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2003年2月 5日 (水)

Theピーズ『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE A』(2001)

  '97年8月の東北ツアーを最後に事実上の解散状態としての「活動停止」を発表したピーズ。その後はるは音楽界から退き、自動車免許や調理師免許を取ったらしく、そのままカタギの人になってしまうのか‥‥と多くのファンを心配させました。とはいっても、年に1度はステージに立っていたらしく、それまでの商業的な音楽(アルバムを作り、メディアでプロモーションし、ツアーを重ねる。そしてその繰り返しを延々と行う日々)とは違い、親しい友人と共にステージに立ち、純粋に音楽を楽しむという行為‥‥だったんでしょうね。

  そんなはるですが、2001年1月に旧友の真心ブラザーズのバンドメンバーとして、ステージに立つことになります。当初は単なる企画モノとして結成されたライヴハウス用のバンドだったわけですが、気づけばそのままツアーに出たり、ROCK IN JAPAN FESTIVALのステージに立ったりで、結局同年12月の真心ブラザーズとしてのラストステージである武道館公演まで、同じくサポートメンバーとして参加していたドラムのシンイチロウ(the pillows。はるとも旧知の仲で、アルバム「どこへも帰らない」にも参加しています)と共に参加しました。

  真心の活動休止後、はるとシンイチロウはそのままYO-KINGのソロ活動にも参加することになります。アルバム制作のみならず、2002年のツアーにも参加します。そして‥‥これが切っ掛けのひとつとなり、同年7月‥‥約5年振りにピーズは活動再開を果たすのです。その後のことは皆さんご存じの通り。今更書くまでもないでしょう。

  この2枚のベストアルバムは、レーベルの枠を超え、丁度はるが真心のバンドメンバーとして表舞台に復帰を果たすのとほぼ同時期‥‥'01年1月に急遽リリースされました。恐らくこのベスト盤が企画された頃、まだスタッフははるの表舞台復帰を知らなかったはずなのですが‥‥偶然とは本当に恐ろしいものですね?

  ビクター時代の5枚、そしてキングからの2枚のオリジナルアルバムからの人気曲・代表曲と、シングル"やりっぱなしでサイナラだBye Bye"と"底なし"にそれぞれ収録されていたアルバム未収録曲、そして新たにリミックスされた曲や未発表のスタジオ・セッション、ライヴ音源を存分に収めた2枚で全44曲。勿論、ここに選出されなかった曲にも人気曲・隠れた名曲は沢山あります。ま、基本的にピーズには捨て曲は1曲もないので本来ならオリジナルアルバムから聴くことをオススメするのですが、お手軽に彼等の代表曲を楽しみたい人、まずはどんなバンドなのか知りたいという初心者には便利なカタログかもしれませんね。値段的にも1枚2,400円とお手頃ですし。

  各アルバム収録曲を1曲ずつ説明することはここでは省き、オリジナルアルバム未収録の、ここでしか聴けない音源についてアルバム毎に書いていきたいと思います。

『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE A』解説

  全23曲入り。アルバム未収録曲/バージョンはその内4曲。まずはシングル"底なし"カップリング曲の"Yeah(江戸川橋セッション)"。「リハビリ中断」のレビューでも書きましたが、この曲は「はる・アビさん・吉田武彦」というメンツで唯一レコーディングされた1曲。「グレイテスト・ヒッツVOL.2」収録の"Yeah"の再録音なわけですが、「どこへも帰らない」のノリをそのまま引き継いだ、ルーズで且つ勢い一発のセリフカバーとなっています。元のバージョンがメタリックなアレンジだったので、こっちの方がより自然体な印象を受けますね。アルバムに入ってないのが勿体ないよね。シングルが廃盤となっている今、ここでこうやって聴けるのは非常に有り難いことです。

  同じく「どこへも帰らない」収録の名曲"やっとハッピー"は新たにリミックスをされて収録。元のミックスがアルバム全体の空気感を引き継いだ、ちょっとガリガリしたような音だったのに対し、リミックスは音の厚みや温かみが感じられる音になっています。今、このままシングルとして切っても、全然通用するんじゃないですかね、これ? そのくらい古さを全く感じさせない、普遍的名曲。

  '93年のライヴ音源から、やはり名曲と名高い"日が暮れても彼女と歩いてた"も初収録。ピーズをリアルタイムで知らない世代にとって、こういうライヴ音源は興味深い一品になるのではないでしょうか。しかも、このバンドが勢いで通すだけのバンドじゃないことを端的に表すこの名曲をライヴテイクで収めることで、更にバンドとしての深みを我々に示してくれます。

  それに続くかのように、初期の未発表スタジオ・セッションから"バカになったのに"も入ってます。マスヒロ在籍時の、本当に貴重なテイクなわけですが‥‥やっぱりピーズはその登場からして異端だったのかもしれないな‥‥と再確認できるかも。明らかに当時のバンドブームとか一線を画した「音」を鳴らしていますしね。



▼Theピーズ『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE A』
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