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2003年9月 1日 (月)

Mr.Children『タガタメ』(2003)

  まずはオフィシャルサイトに目を通して欲しい。この曲を聴く前に、何故彼等は「CDリリース」という形体を取らずにまずラジオでオンエアしてもらうことを選んだのか、どうしてこの曲だったのか、そういったことをちょっとだけ考えて欲しいな、と。そこにはスタッフの説明(何故この曲が通常のプロモーション形体を取らずリリースが決まる前にラジオでオンエアすることを決めたのか)、桜井和寿本人からのメッセージ、そして最後に問題の楽曲、"タガタメ"の全歌詞が載っています。

  Mr.Childrenの新曲がそろそろ出るぞ、という噂はちょっと前から耳にしていました。早ければ年内には何らかの形で聴くことができると。しかしそれは我々が想像していたような形での発表ではありませんでした。CDとしての発表でもなく、ましてやライヴを行うのでもなく、まず出来た曲をラジオで流すというこれまでには考えられないような手段を取ったのです。

  オンエア解禁は9月1日。未だリリース日程も、本当にリリースされるのかも決まっていない曲。とにかくただ早くみんなの耳に届けたかった。それだけの理由で、彼等はラジオオンエアという手段を選びました。

  幸運にも、本日某FM局で放送されたその音源を手に入れることができました。6分40秒以上にも及ぶ大作。およそシングルには選ばれそうもない、彼等にしては地味な曲。単調な曲進行とメロディ、そこには「メガヒットを飛ばすミスチル」の姿はありません。ただ、彼等をよく知る人ならこれが「彼等の別の側面」であることもご存じでしょう。過去の楽曲のタイプでいえば"Hallelujah"や"終わりなき旅"に通ずる、曲自体はシンプルなのに桜井の歌とバンドの演奏でドンドンと熱く盛り上げていくタイプ。アルバム後半のハイライトになるようなタイプの楽曲、それがこの"タガタメ"だといっていいでしょう。

  何故桜井が、そしてバンドがこの曲を早く世に出したいと願ったのか。それは歌詞の内容も大きいでしょうけど、俺はそれと同時に「如何に今このバンドのポテンシャルがもの凄いことになってるか」というのを上手く表現できているから、この曲を選んだんじゃないか‥‥そんな気がします。曲としてはAメロがあってBメロがあってサビがある、そしてその繰り返しというシンプルさが耳につくタイプなんですが(最初はカントリー調のアレンジで‥‥と桜井も書いているし)、バンドの4人+キーボード(小林武史か?)+ブラス&ストリングスという壮大な楽器隊。更に曲が進むにつれてドンドン盛り上がりを見せるアレンジ。レコーディングの現場が非常にいい状態にあることが何となく伺えますよね、これ聴いちゃうと。

  そして‥‥やはり桜井のボーカルは今まで以上に強く、そして優しく、時には刺々しく我々の胸に飛び込んできます。後半、特にエンディングでのリフレインで声を枯らしながらシャウトする桜井は、これまでには見られなかったような一面ではないでしょうか?

  曲の歌い出しの一声で、フッと肩の力が抜けて、ああミスチルがホントに帰ってきたんだな‥‥という安心感を感じ、しかし曲が進むに連れてそういう安堵感は高揚感へと変化していき、最後には‥‥自分でも上手く表現できないような、何とも言えない気持ちに。それがこの曲を最初に聴いた時の第一印象でした。かれこれこの数時間で何度リピートしているでしょうか、モニターに映る歌詞とにらめっこしながら、何度も、何度もこの曲を噛みしめています。

  これはシングルにすべき曲ではない。だからこういう形でまず世に出したんでしょう。今制作しているアルバムの中で、間違いなくハイライトのひとつとなる曲。一体今度のミスチルはどういうことになっているのか‥‥何の不安要素もないですね、これを聴いちゃったら。「深海」の方へも行かないでしょうし、かといって「Atomic Heart」へも行かない。「IT'S A WONDERFUL WORLD」を更に濃厚にしたような、そんな凄いモノが我々を待ち受けているんでしょうね。

  最後に‥‥この歌詞を斜に構えて斬ることはいくらでもできるでしょう。単純に曲が好みでない人もいるでしょう。けど俺は目の前にある、この楽曲と素直に向き合っていくつもりです。



▼Mr.Children『シフクノオト』
(amazon:国内盤CD

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