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2003/10/12

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT Last Heaven tour 2003@幕張メッセ(2003年10月11日)

  THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのラストライヴってことで、多くのファンにとっては非常に感慨深い、歴史に残る涙モノのライヴだったんでしょうね。確かにロックバンドとしては理想的な、本当に素晴らしいステージだったと思います。けど、正直なところ俺はそこまでの思い入れもないし、やっぱり悲しくないのに「悲しかった」とか「泣いた」とか嘘は書けないので、フラットな気持ちで書きたいと思います。

  そう、そのライヴ自体も非常にフラットな気持ちで接することが出来たんですね。幕張メッセまでの道中、ずっとミッシェルのアルバムや今日リリースになった "エレクトリック・サーカス" のシングルを聴いていたんですが、これまで同様、普通にライヴに行く感覚だったんですよね。そりゃ当たり前か。実際ライヴに行くわけだし。けど、そこには前夜まで感じていたセンチなものは一切なかったわけで。単純に「あーミッシェルのライヴ楽しみだな~」って感覚。それが逆に良かったのかもしれないね。

  当初の予定と大幅に会場内のレイアウトが変わり、追加券も発売され、結局1万人近い人数(実際何人入ったのか判りませんが、多分これくらいは確実に入ってますね)が幕張メッセに集結。今回は事前にチケットとリストバンドを交換してからの入場ってことで、非常にスムーズに入場することができたんじゃないでしょうか。少なくともあれだけの人数がいる中で、ものの十数分程度で入場出来たのは奇跡的(ま、中に入ってからまた並ぶわけですが)。そういう意味ではイライラ指数は低いままでしたね。

  入場して、俺は結構後ろの方で観ることにしました。今回、会場内が広いってこともあってステージ左右にスクリーンが用意されてまして。ま、メンバーを目視で認識することは不可能でしょうから、もうスクリーンで観れればいいか、どうせ曲に合わせて歌って踊って、そっちに夢中になるだろうから‥‥って最初から緩い感じ。

  開演時間(18:30)間近に、急にS.E.がROLLING STONESの "Sympathy For The Devil(悪魔を哀れむ歌)" に変わった途端、会場から大きな歓声が‥‥ま、この曲が終わってもライヴは始まらなかったわけですが。その後もイギー・ポップが流れたり、THE DOORSの "The End" が流れたりで‥‥って、めっちゃベタじゃんか。しかも "The End" が流れ始めたの、19時ちょい前ですよ。そこからあの10分前後ある曲が始まっちゃって‥‥30分待ってる間、一緒にいた友人と話していたから退屈することはなかったんですが、それにしても‥‥

  と思ってたら、急に会場が暗転して、お約束の "ゴッド・ファーザー愛のテーマ" が。会場に響く歓声と奇声。そして現れたメンバー4人。特に気構えた様子は感じられる、いつもと同じ感じだったように見えました。そしてテンションがドンドン高まるオーディエンスをなだめるかのようにスタートしたのが、意外や意外 "ドロップ" だったという。開演前に「ミディアムヘヴィの緩めの曲からスタートするんじゃないの?」とか言ってたら、本当にそういう展開になってちょっと驚き。そう、ミッシェルにとっては「最後の~」というよりも、ツアーの最終日といった感覚が強いのかな‥‥いや、そんなことないか。今日でお終いってみんな自覚してるはずだし。そんな深読みを勝手にしてると、"ゲット・アップ・ルーシー" や "バードメン"、"デッド・スター・エンド" という怒濤のアッパー攻撃。既にこの時点で汗ダクダク状態。歌えや踊れやでひとり大はしゃぎ。

  途中 "ストロベリー・ガーデン" なんて懐かしい曲も挟みつつ、"アッシュ" や "フリー・デビル・ジャム" といった「GEAR BLUES」の曲、そして最新作「SABRINA NO HEAVEN」から "デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ" で更に攻め続ける。一瞬でもこちらに休む隙を与えないつもりか、こいつら‥‥かと思ったら今度はファーストから "I was walkin' & Sleepin'" と "ブラック・タンバリン" を持ってくるし。うわー共に懐かしい曲だなぁ。最後だからというよりも、今回のツアーはこういった懐かしい曲も日によっていろいろやってるのがファンじゃない俺にも嬉しいし、有り難い。更にこの後 "深く潜れ" だもんなぁ。ここで思いっきり鳥肌立ったよ。凄く好きなんだよね、この曲。前にもライヴで聴いたことあったけど、最後にもう一回聴けて嬉しいです。そしてフジロックでもやってくれた "カルチャー" で飛ばして、同じく「chicken zombies」から名曲 "ブギー" が。ここでやっとゆっくり出来るというか、じっくり観れる状態になったんだよね。歌に聴き入って、アベのギターに聴き入って。もうずっと鳥肌立ちっぱなし。

  そんな強烈なインパクトをもった曲の後だからなのか、続く "赤毛のケリー"、"ゴッド・ジャズ・タイム" は何故かピンとこなかったんだよね‥‥個人的に一番思い入れがないアルバム「Rodeo Tandem Beat Specter」の曲だったからなのか、単に疲れてきたのか‥‥判らないけど、何故か急に醒めて冷静に観ちゃったんだよね。それは "エレクトリック・サーカス" が終わるまでずっと続いたのね‥‥この曲の時だけ両脇のスクリーンが消えて、ステージ後方のカーテンが開いて、後方一面がデカいスクリーンになっているという仕掛けがあったんだけど、それすら醒めた目で観ちゃってた。「ああ、劇的に盛り上げようとしちゃって‥‥」とか皮肉混じりに。何故なんだろう‥‥

  けど、そんなのも続く "ミッドナイト・クラクション・ベイビー" で吹っ飛び、名曲 "ベイビー・スターダスト" ではっちゃけ、"スモーキン・ビリー" で大合唱し、"リリィ" で踊り狂い。一瞬「このまま "G.W.D" に突入か!?」とか思ったら、何故が唐突に本編終了。会場中のみんなが「‥‥へっ!?」ってなったみたいで、あまりに唐突すぎて最初は理解出来なかったみたい。アンコールを求める拍手や歓声もイマイチまとまりがなかったしね。

  けど、4人は戻ってきた。やっぱり嬉しいよね、素直に。チバの「どっか行こうぜ」の呼びかけと共にスタートしたのが、"GT400"。ライヴではテンポが早くなってて、非常に心地よいビートなんだよね。歌も合唱しやすいし。とにかく気持ちいい1曲。そしてレゲエのリズムに合わせてチバが「Bye bye baby!」とかいろいろ叫んでから "リボルバー・ジャンキーズ" のレゲエアレンジがスタート。サビの部分だけ歌った後、テンポが速くなってアルバムバージョンに。この曲も合唱向きというか、コール&レスポンスに打って付けなんだよね。いい具合に再びエンジンがかかり始めたところで、終わりが近づいていることを我々に示す "ジェニー" が。周りのみんなが、ここぞとばかりに踊りまくる。余力を残さずにここで力尽きるかの如く。そして笑顔のメンバー。再びステージを去っていき、再びアンコールを求める拍手。今度は素晴らしい一体感。もう1曲、みんな「あの曲」を最後に待ってるんだろうね‥‥

  アンコールに応え、三度ステージに現れたミッシェル。恐らくこれが本当に最後の曲だろう‥‥そう確信していたら、あの強烈なコードストロークが。やはり彼等が最後の最後に選んだのは "世界の終わり" でした。「デビュー曲でバンドの歴史に幕を閉じる」とか「解散=正しく世界の終わり」とか、みんないろいろ推測したがるだろうけど、ここは純粋に「最後にこの曲をやりたかったから」でいいんじゃないかな。みんなも聴きたかったし、そしてバンドもやりたかった。だからこそ、あの曲のイントロが会場に響いた瞬間の歓声はそれまでで一番大きかったものになったんだろうし。本当にいい曲だもんね。途中、アベのギター弦が切れるというアクシデントがあったものの、そのまま鬼気迫るプレイで最後まで乗り切りました。そしてエンディング。チバが最初にステージを去り、残された3人がアドリブでいろいろ弾いて、ギターのフィードバック音を残したまま、約2時間に及ぶライヴは終了。珍しくアベが「ありがとう。」と一言喋り、客も大感激。もの凄いリアクションだったよ。そしてウエノが去り、クハラが去って行き‥‥両脇のスクリーンに

   Thank You Rockers I Love You

の文字が。ライヴが終わっても会場内に響くミッシェルの曲(客出しS.E.にミッシェルのインストナンバーを使うという憎い演出が)。名残惜しんでなかなか退場しない者、CDを流してるだけなのにダイブを始める者、「ミッシェルありがとー!」と泣きながら叫ぶ者、ただ笑顔で「いいライヴだったね」と会場を後にする者‥‥1万人もいれば1万通りの「人それぞれ」があるでしょう。俺はというと‥‥もう「果てた」といった感じでしょうか。笑顔というよりも‥‥いいライヴだったなぁと反芻する感じ? ライヴ終了から数時間経った今でもその気持ちに変わりはなく、とにかくただ「いいライヴを観たなぁ」という気持ち。

  この手のバンドが数百人程度のライヴハウスには掃いて捨てる程いるわけですが、そんな中で幸運にも大成功を手にした彼等。それはただラッキーだったからではなくて、それに伴う実力といい曲が沢山あったから。そのスタイルや佇まいがカッコイイからといった理由もあるでしょうけど、その殆どの人が彼等の曲やライヴに惹き付けられた。勿論俺も。気づけばロックフェスでトリを務めたり、今回みたいにオールスタンディングで1万人以上もの人を集めてしまったり(ま、今回に関しては「解散」という要因が大きく関係してるんですが)。ひとつのロックバンドとして非常に理想的な形で成長・成功していき、そして惜しまれて解散していく。多分今日のライヴはファンにもファンじゃない人にもずっと心に残るライヴになったんじゃないでしょうか。

  そう、解散云々は関係なく、今日のライヴは「いちロックバンドとして理想的なライヴ」だったと思いますよ。万単位の人間を相手にあそこまで満足のいくライヴを繰り広げたんですから。そりゃね、あれも聴きたい、これも聴きたいっていう願望はいくらでもありますよ。けど最大公約数の人間を満足させるに十分なセットリスト・内容だったのでは?と思うわけで。各アルバムから満遍なくプレイされていたし(結局今回は「SABRINA HEAVEN」から1曲もやりませんでしたが)、曲数や演奏時間も満足のいくものだったし。「最後だから、やれるだけやれ!」ってわけでもなく、ただ単にツアーファイナルとしてやったかのような構成。何も知らずにこれ観たら、「ああ、今回のツアーもよかったから、また次のツアーにも行こう!」とか絶対に思ったはずだもん。現に俺、そういう気持ちになったし。そしてそう考えた時に初めて「‥‥そうか、もう『次』はないんだっけ‥‥」と気づいたわけで。

  今はまだ残念ですとか惜しいバンドをなくしたとかそういった気持ちはないんだけど‥‥時間が経てばそういった「喪失感」を痛いほど感じるようになるのかなぁ‥‥。


[SETLIST]
01. ドロップ
02. ゲット・アップ・ルーシー
03. バードメン
04. デッド・スター・エンド
05. ストロベリー・ガーデン
06. アッシュ
07. フリー・デビル・ジャム
08. デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ
09. I was walkin' & Sleepin'
10. ブラック・タンバリン
11. 深く潜れ
12. カルチャー
13. ブギー
14. 赤毛のケリー
15. ゴッド・ジャズ・タイム
16. エレクトリック・サーカス
17. ミッドナイト・クラクション・ベイビー
18. ベイビー・スターダスト
19. スモーキン・ビリー
20. リリィ
-Encore-
21. GT400
22. リボルバー・ジャンキーズ
23. ジェニー
-Encore2-
24. 世界の終わり



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投稿: 2003 10 12 12:00 午後 [2003年のライブ, THEE MICHELLE GUN ELEPHANT] | 固定リンク