DEAD END『shambara』(1988)
1988年5月にリリースされたDEAD ENDの3rdアルバム。
メジャー2作目にあたる本作ですが、前作『GHOST OF ROMANCE』から8ヶ月という短いスパンで発表されているんですよね。今の感覚で考えると異常とすら思えますが、海外でも年に1枚アルバムを出すアーティストも少なくありませんでしたし、特に日本という狭いマーケットではこのスパンが当時は普通だったわけです。
にしてもね、この短期間でここまで“化ける”かと。全10曲中9曲をYOU(G)が作曲し、残り1曲(M-3「NIGHT SONG」)のみCOOL JOE(B)が作曲。「作詞:MORRIE(Vo)/作曲:YOU(G)」という構図がここで完成に至るわけです。
全体的にはハードロック(否ヘヴィメタル)色を残しつつも、ゴスやプログレ、ニューウェイヴからの影響を感じさせる楽曲が増え始めている。前作の時点で音楽的カテゴライズが難しくなり始めていたところを、本作ではさらに加速するわけです。一応出身がそっち側だったから、メディアではHR/HMとして括られていましたが、海外では非常に反応に困ったようですね。
あ、本作も前作同様にMetal Blade Recordsから海外リリースされています。
本作から元PINKのベーシスト、岡野ハジメがプロデューサーとして参加。それもこのアルバムのサウンドに大きな影響を与えており、DEAD ENDがハードロックの枠に収まらない存在へと成長するのに一役買ったわけです。
にしても、オープニングの「EMBRYO BURNING」の衝撃たるや。ギターを10本くらい重ねたであろうオーケストレーションはQUEENにも通ずるものがありますが、さらにベースはフレットレス(ですよね?)ということもあって、どこかJAPANあたりのバンドを聴いているような錯覚に陥る。MORRIEのボーカルも板につき、もはやこの人が歌えばどんな曲でもDEAD ENDになるのでは?と思えるほど。
M-6「LUNA MADNESS」やM-9「HEAVEN」なんて、もはやハードロックですらないですよね。当時はTHE MISSIONあたりと同じ感覚で聴いていたなあ。で、ラストの「I CAN HEAR THE RAIN」の泣きまくりギターに心震わせるという。文句なしの傑作です。
本作を聴くと、いかに90年代以降のV系バンドがこのアルバムから影響を受けたかが伺えるはず。それくらい、日本の音楽史において重要な1枚。
▼DEAD END『shambara』
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