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2003/08/30

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『SABRINA NO HEAVEN』(2003)

  結果論でしかないけど、確かにここ数年のTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTを見ていて「‥‥そろそろ(解散)かなぁ?」なんて思ってた人、いたんじゃないでしょうか? 少なくとも、自分はそうでした。アルバム「CASANOVA SNAKE」以降は特に、ね(実際、その類のことを掲示板等にも書いてきたしね)。でもこのバンドの場合、そういった噂と対峙していきながら、どんどんデカクなっていくんだろうなぁ‥‥そういう期待感も同時にあったのも確か。だから嫌いになれなかったんだよね、どんなに醒めた目で見つめていようと。

  この3月にリリースされたアルバム「SABRINA HEAVEN」は久々の傑作と呼ぶに相応しい内容でした。その気持ちは今でも変わりありません。このアルバム制作におけるレコーディングでは、アルバムに収まりきらない程沢山の楽曲を制作・録音したと聞いていたし、実際アルバムリリースと同時に「初夏にミニアルバム「SABRINA NO HEAVEN」リリース決定!」と発表する程でしたしね。そして約4ヶ月後、ツアー終了前後にリリースとなったのがこのアルバム。全6曲、31分というランニングタイムは決して長くはないし、曲数的にもミニアルバムと呼べるものでしょうけど、内容的にはフルアルバム以上に濃いものになってるのではないでしょうか?

  「SABRINA HEAVEN」がどちらかというと(それまでの彼等からすれば)実験性の強い内容だったように思えるのですが、この「SABRINA NO HEAVEN」はよりプリミティヴで我々がよく知るミッシェルが顔を覗かせます。が、ただの「過去の焼き直し」に終わっていないのは聴いた人ならお判りいただけるでしょう。だって同時期に制作された楽曲だもん、ここの6曲だけが違ったものになるはずはないでしょう。単純に「あっちにはあの10曲が相応しかった、あっちの10曲を先に出したかった」からああいう選曲になっただけ。元々あるもの(録音した楽曲)全部を出すつもりだったみたいだし、でも2枚組にはしたくなかったからこういう形になっただけ‥‥ホントそれだけの理由なんでしょうね、こういう形にまとまったのは。

  ここには昨年秋のツアーでもいち早く演奏されていた楽曲も入っているし、アルバムリリース後に出演した「ミュージックステーション」で生演奏したことで話題となった2曲も入ってるし、チバユウスケが昨年やったバンド・ROSSOを彷彿させる楽曲も入ってる(当たり前だって、両方のバンドで曲作りに参加し、歌ってるのはそのチバ本人なんだから)。6~7分ある曲もあれば、いつも通りの疾走チューンもある。そう、逆に発表する順番は間違ってなかった。「SABRINA HEAVEN」という意欲作を先に発表することで我々の度肝を抜き、実はその延長線上にある作風ながらも何故か「従来通りの安定路線」的安心感を与えてくれる「SABRINA NO HEAVEN」を続けざまにリリースする。2枚組じゃなくてホントよかったな、と。これ2枚組だったら、衝撃強過ぎるのと同時にボリュームもあり過ぎて、1曲1曲とちゃんと向き合おうとしなかったかもね、俺ならさ。

  確かに普通のアルバムとして考えると6曲って短いし、ひとつのストーリーとしてのトータル・コンセプトみたいなのは皆無かもしれないけど‥‥だからこそ、純粋に楽曲の1曲1曲と向き合おうという気にさせてくれるし、そして改めてその1曲1曲の濃度に驚愕するという、ね‥‥ホントにスゲェバンドだわ、ミッシェルは。

  今後、バンドとして発表される新曲は10/11リリースの「エレクトリック・サーカス」というシングルに収録される2曲のみ。それ以降にリリースされる楽曲って、多分バンドの意思に反してリリースされる未発表曲だったりするのかもしれないけど‥‥バンドのイメージを著しく落とすようなモノなら正直この世に出さないで欲しい。それだけこのバンドに対しては「常にフルテン状態」というイメージがあったし、そして最後の最後までそうであって欲しいから。最後のシングルがどういった作風になるのかは現時点では判らないけど、真面目な話どういう曲を持ってくるのかが興味深いなぁと。



▼THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『SABRINA NO HEAVEN』
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投稿: 2003 08 30 12:00 午前 [2003年の作品, THEE MICHELLE GUN ELEPHANT] | 固定リンク