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2003年12月18日 (木)

IRON MAIDEN『DANCE OF DEATH』(2003)

本当に、心の底から「いいメタルのアルバムだな」と思えたのが、今回の『DANCE OF DEATH』。ブルース・ディッキンソンとエイドリアン・スミスが復帰しトリプルギター/6人編成としての2枚目、通算13作目となるIRON MAIDENのオリジナル・アルバム。制作には前回とほぼ同じメンバーが当たり(ケヴィン・シャーリーがプロデュース)、作風的にも前作の延長線上といえるような内容なんですが、今回の方が遙かに良い出来なのは何故なんでしょうかね?

個人的には前作『BRAVE NEW WORLD』も嫌いじゃなかったんですが、まぁあれですよね、“ブルース&エイドリアン復帰に対するご祝儀”的な甘い評価が目立ったじゃないですか。で、俺もそういった好意的な気持ちで迎えた1枚だったんですよ。ただ、個人的評価としては‥‥'92年のブルース在籍時ラスト作となった『FEAR OF THE DARK』以降のアルバムは、正直「帯に短し~」なんですよね。悪くはないんだけど、決定的な何かが足りない。それは「決めの1曲」とかそういった類のものではなく(「決めの1曲」という意味では、前作には「The Wickerman」がありましたからねぇ)。

今回のアルバム、決して短いアルバムではないですよね。冒頭のシングル曲2連発(「Wildest Dreams」「Rainmaker」)で「おおっ、どこから聴いてもMAIDENだ!」って感じで勢いをつけて、3曲目から如何にもな長編がバンバン飛び出すという仕組み。叙情詩的な「No More Lies」からヘヴィなシャッフルナンバー「Montsegur」、そこからアルバムの肝となる長編タイトルナンバー「Dance Of Death」への流れは圧巻だと思うし、如何にもMAIDENらしい「Gates Of Tomorrow」や「New Frontier」(これ、久々に俺内で大ヒット)の後に再び長編の嵐‥‥「Paschendale」「Face In The Sand」「Age Of Innocence」「Journeyman」の4連発。特に「Paschendale」のオーケストラを導入した劇的な盛り上げ方は個人的にはかなりツボ。例えば往年のRAINBOWなんかを彷彿させるノリ、と言えばお判りいただけるでしょうか?

アルバムを通して聴くと‥‥後半にそういった長編が続いてるからってわけじゃないですけど‥‥何となく作風的に『POWERSLAVE』に近いような印象を受けます。これって要するに「バンドとして新しいピークに達しつつある」ってことなんですかね‥‥80年代のMAIDENは明らかに『POWERSLAVE』というアルバムで、世界的にひとつのピークを迎えてますよね。そしてその後、ある意味迷走とも取れるような『SOMEWHERE IN TIME』『SEVENTH SON OF A SEVENTH SON』等をリリースし続ける(しかしこういった迷走時期の作品が実は名盤だったりするから侮れない)。そしてエイドリアンの脱退(解雇)~ブルースの脱退‥‥勿論、今後の彼らが再び同じような道を辿るという意味ではないですよ? ただ、こうやって20年以上に渡って活躍してきたバンドとして、今回のアルバムで再び「高み」に到達しそうだな、という気がするというだけ。このアルバムのツアーが10数年振りに大がかりなセットを用いたものになるのも、その表れなんじゃないでしょうか?

最近の若手メタルバンドは一切聴かない、というか昨今のメタルに全くといって興味がない俺なんですが、こうやって往年のバンドが今でも活躍してると応援したくなるというか、聴きたくなっちゃうんですよね、素直に。で、久し振りに聴くから余計に良く聞こえるというね。いやいや、いいアルバムじゃないですか。毎日何時間も聴き込んだり、決して自身の「BEST OF 2003」に入れてしまうようなタイプの作品ではないですが、やっぱりたまにはいいもんですね。ほら、毎日あっさりした食事をしてると、たまに油ギトギトでコッテリした食事がしたくなる時、あるじゃない? あれと一緒。今の俺にとってのヘヴィメタルって、多分そういう存在なんだと思います。

最近のイギリスではTHE DARKNESSの大ブレイクを筆頭に、再びこういったメタルに脚光が当たっています。MAIDENはまぁある意味国民的バンドですから‥‥と思ってたら、まさかそのTHE DARKNESSに1位の座を阻まれるとはねぇ‥‥アメリカでも久し振りにトップ20入りしたそうですし、普段ラウドロックばかり聴いてる人も、たまにはこういった正統派もいいんじゃないですかね?(ただし日本盤はCCCDなのでご注意を)



▼IRON MAIDEN『DANCE OF DEATH』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

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