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2003/11/01

INCUBUS『LIVE AT LOLLAPALOOZA 2003』(2003)

'90年代後半、ラウドロック・ブームの波に乗って登場したINCUBUS。そんな彼等も今や全米ナンバーワン・バンド。だからってわけじゃないだろうけど、PEARL JAM辺りがよくやってる「オフィシャル・ブートレッグ」を今回インターネット上でリリースしまして。ただINCUBUSの場合は、チャリティー名目でこのライヴ盤をリリースしたんだよね。流通にレコード会社を介さないことで、10ドル以下に抑えた値段設定になってたり、紙ジャケにCDが素で入ってる辺りも手作りっぽさがあるし。PEARL JAMのブートシリーズに習ってのことなんだろうね。

けどさ、音に関しては西新宿辺りで売ってるブート盤と比較にならない程、良いわけで。ま、アーティスト側が自ら出す「公式海賊盤」だもん、そりゃ音いいわな普通。ライヴレコーディング自体はどのライヴでも行ってるんだろうけど(後のチェック用に録音自体はしてると思いますよ)、ちゃんとミックスされてるように感じられるのね、このアルバムの音。バランスもいいし。リリースするためにしっかり金かけてる感じ。録って出しって感じじゃないところはまぁブートっぽくないかな、と思うけど。出すことに意義があったんでしょうね、彼等の場合。

タイトルの通り、今年全米をツアーした「ロラパルーザ」ツアーで録音されたものなんだけど、いつ・どこで録音されたものかは明記されていません。最初の数曲は途切れなく進んでいくんだけど、途中から曲毎にブツ切り状態で終わったり始まったりすることから、多分ロラパルーザ・ツアーの中でのベストテイクを集めたものなんでしょうね。ここには13曲、約60分のライヴ音源が入ってるんだけど、実際にはもっと長いのかもしれないよね。だってこのアルバムにはセカンドアルバム「MAKE YOURSELF」からの大ヒット曲 "Drive" が入ってないんだもん。基本的にはナンバーワン・アルバム「MORNING VIEW」からの曲が大半を占め、残りはセカンドからと、ファーストからも2曲。後は同じロラパルーザにも参加したJURASSIC 5のDJ等が参加したジャズ風のインストナンバー "Battlestar" と、俺が持ってる3枚のアルバムには入っていない曲 "Pistola"。バンドのヘヴィな側面ではなく、あくまで "Drive" 以降、「MORNING VIEW」でのエモーショナルな歌モノ路線を強調した選曲になってます。彼等のライヴってまだ一度も観たことがないんだけど‥‥昔「ファミリー・ヴァリューズ」ツアーの映像(ファーストリリース後)を観た時はもっとヘヴィロックしてたような気がするんだけど‥‥きっとサード以降の流れとして、こういうったナチュラルな路線で突き進み、そしてそれが支持されてるんだろうね。何となく納得できるもん、この音源聴いてると。

で、それまでどうしても釈然としなかった点があってね。それが上に書いたように‥‥ずっとヘヴィロックがソフトでエモーショナルな側面を取り入れていったバンドだと思ってたのよ。だから「MORNING VIEW」って‥‥いいアルバムなんだけど、どうにも馴染めないものがあったのよ。けどさ、このライヴ盤を聴くと‥‥見えてくるのね、彼等の出所が。時流に合わせてヘヴィな色合いやDJプレイを取り込んでいたけど、元々はナチュラルなアメリカンロック・バンドなんだなこいつら、って‥‥グランジの波に飲み込まれちゃったけど、正にPEARL JAMがそうであったようにね。

例えばさ‥‥プロデューサーが一緒だったからっていう理由じゃないけど、同じアメリカのバンドとしてR.E.M. 辺りとの共通点も見え隠れするのよ、そういったエモーショナルな曲を聴いてると。勿論、PJなんかの色も見えるし。それって要するに「アメリカ人による、オーソドックスなアメリカンロック」ってことなんじゃないかな、と。表現の手段や方法が違うだけで、根元にあるものはどれも一緒なんじゃないかな、という気がするのね。どうでしょう?

とかいいながらこのバンド、まだ全員20代前半くらいでしょ!? デビューした頃がハタチそこそこだったはずだからさ。きっと次のスタジオ盤(来年前半リリース予定)ってさ、その「MORNING VIEW」よりももっと地味で深いアルバムになるんじゃないかな、って気がするんだよね、このライヴ盤を聴いてると‥‥いやぁ‥‥けどそんなに急ぐ必要もないか。若いなら若いなりの表現方法があるはずだしね。

元々ジャズとかファンクからの影響が強いのもあるし、各メンバーがそういった音楽をやってたらしいから演奏にもそういったノリやテクニックを見出せるんだよね。ターンテーブル担当もただヒップホップ的なスクラッチをするだけじゃなくて、キーボーディストがいるような感じのエフェクト音を沢山取り入れてくれるので、音に広がりを感じるし。願わくばそういった要素を更に微妙に出しつつ、歌を前面に出した「広意義での」ラウドロックを産み続けて欲しいな‥‥と願っております。

機会があったら是非聴いてみてください。スタジオ盤とはまた違った彼等の「顔」を見つけることが出来ますから。



▼INCUBUS『LIVE AT LOLLAPALOOZA 2003』
(amazon:海外盤CD

投稿: 2003 11 01 04:58 午前 [2003年の作品, Incubus] | 固定リンク