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2003年2月25日 (火)

the pillows "Thank you, my twilight" Tour@赤坂BLITZ(2003年2月23日)

  昨年リリースされた大傑作「Thank you, my twilight」で初めて触れたpillowsの音のノックアウトされた俺。当然ライヴも今回が初めて。一体どんな感じでステージが進んでいくのか‥‥全く想像がつかないだけに、それだけ期待が高くなり、当日に至りました。

  とにかくこのバンド、客層が全く掴めないんですよね。普通のオサレさんからロキノン系ライヴにいそうな人、高校生っぽい若い子達(これが多くてビックリ!)、そしてカップル‥‥なるほど、一筋縄ではいかない感じですな、こりゃ。

  俺は会場のど真ん中辺りを陣取り、全体を見渡す感じでライヴに臨みました。ほぼ定刻にいきなり暗転、S.E.が急に大きくなり、そしてメンバーがステージ袖から登場。特に挨拶もなく、いきなり新作トップの"RAIN BRAIN"からスタート。とにかく音圧にやられました。ドラムのシンイチロウは昨年末、ピーズのライヴでその腕前を体験してるのですが、今日はあの日とは全然違う、一音一音がバカデカくて重い、もの凄い迫力。サポートのベースにしろギターの二人にしろ、迫力がダイレクトに伝わってくる演奏で、後ろでゆっくり観るはずの俺も、結局その音や演奏にのせられ、見事に踊りまくってしまったのでした。そのままアルバム同様"Biscuit Hammer"へと流れ、軽いMCを挟んだ後また新作から"My Beautiful Sun (Irene)"、"Come on, ghost"。ほぼアルバムと同じような構成で流れていきました。もう、この大傑作をライヴで聴きたいと思っていた身としては有り難い限り。しかもメチャクチャカッコイイし。さすが10年以上も活動してるだけあって、貫禄を感じさせつつも、ベテランにありがちな「余裕」や「守り」の姿勢は一切感じさせず、むしろひたすら「攻め」の一本調子。そしてMCでの毒づき。人それぞれ好き嫌いがハッキリしそうなキャラクターではあるけど、とりあえず俺は支持。けど、俺は「COUNTDOWN TV」の上位に入ってるような連中とマジでやり合って欲しいと思うんだけどね。

  予想通り、新作を中心としたセットリストながらも、要所要所に代表曲を取り混ぜる構成。Bサイド集「Another morning, Another pillows」の曲が思ったよりも少なかったのは、ちょっと意外。ツアー最終日ってこともあって、最初の頃と比べると若干セットリストに変化があったのかな? その証拠に、ツアー中に出来上がったという新曲を2曲("Moon Margaret"と"Terminal Heaven's Rock"とアナウンスしてました)も演奏してたし。新作の流れにある作風で、最近の彼等を気に入ってる人は間違いなく満足するであろうアッパーなナンバーでした。俺は特に後者の方が好みでしたね。

  「俺の心のヒットチャート、第一位。THE BLEEDERS、"Kim Deal"!」というさわおクンのMCに続いて演奏された、まんまその通りのタイトル"Kim Deal"はこの日初めて聴いた曲だったんだけど、別に知らない曲でもメチャクチャ楽しめましたよ。俺、ライヴ前に新作とBサイド集意外には、オリジナルアルバムを数枚聴いたのみで、特に古めの曲って全然チェックしてなかったんだけど、新作同様のノリとテンションで演奏されたこともあって、違和感無く楽しめました。

  後半、スロウな曲で聴かせに入ったり、「ずっとロックバンドをやり続ける」という宣言の後に名曲"Thank you, my twilight"で泣かせたり、スロウな曲でも彼等なりの「攻め」の姿勢は一貫してました。特にこの曲は感動的でしたね(理由はまた後で書きますが)。

  本編ラストはアッパー系3連発で終了。新作同様、アルバム1曲目から始まり、アルバムラストの曲で終了するという構成はさすがというか。この時点で20曲近く演奏してたんですね。後でセットリスト見て驚きましたよ。

  本編が終わると、一旦客電が点いちゃうのね。しかも音楽まで流れ出して、完全に終わりムード。しかし、ファンは慣れっこらしく、それにも構わずにアンコールを求める拍手を続けるわけです。

  そしてアンコールに戻ってきたメンバー。「今日は最後だ。この世の果てまで連れてってやるぜ」との言葉通り、前作「Smile」から"この世の果てまで"を披露。初めて「Smile」を聴いた時に、一番最初に耳に残ったのがこの曲だっただけに、これは聴けて嬉しかったなぁ。それにしてもこのバンド、あれだけ滅茶苦茶なテンションで本編を終えた後にも関わらず、全然トーンダウンしてないのな。さわおクンの声量も全然落ちないし、尚かつ疲れを感じさせないし(他のメンバーがアンコールで着替えてきた中、唯一彼だけが終始同じポロシャツで通してました)。年間、滅茶苦茶な数のツアーをこなすバンドというわけではないけど、この辺はさすがに10年以上に渡る経験による賜物なのでしょう。いやはや、恐れ入りました!

  そしてもう1曲、最後に"RUNNERS HIGH"をハイテンションでプレイして、次のツアーで会おうという言葉を残して、バンドはステージを降りました。もう、大満足。想像以上のバンドでした。これはクセになりますよマジ!

  メンバーがステージを降りた後、客電が点き、"Thank you, my twilight"が流れ出しました。俺はもう終わりだと思って、我慢してたトイレに駆け込みました。トイレから出た後、外に出ようとすると、フロアから"Thank you, my twilight"をオーディエンスが大合唱する声が聞こえてきました‥‥おお、何だこりゃ!?と思って再びフロアに戻ると、客の8割近くがまだ残っていて、会場に流れる"Thank you, my twilight"を一緒に歌っているのです。ここで「もしかしたら‥‥」と思って、俺は一番後ろに行ってその様子を見守ってました。客層が全く掴めないと言ってた俺ですが、この様子を見て、客層云々じゃなくて、みんなこのバンドが心の底から好きなんだな、それで十分なんだ、と実感しました。もうね、この時点で今年度優秀ライヴの1本に決定。バンドが演奏した"Thank you, my twilight"も感動的だったけど、ここに残った客が歌った"Thank you, my twilight"はもっと感動的でしたよ(唯一、CDが音飛びしたことを除いて‥‥苦笑)。

  "Thank you, my twilight"が完全に終わると、三度バンドがステージに戻ってきました! やっぱり。真っ先にさわおクンが走って登場。まだまだあのテンションのまま。そんな中、最後の最後に演奏されたのは、pillowsに疎い俺でも知っていた名曲中の名曲、"HYBRID RAINBOW"でした。イントロを聴いた瞬間、鳥肌が立って本気で泣きそうになったよ‥‥ある人がこの曲を「RADIOHEADにおける "Creep" のような曲」と呼んでいたけど、それも頷ける程の名曲(勿論、異論を唱えるファンも多いとは思いますが、俺はその意見にとても共感できました、ということで)。結局、バンドのテンションも客のテンションも、この日一番を記録したんじゃないでしょうか‥‥一番後ろから全体を見渡したせいか、余計にそう感じました。俺はもう、踊るとか歌うとかそういう次元じゃなくて、ただ立ち尽くしてその光景に鳥肌立てて、目頭熱くするのみ。

  ‥‥カッコイイ。この一言が全てですよ。

  結局、100分近くに及ぶ、「今のpillows」を十分にアピールした素晴らしいステージだったと思います。勿論、初めて彼等のライヴを観た人間の感想なので、何度も彼等のライヴに足を運んでいるハードコアなファンからすれば「フン、何言ってんのさ!?」と思うかもしれませんが、あの日あの時感じた気持ちには嘘偽り、全くないです。「最高だった」、と。そして「また観たい」と、次の瞬間考えたのも事実。間違いなく、また観に行きますよ、pillows。

  もし、まだ彼等の音に接したことのない人、そしてライヴに行くのを躊躇してる人がいたら、悪いことは言いません。騙されたと思って、CD買うかライヴに行ってみてください。その辺のメロコアもどきが束になっても敵わない程のパワーを持ったオヤジ達ですから。

  ‥‥つうか俺、今年に入ってからオヤジバンドしか観てないような気が‥‥まぁいいか。2003年は「オヤジのロケンロー」がテーマってことでひとつ。


[SETLIST]
01. RAIN BRAIN
02. Biscuit Hammer
03. My Beautiful Sun (Irene)
04. Come on, ghost
05. I think I can
06. Moon Margaret(新曲)
07. Ride on shooting star
08. She is perfect
09. Winona
10. Kim Deal
11. バビロン 天使の詩
12. RUSH
13. Terminal Heaven's Rock(新曲)
14. ROBOTMAN
15. 白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター
16. Subhuman
17. Thank you, my twilight
18. Ritalin 202
19. WAITING AT THE BUSSTOP
20. Rookie Jet
 [ENCORE-1]
21. この世の果てまで
22. RUNNERS HIGH
 [ENCORE-2]
23. HYBRID RAINBOW



▼the pillows『Thank you, my twilight』
(amazon:国内盤CD / MP3

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