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2003年5月28日 (水)

AC/DC『HIGHWAY TO HELL』(1979)

AC/DCが1979年夏にリリースした名作『HIGHWAY TO HELL』。現在も活躍する彼等ですが、このアルバムでのメンバー構成はボーカル以外は一緒なんですよ……そう、このアルバムをリリースした翌年、ここで歌っているシンガー、ボン・スコットは亡くなってしまうんですね。そういう意味ではこれが遺作となってしまうわけですが、全然そんな予兆を感じさせない、本当に活き活きしたリフロックを連発しています。

FREEの名曲「All Right Now」にも通ずるポピュラリティを持ったミドル・ポップチューン「Highway To Hell」からスタートするこのアルバム。それ以前のアルバムと比べると明らかにメロディの質が変わってきています。まず、聴きやすい・判りやすいメロディが増えたこと。いや、それまでの楽曲も判りやすかったんですが、それ以上に親しみやすいメロディが多いんですね、このアルバム。それでいてロックンロールの本質的な面も失っていない。更に何よりもサウンド面でかなり向上している。これはプロデューサーが変わったことも大きく影響してるんでしょう(このアルバムから、後にDEF LEPPARDやブライアン・アダムス等で有名になるジョン・マット・ラングが手掛けるようになります)。ギターサウンドもさることながら、リズムトラックの生々しさが凄いんですよね。まぁ「その後のAC/DCらしさ」という点では次作『BACK IN BLACK」』の方がより優れているわけですが、初期AC/DCの集大成、そしてその後の彼等を占うという意味ではこの『HIGHWAY TO HELL』もかなり優れた作品だと思っています。個人的には一番好きなアルバムなんですよね。

近年のライヴでも演奏される機会があった「Girls Got Rhythm」や「Shot Down In Flames」といったストレートなロックチューンといい、如何にも彼等らしいハイテンションな「Walk All Over You」や「Beating Around The Bush」といい、ポップな「Highway To Hell」や「Get It Hot」といい、お得意のスローブギー「Night Prowler」といい、とにかく1曲1曲が粒ぞろいでバラエティ豊か。ロケンローだとかハードロックだとか、そういった陳腐な枠分けで片づけたくはないですよね。本当にいい楽曲、いいアルバム。

最近、DATSUNSやJETといった同郷及びその近隣諸国から登場したバンドが「AC/DCフォロワー」として脚光を浴びていますが、もしこれを読んでいる若い子達でまだAC/DCの音に触れたことがないのなら、まずはこのアルバムから聴いてほしいなぁと思います。個人的にはこれと一緒に次作『BACK IN BLACK』も聴いてほしいんですけどね。この連作、ただボーカルが変わったというだけではなく、バンド内に大きな革命が起きたことも伺い知ることができますからね。

あと、よくそれらのバンドのシンガーが「AC/DCみたい」と表現されることが多いですけど、それはこのアルバムで歌うボン・スコットを指してるんですよね。決して今のシンガー、ブライアン・ジョンソンのことではなく。DATSUNSにしろJETにしろ、非常にボン・スコットっぽいんですよね。どこがどう違うのか……っていうのも2枚のアルバムを聴き比べると自ずと見えてきますしね。とにかく文句なしの名盤なんで、機会があったら是非一度。



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