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2003/05/06

METALLICA『KILL'EM ALL』(1983)

リリースからもう20年も経つんですね……ということは、今年でMETALLICAはデビュー20周年ということになるんですか。「世界一ヘヴィなバンド」なんて呼ばれたのも今は昔、既に彼等が影響を与えたであろう若手バンドがよりヘヴィでしなやかなリズムを持ったサウンドを量産していますが、やはりMETALLICAというバンド名で続ける限りは今後もよりヘヴィでうるさいサウンドで勝負して欲しいところですね。

というわけで、そのMETALLICAのデビューアルバム『KILL'EM ALL』。実は当初はインディーズからのリリースだったということも既に若いファンには知られていない事実かもしれませんね?(ここ日本では当初、現在リリースされているソニーからではなく、今は亡きSSMというレコード会社から発売されたんですね。しかも『血染めの鉄槌(ハンマー)』という邦題で……) METALLICAはセカンド『RIDE THE LIGHTNING』までインデイーズからのリリースで、そのセカンドをリリースして暫くしてから現在の「ELEKTRA」(日本はソニー)というメジャーレーベルに移籍、その際にファーストとセカンドがメジャーから再発され現在に至るのです。いや、まぁそんな事実今更知らなくても、このアルバムは十分に楽しめますけどね。

とにかくね、若い。若いのよ、サウンドが! すっげー微笑ましいというか、もう勢い一発!みたいな荒々しいサウンドと楽曲が10曲収められているこのアルバム、俺は大好きなんですよ。このアルバムとほぼ同時期にSLAYERが『SHOW NO MERCY』をリリースしたことによって、所謂スラッシュメタルというジャンルが確立されたんですが‥‥個人的にはスラッシュとかメタルとか、そんなことは今更どうでもいいんですよ。だって彼等がスラッシュバンドであった時期なんて、'80年代だけですよ。その後の10年以上、彼等はよりヘヴィでグルーヴィーなラウドロックを生み出すまでに成長していったわけですからね。

このアルバムの素晴らしい点は、後先考えずに「とにかく今、自分達がカッコイイと思うサウンドをそのまま表現した」点でしょうね。誰かの物まねであろうが、演奏が下手くそであろうが、そんなことお構いなし。自分達がカッコイイ/気持ちいいと思える音、イコール、自分達と同じようなロックファンに受け入れられるはずという方程式が彼等の中には成り立っていたはずなんですね。その無謀なまでの自信が全て。で、実際にカッコイイんですわ、これが。サウンド的には一番安っぽいんだけど、逆にそこが生々しさを表現してる。曲も長かろうが短かろうが関係ない。スピードはとにかく突っ走る、無謀なまでに速く演奏する。歌というよりはもやはガナり叫ぶ。こういうリフでスタートして、ドラムがカッコよく入ってきて、サビで曲名をシャウトして、そのままカッコいいギターソロに延々突入……絵に描いたような曲構成。今時高校生だってここまで真っ直ぐな曲は書かないだろうと思わせる、影響丸出しの楽曲。けどそこがいいんだよね。

その後15年経ってからリリースされたカバー集『GARAGE INC.』を聴くと、意外とこのファーストとの共通点が多いことに驚くんだよね。そういうアルバムなんだよ、このファーストアルバムは。

MOTORHEADの疾走感、イギリスのヘヴィメタルバンドみたいな様式美。当時の彼等にはそれが全てだったんだよね。だからMOTORHEADをメタリックにしたヤケクソ暴走チューン「Hit The Light」から始まって、同じようなヤケクソ暴走チューン「Metal Mikitia」で終わるという構成も納得がいく。かと思うと、曲構成が複雑な「The Four Horsemen」や「Phantom Lord」「No Remorse」「Seek & Destroy」みたいな曲もあるし。これぞスラッシュメタル!的な名曲「Whiplash」もあるし、ベースソロ的なインストナンバー「(Anesthesia) - Pulling Teeth」まである。アルバムの半分以上が疾走チューン。突っ走りまくり。若いっていいなぁと思わせる内容。ホントいいんだこれが。何も考えずに楽しめる。

メタルだとかパンクだとかハードコアだとかラウドロックだとか……そんな括り、どうでもいいじゃない? 要は如何にカッコイイ音を説得力持って鳴らすか。そして何も考えずに楽しめるかでしょ? 最近、爆走系のロックンロールバンドが持てはやされてるけど……毛色は違うけど、間違いなくこのアルバムだってそういう爆走ロックンロールなんだよね。そう、ある意味でね。その後のMETALLICAの音楽性を考えると、とても異色作なんだろうけど(曲の完成度やサウンドプロダクション的にね)、何も考えないで作ったからこそ、聴き手も何も考えずに聴いて楽しめる。これはそういうアルバムです。反論はあるだろうけど、敢えて言います。名盤!

もうじきリリースされる6年振りのニューアルバム『ST.ANGER』においてMETALLICAは“BACK TO BASIC”というテーマで作品作りに挑んだそうです。「速い曲がまたやりたくなった」とか「原点回帰」とか「ガレージバンド時代みたい」という発言から……実は今度のアルバム、このファーストに一番近い作風なんじゃないかな、なんて思ってるんですが。勿論そのものをやるとは思いませんが、このファーストでやっていたようなことを、現代的なアレンジで聴かせてくれるんじゃないか。そんな淡い期待を寄せています。ま、期待が大きすぎて後でガッカリするのも何ですが、ここ最近の彼等の発言を耳にする度に「今度こそ俺の好きだったMETALLICAが戻ってくる……」そういう思いが強まっています。

新作がリリースされる前に今一度、彼等の原点を見つめ直してみませんか? そうか、この6年の間にロックを聴き始めた若いファン、特にラップメタル以降の若い子達が「何でMETALLICAがそんなに大騒ぎされるのか判らない」って思ってるかもしれませんね。そうだなぁ……去年のサマーソニックでのGUNS N'ROSESを思い出してみてください。ハッキリ言って、あれ以上だと思ってますから。

ライヴに関しても既に12年近く観てないんだよな俺。最後は東京ドームだったか……その後2回来日してるんだけど、全然行く気にならなかったし。次回は……新作次第だね。とにかく、今は俺と一緒にファーストから聴き直して復習&予習していきましょう!



▼METALLICA『KILL'EM ALL』
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投稿: 2003 05 06 03:21 午前 [1983年の作品, Metallica] | 固定リンク