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2003年6月23日 (月)

THE WiLDHEARTS『MONDO AKIMBO A GO-GO』(1992)

イギリスが生んだ酒飲みロックンロールバンド、THE WiLDHEARTSが'92年4月に発表したデビューEP。当時日本盤でのリリースはなく、その存在自体もごく少数のマニアしか知らなかったような状況だったにも関わらず、当時の「BURRN!」誌の輸入盤レビューで取り上げられ、(確か)89点という高得点を得ていました。ってこの俺もそのレビューを読んで知った程ですから。その後、このEPを探し回ったのですが結局見つからず、当時唯一このEP(アナログ盤)を持っていた友人からダビングしてもらって、やっと聴けたという一品。結局、WiLDHEARTSの音源がここ日本でもリリースされるようになるのは、更に1年近く経った'93年1月ですから‥‥インターネット全盛の今では考えられないでしょうけどね?

当時のメンバーはジンジャー、ダニー、CJという現在でもお馴染みのメンツに加え、元DOGS D'AMOURのドラマー、バム・バムという4人。収録された4曲は全てジンジャーの手によるもの。曲そのものは後のダブルEP「DON'T BE HAPPY...JUST WORRY」に全て収録されるのですが、このEPのそれらは完全にミックスが違います。良く言えば生々しい、悪く言えば「最高級のデモテープ」(‥‥誉めてるのか、これは?)といった、ある意味チープな録音。しかし楽曲自体は非常に優れていて、既にデビューの時点でその後の彼等が進むべき道筋が完成されているのです。ポップなメロディにザクザクしたギターリフ、2声・3声にも及ぶコーラス、複雑な展開を繰り返すアレンジ。デビュー当時から「BEATLES meets METALLICA」なんて呼ばれていた程で、正しくその通りなのですよ。ま、もっと判りやすく言えば「ヘヴィなCHEAP TRICK」‥‥余計判りにくいか。とにかく、判り易さが全て。ポップでヘヴィ。相反する要素なのに、見事に混在する。ヘヴィメタルのファンも、そしてパンキッシュなものを好むファンも、更にはCHEAP TRICK辺りのパワーポップ的なバンドを好むファンも、そして‥‥ある意味「古典的なブリティッシュ・ロック」を好むファンをも魅了するサウンド。いそうでいなかった存在。それがWiLDHEARTSの登場だったのです。

WiLDHEARTSの基本形のひとつと言える永遠のパワーポップソング"Nothing Ever Changes But The Shoes"、ヘヴィメタリックなリフやリズムを持つ前半とパンキッシュな後半とのコントラストも素晴らしい"Crying Over Nothing"、'01年の再結成ツアーでも久し振りに演奏されていた彼等の「出発点」と呼べる"Turning America"、ヘヴィなリズムの上に乗る浮遊感漂うメロディが気持ちいい"Liberty Cap"。どれを取っても、その後の彼等の楽曲の基本ラインとなる曲ばかり。特に"Nothing Ever Changes But The Shoes"は最初の解散('98年10月)に至るまで毎回のように演奏され続け、'99年8月の日本で実現した、ただ1回の復活ライヴでも1曲目にプレイされた程。前回のジャパンツアー('02年12月)では演奏されなかったようですが、されたらされたで嬉しい1曲なんですよね。曲頭のスローに始まるパートでの「oi! oi! oi!」の連呼は「‥‥くるぞ、くるぞ、来るぞ!!!」って感じで気持ちが高まるし、エンディングのヘヴィなパートもギターが暴れまくってて気持ちいいし。てなことを書いてたら、ライヴバージョンが聴きたくなってきたよ。

楽曲そのものは上にも書いたように「DON'T BE HAPPY...JUST WORRY」で聴けるので問題ないですが、どうしてもオリジナルバージョンで聴きたいという人はこまめに中古盤屋を探し回るか、'98年1月にここ日本でのみリリースされた4枚組ボックスセット「MOODSWiNGS AND ROUNDABOUTS」を手に入れるしかないようです。このボックスのディスク1が正しくこのEPのCDシングルなのです。但し、このボックスセット自体も初回限定生産品だったので、探すのに一苦労するかもしれませんが‥‥(海外でも高値が付いてるようで、たまに俺のところにも譲って欲しいというメールが海外から届く程です)

久し振りに引っ張り出して聴いてますが、やっぱりいいですね。俺が最初に彼等の音と出会ったのも丁度11年前の今頃ですよ‥‥紆余曲折ありながらも、こうやって彼等が未だに「THE WiLDHEARTS」の名で活動していること、そして一度も彼等のことを嫌いにならずにファンをやっていられることが正直驚きですね。やっぱり俺にとっては本当に重要で大切なバンドですよ、彼等は。



▼THE WiLDHEARTS『MONDO AKIMBO A GO-GO』
(amazon:海外盤CD

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