付きで聴きたいなぁ。エンディングがフェードアウトしてるけど、あのドラムの入り方からすると、きっとライヴではそのまま"太陽をつかんでしまった"に続いていくんだろうね。ああ、ますます俺の中でこの曲に対する興味が増してるよ。

  人間の感覚なんていい加減なもんで、こういう風にちょっとした切っ掛けで印象が全然変わっちゃう。あれだけ「ミッシェル、マジで終わった方がいいんじゃ‥‥」とか思ってた人間が、たった1曲に振り回されてるし。しかも、あのDVDを観たのが、買ってから1週間以上経った、年明けだっていうね‥‥もうね、アホかと。バカかと。

  けどね‥‥これ1曲で「絶対にアルバムは名盤に違いない!」と盲目的に決めつけたりはしないよ。まだまだ懐疑的な部分は残ってて、果たしてアルバムはどういったテンションの下で作られ、どういった内容になってるのかは全然判らないわけで。既に秋のツアーでは何曲か披露したらしいけど、概ね好評なようですね。あとはそれを俺が気に入るか否かですね‥‥ま、今回のシングルみたいに気に入れば当然取り上げますよ。

  でも‥‥アルバムよりもライヴ! 今年は是非久し振りにミッシェルのライヴが観たいな。そう素直に思わせてくれただけでも、このシングルを買ったことは大きな収穫になったわけで。野外で"太陽をつかんでしまった"を爆音で聴いてみたいですね。フジとかエゾみたいなフェスで、寒空の下で。狭いライヴハウスじゃなくてさ‥‥そういう方向に向かってるのかもしれないね、今の彼等は(って、前のアルバム聴いてない分際で何をほざくか俺)。



▼THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『太陽をつかんでしまった』
(amazon:国内盤CD+DVD / 国内盤CD

投稿: 2003 01 09 12:00 午前 [2002年の作品, THEE MICHELLE GUN ELEPHANT] | 固定リンク