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2003年12月 2日 (火)

REEF『TOGETHER, THE BEST OF...』(2002)

昨日の更新でLED ZEPPELIN『HOW THE WEST WAS WON』というライヴ盤を取り上げましたが、あの音源自体30年以上も前のものなんですが、全然色褪せてないんですよ。所謂「ブリティッシュ・ロック」と呼ばれるスタイルの基本となるものの全てがあそこに凝縮されているという意味でも、非常に興味深い作品であると同時に‥‥果たして最近のバンドでこういったスタイルを受け継いでいるバンドがどれくらいいるのか‥‥非常に気になるところです。

よくZEPをハードロックバンドとして捉える人がいます。それも間違いではありませんが‥‥そうすると、後期に行くに従って徐々に苦しくなるわけです。そういったスタイルからかけ離れていくわけですし。そういった意味での「ハードロック的側面の後継者」というのは、これまでもかなりの数いたと思うんですが、もっと広意義での「ロックバンド」となると‥‥特に'90年代以降のイギリスにはあまりいなかったように思います。そんな中、THE STONE ROSESがセカンドアルバム『SECOND COMING』で示したスタイルというのは正しく「'90年代的ZEPスタイル」でした(が、ファンには不評でしたが)。同じようなスタイルで考えると昨年ブレイクしたTHE MUSICもこの系譜に入るでしょう。

しかしもっと泥臭い、コテコテなスタイルとなると‥‥これが本当に数少ない。自分が思いつく限りでは、今回紹介するREEFくらいじゃないでしょうか。他にももっといたんでしょうけど、セールス的にも成功を収めたバンドとなると、やはりREEFしか思いつきません。上記の2バンドが非常に現代的でスタイリッシュなのに対し、このREEFはホントに時代遅れで、何もこんなことを21世紀目前にやらなくても‥‥と呆れてしまうようなど真ん中の剛速球を投げ続けてきたんですから。そんな直球勝負の歴史を綴ったのが、今回紹介するベストアルバム『TOGETHER, THE BEST OF...』。日本では2002年の秋に先行発売され、本国イギリスでは今年2003年初頭になってようやくリリースされたこのアルバム、歴史を総括する以上の意味合いを持つ1枚となってしまいました。

所謂シングルヒットを殆ど抑えた内容になっていて(勿論選外になった曲もあるんですが、大ヒットナンバーはほぼ収録されてます)、ファーストアルバムから2曲、ファースト『REPLENISH』未収録のシングル1曲、大ヒットしたセカンド『GLOW』から4曲、サード『RIDES』からは1曲(何故「New Bird」を外したんだよ!!)、4作目『GETAWAY』からも1曲という形になってます。まぁ確かにサードと4作目は大ヒットには程遠いし(サードはそれでもまだトップ10入りしたんだよね。4枚目は10位圏外だったけど)、大ヒットしたセカンドからのシングルは全部入ってるんで、入門編としては非常に重宝する内容かと思います。

そしてこのアルバムの凄いところは、それ以外に新曲が5曲収録されている点でしょう。ポップでストレートな方向に移行した『GETAWAY』路線ではなく、サード以前の泥臭いルーズでグルーヴィーなロックンロール路線に回帰している点が非常に興味深く、「やっぱ小難しいこと、俺達にゃ無理!」という開き直りすら感じられます。自分達が最も得意とする方法で、更に純度の高いモノを生み出す。これが功を奏し、ただのベスト盤というよりも「REEFの第2章」を予感させる内容になってるんですね。プロデューサーもセカンドやサードを手掛けたジョージ・ドラクリアスが復帰、正に「あの時代」を彷彿させる作風で、好きな人にはたまらない内容になってます。

日本盤には更に2曲の新曲(内1曲はスティーヴィー・ワンダーのカバー「Love Having You Around」)がボーナストラックとして追加収録されてます。これはシングルカットされた新曲「Give Me Your Love」のカップリング用にレコーディングされた曲なんですが、これらを含めると都合7曲の新曲が聴けることになります。既出ヒット曲が9曲に新録曲が7曲。バランスとしては最高じゃないでしょうか? ベスト盤だからいいや‥‥とかいって無視すると罰が当たりそうな程に豪華で、重要な1枚。ブリティッシュ・ロック好きを自称する人なら絶対に聴くべき1枚ですよ、これ。

上で「歴史を総括する以上の意味合いを持つ1枚」と書きましたが、正にそういうことなんです。ところが‥‥それだけでは済まなくなってしまったんですね。まず‥‥ま、ベスト盤リリースの時点で何となく想像がついてましたが‥‥このベスト盤リリースを機に、REEFはレーベルからドロップしてしまいます。更にドラムのドミニクが脱退してしまったという話が飛び込んできてます(今年4月には来日公演も行ってるし、6月にはインディーズ・レーベルから新曲「Waster」もリリースしてるので、恐らくその後のことなんでしょうね)。今後を占う意味でも非常に重要な作品だったのに、ホントの意味での一区切りとなる作品集になってしまうとは‥‥残念でなりません。

とにかくこのアルバム、日本盤をオススメします。全16曲で60分にも満たない、本当に濃い作品集ですよ。「グルーヴって何さ?」とか言ってる人、これ聴けば判りますから。

 


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