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2003/06/15

EVANESCENCE『FALLEN』(2003)

売れてますねぇ、EVANESCENCE。3~4月頃から輸入盤店でよく見かけるようになったこのジャケット。丁度同じ頃に映画「デア・デビル」が公開され、その主題歌となった"Bring Me To Life"が大ヒットしたこともあり、アルバムはいきなり全米チャートのトップ5入り、今現在もトップ3前後を維持してる大ヒット振り。"Bring Me To Life"もシングルチャートの10位前後を維持し、イギリスにおいてもこの曲が初登場1位を記録。ここ日本ではまだアルバムがリリースになっていないものの(6月末リリース予定)、既にラジオでは"Bring Me To Life"がバンバンかかってる中、7月末には「FUJI ROCK FESTIVAL」出演の為、初来日決定。非常にいい時期にこのバンドの全貌を見ることが出来るわけですね。非常に楽しみであります。

さて、そんなEVANESCENCEですが、最初この"Bring Me To Life"を聴いた時(PVで観たんですよね)、既に下火となっているラウド・ロックやラップメタル一連の流れから登場したバンドだと思ったんですよ。実際この曲では女性シンガーの歌に絡むように男性ラップボーカルが登場しますし。やはり女性シンガー(しかもまだ10代という話ですが‥‥)がこの手のバンドで歌っているというのが物珍しくてヒットしてるのかな、なんて思ってて。けど、耳にしたこの曲は確かにいい曲なんですよね。1回しか耳にしなかったにも関わらず、それから数日間脳内でこの曲が延々リピートされていて、結局数日後にはこのデビューアルバム「FALLEN」を買ってしまったのですから。

アルバムを聴くまで、全体的にそういった感じ‥‥女性が歌い、男性がラップするラウドロック‥‥だと思ってたんですよ。LINKIN PARK以降の流れ、みたいな。俺、LINKIN PARKって出てきた時から苦手だったんですよね(以前どこかにも書きましたが)。このバンドの登場によって俺自身、この手のラウドロックに対する興味が薄らいでいった程。先日出たセカンドアルバムはちょっといいかな!?程度に感じられるまで嫌悪感は薄れましたが‥‥それでも「もうラウドロックとかニューメタルとか、そういう遠回しな言い方、やめれば? 普通にハードロック/ヘヴィメタルでいいじゃん??」っていう気持ちは消えないわけで。

んで、このアルバム。聴いてまずビックリしたのは、あの手のラップが絡む曲は"Bring Me To Life"1曲のみだということ。そしてPV等のビジュアルイメージからも何となく伝わってきてましたが、ゴスの影響を色濃く感じるということ。ラウドなナンバーに匹敵するだけのピアノバラードが数曲収録されていること、等々。とにかく新鮮だったのね。全体的にミドルテンポのマイナーチューンが殆どなんだけど、これもギターやベースがローキー(ダウンチューニングか7弦ギター/5弦ベースを使用してる?)為、昨今のラウド系の流れを組んでるように感じるけど、根本にあるのは'80年代的なメロディアス・ハードロック。そこに加えて'80年代後半にイギリスから登場したゴスやニューウェーブの影響を受けたハードロック調のバンドの色合い、その他にもビョークやトリ・エイモスといったオルタナ世代の女性ソロ・シンガーからの影響‥‥そういったものが融合した結果がEVANESCENCEかな、という気がします。

個人的には、アメリカっぽくないメロディの湿り気がモロ好みで、尚かつそこに乗るシンガー、エイミー・リーの声質が非常に心地よいんですよ。この声、絶対に日本人好みのはず‥‥だってさ、ちょっとした節回しやブレスが、どことなく宇多田ヒカルに似てるんだから‥‥って感じたのは俺だけ? ヒッキーがこの手のハードロックを歌ったら、きっとこうなるのかな‥‥なんて考えながら聴いてると、ちょっと面白いかも。

1曲1曲はやはりよく出来てますよね。ギターも出しゃばりすぎず、どっちかっていうとピアノの方が耳に残るという、ねっ? 要所要所に登場するストリングスも心地よいし、オペラチックな分厚いコーラスもいい感じ。これが'80年代だったら「産業メタル」に括られたんだろうけど、正直そんなのどうでもいいです。独特な世界観を持ち、曲が素晴らしく、演奏もしっかりしてる。個人的にはそれで十分。「話題の新人」的な大きなエピソードとかその手のやつは、流行のリフロック勢に任せればいいし。暴れる為のニューメタルではなくて、リスニング‥‥あくまで曲の良さで勝負する、そして歌をしっかり聴かせるニューメタル、それでいいんじゃない?

そういえば、ドラムにジョシュ・フリースの名前があったからってわけじゃないけど‥‥ある種、A PERFECT CIRCLEにも通ずる要素を感じるよね。最初に聴いた時、ドラムがジョシュだって知らなかったんだけど、やっぱりこのバンド名を思い浮かべたもんなぁ。その手の流れを組むサウンドが好きで、女性ボーカルものが好きって人なら絶対に気に入る1枚ですよね。話題の云々ってのは気にしないでさ。いいものはいい、それでいいじゃない?



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投稿: 2003 06 15 07:12 午後 [2003年の作品, Evanescence] | 固定リンク