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2003年10月22日 (水)

飯田圭織『パラディノメ ~恋に身をゆだねて~』(2003)

  モーニング娘。の現リーダーである飯田圭織の、今年4月にリリースされたファーストソロアルバム「オサヴリオ ~愛は待ってくれない~」に続くソロ第二弾、「パラディノメ ~恋に身をゆだねて~」は前作同様'60~'70年代のイタリアンポップス、フレンチポップスの代表曲と、'90年代のギリシャの名曲を原語でカバーしております。この春のモーニング娘。のツアーでも前作からの曲が幾つか日替わりで歌われていましたが、今回のアルバムの曲もいずれ何らかの機会に歌われることがあるでしょう。いや、むしろそうしてもらわなくちゃ困っちゃうんですよね‥‥敬遠してる人にアルバムを聴いてもらえるような切っ掛けを与えてあげなきゃ‥‥ねぇ。

  内容に関しては、前回は初めての試みってことで聴く前からドキドキ・ハラハラしたりしてたわけですが、今回はそんな心配は無用。むしろ安心して臨むことができたんじゃないでしょうか。製作陣も前回と一緒、コンセプト・スタイルも一緒、後は飯田のコンディションさえ良ければ文句なしなわけですから。で、実際その安心は最後まで崩されることなく、アッという間に1枚通して聴けてしまったのでした。前作の延長線上というよりは、完全に第二弾であり、対となるような作品なわけですから、それも当然っちゃあ当然ですよね。

  歌に関しては勿論最後まで安心して聴いてられたし、むしろ他のモーニング娘。のメンバーと比べてここまでひとりのメンバーの歌を堪能できるって点においては文句なしでしょう。人によっては「日本語で、もっと圭織らしい選曲でアルバムが作れたんじゃないか?」って不満に感じてるかもしれませんが、逆にこっちの方が俺は「飯田圭織らしい」と思うんですよね。そう、「モーニング娘。の飯田圭織」じゃなくて、「歌い手・飯田圭織」としてね。

  ただ、今回の歌い方は前回よりもストレートに感じましたね。バリエーションが減ったというよりも、飯田自身がこなれてきたのかもしれません。曲毎に歌い方を変えたりして聴き手を驚かせた前作と実はそんなにやってることは変わってないとは思うんですが、そう感じさせない、悪い言い方をしてしまえば「平坦」に聞こえてしまうのは多分、そういった歌い方の個性以上に飯田自身の色や個性が以前よりも強く前に出てしまっているからなんじゃないでしょうか‥‥勿論、俺がそう感じたってだけで、実際に皆さんが聴いた時にはそう聞こえないかもしれませんが(あるいは前作を聴かずにいきなりこのアルバムから聴き始めたら、そういう風には感じず、もっと新鮮に聞こえるんでしょうね)。

  バックトラックも前作がちょっとチープかな!?と感じていたのに対し、同じような打ち込みメインなはずなのに今回は意外と自然に聞こえるのは、多分どの曲にも生楽器(ガットギターやストリングス、サックス等のブラス)をふんだんに取り入れているからかもしれませんね。前作でも同じようなアプローチだったはずなのに、何故今回は余計にそう感じてしまうんでしょうか‥‥多分、聴き手側にもある程度楽しむ余裕が出来てきたってことなのかも。いや、ホント俺だけかもしれないけど。

  個人的ハイライトとなるのは、超有名曲 "オー・シャンゼリゼ" ではなく5曲目の "マリン・ブルーの瞳" なんですよね。原曲はセルジュ・ゲーンズブルグの手によるもので、ここでは如何にも打ち込みというようなリズムトラックとシンフォニック調シンセをバックに飯田が切なそうに優しく歌うのですが、問題はそのバックで鳴っているエレキギター。個人的なツボだったんですが、これを弾いているのが「ジェットフィンガー」の愛称で知られるメタル系ギタリスト、横関敦なんですよね。BRONXというバンドでデビューした後、筋肉少女帯のレコーディングやツアーに参加したり、ZIGGYやVOW WOWのメンバーと共にLANCE OF THRILLというバンドをやったり等、その他にもいろんなミュージシャンとのセッションで有名なこの人が、まさかハロプロと絡む日が来ようとは‥‥15年前の俺に聞かせてあげたいね! と、ここまで書くと多分多くの人が「速弾きしまくり!?」とか心配するでしょうけど、ご心配なく。まぁ確かに結構雰囲気モノで如何にも「ジェットフィンガー」なプレイを聴かせてくれてますが、それでも曲の雰囲気に合ったトーンで弾いてますのでそんなに耳障りではない、はず。メタルと縁がない人が聴いたらどうか判りませんが‥‥

  というわけで、全体的に好印象なこのアルバム。前作が気に入ったという人なら間違いなく満足していただけると思いますし、飯田の声が好き!って人や彼女の声に癒されるって人、とにかくモーニングが好きで洋楽ポップスが好きな人なら間違いなく楽しめる作品です。



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