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2003/02/24

HANOI ROCKS JAPAN TOUR 2003@東京厚生年金会館(2003年2月22日)

昨年はただでさえ「HANOI ROCKS再生」に浮かれモードだったのに、夏のサマソニでの来日(そして初の生ハノイ!)に続いて新作のリリース、そして待望の単独来日公演。こう立て続けに活動されると「‥‥大丈夫?」と逆に心配してしまうのは、老婆心からなんでしょうか? とにかく‥‥Welcome back, HANOI fuckin ROCKS!ってことでひとつ。

それにしても今回のツアー。座席有りのホール公演が多いってのはどういうことなんでしょうか? 確かに過去のハノイはそういう会場でライヴを行ってきたけど、それだってあの時代('80年代前半)にはブリッツとかゼップみたいなホールクラスのライヴハウスがなかったからやってただけなのに。それともサマソニでのあの乱舞振り(ハノイ側も、そして客側も)を見てしまったプロモーターが躊躇した結果だったのでしょうか? まぁ何にせよ、東京公演は見事ソールドアウト、他地方も軒並み客足好調らしいんでよかったよかった(何せあの名古屋でもかなり埋まってたって話なので、本当に今回のツアー、客が入ってるんでしょうね)。

けどさ、16時半開場、17時開演ってのはどうなのよ? 今時ウ○ーでもそんなブッキングしないんじゃないの!? まぁ会場側の規制とか移動に充てる為なのかもしれないけど(実際、翌日には名古屋公演が組まれているし)。2時間やったとしても、終演が19時‥‥もう1本ライヴが観れるよ!

さてさて‥‥そんな感じで、ほぼ定刻スタートだったこの日のライヴ。俺は2階席4列目、ステージ向かって左側という位置からの参加でした。厚生年金会館の2階は意外と観やすいってことは、昨年秋に同会場で体験したあややのライヴで実証済みなので、特に問題なかったです。けど‥‥この手のロックンロールの場合、やっぱり席があるとノリ難いね。あと、上から見下ろすと、ちょっと変な感じ。妙に冷静に観てたもんね、終始。

会場が暗転すると、メンバーがひとり、またひとりと登場。ドラムのラク(グッドルッキンなナイスガイ)がS.E.に合わせてバイオリンを弾く真似をしてみせて、客を沸かせる。んで、マイケル・モンローを除く5人(今回のツアーにはサポートでキーボーディストが参加)でインスト曲を演奏。ちょっとジャムセッション風。オープニングにインスト曲やるなら、"Pipeline" とかやれば尚良かったのに‥‥

短いインストが終わると、そのままアルバム以上の勢いで"Obscured"に突入。するとマイケルがステージ袖から登場。もうね、存在自体が別格。衣装のせいもあるけど、オーラからしてもう違う。あんな綺麗な顔してイギー・ポップみたいな動きなんだもん。ホント自虐的過ぎ。

それにしても‥‥この日の音はかなり悪かったように思います。全体的に音量抑え気味だし、ちょっと一枚膜を通したようなサウンド。更にマイクの音量が小さくて、マイケルいちいち指示しまくり。で、しまいにゃそのマイクを床に叩きつけて、「Fuck!」の連発。マイクスタンドをそこらじゅうに投げまくったり(しまいにゃスタンドがひん曲がってたもん/汗)、ペットボトルをぶちまけたり、空ボトルをベースのティンパに向かって蹴ったり、調子の悪いマイクで自分の頭をゴンゴン叩いたり‥‥これはライヴを通して終始そうだったんだけど、とにかくマイケルのご機嫌がよくなかったようですね。歌っててもがなるような感じで、いちいち歌詞に「Fuck」をつけまくって、わざと品を悪くしてる感じ。妙な緊張感があったね。

けどさ‥‥俺、そういう状況でさえも笑顔で楽しんでたのよ。それは2階席から見下ろしてたってのもあるんだけど‥‥特にドキドキ・ハラハラはしなかったなぁ。これが中高生の頃だったら「いつ終わっちゃうんだろう!?」って心配で仕方なかったんだろうけど、別に今なら「途中で終わったなら終わったで、そういうライヴを体験したって自慢しよう」くらいの気持ちで挑めるんだけどね。ほら俺、ガンズの初来日、40分で終わったやつ、この身を持って体験してるからさ(苦笑)。

そんな感じだったけど、そこは百戦錬磨のプロ。某アクセルさんと違って、最後までやり通しましたね。拍子抜けした、って人もいるかもしれないけど、いくら機嫌が悪くても、それを客に向けたりしないし(あくまで怒りの矛先はスタッフであり、自分自身であったよう)、MCで「今日の俺は最低だったけど、君達は最高のオーディエンスだったよ、ホントゴメンね」って言ってたしね。

とにかく、サウンド全体のバランスの悪さやマイクの問題は後半まで続きました。しかしながら、そういった緊迫した状況にも関わらず、ステージ上にはひとりマイペースな男がいました。そう、アンディ・マッコイです。足を怪我して引きずっているにも関わらず、結構右へ左へ動いてくれたり、変なポーズ(右手を宙に挙げるポーズ)を取ったり、かなりの頻度でマイケルと同じマイクでコーラス取ったり、そのマイケルの顔を覗き込むようにギター弾いたり。この日のマイケルが「存在自体が刃物」だとしたら、アンディは「存在自体が異空間」‥‥全然例えになってないし。とにかくまぁ、この硬軟のバランスが今の「再生HANOI ROCKS」を象徴してるようでした。

セットリストを見れば判るように、今回のライヴは新作中心の内容でした。もっと過去の曲を聴きたかったという人もいるでしょう(俺も含めて)が、それは既に昨年散々やったわけですよね(その一環でサマソニにも来たわけだし)。当然、バンドとしては「今」を提示してきてるわけですよ。ただの懐メロバンドの集金ツアーじゃないんですよ、某大物バンドみたいに(と、毒を吐いてみる)。

だからというわけではないけど、ライヴが終わって時計を見てみると、終わったのが18時25分‥‥実質90分にも満たない内容だったのです。が、実際にはもっと長かったように感じられたんですよね。それってやっぱり、あのヒンヤリした緊張感と、終始ハイパーアクティヴだったマイケル、怪しい空気を醸し出していたアンディ、そして新作と代表曲が半々で演奏されたセットリストが、それぞれに濃厚さを持っていたということになるんでしょうか。短いとは感じなかったし(もっと観たかったとは思ったけど)、アンディの足の具合を考えると、あれくらいの時間が丁度いいのかなぁ、と。確かにエアロやKISS、ストーンズクラスは2時間以上にも渡るグレイテストヒッツ・ライヴをやってくれるけど、それをハノイに求めてしまうのはどうなんだろう‥‥確かに伝説のバンドではあるんだけど、ハノイが世界的に大ヒットしたなんて過去、一度もなかったわけだし。実態のない伝説のバンドだったわけだよね。それがやっと正体を現した、と。俺としては、まだ続きがあると信じたいし、あとはこのバンドがどこまで悪あがきしながら生き長らえてくれるか‥‥それがカッコ良かろうが悪かろうが‥‥そこからだと思いますよ。

けど、次観る時は、座席のない、スタンディングの会場で暴れたいですね。終わった後、妙に体力が有り余ってて、それを酒に向けたのは我ながらどうかと思ったけど、今度来た時はNKホールでオールスタンディングとかね。あるいはゼップで何日間もやるとか。旧ファンにとっては体力的にちとキツイかもしれないけど、バンドがそれを求めてると思うんで。

あ、今回演奏された過去の代表曲で、前回演奏されなかった"Until I Get You"や"Boulevard Of Broken Dreams"、"Underwater World"が聴けたのは嬉しかったです。こうやって見ると、前作にあたる「TWO STEPS FROM THE MOVE」からの曲が多いのね。そして新作が、ある意味その延長線上にある作風だったことも、これで何となく頷けました。

そして、最後の最後に演奏された"In My Darkest Moment"が既に旧曲と同じような名曲の域に達していたことに、正直感動すらおぼえました。今後、この曲が今のハノイにとって、デヴィッド・ボウイにおける "All Young The Dudes" のような存在になることを切に願います。いい曲だとは思ってたけど、あんな名曲だとは思いもしなかった。

‥‥って書いてて気づいたんだけど、別に関東は厚生年金会館だけじゃなかったんだよね。チッタ公演もあるし、追加でブリッツ公演も決まったし。単純に自分が休日しかライヴに行けないんで、たまたま選んだのが厚生年金だったと‥‥だったら次からはマジでそっちを選ぼう。

ま、サマソニでスタンディングを体験し、今回は座席有りの会場で冷静に全体を見渡せたし、ある意味贅沢な楽しみ方をすることができたので、それはそれで良かったのかも。というわけで、これからハノイを観る人はその辺を注意しつつ、思う存分暴れてきてください。そしてあなたにとって「一生忘れられないライヴ」にしてきてくださいね。そうなるだけの内容だと思うので、ハノイのライヴってのは‥‥


HANOI ROCKS @ KOUSEI NENKIN HALL. 2/22/2003
01. Intro (Jam) ~ Obscured
02. Delirious
03. Malibu Beach Nightmare
04. Whatcha Want
05. A Day Late, A Dollar Short
06. I Can't Get It
07. Underwater World
08. Cheyenne ~ Don't You Ever Leave
09. Boulevard Of Broken Dreams
10. People Like Me
11. Gypsy Boots
12. Until I Get You
13. Lucky
14. Highschool
15. Tragedy
 [ENCORE-1]
16. Motorvatin'
17. Up Around The Bend
 [ENCORE-2]
18. In My Darkest Moment



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投稿: 2003 02 24 04:09 午前 [2003年のライブ, Hanoi Rocks] | 固定リンク