Theピーズ『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE B』(2001)
'97年8月の東北ツアーを最後に事実上の解散状態としての「活動停止」を発表したピーズ。その後はるは音楽界から退き、自動車免許や調理師免許を取ったらしく、そのままカタギの人になってしまうのか‥‥と多くのファンを心配させました。とはいっても、年に1度はステージに立っていたらしく、それまでの商業的な音楽(アルバムを作り、メディアでプロモーションし、ツアーを重ねる。そしてその繰り返しを延々と行う日々)とは違い、親しい友人と共にステージに立ち、純粋に音楽を楽しむという行為‥‥だったんでしょうね。
そんなはるですが、2001年1月に旧友の真心ブラザーズのバンドメンバーとして、ステージに立つことになります。当初は単なる企画モノとして結成されたライヴハウス用のバンドだったわけですが、気づけばそのままツアーに出たり、ROCK IN JAPAN FESTIVALのステージに立ったりで、結局同年12月の真心ブラザーズとしてのラストステージである武道館公演まで、同じくサポートメンバーとして参加していたドラムのシンイチロウ(the pillows。はるとも旧知の仲で、アルバム「どこへも帰らない」にも参加しています)と共に参加しました。
真心の活動休止後、はるとシンイチロウはそのままYO-KINGのソロ活動にも参加することになります。アルバム制作のみならず、2002年のツアーにも参加します。そして‥‥これが切っ掛けのひとつとなり、同年7月‥‥約5年振りにピーズは活動再開を果たすのです。その後のことは皆さんご存じの通り。今更書くまでもないでしょう。
この2枚のベストアルバムは、レーベルの枠を超え、丁度はるが真心のバンドメンバーとして表舞台に復帰を果たすのとほぼ同時期‥‥'01年1月に急遽リリースされました。恐らくこのベスト盤が企画された頃、まだスタッフははるの表舞台復帰を知らなかったはずなのですが‥‥偶然とは本当に恐ろしいものですね?
ビクター時代の5枚、そしてキングからの2枚のオリジナルアルバムからの人気曲・代表曲と、シングル"やりっぱなしでサイナラだBye Bye"と"底なし"にそれぞれ収録されていたアルバム未収録曲、そして新たにリミックスされた曲や未発表のスタジオ・セッション、ライヴ音源を存分に収めた2枚で全44曲。勿論、ここに選出されなかった曲にも人気曲・隠れた名曲は沢山あります。ま、基本的にピーズには捨て曲は1曲もないので本来ならオリジナルアルバムから聴くことをオススメするのですが、お手軽に彼等の代表曲を楽しみたい人、まずはどんなバンドなのか知りたいという初心者には便利なカタログかもしれませんね。値段的にも1枚2,400円とお手頃ですし。
各アルバム収録曲を1曲ずつ説明することはここでは省き、オリジナルアルバム未収録の、ここでしか聴けない音源についてアルバム毎に書いていきたいと思います。
『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE B』解説
全21曲入り。個人的にはこっちの方が聴く頻度、高いかな? アルバム未収録曲/バージョンはその内4曲。シングル"やりっぱなしでサイナラだBye Bye"のカップリング曲"恋は水色"は、ご存じの通りポール・モーリアの超有名曲の日本語カバー。ピーズらしいダルな演奏に、バックで叫ぶアビさんの声、そしてそれに相反する美しいメロディと歌詞。このアンバランスさこそがピーズの醍醐味。いいですね、単純に。いいカバーだと思います。
ファースト録音時の未発表セッションから"肉のうた"。アルバムテイクよりも更に荒々しく、生々しい。マスヒロのドラムってアルバムだとカッチリしすぎてる印象が強いんだけど、このテイクはライヴっぽくて好き。そう考えると、あの音ってのはやっぱりそういう「時代」だったのかなぁ、と。どっちにしても、あのアンバランスさがデビュー時のピーズの個性だったことには違いないですが。
'92年のライヴ音源から"どっかにいこー"。ヒストリービデオや常磐座のビデオでライヴを目にすることはできますが、CD音源としてはライヴ音源ってここでしか聴けないんですよね‥‥ピーズみたいなバンドは映像よりもむしろ、音源として記録を残して欲しいなぁと個人的には思うんですけど、如何でしょうか?
最後に、"何様ランド"のリミックスバージョン。あれっ、「どこへも帰らない」に収録の際は"じゃますんなボケ(何様ランド)"というタイトルだったのですが、何故か短くなってます‥‥何か理由があるのでしょうか??
俺自身、このアルバムを購入した当時というのは、ピーズなんて全然「終わった」存在だったわけで、まさかその後復活するなんて思いもしなかったし、実際当時はベスト以外は「グレイテスト・ヒッツVOL.1 & 2」しか持ってないような状態だったわけですよ。で、このベスト買ってもすぐに封を切るわけでもなく、そのまま半年以上放ったらかしのままで。周りが少しずつピーズの魅力に惹かれていき、少しずつまたその名前をネット上で見かけるようになり、で、「ああ、そういえば買ったよな‥‥」って思い出して、改めて聴いてみたら‥‥単純にカッコ良かった、と。もうね、理由なんかいらないんですよ正直。こんなレビューなんて邪道で蛇足だってこと、書いてる本人が一番よく判ってますから。それでも、未だに聴かず嫌いで避けて通ってる人や、名前しか知らなくて躊躇してる人に対して、何かの参考になればと思って書いてるわけで‥‥ま、それ以上に自分の気持ちを再確認する為の作業なんですけどね。
どれを聴いてもハズレはないですが、やはり心配な人はこのベストを2枚同時に買うことをオススメします。どっちか1枚しか買う余裕がなかったら、とりあえず「~SIDE A」から買ってみるのもいいでしょう。で、ノックアウトされたら迷わず「~SIDE B」も買えばいいだけの話ですからね。そうやってピーズの魔術にまんまとはまっていった人、俺は何人か見てきてますからね!
何で21世紀にピーズだったのか‥‥その答えは簡単。「必要とされていた」からですよ。僕らに足りなかったのは、ピーズだったんだ、と。それだけの理由ですよ、ええ。

▼Theピーズ『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE B』
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