« 宇多田ヒカル『COLORS (EP)』(2003) | トップページ | Cocco『Heaven's hell』(2003) »

2003/12/30

BUCK-TICK : THE DAY IN QUESTION 2003@日本武道館(2003年12月29日)

 昨年から今年にかけて、自分が十代の頃に愛したバンド達を観る機会が非常に多くなってます。いや、意識的に観るようにしてるんだろうけど‥‥再結成にしろ延々続けてきたにしろ、同じメンバーだろうが全然違うメンバーだろうが、とにかく変わらずに「そこ」にいてくれるという現実。これが素直に嬉しく思うわけですよ。SOFT BALLETにしろ(ま、彼等はまた凍結してしまいましたが)ZIGGYにしろ、Theピーズにしろ、LA-PPISCHにしろ、KENJI & THE TRIPSにしろ、そしてこのBUCK-TICKにしろ。20年近く前と同じ舞台で戦っていてくれる現実。これが良いわけですよ、自分にとっては。

  特にこのBUCK-TICKの場合、メンバーチェンジもないまま20年近く走り続けてきたわけですから。デビュー前から知ってる存在、一時期は離れていたものの、この1~2年の間に再び彼等に興味を持ちだし、気づけば「ライヴ観てみたいなぁ」と思っていた。そこに今回、うちのサイトのビジターさんから「ライヴ行ってみませんか?」とのお誘いが。行かないわけがないじゃないですか! このチャンスをずっと待ってたんですよ!!

  ご存じの通り、ここ数年彼等の年末ラストの武道館公演は、通常のツアーとは異なるセットリストで、意外な曲(過去殆ど演奏したことのないような曲、初期の曲、ちょっと前のアルバムの曲等)をバンバン演奏する、いわば「ファン・サービス」的内容なわけ。しかも例年は1日だけなのに、今年に限っては2日間、更にその2日共に別内容というんだから‥‥そりゃ行くしかないでしょう!

  自分が最後に彼等のステージを観たのは、多分「狂った太陽」のツアーだった記憶が‥‥つまり'91年頃‥‥12年以上経ってるわけ。その間、テレビに出演する彼等の姿は可能な限り目にしてきたつもりだけど‥‥やはり不安と期待が入り交じり、どういう風に反応していいものか‥‥

  会場は日本武道館。ここに来るのも随分と久し振りのような気が。多分3年振り!? 席は2階席だったけど、非常に観やすい位置だったので問題なし。ステージセットは非常にシンプルそのもので、舞台には前方にマイクやら機材と、両脇に花道があるのみで、後方の高台にドラムとベース、そのバックには黒幕と大型の照明のみ。本当に何のギミックもなさそう(見る限りでは)なシンプルさ。逆にこの手の込んで無さが「今日は曲で勝負する」という意気込みを感じさせられて、ますます期待してしまうじゃないですか。

  この日はCSで生中継があるということで、ほぼ定刻通りのスタート。会場が暗転し、不気味なSEが流れる中、メンバーが登場。それぞれ、てんでバラバラな衣装(リズム隊は如何にもな格好、ギターの星野はちょとだけラフな服装で、今井は上下赤のスーツ、櫻井は白のスーツに白い帽子、更に血染めの白いロングコート)‥‥この日、途中のMCで櫻井が言っていた通り、本当に「衣装もバラバラ、選曲もバラバラ」という言葉通りのステージがこの後繰り広げられるわけです‥‥

  だってさ、いきなり "FLY HIGH" よ!? 前日、本当に久し振りに「HURRY UP MODE」を聴いてたんで、マジでビックリ。うわー、なんじゃこりゃ!?って感じ。で、その後に最近の "LIMBO" ときて、中期の "Deep Slow"、また新作から "Mona Lisa"。ビートロック、デジロック、ダークでエレクトロ臭のするゴス、ポップなメロディ、ヘヴィな音像‥‥一体どれだけのバンドがこれを一本筋を通して説得力持って披露できる? この凄み/魅力こそがBUCK-TICKの16年の重みなんだな、と再認識。いやー、素直にカッコイイと思ったよ。

  その後も飛び出す楽曲はここ数作からの曲に旧曲を交えつつ、とにかく彼等にしか出来ない世界観を我々に提示し続けました。終始「手扇子」で応えるファン、ただひたすら踊り狂うファン、ただ呆然とステージを見つめるだけのファン(男性に多し)‥‥反応の仕方はそれぞれだけど、ただひとつ言えるのは‥‥それだけ人を惹き付ける魅力を持ったバンドであり、そういった楽曲を20年近くに渡って作り続けてきたんだな、と。本当に圧巻の一言。

  シンプルなステージングと書いたものの、実は途中でちょっとした仕掛けがあったり。何の曲の時だったかは忘れたけど、ステージ真ん中(ボーカル立ち位置の真後ろ、ドラム台の前)の床から突然炎が上がり、それをバックに櫻井がダークでムーディーな曲を歌うという演出があったんですよ。会場の照明は櫻井への赤いピンスポットのみで。とにかくその絵を観れただけでも今日は来れてよかった、と思えるようなシーンで。当日、CS放送で観た人はどういう感想を持ったんでしょうね?(つうか画面を通して見るとどういう風に見えてたのかが気になるところ)

  その後も今井ボーカルの曲があったり、懐かしの "ANGELIC CONVERSATION" で失禁しそうになったり、これまた愛着のある "さくら" のイントロで今井がサラッとYMOの "Firecracker" のフレーズを弾いてみせたり(両曲のイントロ、何となく似てるよね?)、これまた失禁ものの "EMPTY GIRL" では途中で今井が "お正月" を弾き始めて、それに合わせて櫻井が「早く来い来い‥‥エンプティーガールッ!」て歌ったり、とにかくレアなものを観れた/聴けた気がします。確かに "JUST ONE MORE KISS" や "悪の華" や "SEXUAL XXXXX!" みたいな大ネタはなかったものの、それでも終始多う存分楽しめました。だってさ、本編ラストが‥‥俺内BUCK-TICKベストソング上位5曲に入ってる "鼓動" ですからね。こういう曲で終わるってのは賛否両論あるとは思うんですが、俺は面白いと思った。歌い終えると、まだ演奏途中にも関わらず深々とお辞儀をしてステージを去る櫻井。他のメンバーも演奏が終わると素っ気なくステージを降り本編終了。当然アンコールを求める拍手。久し振りにアンコール時に「アンコ~ルッ!」っていう掛け声、聞いたよ。

  意外と早めに戻ってきた5人。今度は櫻井、白い衣装の上に黒いコートを羽織って登場(聞くところによると、前日は全身黒尽くめだったそうで)。最新シングル "幻想の花"、そのカップリング曲 "ノクターン -RAIN SONG-" というダークでムーディーな2曲を歌い、いよいよアンコールラストとなる名曲‥‥これも俺内BUCK-TICKベストソング上位5曲に入ってるんですが‥‥ "JUPITER" の登場。すると、天上から雪が降り始めたんです。多分、泡を発生する装置だと思うんですが、青白いライトと共に、見事にこの曲を盛り上げる演出。幻想的なこの名曲にピッタリでしたね。本編/アンコール共々、こういったスロウでムーディーな曲で終わったことに異論を唱えるファンが多いとは思うんですが、てんでバラバラな選曲なわりには非常に完成し尽くされたステージだな、と思いましたね。万人を満足させることは不可能に近いとは思いますが、少なくとも12年振りに観た俺は感動したし、みた観てみたいと思った。そして改めてこのバンドの凄みを体感できて嬉しかった。それだけで十分なんですけどね‥‥(って何回も、何十回も観てる人からすると、そうもいかないんでしょうね。気持ちは理解できますけど)

  ほぼ2時間というボリュームで、確かに知らない曲(ここ数作の、新作以外のアルバムの曲)とかあったものの、それでも存分に楽しめたのはやはり彼等の魅力によるものなんでしょうね。勿論そこには「BUCK-TICKが好き」という大前提があるわけですが。いやー参った。ホントいいバンドだわ。良い意味で、デビュー時から全く変わってないしね。音楽的にはその時代その時代でいろんな要素を吸収しているものの、その根底にあるモノは結局ずっと変わってない。だからこそ、インディーズ盤の曲から最新作の曲までを一直線上に並べて披露することができる。「てんでバラバラ」とはいうものの、そこには密接な繋がりがちゃんと存在していることが素人目にも理解できたし、それを古くさくなく、今のバンドとして提示することができる。最初に名前を挙げたバンド達が今現在も活躍できるのは、この現役感覚がちゃんと備わっているから、今も変わらず魅力的でいられるんだなぁ‥‥そう感じずにはいられない夜でした。


[SETLIST]
---SE---
01. FLY HIGH
02. LIMBO
03. Deep Slow
04. Mona Lisa
05. 女神
06. MISTY BLUE
07. パラダイス
08. SANE
09. 密室
10. ミウ
11. Sid Vicious ON THE BEACH
12. 疾風のブレードランナー
13. Baby, I want you
14. ANGELIC CONVERSATION
15. さくら
16. EMPTY GIRL (inc.「お正月」)
17. 鼓動
---encore---
18. 幻想の花
19. ノクターン -RAIN SONG-
20. JUPITER

投稿: 2003 12 30 12:00 午前 [2003年のライブ, BUCK-TICK] | 固定リンク